説明

洗濯用固形石鹸およびこれを用いた洗濯方法

【課題】 皮膚に対する刺激性を弱め、低温環境下で固形石鹸を使用しても洗浄力が低下せず、且つ洗浄後にも石鹸カスが溜まり難い洗濯用石鹸およびこれを用いた洗濯用固形石鹸、および洗濯方法の提供。
【解決手段】 少なくとも油脂成分とアルカリ成分とからなり、洗濯用に使用される洗濯用固形石鹸であって、油脂成分としてオリーブオイル、ひまし油、パーム油、パーム核油、パームステアリン酸、ココナッツ油、米ぬか油、紅花油、ごま油、つばき油、コーン油、綿実油、大豆油、ひまわり油を含む植物油の1種または2種以上が使用され、全体が球状、垂体状、柱状またはその他の立体形状であって、全ての辺の長さまたは直径が10〜40mmに形成されている洗濯用固形石鹸とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、洗濯用固形石鹸に関し、さらに詳しくは乾燥性皮膚が目立つアトピー性皮膚炎患者や老人性乾皮症患者、または乳幼児が着用する衣料を洗濯するのに適した洗濯用固形石鹸に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から洗濯用の固形石鹸は知られており、特に衣類等の洗濯において、手洗い用として一般的に利用されている。また、かかる洗濯用粉石鹸は水質汚染に対する意識が高い利用者や、合成洗剤で皮膚炎を起こす利用者、合成洗剤の強すぎる洗浄力や蛍光剤などの添加物によって衣類の退色が進むことを嫌う利用者などが、合成洗剤の代わりに洗濯機に投入して利用する場合もある。
【0003】
また、オリーブオイルを原料に使用した石鹸も公知である。例えば、特許文献1(特開2004−99851号公報)では、人の肌に優しく、入浴・洗顔などに用いることで肌の健康に役立つミネラル含有化粧石けんを提供するべく、麦飯石1.5〜10重量%、オリーブ油0.5〜5重量%、ウコン0.1〜3重量%を含有する固形石けんが提案されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2005−264128号公報)では、にきび・吹き出物の発生防止やアトピー性疾患や湿疹のある方の使用および体臭抑制効果を持つと共に、シミ・ソバカスの発生防止や肌を白くさせる美白効果が顕著に作用する美白石鹸の製造方法が提案されており、特に、石鹸製造に使用する植物油脂として、グレープシードオイルを主原料とし、更にオリーブオイル・ココナッツオイルおよびパームオイルを適宜割合にて混合することが提案されている。
【0005】
更に、石鹸を収納し且つ洗濯物と一緒に洗濯槽内に入れて使用される石鹸袋も公知である。例えば、特許文献3(実用新案登録第3029540号公報)には、多孔性素材で形成された袋本体に開閉自在な石鹸入口を形成した石鹸袋が示されており、特に、中に入れた粉石鹸等の洗濯用石鹸が団子状に寄り集まり、水に溶けにくくなってしまうといった課題を解決するべく、濯用石鹸を撹拌するための撹拌手段を具備するものとして形成されている。
【特許文献1】特開2004−99851号公報
【特許文献2】特開2005−264128号公報
【特許文献3】実用新案登録第3029540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の通り、洗濯に固形石鹸を利用することは公知である。しかしながら水温が低いと洗浄力が低下してしまうといった課題がある。また、洗浄後に石けんカスがたまりやすいなどの課題もある。
そこで本発明は、低温環境下で固形石鹸を使用しても洗浄力が低下せず、且つ洗浄後にも石鹸カスが溜まり難い洗濯用石鹸およびこれを用いた洗濯方法を提供することを第一の課題とする。
【0007】
また、上述の通りオリーブオイルを原料に使用した石鹸も公知である。しかしながら、従来から提供されているオリーブオイル由来の石鹸は洗顔用や身体用に使用されており、洗濯用として提供されているものは存在しない。また石鹸を使用して洗濯を行う工程において、汚れを落とすための洗浄工程で使用された石鹸は、すすぎ工程で洗い流されることになるが、僅かながら衣服などの繊維中に残留することがある。
【0008】
そこで本発明は、仮に衣服の繊維中に石鹸が残った場合でも、皮膚に対する悪影響を減じることのできる洗濯用石鹸およびこれを用いた洗濯方法を提供することを第二の課題とする。
【0009】
更に、石鹸を使用しながらも洗濯機で洗濯を行うために使用される、石鹸を収容するための袋も公知である。しかしながら、従来から洗濯機用に提供されている石鹸は粉状に粉砕されている粉石鹸であり、石鹸袋もこのような粉石鹸を収容するための工夫を施したものが提供されているに過ぎない。
【0010】
そこで本発明では、粉石鹸を使用することに由来する課題、例えば粉石けんが凝集して溶解しにくくなるなどの課題を解決すると共に、更に残留石鹸の量を減じ、かつ皮膚に対する刺激性を低減した洗濯用石鹸およびこれを用いた洗濯方法を提供することを第二の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するべく鋭意開発を行った結果、本発明者は植物油、特にオリーブ油を用いて形成した石鹸であること、及びこの石鹸を粉体や流体ではなく、立体として形状を認識可能な立体形状に形成することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち、前記課題の少なくとも何れかを解決するために、本発明では少なくとも油脂成分とアルカリ成分とからなり、洗濯用に使用される洗濯用固形石鹸であって、油脂成分としてオリーブ油、ひまし油、パーム油、パーム核油、パームステアリン酸、ココナッツ油、米ぬか油、紅花油、ごま油、つばき油、コーン油、綿実油、大豆油、ひまわり油を含む植物油の1種または2種以上が使用され、且つ全体が球状、垂体状、柱状またはその他の立体形状であって、全ての辺の長さ又は直径が10〜40mmに形成されていることを特徴とする洗濯用固形石鹸を提供する。
【0012】
かかる洗濯用固形石鹸は、通常の製造方法によって形成することができ、金属封鎖剤、再付着防止剤、洗浄補助剤等の添加剤を配合することもできる。ただし、皮膚に対する刺激性を低減させるためには、これら添加剤は配合しないことが望ましい。即ち、油脂成分とアルカリ性分と水とで形成することが望ましい。
【0013】
本発明にかかる洗濯用固形石鹸において、油脂成分としては植物油、特にオリーブオイルに代表される果実由来の植物油を使用することが望ましい。更に、オリーブ油の中でも、バージンオリーブオイルが望ましく、その中でも遊離酸度がオレイン酸に換算して100g当り2g以下のもの(即ち、エキストラバージンオリーブオイルおよびバージンオリーブオイル)であることが望ましい。
【0014】
このようなオリーブ油を使用することにより、洗濯物に石鹸が残留した場合でも皮膚に対する刺激性が低減され、更に衣服や皮膚における保湿性を高めることができる。その結果、アトピー性疾患等の皮膚炎を患っている者が使用した場合に、仮に洗濯物中に洗濯用固形石鹸が残留した場合であっても、皮膚に対する刺激が少ないことから、その症状の改善を図ることが可能になる。また、油脂成分としてオリーブ油を使用することにより、立体形状に形成した複数の洗濯用固形石鹸同士が、洗浄工程中に固まってしまうことがなくなり、石鹸が溶け難くなるといった問題を解決することができる。その結果、比較的小さな形状に形成して、これを複数使用することにより、全体の表面積を増加させた場合であっても、個々の洗濯用固形石鹸同士がくっつき合うことがなくなり、凝集による表面積の減少を避けることができるから、洗濯時における洗浄効果を高く維持する事ができるようになる。
【0015】
本発明にかかる洗濯用固形石鹸の製造に使用することのできるアルカリ成分としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど、石鹸の製造に使用されている各種のアルカリ性成分を使用することができる。
【0016】
本発明にかかる洗濯用固形石鹸は、立体形状に形成される。この立体形状とは、粉体、流体を除いた意味であり、一定の大きさを有する形状を指す。形状としては、球体、垂体、柱体、球面と平面を組み合わせた形状、その他、星形、ハート型、キャラクター形状など、様々な形状を含む。また大きさについては、球状または円柱状に形成される場合、その直径は10〜40mm、望ましくは15〜25mmに形成され、角錐または角柱形状に形成される場合には、全ての辺の長さが10〜40mmに形成される。これら規定した長さが5mm以下であると、洗濯時において石鹸が溶けすぎてしまい濯ぎに時間を要するなどの問題が生じ、また50mm以上であると、洗濯時において石鹸が溶けにくくなるといった問題が生じる。なお、本発明にかかる洗濯用固形石鹸は、板状に形成することもでき、この場合には、望ましくは約5mm以上の厚みを有するように形成する。
【0017】
上記本発明にかかる洗濯用固形石鹸は、更に有用微生物群からなる微生物成分を、油脂成分とアルカリ成分とからなる有効成分に対して、容積割合で0.5〜4%配合してなることが望ましい。
【0018】
かかる微生物成分を構成する有用微生物群とは、嫌気、微好気の複数の微生物が基質を交換しあいながら共存している集合体であり、複合共生の微生物資材である。ただし、この微生物資材に使用される微生物は、酵母菌や乳酸菌など、食品加工に使用されている安全な種類であることが望ましい。かかる微生物成分として使用される有用微生物群は、例えば株式会社 EM研究所および有限会社サン興産業から提供されている商品名「EM・1」、「EM・2 / EM・3」等を使用することができる。
【0019】
このような有用微生物群からなる微生物成分を配合することにより、界面活性剤の分解を促進させて、洗濯物に残留する石鹸成分による皮膚に対する影響を減じることができる。また、この有用微生物群による界面活性剤の分解促進作用は、洗濯によって生じる排水中の界面活性剤の分解も促進させることから、環境保全にも貢献することができる。
【0020】
更に本発明では、前記課題の少なくとも何れかを解決するために、上記した本発明にかかる洗濯用固形石鹸を用いた洗濯方法を提供する。かかる選択方法は、通水性を有する袋乃至は容器内に、本発明にかかる洗濯用固形石鹸を収容して、これを洗濯機の洗濯槽内又は回転ドラムに投入し、洗濯物を洗う洗浄工程と、洗濯機の洗濯槽内又は回転ドラム内から洗濯用固形石けんを収容した袋乃至は容器を取り出した後に、洗濯物を濯ぐ濯ぎ行程とを含む。
【0021】
即ち、この洗濯方法を実施する際には、上記本発明にかかる洗濯用固形石鹸を、通水性を有する袋乃至は容器内に複数収容して構成した洗濯用洗浄具を使用する。かかる洗濯用洗浄具は、一定の大きさを有する洗濯用固形石鹸を複数使用していることから、同じ体積の石鹸を使用する場合に比べて、その表面積を増大させることができ、その結果洗濯時における洗濯水中への石鹸の溶解性を高め、洗浄効果を向上させることができる。特に、この洗濯用洗浄具に使用される洗濯用固形石鹸が、オリーブ油を用いて形成された物である場合、袋乃至は容器内において相互に凝集することがなくなり、よって洗浄効果の低減を避けることができる。
【0022】
そして、かかる洗濯用洗浄具は、洗濯機における洗濯槽内または回転ドラム(回転ドラム式洗濯機の場合)内に投入され、洗濯物と共に水中で攪拌されることで溶解して洗濯物の汚れを落とす(洗浄工程)。そして洗濯水を排水した後、必要に応じて選択水の脱水を行い、洗濯用洗浄具を洗濯槽内または回転ドラムから取り出した状態で、洗濯物の濯ぎ工程を行う。なお、洗浄用具の取り出し、即ち、洗濯用固形石鹸を収容した袋乃至は容器の取り出しは、洗浄工程後に行うことが望ましいが、洗浄工程中に行っても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面に基づいて本実施の形態にかかる洗濯用固形石鹸およびこれを用いた洗濯方法を具体的に説明する。
【0024】
先ず、本実施の形態にかかる洗濯用固形石鹸は、油脂成分としてオリーブ油を使用し、アルカリ性成分として水酸化ナトリウムを使用し、両者を反応(ケン化)させることにより製造されている。この洗濯用固形石鹸の製造に際しては、オリーブ油を4000cc、水酸化ナトリウムを560cc使用しており、更に有用微生物群からなる微生物成分を100cc使用している。かかる洗濯用固形石鹸の成型に際しては、ケン化反応物を型枠内に流し込んで、これを冷却、乾燥、熟成させ、必要に応じて脱型後に成形して形成している。
【0025】
具体的には、水酸化ナトリウムを560ccと水560ccとを約15分ほど攪拌混合してから、これにオリーブ油を4000cc配合して更に30分間ほど攪拌混合する。そしてこの懸濁溶液中にEMの名称で販売されている微生物成分を560cc混合し、これを約5分間攪拌混合する。そして、この溶液を成型用の型に注入して2日から1週間ほど熟成させ、そして脱型することにより製造することができる。なお、この製造方法における攪拌工程は、攪拌速度などに関してそれ程厳密性は要求されるものではなく、人力で行う程度でよい。
【0026】
図1(A)〜(E)は、本実施の形態にかかる洗濯用固形石鹸の全体形状を示している。この図に示すように、本実施の形態にかかる洗濯用固形石鹸は、一定の面積および厚さを有するものとして様々な形状に形成することができる。そして、その大きさについては、例えば図1(A)に示すような球体形状の洗濯用固形石鹸10に形成した場合には、その直径を約15〜40mmに形成する。また図1(B)に示すような円柱形状の洗濯用固形石鹸11に形成した場合には、その直径を約20mm、軸心長を10〜30mmにする。また図1(C)に示すような角柱形状の洗濯用固形石鹸12に形成した場合には、全ての辺長を15〜30mmにする。また図1(D)に示すような角錐形状の洗濯用固形石鹸13に形成した場合には、全ての辺長を20〜40mmにする。そして図1(E)に示すような星型形状など、様々な意匠を施した形状の洗濯用固形石鹸14に形成した場合には、少なくとも洗濯時において、当該洗濯用固形石鹸を収容する通水性を有する袋乃至は容器20内に留置かれる大きさに形成されるべきである。かかる形状に形成された洗濯用固形石鹸(特に球形の石鹸)は、望ましくは1個あたり約60ccの容積に形成される。このような60ccの容積に形成された洗濯用固形石鹸の場合、通常の洗濯機を用いた洗濯では、約5個使用するのが適切である。
【0027】
図2は、上記のように様々な形状に形成された洗濯用固形石鹸を、通水性を有する袋乃至は容器20内に複数収容した洗浄用具30の一例を示している。この例では、メッシュ状の素材を用いて袋物20を形成し、この中に複数の洗濯用固形石鹸10を収容した例を示している。この図では、洗濯用固形石鹸を袋内に入れるための開口部は開放した状態になっているが、当該開口部にファスナーなどを設けることにより、使用時、即ち洗濯層内に投入する際には当該開口部を閉塞できるように形成する。また、この袋物20を形成する材料は、メッシュ状の素材に限られるものではなく、多孔性の素材、例えば複数の孔を設けた樹脂素材(プラスチックシートなど)や、洗濯漕内で溶出した石鹸液が通過できる程度の通水性を有する布帛などを使用することができる。また、袋状に形成する他にも箱状に形成したり、あるいは保形性を有する容器として形成することもできる。更に当該袋物20の中に収容される洗濯用固形石鹸は、同一形状のものに限られることなく、様々な形状のものを組み合わせることもできる。例えば、表面積の大きい平板形状の洗濯用固形石鹸と球形の洗濯用固形石鹸を組み合わせ、洗濯開始初期の段階で、平板形状の洗濯用固形石鹸からの溶出性を高めることもできる。
【0028】
更に、このような洗濯用固形石鹸を収容する袋乃至は容器20は、洗濯に際して洗浄処理後(又は洗浄処理中)の取り出しを容易にする為に、浮き袋などの浮き具を具備することができる。かかる浮き具を具備することにより、洗浄用具は洗濯漕内に浮くことができ、これにより使用者は容易に当該洗浄用具を取り出すことができる。この浮き袋は、空気袋を使用する他、樹脂発泡体などのように水に浮くものであれば何でも使用することができる。また、この浮き具の浮力は洗濯機が稼働中でも洗浄用具が浮く程度に調整する他、洗濯機が稼動している間は洗濯水の中に沈む程度に調整することもできる。
【0029】
また、かかる洗浄用具30は、洗濯時における洗浄工程においては洗濯水中で十分に攪拌され、洗浄工程終了後、即ち洗濯漕中の水流が止まった状態においては洗濯漕中に浮かぶように形成されていることが望ましい。そこで、本実施の形態では、内部に空間部40を形成した洗濯用固形石鹸15も開示する(図3参照)。かかる洗濯用固形石鹸15においては、洗浄工程の初期の段階では洗濯用固形石鹸15の重さから洗濯水中に存在し、洗浄工程が進むにつれて洗濯用固形石鹸が解けてくることにより、水に対する比重の関係から、洗濯用固形石鹸(即ち洗浄用具)が浮かんでくるように構成されている。
【0030】
また、本実施の形態では表面積の増大を図ることのできる洗濯用固形石鹸も開示する。かかる石鹸としては、例えば図4(A)に示すように、洗濯用固形石鹸16が気泡41を内包するように形成したり、あるいは図4(B)に示すように、洗濯用固形石鹸17の表面領域に凹凸42を形成する。特に、気泡41を内包する洗濯用固形石鹸16の場合には、当該石鹸16自体が浮力を有することから、前記洗浄用具で使用した場合でも、浮遊具を省略することもできる。また、表面に凹凸42を形成した洗濯用固形石鹸42の場合には、洗浄工程の初期段階において、水中に洗濯用固形石鹸が解けやすくなることから、十分な洗浄効果を期待することができる。なお、この図4(C)に示す洗濯用固形石鹸18は、内部貫通孔43を具備することから水中で溶解する際に内周及び外周面から溶解していくことになり、その結果表面積の変化を減じることのできる洗濯用固形石鹸として具体化されている。
【0031】
かかる洗濯用固形石鹸を通水性を有する袋乃至は容器内に収容した洗浄用具30を用いた洗濯方法では、先ず、最初に図5に示すように、洗濯機50の洗濯漕51内に洗濯物60と共に洗浄用具30を投入する。そして洗濯漕内に洗浄のための水を供給し、洗濯機を動作させることにより洗浄工程を行う。洗浄工程が終了した後は、洗濯漕51内の洗浄用具30を取り出し、必要に応じて脱水を行ってから濯ぎ工程を行う。その後は、洗濯物の脱水などを行い、この洗濯方法を完了する。
【0032】
以上のような洗濯用固形石鹸、及びこれを用いた洗浄用具30、更にこの洗浄用具を用いた洗濯方法を行うことにより、洗濯用固形石鹸は、必要な量、即ち水中に溶解する量だけが洗浄工程で使用されることから、洗濯物中に余分な石鹸が残留することはない。仮に残留した場合でも、本実施の形態にかかる洗濯用固形石鹸は、オリーブ油を用いて形成されており、他の蛍光塗料などの余分な成分が配合されていないことから、皮膚に対する刺激性が大幅に低減されている。更に、この洗濯用固形石鹸には有用微生物群からなる微生物成分も配合されており、余分な石鹸成分はこの有用微生物群によって分解されることから、皮膚に対する刺激性は大幅に低減されている。
【0033】
そして、本実施の形態にかかる洗濯用固形石鹸は、オリーブオイルに由来する成分のためか、洗濯機で使用しても相互に付着することなくなり、十分な洗浄効果が得られると共に、皮膚に対する刺激性が低減される。更に微生物成分配合していることから、洗濯機における洗濯漕の汚れがなくなり、また洗濯排水による環境汚染も軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施例にかかる洗濯用固形石鹸を示す略図
【図2】本実施例にかかる洗浄用具を示す略図
【図3】他の実施の形態にかかる洗濯用固形石鹸を示す断面図
【図4】更に他の実施の形態にかかる洗濯用固形石鹸を示す断面図
【図5】洗浄方法を示す略図
【符号の説明】
【0035】
10,11,12,13,14・・・洗濯用固形石鹸
20・・・袋物
40・・・気泡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも油脂成分とアルカリ成分とからなり、洗濯用に使用される洗濯用固形石鹸であって、
油脂成分としてオリーブオイル、ひまし油、パーム油、パーム核油、パームステアリン酸、ココナッツ油、米ぬか油、紅花油、ごま油、つばき油、コーン油、綿実油、大豆油、ひまわり油を含む植物油の1種または2種以上が使用され、
全体が球状、垂体状、柱状またはその他の立体形状であって、全ての辺の長さまたは直径が10〜40mmに形成されていることを特徴とする洗濯用固形石鹸。
【請求項2】
更に、有用微生物群からなる微生物成分を、油脂成分とアルカリ成分とからなる有効成分に対して、容積割合で0.5〜4%配合してなる請求項1に記載の洗濯用固形石鹸。
【請求項3】
洗濯に使用される固形石鹸入り洗浄用具であって、
当該固形石鹸として、請求項1または2に記載の洗濯用固形石鹸が使用され、
この固形石鹸を、通水性を有する袋乃至は容器内に複数収容してなることを特徴とする洗浄用具。
【請求項4】
請求項1または2に記載の洗濯用固形石鹸を用いた洗濯方法であって、
当該洗濯用固形石鹸を、通水性を有する袋乃至は容器内に収容して、洗濯機の洗濯槽内又は回転ドラムに投入し、洗濯物を洗う洗浄工程と、
洗濯機の洗濯槽内又は回転ドラム内から洗濯用固形石けんを収容した袋乃至は容器を取り出した後に、洗濯物を濯ぐ濯ぎ行程とを含むことを特徴とする選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−249581(P2009−249581A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101992(P2008−101992)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(508110087)
【Fターム(参考)】