説明

洗車機

【課題】 本発明は、洗車機の部品点数を削減して省スペース化を図る。
【解決手段】 ユーザに把持されるとともに洗浄液を高圧噴射して被洗浄車両CAを洗浄するスプレーガン62と、前記スプレーガン62に洗浄液を供給するホース61と、地面に立設されるとともに前記スプレーガン62を保持するガンホルダ63を有するスタンド部90と、を備え、前記ガンホルダ63が巻回されたホース61を掛止する掛止部75を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油所等に設置して被洗浄車両の洗車を行う洗車機に関する。
【背景技術】
【0002】
給油所等に設置される従来の洗車機は特許文献1に開示される。この洗車機は地面に立設されるスタンド部(洗車端末)を備えている。スタンド部には洗浄液を高圧噴射して被洗浄車両を洗浄するスプレーガンと、スプレーガンに接続して洗浄液を供給するホースと、が設けられる。
【0003】
ユーザはスプレーガンを把持し、被洗浄車両に洗浄液を高圧噴射して被洗浄車両を洗浄する。スプレーガンを使用しないときには、スプレーガンはスタンド部の側部に設けられた筒状のガンホルダに保持される。また、ホースはスタンド部の下部に設けられたL字状の掛止部によって掛止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−71948号公報
【特許文献2】実開昭63−183388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される洗車機はガンホルダ及び掛止部はスタンド部の離れた場所にそれぞれ設けられる。このため、洗車機を構成する部品点数が多くなるとともに、ガンホルダ及び掛止部の設置スペースが必要になるという問題がある。
【0006】
本発明は、部品点数を削減して省スペース化を図ることができる洗車機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、ユーザに把持されるとともに洗浄液を高圧噴射して被洗浄車両を洗浄するスプレーガンと、前記スプレーガンに洗浄液を供給するホースと、地面に立設されるとともに前記スプレーガンを保持するガンホルダを有するスタンド部と、を備え、前記ガンホルダが巻回されたホースを掛止する掛止部を有することを特徴とする。
【0008】
この構成によると、ユーザがスプレーガンを把持し、被洗浄車両に洗浄液を高圧噴射して被洗浄車両を洗浄する。スプレーガンを使用しないときには、スプレーガンはスタンド部に設けられたガンホルダに保持される。また、ホースはガンホルダと一体となった掛止部に巻回されて掛止される。
【0009】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記ガンホルダは前後に延びて上下に対向配置される上面部及び下面部を有して開放された側方から前記スプレーガンを出し入れされ、前記掛止部が前記下面部を前記上面部よりも側方に延設して形成される。
【0010】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記下面部の開放端から上方に突出する第1突出部を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記上面部の開放端から下方に突出する第2突出部を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記上面部及び前記下面部は前後方向に傾斜することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記下面部の前端部及び後端部が下方に屈曲することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記上面部の前端部及び後端部が上方に屈曲することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は上記構成の洗車機において、対向する2つの前記スタンド部の上端を連結する天井部を有して前記被洗浄車両を跨ぎ、前記被洗浄車両に対して前後に相対移動する本体部を備え、前記スタンド部の外側の面に前記ガンホルダを着脱自在に取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、ガンホルダが巻回されたホースを掛止する掛止部を有するため、洗車機の部品点数を削減して省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図
【図2】本発明の実施形態の洗車機本体の構成を示す正面図
【図3】本発明の実施形態の洗車機本体の構成を示す斜視図
【図4】本発明の実施形態のガンホルダを示す正面図
【図5】本発明の実施形態のガンホルダを示す斜視図
【図6】ガンホルダを示す斜視図
【図7】本発明の実施形態のガンホルダの一部を示す側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1、図2、図3は一実施形態の洗車機WAを示す側面図、正面図、斜視図である。洗車機WAは左右の対向する2つのスタンド部90の上端を連結する天井部91を有して門型に形成される洗車機本体(本体部)1を備える。洗車機本体1の進入経路上にはリモートパネル7Aが配される。被洗浄車両CAはリモートパネル7Aの面前で停車し、リモートパネル7Aの操作によって洗車の受け付け等を行う。
【0019】
洗車機本体1の底面には地面に設けられた左右一対のレール2上に配される車輪3が設けられる。これにより、洗車機本体1はレール2上を走行して被洗浄車両CAに対して前後に相対移動するように立設される。
【0020】
洗車機本体1には被洗浄車両CAをブラッシングする複数の回転するブラシを設けている。ブラシはトップブラシ4、サイドブラシ5及びロッカーブラシ6から成っている。トップブラシ4は被洗浄車両CAの上面を洗浄し、布(織布、編布、不織布等)や樹脂繊維から成るブラシ毛を放射状に固着して形成される。
【0021】
サイドブラシ5は左右一対設けられ、被洗浄車両CAの両側面と前後面に摺動して被洗浄車両CAを洗浄する。ロッカーブラシ6は左右一対設けられ、被洗浄車両CAのタイヤを含む側面下部を洗浄する。サイドブラシ5及びロッカーブラシ6もトップブラシ4と同様の回転軸及びブラシ毛を有している。
【0022】
洗車機本体1の一方の側方には洗剤やワックス等の各種液剤を貯液する複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部50が配される。タンク収納部50の上方には市水及び各貯液タンクからの液剤を電磁弁等を介して分配する分配配管部51が設けられる。分配配管部51には第1、第2浄水ノズル11、13、第1、第2洗剤ノズル12、15、撥水コートノズル14、ワックスノズル16が導出される。洗車機本体1の後方には洗浄液や高圧空気を供給する供給部(不図示)が設けられ、分配配管部51に接続される。スプレーガン62はホース61を介して分配配管部51に接続され、これによりスプレーガン62は洗浄液を高圧噴射することができる。洗浄液は市水だけでなく、洗剤やワックス等の各種液剤と混合されてもよい。
【0023】
第1、第2浄水ノズル11、13は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して市水を噴射する。第1、第2洗剤ノズル12、15は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して洗剤を噴射する。撥水コートノズル14は洗車機本体1の奥側に配され、被洗浄車両CAに対して撥水コート剤を噴射する。ワックスノズル16は洗車機本体1の奥側に配され、被洗浄車両CAに対してワックスを噴射する。
【0024】
また、洗車機本体1には被洗浄車両CAを乾燥させるトップ送風ノズル21とサイド送風ノズル22とを設けている。洗車機本体1の中央上部にはトップ送風ノズル21が設けられ、両側方にはサイド送風ノズル22が設けられる。トップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22はブロワ20からの送風を被洗浄車両CAに対して吹き付けて乾燥させる。
【0025】
洗車機本体1の前面上部には車両センサ8が設けられている。車両センサ8は光電センサや超音波センサ等から成り、洗車機本体1に進入する被洗浄車両CAの外面形状を検知する。
【0026】
洗車機本体1の一方の側方の前面には操作パネル7が配される。操作パネル7はリモートパネル7Aと同様の操作ボタンを備え、被洗浄車両CAから降車したユーザ等の操作により洗車の受け付けや洗車条件の設定を行う。
【0027】
洗車条件の設定としてはシャンプー、ワックス掛け、撥水コート等を水洗いに追加するボタンが操作パネル7及びリモートパネル7Aに設けられる。また、高級なシャンプー、高級なワックス、高級な撥水コート、特殊なコート等を行うボタンも設けられている。さらに、フロントガード有り、フェンダーポール有り、ドアミラー有り、リヤワイパー有り、該当装備品無し等の装備品設定ボタンが設けられている。
【0028】
ホース61は洗車機本体1の上部から伸びて被洗浄車両CAを洗浄するスプレーガン62に接続される。右側のスタンド部90の側面にはガンホルダ63が設けられる。ガンホルダ63はネジ(不図示)及びネジ穴73(図5参照)を用いて後方を下に傾斜して固定される。
【0029】
図4及び図5はガンホルダ63の正面図及び斜視図である。ガンホルダ63は金属板をプレス加工して形成され、前後に延びて上下に対向配置される上面部68及び下面部69を有して左右対称のコ字状に形成され、開放された側方の解放部74からスプレーガン62を出し入れされる。
【0030】
ホース61を掛止する掛止部75は下面部69を上面部68よりも側方に延設して形成され、掛止部75を含む下面部69の長さL1は91.5mm程度である。掛止部75は開放端71から上方鉛直にホース61の直径2〜3倍程度だけ突出する第1突出部72が設けられる。第1突出部72の高さL4は40mm程度である。また、ガンホルダ63の下面部69の前端部70及び後端部76は120度の角度で下方に傾斜して屈曲される(図7参照)。
【0031】
ガンホルダ63の上面部68には開放端66から鉛直下方に突出する第2突出部65が設けられる。上面部68の長さL2は41.5mm程度であり、第2突出部65の高さL3は18mm程度である。また、上面部68の前端部67及び後端部77は120度の角度で上方に傾斜して屈曲される
【0032】
ガンホルダ63の側面にはネジを挿通してガンホルダ63を固定するネジ穴73が設けられる。ガンホルダ63は後方を下方に傾斜させて固定される。これにより、上面部68及び下面部69は前後方向に傾斜する(図3参照)。
【0033】
また、第1突出部72、上端部67、後端部77、第2突出部65、前端部70、後端部76のコーナー部はそれぞれ曲面に形成されるため、ホース61及びスプレーガン62を出し入れする際に、これに当接しても損傷を低減することができる。
【0034】
上記構成により、洗車機本体1が設定された洗車条件に基づいて被洗浄車両CAに対して前後方向に相対移動する。そして、被洗浄車両CAには各種ノズルから市水や液剤が噴射され、洗車機本体1に設けた回転ブラシが被洗浄車両CAに摺動して被洗浄車両CAが洗車される。
【0035】
また、洗車機本体1を停止してユーザがスプレーガン62を把持して被洗浄車両CAを洗浄することができる。この時、洗車機本体1の洗浄動作の停止を確認してから行う。ユーザは掛止部75に巻回されたホース61及びガンホルダ63のスプレーガン62を取り出し、スプレーガン62から洗浄液を被洗浄車両CAに向けて高圧噴射する。
【0036】
スプレーガン62による被洗浄車両CAの洗浄を停止すると、スプレーガン62は先端62Aをスタンド部90の後方に向けてガンホルダ63に保持され、掛止部75にはホース61が掛止される。この時、ガンホルダ63が傾斜するためスプレーガン62の先端62Aが下方に向き、先端62Aからの水滴を確実に下方へ滴下することができる。またスプレーガン62の先端62Aが洗車機本体1の後方へ突出するため、スタンド部90の前方のスペースを有効利用できる。
【0037】
本実施形態によると、ガンホルダ63が巻回されたホース61を掛止する掛止部75を有するため、洗車機WAの部品点数を削減して洗車機WAの省スペース化を図ることができる。
【0038】
また、ガンホルダ63は前後に延びて上下に対向配置される上面部68及び下面部69を有し、掛止部75が下面部69を上面部68よりも側方に延設して形成される。このためスプレーガン62をガンホルダ63の内側に保持し、ガンホルダ63の外側の掛止部75にホース61を掛止することができる。
【0039】
また、開放端71から上方に突出する第1突出部72を有するため、ホース61の外側への脱落を防止することができる。この時、スプレーガン62及びホース61がガンホルダ63の側面と第1突出部72との間に同時に保持されるため、洗車機WAの省スペース化を容易に図ることができる。
【0040】
また、上面部68の開放端66から下方に突出する第2突出部65を有するため、スプレーガン62の外側への移動を抑制してスプレーガン62を確実に保持することができる。
【0041】
また、上面部66及び下面部69は前後方向に傾斜するため、スプレーガン62を傾斜して保持し、先端62Aから水滴を確実に下方へ滴下することができる。
【0042】
また、下面部69の前端部70及び後端部76が下方に屈曲する為、ホース61の掛止時にコーナー部78におけるホース61への負荷が軽減され、ホース61の損傷を防止することができる。すなわち、図6に図示するような前端部70及び後端部76がない底面部169においてホース61を巻回して掛止する場合には、ホース61の自重も加わってエッジ178と当接するホース61の損傷が激しくなる。それに対して、図7に図示するように、本発明のごとく前端部70及び後端部76を適当な角度、例えば120度の角度で下方に屈曲させた掛止部にホース61を巻回して掛止する場合には、前端部70及び後端部76のエッジ179とホース61とは当接しなくなるとともに緩く傾斜したコーナー部にてホース61を支持するので、ホース61の損傷を防止することができる。
【0043】
また、上面部68の前端部67及び後端部77が上方に屈曲するため、スプレーガン62を保持する際、スプレーガン62の損傷を防止することができる。
【0044】
また、2つのスタンド部90の上端を連結する天井部91を有して被洗浄車両CAを跨いで被洗浄車両CAに対して前後に相対移動する洗車機本体1を備え、スタンド部90の外側の面にガンホルダ63を着脱自在であるため、ガンホルダ63の設置場所は左右のスタンド部90のいずれでもよく利便性が向上する。外側の面はスタンド部90の左右の側面だけでなく、全面や背面でもよい。
【0045】
本実施形態の洗車機WAはガンホルダ63を取り付けたスタンド部90が被洗浄車両CAに対して相対移動する門型の洗車機本体1に設けられるが、これに限られない。例えば、地面に固定したスタンド部90に設けたスプレーガン62によってのみ被洗浄車両CAを洗浄する洗車機WAであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によると、給油所等に設置して被洗浄車両の洗車を行う洗車機に利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 洗車機本体
4 トップブラシ
5 サイドブラシ
6 ロッカーブラシ
7 操作パネル
7A リモートパネル
61 ホース
62 スプレーガン
63 ガンホルダ
65 第2突出部
66 解放端
67 前端部
68 上面
69 下面
70 前端部
71 解放端
72 第1突出部
73 ネジ穴
74 解放部
75 掛止部
76 後端部
77 後端部
78 コーナー部
CA 被洗浄車両
WA 洗車機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに把持されるとともに洗浄液を高圧噴射して被洗浄車両を洗浄するスプレーガンと、
前記スプレーガンに洗浄液を供給するホースと、
地面に立設されるとともに前記スプレーガンを保持するガンホルダを有するスタンド部と、
を備え、前記ガンホルダが巻回されたホースを掛止する掛止部を有することを特徴とする洗車機。
【請求項2】
前記ガンホルダは前後に延びて上下に対向配置される上面部及び下面部を有して開放された側方から前記スプレーガンを出し入れされ、
前記掛止部が前記下面部を前記上面部よりも側方に延設して形成されることを特徴とする請求項1に記載の洗車機。
【請求項3】
前記下面部の開放端から上方に突出する第1突出部を有することを特徴とする請求項2に記載の洗車機。
【請求項4】
前記上面部の開放端から下方に突出する第2突出部を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の洗車機。
【請求項5】
前記上面部及び前記下面部は前後方向に傾斜することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の洗車機。
【請求項6】
前記下面部の前端部及び後端部が下方に屈曲することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の洗車機。
【請求項7】
前記上面部の前端部及び後端部が上方に屈曲することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の洗車機。
【請求項8】
対向する2つの前記スタンド部の上端を連結する天井部を有して前記被洗浄車両を跨ぎ前記被洗浄車両に対して前後に相対移動する本体部を備え、
前記スタンド部の外側の面に前記ガンホルダを着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の洗車機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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