説明

活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物

【課題】 本発明は、活性エネルギー線照射で硬化した際に高硬度、高帯電防止性、および高透明性を兼ね備えた硬化膜を与え、特にハードコーティング剤として有用な活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、下記一般式(1)で表されるアニオン(a)とオニウムカチオン基(b)から構成されるイオン性液体(A)、多官能(メタ)アクリレート(B)、および重合開始剤(C)を含有し、該アニオン(a)中のQ部分の溶解度パラメーター(SP値)が3.0〜9.0であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物(D)を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線照射で硬化し、基材に塗布した際に高硬度、高帯電防止性、および高透明性を兼ね備えた硬化膜を与え、特にハードコーティング剤として有用な活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハードコーティング剤は、プラスチック表面への粉塵付着の防止や、摩擦による擦り傷を防止する目的で用いられている。
特にブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)、タッチパネルなどのディスプレイ分野において用いられるハードコーティング剤はパネル前面の表面保護をはじめ、静電気による粉塵の付着防止、高画質を得るための高透明性などを兼ね備えたものが望まれている。
さらにその他の分野、例えば光ディスク、光ファイバ、LCD中の偏光子などにおいても、帯電防止性能、表面保護機能、および高透明性を兼ね備えたハードコーティング剤が望まれている。
【0003】
一般に、帯電防止性ハードコーティング剤においては、ハードコーティング塗膜に帯電防止性を付与する目的で、帯電防止性付与剤を含有するコーティング層を形成させる方法があり、そのための帯電防止性付与剤として、界面活性剤、塩(例えば特許文献1)、無機の導電性フィラー(例えば特許文献2)、およびイオン性液体(例えば特許文献3)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−41194号公報
【特許文献2】特開平10−235807号公報
【特許文献3】特開2007−70399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、界面活性剤や塩の場合は、コーティング層中の含有量が少ないと十分な帯電防止性が発現せず、含有量が多いとコーティング層表面にブリードアウトした後、流水、ふき取り等で容易に消失して帯電防止性の長期持続性に欠けるという問題があった。
無機の導電性フィラーの場合は、コーティング層中の含量が少ないと帯電防止性が発現せず、含有量が多いと塗膜の透明性を損ねる、着色される、コストが非常に高くなる等の問題があった。
また、イオン性液体の場合は、含有量が少ないと十分な帯電防止性を発現せず、含有量が多いと塗膜の硬度を損ねるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、高硬度および高透明性を損なうことなく、優れた帯電防止性を発現する硬化膜を与えるコーティング用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるアニオン(a)とオニウムカチオン(b)から構成されるイオン性液体(A)、多官能(メタ)アクリレート(B)および重合開始剤(C)を含有し、該アニオン(a)中のQ部分の溶解度パラメーター(SP値)が3.0〜9.0であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物;およびこの硬化性組成物を、基材に塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させたことを特徴とする帯電防止性硬化物である。
Q−Y (1)
[式(1)中、有機基Qは、アルキル基、パーフルオロアルキル基、またはポリシロキサン基であって、その一部が水酸基、ポリオキシエチレン基もしくは(メタ)アクリル基で変性されていてもよい。YはCOO、SOまたはPOを表す。]
【発明の効果】
【0008】
本発明の活性エネルギー線硬化型帯電防止性樹脂組成物は、下記の効果を奏する。
(1)該組成物を硬化させてなる硬化物は、高硬度を発現する。
(2)該組成物を硬化させてなる硬化物は、高帯電防止性を発現する。
(3)該組成物を硬化させてなる硬化物は、高透明性を発現する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物(D)は、表面濃縮性能に優れた特定の化学構造を有したイオン性液体(A)、多官能(メタ)アクリレート(B)、および重合開始剤(C)を混合することにより得られる。
【0010】
本発明における特定の化学構造を有したイオン性液体(A)は、表面濃縮性能に優れているため、多官能(メタ)アクリレート(B)および重合開始剤(C)と共に使用することにより、基材に塗布して硬化させた際に高硬度、高帯電防止性、および高透明性を兼ね備えた硬化膜を与えることができる。
【0011】
本発明におけるイオン性液体(A)は、表面濃縮剤として有効な特定の化学構造部位を有したアニオン部分(a)と対となるオニウムカチオン基(b)からなる。
【0012】
アニオン部分(a)としては、下記一般式(1)で表される特定の化学構造部位を有したカルボン酸アニオン(a1)、スルホン酸アニオン(a2)、およびリン酸アニオン(a3)が挙げられる。
Q−Y (1)
[式(1)中、Qはアルキル基、パーフルオロアルキル基またはポリシロキサン基、YはCOO、SOまたはPOである。]
【0013】
アニオン部分(a)は、その分子内に、上記の式(1)中で表される疎水基部位Qを含む。
Qとしては、具体的には、炭素数6〜18の脂肪族飽和アルキル基(Q1)、下記一般式(2)で表されるパーフルオロアルキル基(Q2)、および下記一般式(3)で表されるポリシロキサン基(Q3)が挙げられる。
【0014】
CF−(CF)k−(CH)m−(CHCHO)n− (2)
[式(2)中、kは3〜20、mは0または1〜10、nは0または1〜5の整数を表す。]
【0015】
【化1】

[式(3)中、Xは、末端を水酸基または(メタ)アクリレート基で置換されたアルキル基を表す。Yは、炭素数1〜10のアルキル基、または鎖中にオキシエチレン基を含むアルキル基を表す。p、q、rはそれぞれ独立に0または1〜10の整数を表す。但しp+q+rは1以上である。]
【0016】
疎水基部位Qとしての炭素数6〜18の脂肪族飽和アルキル基(Q1)としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、およびオクタデシル基等が挙げられる。
これらのうち、表面濃縮性の観点から、好ましいのはデシル基、ドデシル基、およびテトラデシル基である。
【0017】
疎水基部位Qとしての上記の一般式(2)で表されるパーフルオロアルキル基(Q2)としては、パーフルオロアルキル基(Q21)、およびエチレンオキサイド変性パーフルオロアルキル基(Q22)が挙げられる。
【0018】
なお、上記の式(2)中のkは(CF)の繰り返し単位の数を表し、通常3〜20、表面濃縮性の観点から、好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜5の整数である。
mはメチレン基の数を表し、通常0または1〜10、表面濃縮性と相溶性の観点から、好ましくは0または1〜5、さらに好ましくは0または1〜3の整数である。
nはオキシエチレン基の数を表し、通常0または1〜5の整数、相溶性の観点から、好ましくは1〜3の整数、さらに好ましくは1〜2の整数である。
【0019】
パーフルオロアルキル基(Q21)としては、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロテトラデシル基、パーフルオロヘキサデシル基、パーフルオロオクタデシル基、パーフルオロイコシル基、パーフルオロブチルエチル基、パーフルオロブチルヘキシル基、パーフルオロブチルデシル基、パーフルオロオクチルエチル基、パーフルオロオクチルヘキシル基、パーフルオロオクチルデシル基、パーフルオロドデシルエチル基、パーフルオロドデシルヘキシル基、およびパーフルオロドデシルデシル基が挙げられる。
これらのうち、表面濃縮性の観点から、好ましいのはパーフルオロヘキシル基およびパーフルオロドデシル基である。
【0020】
エチレンオキサイド(以下、EOと略記)変性パーフルオロアルキル基(Q22)としては、EO2モル付加パーフルオロブチル基、EO5モル付加パーフルオロブチル基、EO2モル付加パーフルオロオクチル基、EO5モル付加パーフルオロオクチル基、EO2モル付加パーフルオロドデシル基、EO5モル付加パーフルオロドデシル基、EO2モル付加パーフルオロヘキサデシル基、EO5モル付加パーフルオロヘキサデシル基、EO2モル付加パーフルオロブチルエチル基、EO5モル付加パーフルオロブチルエチル基、EO2モル付加パーフルオロドデシルヘキシル基、およびEO5モル付加パーフルオロドデシルヘキシル基、が挙げられる。
これらのうち、表面濃縮性の観点から、好ましいのはEO2モル付加パーフルオロオクチル基、およびEO2モル付加パーフルオロドデシル基である。
【0021】
疎水基部位Qとしての上記の一般式(3)で表されるポリシロキサン基(Q3)としては、直鎖状のポリシロキサン基、側鎖にEO変性アルキル基を有するポリシロキサン、および側鎖に水酸基または(メタ)アクリレートを有するポリシロキサンが挙げられる。
【0022】
なお、上記の式(3)中のXは、末端を水酸基または(メタ)アクリレート基で置換されたアルキル基を表す。
Xは通常末端を水酸基または(メタ)アクリレート基で置換された炭素数1〜10のアルキル基、表面濃縮性および相溶性の観点から、好ましくは末端を水酸基または(メタ)アクリレート基で置換された炭素数1〜4のアルキル基、特に好ましくは(メタ)アクリレート基で置換されたアルキル基である。
Yは、炭素数1〜10のアルキル基、または鎖中にオキシエチレン基を含むアルキル基を表す。Yは通常炭素数1〜10のアルキル基、およびオキシエチレン基を含むアルキル基、表面濃縮性および相溶性の観点から、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、およびオキシエチレン基の数が1〜5の炭素数1〜5のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜2のアルキル基、およびオキシエチレン基の数が1〜2の炭素数1〜2のアルキル基、合成や入手の容易さ、および価格の観点から、特に好ましくは炭素数1のアルキル基、およびオキシエチレン基の数が1〜2の炭素数1〜2のアルキル基である。
p、q、rはそれぞれ独立に0または1〜10の整数を表す。但し、pとqとrが同時に0になる場合はなく、p+q+rは1以上である。好ましくはp+q+rは3〜20、さらに好ましくは5〜10である。
【0023】
相溶性の向上の観点から、ポリシロキサン基(Q3)の一部もしくは複数部位が水酸基、ポリオキシエチレン基、および(メタ)アクリル基で変性されていることが好ましく、ポリオキシエチレン基で変性されていることが特に好ましい。
【0024】
側鎖にEO変性アルキル基を有するポリシロキサンは、相溶性の観点から、好ましくはEO付加モル数が1〜20のポリシロキサン、特に好ましくはEO付加モル数が2〜10のポリシロキサンである。
【0025】
ポリシロキサン基(Q3)としては、ジメチルポリシロキサン、メチルエチルポリシロキサン、メチルヘキシルポリシロキサン、メチルデシルシロキサン、EO2モル付加エチルメチルポリシロキサン、EO2モル付加ヘキシルメチルポリシロキサン、EO2モル付加デシルメチルポリシロキサン、EO4モル付加ブチルメチルポリシロキサン、EO4モル付加オクチルメチルポリシロキサン、ヒドロキシ含有ジメチルポリシロキサン、ヒドロキシ含有エチルメチルポリシロキサン、ヒドロキシ含有EO2モル付加エチルメチルポリシロキサン、(メタ)アクリレート含有ジメチルポリシロキサン、(メタ)アクリレート含有エチルメチルポリシロキサン、(メタ)アクリレート含有EO2モル付加エチルメチルポリシロキサン、および(メタ)アクリレート含有EO2モル付加ヒドロキシ含有エチルメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0026】
これらのうち、表面濃縮性の観点から、好ましいのはジメチルポリシロキサン、EO2モル付加エチルメチルポリシロキサン、ヒドロキシ含有ジメチルポリシロキサン、(メタ)アクリレート含有ジメチルポリシロキサン、および(メタ)アクリレート含有EO2モル付加ヒドロキシ含有エチルメチルポリシロキサンである。
【0027】
アニオン部分(a)中の疎水基部位である有機基Qの溶解度パラメーター(SP値)は、表面濃縮性能を高くし優れた帯電防止性能を得る観点から、通常3.0〜9.0、好ましくは5.0〜9.0、さらに好ましくは7.0〜9.0である。
【0028】
ここで溶解パラメータ(SP値)は次式で求められるものである。
SP=(ΔH/V)1/2
但し、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal/モル)、Vはモル体積(cm3/モル)を表す。また、ΔHおよびVは、「POLYMERENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱(△ei)の合計(ΔH)と、モル体積(△vi)の合計(V)を用いることができる。
【0029】
本発明のアニオン部分(a)としては、上記一般式(1)で示されるもののうち、上記に示すような、溶解パラメータが3.0〜9.0の疎水基部位Qを有するものが好ましい。
このようなアニオン部分(a)としては、カルボン酸アニオン(a1)、スルホン酸アニオン(a2)、リン酸アニオン(a3)などが挙げられる。
【0030】
カルボン酸アニオン(a1)としては、炭素数6〜18の脂肪族飽和アルキルカルボン酸アニオン、パーフルオロアルキルカルボン酸アニオン、およびポリシロキサン基含有カルボン酸アニオンが挙げられる。
【0031】
これらのうち、表面濃縮性の観点から好ましいのは、デシルカルボン酸アニオン、ドデシルカルボン酸アニオン、テトラデシルカルボン酸アニオン、パーフルオロヘキシルカルボン酸アニオン、パーフルオロドデシルカルボン酸アニオン、EO2モル付加パーフルオロオクチルカルボン酸アニオン、EO2モル付加パーフルオロドデシルカルボン酸アニオン、ジメチルポリシロキサン基含有カルボン酸アニオン、EO2モル付加エチルメチルポリシロキサン基含有カルボン酸アニオン、ヒドロキシ含有ジメチルポリシロキサン基含有カルボン酸アニオン、(メタ)アクリレート含有ジメチルポリシロキサン基含有カルボン酸アニオン、および(メタ)アクリレート含有EO2モル付加ヒドロキシ含有エチルメチルポリシロキサン基含有カルボン酸アニオンである。
さらに好ましいのはテトラデシルカルボン酸アニオン、パーフルオロドデシルカルボン酸アニオン、およびEO2モル付加パーフルオロドデシルカルボン酸アニオンである。
【0032】
スルホン酸アニオン(a2)としては、炭素数6〜18の脂肪族飽和アルキルスルホン酸アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、およびポリシロキサン基含有スルホン酸アニオンが挙げられる。
【0033】
これらのうち、表面濃縮性の観点から好ましいのは、デシルスルホン酸アニオン、ドデシルスルホン酸アニオン、テトラデシルスルホン酸アニオン、パーフルオロヘキシルスルホン酸アニオン、パーフルオロドデシルスルホン酸アニオン、EO2モル付加パーフルオロオクチルスルホン酸アニオン、EO2モル付加パーフルオロドデシルスルホン酸アニオン、ジメチルポリシロキサン基含有スルホン酸アニオン、EO2モル付加エチルメチルポリシロキサン基含有スルホン酸アニオン、ヒドロキシ含有ジメチルポリシロキサン基含有スルホン酸アニオン、(メタ)アクリレート含有ジメチルポリシロキサン基含有スルホン酸アニオン、および(メタ)アクリレート含有EO2モル付加ヒドロキシ含有エチルメチルポリシロキサン基含有スルホン酸アニオンである。
さらに好ましいのはテトラデシルスルホン酸アニオン、パーフルオロドデシルスルホン酸アニオン、およびEO2モル付加パーフルオロドデシルスルホン酸アニオンである。
【0034】
リン酸アニオン(a3)としては、炭素数6〜18の脂肪族飽和アルキルリン酸アニオン、パーフルオロアルキルリン酸アニオン、およびポリシロキサン基含有リン酸アニオンが挙げられる。
【0035】
これらのうち、表面濃縮性の観点から好ましいのは、デシルリン酸アニオン、ドデシルリン酸アニオン、テトラデシルリン酸アニオン、パーフルオロヘキシルリン酸アニオン、パーフルオロドデシルリン酸アニオン、EO2モル付加パーフルオロオクチルリン酸アニオン、EO2モル付加パーフルオロドデシルリン酸アニオン、ジメチルポリシロキサン基含有リン酸アニオン、EO2モル付加エチルメチルポリシロキサン基含有リン酸アニオン、ヒドロキシ含有ジメチルポリシロキサン基含有リン酸アニオン、(メタ)アクリレート含有ジメチルポリシロキサン基含有リン酸アニオン、および(メタ)アクリレート含有EO2モル付加ヒドロキシ含有エチルメチルポリシロキサン基含有リン酸アニオンであり、さらに好ましいのはテトラデシルリン酸アニオン、パーフルオロドデシルリン酸アニオン、およびEO2モル付加パーフルオロドデシルリン酸アニオンである。
【0036】
以上のカルボン酸アニオン(a1)、スルホン酸アニオン(a2)、リン酸アニオン(a3)のうち、合成や入手の容易さ、および価格の観点から、好ましいのはカルボン酸アニオン(a1)およびリン酸アニオン(a2)、特に好ましいのはカルボン酸アニオン(a1)である。
【0037】
オニウムカチオン基(b)としては、アミジニウムカチオン(b1)、グアニジニウムカチオン(b2)、およびそれらの混合物が含まれる。
【0038】
アミジニウムカチオン(b1)としては、イミダゾリニウムカチオン(b11)、イミダゾリウムカチオン(b12)、テトラヒドロピリミジニウムカチオン(b13)、ジヒドロピリミジニウムカチオン(b14)が挙げられる。
【0039】
(b11)イミダゾリニウムカチオン
炭素数(以下Cと略記)5〜15、例えば1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム
【0040】
(b12)イミダゾリウムカチオン
C5〜15、例えば1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム
【0041】
(b13)テトラヒドロピリミジニウムカチオン
C6〜15、例えば1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム
【0042】
(b14)ジヒドロピリミジニウムカチオン
C6〜20、例えば1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、[これらを1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表記を用いる。]1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9(10)−ウンデカジエニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7(8)−ノナジエニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ヒドロピリミジニウム。
【0043】
グアニジニウムカチオン(b2)としてはイミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン(b21)、イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン(b22)、テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン(b23)が挙げられる。
【0044】
(b21)イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
C8〜15、例えば2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム;
【0045】
(b22)イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
C8〜15、例えば2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム;
【0046】
(b23)テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
C10〜20、例えば2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム;
【0047】
これらのオニウムカチオン基(b)のうち、帯電防止性組成物の硬化膜の帯電防止性能の観点から好ましいのはアミジニウムカチオン(b1)、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン(b12)、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
【0048】
本発明における第2の必須成分である多官能(メタ)アクリレート(B)としては、少なくとも2〜6個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0049】
2〜6個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、ジ(メタ)アクリレート(B1)、ポリ(3価〜6価)(メタ)アクリレート(B2)、ポリエステル(メタ)アクリレート(B3)、ウレタン(メタ)アクリレート(B4)、エポキシ(メタ)アクリレート(B5)、(メタ)アクリロイル基を有するブタジエン重合体(B6)、(メタ)アクリロイル基を有するジメチルポリシロキサン(B7)などが挙げられる。
【0050】
(B1)ジ(メタ)アクリレート
(B11)ポリオキシアルキレン(アルキレンはC2〜4)[分子量106以上かつ数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]3,000以下]のジ(メタ)アクリレート
ポリエチレングリコール(以下、PEGと略記)(Mn400)、ポリプロピレングリコール(以下、PPGと略記)(Mn200)およびポリテトラメチレングリコール(以下、PTMGと略記)(Mn650)の各ジ(メタ)アクリレート等;
【0051】
(B12)2価フェノール化合物のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する。)(2〜30モル)付加物のジ(メタ)アクリレート
2価フェノール化合物[C6〜18、例えば単環フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)、縮合多環フェノール(ジヒドロキシナフタレン等)、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、−Fおよび−S等)]のAO付加物[レゾルシノールのエチレンオキサイド4モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ジヒドロキシナフタレンのプロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)4モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA、−Fおよび−Sの、EO2モル、およびPO4モル各付加物等]の各ジ(メタ)アクリレート等;
【0052】
(B13)脂肪族2価アルコール(C2〜30)のジ(メタ)アクリレート
ネオペンチルグリコール(以下、NPGと略記)および1,6−ヘキサンジオール(以下、1,6−HDと略記)の各ジ(メタ)アクリレート等;
【0053】
(B14)脂環含有2価アルコール(C6〜30)のジ(メタ)アクリレート
ジメチロールトリシクロデカンのジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールのジ(メタ)アクリレートおよび水素化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート等
【0054】
(B2)ポリ(3価〜6価)(メタ)アクリレート
C3〜40の多価(3価〜6価またはそれ以上)アルコールおよびそのAO付加物のポリ(メタ)アクリレート
トリメチロールプロパン(以下、TMPと略記)トリ(メタ)アクリレート、グリセリン(以下、GRと略記)のトリ(メタ)アクリレート、TMPのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、GRのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(以下、PEと略記)のトリ(メタ)アクリレート、PEのテトラ(メタ)アクリレート、PEのEO4モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(以下、DPEと略記)のペンタ(メタ)アクリレート、DPEのヘキサ(メタ)アクリレート等;
【0055】
(B3)ポリエステル(メタ)アクリレート
多価(2価〜4価)カルボン酸、多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールおよびエステル形成性のアクリロイル基含有化合物のエステル化により得られる複数のエステル結合と5個以上のアクリロイル基を有する分子量150以上かつMn4,000以下のポリエステルアクリレート
【0056】
ポリエステルを構成する上記多価カルボン酸としては、例えば脂肪族[C3〜20、例えばマロン酸、マレイン酸(無水物)、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、酸無水物の反応物(ジペンタエリスリトールと無水マレイン酸の反応物等)]、脂環式[C5〜30、例えばシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、メチルテトラヒドロ(無水)フタル酸]および芳香族多価カルボン酸[C8〜30、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸(無水物)、トリメリット酸(無水物)、ピロメリット酸(無水物)]が挙げられる。
【0057】
(B4)ウレタン(メタ)アクリレート
ポリ(2官能〜3官能またはそれ以上)イソシアネート、多価(2価〜6価またはそれ以上)ポリオール、水酸基含有(メタ)アクリレートとのウレタン化反応により得られる複数のウレタン結合と2個以上のアクリロイル基を有する分子量400以上かつMn5,000以下のウレタン(メタ)アクリレート
【0058】
対応するポリイソシアネートとしては、C6〜33(NCO基の炭素を除く)、例えば脂肪族ポリイソシアネート[ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等]、芳香(脂肪)族ポリイソシアネート[2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等]、脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等]が挙げられる。
【0059】
ポリオールとしては、分子量62以上かつMn3,000以下、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール(以下それぞれEG、1,4−BDと略記)、NPG、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、PTMG等が挙げられる。
【0060】
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、C5〜30、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、PEトリ(メタ)アクリレート、DPEペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0061】
(B5)エポキシ(メタ)アクリレート
多価(2〜4価)エポキシドと(メタ)アクリル酸の反応により得られる分子量400以上かつMn5,000以下のエポキシ(メタ)アクリレート等;
【0062】
(B6)主鎖および/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するブタジエン重合体
ポリブタジエンポリ(メタ)アクリレート(Mn500〜500,000)等
【0063】
(B7)ジメチルポリシロキサンの主鎖および/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するシロキサン重合体
ジメチルポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート(Mn300〜20,000)
【0064】
これら(B1)〜(B7)のうち、帯電防止性組成物の硬化膜の硬度の観点から好ましくは(B2)〜(B7)、さらに好ましくは(B2)、特に好ましくはDPEのペンタ(メタ)アクリレートおよびDPEのヘキサ(メタ)アクリレートである。
【0065】
本発明の樹脂組成物中の(B)に対するイオン性液体(A)の含有量は、帯電防止性および塗膜の強靭性、塗工性の観点から、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、さらに好ましくは0.2〜2重量%である。
【0066】
本発明における第3の必須成分である重合開始剤(C)としては、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等)、ベンジルジメチルケタール等、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0067】
これらのうち硬化物の着色防止の観点から好ましいのは2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよび1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、特に好ましいのは1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである。
【0068】
(C)の使用量は、(A)および(B)および(C)の合計に基づいて硬化性および硬化物の着色の観点から好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%である。
【0069】
本発明の活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物(D)には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりさらに塗料に使用される種々の添加剤(E)を含有させてもよい。
【0070】
添加剤(E)には、無機充填剤、有機顔料、分散剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤が含まれる。
【0071】
硬度を向上することのできる添加剤(E)としては、無機充填剤が挙げられ、透明性の観点から、直径が5〜50nmのシリカ微粒子および無機酸化物微粒子が好ましく、直径10〜30nmのシリカ微粒子が特に好ましい。
【0072】
無機充填剤の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常60%重量%以下、添加効果および透明性の観点から好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%である。
【0073】
塗布性および表面平滑性を向上することのできる添加剤(E)としては、レベリング剤が挙げられ、フッ素系のレベリング剤、シリコーン系のレベリング剤が好ましい。
【0074】
レベリング無機充填剤の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常2%重量%以下、添加効果および透明性の観点から好ましくは0.05〜1重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%である。
【0075】
本発明の組成物は、塗工の際に、塗工に適した粘度に調整するために、必要に応じて溶剤で希釈した塗料とすることができる。
【0076】
溶剤の使用量は、該組成物の全重量に基づいて通常2,000%以下、好ましくは10〜500%である。また、塗料の粘度は、使用時の温度(通常5〜60℃)で、通常5〜5,000mPa・s、安定塗工の観点から好ましくは50〜1,000mPa・sである。
【0077】
溶剤としては、本発明の組成物中の樹脂分を溶解するものであれば特に限定されない。
【0078】
これらの溶剤のうちコーティング膜の平滑性および溶剤除去の効率の観点から、好ましいのは沸点が50〜100℃のエステル、ケトンおよびアルコール、さらに好ましいのは酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、i−プロパノール、エタノール、メタノールおよびこれらの混合物、特に好ましくは酢酸エチル、メチルエチルケトン、i−プロパノールおよびこれらの混合物である。
【0079】
本発明の組成物は、必要により溶剤で希釈して、基材の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し、必要により乾燥させた後、紫外線、電子線、X線などの活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、硬化膜を有するハードコート被覆物を得ることができる。
【0080】
塗工に際しては、例えば塗工機[バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレスロールコーター、ゲートロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーター、ブレードコーター等]が使用できる。
塗工膜厚は、硬化乾燥後の膜厚として、通常0.5〜300μmである。乾燥性、硬化性の観点から好ましい上限は250μmであり、耐摩耗性、耐溶剤性、耐汚染性の観点から好ましい下限は1μmである。
【0081】
本発明の組成物を溶剤で希釈して使用する場合は、塗工後に乾燥するのが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。
乾燥温度は、通常10〜200℃、塗膜の平滑性および外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限は30℃である。
【0082】
本発明の組成物を紫外線照射で硬化させるに際しては、公知の紫外線照射装置を使用することができる。
紫外線の照射量(mJ/cm2)は、通常10〜10,000、組成物の硬化性および硬化物の可撓性の観点から好ましくは100〜5,000である。
【0083】
本発明の組成物を電子線照射で硬化させるに際しては、公知の電子線照射装置を使用することができる。
電子線の照射量(Mrad)は、通常0.5〜20、組成物の硬化性、および硬化物の可撓性、硬化膜および基材の損傷を避けるとの観点から好ましくは1〜15である。
【実施例】
【0084】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
【0085】
製造例1
特開2001−316372号公報に記載の方法に従い、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩を合成した。
パーフルオロアルキルカルボン酸[商品名「フタージェントA」、ネオス(株)製](a−1)と、上記の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩を当モルで混合し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムパーフルオロアルキルカルボキシレート塩(A−1)を得た。
【0086】
製造例2
パーフルオロアルキルリン酸[商品名「メガファックF−493」、大日本インキ化学(株)製](a−2)と、上記の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩を当モルで混合して、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムパーフルオロアルキルリン酸塩(A−2)を得た。
【0087】
比較製造例1
モノ(アクロイルオキシエチル)フタレート[商品名「アロニックス M−5400」、東亞合成(株)製](a’−1)と、上記の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩を当モルで混合し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノ(アクロイルオキシエチル)フタレート塩(A’−1)を得た。
【0088】
実施例1
製造例1で合成した1−エチル−3−メチルイミダゾリウムパーフルオロアルキルカルボキシレート塩(A−1)を1重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[商品名「ネオマー DA−600」、三洋化成工業(株)製](B−1)99重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、チバスペシャリティケミカルズ(株)製](C−1)10重量部、メタノール60部、メチルエチルケトン40部を一括で配合し、ディスパーサーで均一に混合攪拌し、本発明のコーティング用組成物(D−1)210部(不揮発分50%)を得た。
後述の方法で、この組成物をフィルムに塗布して、コーティング膜を作成した。
【0089】
実施例2
実施例1において、(A−1)の代わりに製造例2で合成した1−エチル−3−メチルイミダゾリウムパーフルオロアルキルリン酸塩(A−2)0.5部とし、(B−1)の部数を95.5部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明のコーティング用組成物(D−2)210重量部を得た。
【0090】
実施例3
実施例1において、イオン性液体(A)成分として(A−1)0.5部と(A−2)0.5部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明のコーティング用組成物(D−3)210重量部を得た。
【0091】
比較例1
実施例1において、(A−1)の代わりに、比較製造例1で合成した1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノ(アクロイルオキシエチル)フタレート塩(A’−1)5重量部とし、多官能(メタ)アクリレート(B)成分として(B−1)95重量部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、コーティング用組成物(D’−1)210重量部を得た。
【0092】
比較例2
実施例1において、(A−1)の代わりに、(A’−1)20重量部とし、多官能(メタ)アクリレート(B)成分として(B−1)80重量部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、コーティング用組成物(D’−2)210重量部を得た。
【0093】
比較例3
実施例1において、(A−1)の代わりに、ポリシロキサン/リチウム化合物[商品名「PC−3600」、丸菱油化工業(株)製]5重量部とし、多官能(メタ)アクリレート(B)成分として(B−1)95重量部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、コーティング用組成物(D’−3)210重量部を得た。
【0094】
比較例4
実施例1において、(A−1)の代わりに、アンチモン酸亜鉛[商品名「セルナックスCX−S204」、日産化学工業(株)製]40重量部とし、多官能(メタ)アクリレート(B)成分として(B−1)60部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、コーティング用組成物(D’−4)210重量部を得た。
【0095】
<コーティング膜の作成法>
上記コーティング用組成物を厚さ100μmのPETフィルム[商品名「コスモシャインA4300」東洋紡績(株)製]基材の片面にバーコーターを用い、乾燥硬化後の膜厚が8μmになるように塗布した。さらに、70℃で1分間乾燥させた。
最後に紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を150mJ/cm照射して、硬化させ、コーティング膜を作成した。
このコーティング膜について下記の方法で性能評価を行った。その性能結果を表1に示す。
【0096】
【表1】

【0097】
<性能評価方法>
【0098】
(1)透過率
JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」BYK gardner(株)製]を用いて透過率を測定する。単位は%。
【0099】
(2)透明性(ヘイズ)
JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」BYK gardner(株)製]を用いてヘイズを測定する。単位は%。
【0100】
(3)鉛筆硬度
JIS K−5400に準拠し、鉛筆硬度を測定する。
【0101】
(4)帯電防止性[ASTM D257(1984年制定)に準拠]
コーティング膜から切り出した試験片(100×100mm)を23℃、湿度50%RHの条件で24時間静置後、デジタル超絶縁計[DSM−8103、東亜電波工業(株)製、以下同じ。]により同条件の雰囲気下で測定する。単位はΩ/□
【0102】
本発明の帯電防止性樹脂は実施例1〜3で示す通り、透明性、鉛筆硬度、表面抵抗値のすべての点で優れている。
一方、本発明のような主鎖のSP値が低いアニオンを有するイオン性液体を使用していない比較例1は、少量で効果が得られないため表面抵抗値が高く満足しない。また、イオン性液体成分比率が高すぎる比較例2は、鉛筆硬度が低く満足しない。同様に、比較例3は、無機塩は少量で効果が得られないため表面抵抗値が高く満足せず、無機フィラーの配合比率が高すぎる比較例4は、透明性を満足しない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明の帯電防止性組成物は、硬化後の硬化膜が帯電防止性、硬度および透明性に優れているため、CRT、LCD、PDP、EL、およびタッチパネルなどのディスプレイ分野においてパネル前面の表面保護硬化膜および静電気による粉塵付着防止性を有する硬化膜としても有用である。また、本発明の帯電防止性組成物を硬化させた硬化膜は偏光板の保護膜としても有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるアニオン(a)とオニウムカチオン基(b)から構成されるイオン性液体(A)、多官能(メタ)アクリレート(B)、および重合開始剤(C)を含有し、該アニオン(a)中のQ部分の溶解度パラメーター(SP値)が3.0〜9.0であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物(D)。
Q−Y (1)
[式(1)中、有機基Qは、アルキル基、パーフルオロアルキル基、またはポリシロキサン基であって、その一部が水酸基、ポリオキシエチレン基もしくは(メタ)アクリル基で変性されていてもよい。YはCOO、SOまたはPOを表す。]
【請求項2】
該イオン性液体(A)が、少なくとも1個のイミダゾリウムカチオンを含む請求項1記載の活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物。
【請求項3】
式(1)中の有機基Qが、下記一般式(2)表される有機基である請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物。
CF−(CF)k−(CH)m−(CHCHO)n− (2)
[式(2)中、kは3〜20、mは0〜10、nは0〜5の整数を表す。]
【請求項4】
式(1)中の有機基Qが、下記一般式(3)表される有機基である請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物。
【化1】

[式(3)中、Xは、末端を水酸基または(メタ)アクリレート基で置換されたアルキル基を表す。Yは、炭素数1〜10のアルキル基、または鎖中にオキシエチレン基を含むアルキル基を表す。p、q、rはそれぞれ独立に0または1〜10の整数を表す。但しp+q+rは1以上である。]
【請求項5】
該(メタ)アクリレート(B)に対する該イオン性液体(A)の含有量が、0.1〜10重量%である請求項1〜4いずれか記載の活性エネルギー線硬化型帯電防止性組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の硬化性組成物を、基材に塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させたことを特徴とする帯電防止性硬化物。

【公開番号】特開2011−74190(P2011−74190A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226462(P2009−226462)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】