説明

活性エネルギー線硬化性組成物

【課題】
湿し水を用いたオフセット印刷において活性エネルギー線硬化性インキの改良により、地汚れ、パイリング等のトラブルを解消する活性エネルギー線硬化性組成物を提供する事にある。
【解決手段】
本発明はジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートおよび疎水性超微粒子シリカを適宜添加する事により、湿し水を用いたオフセット印刷において、乳化による粘弾性変化が極めて小さく、更に乳化に伴う湿し水のインキへの取り込み能力を高め、パイリング地汚れ、濃度変動等のトラブルを解消する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規にして有用なる活性エネルギー線硬化性組成物、印刷インキに関する。
さらに詳しくは、本発明は、硬化性、作業性に優れ、更に安定したオフセット印刷を行う上で必要な湿し水との乳化安定性に優れる活性エネルギー線硬化性オフセット印刷インキに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、活性エネルギー線硬化性被覆組成物の研究はさかんに行われており、その中でも印刷インキ、クリヤーワニス、塗料等の分野では実用化が進められている。特に活性エネルギー線硬化性印刷インキはジアリルフタレート樹脂に代表される融点50℃以上の非反応性樹脂(インナート樹脂)、もしくはラジカル重合性オリゴマー、ラジカル重合性モノマー、必要に応じラジカル重合開始剤や光増感剤、顔料、さらに諸種の添加剤からなる。非反応性樹脂(イナート樹脂)としては、オルソないしイソタイプのジアリルフタレート樹脂が広く使用されている。ラジカル重合性オリゴマーとしてアルキッドアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン変性アクリレート等が使用されている。ラジカル重合性モノマーとしてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加体ジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタン(トリまたは)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトール(ペンタまたは)ヘキサアクリレート等が使用されている。ラジカル重合開始剤や光増感剤としてはベンゾイン系、(ジアルキルジアミノ)アリールケトン系、キサントン系のものが使用されている。
【0003】
一方オフセット印刷は親油性であるインキを受理する画線部と湿し水を保持する非画線部から構成される版を使用して画像を形成し版画線部のインキをブランケットを介して紙、プラスチックシ−ト、表面処理紙等に転写する事で印刷物が得られる。従って、印刷の間、インキと湿し水は版面上で常に接触し、湿し水がインキに乳化された状態となっている。インキと湿し水との乳化状態が適切である場合は良好な印刷物が得られるが、印刷時の温度変化、湿し水の供給量の不安定化、湿し水の性状変化等の理由によりインキが過剰に乳化してしまうことがある。その結果、印刷物の濃度低下、版面、ブランケット表面へ転移不良したインキの体積(パイリング)、非画線部にインキが付着する地汚れ、本来インキが着かない給水ロールにインキが付着し湿し水の供給を不安定化させる水棒絡み等のトラブルを誘発してしまう。
【0004】
特に近年、プラスチックシ−ト、表面処理紙、紙等を被印刷体とするオフセット印刷においてはインキの硬化が常温にて瞬間的に行われるよう紫外線および電子線硬化型インキを用いる場合が多い。しかし、これらのインキを使用した場合、酸化重合を硬化様式とする油性枚葉印刷インキと比べ、使用しているバインダーの樹脂分子量が小さく更に樹脂量が少ない事よりインキに凝集力を付与する事が困難であることから印刷時に過剰乳化し易く、上記トラブルの発生頻度が高いと言った問題がある。
【0005】
その上プラスチックシ−ト、表面処理紙等の素材は水を吸収しないため、適度の水を吸収する紙のオフセット印刷に比較した場合なお一層湿し水量の調整が困難となる。湿し水供給量が少な過ぎる場合には印刷濃度が急激に上昇し、最終的に地汚れを発生してしまい、逆に湿し水の供給量が多すぎる場合はインキが適性条件以上に乳化されることとなり、印刷するに当たり熟練を必要とする場合もある。
【0006】
この点を改良するため種々の助剤を添加することが提案されてきた。例えば乳化状態をコントロ−ルする助剤として一般的な界面活性剤について言えば、HLB値および適正量を考慮せずインキに添加した場合、インキの流動性がひどく損なわれたり、湿し水を供給する給水ロ−ルにインキが絡む水棒絡みが発生する。その結果ロングラン印刷での印刷安定性が悪くなり、満足できるものではなかった。
また、特開平5−287228ではラテックス等の合成樹脂エマルジョンを添加する事で過剰乳化を抑制する方法が開示されているが、当該成分はインキ成分との相溶性が乏しく経時で粘度が上昇してしまい転移不良等の不具合が発生する可能性を有する。

【特許文献1】特開平5−287228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の従来の活性エネルギー線硬化型インキの有する問題点を解決するため、インキと湿し水との乳化挙動を鋭意検討した結果、乳化による粘弾性変化が極めて小さく、更に乳化に伴う湿し水のインキへの取り込み能力を高めることにより乳化状態での表面水の発生が極めて少なくなることを見いだし、地汚れ、パイリング等のトラブルを解消する活性エネルギー線硬化性組成物を提供する事にある。

【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明は、ジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートを含有する事を特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、ジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートが2〜10モルのC2〜C4のアルキレンオキサイド付加物であることを特徴とする上記活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、ジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートが1〜4官能基の(メタ)アクリレート基を有する事を特徴とする上記活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、上記ジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートに、疎水性超微粒子シリカをインキ全量を基準として0.01〜10.0%添加してインキ化する事を特徴とする活性エネルギー線硬化性オフセット印刷インキに関する。
また、本発明は、上記ジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートを1〜60重量%含有する事を特徴とする、活性エネルギー線硬化性オフセット印刷インキに関する。
さらに、本発明は、上記活性エネルギー線硬化性オフセット印刷インキを印刷してなる印刷物に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、オフセット印刷に於いて地汚れの発生が無く、濃度変動の少ない印刷物が得られ、損紙および時損を低減する事ができ、更にブランパイリングが無くなる事から、印刷品質の向上が図れると共にブランケットの洗浄作業が必要なくなり、作業性が向上する事で印刷時間の短縮も可能とする物である。

【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に用いるジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートのジグリセリンは2モルのグリセリンが縮合反応によりエーテル結合を有するアルコールであり、結合箇所が1級の水酸基でも2級の水酸基同士若しくは別々でも構わない。
【0011】
本発明に用いるジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートに付加するアルキレンオキサイドは2〜10モルのC2〜C4のアルキレンオキサイドであり、付加モル数が2モル未満だと(メタ)アクリレート化反応に支障が生じ、10モルを超えると活性エネルギー線硬化性を損なう。
また、本発明に用いるグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートの(メタ)アクリレート基数はは1〜4官能であり、これらの混合物であっても良い。
【0012】
本発明に用いるジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートは1〜60%好ましくは5〜40%を添加する。添加量が5%未満では本発明の効果が乏しく、40%を超えるとインキが軟調化してしまう。
【0013】
本発明に用いる疎水性シリカはジメチルシリコーンオイル、オクチルシラン、トリメチルシラン、トリメチルシリル基、アルキル基で表面処理をした一次粒子の粒径が5〜30nmであり、添加量は0.01〜10%好ましくは0.1〜5%であるものが好ましい。添加量が0.1%未満では本発明の効果が乏しく、5.0%を超えるとインキの流動性が著しく損なわれる。
【0014】
本発明において、ジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートと共に活性エネルギー線硬化性のアクリル系モノマーを適宜使用できる。このモノマーの1例としては、1官能モノマーとしてアルキル(カーボン数が1〜18)(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートがあり、さらにベンジル(メタ)アクリレート、ブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールまたはドデシルフェノールのようなアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート等が例示される。さらに2官能モノマーとしてエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート(三菱化学社製)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートトリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノーAジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等が例示される。3官能モノマーとしてグリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が例示される。4官能以上のモノマーとしてペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0015】
さらに本発明のアクリル系モノマーとして脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートがある。脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマーとして脂肪族アルコール化合物のモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド他)モノまたはポリ(1〜10)(メタ)アクリレートがある。1官能モノマーとしてカーボン数が2〜20アルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレート、例えばメタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、エタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ブタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ヘキサノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、オクタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ドデカノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ステアリルモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドがある。さらにブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールまたはドデシルフェノールのポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート等が例示される。さらに2官能モノマーとしてエチレングリコールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、 ジプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタネオペンチルグリコールポリ(2〜20)(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレンオキサイド付加体(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ




レンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートが例示される。3官能モノマーとしてグリセリンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(3〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート等が例示される。4官能以上のモノマーとしてペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタン(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンポリ(4〜200)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(5〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート等が例示されるがこれに限るものではない。
【0016】
本発明において、ジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートと共に活性エネルギー線硬化性のアクリル系オリゴマーを適宜使用できる。このオリゴマーの1例としては、ポリオール、多塩基酸および(メタ)アクリル酸のエステル化物、さらにはエポキシアクリレート等が例示される。上記ポリオールとしてはエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど、多塩基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、(無水)琥珀酸、(無水)マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸などが使用される。ポリオール、多塩基酸および(メタ)アクリル酸のエステル反応は常法により行われる。
【0017】
次に、紫外線硬化を行う場合は適宜ラジカル重合剤を添加することができる。ラジカル重合開始剤としては、光開裂型と水素引き抜き型に大別して例示することができる。前者の例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−アクリルべンゾイン等のベンゾイン系、ベンジル、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパンー1−オン(イルガキュア907:チバスペシャルティケミカルズ社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(イルガキュア369:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ベンジルメチルケタール(イルガキュア651:チバスペシャルティケミカルズ社製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184:チバスペシャルティケミカルズ社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173:メルク社製)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(ダロキュア1116:メルク社製)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−(2−アクリロイル−オキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、ジエトキシアセトフェノン(ZLI3331:チバスペシャルティケミカルズ社製)、エサキュアーKIP100(ラムベルティ社製)、ルシリンTPO( BASF社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(BAPO1:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BAPO2:チバスペシャルティケミカルズ社製)、BTTB(日本油脂(株)製)、CGI1700(チバスペシャルティケミカルズ社製等が例示される。
【0018】
後者の例として、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、テトラクロロベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4' −メチル−ジフェニルサルファイド、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、2,4ジクロロチオキサントン、アセトフェノン等のアリールケトン系開始剤、4,4' −ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4' −ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノアセトフェノン等のジアルキルアミノアリールケトン系開始剤、チオキサントン、キサントン系のおよびそのハロゲン置換系の多環カルボニル系開始剤等が例示される。これらの単独または適宣組み合わせにより用いる事も出来る。これらの開始剤は組成物中に0.1〜30重量%の範囲で用いる事が出来るが、好ましくは1〜15重量%の範囲で用いる事が出来る。
【0019】
次に、本発明における印刷インキ組成物としての使用形態について説明する。本発明における活性エネルギー線硬化性組成物は、通常平版印刷インキとしての形態において使用される。一般的には、 顔料 10〜30重量% 樹脂ワニス 20〜50重量% ラジカル重合性二重結合を有するモノマー 20〜70重量% ラジカル重合禁止剤 0.01〜1重量% ラジカル重合性開始剤およびまたは増感剤 0〜 15重量% その他添加剤 0〜10重量%からなる組成にて使用される。また、アクリル系樹脂は常温で固体の為、アクリル系モノマーもしくはオリゴマーに溶解し、ラジカル重合禁止剤を添加し調整した樹脂ワニスとして使用される。樹脂ワニスの粘度は印刷インキ組成物を作製し易い粘度(100 〜300 Pa ・s /25℃)にする為、その組成比は、樹脂/アクリル系モノマーおよびオリゴマー/ラジカル重合禁止剤=20〜50重量部/80〜50重量部/0.01〜1重量部を仕込み80〜120℃で空気気流下に30分〜1時間で溶解される。
【0020】
一般に、平版印刷インキは、常温から100℃の間で、顔料、樹脂ワニスおよび/またはそのゲルワニス、アクリル系モノマーもしくはオリゴマー、ラジカル重合禁止剤、ラジカル重合性開始剤およびまたは増感剤、その他添加剤などの印刷インキ組成物成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの練肉、混合、調整機を用いて製造される。
【0021】
顔料としては、無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、ベンガラなどが、有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系などの溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系などの多環式顔料および複素環式顔料などの公知公用の各種顔料が使用可能である。
【0022】
さらに重合禁止剤として(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p −メトキシフェノール、t −ブチルカテコール、t −ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p −ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p −ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p −ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が例示される。
【0023】
さらに、該印刷インキには、必要に応じてその他の添加剤を使用することが可能である。例えば、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤、スリキズ防止剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックスを例示することができる。
【0024】
当該活性エネルギー線硬化性印刷インキは通常湿し水を使用するオフセット印刷に適用されるが、湿し水を使用しない水無し印刷にも適用できる「さらにカラー印刷のみならず、黄、紅、藍、墨等のカラー印刷の他、それらを印刷後さらに印刷機で印刷される透明なオーバープリントニス(通称OPニス)にも適用される。活性エネルギー線硬化性印刷物はフォーム用印刷物、各種書籍用印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール、ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)に適用される。
【0025】
以下本発明について実施例、比較例について説明する。本発明は重量部で示す。
【0026】
ジアリルフタレート樹脂35重量%、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート64.5重量%、ハイドロキノン0.5重量%を4つ口フラスコに投入し、空気を吹き込みながら100℃で2時間攪拌溶解する事により200 Pa ・s /25℃の樹脂ワニスを作製した。
【0027】
[実施例1〜10、比較例11〜15]
表1、2の処方により配合した原料を3本ロールミルにて、粒子径が7μ以下となるように練和し、更に、樹脂ワニスとモノマーの割合を調整して、インコメーター400rpm、30℃の条件でタック値が9.0〜10.0を示す実施例1〜10、比較例11〜15の活性エネルギー線硬化型インキを作製した。
【0028】
【表1】

実施例1〜10処方
【0029】
【表2】

【0030】
ここで、C.I.Pigment Yellow13:東洋インキ製黄顔料。 C.I.Pigment Red 57:1東洋インキ製紅顔料、 C.I.Pigment Blue 15:3東洋インキ製藍顔料、カーボンブラック:三菱化学製カーボンブラック、炭酸カルシウム、疎水性シリカ1:日本アエロジル(株)製AEROSIL R972、疎水性シリカ2:AEROSIL R974、疎水性シリカ3:AEROSIL R202、疎水性シリカ4:AEROSIL R805、疎水性シリカ AEROSIL R812、親水性シリカ1:AEROSIL 200、親水性シリカAEROSIL 380、親水性シリカ AEROSIL 380、シ゛ク゛リセリン4EO付加テトラアクリレート:東亞合成(株)製TO1792、シ゛ク゛リセリン6EO付加テトラアクリレート:東亞合成(株)製TO1793、シ゛ク゛リセリン4PO付加テトラアクリレート:東亞合成(株)製TO1751、シ゛ク゛リセリン13EO付加4アクリレート東亞合成(株)製TO1797、シ゛トリメチロールフ゜ロハ゜ンテトラアクリレート:東亞合成(株)アロニックスM408、トリメチロールフ゜ロハ゜ン3EO3アクリレート:三洋化成(株)製TA401、ク゛リセリン3PO付加テトラアクリレート:日本化薬(株)製カヤラット゛GPO-303、シ゛ヘ゜ンタエリスリトールテトラアクリレート:日本化薬(株)製:カヤラット゛DPHA、光重合開始剤1:チハ゛スヘ゜シャリティーケミカルス製イルカ゛キュア907、光重合開始剤2:LAMBSON製SPEED CURE ITX、重合禁止剤:和光純薬(株)製メチルハイト゛ロキノンを用いた。
【0031】
実施例1から10、比較例11〜15のインキを志機製オフセット輪転印刷機を用いて、OKトップコート紙に毎分150mの印刷速度で3000mのオフセット印刷を実施後、ブランケットパイリングの状態、地汚れの有無、濃度安定性を確認した結果を表3に示す。尚、湿し水は東洋インキ製造製湿し水アクアユニティSUを1.5%添加し、紫外線硬化型インキはウシオ電機製160w/cm空冷メタルハライドUVランプ、電子線硬化型インキは東洋インキ製造製MinEB照射装置にて硬化させた。
【0032】
【表3】

【0033】
ここで、濃度安定性は印刷開始時の濃度と印刷終了時の濃度値の差が0.5以内であれば「良好」それ以上の濃度差を「不良」とした。印刷時に過剰にインキが乳化してしまうと濃度安定性が損なわれる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートを含有する事を特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項2】
ジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートが2〜10モルのC2〜C4のアルキレンオキサイド付加物であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項3】
ジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートが1〜4官能基の(メタ)アクリレート基を有する事を特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか記載のジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートに、疎水性超微粒子シリカをインキ全量を基準として0.01〜10.0%添加してインキ化する事を特徴とする活性エネルギー線硬化性オフセット印刷インキ。
【請求項5】
インキ中、請求項1〜4いずれか記載のジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレートを1〜60重量%含有する事を特徴とする、活性エネルギー線硬化性オフセット印刷インキ。
【請求項6】
請求項4または5記載の活性エネルギー線硬化性オフセット印刷インキを印刷してなる印刷物。


【公開番号】特開2006−335924(P2006−335924A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163592(P2005−163592)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000222118)東洋インキ製造株式会社 (2,229)
【出願人】(592057961)マツイカガク株式会社 (8)
【Fターム(参考)】