説明

活性成分を含む安定な耐久性のある顆粒

【課題】飼料用組成物のための安定な耐久性のある顆粒を提供する。
【解決手段】コア、活性成分、及び少なくとも1つのコーティングを有しており、前記活性成分はa)飼料用ペレット化工程、b)蒸気加熱飼料前処理工程、c)貯蔵、d)ペレト化されていない混合物中の1成分として貯蔵、及びe)微量元素、有機酸、還元糖、ビタミン、塩化コリン、及び酸性又は塩基性のベースミックス、又は飼料プレミックスとするための化合物から選択される少なくとも1つの化合物を含む飼料ベースミックス又は飼料プレミックスにおける1成分として貯蔵から選択される1つ以上の条件下に曝された後に、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%の活性を保持していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は活性成分を含む安定な耐久性のある顆粒に関する。特に、本発明は活性成分を含み、熱安定性を有し、耐久性を有する顆粒に関する。前記顆粒は特に、飼料のペレット化及びタブレット化を含む蒸気処理工程、及び飼料の蒸気処理工程において、活性成分の活性を損なわないことから、そのような用途に適している。安定な耐久性のある顆粒は、活性成分を放出する性質を有しており、最終用途において、活性成分の効果を提供ことができる。前記活性成分の活性はペレット化されていない混合物中及び蒸気処理工程の後でも、活性を保持している。
【背景技術】
【0002】
酵素等の活性成分は動物用飼料中に通常用いられているものである。酵素を用いると飼料の消化率を改善し、栄養とならない成分を減らし、動物の生産性を改善することが知られている。本分野では、工業的に、微量元素、有機又は無機酸又は塩基、還元糖、及び吸湿性の物質、特に塩化コリン及び塩化ナトリウムを含むがこれらに限定さない特定の成分のほかに、酸性及び塩基性の飼料成分が、ビタミン、タンパク質、抗生物質、プレバイオティクス、プロバイオティクス、及び酵素等の活性成分に不利な影響を与えることが知られている。さらに、幾つかの飼料処理工程も活性成分に悪影響を及ぼすことも知られている。
【0003】
ベースミックス及びプレミックス等のペレット化されていない動物飼料混合物は酸性又は塩基性であり、活性成分の安定性に不利な影響を含んでいることから、活性成分の保護に適した製剤化を行い、前記混合物中の貯蔵に適した活性成分を製造することについての問題が存在している。前記不利な影響の1つの作用機構としては、プレミックス中に存在する水分における、酸化及び還元化合物の間で起こる酸化還元反応であろうと言われている。BASF Technical Bulletin NU0013に記載の研究は、顆粒に含まれる2つの市販酵素が、飼料プレミックス中に3週間貯蔵したところ、それぞれ、86%及び81%の活性を保持し、前記プレミックス中に6週間貯蔵したところ、それぞれ55%及び33%の活性を保持していたことを報告している。近年、いくつかの飼料生産のための酵素の製造において、プレミックス中に酵素を貯蔵する場合にはバリアを用いて酵素を包んで保護すること、及び酵素をプレミックスとは別に貯蔵すること、又は酵素をプレミックス中に貯蔵する期間を短くすることが、推奨されている。
【0004】
更に、食品及び飼料に用いられる多くの飼料は熱に対して不安定である。動物飼料の製造における加熱処理に耐えうる酵素の安定性及び能力は、特に、ペレット化される動物飼料において、課題となっている。飼料ペレットは飼料の質の改善、雑菌の抑制、製造時の粉塵の低減、取り扱いの容易性、及び成分を均一に提供することができるので、乾燥飼料を比較に比べて、工業的には好ましい。好適な工業的なペレット製造には、当該分野において知られている蒸気注入が用いられている。前記蒸気注入は、水分を添加し、温度を上げて、その後に蒸気加熱された飼料成分又はマッシュ上の飼料をダイを通して成形する。このペレット工程の温度は約70℃乃至95℃、又はそれ以上である。
【0005】
酵素は重要な飼料成分であるので、in vivoにおいて効率的に用いられるためには、ペレット化工程、特にエキスパンダーを用いる工程において用いられる温度により高い温度に耐性を有していなければならい。
【0006】
蒸気、温度、及び圧縮力がペレット化工程で活性成分に適用されることから、これらの工程における酵素及び他の活性成分の安定性は課題となっている。従来は、酵素の失活を避けるために、ペレット化工程の後に、飼料ペレットに安定な酵素溶液として酵素を添加していたのである。例えば、ペレットに酵素を噴霧して、酵素をペレット化工程の後に適用する場合には、均一な投与(dosing)及びそのための装置にかかる費用が問題となる。代替的に、酵素の溶液剤、又は乾燥混合酵素製剤がペット化前の飼料混合物に添加される。添加に必要な酵素の量が多い場合には、ペレット化工程の損失分を埋め合わせるために、追加的な酵素が必要とされる場合もある。
【0007】
タブレット形成工程も圧縮力を利用するものである。熱は用いる場合と用いない場合がある。タブレットは、洗濯用潜在、食器用洗剤、及び各種表面洗浄製品等の、家庭用洗浄剤において用いられている。
【0008】
食品、飼料、及び家庭用洗浄製品において、安定で、耐久性のある、活性成分を含む顆粒を、蒸気処理、例えば、ペレット化又はタブレット化工程等の蒸気処理を受けて製造される製剤中に活性成分の活性を失わずに、成分として提供し、且つ最終効果を提供するために好適に活性成分を放出することができるような手段が必要とされている。活性成分に不利な影響を及ぼす成分を含んでいる、ペット化されていないミックス等の動物飼料製剤に用いたときに、それらの活性を保持することができる、活性成分を含む安定な耐久性のある顆粒に対する需要もある。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、コア、活性成分、及び少なくとも1つのコーティングを含む飼料組成物のための顆粒に関する。前記顆粒の活性成分は、a)飼料ペレット化工程、b)蒸気加熱飼料前処理工程、c)貯蔵、d)ペレット化されていない混合物中に成分の一つとして貯蔵、e)微量元素、有機酸、還元糖、ビタミン、塩化コリン、及び酸性又は塩基性の飼料ベースミックス又は飼料プレミックスとなるための化合物から選択される少なくとも1つを含む飼料ベースミックス又は飼料プレミックスとして貯蔵、から選択される1つ以上の条件を経た後でも、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%の活性を保持している。
【0010】
本発明の他の態様において、動物飼料のための顆粒が提供され、前記顆粒は、コア、貯蔵及び蒸気加熱を経た後でも少なくとも80%の活性を保持することができる活性成分を含む。前記顆粒は成分、水分バリアコーティング、及び顆粒留重量の少なくとも、25%に相当する水和コーティングを含んでいる。前記顆粒は蒸気を用いたペレット化工程の前と比較して水分活性が0.5未満である。
【0011】
本発明の更なる態様において、動物飼料成分が提供され、前記動物飼料成分は、コア、コアを取り巻く活性成分、及び請求項活性成分を取り巻く少なくとも1つのコーティングを含む。前記活性成分は、a)飼料ペレット化工程、b)蒸気加熱飼料前処理工程、c)貯蔵、d)ペレット化されていない混合物中に成分の一つとして貯蔵、e)微量元素、有機酸、還元糖、ビタミン、塩化コリン、及び酸性又は塩基性の飼料ベースミックス又は飼料プレミックスとなるための化合物から選択される少なくとも1つを含む飼料ベースミックス又は飼料プレミックスとして貯蔵、から選択される1つ以上の条件を経た後でも、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%の活性を保持している。
【0012】
活性成分を含む飼料用の顆粒を製造するための本発明の方法において、前記方法はコア、少なくとも1つの活性成分、及び少なくとも1つのコーティングを含む安定な顆粒を製造する工程、前記安定な顆粒を1つ以上のa)希釈剤、b)ベースミックス、c)プレミックス、及びd)ペレット化のための飼料用混合物と混合する工程を含む。
【0013】
本発明の他の態様において、塩化コリンを含む飼料用プレミックス中に貯蔵するための酵素を含んだ顆粒を製造するための方法を提供する。前記方法はコア物質及び酵素を提供する工程、(前記酵素はコア物質中に分散されているか、又はコア物質を覆っている。)前記コア物質及び酵素に、水和物質を適用して、安定な顆粒の重量に対して少なくとも、25重量%の層を形成する工程、前記層を水分バリア物質でコートして、前記顆粒の重量に対して少なくとも2重量%のコーティングを形成する工程を含む。前記適用する工程及びコーティングする工程の条件は前記安定な顆粒の水分活性が0.5未満になるように選択される。
【0014】
前述の安定な耐久性のある顆粒は、約85℃乃至約95℃程度の高温で、数分間、蒸気加熱ペレット化又は前処理を行った後に、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%の活性を保持している。本発明の安定で耐久性のある顆粒は特に、動物飼料ペレットの成分として、又は家庭用洗浄剤のタブレットの成分として好適である。
【0015】
本発明の態様において、安定で耐久性のある顆粒は水分を提供するための物質を含み、該物質は顆粒の重量に対して約55重量%含まれる。
【0016】
本発明の他の態様において、安定な耐久性のある顆粒は顆粒の重量に対して少なくとも約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約50重量%、約55重量%、及び約60重量%の水和コーティング、並びに顆粒の重量に対して、少なくとも約2重量%乃至約40重量%、約2重量%乃至約10重量%、約2重量%乃至約7重量%、及び約5重量%乃至約15重量%の水分バリアコーティングを有している。
【0017】
本発明態様において、安定で耐久性のある顆粒は、1つの顆粒の約20乃至約25重量%の水和物質を含む1つのコーティング、及び顆粒の約5乃至15重量%の水分バリア物質を含む、2つのコーティングを含む。この態様において、水分バリア物質をアニールするための、ヒートアニーリング工程を用いる。
【0018】
本発明の態様において、安定な耐久性のある顆粒はシリカ又はクレイのコア、及び熱安定性を有する酵素を基質中、適した無機塩の水和コーティング中、及び好適な水分バリアコーティング中に含む。この態様において、前記好適なコーティング層は顆粒全体の0%乃至15%に相当する。
【0019】
本発明は更に安定な耐久性のある顆粒のほかに、前記顆粒を含む飼料用ペレット、ペットフード、家庭用ケア製品、及び食品用タブレットにも関する。
【発明の詳細な説明】
【0020】
本発明は安定な耐久性のある顆粒に関する。前記顆粒は、加熱蒸気前処理、飼料用ペレット化工程、及びタブレット化工程等の製剤化工程に適用された場合に、高温及び圧縮力の両方に対して耐性を有しており、その一方で、意図する使用段階において活性成分の効果を提供するのに適した溶解性も有している。
【0021】
本発明の第一の側面において、蒸気の温度及び飼料用ペレット化蒸気加熱工程の温度及び圧縮力の両方に耐性を有し、その一方で活性成分の効果を提供するのに適した溶解性を有する顆粒が提供されることは驚くべきことである。この態様において、顆粒組成物を飼料中に用いるのに適している。
【0022】
本発明の第二の側面において、蒸気加熱前処理工程及びペレット化工程の温度及び圧縮力に耐性を有し、in vivoにおいて生物が酵素の活性を利用しうるように溶解することができる顆粒が提供される。この態様において、顆粒組成物は動物の飼料となり、好ましくは動物が消化可能なものである。
【0023】
本発明の第三の側面において、例えば、プレミックス等のペレット化されていない動物飼料のための、活性剤を含む安定で耐久性のある顆粒が提供される。前記安定で耐久性のある顆粒は、ペレット化されていない混合物が動物に給餌される前に加熱及び蒸気前処理された場合、又はペレット化されていない混合物がペレット化された場合に、効果を保持している。この側面において、驚くべきことに、酵素の安定性に有害な成分を含むペレット化されていない混合物中に貯蔵された場合であってもその活性を維持している。この側面において、理論に拘束されることは意図しないけれども、顆粒中の水和物質が顆粒中の水分バリア物質と組み合わさって作用してペレット化されていない混合物中の有害な物質から活性成分を保護しているのではないかと考えられる。前記水和物質は活性成分領域内への水分の浸透の速度及び程度を遅らせる又は減らし、水分バリア物質は水を排除する。水和物質と排水物質の組合せは、排水物質の層がダメージを受けた場合に、活性成分を更に保護するための機械的安定性を提供する。更に幾つかの態様において、過酷条件でのみ酸化する排水物質が用いられる。それゆえ、水和物質との組合せにおいて、前記顆粒は機械的に安定である。なぜならば、還元反応が、ペレット化されていない物質中の顆粒の貯蔵中に減らされると考えられるからである。
【0024】
本発明の第四の側面において、タブレット化工程に耐性を有し、一方で、洗濯用洗剤、食器用洗剤、及び表面洗浄製品等の家庭用ケア製品において効果を提供できるように溶解する性質を有する、活性成分を含む安定で耐久性のある顆粒が提供される。この態様において、顆粒組成物は、界面活性剤、ゼオライト、漂白剤、及び顔料等の動物には消化できない成分も含んでいる。
【0025】
本発明の安定な耐久性のある顆粒は球状又は球状に近い形状の顆粒であるが、必要に応じてディスク、楕円形、円筒形、及び長方形等の他の形状にすることも可能である。前記顆粒は活性成分を取り巻いている1つ以上の保護層を有している。
【0026】
前記顆粒はペレット化又はタブレット化工程に先立ち、飼料又は家庭用洗浄洗剤又はプレミックス製剤等の飼料混合物等の乾燥成分と混合されるか、あるいはペレット化されない乾燥飼料及びマッシュ中に用いられる。前記顆粒は特に飼料のペレット化製造工程において好適であり、ペットフードを含む食品及び家庭用洗浄タブレット製品の製造工程においても好適である。
【0027】
特に定義しない限り、全ての技術的及び科学的用語は本発明の分野における討議当業者が通常用いるものと同じ意味で用いられる。本明細書及び特許請求の範囲において、a、an、及びtheは、特に言及されていな限り、複数のものも参照する場合に用いる。例えば、顆粒の語は複数の顆粒も包含している。
【0028】
本発明の目的において、「活性成分」の語は安定な耐久性のある顆粒に添加される任意の物質を意味する。前記活性成分は生物学が利用可能な物質、食品又は飼料成分であり、抗生物質、抗生物質の代替物、プレバイオティック、プロバイオティック、殺虫剤、肥料、又は除草剤等の農薬の成分、医薬品の成分、あるいは家庭用洗浄製品の成分、あるいはこれらの組合せでもよい。特に好適な態様において、前記活性成分は、タンパク質、酵素、ペプチド、アミノ酸、糖質、脂質、又はオイル、ビタミン、共ビタミン、又はホルモン、又はこれらの組合せでよい。他の態様において、前記活性成分は酵素、漂白剤、漂白活性剤、香料、又は他の生物学的に活性な成分でもよい。本質的に熱安定性を有している活性成分も本願発明に包含され、本発明の顆粒においてより高められた熱安定性を示す。代替的に、このような熱安定性を有する顆粒が提供された場合には、コーティング物質を少なくしてもよい。本明細書において、保護コーティング物質の量は主に熱安定性を有していない活性成分に対して選択される。
【0029】
食品及び飼料製品に対して最も好適な活性成分は酵素、ペプチド、及びポリペプチド、アミノ酸、抗生物質、整腸剤、ビタミン、及びこれらの混合物である。
【0030】
あらゆる酵素を用いることができるけれども、非限定的な酵素の例としては、フィターゼ、キシラナーゼ、βグルコシダーゼ、フィスファターゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ(アルファ又はベータ又はグルコアミラーゼを含む)、セルラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、オキシダーゼ、トランスフェラーゼ、リダクターゼ、ヘミセルラーゼ、マンナーゼ、エステラーゼ、イソメラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、他の還元酵素、及びこれらの混合物がある。
【0031】
特に好適な酵素は、トリコデルマレーシ(Trichoderma reesei)由来のキシラナーゼ、及びTrochoderma reesei由来の各種キシラナーゼであり、これらはDanisco A/S, Denmark及び/又はGenencor International, Inc., Palo Alto, Californiaより入手可能である。熱安定性を有するキシラナーゼはEP1222256B1に記載されており、アスペルギウスニガー(Aspergillus niger)、アスペルギウスカワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギウスツビゲンシス(Aspergillus tubigensis)、バシルスシルクラス(Bacillus circulans)、バシルスプミラス(Bacillus pumilus)、バチルススブチリス(Bacillus subtilis)、ネオカリマスパトリシアウム(Neocallimastix patriciarum)、ペニシリウム(Penicillium species)、ストレプトマイセスリビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトマイセスセルモビオラセウス(Streptomyces thermoviolaceus)、セルモモノスポラフースカ(Thermomonospora fusca)、トリコデルマハルジアウム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマレーセイ(Trichoderma reesei)、トリコデルマヴィリデ(Trichoderma viride)由来の他のキシラナーゼ、AB Enzymes, Darmstadt,Germanyより入手可能であるAspergillus sp.由来のフィターゼであるFinase L(商標)等、Phyzyme(商標)XPとしてDanisco, Copenhagen, Denmarkより入手可能であるE. CoIi由来のフィターゼ、並びにトリコデルマ(Trichoderma)、ペニシリウム(Penicillium)、フサリウム(Fusarium)、ブッティアウクシラ(Buttiauxella)、シトロバクター(Citrobacter)、エンテロバクター(Enterobacter)、ペニシリウム(Penicillium)、フミコーラ(Humicola)、バシルス(Bacillus)、及びペニフォラ(Peniophora)由来のフィターゼも熱安定性を有するキシラナーゼとして利用可能である。
【0032】
セルラーゼの例としては、Danisco A/S, Denmarkより入手可能なセルラーゼ(ベータグルコシダーゼ)であるMultifect(商標)BGL、及びアスペルギウス(Aspergillus)、トリコデルマ(Trichoderma)、ペニシリウム(Penicillium)、フミコーラ(Humicola)、バシルス(Bacillus)、セルロモナス(Cellulomonas)、ペニシリウム(Penicillium)、セルモモノスポラ(Thermomonospore)、クロストリジウム(Clostridium)、及びハイポクレア(Hypocrea)由来の他のセルラーゼがある。US20060193897A1に記載のセルラーゼ及びエンドグルコシダーゼも用いることができる。アミラーゼは、アスペルギウス(Aspergillus)、トリコデルマ(Trichoderma)、ペニシリウム(Penicillium)、及び、例えば、バチルススブチルス(B. subtilis)、バチルスステアロセレモフィリス(B. stearothermophilus)、バチルスレンタス(B. lentus)、バチルスリケニフォルミス(B. licheniformis)、バチルスコアギュランタス(B. coagulans)、及びバチルスアミロリケニフォルミス(B. amyloliquefaciens)等のバチルス(Bacillus)由来のアミラーゼを用いることができる。好適なアミラーゼはアスペルギウスオリザエ(A. oryzae)及びアスペルギウスニガー(A. niger)等のアスペルギウス(Aspergillus)由来のアミラーゼである。プロテアーゼはバシルスアミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルスレンタス(Bacillus lentus)、バチルススブチリス(Bacillus subtilis)、バチルスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)及びアスペルギウス(Aspergillus)並びにトリコデルマ種(Trichoderma species)のものでよい。
【0033】
フィターゼ、キシラナーゼ、フォスファターゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、エステラーゼ、リダクターゼ、リパーセ、トランスフェラーゼ、セルラーゼ、及びβグルコシダーゼも動物飼料に良く用いられる酵素である。家庭用洗剤タブレットに用いられるのに適した酵素は、飼料用と同じであるが、特に、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼ、還元酵素、ペルオキシダーゼ、トランスフェラーゼ、及びセルラーゼである。
【0034】
本発明の特に好適な側面において、前記酵素はフィターゼ、キシラナーゼ、ベータグルコシダーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーセ、エステラーゼ、及びこれらの混合物から選択される。本発明の他の態様において、顆粒中に含まれるキシラナーゼ及びベータグルコシダーゼの2つが提供される。これらの酵素は、顆粒へと一緒に混合されていてもよいし、別々に適用されていても良い。他の態様において、顆粒中に含まれる3つの酵素が提供される。その酵素は、ベータグルコシダーゼ、キシラナーゼ、及びフィターゼである。
【0035】
前述の列挙された酵素は、例示であり、これらに本発明を限定することを意図するものではない。微生物、糸状菌、酵母、植物、昆虫、及び動物由来の、又は酸性、中性、又はアルカリ性の野生型及び組換え酵素を本発明の顆粒に用いることができる。
【0036】
当業者は用いられる酵素の量は、選択される酵素のタイプ及び性質並びに最終用途に少なくとも部分的に依存することを理解している。
【0037】
本発明の耐久性のある顆粒は、0.0005乃至20%の間の酵素成分を乾燥重量ベースで含む。例えば、本願発明の態様において、酵素は、少なくとも0.0005乃至約15%、少なくとも0.001乃至約15%、少なくとも0.01乃至約10%、少なくとも0.1乃至約10%、少なくとも1.0乃至約10%、少なくとも1.0乃至約8%、少なくとも1.0乃至約5%、少なくとも2.0乃至少なくとも5%、(重量パーセントで)顆粒に含まれる。1トン当たり25乃至400グラムの前記安定な耐久性のある顆粒を含む飼料は0.0001乃至約80グラムの活性酵素タンパク質を放出する。前記酵素顆粒は、飼料1トン当たり5000グラムの濃度で配合される。他の活性成分は、通常0.001乃至約400グラム/トン以上で飼料に配合される。本願発明の熱に安定な顆粒が、幾つかの活性剤を含み飼料組成物に添加されるプレミックス等のペレット化されていない混合物に配合された場合、より多く配合される。例えば、プレミックスに配合される酵素顆粒の濃度はプレミックスの約0.2%乃至10%、又はベースミックスの約0.1%乃至約3%である。例示的な態様において、プレミックス中に含まれる安定な耐久性のある下流に含まれているフィターゼの活性レベルは、約500U/gより高い。プレミックスは通常0.5乃至約2%の濃度で飼料に配合され、ベースミックスは約2%乃至約6%の割合で飼料に配合される。
【0038】
本発明の活性成分を含み、任意のプロセス剤、結合剤、及び他の成分を含む耐久性のある顆粒の保護コート層を除いた部分は顆粒の重量に基づいて、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、及び約20%未満であり、約25%乃至約50重量%、約40%乃至約60重量%、又は約50%乃至約60重量%である。
【0039】
コート層は顆粒の重量に基づいて、コート層のタイプ及び数にもよるが、約30%より多く、約40より多く、約50%より多く、約60%より多く、約70%より多く、及び約80%より多く、あるいは、約50%乃至約75重量%、40%乃至約60%、又は約40%乃至約50%含まれる。
【0040】
熱安定性を有する活性成分を用いる態様において、コアは約85乃至約100重量%の顆粒から構成されており、コート層は顆粒の約0%乃至約15%である。
【0041】
本発明の耐久性のある顆粒は所望のサイズに成形されており、前記サイズは直径約300μm、乃至約100μm、約300μm乃至約900μm、約400μm乃至約800μm、及び約400μm乃至約600μmである。
【0042】
「圧縮力」の語は物質の原子(atom)をコンパクトにするために軸方向に適用される力を意味する。本明細書で用いる圧縮力は、ペレット化工程、又はタブレット化工程において発生し、物質の縦軸に対して完全に対照的に適用されない曲げ応力の構成を含む。
【0043】
「熱安定性を有する酵素又はタンパク質」の語は約60℃乃至約65℃以上の融点を有する酵素又はタンパク質を意味し、例えば、pH5.5において69℃の融点を有する、及びpH8.0において72℃の融点を有する表2において用いる28、29、及び30の酵素を意味する。本明細書において熱安定性を有する酵素と定義される酵素の大部分は例えば、pH5.5及び8.0において60℃未満の融点を有する。
【0044】
「水分バリア物質」の語は水分の取り込みを排除、妨げる、又は相当遅らせる物質を意味する。これらの物質は通常疎水性又は両親媒性であり、防水性を提供し、水の吸収性及び/又は結合性を本来的に有しておらず、フィルム形成物質を含むがこれらに限定されない。排水物質の例としては、ポリマー、タンパク質、脂質、脂肪、及びオイル、脂肪酸、並びにガムがある。フィルムを形成する排水物質の例は、アラビアガム、ホエイ、ホエイタンパク質濃縮物、修飾PVAを含むPVA等の中性及び修飾ポリマー、ラテックス、HPMC、及び例えば、PureCote(商標)等の酸希釈ヒドロキシプロピルスターチ、酸化スターチ、及び修飾スターチ等の修飾ポリマーである。フィルムを形成しない排水物質は、例えば、ワックス、オイル、及び脂質、並びにレクチンを含む。容易に酸化しない選択された排水物質は、例えば、ラテックスポリマー、及びアラビアガム等のポリマーである。
【0045】
「水和物質」の語は、幾つかの作用の1つとして水等の水性溶液を取り込む物質を意味する。第二の作用機作において、前記物質は水和の結晶水として存在している。従って、前記物質は部分的又は完全に水和した物として提供されるか、又は水性溶液を吸収又は結合することができる水和されていない物質として提供され、有効成分にそのような水性溶液が浸透していく速度又は程度を遅らせる又は減らすことができる。第三の作用機作において、水和された物質は顆粒内の活性成分への熱移動を遅らせ、顆粒の外表面の温度よりも低い温度に活性成分を維持することによって、活性成分を断熱する。水和物質は、炭化水素及び硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、及び硫酸アンモニウム等の水和塩を含む無機塩、マルトデキストリン、例えば、スクロース等の糖、及びコーンスターチを含む。
【0046】
本発明の例示的な態様において、前記水和物質は、顆粒に25重量%より多く添加された場合、疎水性であるか、又は加硫全体の水分活性が0.5未満であるように低い量の水を含むか又は含まない物質である。理論に拘束されることを意図しないけれども、前記顆粒が蒸気加熱工程に曝されたときに、前記無機塩の水和物質は蒸気加熱工程からの水分に取り込まれ、蒸気処理工程の短い期間に、動態的に前記水和物質内への水を移動させることによって、顆粒の活性成分の領域に水分が浸透することを防ぐ。0.5未満の水分活性を有する態様において、水和物質は顆粒の25重量%程度である。顆粒に前記水和物が約40乃至70重量%含まれる態様において、前記水和物の層を厚くして、水和された又は部分的に水和された物質、特に無機塩を使用する。本明細書において「水和された」「部分的に水和された」、又は「水和されていない」の語は、顆粒が蒸気加熱する前の平衡状態にある場合の物質の水和能力を意味する。「水和された」物質とは、遊離した又は結合した、あるいはこれらの組合せ状態の水を含む物質を意味する。水はコーティング工程の間またはその後のいずれかの段階で添加され、顆粒の水和の程度は顆粒物質、及び温度、湿度及び適用される乾燥条件に関係して決定される。
【0047】
「ペレット」及び「ペレッティング」の語は、特に飼料用ペレット及び固形押出し成形された動物用飼料等の固形のラウンド形、球状、及び環状のタブレット又はペレットを意味する。既知のペレット製造工程は通常、飼料成分を1乃至5分間混合し、この混合物をsurge容器に移し、この混合物を蒸気コンディショナーへと運ぶ、任意に前記スチーム処理された混合物をエキスパンダーに写し、ペレットミル又は押出し成形機にこの混合物を移し、最終的にペレットをペレットクーラーに移す。Fairfield, D. 1994. Chapter 10, Pelleting Cost Center. In Feed Manufacturing Technology IV. (McEllhiney, editor), American Feed Industry Association, Arlington, VA, pp. 110−139参照のこと。
【0048】
蒸気コンディショナーは約20乃至約90秒から数分間の間で、約85℃乃至約90℃で前記混合物を処理する。蒸気の量は水分の量及び飼料混合物の初期温度に応じて変化させることができる。約4%乃至約6%のスチームがペレット化工程で適用され、ペレット化の前のマッシュ中に18%未満の水分含量となり、又は押出し成形においては約28%までの水分含量となるように選択される。任意のエキスパンダープロセスは、4乃至10秒で約100℃乃至140℃の温度の範囲で起こる。製造工程のペレットミル工程は約3秒乃至約5秒で、約85℃乃至95℃で行われる。
【0049】
「安定な」顆粒は活性成分の活性が、蒸気加熱前処理工程、蒸気加熱ペレット化工程、蒸気加熱タブレット化工程、単独貯蔵、及びペレット化又はタブレット化されていない混合物の1成分として貯蔵の後に成分として製剤化された後でも実質的に同じ活性を維持していることを意味する。安定性は活性成分を含む顆粒がペレット化されていない又はタブレット化されていない状態で、及び/又は蒸気加熱及び圧縮ペレット化工程、及びタブレット化工程に曝された後での熱安定性、寿命、又は貯蔵安定性、機械的安定性、及び/又は化学的安定性を含む。機械的に安定ということは、顆粒の物理的な堅牢性又は構造的な完全性を意味する。前記構造的な完全性は微生物に対する耐性、粉塵に対する耐性、及び臭気を生成する成分の放出に対する耐性を含む。化学的に安定なということは、活性成分に有害な他の成分と一緒に、ペレット化又はタブレット化されていない混合物において貯蔵された場合にも活性を維持しているということを意味している。熱安定性は本明細書及び一般的には、安定な耐久性のある顆粒がペレット、タブレット及びペレット化されていない、又はタブレット化されていない混合物の1成分である場合に、約85℃乃至95℃までの温度に曝された後も活性を維持していることを意味する。
【0050】
「タブレット化」の語はEP1257631B1に記載のようなタブレットプレスにおいて混合物の成分を圧縮して形成される固形の小さな塊、又タブレットを意味する。前記文献を参照により本明細書に援用する。
【0051】
タブレットは活性成分、充填剤/結合剤、潤滑剤、及び任意の他の成分を含む混合物を直接圧縮してタブレット化して製造される。前記活性成分はタブレット化する機器の入る前に他のタブレット成分と一緒に十分に混合される。成分は2軸ブレンダー、又は同様の装置等の任意の好適な機器又はタブレット成分を混合することができる任意の混合法を用いて混合される。
【0052】
前記混合物はその後、タブレットプレス(Stokes Model R−4、Warminster、PA)等の任意のタブレット化装置を用いてタブレットに圧縮される。通常、タブレットプレスは、穴に対応した上部及び下部形状を有しており、これらが上部及び下部よりダイの中にフィットする。混合されたタブレット物質は少なくとも1つの穴、通常上部の穴、である金型の中に充填され、金型に入れられる。圧縮は上部及び下部のせん孔器の両方に適用される。お互いに向かって動いている上部及び下部のせん孔器の力がせん孔器の間の物質に対して圧力を生じさせ、タブレットが形成される。
【0053】
様々な形状のタブレットを製造することができる。タブレットの形状はせん孔器のツールによって決定される。圧縮力はせん孔器の形状、、装置のタイプ、及び製剤の用途により異なる。代替的に、タブレットはUSPat.No.6,852,336に記載の乾燥又は湿式顆粒製造法を用いて製造することもできる。前記文献を参照により本明細書に援用する。前記特許は乾燥顆粒製造法は1つの成分がタブレットにした場合に十分な結合性を有している場合に用いることができると記載している。この方法は必要に応じて成分を潤滑剤と混合するものである。前述の湿式顆粒製造法は乾燥成分を2軸ブレンダー又はダブルコアブレンダーを用いてせん断混合条件下で混合し、この混合物にブレンド剤の溶液を添加して顆粒を製造する。
【0054】
「熱安定性を有する」顆粒は、活性成分を製剤に配合したあと、及び製剤を約85℃乃至約95℃で数分間まで熱又は熱と蒸気に曝したあとに、選択される活性成分の活性が少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、及び少なくとも95%その活性を保持してることを意味する。当業者は製剤中の熱安定性を有する顆粒は85℃未満の熱に曝された場合に安定であり、この場合80℃で行われた試験結果が根拠となることを理解している。
【0055】
1つの態様において、「熱安定性」の語は、製剤の中に配合された後、製剤が約85℃ないし95℃で役30秒間、蒸気に曝された後において、所定の活性成分の活性が、従来のアッセイ法を用いて解析した場合に少なくとも80%活性を保持していることを意味する。更なる態様において、熱安定性は、製剤の中に配合された後、製剤が約85℃乃至95℃で役30秒間、蒸気に曝された後において、所定の活性成分の活性が、従来のアッセイ法を用いて解析した場合に少なくとも50%活性を保持していることを意味する。
【0056】
「ペレット化されていない混合物」の語は、プレミックス、又はプレカーサー、ベースミックス、マッシュ、及び希釈物を意味する。プレミックスは通常ビタミン及び微量元素を含んでいる。ベースミックスは通常飼料、及びリン酸二カルシウム、石灰、塩、及びビタミン、及びミネラル混合物等の飼料成分を含むが、穀物及びタンパク質成分は含まない。希釈剤は穀物(例えば、二級小麦、及び米ぬか)及びフィロシリケート(マグネシウムシリケートセピオライト、ベントナイト、カオリン、モントモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ベイデライト、クレイ、アタパルガイト、及びステベンサイト)等のクレイを含むがこれらに限定されない。クレイは担体及び流動剤、又は飼料プレミックスの希釈剤としてもと用いられる。マッシュは通常完全な動物用飼料を含む。
【0057】
本発明の安定な顆粒はこれらのペレット化されていない混合物、マッシュ混合物に混合され、その後に蒸気、及び/又は蒸気ペレット化工程に提供されるか、又は乾燥される。
【0058】
として表記される「水分活性」の語は固形又は液体相の物質の平衡状態における大気中の相対湿度の分数である。すなわち、同じ温度において存在している純粋な水に対する部分的な水分透過圧力である。水の分布が平衡に達している全ての相の間では、水分活性は等しくなる。「相対湿度」の語は固体と平衡状態にある気体又は大気中の水であり、閉鎖系の純水の湿度を100%とした場合のパーセンテージで表される。従って、任意の水分活性値に対して、相当する相対湿度は%RH=100*aとして表される。水分活性は既知の方法で容易に測ることができる。通常、Instrument Corp.(Huntington, N.Y.)より入手可能なwater Activity System Model D2100等の水分活性測定器の温度制御されたチャンバー内にサンプルを静置し、平衡状態に達したときにディスプレイ上に表示された数値を読み取ることにより測定することができる。本明細書において、水分活性の語は全てのコーティングが行われた後の顆粒の水分活性を意味する。
【0059】
本発明の顆粒にとって、好適な水分活性はコーティングにポリマーが用いられた場合には、特に、0.5未満である。
【0060】
本発明の安定な耐久性のある顆粒は、コアを保護コートする1つ以上のコートを適用する任意の方法で製造することができる。前記活性成分は顆粒のコアに配合されるか、又はコア物質を覆うようにコートされる。本明細書において、コアは顆粒のコアに適用される任意の保護層以外の成分を意味する。
【0061】
前記コアは造粒、押出し成形、パンコーティング、球成形、ドラム造粒、高せん断凝集、液体ベースのスプレーコーティング、結晶化、沈殿、及び小球製造法等の既知のほうで製造される。このような方法は当業者に知られており、US Pat. No.4,689,297(押出し成形工程)、US Pat. No.6,248,706(造粒、高せん断)、及びEP804532B1及びUS Pat. No.6,534,466(流動床コア及びミキサーコーティングを用いた組合せ法)に記載されている。これらの文献を参照により本明細書に援用する。
【0062】
本発明の保護コーティングは説明したように、造粒、押出し成形、流動床及び小球の製造時に適用される。更に、保護コーティングはWO03/000625に記載のスピンディスクキャスティング法を含むキャスティング法により適用される。前記文献を参照により本明細書に援用する。
【0063】
更に、1つの態様において、前記プロセスは加熱アニーリング工程を含む。前記工程は顆粒を水分バリア成分のガラス転移温度(Tg)以上の温度に加熱し、その後、緩やかに前記バリア物質が硬くなる、又はガラス質になるまで温度を緩やかに下げる方法である。
【0064】
コア
前記コアは顆粒の内部核であり、前述のように、活性成分を含むか、又は活性成分がコア物質を覆っている。本発明に用いるのに好適なコアは、飼料用の水和性又は細孔性物質(即ち、水の中に分散又は溶解する物質)である。前記コア物質は、水性溶液に入れたときに水中に分散するか(水和したときに分解する)、又は水中で溶解するものである。クレイ(例えば、フィロシリケートベントナイト、カオリン、モントモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ベイデライト、アタパルガイト、及びステベサイト、砂(ケイ酸ナトリウム)等のシリケート、ノンンパレイル及び凝集ポテトスターチ又は小麦、又は小麦、及びコーンコブ等の他の穀物スターチ源は、分散性である。ノンパレイルは、粉の層を形成することにより形作られた小球の上に、又はこの小球を取り巻くように成形された層を有する種結晶及び回転球成形コンテナの中で種結晶の溶質から成る球状の物質である。ノンパレイルは通常スクロース等の糖及びコーンスターチ等のスターチを組み合わせて製造される。本発明の1つの態様において、前記コアは塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウムの結晶であり、種とも言われ、他の無機塩の結晶でもよい。本発明の他の態様において、前記コアはスクロースの結晶である。
【0065】
無機塩及び/又は糖及び/又は小さな有機分子からなる粒子は本発明のコアとして用いることができる。コアに取り込まれるのに好適な水溶性成分は塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛等の無機塩、尿素、クエン酸、スクロース、ラクトース等の糖を含むがこれらに限定されない。
【0066】
本発明のコアは、飼料又は飼料グレードのポリマー、充填剤、可塑剤、繊維物質、増量剤、及びコアに用いることが知られている他の物質を更に含んでいてもよい。好適なポリマーはポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、及び(スターチ、アミロース、アミロペクチン、アルファ及び/又はベータグルカン、ペクチン、グリコゲン等の)炭化水素ポリマー、並びにこれらの混合物及びこれらの誘導体を含むがこれらに限定されない。
【0067】
実施例に用いるコアは糖の結晶、無機塩の結晶、コーンコブのコア、クレイ及びシリケートである。
【0068】
コアに用いるのに好適な充填剤はバルクに添加することができ、コストを低減し、又は、最終的に製造される顆粒において、酵素活性を調整するために添加される。そのような充填剤の例としては、塩、糖の水溶性物質、及びクレイ、タルク、シリケーと、セルロース、及びスターチ、並びにセルロース及びスターチ誘導体等の水分散性物質を含むがこれらに限定されない。
【0069】
本発明のコアに用いる好適な可塑剤低分子量の有機化合物であり、特に可塑剤として有効なポリマーである。その例としては、糖(グルコース、フルクトース、及びスクロース)、糖アルコール(ソルビトール、キシリトール、及びマルチトール、及び他のグリコール)、尿素等の極性の低分子有機化合物、又は水又は他の飼料用可塑剤として知られている物質を含むがこれらに限定されない。
【0070】
本発明のコアに用いる好適な繊維物質はセルロース、及びHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)等のセルロース誘導体を含むがこれらに限定されない。
【0071】
本発明の飼料製品に特に好適な1つの態様において、前記コアは水溶性又は水分散性のコーンコブ素材、又は糖、又は塩の結晶である。家庭用洗浄剤製品の態様においては、水溶性又は水分散性の糖又は塩の結晶又はノンパレイルが特に好ましい。
【0072】
飼料及び飼料製品に好適な、前記コア(及び任意のポリマー、充填剤、可塑剤、繊維物質、及び増量剤)は食品及び/又は食料用製品にも適していることを当業者は理解している。家庭用洗浄製品においてはそのような制限は当てはまらない。
【0073】
活性成分を中に含み及び以下で説明する保護コートを除く任意のコートを含む本発明の顆粒のコアは耐久性のある顆粒に、約705未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、及び約20%未満含まれることが好ましい。
【0074】
活性剤
活性成分、特に前述の酵素は、発酵ブロスより得られたものであり、ブロス全体、溶解ブロス、又は発酵プロセスから回収された発酵ブロスを精製したものでもよい。前記酵素は発酵ブロスから回収工程を用いて得られた液体、スラリー、乾燥、凍結乾燥、又は結晶化されたものでよい。可塑剤の非下限定的な例は、グルコース、フルクトース、スクロース等の糖、デキストリン、PVA、及びソルビトール、キシリトール、及びマルチトール等の糖アルコール、又は前述の任意の可塑剤である。修飾デンプンはコーンスターチ、PureCote(商標)等の酸希釈ヒドロキシプロピルアルコール、及び酸化スターチを含む。代替的に前記活性成分はコアに添加されるか、又はコア又はコアを取り囲む層の両方に添加される。
【0075】
保護コート
本発明の保護コートは、活性成分が熱安定性を有していない場合、コアを取り巻く1つ以上の層として提供される。1、2、3、及び4つの保護コートを含む態様もある。
【0076】
好適な保護物質はポリマー、炭化水素、タンパク質、脂質、脂肪及びオイル、脂肪酸、無機酸、及びこれらの混合物である。
【0077】
前記保護コートは水分バリアコート及び水和コートを含む。水分バリアコートは水分を排除する機能を有し、例えば、通常、水分を吸収せず、水分が顆粒の中に浸透していくのを防ぐ又は遅らせる働きをする。顆粒上の水和コーティングは遊離した水又は水和物の水のいずれかとしえて存在する水分を吸収又は結合して、外部の水分の顆粒内への移動の程度又は速度を妨げる又は遅らせる働きをする。水和コーティングは顆粒の重量に退位して35重量%に相当する。このコーティングの中の前記水和物質は活性成分を熱から遮断して、所定量の水を吸収し、その水を活性成分を有する顆粒部分に浸透させないように水和物質の中に保持する。蒸気処理の前に感知可能な程度の水を含んでいない、安定な耐久性のある顆粒上の水和コートの場合、顆粒の約25重量%に相当する。
【0078】
水分バリアコーティングは、通常PVA、HPMA、酸希釈ヒドロキシプロピルスターチ、及び酸化スターチ等の疎水性ポリマー、ホエイ、ホエイタンパク濃縮物等のタンパク質、レクチン等の脂質、脂肪及びオイル、脂肪酸、ラテックス及びアラビアガム等の疎水性物質を含む。PVA及びアラビアガム等の特定の水分バリアコーティングは、容易に酸化されず、本発明の顆粒が、塩化コリンを含むプレミックス等のペレット化又はタブレット化されていない混合物中に貯蔵された場合、化学的安定性を付与することができる。水和コーティング物質は炭水化物及び水和塩を含む無機塩等の親水性物質である。水和物質の例は、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、マルトデキストリン、硫酸アンモニウム、スクロース等の糖、及び天然のコーンスターチである。
【0079】
保護コートに用いるポリマーはポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ酪酸、ポリビニルクロライド、ポリビニルラクテート、ポリビニルピロリドン(PVP)、セルロースエーテル、アルギネート、ゼラチン、修飾スターチ及びそれらの置換誘導体、水和物、及びコポリマーである。その例としては、Pure Cote(商標)等の酸希釈ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、及びエチルセルロースを含む。保護コートに最も好適なポリマーはUS Pat. No.6,872,6969に記載のPVA、修飾PVA、及びWO99/51210に記載のメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース等の修飾セルロースである。これらの文献を参照により本明細書に援用する。
【0080】
保護コートに用いる炭化水素はマルトデキストリン、ヒドロキシメチルセルロース、コーン、ソルガム、クズウコン、コメ、小麦、ライ麦、大ムーニー粘度(ML(1+4)@125)BBI-AV、オーツ麦、ジャガイモ、ヤム、タピオカ、キャッサバ、サゴ等から製造された修飾又は天然スターチ、及びスクロース、コーンシロップソリッド、糖蜜、グルコース、フルクトース、及びラクトースを含む糖である。
【0081】
保護層に用いるタンパク質は小麦粉、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質精製物、カゼイン、ダイズタンパク質濃縮物、及び単離、ゼインアルブミン及びゼラチンである。
【0082】
保護層に用いる脂質の担体、化合物、及び誘導体はワックス(カルナウバ、カンデリラ、ビーワックス、セルメン、カーヌバ、シェラック、パラフィン、及び微結晶性ワックス等の野菜、鉱物、及び合成ワックス)、レクチン(例えば、モノ−及びジグリセリド)、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、リノレイン酸、オレイン酸、ブチル酸、及びアラキドン酸、並びにそれらのナトリウム塩、カルシウム塩、及び亜鉛化合物)、脂肪酸及びオイル(例えば、ダイズ、コーン、コットンシード、タロウ、キャノーラ、及びリンs−ドオイル等の水和又は部分的に水和された脂肪及びオイル)である。保護層に好適な脂質はレクチンである。
【0083】
保護層に用いる無機塩は硫酸、クエン酸、塩酸、炭酸、亜硫酸、リン酸、ホスホン酸の塩、ナトリウム、アンモニウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及び亜鉛の重炭酸塩を含む。好適な塩は硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、及び硫酸アンモニウムである。
【0084】
保護層に用いるガムは、アラビアガム、グアガム、アガー、トラガカントガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、カラギナン、キサンタンガム、及びアルギネートを含む。
【0085】
本発明の保護層は可塑剤、潤滑剤、顔料、及びタルク、ベントナイト、カオリン、コーンスターチ、マグネシウムシリケート、カルシウムカルボネート、及びキトサン等のパウダーを含む。
【0086】
本発明の特定の態様において、単一の水和物質の層を顆粒の少なくとも55重量%含む下流が提供される。水和コーティングが水を取り込み、保持する能力には限界があることから、相対的に単一層を用いる場合にはその含量が多くなる。代替的に、水和物質を2つの層に適用してもよい。本発明の他の態様は水和物質及び水分バリア物質を用いたコーティングを提供する。これらの態様において、水和物質の量は、顆粒の少なくとも25重量%と低くてもよく、水分バリア物質は顆粒の約2乃至25重量%である。水和物質及び水分バリア物質の両方を用いることで、機械的な保護を強化し、水分保護物質の費用を下げることができる。水分バリア物質、特にフィルム形成物質は、単独で薄い層に用いられた場合、機械的なダメージを受け、活性成分の保護の損失となる。上で説明したように、物質の組合せは顆粒がペレット化されていないプレミックス中に貯蔵された場合に、活性が維持できることから化学的な安定性を提供するために好適である。
【0087】
ヒートアニーリング工程を経る顆粒について、融合された水分バリア物質層が改善された連続性、及び機械的ダメージを少なくすることができるので、水和物質の量は顆粒の少なくとも20重量%より低くてよい。
【0088】
安定な耐久性のある顆粒の製造法に加えて、本願発明の方法は、ペレット化されていない飼料混合物と混合し、得られた混合物中に貯蔵する工程を含む。追加的なプロセスは得られた混合物を蒸気加熱する工程及び/又は得られた混合物をペレット化する工程を含む。本発明の安定な耐久性のある顆粒も単独又は飼料と混合して貯蔵することができる。
【実施例】
【0089】
表1は本実施例において用いる成分及び略語を示す。
【表1】

【0090】
表2は本発明の安定な耐久性のある顆粒及び特定のペレット化条件下で活性成分の活性を少なくとも50%も維持できない幾つかの顆粒の成分を示す。
【表2】











【0091】
実施例1
表2における顆粒の調製
顆粒番号1を除く表2の全ての顆粒はUS Pat.No.5,324,649に記載の流動床法を用いて製造された顆粒である。前記流動床法はコア物質をVector FL−Iprocessor (Vector Corp, Marion, IA, USA)、Glatt 3, 又はUniglatt processor (Glatt Air Techniques, Binzen, Germany)中に流動させる。酵素/糖/デンプン混合物を前記コア物質の上にスプレーコートする。その後、任意の保護コートを酵素層の上に連続的にスプレーし、乾燥させる。
【0092】
例えば、製剤番号3は以下のように製造される;
Galtt3トップスプレー流動床コーターにおいて、45/+140メッシュで処理された硫酸ナトリウムの結晶をチャージし床を加熱しながら、流動させた。トリコデルマレーシ由来のフィルター処理されたキシラナーゼ濃縮物をコーンスターチ及びスクロースと混合し、結晶の上にスプレーした。この溶液は固形分が33%であった。最終バッチ重量は4000グラムであった。
【0093】
vector FL−1トップスプレーコーターにおいて、水和物質である、硫酸マグネシウム溶液を、833グラムの前述の物質の上にスプレーした。床の温度は50℃であった。最終バッチ重量は2500グラムであった。
【0094】
顆粒番号1の製剤は更に、ヒートアニーリング工程に付された。この工程において、顆粒をカルバナワックス物質のガラス転移温度(Tg)を超える温度に加熱し、その後、硬い、ガラス質のワックス層を形成するために緩やかに冷却した。
【0095】
実施例2:顆粒を有するマッシュサンプルの調製及びペレット化
3つの異なる飼料製剤及びペレッティング工程を用いて、表2に記載の顆粒を含むペレットを調製した。相対的に高投与量の顆粒を飼料製剤に投与して活性成分の残余活性を最適化した。
【0096】
ミル#1
表2から選択された顆粒を飼料製剤と混合した。前記飼料製剤の成分は以下のようである:
75重量%コーンミール(enriched yellow degerminated cornmeアl、no 50956, General Mills Operations, Minneapolis, MN);及び
25重量%ダイズミール(Pro Soybean meal、 Cargill Oilseed Co., Cedar Rapids, IA)。
【0097】
12kgの前記飼料ミックスを各サンプル顆粒と混合し(5g/kgの飼料製剤)、大容量のHobart ブレンダー(モデルD−300T、Troy OH)で8分間ブレンドする。各サンプルの約150gをマッシュサンプル又はペレット化されていない飼料混合物とした。各バッチをその後4kgずつのサブバッチに分割し、ペレットミルを3回行って、ペレット化した。
【0098】
用いたペレットミルはCPMモデルCL5(California Pellet Mill Co., Crawfordsville, IN)であった。蒸気処理の温度は1.36atmにおいて注入する蒸気に量により制御される。ペレットミルのダイにサンプルを入れる直前に測定したマッシュのコンディション温度は89乃至90℃であった。温度測定は温度計及び「J」タイプのサーモカップル(OMEGA Engineering, Inc. Stamford, CT)を用いて行った。コンディショナーでの滞留時間はおよそ5秒であった。ダイは12.7cmの内部直径、17.8cmの外部直径、4.7mmの穴直径を有している。前記ペレットミルを連続的に運転してサンプルを処理し、約2kgのコーンミール/ダイズミックスをサンプル間で別々に処理した。
【0099】
約1分間の後に、試験マッシュをコンディショナーに添加し、前記コンディショナー温度を標的温度に安定化させ、30秒間隔でペレットを収集し、各サンプルに対して1kgのペレットを製造した。収集されたペレットを30秒間放置して、空冷器で2−3分冷却して室温にまで温度を下げた。
【0100】
ミル#2
表2から調製された耐久性のある顆粒をコーン及びダイズ飼料製剤とともにペレット化した。飼料製剤の正確な成分は以下のようである。61.2重量%コーンミール、31.6重量%ダイズミール、3.0%のミートボーンミール、2.5%のダイズオイル、1.3%石灰石、0.28%塩、及び0.08%のメチオニンを含む。試験に供される各顆粒について、酵素のタイプ及び活性に依り、370乃至2000グラムの顆粒を450kgのオイルを含まない飼料と合わせて、プラウミキサーで2分間ブレンドした。その後ダイズオイルを添加し、サンプルを更に3分間混合した。前記ペレットミルはCalifornia Pellet Mill製のマスターモデルであった。ダイのペレットホースの直径は4.5mmであった。典型的な飼料速度は1時間当たり780kgである。蒸気コンディションにおける温度は手動で制御され、コンディショナーから出てくる飼料を測定することで調製した。85℃及び95℃の2つのコンディショニング温度を用いた。コンディショナー中の滞留時間は約30秒であった。標的温度に達したときに、システムを稼動させ、サンプルを提供する前に約5分間運転する。約5kgのペレット化された飼料を強雨して、スクリーンされたトレイ上に広げて冷却した。
【0101】
ミル#3
調製された耐久性のある顆粒は小麦及びダイズを含む飼料製剤、又は小麦又は大麦を含む飼料製剤を用いてペレット化された。前記飼料製剤の組成は以下のようである。60%の小麦、31.5%のダイズミール、4%のダイズオイル、1.5%リン酸二カルシウム、1.23%ビタミン−ミネラルプレミックス、1.2%リメストン、0.4%塩、及び0.2%DLメチオニン、又は60%の小麦、30%の大麦。90℃及び95℃の2つのコンディショニング温度を採用した。試験を行う各顆粒について、酵素のタイプ及び活性により200乃至500グラムの顆粒を160kgの飼料と合わせて、水平リボンミキサーにおいて、約15分間ブレンドした。前記ペレットミルは、Simon Heesenの1ロールタイプであり、直径3mmのペレットホール直径を有する17.3cm直径のダイを設置していた。ダイ速度は500rpmで、7.5kwモーターで運転する。典型的な飼料速度は1時間当たり300kgである。スチームコンディショナーの中の温度はコンディショナーから出てくる飼料の温度に対して±0.1℃(摂氏)に維持した。コンディショナーはカスケードタイプの混合システムを有していた。85℃、90℃、及び95℃の3つのコンディショニング温度を採用した。蒸気注入圧力は2atmであり、コンディショナーの中の温度は蒸気の調整を調節する3つの値に手動で設定した。コンディショナーの中の滞留時間は、約30秒であった。標的温度に達した場合、サンプルを供する前にこの装置を5乃至10分間稼動させる。5乃至7.5kgのペレット飼料に相当するサンプルを1乃至1.5分の間に供し、穴が開いている底を有する冷却ボックスに静置して、1時間当たり1500m3の空気を通して冷却した。15分間冷却した後、前記サンプルをサンプル分割装置を用いて2回分割して、1kgを試験に供した。
【0102】
実施例3:酵素活性測定
酵素活性の決定
ペレット化後の酵素活性を決定するために、マッシュ及びペレット化されたサンプルをキッチンコーヒーグラインダー(モデル203−42、Krups North America Inc.,Medford MA)で30秒間粉砕し、酵素活性を以下のように測定した。代替的に、ZM−200遠心ミルで粉砕し、1mmの篩(Retsch GmbH、Germany)に掛けたサンプルも試験に用いた。
【0103】
回収された酵素活性の割合の計算
各試験サンプルについて、マッシュ及び対応するペレットサンプルの酵素活性をアッセイした。以下の式を用いて回収された酵素活性の割合を計算した%回収された酵素活性=ペレット中の活性×100/マッシュ中の活性

フィターゼ活性測定は“Determination of phytase activity in feed by a colorimetric enzymatic method: collaborative interlaboratory study”. Engelen AJ, van der Heeft FC, Randsdorp PH, Somers WA, Schaefer J, van der Vat BJ. J AOAC Int. 2001 May−Jun; 84(3):629−33に記載のAOAC(Association of Analytical Chemists) Official Method 2000.12に従って行った。簡単に説明すると、粉砕したサンプルを220mMの酢酸ナトリウム三水和物、68.4mMの塩化カルシウム二水和物、0.01%のTween20、pH5.5に溶解し、この懸濁液をアッセイした。アッセイは、73℃で1時間の間にpH5.5においてコメ基質から放出される無機リン酸を評価することにより行った。このアッセイは、酸性のモリブデン酸/バナジン酸試薬を添加して停止され、バナドモリブドリン光体の黄色い複合体の強度でリン酸を定量化した。
【0104】
キシラナーゼの酵素アッセイは、キシラナーゼアッセイキット(Xylazyme AX Format), Cat No:K−XYLS Megazyme International Ireland Ltd., Wicklow, Irelandを用いて測定した。このアッセイキットは16×125mmの使い捨てのガラス培養チューブ、100mMのMESナトリウム塩緩衝液、pH6.0の抽出緩衝液、25mMリン酸緩衝液、pH6.0のアッセイ緩衝液、1リットルのミリQ水に20gのNaPO412H2Oを含む停止溶液、225mlのポリスチレン培養フラスコ(Corning Incorporated−Life Sciences Big Flats, New York)を含む。6乃至12gの粉砕した飼料を培養フラスコ中で20乃至25℃、1時間で、120mlの抽出緩衝液を用いて100rpmで振とう器で抽出した。その後サンプルを2000gで1分間、遠心分離し、この上清をアッセイに用いた。アッセイにおいて、20乃至100μlの飼料の上清を培養チューブ内で500μlのアッセイ緩衝液で希釈し、40℃のウォーターバスで10分間平衡化した。その後、1つの基質タブレットを各チューブに入れ、サンプルを更に40℃で10分間インキュベートした。10mlの停止溶液を各チューブに入れた。サンプルをボルテックス撹拌し、その後Whatman#1フィルターペーパーでろ過した。590nmにおけるろ液の吸光度を吸光光度計で測定した。前記光度計は20乃至100μlの飼料上清、500μlのアッセイ緩衝液、及び10mlの停止液を混合して調製されたブランクを用いてゼロ点調整を行った。1つの基質溶液を添加して、ボルテックス混合し、サンプルと同様にろ過した。幾つかの飼料成分由来の障害物がアッセイに影響を与える。このことを是正するために。飼料成分由来のバックグラウンドを含む標準曲線を作成した。コートされていないキシラナーゼ顆粒をブランクマッシュ及びブランクペレットに様々な濃度で添加した。マッシュ及びペレットサンプルを上で説明したように粉砕し、抽出した。連続希釈抽出物からマッシュ及びペレット、及びタブレットの標準曲線を作成した。
【0105】
ベータグルカナーゼ活性はベータグルカナーゼアッセイキット(Beta―Glucazyme Tablet format)、Cat No:T−BGZ200、Megazyme International Ireland Ltd., Wicklow,Irelandを用いて作成した。このアッセイキットには、25mMの酢酸ナトリウムであるアッセイ緩衝液、ミリQ水、1リットル当たり2%のNaPO412H2Oの停止溶液、140mlのガラスビーカーを含む。10gの粉砕飼料を、100mlの抽出緩衝液を用いて、20℃乃至25℃で1時間、ビーカー内で混合して、抽出した。その後、サンプルを2000gで1分間遠心分離し、上清をアッセイに供した。前記アッセイにおいて、20乃至100μlの飼料上清をアッセイ緩衝液を用いて500μlに培養チューブ内で希釈し、40℃のウォーターバスで10分間平衡化した。その後、1つの基質タブレットを各サンプルチューブに入れ、サンプルを更に40℃で10分間インキュベートした。10mlの停止液を各チューブに添加した。このサンプルをボルテックス混合し、Whatman#1フィルターペーパーでろ過した。590nmにおけるろ液の吸光度を分光光度計で測定した。前記分光光度計は20乃至100μlの飼料上清、500μlのアッセイ緩衝液、及び10mlの停止溶液から成るブランクを用いてゼロ点調整されているものである。1つの基質溶液を添加して、ボルテックス混合し、サンプルと同様にろ過した。標準曲線をアッセイ溶液中の好適な濃度で希釈された酵素を用いて調整した。
【0106】
酵素の残余活性の測定結果
【表3】

【0107】
用いたペレットミルは2つのグループに分割できる。ミル#1はラボスケールのミルである。これは市販製品よりも飼料の粉砕の程度が粗い。荒さは、配合飼料がオイルを含んでいないという事実と結び付けられて、マッシュの相対的に小さな一部に送られる大量の蒸気に起因している(オイル一般に、ダイを通る間の飼料に提供される)。ミル#2乃至ミル#4は市販の状況により近いものである。
【0108】
試験された顆粒の残余活性の結果を表3に記載する。安定で耐久性のある顆粒ではない本願発明の顆粒は、10番、12番、13番、14番、15番、16番、21番、及び25番であり、これらの酵素活性の回収率は30%未満であった。これらの顆粒は酵素基質層でコートされたコアを有し、前記コアは顆粒全体の約50重量%を占めていた。これらの安定でない顆粒の大部分はカルバナルワックス、エチルセルロース、HPMC又はキャノーラオイル等の水分バリア物質の1つの保護層しか有していなかった。理論に拘束されることを意図しないけれども、これらの顆粒は70℃乃至85℃において50%より多い残余活性を示すことから、これらの試験条件におけるこれらの顆粒のプアな熱安定性は、これらの5つの実施例が示すように、顆粒の約2.0乃至約17.0重量%に相当する比較的薄いコート層、及び/又は用いたコート剤の量に依存しているようである。例えば、10番の顆粒は50重量%の水分バリア物質であるコート物質(カルバナルワックス)である単一のコーティング物質を有し、25番の顆粒は合わせて下流の32重量%に相当する2つの水分バリア物質を有する。
【0109】
特に安定な耐久性のある本発明の顆粒は、4番、8番、17番、19番、20番、26番、28番、29番、31番、及び32番であり、これらは90℃で約5分間ペレット化された場合に回収されたキシラナーゼ活性が70%より高かった。更に、26番、31番、及び/又は32番は85℃、及び95℃で役30秒でペレット化されたあとに回収されたフィターゼ活性が90%より高かった。28番及び29番の顆粒は、85℃及び95℃で30秒でペレット化された熱安定性ベータグルコシダーゼ活性が酵素の混合物中で70乃至90%で、熱安定性キシラナーゼ活性の残余活性は90%より高かった。これらの活性成分を含む安定な耐久性のある顆粒は熱安定性を有していない活性成分を含んでおり、1)水分バリア物質での単一の厚い保護層を有している、又は2)少なくとも1つの層が水和物質である層、及び水分バリア物質である1つの層を含む2乃至3の保護層を有している。
【0110】
通常、水和物質が個別の層として用いられた場合、十分な熱保護を達成するためにはコート層を顆粒の少なくとも約55%含まなければならない。あるいは、個別の層に用いた水和物質の量が55%より少ない場合、残余活性の割合は50%より少なくなる。しかしながら、水和物質を水分バリア物質を組み合わせて用いた場合、水和保護層は顆粒の25重量%より少なくてもよく、水分バリア物質は顆粒の2乃至40重量%でよい。
【0111】
本願発明の他の安定な耐久性のある顆粒は、1番、2番、3番、5番、6番、9番、11番、22番、23番、27番、30番、及び33番である。これらの顆粒は、90℃で5秒間レット化を行った後、又は85℃乃至90℃で30秒間ペレット化を行った後に回収されたキシラナーゼ活性又はフィターゼ活性が50%より高い。これらの結果からわかるように、無機塩の外層、又は内部コーティングは単独で、良好な酵素の保護を提供し、水分バリアコーティングと共に用いた場合には、保護がより高められる。前述のように、1番の顆粒はヒートアニーリング工程を用いて製造され、ヒートアニーリング工程がポリマー、タンパク質、及び脂質等の水分バリア物質のバリア機能を高め、熱安定性を確保するために必要な水和物質の量が少なくできると考えられる。1番の顆粒がヒートアニーリングせずに製造された場合の残余酵素活性は35%である。2番、3番、及び22番の顆粒は、異なるコア物質を用いても顆粒の安定性は維持可能であることを示している。
【0112】
3番の顆粒はペレット化時間が5秒、又は30秒のいずれであっても酵素活性が70%より多く回収できることを示している。11番の顆粒は85℃乃至95ドメインで30秒間ペレット化した場合にキシラナーゼの回収活性が50%より多くなり、85℃乃至95℃で30秒間ペレットかした場合に、フィターゼ活性が70%より多くなることを示している。23番の顆粒は90℃で5秒間ペレット化した場合にフィターゼ活性の回収率が50%より多くなることを示しており、85℃乃至95℃で30秒間ペレット化した場合のキシラナーゼ活性の回収率が50%より多くなり、85℃乃至95℃で30秒間ペレット化した場合のフィターゼ活性の回収率が80%より多くなること示している。
【0113】
実施例4:直接蒸気処理試験
75%のコーンミール及び25%のダイズを含むマッシュの100グラムを、の大腸菌由来のフィターゼを含む顆粒を配合して、マッシュ1kgに1.25gの酵素を含む飼料を調製した。このマッシュサンプルをチーズクロスバッグで包み、この包みを漏斗の中にセットして、漏斗の下部に向かって30psiの蒸気を、20秒間通した。蒸気処理の後、サンプルを所望の温度で冷却し、一晩放置して乾燥させた。その後、フィターゼ活性をアッセイした。未処理のマッシュサンプルに対する、蒸気処理したマッシュサンプル中から回収された酵素活性のパーセントを報告した。
【0114】
これらの試験条件下で、安定な蒸気安定性を示さなかったのは、25番の顆粒であり、蒸気処理後に回収された活性は35%未満であった。本はつめいの安定で耐久性のあるい顆粒は5番及び23番の顆粒であり、これらは蒸気処理後に50%より高い活性を回収できた。
【0115】
実施例5:ペレット化された顆粒の生物利用性試験
本発明の安定な耐久性のある顆粒は、WO00/47060に記載のフィターゼ利用試験、Enzymes in Animal Nutrition, Proceedings of the 1st Symposium,Kartause Ittingen, Switzerland, October 13016, 1993に記載の生物利用試験、Chemgen patentsに記載の生物利用試験等の既知の有効成分試験を用いて、試験を行った。
【0116】
本発明の安定な顆粒は、ブロイラー用の市販飼料と混合して生物利用性を試験した。
【0117】
材料及び方法
試験を行った酵素及び顆粒及び飼料はPhyzyme(商標)XP(6−フィターゼEC3.1.3.26)酵素単独、及びPVAコート、及び/又はアラビアガム(GA)コートされた、Phyzyme XP酵素を含む本願発明の顆粒である。表4参照のこと。この試験酵素及び顆粒はマッシュ飼料及びペレット化飼料(90℃で調製)としてブロイラーに供与された。試験飼料は陽性対照(市販飼料)、陰性対照、陰性対象+500U/KgPhyzyme(商標)、陰性対照+500U/kgPVAコートフィターゼペレット(90℃で調製)、及び陰性対照+500U/kgGAコートフィターゼペレット(90℃で調製)であった。カルシウム及びリン酸を除いて、全ての飼料はカロリーが等しく、窒素含量も等しかった。(表6参照)。陽性対照及び陰性対照飼料におけるカルシウム及び利用可能なリン酸は、それぞれ、0.90%及び0.78%、及び0.37%及び0.26%であった。酸化チアミン(0.10%)を飼料の消化率のマーカーとして飼料に添加した。この試験試料はADAS Gleadthorpeによって製造され、冷蔵貯蔵されていたものである。酵素添加剤混合物(25g)、穀物(250g)、ダイズミール(250g)及び全ての飼料サンプルをDanisco Animal Nutrition Enzymes Feed Services, Edwin Rahrs Vej 38, DK−8220 Brabrand, Denmarkに送付して、給餌前にフィッシャートロプス例えば、フィターゼの活性を測定した。
【0118】
試験動物及び給餌スケジュール
トリは、0乃至21日齢の雄のRoss308ブロイラーで、30羽用の檻に8羽で飼育する。このトリは重量を測定する前にランダムにボックスにいれ、檻の中にランダムにおいた。各檻は1つの飼料給餌管が設置されていて、トリは自由に飲料水(1檻当り4つ)を飲むことができ、いつでも飼料が食べられる状態となっている。ドリンカーの高さは、トリの背中の一番上になるように維持した。木屑の床敷を5cmの高さになるように敷いた。暖かい空気を用いた抱卵システムシステムを用いて部屋を暖めた。標的温度は31℃であり、21日目に21℃になるように2日おきに1℃ずつ下げた。最小換気速度が自動的に計算され、体重1kg0.57当り、1秒間に1.9×104m3になるように供給した。この速度をFarm−Ex Diacam コントロールパネルによって制御されている1つの610mmのファンで供給した。照明プログラムは23時間のライティングで1時間の暗闇で行った。光の強度は40乃至60luxから10日齢ごとに10luxずつ減少させた。相対湿度はTinytalk(商標)データロガーを用いてモニターした。トリはIB H120&50%Avinue(ND)を孵化場で接種した。
【0119】
飼料取り込み/体重
飼料の利用率は0乃至21日の間で測定した。各檻における飼料の重さを給餌開始前及び試験期間満了後に測定し、重さを差し引いて飼料の取り込みを測定した。生まれて1日目のトリの体重を檻の中で測定した。21日齢において、全ての檻の中の全てのトリをバッチごとに測定した。全ての檻の全てのトリの総重量を決定して平均値を算出した。死んだトリの重量を測定し、記録した。体の不自由なトリ、又は飼料又は水を取ることができなかったトリを間引いて、間引いた理由を記録した。
【0120】
脛骨の灰分
各檻の21日齢の2羽のトリを間引いて、頚椎脱臼により殺し、左足を切断した。脛骨を切開し、骨をEurofins laboratories, Woodthorne, Wolverhamptonに送付し、灰分を測定した。全てのデータはSAS(SAS Inst. Inc., Gary, NC)の一般的なリニアモデル法を用いて解析した。有意な違いが見られた場合、ダンカンのTテストを用いて個々の処理結果を比較した。
【0121】
結果及び考察
試験試料中で解析されたフィターゼ活性は、陽性対照、陰性対照、陰性対照+500U/kgPhyzyme(商標)XP、陰性対照+500U/kgPVAコートフィターゼ、及びGAコートフィターゼペレット(90℃)において、それぞれ、<50、<50、563、467、558FTU/kg(PVAコートフィターゼ)、及び554及び440(GAコートフィターゼ)であった。
【0122】
500U/kgPVAコートフィターゼ及びGAコートフィターゼ、ペレット、90℃を供給した飼料を給餌したトリは、21日齢において、陽性対照、陰性対照、及び陰性対照+500U/KgPhyzme(商標)XP飼料よりも重かった(表7)。陰性対照を給餌されたトリは、500U/kgPVAコートフィターゼ及びGAコートフィターゼ(ペレット化、90℃)を含む飼料を給餌されたトリよりも飼料の消費量がすくなかった(表8)。500U/kgPhyzyme(商標)PVEコートフィターゼ及びGAコートフィターゼ、ペレット、90℃を含む飼料を給餌されたトリは、21日齢において、陰性対照+500U/kgPhyzyme(商標)XP及び陽性対照飼料を給餌されたトリよりも飼料転換率が良かった(表9)。
【0123】
脛骨の灰分含量は陰性対照を給餌したトリが他の群よりも低かった。陽性対照及び/又はフィターゼ含有飼料を供給したトリは同様の脛骨の灰分含量を示した(表10)。
【0124】
Phyzyme(商標)XP、又はPVA、又はGAコートされたフィターゼフィターゼのいずれかの試験のほかに、陽性対照の飼料をマッシュ飼料として試験をおこなった。PVA又はGAコートされたフィターゼは市販の試料に添加し90℃でペレット化した場合、製品の回収率はペレット化されていないレベルに維持され、性能は陽性対照と同じか又は少し良い程度であった。この試験結果は市販のブロイラー用飼料に、90℃でペレット化したPVA又はGAコートした酵素は生物利用率を損ねることなく熱安定性を改善していることを示している。
【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【0125】
実施例6:酵素プレミックス及びペレット安定性
表2に従って製造したPVAコート又はGAコートのいずれか及び水和コーティングを有するフィターゼを含む顆粒をセピオライトクレイ、又は標準的なブロイラービタミンプレミックスと混合し、塩化コリン添加及び無添加製剤を調製した。100グラムの顆粒を900グラムのクレイ、又は100グラムの顆粒を500グラムのビタミンプレミックスに添加した。サンプルを密封コンテナにいれ、35℃で3週間貯蔵した。その後、ミル#3で説明したようにペレット化した。実験対照はプレミックス中で貯蔵していない顆粒であり、この対照は3週間室温に置いた。
【0126】
表11及び表12は90℃及び95℃でペレット化した後のこれらの混合物の回収されたフィターゼ活性のパーセンテージを示している。セピオライト又はビタミンミネラルプレミックスを用いて製造された顆粒はペレット化の後に有意に高い活性を回収することができた。
【表11】

【表12】

【0127】
理論に拘束されることは意図しないけれども、クレイ及びビタミンミネラルプレミックスは水の取り込み能力があり、貯蔵期間にそれらが顆粒から余分な吸収していると考えられる。この効果を示すために、表13において顆粒とセピオライトが閉鎖チャンバー内の開放系のコンテナで貯蔵されたときの試験結果を示す。顆粒及びセピオライトの水分活性を25で貯蔵する前と7日後に測定した。貯蔵の間、セピオライトはこの系が平衡に達するまで、顆粒から水を吸収していた。貯蔵の後に、顆粒は水分活性が低くなり、セピオライトは水分活性が高くなった。
【表13】

【0128】
実施例7:塩化コリンが存在する場合の貯蔵安定性
塩化コリン又はN−(2−ヒドロキシエチル)トリメチル塩化アンモニウム、はトリ、ブタ、及び他の動物において、重要な飼料添加剤、ビタミン栄養分である。塩化コリンは反応性の分子であり、他のビタミン及び酵素において有害な物質であることが知られている。塩化コリンはプレミックス及びベースミックス中に用いられる。プレミックス中には最大で、ブタの飼料の場合74,800mg/kgで用いられ、トリの場合には150,000mg/kgで用いられる。ブタ用のベースミックス中には約966乃至1282.9mg/kg添加されている。
【0129】
本発明の安定な耐久性のある顆粒は、塩化コリンの存在下で貯蔵された場合であっても酵素活性を維持できることが示された。PVA又はGAのいずれかと水和物質を用いて製剤化されたフィターゼ含有顆粒を塩化コリンを含む/含まない、ビタミンミネラルプレミックスと混合した。配合割合は、100グラムの顆粒を500グラムのビタミンミネラルプレミックスに添加した。サンプルを密封容器中に入れて、35℃で3週間貯蔵し、前述のフィターゼ活性測定法を用いて活性を測定した。実験対照は35℃、3週間でプレミックス中で貯蔵されていない顆粒であった。表14及び15は、貯蔵前及び後の混合物の酵素活性の測定値及び酵素活性の変化を示す。貯蔵後に活性損失を示した酵素はなかった。サンプリング、抽出、及び活性アッセイを含むこのアッセイ法におけるエラーは約15%である。
【表14】

【表15】

【0130】
実施例8:ペレット化の安定性に対する水分活性の影響
上で説明するような流動床プロセスにおいて、PAVコーティング及び/又は無機塩層コーティングを有する製剤の製法に従って、フィターゼ顆粒を調製した。前記顆粒の水分活性が製造の後に0.5より高い場合には、流動床のコーター、又は他の好適な工程で、顆粒の水分活性が0.5未満になるまで乾燥した。結果を表16に示す。この結果は水分活性が0.5未満の場合にペレット化工程の後の残余活性が高くなることを示している。
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
飼料組成物のための顆粒であって、コア、活性成分、及び少なくとも1つのコーティングを含み、
a)飼料用ペレット製造工程、b)蒸気加熱飼料用前処理加工、c)貯蔵、d)ペレット化されていない混合物として貯蔵、及びe)微量元素、有機酸、還元糖、ビタミン、塩化コリン、及び酸性又は塩基性の飼料ベースミックス又は飼料プレミックスとなる少なくとも1つの化合物を含む飼料用ベースミックス又は飼料用プレミックスにおける成分として貯蔵、の中から選択される1つ以上の条件下におかれた後に前記顆粒の活性成分が、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%を保持していることを特徴とする、顆粒。
【請求項2】
少なくとも1つのコーティングが、前記顆粒の少なくとも顆粒の55重量%を構成する水和物質であることを特徴とする、請求項1に記載の顆粒。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコーティングが2つのコーティングを含むことを特徴とする、請求項1に記載の顆粒。
【請求項4】
前記2つのコーティングが水和コーティング及び水分バリアコーティングであることを特徴とする、請求項3に記載の顆粒。
【請求項5】
前記水和コーティングが25重量%乃至60重量%の割合で前記顆粒に含まれ、前記水分バリアコーティングが2重量%乃至15重量%顆粒の含まれることを特徴とする、請求項4に記載の顆粒。
【請求項6】
前記水和コーティングが無機塩、スクロース、及びマルトデキストリンから選択され、前記水分バリアコーティングがポリマー、ガム、ホエイ、及びスターチから選択されることを特徴とする、請求項5に記載の顆粒。
【請求項7】
前記活性成分が1つ以上の酵素であることを特徴とする、請求項1に記載の顆粒。
【請求項8】
前記飼料のペレット化工程及び飼料の前処理工程が70℃乃至95℃の間の温度で数分間行われることを特徴とする請求項1に記載の顆粒。
【請求項9】
前記飼料のペレット化工程及び前記飼料の前処理工程が85℃乃至95℃の間の温度で行われることを特徴とする請求項1に記載の顆粒。
【請求項10】
前記ペット化されていない混合物が1つ以上のクレイ、二級品のコムギ、及び米ぬかで希釈されていることを特徴とする請求項1に記載の顆粒。
【請求項11】
前記飼料用ベースミックス又は飼料用プレミックスが塩化コリンを含み、且つ前記活性成分が前記飼料用ベースミックス又は飼料用プレミックス中に貯蔵された後に少なくとも80%の活性を保持する少なくとも1つの酵素を含むことを特徴とする請求項1に記載の顆粒。
【請求項12】
請求項1の顆粒を含む動物用飼組成物。
【請求項13】
動物飼料希釈剤、動物飼料ベースミックス、動物飼料プレミックス、マッシュ、及び動物飼料ペレットから選択される請求項12に記載の動物飼料組成物。
【請求項14】
コア及び貯蔵及び上記加熱ペレット化工程の後に少なくとも80%の活性を保持ししている活性成分を含む顆粒であって、
前記顆粒が、水和コーティング、及び顆粒の重量に対して少なくとも25%の、水分バリアコーティングを含み、
前記顆粒が蒸気加熱ペレット化工程の前よりも、水分活性の増加分が0.5ポイント未満であることを特徴とする、顆粒。
【請求項15】
前記水分バリアコーティングが、ポリマー及びガムから選択され、前記水和物質が無機塩であることを特徴とする請求項14に記載の顆粒。
【請求項16】
前記水和コーティングが顆粒の25乃至45重量%含まれ、前記水分バリアコーティングが顆粒の2乃至10重量%含まれることを特徴とする、請求項14に記載の顆粒。
【請求項17】
前記活性成分が1つ以上の酵素であることを特徴とする請求項14に記載の顆粒。
【請求項18】
前記蒸気加熱ペレット化工程が85℃乃至95℃の間の温度で、数分間に渡行われることを特徴とする請求項14に記載の顆粒。
【請求項19】
前記顆粒を、微量元素、有機酸、還元糖、ビタミン、塩化コリン、及び酸性又は塩基性と成るペレット化されていない混合物から選択される少なくとも1つを含むペレット化されていない混合物中における顆粒として貯蔵した後で前記少なくとも80%の活性が保持されていることを特徴とする、請求項14に記載の顆粒。
【請求項20】
請求項14に記載の顆粒を含む動物用飼料組成物。
【請求項21】
動物飼料希釈剤、動物飼料ベースミックス、動物飼料プレミックス、動物飼料混合物、及び動物飼料ペレットから選択される請求項20に記載の動物飼料組成物。
【請求項22】
コア、コアを取り巻いている活性成分、及び活性成分を取り巻く少なくとも1つのコーティングを含む動物飼料成分であって、前記活性成分が、
a)飼料ペレット化工程、
b)上記加熱飼料前処理工程、
c)貯蔵、
d)ペット化されていない混合中の1つの成分としての貯蔵、及び
s)微量元素、有機酸、還元糖、ビタミン、塩化コリン、及び酸性又は塩基性の飼料ベースミックス又は飼料プレミックスとなる化合物から選択される少なくとも1つの条件に曝された後に、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%の活性を保持していることを特徴とする、動物飼料成分。
【請求項23】
前記少なくとも1つのコーティングが2つのコーティングを含むことを特徴とする、請求項22に記載の動物飼料成分。
【請求項24】
前記2つのコーティングが水和コーティングと水分バリアコーティングであることを特徴とする、請求項23に記載の動物飼料成分。
【請求項25】
前記水和コーティングが無機塩、糖質、マルトデキストリン、及びスターチから選択される物質を含み、前記水分バリアコーティングがポリマー、タンパク質、脂質、脂肪、オイル、脂肪酸、ガム、スターチ、レシチン、及びワックスから選択される物質を含むことを特徴とする、請求項24に記載の動物飼料成分。
【請求項26】
前記コア及び前記活性成分が前記顆粒の少なくとも50重量%含まれることを特徴とする、請求項22に記載の動物飼料成分。
【請求項27】
前記コア及び活性成分が共に、顆粒の約50重量%乃至約60重量%含まれることを特徴とする、請求項22に記載の動物飼料成分。
【請求項28】
前記コア及び活性成分が顆粒の90重量%乃至100重量%含まれ、及び前記活性成分が本質的に熱安定性酵素であることを特徴とする、請求項22に記載の動物飼料成分。
【請求項29】
前記活性成分が熱安定性であることを特徴とする請求項22に記載の動物飼料成分。
【請求項30】
飼料組成物を更に含み、前記顆粒が前記飼料組成物中に分散していることを特徴とする、請求項22に記載の動物飼料成分。
【請求項31】
前記飼料組成物が飼料用ペレットであり、前記飼料用ペレット中の前記活性成分がペレット化前の活性に対して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、及び少なくとも90%の活性を保持していることを特徴とする請求項30に記載の動物飼料成分。
【請求項32】
前記飼料組成物がクレイ、必須栄養素、穀物、コムギ、ライムギ、コメ、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項30に記載の動物飼料成分。
【請求項33】
飼料用の活性成分を含む顆粒の製造方法であって、前記方法が、
コア、少なくとも1つの活性成分、及び少なくとも1つのコーティングを含む安定な顆粒を調製する工程、及び
前記安定な顆粒を1つ以上のa)希釈剤、b)ベースミックス、c)プレミックス、及びd)ペレット化のための飼料混合物と一緒に混合する工程を含む、方法。
【請求項34】
前記ペレット化する工程が、前記混合物を70℃乃至90℃の間の温度で数分間でペレット化することを含むことを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記安定な顆粒がクレイと混合されることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記安定な顆粒が塩化コリンと混合されることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記33の方法により製造された動物飼料組成物。
【請求項38】
塩化コリンを含む飼料プレミックス中に貯蔵することが可能な酵素を含む顆粒を製造する方法であって、前記方法が、
コア物質及び酵素を提供する工程(前記酵素はコア物質中に希釈されているか又はコア物質の周りを取り巻いている)、
前記コア物質及び酵素を、前記安定な顆粒の少なくとも25重量%に相当する層を形成する水和物質に適用する工程、
前記層を前記顆粒重量の少なくとも5重量%に相当する、水分バリア物質でコーティングする工程を含み、
前記適用する工程及びコーティングする工程が前記安定な顆粒の水分活性が0.5未満になるように選択された条件下で行われることを特徴とする、方法。
【請求項39】
前記水和物質が無機塩であり、前記層が顆粒の約35乃至約45重量%であることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記コーティングする工程がポリマー及びガムから選択される物質を用いることを特徴とする、請求項38に記載の方法。

【公開番号】特開2013−13418(P2013−13418A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−213340(P2012−213340)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2008−535776(P2008−535776)の分割
【原出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(500284580)ジェネンコー・インターナショナル・インク (67)
【Fターム(参考)】