説明

流体ストリームのUV線量のセンシング

流体ストリームのUV線量をセンシングするためのデバイス及び方法が述べられる。第1の態様において、デバイス22は、流体の流速を測定するための第1のセンサ装置44と、UV光照射線の強度を測定するための第2のセンサ装置50とを有する。線量計算ユニット36は、センサ装置44,50の測定結果から線量値を計算する。第1のセンサ装置は、流体と熱的に接触する抵抗電気部品32を含む。電気部品32は、電流により加熱され得るとともに温度に依存した電気抵抗をもつ。それ故、第1のセンサ装置は、抵抗電気部品32の冷却率から流体の流速を決定するために用いられ得る。第2の態様によれば、デバイス70は、UV光照射の強度を測定するための少なくとも1つのUVセンサ部品76を含む。強度又は線量値を格納するためのデータストレージと電力ストレージ88とが設けられる。デバイスは、流体ストリーム内に自由に浮かぶように適合される。そのため、デバイス70は、チャンネルを介して流れる流体に挿入され、線量値は、デバイス70がチャンネルを通った後に、データストレージ内に格納されたデータから決定され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体ストリームのUV線量をセンシングするためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
殺菌用の紫外線(UV)により、空気及び水のような流体を処理することが知られている。確実な結果を得るために、対応する処理デバイスは、所望レベルの殺菌を保証するために、処理されるべき流体が十分な量のUV光により照射されたことを確かめる必要がある。
【0003】
線量値の測定は、照射レベルを測定するだけでなく、時間に渡って、並びに場合により、異なる波長及び空間方向に渡って、測定された照射レベルを積分することを含む。流体ストリームのような、移動している照射オブジェクトの場合において、線量測定は、例えば流速を測定することにより、追加的に流体の移動を考慮しなければならない。
【0004】
米国特許出願公開第2004/0061069号明細書は、UVセンサ及びインテリジェントドライバを備えた流体処理システムに関する。このシステムの範囲内において、流体は、紫外線により照射される。センサは、UV強度レベル及び流体ストリームのフローを検出する。強度は、フォトダイオードにより検出される。流体ストリームのフローは、振動に敏感なマイクロフォンにより検出される。このシステムは、測定されたパラメータに依存してUVランプに給電するインテリジェントドライバを更に含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、小さなサイズで安価に製造され得る、流体ストリーム中のUV線量をセンシングするための簡素化されたデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1のデバイスにより、又は代わりに請求項9のデバイスにより、及び、請求項14の、斯様なデバイスを用いる方法により解決される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態に言及する。
【0007】
本発明は、2つの異なる態様のデバイスを提案している。本発明の第1の態様において、デバイスは、流体と熱的に接触する抵抗電気部品を含む流速センサを含む。本発明の第2の態様において、デバイスは、流体ストリーム内において自由に浮かぶように適合され、データストレージ及び電力ストレージデバイスを有する。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、デバイスは、流速を測定するための第1のセンサ装置と、UV光照射の強度を測定するための第2のセンサ装置と、これらのセンサ装置の測定結果から線量値を計算するための線量計算ユニットとを有する。
【0009】
流体ストリームの流速を測定するために用いられる第1のセンサ装置は、流体と熱的に接触するように設けられた抵抗電気部品を含む。抵抗電気部品は、一方で、電気的に加熱される。他方では、その測定可能な温度依存性により、抵抗電気部品の温度が、その電気抵抗により決定される。好ましい実施形態に関して詳細に説明されるように、斯様な電気部品は、風速計の測定原理に従って、即ち電気的に加熱された部品の冷却率から、流体の流速を測定するために有利に用いられ得る。抵抗部品と流体との間の熱的な接触のため、冷却率は、とりわけ、流体の流速に依存しており、それ故に、このパラメータの電気的なセンシングを可能とする。
【0010】
詳細に説明されるように、抵抗電気部品は、レジスタ若しくはフォトレジスタのような受動部品、又は、例えば、ダイオード、フォトダイオード、トランジスタ若しくはフォトトランジスタのような半導体部品であり得る。小さな温度変化であっても顕著な測定結果を得るために、電気抵抗の高い温度依存性が好ましい。
【0011】
好ましい実施形態の説明により更に明らかになるように、正確な流速測定結果を得るための更なる測定は、部品と流体ストリームとの間の小さな内部熱抵抗、即ち良好な熱接触である。部品からの任意の寄生熱抵抗は、部品から流体に対する熱抵抗と比べて10倍より高いことが特に好ましい。
【0012】
第2のセンサ装置は、UV光照射の強度を測定するために設けられる。これは、UV光に敏感な電気部品を含む。好ましい実施形態の説明と組み合わせて明らかになるように、UV光に敏感な部品は、第1のセンサ装置における抵抗電気部品(例えば、レジスタ、ダイオード、トランジスタ)と同じタイプの部品であってもよく、又は、同一部品、即ち、第1のセンサ装置及び第2のセンサ装置の双方が同一部品に接続されるような部品であってもよい。部品の取り得るタイプは、フォトレジスタ(例えば、厚膜(印刷、スプレー、ディッピング)若しくは薄膜(例えばスパッタリング、CVD、レーザ蒸着、蒸発、エピタキシャル成長による材料の成長)処理により基板上に塗布されたフォトレジスト材料)、例えば、SiCのようなSiベースの検出器の場合においてはシリコン基板、GaPのようなIII−V族の半導体検出器の場合においてはサファイアのような基板上に成長されたフォトダイオード又はフォトトランジスタである。共通基板上に取り付けられたSMD部品としてこれらの部品の一方又は双方を設けることが可能である。
【0013】
本デバイスは、線量計算ユニットを更に有する。線量計算ユニットは、第1及び第2のセンサ装置に接続され、これらのセンサ装置の測定結果から線量値を計算するように適合される。この計算は、基本的には、決定された流速によるUV強度測定結果を分割することにより瞬間的な線量値を計算すること、及び、時間に渡るこれらの瞬間的な値の積分又は総和を計算することを含む。好ましくは、線量計算ユニットは、デジタル計算回路、好ましくは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はFPGAのような集積回路として実装されてもよい。線量計算ユニットは、センサ信号がこのユニットに出力される限りは、必ずしもセンサ装置の直接的な物理的近傍に設けられる必要はなく、線量計算の背後で他のタスクを与え得る1又はそれ以上のプロセッサ上で実行されるソフトウェアにより全体的に又は部分的に実現されてもよいことが留意されるべきである。
【0014】
本発明の第1の態様のデバイスは、比較的安価に製造され得る一方で、依然として確実な測定を提供する。機械的部分が流速測定において必要とされないので、デバイスは、簡素な構造になり、非常に良好な耐久性を有する。
【0015】
前述したように、好ましい実施形態において、第1のセンサ装置に含まれた抵抗部品は、光にも敏感である場合には、UV光強度センサとして機能するために第2のセンサ装置に接続されてもよい。この場合において、流体ストリームにおいてUV光から光に敏感な抵抗部品を選択的に保護し得る遮光デバイスを設けることが好ましい。遮光デバイスは、少なくとも第1及び第2のモードで動作されるように制御可能であり、第1のモードにおいては、部品が流体からのUV光に曝され、第2のモードにおいては、部品が流体からのUV光から保護される。遮光デバイスは、可動シャッタ又は可動ミラーのような機械的遮光デバイスであってもよく、代わりに、電気駆動パラメータに応答して光学特性を変化させる液晶デバイスのような電気/光学デバイスとして実装されてもよい。
【0016】
更に、前述されたように、第1のセンサ装置が抵抗電気部品の冷却率から流体の流速を測定することが好ましい。最初に、抵抗電気部品の温度が決定される。好ましい実施形態において、抵抗電気部品は、その後、大量の電力を付与する加熱回路により加熱され、その電気抵抗が、再び、その内部温度を得るために決定される。そして、熱抵抗が、付与された電力及び得られた温度変化から決定される。流速に対する熱抵抗の依存性が較正測定結果又はモデル計算により前もって決められている場合には、それ故に流速が決定され得る。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、流体ストリームのUV線量をセンシングするためのデバイスは、UV光照射の強度を測定するためのセンサ装置と、データストレージと電力ストレージとを有する。本デバイスは、流体ストリームの範囲内で自由に浮かぶように適合される。そのため、本デバイスは、自律しており、即ち、例えばワイヤにより外部に物理的に接続されるものではなく、流体ストリーム内に自由に浮かぶことができるようなサイズ及び特定の重さで調節される。
【0018】
線量測定タスクを実行するために、電力ストレージ(例えばバッテリ、再充電可能なバッテリ、キャパシタ又は他のもの)は、内蔵デバイスの動作のための電力を供給する。UV光の強度に対応するセンサ装置からのセンサデータは、データストレージに格納される。斯様なデータストレージは、個々のセンサデータ及びオプション的にこれらのデータのタイミング情報を格納することを含んでもよいが、センサデータの時間平均(又は合計)値のような、個々のセンサデータから計算された1又はそれ以上の値を格納することも可能である。
【0019】
対応する測定方法において、述べられた自律的センシングデバイスは、大量の紫外線を受ける、例えばUV処理プラント又はデバイスであり得るチャンネルを介してガイドされた流体ストリーム内に挿入される。センシングデバイスは、流体ストリーム内に浮かんでおり、チャンネルを通っている間、UV光照射を連続的に検知し、1又はそれ以上の対応する強度値をデータストレージに格納する。チャンネルを通った後、全体線量値が、データストレージに格納されたデータから決定される。
【0020】
それ故、本発明の第2の態様のデバイス及び方法は、UV線量の直接的な測定を可能にする。統計的により確実な値を得るために、チャンネルを介して同一のデバイスを複数回通ることが可能であり、チャンネルを介して1回又は複数回通る複数の自律デバイスを用いることが可能である。それ故、最大、及び、より重要な、最小のUV線量並びに平均線量値のような統計的な情報が決定され得る。
【0021】
好ましい実施形態によれば、本デバイスは、UV透過部分をもつハウジングを有する。ハウジングは、好ましくは、流体に対して封止される。UV透過部分は、流体からデバイスを保護することを可能にする一方で、UVセンサが、流体からUV光を受けるように内部に設けられ得る。
【0022】
更に好ましい実施形態によれば、センサ装置は、異なる空間方向に向けられるように設けられた複数のUV光に敏感な部品を含む。正確な表現では、線量値は全ての空間方向に渡る積分を含むので、複数のUVに敏感な部品を設けることは、より正確な測定を与える。
【0023】
更に好ましい実施形態によれば、本デバイスは、データストレージからのデータを伝えるための通信ユニットを有する。通信ユニットは、デバイスがチャンネルを1又は複数回通過した後に接続される、プラグのような機械的なコネクタを有し得る。好ましくは、通信ユニットは、ラジオ又は光通信のような無線通信を提供する。
【0024】
特に好ましい実施形態において、本デバイスは、時変磁界から電圧を生成するためのコイルを有する。この電圧は、センサ、ストレージデバイス若しくは通信ユニットの1若しくはそれ以上を駆動させるために、又は、電力ストレージデバイスを充電するために用いられる。それ故、本デバイスは、特に通信の間、外部から給電され得る。例えば、読み取りデバイスから時変電磁界を生成することによりチャンネルを通過した後にデバイスからデータを読み出し、デバイスに例えばラジオ通信によりそのデータを報告させることが好ましい。
【0025】
本発明のこれらの及び他の態様並びに特徴は、添付図面と組み合わせて本発明の特定の実施形態の以下の説明の精査により当業者によって明らかになるだろう。
【0026】
本発明の実施形態は、添付図面を参照して、単なる例により述べられるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】UV処理システムの概略的な側面図を示す。
【図2】UV線量センサの第1の実施形態の概略的な断面図を示す。
【図3】図2の線量センサの回路図を示す。
【図4】線量センサの第2の実施形態の概略的な断面図を示す。
【図5】図4の線量センサの回路図を示す。
【図6】線量センサの第3の実施形態の概略的な断面図を示す。
【図7】線量センサの第4の実施形態の概略的な断面図を示す。
【図8】線量センサの第5の実施形態の概略図を示す。
【図9】UV処理デバイスの概略的な表現を示す。
【図10】流速を測定するために用いられた熱モデルの概略的な表示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、流体、例えば水又は空気が流れるチャンネル14を形成する壁12を含むUV処理システム10を示している。UVランプ16は、UVランプ16からのUV光20がチャンネル14を介して流れる流体18を照射するように、流体18と向かい合うチャンネル壁12内の窓とともに設けられる。
【0029】
図1に概略的に示された処理システム10のような装置は、例えば廃水処理に関して知られている。廃水処理では、病原微生物を不活性化し、それ故に水を殺菌するために、汚染された水がUVランプにより照射される。
【0030】
UV光20の殺菌効果を実証及び保証することを可能にするために、流体ストリーム18の各部分に対して機能する全放射光子エネルギの線量測定が望ましい。
【0031】
UV流体処理デバイスにおける線量は、表面エリア毎の照射エネルギとして規定され、J/m又はmJ/cmで測定される。例えばUVC殺菌に関して、40mJcmの最小線量が望ましい。処理システム10における正確な線量の確認は、コンピュータシミュレーションによりサポートされた、生物学的試験、いわゆるチャレンジテストにより行われ、用いられたUVランプの照射プロファイル、処理されるべき流体の範囲内の任意のポイントでの照射レベル、及び、流体のフローパターンを考慮する。
【0032】
特定の線量を実現するために重要なことは、UV照射が低いか若しくは流速が高いか又はこれら双方である、流体処理システム10のこれらの部分である。所定の生物学的線量測定のチャレンジテストにおいて、所与のシステムのロバスト性は、特定の動作エリアにおいて適切な機能を保証するために、流速、流体UV伝達及び他のパラメータを変えることにより試験される。
【0033】
以下において、UV線量をセンシングするための方法及びデバイスが述べられ、これは、流体処理システム10の開発において、又は、その動作を監視するために用いられ得る。提案されたセンサは、局所的な線量に関する情報を提供し、これは、好ましくは、低UV照射及び/又は高流速の重大なサブエリア又はサブボリュームで又はこれらの近くで取得される。
【0034】
この測定に関して、電気センサ22は、システム10に設けられ、これは、UVランプ16の反対側のチャンネル壁12上に、図1に示されるように設けられ得る。
【0035】
図2は、UV線量センサ22の第1の実施形態を示しており、これは、流体ストリーム18に向かって指向されたUV処理窓26をもつハウジング24を含む。電気回路28がハウジング24内に設けられ、これは、プリント回路基板PCB31上に、第1の電気部品32及び第2の電気部品30がSMD(surface mounted device)部品として設けられる。
【0036】
第1の電気部品32は、NTC又はPTC部品のような、温度依存型抵抗をもつ部品である。熱伝導素子34は、抵抗部品32上に直接設けられ、これは、ハウジング24の外部及びそれ故に流体ストリーム18と直接接触する。熱伝導素子34は、流体ストリーム18と抵抗電気部品32との間の良好な熱的接触を確立するのに役立つ。これは、好ましくは、例えば銅のような、良好な熱伝導性をもつ金属から作られる。ハウジング24及び特に熱伝導素子34の示された形状及びデザインは、単なる例によるものであり、これらの形状及びサイズは、特定の要件に従って適合され得ることが、当業者により理解されるべきである。
【0037】
第2の電子部品30は、抵抗の変化により入射光子ストリームに反応するフォトレジスタである。斯様なフォトレジスタに関する典型的な材料は、CdSである。フォトレジスタ30のために選択された材料のタイプは、入射光20のスペクトル組成に依存する。UVランプ16からの光20のスペクトル組成が既知である場合であり、他の光源が存在しない場合には、その後、概ね光に敏感な部品30、即ちUV光だけでなく他の波長にも敏感な部品が選択されてもよい。
【0038】
両面があるPCB31の背面上には、評価回路36が設けられ、これは、示された例においては、SMDが取り付けられた集積ハイブリッド回路であり、これは、代わりに、多数の別個の電子部品により実現されてもよい。
【0039】
ワイヤ接続38は、電力供給のためのハウジング24の外側に、及び、センサデータを出力するために設けられる。
【0040】
図3は、評価回路36に接続された第1及び第2の電気部品30,32の部分的な概略回路図を示している。
【0041】
第1の、抵抗電気部品32は、第1の制御可能な電源40及び電流センシングデバイス42とともに第1のセンサ装置44を形成する一方で、第2の、UV光に敏感な部品32は、第2の電源46及び第2の電流センサ48とともに第2の制御可能なセンサ装置50を形成する。
【0042】
制御ユニット52は、第1及び第2のセンサ装置44,50の動作を制御し、電流センシングデバイス42,48から供給された値を処理するために設けられる。制御ユニット52は、線量計算ユニットとして機能し、また、センサデータを格納し、ケーブル接続38を介して斯様なデータを出力するために、データストレージ54及び通信インタフェース56(又は、代替実施形態においては、通信ユニット56が例えばラジオ又は光データ伝送のために適合される通信の他の手段)とインタラクトする。
【0043】
センサ22の動作において、制御ユニット52は、流体18の流速及び入射UV光20の強度の双方を測定するために、第1及び第2のセンサ装置44,50を連続的に制御する。
【0044】
UV強度を測定するために、制御ユニット52は、一定電圧を供給するように電源46を駆動させる。フォトレジスタ30を通る生ずる電流は、電流センサ48により測定される。格納デバイス54に格納され得る、フォトレジスタ30の既知の較正データから、制御ユニット52は、UV光20の強度に関する現在の値を決定する。得られた測定値は、ストレージ54内に格納される。
【0045】
後のステップにおいて又は並行して、制御ユニット52は、風速測定原理を用いて流体18の流速を測定するように第1のセンサ装置44を制御する。この測定原理は、その環境の範囲内における第1の電気部品32の熱的モデルに依存する。
【0046】
図10のモデルにおいて、電気部品32は、2つの並列パスにより流体18に熱的に接続される。即ち、第1のパス1は、熱伝導素子34を介した熱伝導を表し、第2のパス2は、例えばハウジング24を介した、部品32から流体18への寄生熱的パスを表す。第1のパスは、流速をセンシングするためのモデルとして用いられる一方で、第2のパス2は、用いられた簡素化されたモデルにおける系統的誤差を表す。
【0047】
第1及び第2のパス1,2の双方は、電気部品32と流体18との間の一定の熱的抵抗、及び、流速に依存した熱的抵抗からなる。第1のパス1において、Rsは、抵抗電気部品32から、流体18に接触する熱伝導素子34の表面への熱的抵抗を指定する。Rsv(v)は、流速に依存した熱的抵抗を表す。同様に、第2のパスにおいて、Rpは、抵抗電気部品32とハウジング24との間の寄生熱的抵抗を指定する一方で、Rpc(v)は、寄生熱的抵抗を表す、流速に依存した熱的抵抗である。
【0048】
風速測定原理は、抵抗電気部品32からの全体熱的抵抗の流速に依存した変化をセンシングすることに依存する。この情報は、一定部分Rs及び流速に依存した部分Rsc(v)により第1のパスのみに関する簡素化されたモデルにおいて評価される。一定部分が、得られた測定結果の評価において容易に除去され得るので、それ故、センシング情報は、Rsv(v)に主に含まれる。
【0049】
系統的誤差を表す、第2のパス2を介した寄生熱伝導は、それ故、第1のパス1を介した伝導に対して小さくなるべきである。そうでなければ、得られた測定結果は、寄生熱フローによる大きな部分に対して決定されるだろう。
【0050】
従って、熱伝導素子34を介した直接的熱伝導により表された熱抵抗Rsは、寄生熱抵抗Rpよりも非常に小さくなるべきである。これは、好ましくは、熱伝導素子34を介して良好な熱伝導を与えることにより実現される一方で、それ以外では、抵抗電気部品32からの熱フローを最小にすることにより実現される。最も好ましくは、部品32の断熱、及び、部品32と流体18との間の熱伝導は、RpがRsの10倍よりも大きくなるように選択されるべきである。それ故、例えばRsが1K/Wのオーダにある場合には、Rpは、少なくとも10K/Wになるべきである。
【0051】
電気抵抗デバイス32の電気抵抗に依存した温度、即ち、Ohmについての電気抵抗RとKについての温度Tとの関係R(T)を反映するテーブルが、制御ユニット52のプログラミングの範囲内、又は、データストレージ54の範囲内に格納される。流体18の(meters per secondについての)流速vの関数としての抵抗電気デバイス32の(Kelvin per Wattについての)熱抵抗Rthの依存性が更に知られて格納される。この依存性Rth(v)は、前の測定結果から、又は、モデル計算結果から得られる。
【0052】
流体18の流速vを測定することに関して、センサ装置44は、最初に、電源40で小さな電圧を印加し、電流センサ42において抵抗32を介して生ずる小さな電流を測定することにより、抵抗電気デバイス32の温度Tを測定するように制御される。この文書において、"小さな"は、抵抗32に入力された全電気エネルギが、無視できるほどの自己発熱しかもたらさないことを意味する。オームの法則U=R×Iは、抵抗32の電気抵抗Rを決定するために用いられ、これは、依存性R(T)のための述べられたルックアップテーブルを用いることにより、抵抗32の内部温度を決定するために順次用いられる。良好な熱的接触により、この値は、流体18の温度に対応する。
【0053】
後のステップにおいて、一定の電気入力パワーPが、小さいが良好に検出可能な温度増加を生成するために抵抗32に印加される。印加された電力は、電源40の電圧及び電流センサ42で測定された電流から知られる。この電力Pは、抵抗がより高い温度で安定するまでの時間期間の間、印加される。
【0054】
抵抗32での温度の増加は、温度差ΔT、熱抵抗Rth及び印加された電力Pを伴う、良く知られた式ΔT=Rth×Pに従う。
【0055】
オームの法則と電気抵抗に依存した既知の温度とを用いることにより再びもたらされる、加熱された抵抗32の温度を次に測定することにより、熱抵抗Rthが計算され得る。
【0056】
図10に関して説明されるように、寄生の影響を無視する簡素化されたモデルにおいて、抵抗32と流体18との間の全熱抵抗Rthは、抵抗32から流体ストリーム18への熱伝導に対応する一定の貢献Rs、及び、第2に、熱伝導素子34と流体18との間の熱的接触抵抗を表す、流速に依存した貢献Rsc(v)として表され得る。それ故、Rth(v)=Rs+Rsc(v)であり、ここで、第1の一定部分Rsは内部熱抵抗を表し、Rsc(v)は処理流体、例えば水又は空気の流速v及びタイプにより決定された外部熱抵抗を表す。
【0057】
流速vに対する熱抵抗Rthの強い依存性を実現するために、内部熱抵抗Rthiをできるだけ小さくすることが有利である。これは、例えば金属ハウジング上に直接的に、流体と良好に熱接触するように抵抗32を取り付けることにより、又は、銅熱伝導素子34のような高熱伝導性の材料で抵抗32を流体18にブリッジングすることにより、実現され得る。
【0058】
前記の測定手順を適用することにより、制御ユニット52は、データストレージ54に格納された流速vの測定結果を連続的に取得するように、第1のセンサ装置44を制御する。
【0059】
線量値を得るために、局所的線量Dは、以下の式のように、流速vの取得された値及び測定された照射Iの取得された値から、並びに、センサ表面のサイズ(詳細には、フロー方向において測定された表面の長さd)から計算される。
【数1】

【0060】
J/mについての局所的線量Dに関する値を取得するために、UV照射Iが、W/mについて測定され、測定エリアの長さdがmにおいて測定され、流速vがm/sについて測定される。正確な測定結果を取得するために、流速及びUV照射センサ部分の双方の較正が推奨される。
【0061】
前記の与えられた式は、言うまでもなく、流速vも照射レベルIも検出エリアに渡って大幅に変化するものではなく、流速vがセンサ22の表面エリアと平行に指向されるという前提に依存することにより、問題を簡素化する。これらの前提は、流体18のフローパターンもUV照射パターンも変形されないような態様でセンサ22の適切な取り付けを保持する。
【0062】
全線量値を得るために、連続的に取得された局所的線量値Dは、時間に渡って積分される(又は、好ましくは等しい時間間隔において連続的に測定された個別の値に関しては、合計される)。
【0063】
取得された全体線量値又は強度及び/若しくは流速の個々の測定結果がストレージ54に格納され、通信インタフェース56を介して通信され得る。
【0064】
図4は、センサ122の代替実施形態を示している。第2の実施形態によるセンサ122は、幾つかの部分について、第1の実施形態によるセンサ22に対応している。類似の部分は、類似の参照番号により言及される。以下において、第2の実施形態と第1の実施形態との差が説明されるだろう。
【0065】
第2の実施形態によるセンサ122において、第1の抵抗電気部品は、ダイオード132として与えられる。UV光に敏感な電気部品は、フォトダイオード30として与えられる。
【0066】
フォトダイオード130及びダイオード132は、モノリシックセンサ素子として一緒に生成され、同一の製造プロセスで共通基板131上に形成される。ダイオードは、デバイス特性が膜堆積の間に形成されるとともに、真空技術が既知の態様で堆積された層を塗布又は構造化するために用いられる、半導体処理(薄膜)技術により作られる。(フォト)ダイオードは、PNジャンクション及びそれ故に異なる大部分の電荷担体濃度又はタイプの空間的に分割された領域を有する。フォトダイオードデバイスにおいて、入射光子ストリームは、ジャンクションのゼロバイアス又は逆バイアス下で光子電流により測定される。
【0067】
フォトダイオード130のための材料のタイプは、入射光20のスペクトル構成に依存する。UVC照射の検出に関して、大きなバンドギャップの半導電材料、即ち、均一な半導電照射検出体に関しては例えばSiC又はGaP、より長い波長の検出に関してはSiが好ましい。
【0068】
フォトダイオード130とは異なるダイオード132を製造することが可能である一方で、代わりに、2つの電気部品が同じように製造されてもよい。図4に示されるように、ダイオード132は、その電気特性がダイオードの特性になるように、入射UV光20から遮断される。
【0069】
それ故、第1及び第2の電気部品132,130は、1つのモノリシック検出素子として製造され得る。
【0070】
評価回路36は、第1の実施形態と組み合わせて前述されたのと同じ手法でUV強度及び流速測定の結果を取得するように、電気部品132,130を含むセンサ装置を駆動させる。この場合におけるUV強度は、フォトダイオード130を通るフォト電流から決定される。流速vは、この場合も同様に、半導体部品132の強力な温度依存性を利用して、風速計の測定原理に従って測定される。そして、第1のダイオード132は、順方向バイアスにおいて駆動される温度依存型抵抗として用いられるのに対し、第2のフォトダイオード130は、ゼロ又は負バイアス下での照射検出のために用いられる。
【0071】
更なる代替実施形態(図示省略)において、電気部品130,132は、フォトトランジスタであり得る。フォトトランジスタにおいて、コレクタ−ベースジャンクションが入射光に曝される。生成されたベース電流は、コレクタ電流を増幅する。UV照射線に敏感なフォトトランジスタに関して、フォトダイオードと組み合わせて前述された同一の材料及び製造プロセスが用いられ得る。
【0072】
それ故、モノリシック検出体は、以下の手法のうち1つにおいて作られ得る。
― 薄膜処理による1つの基板131上への2つのフォトダイオード又はフォトトランジスタの製造であって、第1のダイオード132(又は代わりに、フォトトランジスタ;図示省略)が入射UV照射線20に対して遮断され、第2のフォトダイオード130(又は代わりに、フォトトランジスタ;図示省略)がUV光に曝される。
− 薄膜又は圧膜処理による1つの基板上への2つのフォトレジスタ素子(図示省略)の製造であって、抵抗電気デバイス32として用いられる第1のフォトレジスタがUV光20に対して遮断され、UVに敏感な部品30として用いられる第2のフォトレジスタがUV光に曝される。
− 基板上への2つの別個の表面取付デバイス(SMD)フォトダイオード(又はフォトトランジスタ又はフォトレジスタ)であって、第1のものが照射され、第2のものがUV光20に対して遮断される。
【0073】
これらの場合の全てにおいて、UV強度レベルは、フォト電流又はフォト抵抗データから直接的に決定されるのに対し、流速は、処理流体温度の決定、抵抗部品の加熱及び再び内部温度の決定、並びに、温度差、既知の電気入力パワー及び既知の流速依存熱抵抗により決定される。
【0074】
本発明の第3の実施形態が図6に示されている。この場合も同様に、第3の実施形態によるセンサ322は、類似の参照番号により指定された第1及び第2の実施形態との組み合わせにおいて部分をもつ。以下において、違いが説明されるだろう。
【0075】
この実施形態において、単一の電気部品64だけが、UV強度測定及び流速測定の双方のためのセンサ素子として与えられる。好ましい例において、この部品は、基板上に薄膜技術で製造されたフォトダイオード64である。フォトダイオード64は、UV光20に対する露出部分が機械的に移動可能なシャッタ60により選択的に保護され得るように、ハウジング24ないに設けられる。機械的に移動可能なシャッタ60の位置に依存して、フォトダイオード64は、前述した態様でUV強度を測定するために用いられ得るように、流体18からのUV光20に曝される。さもなければ、フォトダイオード64は、ノーマルなダイオードとして働くように、UV光20から完全に保護される。熱伝導素子34を介した流体18への良好な熱結合により、これは、前述したのと同じ態様で流体18の流速を測定するために用いられ得る。
【0076】
それ故、フォトダイオード64は、流体18の流速をセンシングするための第1のセンサ装置とUV光20の強度を測定するための第2のセンサ装置との双方の部分を形成する。評価ユニット(図示省略)は、UV強度及び流速の測定結果が順次得られるように、フォトダイオード64及び移動可能なシャッタ60を適宜駆動させる。
【0077】
図7は、図6に示された第3の実施形態と比較可能な、更に代替の第4の実施形態を示している。センサ322において、フォトトランジスタ66は、第1及び第2の双方のセンサ装置の電気部品として設けられる。第3の実施形態におけるような外部の移動可能なシャッタ60の代わりに、第4の実施形態によるセンサ322は、上側の位置において、入射UV光20からフォトトランジスタ66を保護し、下側の位置において、図7に示されるように、フォトトランジスタ66上にUV光20を指向する、可動ミラー62を有する。第4の実施形態によるセンサ322の動作は、第3の実施形態によるセンサ222の動作と同じである。
【0078】
前述した第3及び第4の実施形態と比較可能な更なる代替実施形態において、センサは、光にも敏感な、例えばフォトレジスタ、フォトダイオード又はフォトレジスタ(図示省略)である、流体と熱接触する抵抗電気部品を有する。前述した第3及び第4の実施形態とは対照的に、シャッタ又はミラーのような制御可能な遮光デバイスは与えられない。代わりに、センサ22の評価は、(最も単純な場合においては、ランプ16をオン及びオフに切り替えることにより、又は、ランプ16から流体18を選択的に保護することにより)ランプ16からのUV放射が調節されるように、ランプ16の動作と同期される。それ故、センサ22からの異なるデータは、ランプ16から放射されたUV光20の強度に依存して取得されるだろう。ランプ16による異なる照射により得られた値の比較により、センサ信号に対するUV照射の影響が決定され、それ故、流速測定の評価から除去される。従って、代替実施形態においては、単一の部品が、センサ22において制御可能な遮光デバイスを用いることなく、照度及び流速の双方の測定のために用いられ得る。
【0079】
図8は、本発明の第5の実施形態によるセンサ70を示している。図9に示されるように、センサ70は、処理された水のUV線量をセンシングするために、UV水処理システム90において用いられ得る。
【0080】
センサ70は、概ね回転楕円体形状をもち、流体に対して内部を封止するハウジング72を有する。ハウジング内において、UV透過である複数の窓74が設けられ、UVセンサ部品76が、窓74を介してUV光により照射されるように窓74の背後に設けられる。
【0081】
好ましい実施形態においてはフォトダイオードであるセンサ部品76は、評価ユニット78にそれぞれ接続される。評価ユニット78は、好ましくはマイクロコントローラである制御ユニット80と、好ましくはランダムアクセスメモリ又はフラッシュメモリであるデータストレージ82と、外部との通信のための通信ユニット84とを有する。示された好ましい実施形態において、通信ユニット84は、更に説明されるような、無線ラジオ通信又は誘導結合のために用いられるコイル86に接続される。
【0082】
センサ70は、ハウジング72の内部の全ての部品に電気的に供給するために、好ましくは再充電可能なバッテリであるバッテリ88を更に有する。それ故、センサ70は、外部接続を伴うことなく、UV線量を測定する機能性を実行するために完全に自律している。
【0083】
動作において、評価ユニット78の制御ユニット80は、UV線量値を計算及び格納するために、UVセンサ部品76からセンサデータを連続的に取得し、これらの値をデジタル的に処理する。生ずるUV線量は、ストレージ82に格納される。
【0084】
測定の開始時には、格納された線量値は、通信ユニット84を介して受信したリセットコマンドによりゼロに設定される。
【0085】
そして、広範囲の空間方向をカバーするように構成された全てのセンサ76からの強度値は、測定間隔で記録され、この測定間隔の測定された強度及び時間間隔から計算された対応する線量値が、ストレージ82に予め格納された線量値に追加される。測定、追加及び格納のステップは、各時点でストレージ82に格納された線量値が測定の開始からセンサ70により受信された全体UV線量を反映するように、連続的に繰り返される。
【0086】
図9に示されるように、複数の同一のセンサ70は、UV処理プラント90の適切な機能を確認するために用いられ得る。プラント90において、処理されるべき水は、第1の導管92を介してリアクタ94に供給される。リアクタ94において、水は、強力なUVランプ98により照射される。それ故、水は、第2の導管96を介してガイドされる。
【0087】
水により受けられたUV線量を測定するために、センサ入口100及びセンサ出口102が設けられ、前述したような複数のセンサ70が、リアクタ94を通る、第1の導管92における水ストリームに挿入され、第2の導管96における水から取り出される。センサ70は、この場合においては水において動作されるようになっている流体に適合される。それ故、これらは、特定の重量が流体の重量と厳密に同等になるようなサイズ及び重量において与えられる。そのため、これらは、流体内に浮かび得る。好ましくは、センサ70の特定の重量は、わずか10%だけ流体の重量と異なる。
【0088】
更に、センサ70は、サイズについて、特定の測定タスクに適合される。評価されるべき任意のシステムは、概して、チャンネルとして見なされ、少なくとも1つのセンサ70は、上流に挿入され、流体と一緒にチャンネルを通る。センサのサイズは、チャンネルの特性に従って選択され、即ち、センサ70がチャンネルを通るのに十分なほど小さくなるように、及び好ましくは、チャンネル内の流体のフローが流体内に浮いているセンサ70によってはほとんど邪魔されないほどに小型化されるように、選択される。
【0089】
図9の水処理プラント90の評価に関して、センサ70は、ゼロにリセットされたストレージ82をもつ入口100に挿入される。そして、センサ70は、リアクタ94を通り、リアクタ94を通る経路のようなファクタ及び水の流速のようなファクタに依存する、UVランプ98からのUV線量を取得する。
【0090】
リアクタ94を通った後、センサは、出口102で取り出される。しかしながら、出口102の前に、これらは、センサ70の通信ユニット84とその関連するコイル86とを介したセンサ70との無線通信のために用いられるコイルを有するデータリーダ104のそばを通る。リーダ104は、そばを通る各センサ70に送られるクエリコマンドを有する時変電磁界を発生させる。各センサ70内の通信ユニット84は、コマンドを受信し、現在のUV線量値をストレージ82から取り出すように制御ユニット84に指示する。制御ユニット80は、蓄積されたUV線量の値がリーダ104で読み出されるように、調整された時変電磁界がリーダ104で受信されるような応答メッセージを通信ユニット84及びコイル86を介して送る。
【0091】
図9に示されたように、単一のセンサ70を用いる可能性に加えて、複数のセンサが流体ストリームに挿入されてもよい。好ましくは、センサ70は、蓄積されたUV線量値が読み出される度に、複数回挿入される(センサ70は後にリセットされる)。それ故、単一の線量測定結果だけでなく、特に平均露出のような統計データ、及び、特にシステム90の評価のために重要な最小線量値も取得され得る。
【0092】
本発明の前記の実施形態に関して、当業者は、開示された実施形態が種々の形式で具現され得る本発明の単なる例であることを理解するだろう。それ故、ここに開示された特定の構造及び機能の詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲に基づくものであり、当業者が仮想的に適切に詳細化した構造において本発明を様々に用いる。更に、ここで用いられた用語及び表現は、限定されることを意図するものではなく、むしろ、本発明の理解可能な説明を与えることを意図している。
【0093】
ここで用いられた単数表記は、1又はそれ以上のものとして規定される。ここで用いられた複数という用語は、2又はそれ以上のものとして規定される。ここで用いられた他のという用語は、少なくとも第2の又はそれ以上のものとして規定される。ここで用いられた含む及び/又はもつという用語は、有するとして規定される(即ち、他の要素又はステップを除外しないオープン言語)。請求項中の如何なる参照符号も、請求項又は本発明の範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。
【0094】
特定の手段が相互に異なる従属請求項又は異なる実施形態に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に用いられ得ないことを示すものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ストリームのUV線量をセンシングするためのデバイスであって、
電流により加熱され得るとともに温度に依存した電気抵抗をもつ、前記流体と熱的に接触する抵抗電気部品を含む、前記流体の流速を測定するための第1のセンサ装置と、
UV光照射の強度を測定するための第2のセンサ装置と、
これらのセンサ装置の測定結果から線量値を計算するための線量計算ユニットとを含む、デバイス。
【請求項2】
前記第2のセンサ装置は、光に敏感な電気部品を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1のセンサ装置の前記抵抗電気部品及び前記第2のセンサ装置の前記光に敏感な電気部品は、同一タイプの電気部品である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記抵抗電気部品及び前記光に敏感な電気部品の双方は、圧膜技術、薄膜技術により作られるか、又は、SMD部品として設けられる、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記抵抗電気部品及び前記光に敏感な電気部品の双方は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトレジスタのうち1つである、請求項3又は請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記抵抗電気部品も光に敏感であり、
前記第2のセンサ装置は、前記抵抗電気部品により受けたUV光の強度を測定するために、前記抵抗電気部品に接続される、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
制御可能な遮光デバイスが設けられ、
前記遮光デバイスは、少なくとも第1及び第2のモードで動作され、
前記遮光デバイスは、前記第1のモードにおいて、前記電気部品が前記流体からのUV光に曝され、前記第2のモードにおいて、前記電気部品が前記流体からのUV光から保護されるように構成される、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1のセンサ装置は、前記抵抗電気部品の電気的加熱に基づく前記流体ストリームによる前記抵抗電気部品の冷却率から前記流速を測定するように配置される、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
流体ストリームのUV線量をセンシングするためのデバイスであって、
UV光照射の強度をセンシングするためのUVセンサ部品と、
少なくとも強度又は線量値を格納するためのデータストレージと、
前記センサ部品及び前記データストレージの動作のための電力を格納するための電力ストレージデバイスとを有し、
当該デバイスは、この流体ストリーム内に自由に浮かぶように適合される、デバイス。
【請求項10】
当該デバイスは、少なくとも1つのUV透明部分をもつハウジングを更に有する、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
当該デバイスは、異なる空間方向において向かい合う複数のUVセンサ部品を有する、請求項9又は請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
当該デバイスは、前記データストレージからの前記値を通信するように適合された通信ユニットを更に有する、請求項9〜11のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスは、時変電磁界から電圧を生成するためのコイルを有し、
前記電圧は、前記センサ部品、前記データストレージデバイス及び/若しくは前記通信ユニットを駆動させるために、又は、前記電力ストレージデバイスを充電するために用いられる、請求項9〜12のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
流体ストリームのUV線量をセンシングするための方法であって、
流体は、チャンネルを介してガイドされ、
請求項9〜13のうちいずれか一項に記載のセンシングデバイスは、前記チャンネルを介して前記流体ストリームとともに流れるように前記流体ストリームに挿入され、
線量値は、前記センシングデバイスが前記チャンネルを通った後に、前記データストレージに格納されたデータから決定される、方法。
【請求項15】
複数のセンシングデバイスが前記流体ストリーム内に挿入されるか、又は、1若しくはそれ以上の前記センシングデバイスが、前記流体ストリームに複数回挿入される、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−506126(P2013−506126A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530400(P2012−530400)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054310
【国際公開番号】WO2011/039687
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】