流体伝達を調節することができるマイクロニードルユニット
本発明は、流体を収容する空間を有し、流体が排出されることができるように流路が形成されているケースと、前記ケースの下部に結合されているマイクロニードルと、前記ケースの下部に位置し、マイクロニードルが通過することができるホールが形成されていて、且つ、上下に移動可能なベースカバーと、前記ベースカバーと結合され、前記流路の開閉役目をするガイドピンと、前記ベースカバーが外圧によって上部に移動した後、さらに下部に復元されることができるように復元力を付与する弾性部材と、を含むマイクロニードルユニットに関する。本発明によるマイクロニードルユニットは、皮膚に無痛症、無外傷流体伝達のためのもので、前記ガイドピンを利用して流体の噴射を調節することができ、前記弾性部材を利用することによって、流体噴射の調節機能を繰り返し的に且つ簡便に行うことができるという効果がある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、流体を伝達することができるマイクロニードル装置に関し、より詳細には、皮膚組職を通じて化粧品や薬物を伝達することができ、皮膚組職を治癒することができ、血液循環改善のためのあんぽう効果及び皮膚浸透力向上に役に立つマイクロニードルユニットに関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的に、化粧品または薬物の皮膚を通じた伝達は、薬物が角質層を透過しにくいため、吸収率が非常に低い。特に分子量が大きい場合には、さらに吸収率が低くなる。これを改善するために、マイクロニードル（「マイクロ針」とも言う）を利用する技術が提案された。
【０００３】
マイクロニードルを利用して表皮層の一部または全体を通過する微孔が形成され、該微孔を通じて表皮層またはその下部層に薬物または化粧品を伝達する。また、マイクロニードルが真皮層に侵透し、刺激するようになれば、やけどや傷あとが自然的に治ることができ、コラーゲン生成が誘導され、皮膚トーン（ｔｏｎｅ）改善及び老化防止効果が極大化されることができる。
【０００４】
特許文献１には、マイクロニードルが付着されている皮膚治療装置であって、皮膚に営養剤やローションを塗った後、ローラー形態の装置を皮膚にローリングすれば、マイクロニードルが皮膚にマイクロチャネルを形成しながら皮膚を刺激し、ローションなどを均一に分布させながら皮膚表面をマッサージするように考案された装置が開示されているが、この装置では、実質的に皮膚内に薬物を伝達することができないという問題点がある。
【０００５】
また、特許文献２には、基板の表面に生分解性粘性物質をコーティングした後、ドローイングし、生分解性ソリッドマイクロニードルを製造する方法が開示されていて、この方法で、生分解性ソリッドマイクロニードルが付着されたパッチを皮膚に適用し、皮膚に挿入させる例を開示しているが、このような方式で薬物を伝達するためには、治療薬物を生分解性粘性物質の形態で準備する必要があり、皮膚に挿入した後、異物感などがあり得るという問題点がある。
【０００６】
また、特許文献３には、ソリッドマイクロニードルが薬物伝達や体液採取が難しいという点を考慮して、中空型マイクロニードルを製造する方法を提示している。しかし、このような方法で製造されたマイクロニードルは、中空を通じて皮膚内に薬物を伝達することはできるが、屈曲がある部位、特に人の顔や頭部分に使用するには、ニードルの上下動きが自由でなく、皮膚との直接接触及び加圧による致命的なニードルの折れ現象があるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】大韓民国実用新案登録第２０−０４３１４０４号公報
【特許文献２】大韓民国特許登録第１０−０７９３６１５号公報
【特許文献３】大韓民国特許登録第１０−０７８１７０２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、前述したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、複雑な別途の付加的な装置なく、簡単ながらも繰り返し的に皮膚内に流体を伝達することができるマイクロニードルユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記目的を達成するために、本発明は、流体を収容する空間を有し、流体が排出されることができるように流路が形成されているケースと、前記ケースの下部に結合されているマイクロニードルと、前記ケースの下部に位置し、マイクロニードルが通過することができるホールが形成されていて、且つ、上下に移動可能なベースカバーと、前記ベースカバーと結合され、前記流路の開閉役目をするガイドピンと、前記ベースカバーが外圧によって上部に移動した後、さらに下部に復元されることができるように復元力を付与する弾性部材と、を含むマイクロニードルユニットに関する。
【発明の効果】
【００１０】
本発明のマイクロニードルユニットは、前記ガイドピンを利用して流体の噴射を調節することができ、前記弾性部材を利用することによって、流体噴射の調節機能を繰り返し的に且つ簡便に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明のマイクロニードルユニットの概略的な斜視図である。
【図２】本発明のマイクロニードルユニットの概略的な断面図である。
【図３】本発明のマイクロニードルユニットにおいてガイドピンが中央に位置する構造を示す断面図である。
【図４】本発明のマイクロニードルユニットにおいてベースカバーがケースに段差構造で形成された側面図である。
【図５】本発明のマイクロニードルユニットのベースカバーが外圧によって上部に移動した後、ケースの流路が開放される過程を簡略に示す断面図である。
【図６】マイクロニードルユニットを１３個集積し、頭髪や皮膚に適用することができるように形成したマイクロニードルブラッシュのイメージである。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
本発明は、流体を収容する空間を有し、流体が排出されることができるように流路が形成されているケースと、前記ケースの下部に結合されているマイクロニードルと、前記ケースの下部に位置し、マイクロニードルが通過することができるホールが形成されていて、且つ、上下に移動可能なベースカバーと、前記ベースカバーと結合され、前記流路の開閉役目をするガイドピンと、前記ベースカバーが外圧によって上部に移動した後、さらに下部に復元されることができるように復元力を付与する弾性部材と、を含むマイクロニードルユニットを提供する。
【００１３】
以下、添付の図面によって本発明の好ましい実施例を説明する。これらの実施例は、ただ本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されるものと解すべきではないことは、当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明だろう。
【００１４】
図１は、本発明によるマイクロニードルユニットの概略的な斜視図であり、図２は、マイクロニードルユニットの断面図である。これらの図を参照して本発明を詳しく説明する。
【００１５】
本発明において「流体」というのは、一定の変形が容易であり、流れる性質を有していて、形状が定められていない液状またはゲル状の物質を意味する。以下では、流体を上記のような意味として使用し、前記流体は、好ましくは、薬物または化粧品であることができる。
【００１６】
前記ケース１は、一定の空間をもって流体を収容することができる流体チャンバ役目をし、前記ケースの上部は、外部から流体が入ることができるように入口が開放された形態であり、前記ケースの下部は、流体が排出されることができるように流路１０１が形成されている。
【００１７】
前記ケースは、特にその形態が制限されるものではないが、その（平）断面が円形、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形などの多角形が含まれることができ、１つの具体例では、円形を有するマイクロニードルユニットを製造した。
【００１８】
前記ケースに形成された流路は、流体が排出されることができれば、特にその大きさや位置が制限されず、１つの具体例において、前記流路は、前記ケースの端部に形成されることができ、他の具体例において、前記流路は、ケースの中央に形成されることができる。
【００１９】
図２は、前記流路がケースの端部に形成された断面図であり、図３は、前記流路がケースの中央に形成された断面図である。
【００２０】
前記ケースの材質は、特に制限されず、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルクロライド（Ｐｏｌｙｖｉｎｙｌｃｈｌｏｒｉｄｅ）、ポリプロピレンまたはポリエーテルイミドなどが可能である。
【００２１】
前記マイクロニードル２は、皮膚に侵透し、微孔を形成する役目をし、前記ケース１の下部に結合されている。
【００２２】
上記で言う「結合」とは、前記ケースの下部に付着や固定のように直接的にケース底面にボンディングや接着のような方法で結合されるものだけでなく、ケース底面に溝をあけてマイクロニードルを圧入する形式で結合する場合をも含む概念である。
【００２３】
前記マイクロニードル２は、皮膚を侵透することができる形態なら、特にその形態を制限しないが、ヘッド部２０１、胴体部２０２及び挿入部２０３よりなることができ、ヘッド部２０１は、前記ケース底面に溝をあけてマイクロニードルが圧入される部分であって、胴体部より直径がさらに大きく形成され、挿入部２０３は、マイクロニードルが皮膚に挿入される部分である。
【００２４】
前記マイクロニードルの長さ及び直径は、特に制限されず、前記挿入部２０３は、皮膚に挿入される時、苦痛を感じない範囲内であれば、特に形状や外径などを制限しないが、好ましくは、外径が１μｍ〜１００μｍであり、挿入部の末端を３７度〜４４度の角で研削されたものを使用することができる。
【００２５】
前記マイクロニードルは、本発明の技術分野において使用されるものなら、特にその素材を制限しないが、アクリル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフイン、液晶ポリエステルまたはこれらの合成物のような樹脂組成物を利用して製造されることができ、ステンレススチールまたは他の金属を含む固体材料を利用して製造されることができる。
【００２６】
前記ベースカバー３は、マイクロニードルをガイドする役目をし、ケース１の下部に位置し、上下に移動可能に設計される。
【００２７】
前記ベースカバー３は、皮膚と面接触をする部分であり、ベースカバーには、マイクロニードル２が貫通して出ることができるホールがマイクロニードルの個数と位置に合うように形成されていて、外圧が作用しない時は、マイクロニードルが出ないように下部に移動していて、外圧が作用する時には、マイクロニードルが皮膚を侵透することができる程度の長さに突出することができるようにベースカバーが上部に移動する。
【００２８】
また、１つの具体例において、前記ベースカバーの正面が皮膚と接触することを容易にするために、ベースカバーがケースに段差をもって形成されることができる。これは、図４に示した通りである。
【００２９】
前記ベースカバーの材質は、本発明の技術分野において使用されるものなら特に制限しないが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルクロライド、ポリプロピレンまたはポリエーテルイミドなどが可能である。
【００３０】
前記ガイドピン４は、前記ケース１の流路の開閉役目をし、前記ベースカバー３と結合される。
【００３１】
前記ガイドピンと結合するベースカバーの部分は、皮膚と面接触をする部分を正面から見た時、正面と反対側に存在する裏面である。以下では、ベースカバーにおいて皮膚と面接触をする部分は、正面で表記し、その反対側に存在する面は、裏面で表記する。
【００３２】
上記で言う「結合」とは、付着や固定のように直接的にベースカバーの裏面にボンディングや接着のような方法で結合されるものだけでなく、ベースカバーの裏面に溝をあけてガイドピンを圧入する形式で結合する場合をも含む概念である。
【００３３】
前記ガイドピン４は、ケース１の流路を開閉することができる形態なら特にその形態を制限しないが、１つの具体例において、前記ガイドピンは、Ｔ字形状の断面を有し、前記Ｔ字形状のうち水平部分が前記ケース流路の幅より広くて、両腕を開けた構造で流路の出口を閉鎖していて、前記Ｔ字形状のうち垂直部分は、前記ケース流路の幅より狭くて、流路を貫通し、前記垂直部分の末端は、前記ベースカバーの裏面と結合され、前記ベースカバーが前記ケースから離脱されることを阻止する。
【００３４】
前記ガイドピンは、ケースの大きさによって大きさを適切に製造することができ、水平部分及び垂直部分の直径及び長さは、特に制限されない。
【００３５】
前記ガイドピンの材質は、本発明の技術分野において使用されるものとなら特に制限するわけではなく、ステンレススチールまたは他の金属を含む固体材料を利用して製作が可能であり、好ましくは、前記製作されたガイドピンに金メッキをし、使用することが良い。
【００３６】
前記弾性部材５は、ベースカバー３が外圧によって上部に移動した後、さらに下部に復元されることができるように復元力を付与する役目をし、ケース１とベースカバー３との間に位置する。
【００３７】
前記弾性部材は、ベースカバーが外圧によって上部に移動した後、さらに下部に復元されることができるように復元力を付与する役目ができるものなら、特にその素材や形態を制限しないが、１つの具体例において、前記弾性部材は、バネを使用することができる。
【００３８】
前記弾性部材の材質は、本発明の技術分野において使用されるものなら特に制限せず、ステンレススチールまたは他の金属を含む固体材料を利用して製作が可能であり、好ましくは、前記製作されたガイドピンに金メッキをし、使用することが良い。
【００３９】
本発明によるマイクロニードルユニットは、ケース１の上部が開放されているので、例えば、前記ケース１の上部を、流体を収容しているバイアル（アンプル）容器に圧入されるようにして製作されることができ、このように製作されたマイクロニードルユニットは、流体をすべて消尽した場合、前記バイアル（アンプル）容器にさらに流体を入れて使用することによって、繰り返し的な使用が可能になる。
【００４０】
本発明によるマイクロニードルユニットの作動機作を図５を参照してみれば、ベースカバー３が皮膚と当接した後、ケース１の上部に外圧が作用すれば、ベースカバー３が上部に移動し、ベースカバー３が上部に移動すれば、マイクロニードル２が前記ベースカバー３のホールを貫通し、皮膚に侵透するようになり、前記マイクロニードル２が皮膚を貫通すると同時に、ガイドピン４が上部に移動し、流路１０１が開放され、開放された流路を通じて流体が皮膚内に伝達される。また、ケース１の上部を押す外圧が除去されれば、弾性部材５の復元力により、ベースカバー３が下部に移動し、同時に、ガイドピン４が下部に一緒に移動し、流路１０１が閉まるようになる。
【００４１】
本発明は、前記マイクロニードルユニットを含むアレイを提供する。
【００４２】
したがって、本発明によるマイクロニードルユニットの複数個がアレイされることができ、このように複数個のマイクロニードルユニットのアレイを通じてくし、ブラッシュ及び化粧用綿などのように携帯可能な形態で製造されることができる。
【００４３】
図６は、本発明によるマイクロニードルユニットを１３個集積し、頭髪や皮膚に適用することができるように形成したマイクロニードルブラッシュをイメージで示す写真である。
【００４４】
また、本発明は、前記マイクロニードルユニットを含む注射器を提供する。
【符号の説明】
【００４５】
１ ケース
２ マイクロニードル
３ ベースカバー
４ ガイドピン
５ バネ（弾性部材）
１０１ ケースに形成された流路
２０１ マイクロニードルのヘッド部
２０２ マイクロニードルの胴体部
２０３ マイクロニードルの挿入部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、流体を伝達することができるマイクロニードル装置に関し、より詳細には、皮膚組職を通じて化粧品や薬物を伝達することができ、皮膚組職を治癒することができ、血液循環改善のためのあんぽう効果及び皮膚浸透力向上に役に立つマイクロニードルユニットに関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的に、化粧品または薬物の皮膚を通じた伝達は、薬物が角質層を透過しにくいため、吸収率が非常に低い。特に分子量が大きい場合には、さらに吸収率が低くなる。これを改善するために、マイクロニードル（「マイクロ針」とも言う）を利用する技術が提案された。
【０００３】
マイクロニードルを利用して表皮層の一部または全体を通過する微孔が形成され、該微孔を通じて表皮層またはその下部層に薬物または化粧品を伝達する。また、マイクロニードルが真皮層に侵透し、刺激するようになれば、やけどや傷あとが自然的に治ることができ、コラーゲン生成が誘導され、皮膚トーン（ｔｏｎｅ）改善及び老化防止効果が極大化されることができる。
【０００４】
特許文献１には、マイクロニードルが付着されている皮膚治療装置であって、皮膚に営養剤やローションを塗った後、ローラー形態の装置を皮膚にローリングすれば、マイクロニードルが皮膚にマイクロチャネルを形成しながら皮膚を刺激し、ローションなどを均一に分布させながら皮膚表面をマッサージするように考案された装置が開示されているが、この装置では、実質的に皮膚内に薬物を伝達することができないという問題点がある。
【０００５】
また、特許文献２には、基板の表面に生分解性粘性物質をコーティングした後、ドローイングし、生分解性ソリッドマイクロニードルを製造する方法が開示されていて、この方法で、生分解性ソリッドマイクロニードルが付着されたパッチを皮膚に適用し、皮膚に挿入させる例を開示しているが、このような方式で薬物を伝達するためには、治療薬物を生分解性粘性物質の形態で準備する必要があり、皮膚に挿入した後、異物感などがあり得るという問題点がある。
【０００６】
また、特許文献３には、ソリッドマイクロニードルが薬物伝達や体液採取が難しいという点を考慮して、中空型マイクロニードルを製造する方法を提示している。しかし、このような方法で製造されたマイクロニードルは、中空を通じて皮膚内に薬物を伝達することはできるが、屈曲がある部位、特に人の顔や頭部分に使用するには、ニードルの上下動きが自由でなく、皮膚との直接接触及び加圧による致命的なニードルの折れ現象があるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】大韓民国実用新案登録第２０−０４３１４０４号公報
【特許文献２】大韓民国特許登録第１０−０７９３６１５号公報
【特許文献３】大韓民国特許登録第１０−０７８１７０２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、前述したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、複雑な別途の付加的な装置なく、簡単ながらも繰り返し的に皮膚内に流体を伝達することができるマイクロニードルユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記目的を達成するために、本発明は、流体を収容する空間を有し、流体が排出されることができるように流路が形成されているケースと、前記ケースの下部に結合されているマイクロニードルと、前記ケースの下部に位置し、マイクロニードルが通過することができるホールが形成されていて、且つ、上下に移動可能なベースカバーと、前記ベースカバーと結合され、前記流路の開閉役目をするガイドピンと、前記ベースカバーが外圧によって上部に移動した後、さらに下部に復元されることができるように復元力を付与する弾性部材と、を含むマイクロニードルユニットに関する。
【発明の効果】
【００１０】
本発明のマイクロニードルユニットは、前記ガイドピンを利用して流体の噴射を調節することができ、前記弾性部材を利用することによって、流体噴射の調節機能を繰り返し的に且つ簡便に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明のマイクロニードルユニットの概略的な斜視図である。
【図２】本発明のマイクロニードルユニットの概略的な断面図である。
【図３】本発明のマイクロニードルユニットにおいてガイドピンが中央に位置する構造を示す断面図である。
【図４】本発明のマイクロニードルユニットにおいてベースカバーがケースに段差構造で形成された側面図である。
【図５】本発明のマイクロニードルユニットのベースカバーが外圧によって上部に移動した後、ケースの流路が開放される過程を簡略に示す断面図である。
【図６】マイクロニードルユニットを１３個集積し、頭髪や皮膚に適用することができるように形成したマイクロニードルブラッシュのイメージである。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
本発明は、流体を収容する空間を有し、流体が排出されることができるように流路が形成されているケースと、前記ケースの下部に結合されているマイクロニードルと、前記ケースの下部に位置し、マイクロニードルが通過することができるホールが形成されていて、且つ、上下に移動可能なベースカバーと、前記ベースカバーと結合され、前記流路の開閉役目をするガイドピンと、前記ベースカバーが外圧によって上部に移動した後、さらに下部に復元されることができるように復元力を付与する弾性部材と、を含むマイクロニードルユニットを提供する。
【００１３】
以下、添付の図面によって本発明の好ましい実施例を説明する。これらの実施例は、ただ本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されるものと解すべきではないことは、当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明だろう。
【００１４】
図１は、本発明によるマイクロニードルユニットの概略的な斜視図であり、図２は、マイクロニードルユニットの断面図である。これらの図を参照して本発明を詳しく説明する。
【００１５】
本発明において「流体」というのは、一定の変形が容易であり、流れる性質を有していて、形状が定められていない液状またはゲル状の物質を意味する。以下では、流体を上記のような意味として使用し、前記流体は、好ましくは、薬物または化粧品であることができる。
【００１６】
前記ケース１は、一定の空間をもって流体を収容することができる流体チャンバ役目をし、前記ケースの上部は、外部から流体が入ることができるように入口が開放された形態であり、前記ケースの下部は、流体が排出されることができるように流路１０１が形成されている。
【００１７】
前記ケースは、特にその形態が制限されるものではないが、その（平）断面が円形、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形などの多角形が含まれることができ、１つの具体例では、円形を有するマイクロニードルユニットを製造した。
【００１８】
前記ケースに形成された流路は、流体が排出されることができれば、特にその大きさや位置が制限されず、１つの具体例において、前記流路は、前記ケースの端部に形成されることができ、他の具体例において、前記流路は、ケースの中央に形成されることができる。
【００１９】
図２は、前記流路がケースの端部に形成された断面図であり、図３は、前記流路がケースの中央に形成された断面図である。
【００２０】
前記ケースの材質は、特に制限されず、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルクロライド（Ｐｏｌｙｖｉｎｙｌｃｈｌｏｒｉｄｅ）、ポリプロピレンまたはポリエーテルイミドなどが可能である。
【００２１】
前記マイクロニードル２は、皮膚に侵透し、微孔を形成する役目をし、前記ケース１の下部に結合されている。
【００２２】
上記で言う「結合」とは、前記ケースの下部に付着や固定のように直接的にケース底面にボンディングや接着のような方法で結合されるものだけでなく、ケース底面に溝をあけてマイクロニードルを圧入する形式で結合する場合をも含む概念である。
【００２３】
前記マイクロニードル２は、皮膚を侵透することができる形態なら、特にその形態を制限しないが、ヘッド部２０１、胴体部２０２及び挿入部２０３よりなることができ、ヘッド部２０１は、前記ケース底面に溝をあけてマイクロニードルが圧入される部分であって、胴体部より直径がさらに大きく形成され、挿入部２０３は、マイクロニードルが皮膚に挿入される部分である。
【００２４】
前記マイクロニードルの長さ及び直径は、特に制限されず、前記挿入部２０３は、皮膚に挿入される時、苦痛を感じない範囲内であれば、特に形状や外径などを制限しないが、好ましくは、外径が１μｍ〜１００μｍであり、挿入部の末端を３７度〜４４度の角で研削されたものを使用することができる。
【００２５】
前記マイクロニードルは、本発明の技術分野において使用されるものなら、特にその素材を制限しないが、アクリル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフイン、液晶ポリエステルまたはこれらの合成物のような樹脂組成物を利用して製造されることができ、ステンレススチールまたは他の金属を含む固体材料を利用して製造されることができる。
【００２６】
前記ベースカバー３は、マイクロニードルをガイドする役目をし、ケース１の下部に位置し、上下に移動可能に設計される。
【００２７】
前記ベースカバー３は、皮膚と面接触をする部分であり、ベースカバーには、マイクロニードル２が貫通して出ることができるホールがマイクロニードルの個数と位置に合うように形成されていて、外圧が作用しない時は、マイクロニードルが出ないように下部に移動していて、外圧が作用する時には、マイクロニードルが皮膚を侵透することができる程度の長さに突出することができるようにベースカバーが上部に移動する。
【００２８】
また、１つの具体例において、前記ベースカバーの正面が皮膚と接触することを容易にするために、ベースカバーがケースに段差をもって形成されることができる。これは、図４に示した通りである。
【００２９】
前記ベースカバーの材質は、本発明の技術分野において使用されるものなら特に制限しないが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルクロライド、ポリプロピレンまたはポリエーテルイミドなどが可能である。
【００３０】
前記ガイドピン４は、前記ケース１の流路の開閉役目をし、前記ベースカバー３と結合される。
【００３１】
前記ガイドピンと結合するベースカバーの部分は、皮膚と面接触をする部分を正面から見た時、正面と反対側に存在する裏面である。以下では、ベースカバーにおいて皮膚と面接触をする部分は、正面で表記し、その反対側に存在する面は、裏面で表記する。
【００３２】
上記で言う「結合」とは、付着や固定のように直接的にベースカバーの裏面にボンディングや接着のような方法で結合されるものだけでなく、ベースカバーの裏面に溝をあけてガイドピンを圧入する形式で結合する場合をも含む概念である。
【００３３】
前記ガイドピン４は、ケース１の流路を開閉することができる形態なら特にその形態を制限しないが、１つの具体例において、前記ガイドピンは、Ｔ字形状の断面を有し、前記Ｔ字形状のうち水平部分が前記ケース流路の幅より広くて、両腕を開けた構造で流路の出口を閉鎖していて、前記Ｔ字形状のうち垂直部分は、前記ケース流路の幅より狭くて、流路を貫通し、前記垂直部分の末端は、前記ベースカバーの裏面と結合され、前記ベースカバーが前記ケースから離脱されることを阻止する。
【００３４】
前記ガイドピンは、ケースの大きさによって大きさを適切に製造することができ、水平部分及び垂直部分の直径及び長さは、特に制限されない。
【００３５】
前記ガイドピンの材質は、本発明の技術分野において使用されるものとなら特に制限するわけではなく、ステンレススチールまたは他の金属を含む固体材料を利用して製作が可能であり、好ましくは、前記製作されたガイドピンに金メッキをし、使用することが良い。
【００３６】
前記弾性部材５は、ベースカバー３が外圧によって上部に移動した後、さらに下部に復元されることができるように復元力を付与する役目をし、ケース１とベースカバー３との間に位置する。
【００３７】
前記弾性部材は、ベースカバーが外圧によって上部に移動した後、さらに下部に復元されることができるように復元力を付与する役目ができるものなら、特にその素材や形態を制限しないが、１つの具体例において、前記弾性部材は、バネを使用することができる。
【００３８】
前記弾性部材の材質は、本発明の技術分野において使用されるものなら特に制限せず、ステンレススチールまたは他の金属を含む固体材料を利用して製作が可能であり、好ましくは、前記製作されたガイドピンに金メッキをし、使用することが良い。
【００３９】
本発明によるマイクロニードルユニットは、ケース１の上部が開放されているので、例えば、前記ケース１の上部を、流体を収容しているバイアル（アンプル）容器に圧入されるようにして製作されることができ、このように製作されたマイクロニードルユニットは、流体をすべて消尽した場合、前記バイアル（アンプル）容器にさらに流体を入れて使用することによって、繰り返し的な使用が可能になる。
【００４０】
本発明によるマイクロニードルユニットの作動機作を図５を参照してみれば、ベースカバー３が皮膚と当接した後、ケース１の上部に外圧が作用すれば、ベースカバー３が上部に移動し、ベースカバー３が上部に移動すれば、マイクロニードル２が前記ベースカバー３のホールを貫通し、皮膚に侵透するようになり、前記マイクロニードル２が皮膚を貫通すると同時に、ガイドピン４が上部に移動し、流路１０１が開放され、開放された流路を通じて流体が皮膚内に伝達される。また、ケース１の上部を押す外圧が除去されれば、弾性部材５の復元力により、ベースカバー３が下部に移動し、同時に、ガイドピン４が下部に一緒に移動し、流路１０１が閉まるようになる。
【００４１】
本発明は、前記マイクロニードルユニットを含むアレイを提供する。
【００４２】
したがって、本発明によるマイクロニードルユニットの複数個がアレイされることができ、このように複数個のマイクロニードルユニットのアレイを通じてくし、ブラッシュ及び化粧用綿などのように携帯可能な形態で製造されることができる。
【００４３】
図６は、本発明によるマイクロニードルユニットを１３個集積し、頭髪や皮膚に適用することができるように形成したマイクロニードルブラッシュをイメージで示す写真である。
【００４４】
また、本発明は、前記マイクロニードルユニットを含む注射器を提供する。
【符号の説明】
【００４５】
１ ケース
２ マイクロニードル
３ ベースカバー
４ ガイドピン
５ バネ（弾性部材）
１０１ ケースに形成された流路
２０１ マイクロニードルのヘッド部
２０２ マイクロニードルの胴体部
２０３ マイクロニードルの挿入部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
流体を収容する空間を有し、流体が排出されることができるように流路が形成されているケースと、
前記ケースの下部に結合されているマイクロニードルと、
前記ケースの下部に位置し、マイクロニードルが通過することができるホールが形成されていて、且つ、上下に移動可能なベースカバーと、
前記ベースカバーと結合され、前記流路の開閉役目をするガイドピンと、
前記ベースカバーが外圧によって上部に移動した後、さらに下部に復元されることができるように復元力を付与する弾性部材と、を含むマイクロニードルユニット。
【請求項２】
前記ケースは、流体が排出されることができる流路がケースの端部に形成されていることを特徴とする請求項１に記載のマイクロニードルユニット。
【請求項３】
前記ケースは、流体が排出されることができる流路がケースの中央に形成されていることを特徴とする請求項１に記載のマイクロニードルユニット。
【請求項４】
前記ガイドピンは、Ｔ字形状の断面を有することを特徴とする請求項１に記載のマイクロニードルユニット。
【請求項５】
前記弾性部材は、バネであることを特徴とする請求項１に記載のマイクロニードルユニット。
【請求項６】
前記ベースカバーが、前記ケースに段差構造で形成されることを特徴とする請求項１に記載のマイクロニードルユニット。
【請求項７】
請求項１〜６のいずれかに記載のマイクロニードルユニットを含むアレイ。
【請求項８】
請求項１〜６のいずれかに記載のマイクロニードルユニットを含むマイクロニードルブラッシュ。
【請求項９】
請求項１〜６のいずれかに記載のマイクロニードルユニットを含む注射器。
【請求項１】
流体を収容する空間を有し、流体が排出されることができるように流路が形成されているケースと、
前記ケースの下部に結合されているマイクロニードルと、
前記ケースの下部に位置し、マイクロニードルが通過することができるホールが形成されていて、且つ、上下に移動可能なベースカバーと、
前記ベースカバーと結合され、前記流路の開閉役目をするガイドピンと、
前記ベースカバーが外圧によって上部に移動した後、さらに下部に復元されることができるように復元力を付与する弾性部材と、を含むマイクロニードルユニット。
【請求項２】
前記ケースは、流体が排出されることができる流路がケースの端部に形成されていることを特徴とする請求項１に記載のマイクロニードルユニット。
【請求項３】
前記ケースは、流体が排出されることができる流路がケースの中央に形成されていることを特徴とする請求項１に記載のマイクロニードルユニット。
【請求項４】
前記ガイドピンは、Ｔ字形状の断面を有することを特徴とする請求項１に記載のマイクロニードルユニット。
【請求項５】
前記弾性部材は、バネであることを特徴とする請求項１に記載のマイクロニードルユニット。
【請求項６】
前記ベースカバーが、前記ケースに段差構造で形成されることを特徴とする請求項１に記載のマイクロニードルユニット。
【請求項７】
請求項１〜６のいずれかに記載のマイクロニードルユニットを含むアレイ。
【請求項８】
請求項１〜６のいずれかに記載のマイクロニードルユニットを含むマイクロニードルブラッシュ。
【請求項９】
請求項１〜６のいずれかに記載のマイクロニードルユニットを含む注射器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公表番号】特表２０１２−５２３２６５（Ｐ２０１２−５２３２６５Ａ）
【公表日】平成２４年１０月４日（２０１２．１０．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−５０４６１７（Ｐ２０１２−５０４６１７）
【出願日】平成２２年４月８日（２０１０．４．８）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＫＲ２０１０／００２１５７
【国際公開番号】ＷＯ２０１０／１１７２１８
【国際公開日】平成２２年１０月１４日（２０１０．１０．１４）
【出願人】（５００１９７６８２）コリア リサーチ インスティチュート オブ バイオサイエンス アンド バイオテクノロジー (4)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２４年１０月４日（２０１２．１０．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年４月８日（２０１０．４．８）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＫＲ２０１０／００２１５７
【国際公開番号】ＷＯ２０１０／１１７２１８
【国際公開日】平成２２年１０月１４日（２０１０．１０．１４）
【出願人】（５００１９７６８２）コリア リサーチ インスティチュート オブ バイオサイエンス アンド バイオテクノロジー (4)
【Ｆターム（参考）】
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