説明

流体分配バルブ

本発明は、少なくとも第1流体ポート(2)と第2流体ポート(3)と第3流体ポート(4)とを含む流体分配バルブ(1,25,29,37,43)に関する。これらのポートは流体分配室(5)に接続されている。第2流体ポート(3)は、第1流体ポート(2)および/または第3流体ポート(4)に分配室(5)を通して選択的に接続される。第2流体ポート(3)は、第1流体ポート(2)と第3流体ポート(4)との間に配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体分配室に接続された第1流体ポートと第2流体ポートと第3流体ポートとを少なくとも含み、第2流体ポートが第1流体ポートおよび/または第3流体ポートに分配室を通して選択的に接続される流体分配バルブに関連する。また本発明は、ピストンと協働するための中空シリンダを包含するポンピングシリンダ構成に関する。さらに本発明は、流体作動機械に関する。
【背景技術】
【0002】
流体容器が複数の流体ライン(好ましくは二つ)に択一的に接続されなければならない時には、流体分配バルブが使用される。このような流体分配バルブの例は、いわゆる切換バルブである。二つの択一的流体ライン接続と共通流体ポートとを含む切換バルブの事例では、少なくとも第1流体ライン接続と第2流体ライン接続のいずれかに共通流体ポートが流体接続されるように、切換バルブが設計される。選択された実際の設計に応じて、切換バルブはまた、両方の流体ライン接続が共通の流体ポートに接続される状態、および/または関係する三つの流体ポート(つまり二つの流体ライン接続ポートと共通流体ポート)のいずれの間にも流体接続が設けられない状態とを含む。
【0003】
切換バルブは、いくつかの流体ポートの間で流体接続が確立および遮断されなければならない多数の技術的用途に使用される。関係する流体はいかなる種類のものでもよい。例えば、関係の液体は、気体、液体、気体と液体との混合物、気体と固体との混合物(煙)、液体と固体との混合物(懸濁液)、そして気体と液体と固体との混合物である。
【0004】
切換バルブの使用についての技術的用途として考えられるものの一つは、流体作動機械である。このような流体作動機械は、特に、液圧ポンプ、液圧モータ、そして液圧ポンプとして、また液圧モータとして使用可能である機械を含む。このような流体作動機械は通常、周期的容積変動を呈する一つまたはいくつかのポンピング室を含む。現在、周期的容積変動を呈するポンピング室について最も広く使用されている設計は、シリンダ・ピストンタイプの設計である。一連の個別ポンピング段階で構成されるポンピングサイクルによってポンピングが実施される。第1ポンピング段階では、或る1つのポンピング室は、その容積が膨張し始めるとすぐに、低圧流体容器に接続される。ポンピング室の容積が最大値に達すると、低圧流体容器とポンピング室との間の流体接続が閉じられて、高圧流体マニホルドとポンピング室との間の接続が確立される。ポンピング室の容積が収縮し始めると、ポンピング室の容積内で圧縮される流体が高圧流体マニホルドへ排出される。
【0005】
バルブの開閉および/または状態を相互接続する流体ラインの切換は、能動的手段によってばかりではなく受動的手段によっても実施される。流体そのものの差圧を受けて個々のバルブが開閉する場合に、受動的手段の作動が生じる。このような受動的バルブは特にポンピング目的に使用される。例えば、ばね付勢チェックバルブが受動的バルブとして使用される。
【0006】
しかし、能動的作動バルブは、外部から印加される信号に従って状態を変化させる。外部信号は、機械信号(例えばカムシャフトに装着されたカムの運動)、電気信号(電気作動バルブが使用される場合)、および/または圧力信号(液圧作動バルブが使用される場合)である。このように作動するバルブは、特に液圧モータに、および/またはより進化した液圧ポンプに使用される。
【0007】
流体作動機械は、独立した(受動的および/または能動的制御による)流体入口バルブおよび流体出口バルブを備える設計である。このような流体作動機械の設計例は、例えば米国特許第5,338,160Aおよび米国特許第6,651,545B2に記載されている。このような流体作動機械の欠点は、特に、多数の流体バルブを必要とし、結果的に比較的複雑で費用のかかる設計となることである。さらに、流体バルブの数が増加すると、通常は、バルブの作動方法がより複雑となり、バルブのために用意されなければならない装着空間も広くなる。
【0008】
そのため、周期的に変化する流体ポンピング室を低圧流体容器および高圧流体容器にそれぞれ択一的に接続するための切換バルブを用いる流体作動機械が、すでに提案されている。このような流体作動機械の例は、国際公開第2007/034301A1に見られる。ここでは、ポンピング目的に用いられるポンピング室が、切換バルブによって流体入口ポートと流体出口ポートのいずれかに接続されている。
【0009】
高圧作動媒体の流体流方向を切り換えるために使用される別の切換バルブ設計は、米国特許第4,664,150A号に記載されている。
【0010】
流体作動機械の複雑性を低下させるため、低圧流体容器を機械の内側に、高圧流体マニホルドを機械の外側に配設することが米国特許第7,300,260A号で提案されている。こうすると、流体作動機械の内側の機械部品(偏心クランクまたは斜板など)の潤滑が、低圧流体マニホルドによって行われる。また、この方法により作動流体のリークへの対処が容易になる。他方、高圧流体は通常、液圧消費物による使用を可能にするため、機械の外側に設けられる必要がある。しかし、特許文献5に開示された設計には複数の欠点が見られる。例えば、ポンピング室とバルブとの間の流体通路の容積内には、機械の低効率を招く高い「無効容積」が見られる。さらに、磁気粘性流体の使用には費用がかかり、比較的高い磨耗が見られる。
【0011】
流体作動機械における切換バルブの使用に関わる損失を最小にするため、流体流通路の断面積はできるだけ大きくすることが望ましい。すなわち、低圧流体ポートとポンピング室の流体ポートとの間の流体流の流体流断面積は、高圧流体ポートとポンピング室の流体ポートとの間の流体流の有効流体流断面積とともに、できるだけ大きくする必要があるのである。さらに、切換バルブに通じる流体流通路も同様に、広い断面積を持たなければならない。
【0012】
しかし、最先端技術による切換バルブを流体作動機械とともに使用する時には、これらの要件すべてを同時に満たすことは今のところ可能でない。むしろ、これまでは折衷案が選択されなければならなかった。例えば米国特許第6,651,545 B2の図6に示された実施形態を検討すると、ポンピング室を切換バルブと接続する流体通路は比較的狭いことが図面から明らかである。そのため、現在の流体作動機械の設計では、低圧流体マニホルドと高圧流体マニホルドとポンピング室との相互接続のための切換バルブの使用は、せいぜいわずかな役割を果たしているに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,338,160 A号明細書
【特許文献2】米国特許第6,651,545 B2号明細書
【特許文献3】国際公開第2007/034301 A1号パンフレット
【特許文献4】米国特許第4,664,150 A号明細書
【特許文献5】米国特許第7,300,260 A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ゆえに本発明の目的は、切換バルブの改良設計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そのため、流体分配室に接続された第1流体ポートと第2流体ポートおよび第3流体ポートを少なくとも含み、第1流体ポートと第3流体ポートとの間に第2流体ポートが配設されるように、少なくとも第1流体ポートおよび/または第3流体ポートに第2流体ポートが分配室を通して選択的に接続される構成の流体分配バルブを設計することが提案される。言い換えると、流体ポートの選択される構成は、選択的接続可能な流体ポートの(少なくとも)一つが、流体分配バルブの中央に位置すると言うものである。そのため、流体作動機械に関して考えられる流体ポートの構成は、「ポンピング室の流体ポート−低圧流体ポート−高圧流体ポート」または「ポンピング室の流体ポート−高圧流体ポート−低圧流体ポート」(異なる流体ポートがほぼ直線方向に配設される態様の三つの流体ポートを含む流体分配バルブ)である。(ポンピング室の流体ポートと同等物である)切換流体ポートが常に切換バルブの中央に配設される切換バルブを設計するやり方は、現在の典型的設計とは大きく異なっている。今日まで、このような設計は概して幾何学的な理由により使用されてきた。しかし、驚くべきことに発明者らは、流体分配バルブ/切換バルブを設計する代替方法を発見した。分配室の(ゆえに一般的には流体分配バルブの)「片側に」ポンピング室の流体ポートを配設する本発明の設計は、特に流体作動機械に関して大きな長所を持っている。例えば、ポンピング室の流体ポートが、流体分配バルブ中を流れる流体にとって非常に広い流れ断面積を呈するようにされた、流体分配バルブを設計することが、非常に容易となる。流体分配バルブのあらゆる位置において、従って流体作動機械のほぼあらゆる状態(ピストン・シリンダ液圧ポンプのピストンの流体導入行程および流体導出行程など)において、ポンピング室の流体ポートを通して、流体が流れ得るので、特に好都合である。そのため、ポンピング室の流体ポートの流体流れの断面積を拡張すると、結果として得られる流体作動機械の効率を大幅に向上させる。流体作動機械の分野では、本件発明に係る流体分配バルブの構成が好適である。例えば、ポンピング室にすぐ隣接して流体分配バルブを配設することが容易であり、ポンピング室の流体ポートは第3流体ポートに接続される。さらに、流体作動機械では、広い流体流断面積を持つ低圧流体マニホルドに接続される流体ポートを設計することが好ましい。これは、流体分配バルブを流れる流体にある絶対量だけの圧力低下(例えば0.1バールの圧力低下)が生じる、低圧側では高い相対百分率の圧力低下が惹起される、従って流体作動機械の実質的な効率低下が惹起されてしまうためである。また、このような圧力低下はキャビテーションにつながり、キャビテーションは流体作動機械の故障または破損にもつながる。しかし、本件発明に係る流体分配バルブの設計では、ポンピング室の流体ポート(例えば第3流体ポート)ばかりでなく、残りの流体ポート(例えば第1および/または第2(中央)流体ポート)の流体流断面積を非常に大きく設計することが容易に実現され得る。流体作動機械の分野での例を挙げると、第1流体ポートが高圧流体マニホルドに接続され、第2流体ポートが低圧流体マニホルドに接続され、第3流体ポートが流体作動機械のポンピング室に接続される。このような構成を用いると、第2流体ポートの流体流断面積とポンピング室の流体ポートの流体流断面積とを特に広く設計することが好ましい。提案される設計では、ピストン・シリンダタイプの流体作動機械において、ポンピング室の(この例では第3)流体ポートの流体流断面積をシリンダの流体流断面積と本質的に同じ大きさに設計することさえ可能である。流体分配室は、一つ(以上)の流体ポート(第1流体ポート、第2流体ポート、および/または第3流体ポート)と容易に区別される室でよい。しかし、流体分配室が、一つ(以上)の流体ポート、特に第3流体ポート(ポンピング室の流体ポート)と一致することも可能である。
【0016】
好ましくは流体分配バルブの現在状態とは本質的に無関係に、流体ポートの少なくとも一つ、特に第1流体ポートおよび/または第3流体ポートが分配室に流体接続されるように流体分配バルブを設計することが可能である。こうすると、流体分配バルブそれ自体の設計が特に簡単化される。すなわち、好ましくは流体分配バルブの現在状態と本質的に無関係に、第1流体ポートと第3流体ポートとが相互に流体接続されることが可能である。完成品の機械の機能にとって必要である追加バルブ(例えば、流体ポートの一つに流体接続される流体通路の追加ポペットバルブ)が、流体分配バルブから比較的離れた位置に配設さてもよい。そのため、このような追加バルブは広い流体断面積を持つように容易に設計され、流体流損失を減少させる。「本質的に無関係な」という概念には、特に質的な意味が含まれる。こうして、流体分配バルブの本質的にすべての位置で(またはすべての位置でも)、流体接続を設けることが可能である。しかし、例えば流体分配バルブが一つの状態から他の状態へ切り換わる間には個々の流体接続は確立されないようにすることも可能である。しかし、この概念に量的な意味が包含されてもよい。こうして、個々の流体ポート(例えば第1および/または第3流体ポート)の流体断面積は、少なくとも本質的には常にほぼ一定である。
【0017】
好ましくは分配室に移動可能に配設された少なくとも一つのバルブヘッドを備える流体分配バルブを設計することが可能である。この設計では、バルブヘッドによって流体分配バルブの様々な流体分配パターンが実現され得る。分配室は必然的に流体ポート(第1流体ポートと第2流体ポートおよび第3流体ポート)に接続されるので、結果的に流体開口部は、バルブヘッドの対応表面部分と相互作用を行う開口部として使用される。ある流体開口部がバルブヘッドの対応の表面部分と接触する時に、この開口部は(部分的に)閉じられる。バルブヘッドは第1流体ポートおよび/または第2流体ポートのみと相互作用を行って、第3流体ポート(ポンピング室の流体ポート)は閉じられないままであることが好ましい。バルブヘッドが第2流体ポートのみと相互作用を行って、第1流体ポートと第3流体ポートが閉じられないままであることが、さらに一層好ましい。すでに言及した個々の流体ポートの開閉は、バルブヘッドの移動によって実施される。バルブヘッドの移動方向は、流体開口部の少なくとも一部分に垂直な表面に対して本質的に平行であるか、小さな角度(例えば、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°または45°以下)のみを成すことが好ましい。このような設計を用いることで、バルブヘッドが比較的少しだけ移動しても、流体流断面積が大きく変化する。さらに、バルブヘッドを移動させるための案内作用を分配室が持つようにバルブヘッドおよび/または分配室を設計することが可能である。すなわち、バルブヘッドの移動を案内する案内面を分配室が備えるのである。
【0018】
バルブヘッドの少なくとも一つ、好ましくはバルブヘッドのすべてが本質的に単体ユニットとして設計されるように流体分配バルブが設計されることが可能である。こうして、個々のバルブヘッドの設計は簡単化される。ゆえに、流体分配バルブの製造コストが低下する。さらに、複数のサブユニットを含むバルブヘッドから生じるリークの問題が回避されて好都合である。
【0019】
相互に区別可能である少なくとも二つの小室が設けられるように流体分配バルブの分配室を設計することが可能である。すなわち、流体分配室に(例えば第1小室および/または第2小室の中に)配設されたバルブヘッドにより開閉されることが好ましい相互接続オリフィスによって、二つの小室が分離されるのである。第1流体ポートおよび/または第3流体ポート(ポンピング室の流体ポート)のための少なくとも一つの出入ポートを第1小室が含み、第2流体ポートのための少なくとも一つの出入ポートを第2小室が含むことが好ましい。すなわち、この設計では、第1流体ポート、第2流体ポート、および/または第3流体ポート、好ましくは第1流体ポートおよび第2流体ポートの流体通路が、交互状態で配設されるのである。こうして、個々の流体ポートの流体通路、特に第1流体ポートの流体通路と第2流体ポートの流体通路とが互いに通過するようになっている。
【0020】
流体分配バルブのバルブヘッドは径方向延在状態で、特にプレート形状に設計されることが好ましい。このような設計を用いて、個々の流体開口部を開閉するのに、比較的軽量のバルブヘッド(ゆえに必要な加速エネルギーの少ないバルブヘッド)が使用される。ゆえに、高効率の流体分配バルブが得られる。このように径方向延在および/またはプレート状の設計をバルブヘッドに用いることで、バルブヘッドの各側での流体の差圧が、流体分配バルブの開口および/閉口の力の補助に使用されて好都合である。すなわち、径方向延在バルブヘッドには、二つの区別可能な表面エリアが設けられるのである。区別可能な表面エリアのうち第1エリアはバルブヘッドの密封側を形成し、区別可能な表面エリアのうち第2エリアはバルブヘッドの非密封側を形成する。第2流体ポートおよび/または第3流体ポートは、バルブヘッドの密封側にあることが好ましい。バルブヘッドの密封側との接触によって第2流体ポートが閉じられることが、さらに一層好ましい。
【0021】
バルブヘッドが、少なくとも一つの開口部、好ましくは複数の開口部を含むように流体分配バルブを設計することが賢明であると分かるだろう。それらの開口部は、特に、バルブヘッドの移動方向において相互に対向するバルブヘッドの二つの側を、相互に流体接続するように、配設されることが好ましい。そのような開口部を用いると、流体の少なくとも一部がバルブヘッドを越えて(つまり通って)流れて、第1流体ポートと第3流体ポート(および/または第2流体ポート)との間の流体接続を設ける。さらに、バルブヘッドの移動を妨げる流体の力を開口部が低下させる。そのため流体分配バルブは、よりエネルギー効率が高く、高速でもある。さらに、バルブヘッドの開口部は、第3流体ポートおよび/または第1流体ポートからの圧力を、閉位置にある時にバルブヘッドの非密封側に印加する。こうして、バルブヘッドの密封側の密封密着性が向上する。しかし、少なくとも二つの小室を備える上述の設計では、バルブヘッドに開口部が設けられないことが好ましい。
【0022】
バルブヘッドの少なくとも一部が可逆的変形可能および/または弾性であるように流体分配バルブを設計することも可能である。このような設計を用いると、流体分配バルブの密封密着性が向上して好都合である。また、可逆的変形可能および/または弾性のバルブヘッドを用いると、公差(バルブヘッドの流体開口部の位置、および/またはバルブヘッドの装着位置の公差など)の補正が容易に行われ、特にリーク防止性の流体分配バルブが結果的に得られる。そのため、提案される設計は、特に効率的な流体分配バルブにつながる。
【0023】
バルブヘッドの可逆的変形可能および/または弾性の部分が、少なくとも部分的にバルブヘッドの周方向に配設されることが好ましい。この周方向領域では、バルブヘッドが若干傾斜するだけで、流体開口部とその対応密封面との間には相対的に大きな間隙が生じる。こうして、比較的広いリーク開口部が結果的に得られる。そのため、提案される周方向配設の可逆的変形可能および/または弾性の部分は、最も大きな流体リークの危険性の一つに有効に対処できる。そのため、より効率的なリーク防止性の流体分配バルブが設けられる。
【0024】
少なくとも第1流体ポートおよび/または第2流体ポートおよび/または第3流体ポート、好ましくは第1流体ポートおよび/または第3流体ポートが、軸方向に配設された少なくとも一つの分配室への出入ポートを含む場合には、別の設計を実現できる。このような設計を用いると、特に広い流体流断面積を持つように個々の流体ポートが設計される。すなわち、個々の流体ポートを分配室と(本質的に)同じ広さになるように設計することさえ可能なのである。提案される設計では、流体分配バルブを流れる流体にさらに圧力低下が見られる流体分配バルブが結果的に得られる。そのため、流体分配バルブは特に効率的でエネルギー節約型である。
【0025】
また、少なくとも第1流体ポートおよび/または第2流体ポートおよび/または第3流体ポート、好ましくは第1流体ポートおよび/または第2流体ポートが、少なくとも一つの出入ポート、好ましくは複数の出入ポート、より好ましくは径方向に配設された複数の分配室への出入ポート、および/または少なくとも一つの広角出入ポート、好ましくは少なくとも一つの広角で径方向に配設された分配室への出入ポートを含むように、流体分配バルブを設計することが可能である。すなわち、径方向配設出入ポートは、広角の第3流体ポート(ポンピング室の流体ポート)と同心であってこれを囲繞するように配設されるのである。このような設計を用いると、個々の流体ポートの全体的流体流断面積をさらに増大させることが可能である。ゆえに、流体流の結果生じる圧力損失をさらに減少させることで流体分配バルブの性能を向上させることが可能である。広角出入ポートとは、スリット形状の出入ポートおよび/または広角区分に及ぶ出入ポートであることが理解できるだろう。広角区分は、5°、10°、15°、20°、25°、30°、40°、45°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、110°、120°、150°、180°、210°、240°、270°、300°、および/または330°より大きい。
【0026】
また、流体分配バルブのための少なくとも一つのバルブアクチュエータを使用することが可能であり、バルブアクチュエータは少なくとも部分的に電磁バルブアクチュエータとして設計されることが好ましい。このようなバルブアクチュエータを使用すると、流体分配バルブの位置、ゆえに結果的に得られる流体流パターンが、外部印加の制御信号によって制御される。制御信号は電子制御ユニットからのものである。通常、電子制御ユニットは、電磁バルブアクチュエータの制御に容易に使用できる電気出力信号を容易に発生させる。さらに、電磁バルブアクチュエータは通常は非常に高速で、普通は、制御信号の印加とアクチュエータの移動との間にわずかな遅延(または少なくとも再現可能な遅延)しか見られない。
【0027】
分配室のすぐ近くに、または分配室の中にバルブアクチュエータを配置することが可能である。こうして、必要な接続部品、例えばバルブヘッドからバルブアクチュエータまで延在するバルブステムが最少となる。接続部分は通常、可動アセンブリの重量を増し、そのためバルブヘッドの動きを減速するため、これは流体分配バルブの動作速度を高める。開口部を含むバルブアクチュエータの事例では特に、バルブヘッドの非密封側にバルブアクチュエータが配置されることが好ましい。
【0028】
バルブアクチュエータ、特にバルブアクチュエータの作動ユニットが、分配室および/または第1流体ポートおよび/または第2流体ポートおよび/または第3流体ポートから流体分離される場合には、流体分配バルブの好適な実施形態が実現される。こうして、バルブアクチュエータと流体分配バルブを流れる流体とは、必ずしも相互に干渉しない。そのため、バルブアクチュエータの部品および/またはバルブアクチュエータへの接続部は、流体との適合性を持たない材料で製作されることが可能である。さらに、バルブアクチュエータの部品および/または接続部に対して移動流体は必ずしも動的外力を印加しない。さらに、アクチュエータ信号の影響を受けてバルブアクチュエータにより発生される熱は、切換バルブを流れる流体を加熱しない。こうして、提案される流体分配バルブの適用範囲が、より一層向上する。さらに、分離を提案することにより、個々の構成要素が固有の目的に合わせて最適化される。この結果、より良好な流体分配バルブが得られる。
【0029】
少なくとも一つの追加バルブ、特に少なくとも一つの追加ポペットバルブを流体分配バルブに設けることが可能であり、第1、第2、および/または第3流体ポートのうち少なくとも一つ、より好ましくは第1流体ポートに流体接続された流体通路に追加バルブが配設されることが好ましい。このような設計を用いると、流体分配バルブの機能性がさらに向上する。ある実施形態によれば、流体分配バルブの分配室から比較的長い距離に一つ(またはいくつか)の追加バルブを配設することが可能であることに注意すべきである。こうして、広い範囲の有用タイプの追加バルブが使用される。また、個々の追加バルブの大きさを容易に大きくすることが可能である。流体分配バルブの分配室の付近に追加バルブ(の一部)を配設することも可能であることは言うまでもない。流体分配バルブの分配室に近接した位置に追加バルブを配設することも可能である。
【0030】
液体のための分配バルブとして、好ましくは油のための分配バルブとして、より好ましくは作動油のための分配バルブとして設計および構成された場合に、流体分配バルブの別の好適な実施形態が実現される。こうして流体分配バルブは、例えば液圧ポンプのためのバルブとして使用される。提案される流体分配バルブについて上述した特徴および長所のため、このような使用は特に有益である。詳しくは液体、より詳しくは(作動)油のような比較的高粘度の液体では、この油のために用意される流体流断面積が充分に広くない場合には、比較的高い流体抵抗が見られる。しかしこれは、結果的に得られる流体作動機械の低効率につながる。
【0031】
さらに、ピストンと協働するための中空シリンダを含むポンピングシリンダ構成が提案され、前の説明による少なくとも一つの流体分配バルブが使用される。この流体分配バルブは、中空シリンダの上部に配設されることが好ましい。すなわち、中空シリンダの上部に流体分配バルブが軸方向に配設されるのである。提案される流体分配バルブについてすでに言及した特徴および長所は、ポンピングシリンダ構成との接続に使用するのに特に適している。すなわち、流体分配バルブの流体ポートのうち一つまたはいくつかの流体流断面積を、既存の流体バルブと比較して増大させることが可能である。
【0032】
特に、流体分配バルブの第3流体ポートが中空シリンダと流体接続されるようにポンピングシリンダ構成を設計することが好ましい。この事例では、周期的に変化するポンピング室の容積を、第1流体ポート(それ自体は低圧流体マニホルドに接続される)および/または第2流体ポート(それ自体は例えば高圧流体ポートに接続される)のいずれかと択一的に接続することが可能である。こうして、ポンピングシリンダ構成の押し動作および/または引き動作が容易に行われる。第1流体ポートおよび/または第2流体ポートがポペットバルブのような追加バルブに接続されることが可能であることを思い出すべきである。
【0033】
さらに、上述のタイプの少なくとも一つの流体分配バルブおよび/または上述のタイプによる少なくとも一つのポンピングシリンダ構成を流体作動機械に設けることが提案される。こうすることで結果的に得られる流体作動機械は、上述した流体分配バルブおよび/またはポンピングシリンダ構成の持つ上述の特徴および長所を同じように示す。
【0034】
すなわち、少なくとも部分的に液圧工作機械として、好ましくは統合転流式(synthetically commutated)液圧機械として流体作動機械を設計することが提案される。上述した流体分配バルブおよび/またはポンピングシリンダ構成の主要な特徴は、この目的に特に良く適している。統合転流式流体作動機械は、デジタル容積形ポンプとしても知られている。これらは、可変容積形流体作動機械の部分集合に当たる。統合転流式液圧機械の流体導入バルブおよび/または流体導出バルブは、ポンピング室容積の膨張および/または収縮段階で電子制御装置により供給される作動信号により開閉される。
【発明の効果】
【0035】
少なくとも一つ、好ましくはすべての流体分配バルブのうち少なくとも一つの第2流体ポートは、流体作動機械の内部に直接接続されることが好ましい。例を挙げると、流体作動機械のクランクケースに接続が行われてもよい。流体作動機械のクランクケースは一般的に、流体作動機械の流体容器など、低圧流体源に接続されている。これは通常、リークによりポンピングシリンダから流体容器に戻る流体を回収するために行われる。普通は、第2流体ポートをクランクケースに接続すると、先行技術と比較して、第2流体ポートへの余分な接続が特別には必要ないという長所が見られる。この特別で余分な接続は、これまでは必要とされ、通常は流体作動機械を複雑にする部品数を増加させるものであった。言うまでもないが、流体作動機械の内部(クランクケース)とは別の低圧流体源へ第2流体ポートを接続することも可能であり、流体作動機械の内部は低圧流体源よりも若干低い圧力である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1位置における流体分配バルブの第一実施形態の概略断面図である。
【図2】第2位置における流体分配バルブの第一実施形態の概略断面図である。
【図3】流体分配バルブの第一実施形態の破断面の斜視図である。
【図4】流体分配バルブのバルブヘッドについて考えられる実施形態の概略図である。
【図5】流体分配バルブを用いた統合転流式液圧ポンプについて考えられる実施形態の概略図である。
【図6】第1位置における流体分配バルブの第二実施形態の概略断面図である。
【図7】第2位置における流体分配バルブの第二実施形態の概略断面図である。
【図8】異なる破断面を用いた流体分配バルブの第二実施形態の別の概略断面図である。
【図9】第1位置における流体分配バルブの第三実施形態の概略断面図である。
【図10】第2位置における流体分配バルブの第三実施形態の概略断面図である。
【図11】第1位置における流体分配バルブの第四実施形態の概略断面図である。
【図12】第2位置における流体分配バルブの第四実施形態の概略断面図である。
【図13】第1位置における流体分配バルブの第五実施形態の概略断面図である。
【図14】第2位置における流体分配バルブの第五実施形態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明およびその長所は、次のものを示す添付の図を参照して行われる以下の本発明の実施形態を見ると一層明らかになるだろう。
【0038】
図1には、流体分配バルブ1の第一実施形態の概略断面図が示されている。流体分配バルブ1は、流体分配バルブ1の内側中央に配置された分配室5を含む。図の実施形態では、三つの流体ポート2,3,4が分配室5に接続されている。第1流体ポート2、第2流体ポート3、第3流体ポート。第3流体ポート4は、切換流体ポート4として効果的に機能する。第1流体ポート2および第2流体ポート3の流体断面積合計を増大させるため、本実施形態では各々が複数の小さな出入ポートを含む。
【0039】
電気コイル10を分配室5の中の流体から流体隔離するため、圧力隔壁35が設けられている。この設計により、流体分配バルブ1の製造が先行技術のものよりかなり簡単になる。さらに、結果的に得られる流体分配バルブ1は、より高い信頼性を持つ。電気コイル10と分配室5との間に位置する圧力隔壁35の部分(または少なくともその一部)は、鋼など丈夫な磁化材料で製作される。しかし、バルブステム11の通路12の壁を画定する圧力隔壁35の部分は、(丈夫であることが好ましいが)非磁化材料で製作されることが好ましい。
【0040】
第2流体ポート3と切換流体ポート4とはともに、バルブディスク6の同じ側に配置されるが、バルブアクチュエータ13は反対側に配置される。第2流体ポート3は切換流体ポート4を囲繞する、および/またはこれと同心であり、一般的に60°、72°、90°または120°のステップで回転対称である。第1流体ポート2はバルブディスク6の一方の側に配置される。ここに描かれている例では、第1流体ポート2は、バルブディスク6の他方の側に、第2流体ポート3および切換流体ポート4とは反対側に配設されている。
【0041】
流体分配バルブ1が統合転流式液圧ポンプ8(図5を参照)とともに使用される場合には、第1流体ポート2は高圧チェックバルブ22を通して高圧流体マニホルド23に接続され、第2流体ポート3は低圧流体容器20に接続され、切換流体ポート4は統合転流式液圧ポンプ8のポンピング室9の一つに接続される。
【0042】
分配室5の中には、プレート状のバルブディスク6が配設されている。バルブディスク6は、装着点14でバルブステム11に装着されている。バルブステム11は、流体分配バルブ1のバルブアクチュエータ13の部分の中に設けられた通路12の中で矢印Aの方向に運動する。バルブステム11の運動は、バルブアクチュエータ13によって開始される。この目的のため、バルブアクチュエータ13は、電気コイル10により発生される磁力を用いる。バルブステム11の運動Aは、分配室5の中でのバルブディスク6の上下運動に変換される。電気コイル10と分配室5との間に位置する圧力隔壁35の部分が磁化材料で製作される事例では、電気コイル10により発生される磁束を案内する、および/または増加させるのに圧力隔壁35が用いられる。しかし、バルブステム11のための通路12の壁を形成する圧力隔壁35の部分は、電気コイル10の磁界の直接的リークを回避するため非磁化材料で製作されるべきである。
【0043】
図1には、流体分配バルブ1(つまりバルブディスク6)が下方位置で描かれている。この位置では、切換流体ポート4(統合転流式液圧ポンプ8のポンピング室9など)と第1流体ポート2(統合転流式液圧ポンプ8の高圧流体マニホルド23など)との間の流体接続が確立される。統合転流式液圧ポンプ8に切換バルブ1が使用される時には、切換バルブ1のこの下方位置は、押し行程(または引き行程)におけるバルブ位置に対応する。押し行程中に、第2流体ポート3から低圧マニホルド20への接続を閉じる(図5と比較)と、分配室5と切換ポート4で流体分配バルブ1に接続されたポンピング室9とにおいて圧力の上昇が発生する。バルブディスクの複数の開口部7は、バルブディスク6の全体に圧力を多かれ少なかれ均等に印加させて、より密着状態でこれを密封し、第2流体ポート3からの流体のリークを防止する。複数の開口部7は切換流体ポート4と整合されている。流体は、収縮したポンピング室9から第1流体ポート2を介してポンプ8の高圧流体マニホルド23へ排出される。これは図1に矢印Bで表されている。図1に見られるように、この目的のためバルブディスク6に設けられた複数の開口部7に流体が流れる。また、バルブアクチュエータ13の影響を受けてバルブディスク6が移動すると、バルブディスク6の開口部7がバルブディスク6の流体抵抗を低下させる。
【0044】
下方位置においてバルブディスク6は、密封面36と接触することによって第2流体ポート3を密封する。密封面36は、切換ポート4の周囲に同心に配設された二つの同心リングの形で設けられる。付加的または択一的に、第2流体ポート3の個々の開口部の周囲に密封面36が個別に設けられてもよい。これは、第2流体ポート3の開口部の各々の周縁部36と接触することによって行われる。第2流体ポート3とバルブディスク6との間の接触は、すべての密封面36において同時に行われる必要はない。むしろ、分配室5の流体により圧力が印加されるとバルブディスク6は弾性変形可能であるため、最初に第1面と当接してから弾性変形して別の面と当接することにより、すべての密封面36にシールを形成する。バルブアクチュエータ13の軸を中心とする、ここに描かれたバルブディスク6の対称設計は、バルブアクチュエータ13からの力と分配室5の圧力上昇の両方により、第2流体ポート3への閉鎖および密封力の均一な分散を保証する。
【0045】
図2には、流体分配バルブ1のバルブディスク6が分配室5の中の上方位置にある別の位置において、図1に示された流体分配バルブ1が描かれている。この位置では、第2流体ポート3(つまり統合転流式液圧ポンプ8の低圧流体容器20)と切換流体ポート4(つまり統合転流式液圧ポンプ8のポンピング室9)との間に、流体経路Cが確立される。これは矢印Cで表されている。統合転流式液圧ポンプ8と関連して切換バルブ1が使用される時、これは、膨張ポンピング室9へ液圧流体が吸引されるポンプ8の吸気行程(または引きモードで作動流体が低圧マニホルド20から押し出される排気行程、または統合転流式液圧ポンプ8のアイドリングモードの排気行程)位置に対応する。図1および図2に示された流体分配バルブ1の実施形態については、図2に示された吸気サイクル中の第1流体ポート2の閉鎖は、バルブディスク6そのものによって実施されるわけではない。図2から分かるように、第1流体ポート2と分配室5とを接続する間隙が、バルブディスク6と開口部との間にまだ残っている。むしろ、ポンプ8の高圧流体マニホルド23へ第1流体ポート2を接続する流体導出通路24に配設された受動的なボールタイプのチェックバルブ22によって、閉鎖が実施される(流体抵抗をさらに低下させるには、複数の受動的ボールタイプチェックバルブ22を使用することも可能である)。そのため、ポンプ8の本体にチェックバルブ22が配設されている。言うまでもないが、流体分配バルブ1そのもの(例えば第1流体ポート2の通路部分に)にチェックバルブ22を設けること、および/またはバルブディスク6が上方位置にある時にバルブディスク6と第1流体ポート2との間に密着密封が確立されるように流体分配バルブ1を設計することも可能であろう。
【0046】
バルブディスク6のさらに詳細が、図3および図4に見られる。図3は、流体分配バルブ1の破断面の斜視図であって、図4は切換バルブ1のバルブディスク6を底面図で示す。図から分かるように、ここに描かれたバルブディスク6の実施形態は、バルブディスク6の装着点14の周囲に対称的に離間しているいくつかの円形孔で構成される複数の開口部7を含む。複数の長形スロットとしてなど、開口部7を異なる形で設計することも可能であることは言うまでもない。
【0047】
さらに、ここに描かれたバルブディスク6は複数の延長部15を外側エッジに含むことが分かる。延長部15は、外部から印加される力の影響を受けて可逆的に変形する弾性材料で製作される。分配室5の中の下方位置にバルブディスク6が接近すると、延長部15はウェブ16と接触する(図1,3を参照)。ウェブ16は、切換バルブ1の分配室5の中に周方向に配設されている。延長部15は本質的に二つの目的を果たす。バルブディスク6が下方位置に達すると、延長部15がウェブ16と接触して変形するため、バルブディスク6を減速させる。そのため、第2流体ポート3の開口部と接触する時のバルブディスク6の表面の衝撃力が低下する。こうして、衝撃によって発生する関連の部品の磨耗および騒音が軽減される。さらに、バルブアクチュエータ13により下方位置(図1,3)から上方位置(図2)へバルブディスク16が移動する時には、変形した延長部15が、最初の移動段階中にバルブディスク6を加速させるのに役立つ。そのため、切換バルブ1の動作が高速となり、電気コイル10を駆動するための電気エネルギー消費量が減少する。延長部15は、第2流体ポート3から分配室5へ、そして切換ポート4への追加流体経路も設ける。そのため、バルブディスク6の密封面部分36の両側に流体が流れて、流面積を増大させるとともに、第2流体ポート3と切換ポート4との間を流体が流れる時のエネルギー損失を減少させる。延長部15を流れる流体は、切換ポート4へ、または切換ポート4からの途中に、バルブディスク6の複数の開口部7を通過する。
【0048】
さらに、特に図4には、第2流体ポート3の開口部とバルブディスク6との間の接触エリアが見られる。図4では、第2流体ポート3の開口部が点線で描かれている。
【0049】
図5において、上述した流体分配バルブ1の実施形態を用いた統合転流式液圧ポンプ8について考えられる実施形態が、概略図で示されている。統合転流式液圧ポンプ8は三つのシリンダ21を含み、各シリンダ21は流体分配バルブ1を備えている。シリンダ21は、(矢印Dで表されている)前後運動をピストン17が行うポンピング室9を有する。ピストン17の運動により、ポンピング室9の容積は変化する。回転軸19に偏心状態で装着されたカムディスク18によって、ピストン17の運動が開始される。ピストン17の後方運動は、例えばばね(不図示)により実施される。
【0050】
シリンダ21の吸気段階では、個々のピストン17がポンピング室9から出て、ポンピング室9の容積を増大させる。流体分配バルブ1のバルブディスク6は、上方位置へ移動する(図2を参照)。そのため、流体分配バルブ1の第2流体ポートと分配室5と切換ポート4とを介して、ポンピング室9が低圧流体容器20に流体接続される。
【0051】
ピストン17が下死点に達すると、バルブディスク6の位置が下方位置に変化する(図1,図3)。こうして、ポンピング室9と低圧流体容器20との間の流体接続が遮断される。ピストン17がポンピング室9へ入ると、ポンピング室9の内側に含まれる流体が加圧される。そのため、何らかの点で、高圧ライン24に配置されて、切換流体ポート4と分配室5と第1流体ポート2とチェックバルブ22とを介して統合転流式液圧ポンプ8の高圧流体マニホルド23にポンピング室9を接続するチェックバルブ22が最終的に開く。そのため、シリンダ21の収縮サイクル中に、液圧流体が高圧流体マニホルド23へ供給される。最後に、ピストン17が上死点に達すると、切換バルブ1のバルブディスク6の位置が再び変化する。
【0052】
統合転流式液圧ポンプ8の運転サイクルについての上記の説明によれば、いわゆる完全行程ポンピングサイクルが実施される。しかし、シリンダ21の収縮サイクル中に下死点と上死点との間の中間位置にピストン17が達した時に、流体分配バルブ1のバルブディスク6の位置を変化させることにより部分行程ポンピングサイクルを実行することも可能である。シリンダ21のポンピングサイクル全体にわたって流体分配バルブ1を開位置に保持する(つまり、第2流体ポート3への流体接続が開かれたままで、液圧流体が低圧容器20に出入するように供給される。)ことも可能である。この時、統合転流式液圧ポンプ8によって有効なポンピングは全く実施されない。
【0053】
ここに説明する流体分配バルブ1,25,29,37,43のすべてが、ここに説明する統合転流式液圧ポンプ8とともに使用可能であることを理解しなければならないのは言うまでもない。ここに説明する流体分配バルブ1,25,29,37,43の変形がこの目的に使用されることも可能である。しかし、統合転流式液圧ポンプ8での使用は必ずしも、ここに説明する流体分配バルブ1,25,29,37,43の唯一の用途ではない。
【0054】
図6、図7、図8には、流体分配バルブ25について考えられる第二実施形態が描かれている。図6は、切換流体ポート4が第1流体ポート2に流体接続されている(矢印E。図1に対応。)位置における流体分配バルブ25を示している。図7および図8は、第2流体ポート3が切換流体ポート4と流体接続されている(矢印F。図2に対応。)位置における流体分配バルブ25を示す。流体分配バルブ25の設計は、図1,2,3に描かれている流体分配バルブ1の設計と極めて似ている。そのため、類似の部品には同じ参照番号が使用される。
【0055】
図6,7,8の流体分配バルブ25と図1から3に描かれた流体分配バルブ1との間の主な相違の一つは、バルブヘッド26に開口部が設けられない設計をバルブヘッド26が有することである。(図1から3に示された切換バルブ1と同じように)切換流体ポート4の反対側に第1流体ポート2を配設し、切換流体ポート4の近くに第2流体ポート3を配設することが望ましい場合には、開口部のないこのバルブヘッド26の設計では、第2流体ポート3の流体通路28が第1流体ポート2の流体通路27を「通過する」ように、流体分配バルブ1の内側に流体通路27,28を内部配設する必要がある。これは、流体分配バルブ25の周方向に見た時に、第1流体ポート2に接続された第1流体通路27と第2流体ポート3に接続された第2流体通路28とが径方向に交互に設けられる互い違い構成によって行われる。幾何学的な状況を説明するため、図8は、図6および図7の断面と比較して22.5°回転した面における図6および図7の流体分配バルブ25の断面を示す。
【0056】
流体分配バルブ29について考えられるさらに別の実施形態が、図9および10に示されている。図9は、第1流体ポート2が切換流体ポート4に流体接続されている位置(図1および図6に示された状況に対応)における流体分配バルブ29を示すのに対して、図10は、第2流体ポート3が切換流体ポート4に流体接続されている状況(図1および図7に示された状況に対応)を示す。
【0057】
図9および10に示された流体分配バルブ29の実施形態では、分配室5と第1流体ポート2とを流体接続する内部通路31をバルブ部材30が備える。この実施形態では、ばね付勢チェックバルブ22が、流体分配バルブ29に一体化されている。言うまでもないが、統合転流式液圧ポンプ8の本体の内側に設けられた高圧ライン24にチェックバルブ32を配設する(図5を参照)ことも可能である。図9および10から気づくように、バルブ部材30のバルブヘッド33には、(バルブヘッド33の中央に設けられた内部通路31の他には)開口部7が見られない。
【0058】
他の点では、図9および図10に示された流体分配バルブ29は、上述した流体分配バルブの実施形態1(図1から3)および25(図6から8)とかなり似ている。そのため、類似の構成要素には同じ参照番号が付けられている。
【0059】
最先端技術で周知の流体分配バルブに対する、ここに提案する流体分配バルブ1,25,29の主な長所は、第1流体ポート2が切換流体ポート4の反対にあって第2流体ポート3が切換流体ポート4に隣接しているという、ここに説明する構成が、統合転流式液圧ポンプ8の内側34に、特に、回転カム18と回転軸19とピストン17のために設けられなければならないポンプ8内部の内部空洞34に、低圧流体容器20が容易に接続されるという長所を持つことである。この内部空洞34には、液圧流体が容易に充填される。これは、液圧流体が潤滑目的にも使用されるという付加的長所も持っている。さらに、移動ピストン17とシリンダ21のポンピング室9との間からのリークは、統合転流式液圧ポンプ8の内側の内部空洞34の低圧流体容器20へ流入する。さらに、分配室5と、統合転流式液圧ポンプ8のポンピング室9、つまり切換流体ポート4との間の流体接続は、特に広い流体流断面を持つように設計される。シリンダ21のポンピング室9と本質的に同じ流体流断面を持つように、切換流体ポート4を設計することも可能である。
【0060】
図11および12には、流体分配バルブ37について考えられるさらに別の実施形態が示されている。図11は、すべての流体ポート2,3,4(つまり第1流体ポート2、第2流体ポート3、切換流体ポート4)が相互に流体接続されている第1位置における流体分配バルブ37を示す。図12では、第1流体ポート2と切換流体ポート4のみがバルブディスク6の開口部7を通して流体接続され、バルブディスク6と第2流体ポート3の密封面36との嵌合により第2流体ポート3が閉じられた第2位置における流体分配バルブ37が示されている。
【0061】
特に図11に見られるように、第2流体ポート3は、流体分配バルブ37の分配室5への複数の径方向配設円形出入孔を含む。さらに、第2流体ポート3の「流入面」は、流体分配バルブ37の軸方向に垂直に配設された面に対して角度αで傾斜している。示されているこの実施形態では、この傾斜角度αは30°となるように選択される。しかし、異なる角度も同じく可能である。例を挙げると、5°、10°、15°、20°、25°、35°、40°、45°、50°、55°、60°の角度αが選択されてもよい。結果的に、バルブディスク6の径方向外側部38には、第2流体ポート3に面する適切な傾斜の表面が見られる。
【0062】
第2流体ポート3の流入面が持つ角度αの傾斜構成は、結果として得られる流体流パターンに関する長所を持つ。すなわち、第2流体ポート3から切換流体ポート4への流体流が、発生する流体流損失が少なくなるように改良されることが多いのである。
【0063】
ここに示された流体分配バルブ37の別の詳細は、高圧流体マニホルド23を流体分配バルブ37の分配室5に対して密封するチェックバルブ22が流体分配バルブ37のボデーの中に一体化されることである。こうして、本質的にすべての移動部品が流体流の案内に関わり、流体流の制御が流体分配バルブユニット37そのものに委ねられる、予備組立式の流体分配バルブユニット37を用意することが可能である。こうして、結果的に得られる統合転流式液圧ポンプ8の簡単な組立が実現される。さらに、流体分配バルブユニット37を交換することにより、1回の作業段階ですべてのバルブ6,22が簡単に取り外される。取り外された流体分配バルブ37は、例えば機械工場または流体分配バルブ37の製造元で、統合転流式液圧ポンプ8と関係なく再加工される。
【0064】
図11および12に見られる別の詳細は、二つの電気コイル39,40に加えて永久磁石41を含む磁気アクチュエータである。永久磁石41は、図11に示された係止位置にバルブステム11を保持するのに使用される。そのため、流体分配バルブ37を上方(係止)位置に保持するのに電流は必要ない。バルブステム11を上方位置(図11)から下方位置(図12)へ移動させるには、解除コイル39と作動コイル40の両方が操作される。解除コイル39により発生する磁界は、永久磁石41の磁界を解除するのに使用される。作動コイル40は、流体分配バルブ37のボデーとバルブステム11とを流れる磁界を発生させる。作動コア40により発生される磁界は、傾斜間隙42を横切っている。ここで、流体分配バルブ37のボデーとバルブステム11との間の引力が作動コイル40の磁界により発生されて、バルブステム11をバルブディスク6とともに、図12に示された下方位置へ移動させる。
【0065】
図13および14には、流体分配バルブ43について考えられるまた別の実施形態が示されている。図13には、第2流体ポート3が分配室5と流体接続された第1位置における流体分配バルブ43が示されているのに対して、図14には、密封面36での第2流体ポート3とバルブディスク6との間の接触により第2流体ポート3が分配室5から密封される第2位置における流体分配バルブ43が示されている。
【0066】
図11および12に示された流体分配バルブ37の例と同じように、第2流体ポート3の「流入面」は、流体分配バルブ43の軸方向に垂直に位置する面に対して角度αで配設されている。図11および12に示された例と異なり、バルブステム11を移動させるのに単一の電気コイル10のみが使用される。ゆえに、この特徴は、図1から3、図6から10に示された流体分配バルブ1,25,29の実施形態と類似している。
【0067】
図13および14に示されているように、流体分配バルブ43の別の詳細は、下方支承手段44である。ここでバルブステム11には、案内ディスク47の穴46の中に置かれるピン状延長部45が見られる。ピン状延長部45は、案内ディスク47の穴46において軸方向に移動できる。案内ディスク47には、径方向に設けられた開口部が見られるように、流体は案内ディスク47を流通できる。
【0068】
第1流体ポート2は、切換流体ポート4の付近に配設されている。第1流体ポート2と第2流体ポート3の両方は、分配室5への複数の円形出入ポートとして設計されている。第1流体ポート2および第2流体ポート3の流体通路は径方向に交互に設けられているため、すでに説明したように互いに通過するようになっている。
【符号の説明】
【0069】
1…流体分配バルブ、2…第1流体ポート、3…第2流体ポート、4…第3流体ポート=切換流体ポート、5…分配室、6…バルブディスク、7…開口部、8…統合転流式液圧ポンプ、9…ポンピング室、10…電気コイル、11…バルブステム、12…通路、13…バルブアクチュエータ、14…装着点、15…延長部、16…ウェブ、17…ピストン、18…カムディスク、19…回転軸、20…流体容器、21…シリンダ、22…チェックバルブ、23…高圧流体マニホルド、24…高圧流体ライン、25…流体分配バルブ、26…バルブヘッド、27…(第1流体ポート2の)第1流体通路、28…(第2流体ポートの)流体通路、29…流体分配バルブ、30…バルブ部材、31…内部通路、32…チェックバルブ、33…バルブヘッド、34…内部空洞、35…圧力隔壁、36…密封面、37…流体分配バルブ、38…外側部、39…解除コイル、40…作動コイル、41…永久磁石、42…間隙、43…流体分配バルブ、44…支承部、45…ピン状延長部、46…穴、47…案内ディスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体分配室(5)に接続された第1流体ポート(2)と第2流体ポート(3)および第3流体ポート(4)を少なくとも含み、前記第2流体ポート(3)が、前記第1流体ポート(2)および/または前記第3流体ポート(4)に前記分配室(5)を通して選択的に接続される流体分配バルブ(1,25,29,37,43)において、
前記第2流体ポート(3)が、前記第1流体ポート(2)と前記第3流体ポート(4)との間に配設される
ことを特徴とする流体分配バルブ。
【請求項2】
前記流体分配バルブ(1,25,29,37,43)の現在状態とは本質的に無関係に、前記流体ポート(2,3,4)の少なくとも一つ、特に前記第1流体ポート(2)および/または前記第3流体ポート(4)が、前記分配室(5)に流体接続されることを特徴とする、請求項1に記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項3】
少なくとも一つのバルブヘッド(6,26,31)が、前記分配室(5)に移動可能に配設されること
を特徴とする、請求項1または2に記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項4】
前記バルブヘッド(6,26,31)の少なくとも一つ、好ましくは前記バルブヘッド(6,26,31)のすべてが、本質的に単体ユニットとされている
ことを特徴とする、請求項3に記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項5】
前記分配室が、相互に区別可能な少なくとも二つの小室(5,28)が設けられるようにされている、ことを特徴とする、請求項3または4に記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項6】
前記バルブヘッド(6,26,31)が、径方向延在形状である、特にプレート状であることを特徴とする、請求項3乃至5のいずれかに記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項7】
前記バルブヘッド(6,26,31)が、少なくとも一つの開口部(7,31)、好ましくは複数の開口部(7,31)を含むことを特徴とする、請求項3乃至6のいずれかに記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項8】
前記バルブヘッド(6,26,31)が、少なくとも部分的に可逆的変形可能である、および/または弾性である(15)ことを特徴とする、請求項3乃至7のいずれかに記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項9】
前記バルブヘッド(6,26,31)の前記可逆的変形可能および/または弾性の部分(15)が、少なくとも部分的に前記バルブヘッド(6,26,31)の周方向に配設されることを特徴とする、請求項8に記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項10】
少なくとも前記第1流体ポート(2)および/または前記第2流体ポート(3)および/または前記第3流体ポート(4)、好ましくは前記第1流体ポート(2)および/または前記第3流体ポート(4)が、軸方向に配設された前記分配室(5)への少なくとも一つの出入ポートを含むことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項11】
少なくとも前記第1流体ポート(2)および/または前記第2流体ポート(3)および/または前記第3流体ポート(4)、好ましくは前記第1流体ポート(2)および/または前記第2流体ポート(3)が、少なくとも一つの出入ポート、好ましくは複数の出入ポート、より好ましくは径方向に配設された前記分配室への複数の出入ポート、および/または少なくとも一つの広角出入ポート、好ましくは径方向に配設された前記分配室(5)への少なくとも一つの広角出入ポートを含むことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項12】
少なくとも一つのバルブアクチュエータ(13)を特徴とし、好ましくは、少なくとも部分的に電磁バルブアクチュエータ(10)として前記バルブアクチュエータ(13)が設計される、請求項1乃至11のいずれかに記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項13】
前記バルブアクチュエータ(13)、特に前記バルブアクチュエータの作動ユニット(10)が、前記分配室(5)および/または前記第1流体ポート(2)および/または前記第2流体ポート(3)および/または前記第3流体ポート(4)から流体分離されることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項14】
少なくとも一つの追加バルブ(22,32)、特に少なくとも一つの追加ポペットバルブを特徴とし、前記第1、第2および/または第3流体ポート(2,3,4)、より好ましくは前記第1流体ポート(2)の少なくとも1つに流体接続された流体通路(24,27,28)に前記追加バルブ(22,32)が配設されることが好ましい、請求項1乃至13のいずれかに記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項15】
液体のための分配バルブとして、好ましくは油のための分配バルブとして、より好ましくは作動油のための分配バルブとして設計および配設されることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれかに記載の流体分配バルブ(1,25,29,37,43)。
【請求項16】
ピストン(17)と協働するための中空シリンダ(9)を含み、請求項1乃至15のいずれかに記載の少なくとも一つの流体分配バルブ(1,25,29,37,43)を特徴とし、前記流体分配バルブ(1,25,29,37,43)が好ましくは前記中空シリンダ(9)の上部に配設される、ポンピングシリンダ構成(21)。
【請求項17】
前記流体分配バルブ(1,25,29,37,43)の前記第3流体ポート(4)が前記中空シリンダ(9)に流体接続されることを特徴とする、請求項16に記載のポンピングシリンダ構成(21)。
【請求項18】
請求項1乃至15のいずれかに記載の少なくとも一つの流体分配バルブ(1,25,29,37,43)、および/または、請求項16または17に記載の少なくとも一つのポンピングシリンダ構成(21)を含むことを特徴とする、流体作動機械(8)。
【請求項19】
液圧工作機械として、好ましくは統合転流式液圧機械として前記流体作動機械(8)が少なくとも部分的に設計されることを特徴とする、請求項17に記載の流体作動機械(8)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2012−509445(P2012−509445A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536739(P2011−536739)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【国際出願番号】PCT/DK2009/000240
【国際公開番号】WO2010/057494
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(303042925)ザウアー−ダンフォス・エイピイエス (8)
【出願人】(510277947)アルテミス・インテリジェント・パワー・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】