説明

流体動圧式スラスト滑り軸受けおよびその作動方法

本発明は、特に、互いに相対的に調整可能な2つのアセンブリを持つ油圧式発電機などの電気機械用の、高い負荷をかけることのできる流体動圧式スラスト滑り軸受け用軸受けセグメント(1)に関し、この場合一方のアセンブリが回転運動を行い、もう一方のアセンブリが少なくとも1つの、固定された台座に接続された軸受けセグメント(1)を備えており、作動状態において双方のアセンブリの互いに向かい合う摺動面の間に潤滑ギャップを形成する。スラスト滑り軸受けを改良するために、軸受けセグメント(1)は少なくとも1つの、潤滑ギャップの内側の相対的に圧力の高い領域および潤滑ギャップの内側の相対的に圧力の低い領域を互いに繋ぐ潤滑油用の調整流路(8)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に高い負荷を受ける用途に設計された、流体動圧式スラスト滑り軸受けに関する。このようなスラスト滑り軸受けは、特に油圧式発電機などの大型電気機械のシャフトを支持するのに用いられる。本発明は、さらにこのような種類の流体動圧式スラスト滑り軸受けの作動方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
油圧式発電機のような大型電気機械のシャフトを軸方向に軸受けするには、高い負荷に耐え得る流体動圧式スラスト滑り軸受けが、特に、それぞれのシャフトが立っている状態、すなわち垂直回転軸を有している場合に、軸方向の力を受けるのに使用される。互いに相対運動を行う軸受けセグメントは、作動中に負荷を耐えることのでき得る流体動圧による潤滑膜が形成される、互いに向かい合う平坦な摺動面を有する。潤滑膜の厚さは一連の因数、特にスラスト滑り軸受けの負荷によって異なる。スラスト滑り軸受けの内側では、固定された部品と回転する部品の間に存在する潤滑油の大きな剪断応力の結果、スラスト滑り軸受けが明らかに加熱され、これは通常、過度の加熱によってスラスト滑り軸受けが劣化することを防ぎ、スラスト滑り軸受けの機能を完全に信頼できる形で確保できるようにするために、内部または外部において潤滑油を冷却することが必要になる。
【0003】
大きな面を有する軸受けセグメントの場合、軸受けセグメント内側の摺動面直近の領域とそこから離れた位置になる領域との間の温度差が大きくなり、熱による歪みによってダメージが発生することがある。これは、当該の部品の全体的な耐負荷性能および耐用年数を低下させる。
【発明の開示】
【0004】
ここから、発明について開示する。本発明は、各請求項にも特徴が記載されているように、流体動圧式のスラスト滑り軸受け、またはその作動方法に対し、特に、同様の従来の滑り軸受けに対し、少なくとも作動安定性が均一に保たれる場合において、耐え得る負荷を増大させることのできるより良い実施形態を与えるという課題に取り組むものである。
【0005】
本発明によれば、この課題は独立請求項の対象によって解決され、有利な実施形態は従属請求項の対象である。
【0006】
本発明は、潤滑ギャップ内側において、相対的に潤滑油の圧力の高い領域では潤滑油の部分流を取り出し、これを潤滑ギャップの相対的に潤滑油の圧力が低い領域に戻すべきであるという一般的な考え方に基づくものである。
【0007】
本発明は、ここでは、スラスト滑り軸受けの作動中、潤滑ギャップ内側において、大きな圧力差が生じるという認識を利用する。従来のスラスト滑り軸受けの潤滑ギャップ内側における典型的な圧力の推移を、例として図6に引用して示す。潤滑ギャップの内側における最も圧力の高い領域、または最高圧力に近い圧力を示す領域には、本発明によれば、少なくとも1つのインレット開口部を、軸受けセグメント摺動面から距離を置いた領域を貫いて通り、または軸受けセグメントの内側を経由し、相対的に圧力の低い領域に少なくとも1つのアウトレット開口部を経由して潤滑ギャップに到る調整流路に設けられている。
圧力差があるために潤滑ギャップの圧力の高い領域から潤滑油の一部が調整流路内に流入することによって潤滑油の一部が循環する流れが生じ、潤滑ギャップ内の潤滑油の主要な流れの方向はこれとは逆の向きとなり、これによって、最終的に軸受けセグメントの圧力の低い領域で潤滑ギャップ内に再び流入し、そこにある潤滑油と合流する。
【0008】
本発明によってもたらされる利点は、実に多様である。潤滑油が、流れの下流に当たる圧力の高い領域から取り出され、流れの上流に当たる圧力の少ない領域に供給されることによって、潤滑油を取り出す領域の圧力レベルが減少し、潤滑油を供給する領域の圧力レベルが上昇する。その結果、スラスト滑り軸受けの各軸受けセグメントの潤滑ギャップ内側の圧力分布がより均質になる。システムは、自己調節を行う。優勢を占める圧力比にしたがって、流れの断面積ならびに潤滑油の粘度が、作動中自動的にバランスの取れた状態に調整される。そのため、追加の調整プロセスは必要ではない。
【0009】
驚くべきことに、さらに本発明による措置を講じることによって、潤滑ギャップが、本発明による措置を講じない同様のスラスト滑り軸受けとの比較において、拡大されることが判明した。このことから、スラスト滑り軸受けにさらに高い負荷をかけ得るという点とともに、さらに潤滑ギャップが大きいことによって作動安定性が増すという利点が生まれる。
【0010】
さらに、潤滑ギャップが拡大することによって、潤滑ギャップを流れる潤滑油の流量が増えることにつながる。これによって、新しい冷却された潤滑油の流入が増え、潤滑油そのものの温度が下がり熱負荷が軽減され、一方では摺動面の温度もまた下がる。
これによって、さらに各軸受けセグメントの熱負荷が軽減され、そのことによって、大きな面を有する軸受けセグメントの場合、本体温度の領域による差異が大きいことによる変形の危険もまた軽減される。さらに、少なくとも1つの調整流路において、各軸受けセグメントを貫いて流れる加熱された潤滑油が、各軸受けセグメントの内側での本体温度を均一化するのに貢献する。
【0011】
本発明のその他の重要な特徴および利点は、図を基にして従属請求項、図面、および添付の図の説明から明らかであることがわかる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の好ましい実施例が図面に記載されている。また、以降に記載されている説明に詳細が記載されており、同一の、または類似の、または機能的に等しい、または相互に対応するエレメントを同じ符号で表している。各図の内容は次の通りである:
【実施例】
【0013】
図1から5は、例えば油圧式発電機などのような垂直に設置された電気機械に使用することのできる、高い負荷をかけることの出来る、流体動圧式スラスト滑り軸受け(図示されていない)の支持セグメントまたは軸受けセグメントを示す。この場合、この機械のロータ(図示されていない)の回転軸にとの関係において、この軸受けセグメント1が複数、リング状に配置されるのは目的に叶っている。前述のロータは、スラスト滑り軸受けの軸受けセグメント1上で軸方向に自らを支持する。スラスト滑り軸受けの軸受けセグメント1は、自身もまた固定された台座上にあり、すなわち固定されている。スラスト滑り軸受けは、潤滑油の中に浸されている。機械の作動中、一方ではロータ、もう一方では軸受けセグメント1の連絡する接触面または摺動面の間に、潤滑油溜まりから、および/または高圧潤滑装置の流路から既知の方法で供給される、摩擦を軽減させる潤滑膜が形成される。例えば、ロータが図1に矢印で示された回転方向2に回転するとする。これによって、ロータの回転によって潤滑油が供給される固定された軸受けセグメント1に、前縁3および後縁4が生じる。前縁側では、各軸受けセグメント1は、図1で図を閲覧する者に向けて描かれているその摺動面5から面取りが施されている。それに該当する面取り位置を示す線は、図1では6で表されている。面取り部6によって、各軸受けセグメントの摺動面5とそれに対応するロータの摺動面との間に軸方向に形成される潤滑ギャップに潤滑油が入りやすくなる。
【0014】
各スラスト滑り軸受けは、これによって相対的に相互に調整可能な2つのアセンブリ、すなわち回転するアセンブリと固定されたアセンブリとを保持する。回転するアセンブリとはロータおよびその摺動面のことであり、一方固定されたアセンブリとは、軸受けセグメント1およびその摺動面5のことである。従来の軸受けセグメント1を備える従来のスラスト滑り軸受けの場合、作動中、各軸受けセグメント1の摺動面5の上に、図6で表示されているような圧力分布が生じる。前縁3から後縁4に到るまでの間に、まず圧力が上昇し、それから下降することが明らかに読みとれる。圧力の推移は、各軸受けセグメント1の後縁側1/3の中央あたりでその最大値に達する。
【0015】
本発明によるスラスト滑り軸受けを作動させる場合、潤滑ギャップ内側で、相対的に流体静圧の高い領域から潤滑油の一部が取り出され、潤滑ギャップ内側の相対的に流体静圧の低い領域に戻される。このとき、このような種類の軸受けセグメント1の内側でその都度、特にスラスト滑り軸受けのこの軸受けセグメント1のすべてにおいて、潤滑油の取り出しおよび戻しが有利に行われる。そのために好ましくは、各軸受けセグメント1の内側で、各軸受けセグメント1の内部を通り高圧領域からの潤滑油取り出しと低圧領域への潤滑油の戻しによって生じる潤滑油パス7が形成され得る。
【0016】
各軸受けセグメント1の内側での高圧領域から低圧領域への潤滑油の移送を実現するために、各軸受けセグメント1には少なくとも1つの調整流路8が備えられている。各調整流路8は、各軸受けセグメント1の内部の摺動面5から離れた位置を通る。各調整流路8は、潤滑ギャップの高圧領域を潤滑ギャップの低圧領域に繋ぎ、作動中、一般的な回転方向2に該当する潤滑ギャップ内の潤滑油の流れの方向とは反対方向に、潤滑油が高圧領域から低圧領域に向かって流れる。
【0017】
図7は、本発明による軸受けセグメント1または本発明によるスラスト滑り軸受けにおける、摺動面5に沿った潤滑ギャップでの圧力の推移を示す。9の位置で潤滑ギャップから潤滑油が取り出され、これによって高圧領域で激しい圧力降下が起こり、圧力ピークは1箇所ではなく2箇所において見られる。10の位置で潤滑ギャップに潤滑油が送り込まれ、この低圧領域において圧力がはっきりと中程度に上昇する;同時にこの位置で(小規模な)圧力ボトムが見られる。これによって各軸受けセグメント1の摺動面5内側全体的に見て、確かな圧力の均衡が取られている。低圧領域、すなわち前縁側または各軸受けセグメント1の前側での圧力レベルはこれによって上昇する一方、同時に高圧領域、すなわち後縁側または軸受けセグメント1の後ろ側での圧力レベルはこれに対応して降下している。この結果、潤滑ギャップ内側での圧力分布が改善され、スラスト滑り軸受けの耐負荷性および耐用年数が向上する。
【0018】
回転軸に対してラジアル方向に位置するベアリング軸(Lagerachse)を巡って旋回可能に取り付けられている軸受けセグメント1の場合、圧力の移動は流入に抗って、各軸受けセグメント1の前縁側の潤滑ギャップを拡大させそれによって潤滑ギャップへの潤滑油の流入を改善する転倒モーメント(Kippmoment)を生じさせる。驚くべきことに、潤滑ギャップの拡大は、負荷を軽減する効果を持ち、スラスト滑り軸受けの耐用年数を延長させる効果があることが観測されている。
【0019】
図1から3によれば、各軸受けセグメント1は、潤滑ギャップの高圧領域に配置され潤滑ギャップから潤滑油が調整流路8に流入する、少なくとも1つのインレット開口部11を有している。軸受けセグメント1はさらに、潤滑ギャップの低圧領域に配置され潤滑油が調整流路8から潤滑ギャップへと戻される、少なくとも1つのアウトレット開口部12を有している。調整流路8は、このように潤滑ギャップと連絡するインレット開口部11および同様に潤滑ギャップと連絡するアウトレット開口部12を繋いでいる。インレット開口部11は、ここに示す好ましい実施例では、例えば軸受けセグメント1に刻まれるなどの方法で摺動面5に設けられるインレット溝13の底部に配置される。これと同様に、アウトレット開口部12用にもまた、例えば軸受けセグメント1に刻まれるなどの方法で摺動面5に設けられるアウトレット溝14が備えられている。これらの溝13、14の少なくとも1つ、この例では両方の溝13、14は直線的に設置されており、ロータの回転軸または回転するアセンブリの回転軸に対してラジアル方向に配置されている。
さらに各溝13、14は、各軸受けセグメント1のラジアル方向の幅の比較的大きな範囲にまたがる。これによって、圧力の均衡化は比較的大きな、溝13、14によって決定される領域の内側で行われる。さらに、溝13、14のどちらか1つ、有利には溝13、14の両方とも、図2および図3ではっきりと図示されている、それぞれ摺動面5に対する縦断面1にアーチ型にくぼんだ形のプロフィール15を有することができる。各開口部、すなわちインレット開口部11および/またはアウトレット開口部12は、有利には各溝13または14の両端の中央に配置される。
【0020】
各インレット開口部11は、各軸受けセグメント1の摺動面5の内側の潤滑ギャップの高圧領域に配置される。好ましくは、各インレット開口部11は、摺動面5の後縁側1/3の位置に配置される。インレット開口部11は、摺動面5の後縁側1/3の中央に配置するのが有利である。これとは違って、各アウトレット開口部12は、各軸受けセグメント1の摺動面5の内側の潤滑ギャップの低圧領域に配置される。各アウトレット開口部12が摺動面5の前縁側1/3の内側に配置されることは目的に叶っている。アウトレット開口部12は、摺動面5の前縁側1/3の中央に配置するのが有利である。
【0021】
調整流路8は、図1によれば、例えばヘッドレス・ボルトなどで作成することのできるシーリング・エレメント16で密閉することができる。シーリング・エレメント16は、このために、図5に見られるように、これに対応する取付け用開口部17に締め込まれる。シーリング・エレメント16を取り付けるには、適切なねじ込み工具を使用する。
【0022】
機械が停止している際は、各軸受けセグメント1に回転するアセンブリの摺動面、すなわちロータが直接各軸受けセグメント1の摺動面5に接する;このように直接接している場合には、潤滑ギャップは存在しない。機械を始動するためには、潤滑ギャップが形成されなければならない。この目的のために、適切な高圧潤滑位置にポンプ装置を使用して潤滑油を高圧によって軸方向に互いに接している摺動面の間の接触域に圧入する方法が知られている。これによって潤滑ギャップが形成され、機械を始動することができるようになる。回転するアセンブリが回転し始めるとすぐに、潤滑油は面取り部6を介して潤滑ギャップ内に流入する。ロータに運ばれて、十分な潤滑油が潤滑ギャップ内に入ってくるので、この相対運動のポンプ効果にしたがって、ポンプ装置を作動停止にすることができる。極めて有利な実施形態によれば、ポンプ装置は少なくとも1つの軸受けセグメント1のすくなくとも1つの調整流路8に接続することができる。機械を始動すると、それによってポンプ装置が潤滑油に高圧をかけて、調整流路8を経由して、そしてそれによって特にインレット開口部11およびアウトレット開口部12、ならびに、必要に応じてインレット溝13およびアウトレット溝14を経由して潤滑ギャップに潤滑油を供給することができる。これは、機械を始動すると、圧力の均衡を取るために各軸受けセグメント1に形成される潤滑油パス7が、潤滑油を潤滑ギャップに供給するために使用されると言うことを意味する。回転するアセンブリのポンプ効果が、十分な潤滑油を潤滑ギャップに供給することができるようになれば、各調整流路8または潤滑油パス7を介して、求められる形で潤滑ギャップの圧力の均衡を取ることができるようになるため、ポンプ装置を作動停止することができる。このとき、各ポンプ装置は当然少なくとも1つの適切な、求められる機能に対応する逆流防止装置を介して、潤滑油のパス7または各調整流路8に接続されていなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】スラスト滑り軸受けの軸受けセグメントの軸方向の平面図である。
【図2】図1の線分D−Dにおける軸受けセグメントの断面図である。
【図3】図2の方向IIIに該当する円周方向から見た軸受けセグメントである。
【図5】図3の線分C−Cに該当する軸受けセグメントの断面図である。
【図6】従来の軸受けセグメントの潤滑ギャップ内側の圧力分布をわかりやすく示したダイヤグラムである。
【図7】本発明による軸受けセグメントの潤滑ギャップ内側の圧力分布をわかりやすく示したダイヤグラムである。
【符号の説明】
【0024】
1 軸受けセグメント
2 回転方向
3 前縁
4 後縁
5 摺動面
6 面取り部
7 潤滑油パス
8 調整流路
9 取り出し位置
10 戻し位置
11 インレット開口部
12 アウトレット開口部
13 インレット溝
14 アウトレット溝
15 プロフィール
16 シーリング・エレメント
17 取り付け開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、互いに相対的に調整可能な2つのアセンブリを持つ油圧式発電機などの電気機械用の、高い負荷をかけることのできる流体動圧式スラスト滑り軸受け用軸受けセグメントであって、一方のアセンブリが回転運動を行い、もう一方のアセンブリが少なくとも1つの、固定された台座に接続された軸受けセグメント(1)を備えており、作動状態において双方のアセンブリの互いに向かい合う摺動面の間に潤滑ギャップを形成し、軸受けセグメント(1)が少なくとも1つの、潤滑ギャップの内側の相対的に圧力の高い領域および潤滑ギャップの内側の相対的に圧力の低い領域を互いに繋ぐ潤滑油用の調整流路(8)を有する軸受けセグメント。
【請求項2】
各調整流路(8)が軸受けセグメント(1)の摺動面(5)下部を通り、少なくとも1つの潤滑ギャップと連絡するインレット開口部(11)を、少なくとも1つの潤滑ギャップと連絡するアウトレット開口部(12)に繋ぐことを特徴とする、請求項1に記載の軸受けセグメント。
【請求項3】
少なくとも1つのインレット開口部(11)が、摺動面(5)に設けられたインレット溝(13)に配置されていること、および/または、少なくとも1つのアウトレット開口部(12)が、摺動面(5)に設けられたアウトレット溝(14)に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の軸受けセグメント。
【請求項4】
各溝(13、14)が直線的に設けられており、回転するアセンブリの回転軸に対してラジアル方向に位置していること、および/または、各溝(13、14)が縦断面において、摺動面(5)に対してアーチ型にくぼんだプロフィール(15)を有すること、および/または、各開口部(11、12)が各溝(13、14)の両端の中央に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の軸受けセグメント。
【請求項5】
各インレット開口部(11)が摺動面(5)の後縁側の1/3内に配置されていること、および/または、各アウトレット開口部(12)が摺動面(5)の前縁側の1/3内に配置されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1つに記載の軸受けセグメント。
【請求項6】
特に、2つの互いに相対的に調整することのできるアセンブリを有する油圧式発電機のような電気機械用の高い負荷をかけることの出来る流体動圧式スラスト滑り軸受けであって、一方のアセンブリが回転運動を行い、もう一方のアセンブリが少なくとも1つの固定された台座に接続された請求項1から5のいずれかに記載の軸受けセグメント(1)を有し、作動状態では双方のアセンブリの互いに向かい合う摺動面の間に潤滑ギャップを形成するスラスト滑り軸受け。
【請求項7】
スラスト滑り軸受けを装備した機械を始動する際に、潤滑ギャップに潤滑油を送り込むためのポンプ装置が、少なくとも1つのこのような軸受けセグメント(1)において少なくとも1つのこのような調整流路(8)に接続されていることを特徴とする請求項6に記載のスラスト滑り軸受け。
【請求項8】
特に、油圧式発電機などの電気機械の流体動圧式スラスト滑り軸受けの作動方法であって、潤滑ギャップの内側で相対的に圧力の高い領域から潤滑油の一部が取り出され、潤滑ギャップの内側の相対的に圧力の低い領域に戻される流体動圧式スラスト滑り軸受けの作動方法。
【請求項9】
相対的に圧力の高い領域からの潤滑油の取り出しと、相対的に圧力の低い領域への潤滑油の供給を、少なくとも1つのスラスト滑り軸受けの固定されたアセンブリの軸受けセグメント(1)の内側で行うことを特徴とする、請求項8に記載の作動方法。
【請求項10】
相対的に圧力の高い領域からの潤滑油の取り出しと、相対的に圧力の低い領域への潤滑油の供給を、それぞれ各軸受けセグメント(1)の内部を通る潤滑油パス(7)を経由して行うことを特徴とする、請求項9に記載の作動方法。
【請求項11】
スラスト滑り軸受けを装備した機械を始動する際に、潤滑油を潤滑油パス(7)を経由して潤滑ギャップにポンプで供給することを特徴とする、請求項10に記載の作動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−531623(P2009−531623A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502024(P2009−502024)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052658
【国際公開番号】WO2007/113103
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】