説明

流体軸受装置

【課題】この種の流体軸受装置において、コンタミの発生を極力抑えて、低コストにフランジ部を軸部材に固定する。
【解決手段】軸部材2に、第1のフランジ部8との間に、例えば樹脂材料等の弾性体で形成され、所定の締め代を与える第1の締め代付与部材12が設けられている。第1のフランジ部8を第1の締め代付与部材12に締結する前の状態では、第1のフランジ部8の内径D1は第1の締め代付与部材12の外径(最外径)D2より小さく、かつ固定すべき軸部材2の、一端部2dから第1の締め代付与部材12の固定箇所までの間の最外径D3より大きい。第1のフランジ部8を、軸部材2の一端部2dの側から第1の締め代付与部材12に押し込んだ状態では、第1の締め代付与部材12の外径D2から第1のフランジ部8の内径D1を減じた量の締め代が生じ、これにより第1のフランジ部8が第1の締め代付与部材12を介して軸部材2に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体軸受装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
流体軸受装置は、軸受部材と、軸受部材の内周に挿入した軸部材との相対回転により軸受隙間に生じた流体の潤滑膜で軸部材を回転自在に支持する軸受装置である。この種の軸受装置は、高速回転、高回転精度、低騒音等の特徴を備えるものであり、例えば情報機器をはじめ種々の電気機器に搭載されるモータ用の軸受装置として、より具体的にはHDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等におけるディスクドライブ用のスピンドルモータ用の軸受装置として、あるいはレーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイールモータ、ファンモータなどのモータ用軸受装置として好適に使用される。
【0003】
例えば、HDD等のディスク駆動装置のスピンドルモータに組み込まれる流体軸受装置では、軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部又はスラスト方向に支持するスラスト軸受部の双方を動圧軸受で構成する場合がある。ここで、動圧軸受は軸受隙間内の潤滑流体に動圧発生作用を発生させるための動圧発生部を備えたものである。この種の流体軸受装置(動圧軸受装置)におけるラジアル軸受部としては、例えば軸受スリーブの内周面と、これに対向する軸部材の外周面との何れか一方に動圧発生部としての動圧溝を形成すると共に、両面間にラジアル軸受隙間を形成したものが知られている。また、スラスト軸受部としては、例えば軸部材に設けられたフランジ部の両端面、あるいは、これに対向する面(軸受スリーブの端面や、ハウジングに固定されるスラスト部材の端面等)に動圧溝を設けると共に、両面間にスラスト軸受隙間を形成したものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
この場合、スラスト軸受隙間を形成するフランジ部は、通常軸部材の軸方向端部に固定される(例えば、特許文献2を参照)。また、ハブ等のモータ側部材を軸部材に固定してなる回転体の支持バランスを考慮して、フランジ部を軸部材の端部から軸方向中央側に固定したものが知られている(例えば、特許文献3を参照)。
【0005】
このように、軸部材にフランジ部を設ける場合には、その加工精度を考慮して、軸部材とフランジ部とをそれぞれ別体に形成し、これらを後工程でアセンブリ化するのが一般的である。両者の固定手段には、接着等種々の手段が使用できるが、加工サイクルや材料コスト等の面で優れた圧入手段が使用されることが多い(特許文献2および3を参照)。
【特許文献1】特開2003−239951号公報
【特許文献2】特開2004−183864号公報
【特許文献3】特開2001−140864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その一方で、フランジ部を軸部材の所定位置に圧入固定しようとすると、軸部材の導入側端部から上記所定位置までの間を圧入することとなり、摩耗粉の発生が避けられない。かかる摩耗粉は、コンタミとして潤滑油中に混入することで、軸受性能やその耐久性にも悪影響を及ぼす。そのため、圧入によりフランジ部を固定する際には、後工程での入念かつ複数回に渡る洗浄作業が不可欠であり、コストアップの原因となる。
【0007】
本発明の課題は、この種の流体軸受装置において、コンタミの発生を極力抑えて、低コストにフランジ部を軸部材に固定することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、軸受部材と、軸受部材の内周に挿入され、軸受部材の内周面との間にラジアル軸受隙間を形成する軸部材と、軸部材に固定されるフランジ部とを備えたものにおいて、軸部材とフランジ部との間に、締め代を付与する締め代付与部材を介在させたことを特徴とする流体軸受装置を提供する。ここで、締め代付与部材が弾性体もしくは塑性体であることを問わない。
【0009】
このように、軸部材とフランジ部との間に締め代付与部材を介在させることで、軸部材あるいはフランジ部との間で締め代を生じる。そのため、軸部材とフランジ部との間で締め代を生じることなく、何れか一方の部材(例えばフランジ部)を他方の部材(例えば軸部材)に設けられた締め代付与部材まで導入することができる。これにより、フランジ部の軸部材に対する固定位置が軸端でない場合であっても圧入時に生じる摩耗粉の発生量を大幅に減じることができ、固定工程の後の洗浄工程を簡略化あるいは省略することができる。上記作用効果は、例えば軸部材の外径寸法を、軸端から締め代付与部材に至るまでの領域でフランジ部の内径寸法より小さくした場合に顕著となる。
【0010】
また、軸部材とフランジ部の間に締め代付与部材を介在させることで、フランジ部の内径を、軸部材に直接圧入する場合と比べて大きくとることができ、これにより固定力の増加を図ることができる。あるいは、締結箇所が外径側に移ることで、締め代の半径方向寸法は変わらなくても締結容積が増し、これにより固定力の増加を図ることができる。逆にいえば、締め代付与部材との間の締め代を従来に比べて小さくしても十分な固定力を確保することができる。
【0011】
ところで、軸部材の外周面は、軸受部材の内周面との間にラジアル軸受隙間を形成する他、モータロータ(ハブ)の取付け面や、ラジアル軸受面の仕上げ加工(センタレス研削など)を行う際の支持面や基準面となる場合がある。そのため、単に軸部材の外周面形状を一部異径としたのでは、ラジアル軸受面をはじめとする軸部材の仕上げ加工のための手段が限定され、これにより加工精度と加工コストとを共に満足することが困難となる。これに対して、本発明では、締め代付与のための締め代付与部材を軸部材とフランジ部との間に設けたので、フランジ部の圧入固定のためだけに軸部材の外周面の形状を変更せずに済み、ラジアル軸受面の仕上げ加工を高精度かつ低コストに行うことができる。
【0012】
締め代付与部材は、それ自身の変形で締結相手部材(軸部材もしくはフランジ部)に締結力を付与するものであることが望ましい。例えば、フランジ部が通常金属で形成されることを考慮すると、締め代付与部材を樹脂などの材料で形成するのが好ましい。これは、フランジ部の剛性が締め代付与部材のそれに比べて小さいと、締結時、フランジ部が締め代付与部材に比べて大きく変形することになり、高精度を要求されるフランジ部の表面(例えばスラスト軸受面など)の面精度にまで悪影響を及ぼす恐れがあるためである。また、軸部材の剛性が締め代付与部材のそれより小さい場合も、締結時、軸部材が締め代付与部材に比べて大きく変形することになり、同様に高精度を要求されるラジアル軸受面の面精度低下が懸念される。そのため、軸部材に対しても、締め代付与時の変形能に優れた材料で締め代付与部材を形成するのがよい。これにより、締め代付与部材への締結に伴う上記軸受面の面精度低下を防いで、高い軸受性能を発揮し得る流体軸受装置を提供することができる。
【0013】
また、締め代付与部材を、軸部材あるいはフランジ部をインサート部品とする射出成形(アウトサート成形を含む。以下同じ。)で形成することもできる。この場合には、成形金型の形状(成形面)を工夫するだけで、外周面の形状を容易に変更することができる。そのため、締め代付与部材を軸部材とは別体で形成するメリットを活かしつつ、締め代付与部材の形成と軸部材への固定を一工程で行うことができ、作業工程の簡略化を図ることができる。また、インサート成形であれば、例えば軸部材の外周面のうちフランジ部を固定する箇所に凹部を設けておき、かかる凹部上に締め代付与部材を形成することもできる。これによれば、凹部に充填された部分が軸部材に対する抜止めあるいは回り止めとして作用するので、軸部材と締め代付与部材との間の固定力を高めることができる。
【0014】
本発明は、例えばフランジ部の端面とこれに対向する面との間にスラスト軸受隙間を形成した構成の流体軸受装置に対して適用可能である。また、本発明は、フランジ部の外周面とこれに対向する面との間にシール空間を形成した構成の流体軸受装置に対しても適用可能である。あるいは、双方の構成を有する流体軸受装置に対して本発明を適用することも可能である。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、この種の流体軸受装置において、コンタミの発生を極力抑えて、低コストにフランジ部を軸部材に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る流体軸受装置(動圧軸受装置)1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、例えばHDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に支持する流体軸受装置1と、軸部材2に固定されたハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5と、ブラケット6とを備えている。ステータコイル4はブラケット6の外周に取付けられ、ロータマグネット5はハブ3の内周に取付けられる。流体軸受装置1はブラケット6の内周に固定される。ハブ3には、情報記憶媒体としてのディスクDが1又は複数枚(図1では2枚)保持される。上述のように構成されたスピンドルモータにおいて、ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間に発生する励磁力でロータマグネット5が回転し、それによってハブ3およびハブ3に保持されたディスクDが軸部材2と一体に回転する。
【0018】
図2は、流体軸受装置1を示している。この流体軸受装置1は、軸受部材7と、軸受部材7の内周に挿入され、軸受部材7に対して相対回転する軸部材2と、軸部材2に固定され、軸受部材7の端面との間にスラスト軸受隙間を形成するフランジ部8とを備える。この実施形態では、軸部材2に2個のフランジ部8、9が軸方向に離隔して設けられ、後述するスリーブ部11の端面11b、11cとの間にそれぞれスラスト軸受隙間を形成する。なお、以下の説明では、便宜上、流体軸受装置1から軸部材2のハブ3側に突出する側を上側、軸部材2の突出側と反対の側を下側としているが、これにより、モータや流体軸受装置の設置方向や使用態様等が特定されるわけではない。
【0019】
軸受部材7は、ハウジング部10と、ハウジング部10の内周に一体又は別体に配設されるスリーブ部11とで構成される。
【0020】
ハウジング部10は両端開口の筒状をなし、例えば真ちゅう等の金属で、あるいはLCP、PPS、PEEK等の結晶性樹脂をベースとする樹脂組成物の射出成形で形成される。もちろん、ハウジング部10の内部に充填される潤滑油に対して十分な耐浸透性(耐油性)を有するのであれば、PPSU、PES、PEI等の非晶性樹脂をベースとする樹脂組成物を射出成形することでハウジング部10を形成することもできる。この実施形態では、ハウジング部10の内周面10aは径一定の円筒面形状をなし、その軸方向中間位置にスリーブ部11を固定している。
【0021】
スリーブ部11は、例えば金属製の非孔質体あるいは焼結金属からなる多孔質体で円筒状に形成される。この実施形態では、スリーブ部11は、銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成され、ハウジング部10の内周面10aに、例えば接着(ルーズ接着を含む)、圧入(圧入接着を含む)、溶着(超音波溶着を含む)等、適宜の手段で固定される。もちろん、スリーブ部11を樹脂やセラミック等、金属以外の材料で形成することも可能である。
【0022】
スリーブ部11の内周面11aの全面又は一部領域には、ラジアル動圧発生部として複数の動圧溝を配列した領域が形成される。この実施形態では、例えば図3(a)に示すように、複数の動圧溝11a1、11a2をヘリングボーン形状に配列した領域が軸方向に離隔して2箇所形成される。これら動圧溝11a1、11a2の形成領域はそれぞれラジアル軸受面として軸部材2の外周面2aと対向し、軸部材2の回転時には、外周面2aとの間に後述する第1、第2ラジアル軸受部R1、R2のラジアル軸受隙間をそれぞれ形成する(図2を参照)。
【0023】
スリーブ部11の上端面11bの全面又は一部領域には、スラスト動圧発生部として、例えば図3(b)に示すように、複数の動圧溝11b1をスパイラル形状に配列した領域が形成される。この動圧溝11b1形成領域はスラスト軸受面として、第1のフランジ部8の下端面8aと対向し、軸部材2の回転時には、下端面8aとの間に後述する第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。
【0024】
スリーブ部11の下端面11cの全面又は一部領域には、スラスト動圧発生部として、例えば図3(c)に示すように、複数の動圧溝11c1をスパイラル状に配列した領域が形成される。この動圧溝11c1形成領域はスラスト軸受面として、第2のフランジ部9の上端面9aと対向し、軸部材2の回転時には、上端面9aとの間に後述する第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。
【0025】
軸部材2は、例えばステンレス鋼等の金属材料で形成され、スリーブ部11の内周に挿入される。軸部材2は全体として概ね同径の軸状をなし、その外周面2aの軸方向中間部(動圧溝11a1、11a2形成領域と対向しない箇所)には、他所よりも僅かに小径に形成した逃げ部2bが形成される。外周面2aのうち、逃げ部2bの軸方向両側の領域はスリーブ部11の動圧溝11a1、11a2形成領域との間にラジアル軸受隙間を形成する面(ラジアル軸受面)となるため、例えば研削等で特に高精度に仕上げるのが好ましい。また、この実施形態では、軸部材2の外周面2aのうち、第1のフランジ部8および第2のフランジ部9の固定領域には環状溝形状をなす凹部2cがそれぞれ形成される。なお、軸部材2の加工方法は特に問わず、削り出し等の機械加工の他、鍛造等の塑性加工によっても形成可能である。軸部材2を金属製の一体加工品とすることもでき、例えば金属と樹脂とからなるハイブリッド軸(鞘部が金属で、芯部が樹脂など)とすることもできる。
【0026】
第1のフランジ部8および第2のフランジ部9は共に環状をなすもので、例えば何れも真ちゅう(黄銅)等の軟質金属材料やその他の金属材料で形成される。第1のフランジ部8は、その下端面8aをスリーブ部11の上端面11bと対向させた状態で軸部材2の外周に固定される。同様に、第2のフランジ部9は、その上端面9aをスリーブ部11の下端面11cと対向させた状態で軸部材2の外周に固定される。
【0027】
また、この実施形態では、第1のフランジ部8の外周面8bに、上方(スリーブ部11から第1のフランジ部8に向けて離隔する方向)に向けて漸次縮径するテーパ面8b1が形成される。従って、第1のフランジ部8を軸部材2に固定した状態では、テーパ面8b1を含む外周面8bと、外周面8bに対向するハウジング部10の上端内周面10a1との間に、半径方向寸法が下方に向けて漸次縮小するテーパ状の第1シール空間S1が形成される。
【0028】
同様に、第2のフランジ部9の外周面9bにも、下方(スリーブ部11から第2のフランジ部9に向けて離隔する方法)に向けて漸次縮径する環状のテーパ面9b1が形成される。そのため、第2のフランジ部9を軸部材2に固定した状態では、テーパ面9b1を含む外周面9bと、外周面9bに対向するハウジング部10の下端内周面10a2との間に、半径方向寸法が上方に向けて漸次縮小するテーパ状の第2シール空間S2が形成される。
【0029】
上記構成の第1のフランジ部8は、軸部材2の軸方向所定位置に設けられた第1の締め代付与部材12に締結されることで軸部材2に固定される。同様に、上記第2のフランジ部9は、第1の締め代付与部材12と軸方向に離隔して軸部材2に設けられた第2の締め代付与部材13に締結されることで軸部材2に固定される。
【0030】
第1、第2の締め代付与部材12、13は、この実施形態では、共に第1、第2のフランジ部8、9より変形し易い材料、例えば樹脂材料等の弾性体で軸部材2の軸方向所定位置に形成されている。この実施形態では、締め代付与部材12、13の形成箇所に環状溝等の凹部2cが形成されており、かかる凹部2cを有する軸部材2をインサート部品として射出成形(インサート成形)することで第1、第2の締め代付与部材12、13が各凹部2c上に形成される。
【0031】
図4〜図6は、上記フランジ部8、9の固定工程を概念的に示すものである。例えば図4に示すように、第1のフランジ部8を第1の締め代付与部材12に締結する前の状態では、第1のフランジ部8の内径D1は第1の締め代付与部材12の外径(最外径)D2より小さく、かつ固定すべき軸部材2の、一端部2dから第1の締め代付与部材12の固定箇所までの間の最外径D3より大きい。なお、ここで、第1の締め代付与部材12の厚み(径方向寸法)や、第1のフランジ部8の内周面8cとこの面に対向する軸部材2の外周面2aとの間の半径隙間は、軸部材2や第1のフランジ部8の半径方向寸法に比べれば微小であるが、ここでは理解の容易化のため、寸法を誇張して描いている。
【0032】
図4に示す状態から、第1のフランジ部8を、軸部材2の一端部2dの側から第1の締め代付与部材12が設けられた箇所まで導入する。これにより、図5に示すように、第1のフランジ部8が第1の締め代付与部材12にその導入方向前方側から順次圧入されて(押し込まれて)いく。この際、第1の締め代付与部材12の外径D2から第1のフランジ部8の内径D1を減じた値が締め代の半径方向寸法となる。
【0033】
この後、第1のフランジ部8を、例えば図6に示すように、軸方向の所定位置まで押し込み、第1のフランジ部8を第1の締め代付与部材12の全域に亘って締結する。これにより、第1のフランジ部8が、第1の締め代付与部材12を介して軸部材2に固定される。同様に、第2のフランジ部9も、軸部材2の他端部2eの側から第2の締め代付与部材13に向けて押し込むことで、第2の締め代付与部材13を介して軸部材2に固定される。なお、この実施形態では、締結後、第1のフランジ部8の内周面8cとこの面に対向する軸部材2の外周面2aとの間の半径方向隙間に、接着剤14が充填され、第1のフランジ部8が軸部材2に対して接着固定される場合を例示している。
【0034】
このように、軸部材2に、第1のフランジ部8との間に所定の締め代を付与する第1の締め代付与部材12を設けることで、フランジ部8の内径D1を、軸部材2の外径D3より大きくした状態で、締め代付与部材12に対して締結することができる。そのため、フランジ部8を、軸部材2に対して圧入することなく、もしくは軸部材2との接触を極力避けて、軸部材2に設けられた締め代付与部材12まで導入することができる。これにより、第1のフランジ部8を軸部材2に圧入固定する場合と比べて、固定時に生じる摩耗粉の発生を大幅に抑制することができ、固定工程の後の洗浄工程を簡略化あるいは省略することができる。特に、この実施形態のように、軸端(一端部2d)から第1のフランジ部8の固定箇所まで離れている場合には、長い距離を圧入し続ける必要がないため、第1の締め代付与部材12を設けることによる作用効果はより一層顕著となる。また、フランジ部8は締め代付与部材12とのみ締結されることから、軸部材2に直接圧入する場合と比べて締め代(ここではD2−D1)を大きくとることができ、固定力の増加を図ることができる。
【0035】
また、この実施形態では、締結後、第1のフランジ部8の内周面8cとこの面に対向する軸部材2の外周面2aとの間の半径方向隙間を接着剤14で充填し、これにより第1のフランジ部8を軸部材2に対して接着固定するようにしたので、第1の締め代付与部材12と第1のフランジ部8との間の摺動摩耗等で生じた摩耗粉が接着剤14によって補足される。これにより、上記固定工程におけるコンタミの発生をより確実に防いで、あるいは固定後の洗浄工程をより簡略化することができる。
【0036】
また、第1の締め代付与部材12を軸部材2と別体に形成することで、あるいはこの実施形態のように一体的であっても両者を別材料で形成することで、第1のフランジ部8の圧入固定のためだけに軸部材2の外周面2aの形状を変更せずに済む。そのため、例えば図2に示すように単純な形状の軸部材2に対して仕上げ加工を行うことができ、ラジアル軸受面をはじめとする軸部材2の表面を高精度かつ低コストに仕上げることができる。また、外周面2aのうち、第1のフランジ部8の導入側端部となる一端部2dの側の突出部には、ディスクDを搭載するためのハブ3が固定されることが多いため(図1を参照)、ハブ3との固定力を考慮すると、なるべく軸径は大きい方が好ましい。上述のように、軸部材2とは別体に締め代付与部材12を設ければ、軸部材2を一部小径とする必要はなく、ハブ3との間で高い固定力を確保することができる。
【0037】
また、第1の締め代付与部材12を第1のフランジ部8より変形し易い材料(ここでは特に内径側に圧縮変形し易い材料)で形成することで、締結時(図5を参照)、フランジ部8よりも締め代付与部材12がフランジ部8に比べて大きく変形し、場合によっては(例えば図5に示す場合)、ほぼ締め代付与部材12の変形のみで両部材8、12間に締結力を付与するようにすることができる。そのため、締結時におけるフランジ部8の変形を小さくして下端面8aの面精度低下を避けることができ、スリーブ部11の上端面11bとの間に形成される第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間を高精度に得ることができる。
【0038】
また、この実施形態のように、第1のフランジ部8の外周面8b(テーパ面8b1)と、これに対向するハウジング部10の上端内周面10a1との間に、テーパ状の第1シール空間S1を形成する場合であっても、上記材料で形成される第1の締め代付与部材12を使用することで締結時の変形の大部分が締め代付与部材12の側に生じる。そのため、フランジ部8の締結に伴うシール面(テーパ面8b1)の面精度低下を極力抑えて、高いシール性能を発揮し得るシール空間S1を形成することができる。
【0039】
また、この実施形態では、第1の締め代付与部材12を、軸部材2をインサート部品とする射出成形で形成したので、例えば図2に示す形状の凹部2cを予め軸部材2に設けておくことで、凹部2c中に溶融樹脂が充填固化し、これにより軸部材2に対する締め代付与部材12の固定力を高めることができる。もちろん、凹部2cを円周方向に断続的に設けることで、抜止めとしてだけでなく、締め代付与部材12ひいてはフランジ部8の回り止めとしても作用する。また、凹部2cは締め代付与部材12をインサート成形する際の基準となるため、かかる凹部2cを軸部材2の軸方向所定位置に高精度に形成しておくことで、締め代付与部材12を軸部材2に対して正確に位置決め固定することができる。以上、第1の締め代付与部材12および第1のフランジ部8について述べた作用効果は、軸部材2の一端部2dあるいは他端部2eの違いに基づき得られる作用効果を除き、第2の締め代付与部材13に第2のフランジ部9を締結する場合に対しても同様に生じ得る。
【0040】
上述のようにして、第1のフランジ部8および第2のフランジ部9を軸部材2に固定する。この際、予め一方のフランジ部、ここでは第2のフランジ部9が固定された軸部材2に対して上述の固定を行うことで、後述するスラスト軸受隙間の総和が設定される。すなわち、第1のフランジ部8の下端面8aと第2のフランジ部9の上端面9aとの軸方向対向間隔から、両面8a、9a間に配置されるスリーブ部11の軸方向寸法を減じた値が、第1、第2スラスト軸受部T1、T2のスラスト軸受隙間の総和として設定される。
【0041】
上述のようにしてアセンブリを行った後、各シール空間S1、S2の何れか一方の開口側から軸受内部空間に潤滑油を注油する。これにより、各ラジアル軸受隙間やスラスト軸受隙間を含む軸受内部空間を潤滑油で充満した流体軸受装置1が完成する。この際、第1および第2シール空間S1、S2の容積の総和は、少なくとも流体軸受装置1の内部空間に充満した潤滑油の温度変化に伴う体積変化量よりも大きい。そのため、潤滑油の油面は、常に両シール空間S1、S2内に維持される。
【0042】
このように、シール空間S1、S2は、軸部材2に固定された第1、第2フランジ部8、9の外周面8b、9bの側に形成される。従って、ハウジング部に固定したシール部材と軸部材の外周面との間にシール空間を形成する場合に比べ、シール空間をより外径側に形成して、両フランジ部8、9の軸方向幅を縮小しつつもシール空間S1、S2のシール容積を確保することができる。そのため、例えばスリーブ部11のハウジング部10に対する軸方向固定位置を従来よりも上方(ハブ3の側)に近づけて、ラジアル軸受部R1、R2の軸受中心と回転体(ここではハブ3を固定した軸部材2)重心との離間距離を小さくし、流体軸受装置1のモーメント剛性を高めることができる。あるいは、流体軸受装置1全体の軸方向寸法はそのままで、スリーブ部11の軸方向幅を増大させることで、ラジアル軸受部R1、R2間の離間距離を大きくとることができ、これによっても、モーメント剛性を高めることができる。
【0043】
また、この実施形態のように、第1の締め代付与部材12を第1のフランジ部8よりも剛性の小さい材料で形成することで、締め代付与部材12の線膨張係数がフランジ部8のそれより大きくなる場合が多い。このような場合、例えば高温環境下で、締め代付与部材12の膨張量がフランジ部8のそれを大きく上回り、これにより締め代付与部材12の外径側へ膨張し切れなかった分が、結果的に軸部材2の外周面2aへと押し付けられる(内外径側双方に向けて圧迫力を生じる)。従って、高温時においても締め代付与部材12と軸部材2との間の油漏れを防ぐことができる。
【0044】
上記構成の流体軸受装置1において、軸部材2の回転時、スリーブ部11の内周面11aの動圧溝11a1、11a2形成領域は、軸部材2の外周面2aとラジアル軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材2の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間の潤滑油が動圧溝11a1、11a2の軸方向中心側に押し込まれ、その圧力が上昇する。このような動圧溝11a1、11a2の動圧作用によって、軸部材2をラジアル方向に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とがそれぞれ構成される(図2を参照)。
【0045】
これと同時に、スリーブ部11の上端面11bに形成された動圧溝11b1形成領域とこれに対向する第1のフランジ部8の下端面8aとの間のスラスト軸受隙間、およびスリーブ部11の下端面11cに形成された動圧溝11c1形成領域とこれに対向する第2のフランジ部9の上端面9aとの間のスラスト軸受隙間に、動圧溝11b1、11c1の動圧作用により潤滑油の油膜がそれぞれ形成される。そして、これら油膜の圧力によって、軸部材2をスラスト方向に非接触支持する第1スラスト軸受部T1と第2スラスト軸受部T2とがそれぞれ構成される。
【0046】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、この実施形態に限定されることなく、上記以外の構成をなす流体軸受装置にも適用可能である。
【0047】
上記実施形態では、第1の締め代付与部材12を外径寸法一定の環状部材としたが、すなわち、第1のフランジ部8との締め代が軸方向で一定とした場合を説明したが、これに限る必要はない。すなわち、締め代付与部材12、13は、軸部材2と別体に形成されるので、軸部材2と一体に形成する場合と比べその形状やサイズを比較的自由に設定することが可能である。図7はその一例を示すもので、軸部材2には、その外径寸法を第1のフランジ部8の導入方向前方に向けて漸次拡大した第1の締め代付与部材15が形成されている。図2で言えば、軸部材2のラジアル軸受面に向けて締め代付与部材15の外径寸法が漸次拡大している。かかる構成をなす第1の締め代付与部材15に対して第1のフランジ部8を締結することで、第1のフランジ部8に対する締め代が滑らかに増加する。そのため、締め代の急激な増加に伴うフランジ部8の導入姿勢が崩れるのを避けて(導入姿勢を適正に保った状態で)第1のフランジ部8を締結固定することができる。また、第1のフランジ部8の軸方向の位置決めは、治具の位置を高精度に管理(制御)することで達成可能であるが、締め代付与部材12の外周形状を例えば図示は省略するが段付き形状にして、段部に当接するまで押し込むことでかかるフランジ部8の軸方向位置決めを行うこともできる。
【0048】
また、上記何れの場合にしても、第1のフランジ部8の表面、特に内周面8cは第1の締め代付与部材12との締結面となるため、例えば治具等で押し込み姿勢が適正に保たれた状態であれば、あるいは治具で保持する面(下端面8aや上端面8d)をある程度高精度に仕上げておけば、かかる内周面8aをそれほど精度良く仕上げる必要はない。第2のフランジ部9についても同様である。
【0049】
また、上記実施形態では、締め代付与部材12、13がその軸方向全長に渡って軸部材2の凹部2c、2c上に形成されているが、一部が凹部2c上に形成され、残りが隣接する外周面2a上に形成されていてもよい。また、軸部材2と締め代付与部材12、13との固着力が確保できるのであれば、あえて凹部2cを設ける必要はない。
【0050】
また、上記実施形態では、軸部材をSUS等の金属材料、フランジ部8、9を真ちゅう等の軟質金属、締め代付与部材12、13を樹脂等の弾性体で形成した場合を例示しているが、もちろん、これ以外の組合せも可能である。例えば、ベース樹脂は同じでも配合物(繊維状充填材や粒状系充填材などの各種充填材)の種類、配合量等(組成)を調整することで、両部材8、12(9、13)間で変形能(半径方向の剛性)や線膨張係数に違いを持たせることは可能である。
【0051】
また、上記実施形態では、第1のフランジ部8および第2のフランジ部9と軸部材2との間に共に締め代付与部材12、13を設けた場合を説明したが、これ以外の構成を採ることも可能である。例えば、第1のフランジ部8のみを締め代付与部材12に締結するようにしても構わない。この場合、第2のフランジ部9の固定手段は任意である。第2のフランジ部9は、軸部材2の他端部2eに固定されるため、長い距離を圧入する必要がなく、それほど摩耗粉の発生を気にしなくてもよいからである。あるいは、第2のフランジ部9を軸部材2と一体に形成しておき、かかる一体品に設けた締め代付与部材12に第1のフランジ部8を締結するようにしても構わない。もちろん、本発明は、1個のフランジ部8のみを固定した軸部材2を備えた流体軸受装置に対しても適用可能である。
【0052】
また、以上の説明では、軸部材2の側に、フランジ部8、9との間で締め代を与える締め代付与部材12、13を設けた場合を説明したが、本発明は、かかる締め代付与部材12、13を軸部材2とフランジ部8、9との間に介在させたことを特徴とするものであるから、軸部材2の側に限らず、フランジ部8、9の側に上述の締め代付与部材12、13を設けることもできる。
【0053】
また、上記実施形態では、軸受部材7を別体としてのハウジング部10およびスリーブ部11とで構成した場合を説明したが、軸受部材7を金属又は樹脂の一体品とすることも可能である。あるいは一方の金属製部品をインサート部品として他方の部品と共に樹脂でインサート成形することも可能である。図8は、その一例を示すもので、同図に示す流体軸受装置21は、軸受部材27を樹脂の一体成形品とする点で、図2に示す流体軸受装置1と構成を異にする。この場合、図3(a)に示す動圧溝11a1、11a2形成領域が、軸受部材27の小径面27aに設けられる。また、図3(b)に示す動圧溝11b1形成領域が、第1のフランジ部8とスラスト方向に対向する軸受部材27の内側上端面27bに設けられ、図3(c)に示す動圧溝11c1形成領域が、第2のフランジ部9とスラスト方向に対向する軸受部材27の内側下端面27cにそれぞれ設けられる。また、両端面27b、27cを介して小径面27aの軸方向両側に設けられる大径面27d1、27d2は、ラジアル方向に対向する第1、第2フランジ部8、9のテーパ面8b1、9b1との間にそれぞれシール空間S3、S4を形成する。
【0054】
また、以上の実施形態では、動圧溝11a1などの動圧発生部を、スリーブ部11の内周面11aや上端面11b、下端面11cの側、あるいは軸受部材27の小径面27aや内側上端面27b、内側下端面27cの側に形成した場合を説明したが、この形態に限られる必要はない。例えばこれら動圧発生部を、これらと対向する軸部材2の外周面2aや第1のフランジ部8の下端面8a、第2のフランジ部9の上端面9aの側に形成することもできる。以下に示す形態の動圧発生部についても同様に、軸受部材7、27の側に限らず、これらに対向する軸部材2や各フランジ部8、9の側に形成することができる。
【0055】
また、以上の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2やスラスト軸受部T1、T2として、へリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝により潤滑流体の動圧作用を発生させる構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0056】
例えば、ラジアル軸受部R1、R2として、図示は省略するが、軸方向の溝を円周方向の複数箇所に配列した、いわゆるステップ状の動圧発生部、あるいは、円周方向に複数の円弧面を配列し、対向する軸部材2の外周面2aとの間に、くさび状の径方向隙間(軸受隙間)を形成した、いわゆる多円弧軸受を採用してもよい。
【0057】
あるいは、スリーブ部11の内周面11aを、動圧発生部としての動圧溝や円弧面等を設けない真円内周面とし、この内周面と対向する軸部材2の真円状外周面2aとで、いわゆる真円軸受を構成することができる。
【0058】
また、スラスト軸受部T1、T2の一方又は双方は、同じく図示は省略するが、スラスト軸受面となる領域に、複数の半径方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けた、いわゆるステップ軸受、あるいは波型軸受(ステップ型が波型になったもの)等で構成することもできる。
【0059】
また、以上の実施形態では、軸部材2が回転して、それを軸受部材7(軸受部材27)で支持する構成を説明したが、これとは逆に、軸受部材7(軸受部材27)の側が回転して、それを軸部材2の側で支持する構成に対しても本発明を適用することが可能である。
【0060】
また、以上の実施形態では、流体軸受装置1の内部に充満し、ラジアル軸受隙間やスラスト軸受隙間に流体の潤滑膜を形成するための流体として潤滑油を例示したが、これ以外にも各軸受隙間に流体膜を形成可能な流体、例えば空気等の気体や、磁性流体等の流動性を有する潤滑剤、あるいは潤滑グリース等を使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る流体軸受装置を組込んだスピンドルモータの断面図である。
【図2】流体軸受装置の断面図である。
【図3】(a)はスリーブ部の縦断面図、(b)および(c)はスリーブ部をそれぞれ矢印a、bの方向から見た端面図である。
【図4】フランジ部の固定工程の一例を概念的に示す要部拡大図である。
【図5】フランジ部の固定工程の一例を概念的に示す要部拡大図である。
【図6】フランジ部の固定工程の一例を概念的に示す要部拡大図である。
【図7】フランジ部の固定工程の他形態を概念的に示す要部拡大図である。
【図8】流体軸受装置の他構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1、21 流体軸受装置
2 軸部材
7 軸受部材
8 第1のフランジ部
8a 下端面
8b 外周面
9 第2のフランジ部
9a 上端面
9b 外周面
10 ハウジング部
11 スリーブ部
11a 内周面
11b 上端面
11c 下端面
12 第1の締め代付与部材
13 第2の締め代付与部材
D1 内径(フランジ部)
D2 外径(締め代付与部材)
D3 外径(軸部材)
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部
S1、S2、S3、S4 シール空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受部材と、軸受部材の内周に挿入され、軸受部材の内周面との間にラジアル軸受隙間を形成する軸部材と、軸部材に固定されるフランジ部とを備えた流体軸受装置において、
軸部材とフランジ部との間に、締め代を与える締め代付与部材を介在させたことを特徴とする流体軸受装置。
【請求項2】
締め代付与部材の変形で締結力を付与する請求項1記載の流体軸受装置。
【請求項3】
軸部材あるいはフランジ部をインサート部品とする射出成形で締め代付与部材を形成した請求項1記載の流体軸受装置。
【請求項4】
軸部材の外径寸法を、軸端から締め代付与部材に至るまでの領域でフランジ部の内径寸法より小さくした請求項1記載の流体軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−225060(P2007−225060A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−48878(P2006−48878)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】