説明

流体通路接続具

【課題】 単なる接続のためにはアクチュエータを別に必要としない構成とする。
【解決手段】 固定部2には、流体を供給する側の供給通路11の先端部に、先端側が開口したシリンダ孔16が設けられている。シリンダ孔16に環状のピストン3が嵌入されている。ピストン3の内孔に嵌入して所定寸法進退移動可能にスプール4が支持され、それの内部に先端側に開口した流体通路27及び外周面から流体通路27に達しかつピストン3の内周面によって開閉される連通孔28が形成されている。スプール4の先端部が別の被接続孔10の開口周辺部に当接して流体通路と被接続口が接続状態になる。供給通路が流体供給停止状態で、スプール4が後退位置にあり、ピストン3が連通孔28を閉じた後退位置にあり、供給通路が流体供給状態になると、スプール4がピストン3と共に所定寸法の範囲内で前進して、被接続孔の開口周辺部に当接し、次にピストン3が連通孔28を開いた位置に前進して、ピストン3の内孔を流体通路に連通させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定位置に開口した流体を供給される被接続口に対し、供給する流体圧力により接続状態となってその接続状態で流体を供給し、流体供給を停止し、その流体圧力を低下させると切離し状態になる流体通路接続具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、プレス機のボルスタやスライドの基盤面に固定された金型に流体通路を設けたものがあり、その流体通路に対して別の流体通路を接続及び切離しできるように、ホース先端部に接続部を設けた供給通路側を進退移動させ、前進移動時に接続状態とするものが知られている。その構成は、被接続流体通路(金型側流体通路)が金型側面に開口しており、供給側流体通路(ホース側流体通路)が、可動ブロック内の流体通路にホースを接続し、その流体通路に接続した内部通路を有する接続部材を設けてある。接続部材は、先端に供給通路が開口しており、ばね付勢されて可動ブロックの前面から突出している。可動ブロックを前進させることにより接続部材の先端開口を被接続流体の開口に合致するように付勢ばねに抗しておしつけ、その前進位置に保持して、接続状態となる。この接続状態となってから流体を供給する。なお、前記可動ブロックは、一つの可動ブロックに1個だけでなく複数の接続部材を設け、それぞれの接続部材に別々に流体供給通路を接続した構成のものもある。この構成では、接続のために可動ブロックを前進させるのでエアシリンダ等のアクチュエータを用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−114122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、離れて向き合って位置する流体を供給される被接続口と、流体を供給する接続口と、を接続及び切離しする際に、接続口を有する部材側(可動ブロック)を前進駆動するエアシリンダ等のアクチュエータが必要である。前記従来の技術では、可動ブロックを用いる移動型のものであるから、移動を利用して接続が可能である。しかし、使用状況によっては前記可動ブロック状のものが、定位置にあって単なる接続と切離しができるものであってもよい場合がある。例えば、交換される金型がいずれも同じ位置に被供給口を備えているものである場合などでは、必ずしも可動ブロックは基盤の端の位置から動かす必要がないからである。しかしこの様な場合にも、つまり被接続口にある程度接近した近い位置から供給側流体通路の先端を当接させて押しつける場合にも、アクチュエータが必要である。本発明の課題は、供給側流体通路を設ける前記可動ブロックに対応するような部分を、定位置に固定した状態で、接続及び切離し動作を行わせることができる、単なる接続のためにはアクチュエータを別に必要としない構成の接続具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の流体通路接続具では、固定部に、流体を供給する側の供給通路の先端部に先端側が開口したシリンダ状の内孔が設けられている。前記シリンダ状の内孔にピストンが嵌入されている。前記ピストンの内孔にスプールが嵌入され、このスプールは、所定寸法軸方向進退移動可能に支持され、内部に前記先端側に開口した流体通路と、外周面から前記流体通路に達しかつ前記環状ピストンの内周面によって開閉される連通孔とを有している。スプールの先端部を別の被接続孔の開口周辺部に当接させた状態で、前記流体通路と前記被接続口が接続状態になる。前記供給通路が流体供給停止状態で、前記スプールが前記固定部に対し相対的に後退した位置にあって前記ピストンが前記連通孔を閉じた後退した位置にあり、前記供給通路が流体供給状態になることにより、前記スプールが流体圧力により前記ピストンと共に前記所定寸法の範囲内で前進して前記被接続孔の開口周辺部に当接し、次に前記ピストンが前記連通孔を開いた位置に前進して前記内孔を前記流体通路に連通させる。
【0006】
この流体通路接続具は、流体を供給しようとする被接続口に、後退した位置にあるスプールの先端を対向させ、スプールが前進したときに被接続口の周辺部に当接できるように所定距離の範囲内で間隔を隔てて固定部を固定状態に位置させて使用する。流体供給停止状態でスプールは後退しており、供給通路が流体供給状態になると、先ずスプールが前進して先端が接続口周辺部に当接して被接続口にスプール内部の流体通路が接続した状態になり、次に後退した位置にあるピストンが前進移動することによりスプールの連通孔が開いて供給通路が連通孔、流体通路を介して被接続口に接続する。
【0007】
前記流体通路接続具において、前記供給通路が流体供給停止状態になることにより、前記連通孔が閉じる後退位置に前記ピストンを後退させるピストン付勢手段と、前記スプールを後退位置に後退させるスプール付勢手段と、を設ける構成とするのがよい。この構成では、流体供給停止状態になると、ピストンが後退して連通孔が閉じ、そしてスプールが後退するので、元の流体供給停止状態に戻すことができる。前記ピストン付勢手段及び前記スプール付勢手段は、ばねで形成するのがよい。
【0008】
前記スプールが、スプール後端部に内部の前記流体通路を後方へ延長形成して前記供給通路に開口させ、その延長形成部の途中に弁室を設けると共に、前記延長形成部外面に開口した弁室連通孔を設け、前記弁室のスプール先端側に弁座を設けて、弁室に弁体を収容し、前記供給路に流体が供給されることにより、前記弁体が前記弁座に着座して閉弁し、前記供給路の流体が排出されることにより、開弁する構成とするのがよい。供給する流体が例えば空気のような大気中に排出できる気体である場合、通常は供給路が大気に解放されるが、そのようにして流体供給停止状態にする時に大きい排気音が発生し、流体通路の後部と供給路との間に、このような弁を設けた構成では、その排気音を小さくできる。
【0009】
前記固定部がブロック状をなし、そのブロック状をなす固定部の所定前面に、流体を供給する側の供給通路の先端部に先端側が開口した前記シリンダ状内孔を複数個設け、前記供給通路はシリンダ状内孔毎に独立して設けられており、それぞれのシリンダ状内孔に、前記環状ピストンと、前記スプールと、を設けた構成とするのがよい。この構成では、固定部が一つのブロック状をなしたものであり、固定部を複数の被接続口に対して個別に設けるよりは一つのブロックにまとめて設けるほうが制作し易く、また、複数の被接続口に対して、それぞれに対応する供給通路があるから、これを選択的に流体供給状態とすることが可能であり、必要に応じて選択的に接続して流体を供給することができる。
【0010】
前記スプールが、前記ピストン外周に設けたシリンダ状部内孔に接している弾性体、例えば環状の弾性体、具体的にはOリングにより弾性的に支持されたフローティング支持構造とされている構成とするのがよい。この構成では、被接続口の開口面とスプール先端の接続口の開口面とが平行した状態で面接触しない少し傾いた状態に対して、接触後の押圧力が増大していくと平行して押し合う状態にスプール側が追従して、流体漏れが生じない。
【発明の効果】
【0011】
この流体通路接続具は、スプールが前進する動作の次に続いてピストンが前進する動作を、供給通路に供給する流体を単に「供給」状態にすることによって行わせることができる。すなわち、離れた被接続口に対して流体の供給通路を接続しそして流体を供給する場合、供給通路を流体供給状態とするだけで、スプールが前進して先端を被接続口周辺部に当接させてから環状のピストンが前進して連通孔を開き被接続口に流体が供給されるようになる、というシーケンス動作を行わせることができる。従って、従来必要であった、例えば接続動作用の別の空気配管やエアシリンダを設ける必要がなく、小型化とコストダウンが図れる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の流体通路接続具の切離した状態を示す縦断側面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の流体通路接続具の接続した状態の縦断側面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明による流体通路接続具を、固定部を特に進退移動させる必要がない場合に用いると、流体通路の接続、切離し時に固定部を進退移動させないから、従来は流体通路の接続、切離しの際に必要であった進退駆動装置を設けない構成にでき、大幅な小型化及びコスト低減を達成できる。また、取り扱う流体が空気である場合、小型で排気音の低下を実現できる。
【0014】
本発明の流体通路接続具の1実施形態を、図1〜図4を用いて説明する。この実施形態では、流体が空気である場合の流体接続具の実施形態を説明するが、他の流体、例えば圧油を使用することもできる。流体通路接続具1は、固定部2と、ピストン3と、スプール4とにより構成されている。流体接続具1は、スプール4の先端が接続相手の被接続口10周辺部に当接して接続状態となる構成である。被接続口10は従来の簡単な形態と同じもので、平面に被接続孔の円孔が開口し、且つその開口の周辺部がOリングシートとしてなめらかに形成されたものである。
【0015】
固定部2は、空気を供給する供給通路11を備えた通路部材12、前記供給通路11の流体を供給する側の先端部に設けたプラグ状部材13等からなる。通路部材12は、例えば直方体のブロック状をなし、一つの平面14に内部に形成された供給通路11が開口している。供給通路11が開口側を所定長さ拡大形成され、図示していない他端を流体が給排されるホースまたは固定配管等に接続されている。その開口端部内側に雌ねじ15を形成してある。プラグ状部材13は、略円筒状をなし、その内孔を、一端が開口したシリンダ孔16に形成してある。その開口側端部外周に締め付け用の頭部17が設けられている。他端に中心孔18及び流体流通孔19を形成された底20が設けられている。前記頭部から外れた外周部分に雄ねじ21が形成されている。このプラグ状部材13は、通路部材12の雌ねじ15に雄ねじ21を螺合させて固定部2を構成している。図中22は、Oリングである。
【0016】
ピストン3は、環状であり、中心部に内孔23を有している。ピストン3の外周に環状の弾性体、例えば一つのOリング24が装着されており、前記プラグ状部材13のシリンダ孔16に摺動可能にピストン3が嵌入され、Oリング24を介してシリンダ孔16の内周面に気密接触している。そして、ピストン3はシリンダ孔16の内周面との間の気密性を保った状態でその軸線がシリンダ孔16の軸線に対して交差するように少し傾くことをOリング24の弾性変形により許容されている。
【0017】
スプール4は、ピストン3の内孔23に嵌入して所定寸法軸方向進退移動可能に支持され、ピストンと同軸な状態を保っており、前述したようにピストン3がシリンダ孔16の軸線に対して傾くことができるようになっているので、ピストン3と共に傾くことが可能である。つまり、スプール4は、ピストン外周に設けたシリンダ孔16に接しているOリング24により弾性的に支持されたフローティング支持構造になっている。なお、ピストン3の前側の空間25は、図では環状の部材26で外界と区画されたようになっているが、この部材26は、防塵用のものであり、プラグ状部材13に取り付けられており、柔らかい弾性材料で形成され、前記フローティング支持に支障はなく、通気性もしくは通気孔を備えており、ピストン3の進退により前側空間25の気体は、この部材25から出入りするのでピストン3の進退動作に支障はない。
【0018】
このスプール4は、内部に先端側に開口した流体通路27を有している。そしてスプール外周面から流体通路27に達し、かつピストン3の内周面によって開閉される連通孔28がスプール4に設けられている。その連通孔28はスプール4の周方向に複数、例えば4個を配列してある。スプール4の先端は軸線に直角な面29に形成されており、この面29に流体通路27が開口し、この面29に装着溝を設けて弾性体、例えば環状の弾性体、具体的にはOリング30をその軸線に垂直な面が前記面29と平行するように装着されている。これは接続状態における当接面からの流体漏れを阻止するためのものである。接続状態は、スプール4の先端部を前記被接続孔10の開口周辺部に押しつけて当接させた状態(図3参照)であり、流体通路27と被接続口10が連通している。環状ピストン3のスプール4に対する移動範囲は、スプール4の連通孔28を閉じる図1に示す位置と、連通孔28を開いた図3に示す位置との間であり、スプール4先端側へのピストン前進位置がスプール先端部外周に設けたばねカバー31の後端で制限されており、ピストン後退位置が例えばリング状のストッパ32で制限されている。ストッパ32はスプール外周に止め輪33で位置決めされ、ピストン当接部にクッションとして弾性体、例えば環状の弾性体、具体的にはOリング34を装着してある。ばねカバー31はスプール4の前端部の外周をフランジ状に拡大した部分35の外周に筒状体を螺合させて設けたものである。
【0019】
前記ばねカバー31によってカバーされるばねは、ピストン付勢ばね36であり、環状ピストン3を後退端へ向かわせるように付勢する。つまり、ピストン付勢手段として設けてある例えばコイルばねであり、部分35とピストン3との間のスプール外周部分に位置している。
【0020】
スプール4の後端部には、長さを少し延長形成するような延長形成部37をねじ部によって結合してあり、外径も少し大きくなっている。この延長形成部37の後端部に外径が拡大するような突縁部で一方のばね受け38を形成し、これに対する他方のばね受け39を前記プラグ状部材13の底20の背面に形成してある。このばね受け38、39間にスプール付勢手段として例えばコイルばねからなるスプール付勢ばね40を設置してあり、スプール4を後退位置に向かわせるように付勢する。スプール4の後退位置は、スプールの長手方向途中の外周に設けた前記止め輪33が前記プラグ状部材13の底20の前面に当接してスプールの後退を制限するストッパとして作用するようにしてある。この位置に後退したスプール4はその先端面29がプラグ状部材13の先端面と一致している。
【0021】
また、スプール4後端部に設けた延長形成部37には、排気音低減のためにスプール内の流体通路27の後端部を供給通路11に排気時に連通させる弁部を設けてある。その構成は、スプール後端部に設けた延長形成部37にスプール内部の流体通路27を少し小径にして後方へ延長形成した延長部27aを供給通路11に開口させ、その延長部27aの途中に弁室41を設けると共に延長形成部37の外面に開口した弁室連通孔42を設け、弁室41のスプール先端側に弁座43を設けて、弁室41に弁体44を収容し、供給通路11に流体が供給されることにより弁体44が弁座43に着座して閉弁し、供給通路11の流体が排出されることにより開弁するようになっている。開弁時には弁室連通孔42を介して流体通路27と供給通路11とが連通する。この構成により排気音が低減することは実用試験で確認したことであるが、低減理由は、弁体44が開弁することで、被接続口10内に残っている残圧を流体通路27、弁室連通孔42を介して予め逃がしてやることにより、スプール4が離れる際に発生する排気音を低減することができるものと考えられる。なお、この弁体44は円盤状のものを図示したが、球形であってもよく、その場合の弁座、弁室等はこれに対応したものとする。
【0022】
このように構成された流体通路接続具1は、所定平面に開口し、定位置にある被接続孔10に、固定部2の前面が前記所定平面に平行するように且つスプール4の最大突出寸法よりも短い距離離れた位置にあるようにスプール4の先端面を対向させた位置として使用する。供給通路11が流体供給停止状態では、この例では流体が空気であり、圧縮空気源からの空気が供給されていない状態では、図1に示すように、スプール4及びピストン3は後退しており、連通孔28は閉じられ、弁体44は特に作用力を受けない自由な状態にある。
【0023】
供給通路11に圧縮空気が供給されるようになると、スプール4の内孔の延長形成部37の弁体44が閉弁動作し、スプール4内孔には圧縮空気は入らない。次に圧縮空気の圧力でスプール4がスプール付勢ばね40に抗して前進し、固定部2の前面から突出して先端を被接続孔10の周辺に当接させる。この時までピストン3はスプール4上の後退端位置にあってスプールと共に前進しているが、連通孔28を開いてはいない。スプールの有効受圧面積と、ピストンの有効受圧面積とを同じとした場合、ピストン付勢ばね36よりもスプール付勢ばね40の付勢力を弱くすることでこの時までピストンが移動しないようにすることができる。また供給空気圧は所定圧に上昇するまで若干の時間がかかるので、この時に続いて上昇してきた空気圧でピストン3が移動するようにピストン付勢ばね36の強さを決めることで、スプール4が前進して先端を被接続孔10周辺部に当接した後にピストン3が前進して連通孔28を開く。つまり、先ずスプール4が前進し、先端が被接続口10周辺部に当接して被接続口10にスプール内部の流体通路27が接続した状態になり、次に後退した位置にあるピストン3が前進移動することによりスプール4の連通孔28が開いて供給通路11が流体流通孔19、連通孔28、流体通路27を介して被接続口10に連通し、圧縮空気が被接続口10から供給されるようになる。
【0024】
圧縮空気の供給を停止状態にすると、つまり供給通路11の空気圧を大気圧にすると、延長形成部37の弁体44が開弁動作して自由な状態となり、非接続口10内に残っている残圧が流体通路27内に入り、弁室連通孔42を介して供給通路11内に逃げる。そして、ピストン3がピストン付勢ばね36によって後退して連通孔28を閉じ、スプール4がスプール付勢ばね40によって後退し、スプール4先端面がプラグ状部材13の前面と一致する位置まで後退する。この状態は前述した圧縮空気を供給していない初めの状態と同じである。
【0025】
前述したように、この流体通路接続具1は、定位置にある流体の被接続口10に、少し離れた位置からスプール4を突出させて流体通路を接続状態にした後に、流体供給を開始する順序で動作を行うことができ、しかもその接続動作が接続後に供給することになる一つの系統の供給ラインの流体の供給し始めの動作によって行われるので、接続のための別のエアシリンダ等のアクチュエータとその使用流体用の別の供給ラインを設ける必要がない。従って、別のアクチュエータや別の流体供給ラインを設ける費用を必要としないため大幅にコストを低減でき、小型化もできる効果を奏する。
【0026】
また、被接続孔10の開口面にスプール4の先端面が押し付けられるとき、平行状態で当接しないことがあっても、スプール4をフローティング支持構造としたことにより、相手側の平面に平行となるように追従できて供給流体の漏れを防止できるから、ある程度の接触の不具合に対応でき、制作、取付け、調整等が容易となる効果を奏する。
【0027】
上記の実施形態では、ピストン及びスプールの付勢手段が、ばねを圧縮した時の反力利用したものであるが、場合によってはばねを引っ張った時の反力を利用するように構成してもよい。上記の実施形態では、通路部材12に1つだけ、本発明による流体接続具を実施したが、通路部材12に、上記の実施形態で示したのと同一構成の流体接続具を複数設けることもできる。上記の実施形態では、排気音低減のために弁部を設けたが、場合によっては除去することもできる。また、上記の実施形態では、Oリング24、30、34を使用したが、これに限ったものではなく、弾性体、例えば環状の弾性体であれば他のものも使用することができる。また、Oリング34とストッパ32とを別個に構成したが、一体に構成することもできる。
【符号の説明】
【0028】
1 流体通路接続具
2 固定部
3 環状ピストン
4 スプール
10 被接続口
11 供給通路
12 通路部材
13 プラグ状部材
14 平面
15 雌ねじ
16 シリンダ孔
17 頭部
18 中心孔
19 流体流通孔
20 底
21 雄ねじ
22 (固定部の)Oリング
23 (環状ピストンの)内孔
24 (環状ピストンの)Oリング
25 (ピストン前側の)空間
26 環状の部材
27 流体通路
27a 延長部
28 連通孔
29 (スプール先端の)面
30 (スプール先端の)Oリング
31 ばねカバー
32 ストッパ
33 止め輪
34 (クッション)Oリング
35 (フランジ状拡大)部分
36 ピストン付勢ばね
37 延長形成部
38 一方のばね受け
39 他方のばね受け
40 スプール付勢ばね
41 弁室
42 弁室連通孔
43 弁座
44 弁体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を供給する側の供給通路の先端部に、先端側が開口したシリンダ状の内孔を設けた固定部と、
前記シリンダ状の内孔に嵌入したピストンと、
前記ピストンの内孔に嵌入して所定寸法軸方向進退移動可能に支持され、内部に前記先端側に開口した流体通路と、外周面から前記流体通路に達しかつ前記環状ピストンの内周面によって開閉される連通孔とを有しており、先端部を別の被接続孔の開口周辺部に当接させた状態で前記流体通路と前記被接続口が接続状態になるスプールとを、
具備し、前記供給通路が流体供給停止状態で、前記スプールが前記固定部に対し相対的に後退した位置にあって前記ピストンが前記連通孔を閉じた後退した位置にあり、前記供給通路が流体供給状態になることにより、前記スプールが流体圧力により前記ピストンと共に前記所定寸法の範囲内で前進して前記被接続孔の開口周辺部に当接し、次に前記ピストンが前記連通孔を開いた位置に前進して前記内孔を前記流体通路に連通させるように構成したことを特徴とする流体通路接続具。
【請求項2】
請求項1記載の流体通路接続具において、前記供給通路が流体供給停止状態になることにより、前記連通孔が閉じる後退位置に前記ピストンを後退させるピストン付勢手段と、前記スプールを後退位置に後退させるスプール付勢手段と、を設けたことを特徴とする流体通路接続具。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の流体通路接続具において、前記スプールが、スプール後端部に内部の前記流体通路を後方へ延長形成して前記供給通路に開口させその延長形成部の途中に弁室を設けると共に前記延長形成部外面に開口した弁室連通孔を設け、前記弁室のスプール先端側に弁座を設けて弁室に弁体を収容し、前記供給通路に流体が供給されることにより前記弁体が前記弁座に着座して閉弁し、前記供給通路の流体が排出されることにより開弁する構成を特徴とする流体通路接続具。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3に記載の流体通路接続具において、前記スプールが、前記ピストン外周に設けたシリンダ状部内孔に接している弾性体により弾性的に支持されたフローティング支持構造とされていることを特徴とする流体通路接続具。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate