説明

流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置及び切り出し・ストッパ装置

【課題】流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置ないし切り出し・ストッパ装置を提供する。
【解決手段】一側端部に、物品Wを止める形状のストッパ部11aを備え、中間部位を物品Wの移送方向と直交する回転軸12で上下方向への揺動が可能に支持され、他側端部は、進退片14に駆動されてストッパ部11aを沈ませる動作を与えられる被駆動部11bに構成されたシーソー片11と、シーソー片11のストッパ部11aを、浮上させる駆動力を付与する弾性体13と、流動型ホイールコンベアの終端部へ前進、後退をするように設置され、後方側端部には、シーソー片11の被駆動部11bを拘束し又はストッパ部11aを移送物品Wへ当たらない解除位置へ沈ませる操作部14aを備え、前方側端部は、コンベア上を移送されてきた物品Wを受け取る物品受取り装置により押し込まれる入力部14bに形成された進退片14とで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、重力作用で物品を移送するホイールコンベア(以下、これを流動型ホイールコンベアという。ローラコンベアの場合を含む。以下、同じ。)の下流側終端部において移送物品の流れを一旦止めるストッパとして機能すると共に、同移送物品のストッパ機能を解除して、同終端部で待ち受ける台車や次順のコンベア等へ移送物品を載せ替える移載機能を発揮させることができる「からくり仕掛け」の移載用ストッパ装置、及び前記移載用ストッパ装置を働かせて移送物品を載せ替える際に、予め定めた数量の移送物品だけを載せ替えて、それ以降に続く移送物品はホイールコンベア上へきっちり止め置く切り出し機能をも備えた「からくり仕掛け」の移載用切り出し・ストッパ装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、倉庫や生産現場において、ワーク(移送物品)を供給し又は運搬する取り回し作業(荷扱い)は、作業者の高齢化、或いは女性の進出などにより、作業内容と環境の改善要求の声が日増しに高まっている。
即ち、荷物の運搬や移動、載せ替えの作業はできるだけ簡便に軽労働として行えるように機械化し、自動化することが望まれている。それも電源を必要としない「からくり仕掛け」にて実現することが望まれている。
因みに、倉庫や生産現場におけるワークの供給、運搬には、ホイールコンベアを一定の角度前傾させて用い、物品を重力作用で移送する所謂流動型ホイールコンベアが、電源を必要としない「からくり仕掛け」の手段として重宝され、多く採用されている。それでもなお、流動型ホイールコンベアの下流側終端部では、依然として人手により移送物品をコンベアから下ろし、台車或いは他のコンベア等へ移載する作業の更なる自動化の実現要求がある。
因みに、コンベアから下ろした物品を、台車或いは他のコンベア等へ移載する先行技術としては、下記の先行技術文献1〜3に記載された技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2976205号公報
【特許文献2】特開2008−264918号公報
【特許文献3】特開2010−163268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1、2に開示された移載装置は、流動型ホイールコンベアの下流側終端部から運搬台車へ、又は運搬台車から流動棚(流動型ホイールコンベア)へ、いわゆる直交する方向へ移送物品を移載する手段を開示したものである。
しかし、倉庫や生産現場におけるワークの供給、運搬に際しては、流動型ホイールコンベアの下流側終端部からそのまま真っ直ぐ同じ方向へ移送物品を移載する要求が多い。ところが特許文献1、2に開示された移載装置では、前記した要求を満たすことはできないという問題がある。
因みに、流動型ホイールコンベアの下流側終端部へ真っ直ぐな配置関係に接した運搬台車や次順の流動型ホイールコンベア(流動棚)へ移送物品を移載する要求は現実に多く存在する。
【0005】
一方、上記の特許文献3に開示された物品移送システムは、逆に流動型ホイールコンベアの下流側終端部から、そのまま真っ直ぐ同じ方向へ移送物品を移載する手段を開示している。ところが、直交する方向へ移動する運搬台車に対して移送物品を移載することができない不便さがある。
しかも移送物品のストッパ機構と、同ストッパの解除機構はそれぞれ別個独立の構成とされ、別々に組み立てられている。したがって、各機構が大掛かりな構成となり、コンベア等への組み付けや調整の作業が難しく、高さ位置や動作寸法の変更が面倒である。
【0006】
なお、流動型ホイールコンベアの下流側終端部において移送物品を移載する移載用ストッパ装置の機能として、単に移送物品を載せ替える働きに寄与するだけでは、必要十分といえない。何故なら、移送物品の止め置き状態(ストッパ状態)を解除した際に、コンベア上の移送物品が次々と際限なく流動するようでは、かえって載せ替え作業に混乱を生ずるからである。つまり、ストッパを解除した際には、予め定めた一定数量の移送物品だけを流動させて載せ替え等の目的を達し、前記数量以降の移送物品は、自動的にきっちり止め置く切り出し機能を発揮させる機能が肝要である。
但し、既往のストッパ機能に切り出し機能を付加するために複雑な仕掛けを施すことによって、装置が複雑になったり、高価なものとなったり、或いは取付スペースの場所的制約が大きくなったりするようでは、「からくり仕掛け」本来の良さを減殺することになって不具合である。
【0007】
したがって、本発明の目的は、流動型ホイールコンベアの下流側終端部において移送物品のストップ機能と、同ストップ機能を解除して移送物品の前進を許容して載せ替える機能とを働き、人手を要することなく直接次順の台車や流動型ホイールコンベアなどへ移送物品を移載することができ、しかも電源を必要とせず、人手を必要としない「からくり仕掛け」の機構にて移送物品の移載を実現でき、荷扱い作業の軽減化、能率化を図れる流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置を提供することである。
本発明の次の目的は、移送物品を流動型ホイールコンベアの下流側終端部から、そのまま真っ直ぐ同じ方向へ、例えば運搬台車や次順の流動型ホイールコンベアなどへ移送物品を移載できるほか、必要に応じて流動型ホイールコンベアの下流側終端部に対して直交する方向へ移動する運搬台車などへも移送物品を移載できる、流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置を提供することである。
本発明の更なる目的は、移送物品の止め置き状態(ストッパ機能)を解除した際には、予め定めた数量の移送物品だけを流動させて載せ替え等の目的を達することができ、且つ前記数量以降の移送物品は、自動的にコンベア上へきっちり止め置く「切り出し機能」をも発揮する構成で、しかも軽便で場所をとらない「からくり仕掛け」による流動型ホイールコンベアの移載用切り出し・ストッパ装置を提供することも目的としている。
本発明の究極の目的は、移送物品のストッパ機構と、同ストッパの解除機構、及び載せ替え数量を特定して後続の移送物品をせき止める切り出し機構を含む移載手段を、合一のユニットとして構成すると共に、流動型ホイールコンベアへの取り付けや調整が容易な構成とした、流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置ないし切り出し・ストッパ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した従来技術の課題を解決する手段として、請求項1に記載した発明に係る流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置1は、
一側端部に、流動型ホイールコンベア2上を移送される物品Wを止める形状のストッパ部11aを備え、中間部位を前記物品Wの移送方向と直交する配置の回転軸12で上下方向への揺動が可能に支持され、他側端部は、後述の進退片14に駆動されて前記ストッパ部11aを移送物品Wの底面より以下に沈み込ませる動作を与えられる被駆動部11bに構成されたシーソー片11と、
前記シーソー片11に対して、ストッパ部11aを、移送物品Wを止める高さ位置へ浮上させる駆動力を付与する弾性体13と、
流動型ホイールコンベア2の終端部へ一定のストロークで直線状の前進、後退をするように設置され、後方側端部には、前記シーソー片11の被駆動部11bへ接して同被駆動部の位置を拘束し又は被駆動部11bを駆動して前記ストッパ部11aを移送物品Wへ当たらない解除位置へ沈み込ませて同解除位置を保持する操作部14aを備え、前方側端部は、流動型ホイールコンベア2の終端部から一定のストローク分相当を突き出され、同コンベア2上を移送されてきた物品Wを受け取る物品受取り装置4又は4’により押し込まれる入力部14bに形成された進退片14とで構成されており、
流動型ホイールコンベア2の下流側終端部の位置に、前記シーソー片11のストッパ部11aがホイールコンベア20上を移送される物品Wと相対峙する位置へ出没し、前記進退片14の入力部14bはコンベア2の下流側終端部から一定のストローク分突き出した状態に設置され、
前記進退片14の入力部14bが物品受取り装置4又は4’により一定のストローク押し込まれると、前記シーソー片11のストッパ部11aが操作部14aにより流動型ホイールコンベア2上の移送物品Wの底面より以下へ沈み込んで同移送物品Wの前進移動を許し、前記物品受取り装置4又は4’が前記入力部14bから離れると、前記弾性体13により前記進退片14が押し戻され、シーソー片11のストッパ部11aがコンベア2上の移送物品Wを止める位置へ浮上することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載した発明に係る流動型ホイールコンベアの移載用切り出し・ストッパ装置は、
一側端部に、流動型ホイールコンベア2上を移送される物品Wを止める形状のストッパ部11aを備え、中間部位を前記物品Wの移送方向と直交する配置の回転軸12で上下方向への揺動が可能に支持され、他側端部は、後述の進退片14に駆動されて前記ストッパ部11aを移送物品Wの底面より以下に沈み込ませる動作を与えられる被駆動部11bに構成されたシーソー片11と、
前記シーソー片11に対して、ストッパ部11aを、移送物品Wを止める高さ位置へ浮上させる駆動力を付与する弾性体13と、
流動型ホイールコンベア2の終端部へ一定のストロークで直線状の前進、後退をするように設置され、後方側端部には、前記シーソー片11の被駆動部11bへ接して同被駆動部の位置を拘束し又は被駆動部11bを駆動して前記ストッパ部11aを移送物品Wへ当たらない解除位置へ沈み込ませて同解除位置を保持する操作部14aを備え、前方側端部は、流動型ホイールコンベア2の終端部から一定のストローク分相当を突き出され、同コンベア2上を移送されてきた物品Wを受け取る物品受取り装置4又は4’により押し込まれる入力部14bに形成された進退片14と、
及び上記進退片14と連結されて同進退片14と共に一定のストローク前進、後退するように流動型ホイールコンベア2の上流側に向けて配置されたリンク材50と、
流動型ホイールコンベア2上を進む移送物品Wのうち、終端位置から数えて特定した切り出し個数目の移送物品Wへ当たる位置へストッパ片51aが出没するように設置された切り出しストッパ51とで構成され、
上記進退片14の前進動作を伝える前記リンク材50により前記切り出しストッパ51のストッパ片51aを移送物品Wへ当たらない位置まで沈ませ、同進退片14の後退動作により前記ストッパ片51aは移送物品Wへ当る位置へ突き出して切り出し機能を働くことを特徴とする。
【0010】
請求項に記載した発明は、請求項1に記載した流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置1において、
シーソー片11とこれを揺動可能に支持する回転軸12、及び同シーソー片のストッパ部11aを移送物品W止める高さ位置へ浮上させる駆動用の弾性体13、並びに進退片11は、断面が溝形状のユニットケーシング10の溝内に、シーソー片11は上下方向への揺動が可能に、進退片14は一定のストロークで直線状の前進、後退が可能に組み込まれた構成でユニット化されており、前記ユニットケーシング10が流動型ホイールコンベア2の下流側終端部におけるコンベアフレーム21へ取り付けて設置されることを特徴とする。
【0011】
請求項に記載した発明は、請求項1又は3に記載した流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置1において、
少なくともシーソー片11のストッパ片11aを揺動可能に支持する回転軸12における、前記シーソー片11の外側部位に、流動型ホイールコンベア2を構成するホイール20aと同一外径の補助ホイール16が設置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載した発明は、請求項2に記載した流動型ホイールコンベアの移載用切り出し・ストッパ装置において、
シーソー片11とこれを揺動可能に支持する回転軸12、及び同シーソー片のストッパ部11aを移送物品Wを止める高さ位置へ浮上させる駆動用の弾性体13、並びに進退片11は、断面が溝形状のユニットケーシング10の溝内に、シーソー片11は上下方向への揺動が可能に、進退片14は一定のストロークで直線状の前進、後退が可能に組み込まれた構成でユニット化されており、
前記ユニットケーシング10は流動型ホイールコンベア2の下流側終端部におけるコンベアフレーム21へ取り付けて設置されること、
リンク材50は、その前端部50aが前記進退片14と連結され、前記ユニットケーシング10の底面とコンベアフレーム21の上面との間を通って上流側へ配置され、その後端の操作部50bが、ストッパ片51の被駆動部51bと連係されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載した発明は、請求項2又は5に記載した流動型ホイールコンベアの移載用切り出し・ストッパ装置1において、
少なくともストッパ片51を揺動可能に支持する回転軸52における、前記ストッパ片51の外側部位に、流動型ホイールコンベア2を構成するホイール20aと同一外径の補助ホイールが設置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び3、4に記載した発明に係る流動型ホイールコンベア2の移載用ストッパ装置1は、シーソー片11とこれを揺動可能に支持する回転軸12、及び同シーソー片11のストッパ部11a、移送物品W止める高さ位置へ浮上させる駆動用の弾性体13、並びに進退片14とで成るから、電源を必要としない「からくり仕掛け」の装置として使用できる。従って、流動型ホイールコンベア2の下流側終端部へ設置すると、電源や人手を要することなく、移送物品Wを受け取る台車4や次順の流動型ホイールコンベアなどへ移送物品Wを移載する手段として便利に使用でき、荷扱い作業の軽減化、能率化を図れる。
また、本発明の移載用ストッパ装置1は、移送物品Wを流動型ホイールコンベア2の下流側終端部から、そのまま真っ直ぐ同じ方向へ、例えば運搬台車4や次順の流動型ホイールコンベアへと移載する機能を発揮することはもとより、必要に応じて流動型ホイールコンベア2の下流側終端部に対して直交する方向へ移動する運搬台車4’などへも移送物品Wを同様に移載することができるので、すこぶる使い勝手が良い。
その上、本発明の移載用ストッパ1は、移送物品Wのストッパ機構と同ストッパの解除機構とを含む移載手段が、ユニットケーシング10内へ合一のユニットとして構成されるので、流動型ホイールコンベア2の終端部への取り付けや調整が容易であり、この意味でも使用に便利である。
【0015】
また、上記請求項2及び5、6に記載した流動型ホイールコンベアの移載用切り出し・ストッパ装置によれば、上記請求項1又は3,4に記載した移載用ストッパ装置1の機能に付随して、流動型ホイールコンベア2上を移動する移送物品Wの流れを、前記移載用ストッパ装置1のストッパ機能が解除される動作と連動して、切り出すべき個数より上流側をせき止めて前進を阻止し、予め定めた切り出し個数の物品のみを移載できる切り出し機能を働くので、流動型ホイールコンベア上を流れる移送物品の移載作業を混乱なく、軽便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による移載用ストッパ装置を流動型ホイールコンベアの終端部へ適用した場合の使用態様を示した斜視図である。
【図2】本発明による移載用ストッパ装置の構成原理を示した正面方向の断面図である。
【図3】(A)は本発明による移載用ストッパ装置が流動型ホイールコンベア上の移送物品を止め置く機能状態を示した断面図、(B)はその斜視図、(C)は移載用ストッパ装置が移送物品を解放する機能状態を示した断面図である。
【図4】(A)は駆動用の弾性体に圧縮バネを用いた移載用ストッパ装置の構成原理を示した断面図、(B)はその斜視図である。
【図5】(A)は本発明による移載用ストッパ装置が流動型ホイールコンベア上の移送物品を止める構成態様を示した断面図、(B)は前記移載用ストッパ装置が流動型ホイールコンベアの下流側終端部において、移送物品を直交する方向へ移載する構成態様を示した平面図である。
【図6】A〜Cは流動型ホイールコンベアの終端部へ本発明の移載用切り出し・ストッパ装置を適用した場合の動作態様を順に示した正面方向の断面図である。
【図7】A、Bは本発明による移載用切り出し・ストッパ装置の各構成要素のみを切り出し状態と切り出し解除の状態で示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明によるホイールコンベアの移載用ストッパ装置1は、一側端部に流動型ホイールコンベア2上を移送される物品Wを止める形状のストッパ部11aを備え、中間部位を前記物品Wの移送方向と直交する配置の回転軸12で上下方向への揺動が可能に支持され、他側端部は後述の進退片14に駆動されて前記ストッパ部11aを移送物品Wの底面より以下に沈み込ませる被駆動部11bに構成されたシーソー片11と、
一端を前記シーソー片11へ連結して、ストッパ部11aを、移送物品Wを押し止める高さ位置へ浮上させる駆動力を付与する弾性体13と、
流動型ホイールコンベア2の終端部へ一定のストロークで直線状の前進、後退が可能に設置され、後方側端部には、前記シーソー片11の被駆動部11bへ接して同被駆動部11bの位置を拘束し又は同被駆動部11bを駆動して前記ストッパ部11aを移送物品Wへ当たらない解除位置へ沈み込ませて同解除位置を保持する操作部14aを備え、前方側端部は、流動型ホイールコンベア2の終端部から一定のストローク分相当を突き出され、同コンベア2上を移送されてきた物品Wを受け取る物品受取り装置4又は4’により押し込まれる入力部14bに形成された進退片14とで構成する。
流動型ホイールコンベア2の下流側終端部の位置に、前記シーソー片11のストッパ部11aがホイールコンベア20上を移送される物品Wと相対峙する位置へ出没し、前記進退片14の入力部14bは流動型ホイールコンベア2の下流側終端部から一定のストローク分突き出した状態に設置する。
前記進退片14の入力部14bが物品受取り装置4又は4’により一定のストローク押し込まれると、前記シーソー片11のストッパ部11aが操作部14aにより流動型ホイールコンベア2上の移送物品Wへ当たらない位置へ沈み込んで同移送物品Wの前進移動を許し、前記物品受取り装置4又は4’が前記入力部14bから離れると、前記弾性体13により前記進退片14が押し戻され、シーソー片11のストッパ部11aがコンベア2上の移送物品Wを止める位置へ浮上する。
【0018】
本発明による流動型ホイールコンベアの移載用切り出し・ストッパ装置は、上記シーソー片11と、前記シーソー片11に対して、駆動力を付与する弾性体13と、流動型ホイールコンベア2の終端部へ一定のストロークで直線状の前進、後退をするように設置され、後方側端部には、前記ストッパ部11aを移送物品Wの解除位置へ沈み込ませて同解除位置を保持する操作部14aを備え、前方側端部は、同コンベア2上を移送されてきた物品Wを受け取る物品受取り装置4又は4’により押し込まれる入力部14bに形成された進退片14とで構成された移載用ストッパ装置に、
上記進退片14と連結して同進退片14と共に一定のストロークを前進、後退するように流動型ホイールコンベア2の上流側に向けて配置されたリンク材50と、
流動型ホイールコンベア2上を進む移送物品Wのうち、終端位置から数えて特定した切り出し個数目の移送物品Wへ当たる位置へストッパ片51aが出没するように設置された切り出しストッパ51とを付加して構成する。
上記進退片14の前進動作を伝える前記リンク材50により前記切り出しストッパ51のストッパ片51aを移送物品Wへ当たらない位置まで沈ませ、同進退片14の後退動作により前記ストッパ片51aを移送物品Wへ当る位置へ突き出させて切り出し機能を働く構成である。
【0019】
本発明の流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置1は、シーソー片11とこれを揺動可能に支持する回転軸12、及び同シーソー片11のストッパ部11aが移送物品Wを押し止める高さ位置へ浮上させる駆動用の弾性体13、並びに進退片14をそれぞれ、断面が溝形状のユニットケーシング10内に、シーソー片11は上下方向への揺動が可能に、進退片14は一定のストロークで直線状の前進、後退が可能に組み込まれてユニット化され、前記ユニットケーシング10が流動型ホイールコンベア2の下流側終端部におけるコンベアフレーム21へ取り付けて設置し使用する。
本発明の流動型ホイールコンベアの移載用切り出し・ストッパ装置も、上記移載用ストッパ装置1と共通する断面が溝形状のユニットケーシング10の溝内に、シーソー片11は上下方向への揺動が可能に、進退片14は一定のストロークで直線状の前進、後退が可能に組み込まれた構成でユニット化される。
【実施例1】
【0020】
以下に、先ず本発明による流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置を、図示した実施例に基づいて説明する。
図1から図3に示した移載用ストッパ装置1の実施例は、図2と図3を見ると分かり易いように、流動型ホイールコンベア2を構成する一列のホイールコンベア20のコンベアフレーム21の溝内へ挿入して設置される溝形断面形状のユニットケーシング10の溝内に、各構成要素を纏めて組み込んだユニットとして構成され使用される。
シーソー片11は、一例として図1に示した構成の流動型ホイールコンベア2の上を移送される物品Wの前面を押し止めるストッパ部11aとして、前側端部を鋭角状に屈曲した形状で備えている(図2を参照)。このシーソー片11は、その中間部位を、前記物品Wの移送方向(矢印P参照)と直交する配置の回転軸12で、上下方向への揺動が可能に支持されている。そして、同シーソー片11の後側端部は、反時計方向へ略直角状に曲げて、後述する進退片14が押し込まれる動作を利用して、前記ストッパ部11aを移送物品Wの前面の下縁より以下に沈み込ませるストッ解除の操作を受ける被駆動部11bに構成されている。
【0021】
別途に、前記シーソー片11のストッパ部11aを、移送物品Wの前面を押し止める高さ位置(図2及び図3A参照)へ浮上させる駆動力を発揮する弾性体である引っ張り用バネ13が、その一端をシーソー片11の上記回転軸12の位置よりも被駆動部11b寄りの位置に形成したバネ受け11dへ連結されている。同引っ張り用バネ13の他端は、ユニットケーシング10の溝底壁から立ち上がらせたバネ受け15へ連結されており、当該引っ張り用バネ13の引っ張り力で、シーソー片11には、常時図2、図3A中の時計回り方向への回転力が作用する構成とされている。
【0022】
次に、進退片14は、ユニットケーシング10の溝底壁の面上を滑動するものとし、同ユニットケーシング10の側壁内面の低部に内向きに突出させたスライドガイド片10aに拘束されて、一定のストロークSを直線状に前進、後退が可能に設置されている。同進退片14の後方側端部(図3中の左端部)は、前記シーソー片11の被駆動部11bと接して同被駆動部11bの位置拘束し、又は被駆動部11bを通じて前記ストッパ部11aを、流動型ホイールコンベア2上を移送する移送物品Wの前面の下縁(底面)より以下の位置へ沈み込ませる動作を与える操作部14aに構成されている。図示した操作部14aは、進退片14の後方側端部を時計廻り方向へ約35度方向へ屈曲した構成とされている。同進退片14の前方側端部には、当該進退片14が一定のストロークSだけ押し込まれると、特定の規制部、図示例の場合では前記ユニットケーシング10の側壁内面の低部に内向きに突出させたスライドガイド片10aの端部へ突き当たって止められる入力部14bに形成されている。図示した入力部14bは、上向きに略直角に屈曲した構成とされ、進退片14が逆に一定ストロークSだけ突き出ると、図2と図3Aに示したように、ユニットケーシング10及びホイールコンベア20のコンベアフレーム21の下流側終端部から一定の長さSだけ突き出る構成とされている。
【0023】
上記のようにユニットケーシング10、及びホイールコンベア20の下流側終端部から一定の長さS突き出された入力部14bは、流動型ホイールコンベア2上を移送されてきた物品Wを受け取る、例えば運搬用台車4(図1を参照)、或いはその他の物品受取り装置による押し込み操作力を受けて押し込まれ後退される。
ユニットケーシング10は、図1及び図3Bを見ると分かり易いように、横断面が溝形状で、長手方向に均等な形態の押出材などを一定の長さに切断して構成されている。これは図1の流動型ホイールコンベア2を構成するべく、中央列に配置されたホイールコンベア20のコンベアフレーム21が、やはり横断面を溝形状に形成されていることを前提として、同コンベアフレーム21の溝内へユニットケーシング10を嵌め込んで取り付け設置することを容易に可能とするための構成であり、ユニットケーシング10は前記嵌め込みが可能な寸法比率に形成されている。
【0024】
上記したとおり、本発明の移載用ストッパ装置1は、上記ユニットケーシング10の溝内へ各構成要素を纏めて組み込みユニット化した構成であるから、ホイールコンベア20のコンベアフレーム21の終端部の溝内へユニットケーシング10を嵌め込み、ビス止め等の手段で固定することにより簡単に設置でき、格別の調整作業も必要としない。
なお、図2、図3中の符号16は、上記流動型ホイールコンベア2を構成するべく、中央列に配置されたホイールコンベア20と、そのコンベアフレーム21へ接続した上記ユニットケーシング10に組み込まれた移載用ストッパ装置1との間における、移送物品Wの移動を滑らかにするべくユニットケーシング10の前後2箇所に設置した補助ホイールであり、ホイールコンベア20のホイール20aと同径に形成されている。
前記の各補助ホイール16を設置しない場合、ホイールコンベア20上を移送されてきた物品Wの種類、形状によっては、その底面がコンベアフレーム21へ突っかかって移載が円滑に行われないおそれがあるので、前記補助ホイール16を設置することにより解決している。
最前列の補助ホイール16は、ホイールコンベア20のホイール20aとほぼ同径であるが、図示例の場合、後順の二つの補助ホイール16は、シーソー片11を支持した回転軸12におけるシーソー片11の両外側に分離した2個を一対として、及び進退片14の上方に位置する軸18における進退片14の両外側に分離した2個を一対としてそれぞれ設置しているが、この限りではない。両側の二つの補助ホイール16についてはいずれか一方の1個のみを補助ホイール16で構成してもよい。或いは前記1個ずつの補助ホイール16は前後に千鳥状の配置で設置してもよいが、その図示は省略する。
【0025】
更に具体的に各部の構成を説明する。上記シーソー片11は、図3Bを見ると分かり易いように、一定の強度と剛性を備えた金属板(鋼板など)をプレスによる曲げ加工等して構成されている。移送物品Wの前面を押し止めるストッパ部11aは、シーソー片11の前側の端部(図中の左端部)をレ形状に屈曲して形成されている。その屈曲角度は、図2に示したとおり、流動型ホイールコンベア2上を移送されてきた物品Wの前面を押し止める高さ位置へストッパ部11aが浮上した際に丁度、同物品Wの前面とほぼ平行な面を形成する鋭角度に屈曲した構成とされている。
但し、ストッパ部11aの機能及び構成は、必ずしも移送物品Wの前面を押し止める手法に限らない。例えば移送物品Wの下面(底面)を上向きに押し上げる作用による摩擦力で移送物品Wを止め置く機能を働かせる構成でも同様に実施可能である。よって、当該ストッパ部11aの形状は、移送物品Wの下面を押し上げる機能に効果的な形状で実施することも好ましいことを申し添える。前記の構成、作用は、以下に説明する各実施例にも共通する事項であると理解されたい。
なお、上記シーソー片11の中間部位は、上記流動型ホイールコンベア2上の移送物品Wの移送方向(矢印P参照)と直交する配置の回転軸12で支持されて、シーソー片11は紙面の上下方向への揺動が可能に設置されている。そのためシーソー片11の中間部には、下向きに折り曲げた一対の軸受片11cが両サイドに形成され、回転軸12は、前記一対の軸受片11c間へ貫通させて設置され、その両端部がユニットケーシング10の両側壁で支持されている。
なおまた、回転軸12が、軸受片11cに対して回転自在な構成とするか、又は軸受片11cと回転軸12とは一体的な構成として、回転軸12がユニットケーシング10の両側壁で回転自在に支持される構成とするかは、単なる設計事項である。
【0026】
次に、上記回転軸12を中心に紙面の上下方向へ揺動可能に設置されたシーソー片11には、その上記ストッパ部11aを、ホイールコンベア20上を移送されてきた物品Wの前面を止める高さまで回転浮上させる動力源として引っ張り用バネ13が設置され、図2及び図3Aの時計回り方向への回転力を常時付与させていることは既に上述した。
その一方、シーソー片11の後側端部(図中の右側端部)に設けた被駆動部11bは、シーソー片11が、上記引っ張り用バネ13により常時時計回り方向の回転力を与えられていることを前提に、逆に反時計回り方向へ略直角な向きに屈曲した構成とされている。
【0027】
上記被駆動部11bに対して、上記進退片14の操作部14aは、進退片14が図2及び図3Aに示した後退限度の位置にあるとき、前記シーソー片11の被駆動部11bとぴったり面接触して同被駆動部11bの位置を同位置へ拘束する鋭角度(例えば約30°)に折り返し屈曲した形態とされている。
因みに、図2及び図3A、Bに示した実施例において、進退片14の操作部14aが後退限度の位置にあるときは、上記溝形断面形状のユニットケーシング10における溝内の右端寄り位置に補助ホイール16を回転自在に支持したホイール軸18へ、操作部14aの背面が突き当たって止められた位置と定めた構成とされている。この後退限度の位置にある進退片14の後端に形成された入力部14bは、ユニットケーシング10の右端から一定のストロークSだけ突き出る構成とされている。
なお、操作部14aの後退限度の位置を規定する手段は、上記のホイール軸18の構成に限らない。ユニットケーシング10における溝側壁に突起を設けて突き当てる等の構成で実施することもできる。
【0028】
上記した平板形状の進退片14は、溝形断面のユニットケーシング10の溝内における溝底壁の面上を同溝の長手方向へ一定のストロークで前進、後退の進退が可能に設置されている。しかもユニットケーシング10の両側壁の内面下部から内向きに突き出させたスライドガイド片10aによる拘束を受けて安定に滑る。この進退片14を、上記引っ張り用バネ13の引っ張り力よりも強い力で一定のストロークSだけ前進移動させると、その前端に形成された上記鋭角形状の操作部14aが、いわば楔作用の如き働きで上記シーソー片11の被駆動部11bを押し上げて進み反時計回り方向へ回転させる働きをする(図3C参照)。
こうしてシーソー片11が反時計回り方向へ回転される結果、前端のストッパ部11aは、逆にホイールコンベア20上を移送されてくる物品Wの前面の下縁(底面)より以下へ沈み込まされ、同物品Wの前進通過が可能に解放する。
そして、操作部14aは、前記の前進位置が保たれる限り、引っ張りバネ13の作用力に打ち勝って、前記ストッパ部11aを、ホイールコンベア20上を移送される物品Wの前面の下縁より以下に沈み込ませた「退避位置=ストップ解除」の状態に保たれる(拘束する)ことを理解できるであろう。換言すれば、後述する移送物品Wの受け取り用台車4が、前記操作部14aを上記ストロークSだけ押し込まれた「前進位置」(図3C)を保つ限り、移送物品Wを留め置くストップ機能は解除され、移送物品Wは移送状態(移載状態)となる。
【0029】
上記の構成であるから、進退片14の上記操作部14aが、逆に後退限度の位置でホイール軸18へ突き当たって止められているかぎり(図3Aの状態)、シーソー片11の端部(図中の右側端部)に設けた被駆動部11aは、引っ張り用バネ13の作用により時計回り方向へ下降した位置で進退片14の操作部14aへぴったり面接触した状態が安定に保たれる。よって、逆に浮上したストッパ部11aは、ホイールコンベア20上を移送される物品Wの前面を止める高さ位置を安定に保ち、同物品Wのストップ機能を発揮する(図2、図3A)。前記のストップ機能状態は、上記引っ張り用バネ13がシーソー片11を時計回り方向へ回転する作用力が働いて自己保持する。よって、ストッパ部11aの前記浮上位置を安定状態に保つことになり、ホイールコンベア20上を移送される物品Wをきっちり止め置き、移送物品Wの重力作用による前進力に対抗する
【0030】
ところが上記進退片14の入力部14bへ、例えば図1に示したように右方から流動型ホイールコンベア2の終端部に向かって矢印Kのように前進し接近した移送物品受け取り用台車4の前部フレーム等が衝突し、その勢いで進退片14の入力部14bをユニットケーシング10における右端(図3Bの符号10a)へ突き当たるストロークSまで前進される(図2、図3の左方へ進める)と、その大きな作用力により図3Cに示したように、上記鋭角度に折り返して屈曲された楔状形態の操作部14aは、楔作用の如き働きでシーソー片11の被駆動部11bを迫り上げつつ反時計回り方向へ回転させる。こうしてシーソー片11が反時計回り方向へ回転される結果、他端のストッパ部11aも同じく反時計回り方向へ回転して、ホイールコンベア20上を移送される物品Wの前面の下縁(底面)より以下へ沈み込まされる。
こうして入力部14bが前記移送物品受け取り用台車4で押し続けられている限り、前記操作部14aは、引っ張り用バネ13の作用力に打ち勝って、被駆動部11bを押し上げた状態を保ち、ストッパ部11aが沈み込んだ退避位置を継続させ安定状態に拘束する(規制する)。
したがって、ストッパ部11aによる止め置き機能を解除されたホイールコンベア20上の物品Wは、重力作用により速やかに前進移動して、そのまま真っ直ぐに移送物品受け取り用台車4が備えるコンベア40(図1)上へ乗り込み、移載機能が奏される。
【0031】
上記の場合、シーソー片11の上記反時計廻り方向への回転に伴って、必然的に上記駆動用の引っ張り用バネ13は引き伸ばされる。その反作用としてシーソー片11へは時計廻り方向への回転力を強く働くことになる。しかし、上記移送物品受け取り用台車4が進退片14の入力部14bを強く押し込んだ状態を保つ限り、図3Cに示すストッパ部11aは沈み込んだストッパ解除位置に保持される。
しかし、移送物品受け取り用台車4が図1の右方(矢印Kとは反対方向)へ後退移動して、進退片14の入力部14bから離れると、直ちに上記の引っ張り用バネ13がシーソー片11を時計回り方向へ回転させる作用力を働くから、自由になった進退片14の操作部14aを押し退ける形にシーソー片11は時計回り方向へ回転される。その結果、再びストッパ部11aがホイールコンベア20上を移送される物品Wの前面を押し止める位置へ浮上して、再び移送物品Wのストップ機能を働くことになる。
また、引っ張り用バネ13の前記作用力で時計回り方向に回転する被駆動部11bは、進退片14の操作部14aを押し退ける働きもして、進退片14を後退移動させる。そして、同被駆動部11bが操作部14aと丁度平面状態に接するのと同時期(進退片14がストロークSの後退をした時期)に、後退した操作部14aは丁度その後退限度位置を規定するホイール回転軸18へ突き当たって止まり、その位置が安定に保たれる。
したがって、本発明による移載ストッパ1の働きに電源等は必要でなく、また、移送物品受け取り用台車4を前進・後退させる操作以外に人出を要することもなく、目的の移載機能を働かせることができる。
【実施例2】
【0032】
図4Aに示した移載ストッパ装置1の構成の大部分は、上記実施例1と共通する。
本実施例2の特徴は、弾性体として圧縮用バネ13’を用いたことである。この圧縮用バネ13’は、シーソー片11の前端のストッパ部11aを、ホイールコンベア20上を移送されてくる物品Wの前面を押し止める高さ位置へ浮上させるため、更に言えば同シーソー片11に反時計廻り方向への回転力を作用させるために、シーソー片11の回転軸12の位置よりもストッパ部11aに近寄った位置へ一端部が連結され、他端部は前記位置のほぼ直下に相当するユニットケーシング10の溝底壁部と連結した構成とされている。
その他の構成と作用は、上記実施例と共通するので、説明は省略する。
なお、弾性体としては上記したバネに限らない。同様な作用効果を奏する限り、ゴムやプラスチック材、金属板バネなどを使用することができる。
【実施例3】
【0033】
図5A、Bに示した実施例3の移載用ストッパ装置1も、やはり構成の大部分は、上記実施例1と共通する。
本実施例3の特徴は、要するに流動型ホイールコンベア2上を矢印Pの方向に移送されてきた物品Wを、前記矢印Pの方向とは直交する矢印Qの方向へ移動する移送物品受け取り用台車4’へ移載する構成の使用例を示したものである。
本実施例3では、直交する矢印Qの方向に移動する移送物品受け取り用台車4’において、進退片14の入力部14bと対面する側面であって、同移送物品受け取り用台車4’の前記矢印Qの方向への移動に伴って前記入力部14bと接触する高さ位置に、所謂直動カムに似て進退片14の入力部14bへ接して同入力片14bを一定のストロークSだけ押し込むリフト量(カム作用のリフト)を有する作動部材44を設置した構成を特徴とする。
要は流動型ホイールコンベア2上を移送された物品Wの矢印P方向に対して、直交する矢印Q方向へ移動する移送物品受け取り用台車4’に、その移動に伴って、進退片14の入力部14bに一定のストロークSだけ同入力部14bを強力に押し込む手段44を設けて目的を達している。作動部材44の形状、構造は図示例の限りではない。
【実施例4】
【0034】
次に、上記した移載用ストッパ装置1の構成を前提とし、切り出し機構を付加して移載用切り出し・ストッパ装置とした実施例を、図6と図7により説明する。
もっとも図6に示した移載用ストッパ装置1は、図4Aに示した実施例2,即ち弾性体として圧縮用バネ13’を用いた構成の実施例を採用しているが、勿論、この構成の限りではない、上述した他の実施例1或いは3と組み合わせた構成でも全く同様に実施することができる。
いずれにせよ、移載用ストッパ装置1の構成及び作用に関しては、既に詳述してきたので、ここで繰り返すことは省略し、以下には、切り出し機構の構成と作用、及び移載用ストッパ装置1との組み合わせ態様とそれに基づく作用等について説明を行う。
【0035】
本発明による流動型ホイールコンベアの移載用切り出し・ストッパ装置を構成する移載用切り出し機構としては、上記構成の移載用ストッパ装置1における進退片14と連結して同進退片14と共に一定のストロークを前進、後退するように流動型ホイールコンベア2の上流側に向けて配置されたリンク材50と、流動型ホイールコンベア2上を進む移送物品Wのうち、同コンベアの終端位置から数えて特定した切り出し個数目の移送物品Wを止める位置へ切り出しストッパ片51aが出没するように設置された切り出しストッパ51とを主要な構成要素として成り、これらが上記構成の移載用ストッパ装置1に付加した構成とされる。
図示した実施例の場合、リンク材50は、図7に示したように、一例として長い金属製の帯板材を加工して成り、その一端には、上記移載用ストッパ装置1における進退片14の入力部14bの内面へ接合する連結部50aを形成している。前記連結部50aを進退片14の入力部14bと接着或いはビス止め等することにより進退片14と一体的に進退動作する構成とされる(但し、接合位置はこの位置に限らない。)。このリンク材50の長さの設計如何により、コンベア終端位置から数えて何個目の移送物品Wを切り出し可能とするかを決定できる。同リンク材50の他端に、切り出しストッパ51を切り出し操作させる駆動部50bが、垂直上向きに屈曲して起立させた形に形成されている。
【0036】
切り出しストッパ51は、上記移載用ストッパ装置1を構成するシーソー片11と同様に、支軸52を中心に上下方向へシーソ運動(揺動)をするように、上記のように決定した移送物品Wの切り出し位置に支軸52で設置されている。この切り出しストッパ51の一端(後端)に、流動型ホイールコンベア2上を流動してくる移送物品Wを止める切り出しストッパ片51aが、一例として金属板を屈曲した形で形成されている。そして、同切り出しストッパ51の他端(前端)には、上記リンク材50の駆動部50bにより駆動される被駆動部51bが、やはり金属板を屈曲した形に形成されている。
前記切り出しストッパ片51aを、流動型ホイールコンベア2上を移動する移送物品Wを止める位置へ出没させる機構としては、先ず切り出しストッパ片51aを支持する支軸52回りのモーメント作用として、図示のストッパ片51aとは反対側の重量が遙かに大きく常に時計廻りの重量モーメントが優越する構成とされている。
して、リンク材50の端部に形成した駆動部50bが、垂直に起立された構成であるのに対して、切り出しストッパ片51aの前記ストッパ片51aとは反対側の端部は、時計回り方向に約45度を角度に屈曲した被駆動部51bに形成されている。
したがって、切り出しストッパ51の一端である切り出しストッパ片51aは、常に上方へ突き出す方向へ回転力を受け、他端である被駆動部51bは、常に下方へ沈み込もうとする回転力が重力作用で生じている。
その故に、移送物品Wを切り出しストッパ51上をそのまま通過させる状態では、駆動部50bへ被駆動部51bが干渉して切り出しストッパ片51aが突き出さない状態を維持しているが、駆動部50bが被駆動部51bへの干渉がなくなれば、そのときは切り出しストッパ51aは突き出して、移送物品Wを止める。
つまり、切り出しストッパ片51aを移送物品Wへ当たらない位置まで沈ませ、同進退片14の後退動作により前記ストッパ片51aを移送物品Wへ当る位置へ突き出させて切り出し機能を働く構成である。
また、図示することは省略したが、切り出しストッパ51に関しても、同様に移送物品Wが突っかかって順調に流れない場合があるので、支軸52の外側位置へ補助ホイールを設けて実施することが好ましい。
【0037】
本発明の流動型ホイールコンベアの移載用切り出し・ストッパ装置1も、上記移載用ストッパ装置1と共通する断面が溝形状のユニットケーシング10の溝内へ、リンク材50及び切り出しストッパ51まで合一に組み込んで一体化した構成とされ、そのユニットケーシング10を流動型ホイールコンベア2の下流側端部へ取り付けて設置し使用される。
【0038】
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、勿論、本発明は上記実施例の構成に限定されるものではない。本発明の要旨、及び技術思想を逸脱しない範囲で、当業者が必要に応じて行う設計変更や応用、変形として種々な態様で実施され得ることを、念のため申し添える。
【符号の説明】
【0039】
1 移載用ストッパ
2 流動型ホイールコンベア
11 シーソー片
11a ストッパ部
11b 被駆動部
12 回転軸
13 弾性体
14 進退片
14a 操作部
14b 入力部
4 移送物品受け取り用台車
10 ユニットケーシング
16 補助ホイール
20 ホイールコンベア
44 作動部
50 リンク材
51 切り出しストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側端部に、流動型ホイールコンベア上を移送される物品止める形状のストッパ部を備え、中間部位を前記物品の移送方向と直交する配置の回転軸で上下方向への揺動が可能に支持され、他側端部は、後述の進退片に駆動されて前記ストッパ部を移送物品の底面より以下に沈み込ませる動作を与えられる被駆動部に構成されたシーソー片と、
前記シーソー片に対して、ストッパ部を、移送物品止める高さ位置へ浮上させる駆動力を付与する弾性体と、
流動型ホイールコンベアの終端部へ一定のストロークで直線状の前進、後退をするように設置され、後方側端部には、前記シーソー片11の被駆動部11bへ接して同被駆動部の位置を拘束し又は被駆動部を駆動して前記ストッパ部を移送物品へ当たらない解除位置へ沈み込ませて同解除位置を保持する操作部を備え、前方側端部は、流動型ホイールコンベアの終端部から一定のストローク分相当を突き出され、同コンベア上を移送されてきた物品を受け取る物品受取り装置により押し込まれる入力部に形成された進退片とで構成されており、
流動型ホイールコンベアの下流側終端部の位置に、前記シーソー片のストッパ部がホイールコンベア上を移送される物品相対峙する位置へ出没し、前記進退片の入力部はコンベアの下流側終端部から一定のストローク分突き出した状態に設置され、
前記進退片の入力部が物品受取り装置により一定のストローク押し込まれると、前記シーソー片のストッパ部が操作部により流動型ホイールコンベア上の移送物品の底面より以下へ沈み込んで同移送物品の前進移動を許し、前記物品受取り装置が前記入力部から離れると、前記弾性体により前記進退片が押し戻され、シーソー片のストッパ部がコンベア上の移送物品止める位置へ浮上することを特徴とする、流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置
【請求項2】
一側端部に、流動型ホイールコンベア上を移送される物品を止める形状のストッパ部を備え、中間部位を前記物品の移送方向と直交する配置の回転軸で上下方向への揺動が可能に支持され、他側端部は、後述の進退片に駆動されて前記ストッパ部を移送物品の底面より以下に沈み込ませる動作を与えられる被駆動部に構成されたシーソー片と、
前記シーソー片に対して、ストッパ部を、移送物品を止める高さ位置へ浮上させる駆動力を付与する弾性体と、
流動型ホイールコンベアの終端部へ一定のストロークで直線状の前進、後退をするように設置され、後方側端部には、前記シーソー片の被駆動部へ接して同被駆動部の位置を拘束し又は被駆動部を駆動して前記ストッパ部を移送物品へ当たらない解除位置へ沈み込ませて同解除位置を保持する操作部を備え、前方側端部は、流動型ホイールコンベアの終端部から一定のストローク分相当を突き出され、同コンベア2上を移送されてきた物品を受け取る物品受取り装置により押し込まれる入力部に形成された進退片と、
及び上記進退片と連結されて同進退片と共に一定のストロークを前進、後退するように流動型ホイールコンベアの上流側に向けて配置されたリンク材と、
流動型ホイールコンベア上を進む移送物品のうち、終端位置から数えて特定した切り出し個数目の移送物品へ当たる位置へストッパ片が出没するように設置された切り出しストッパとで構成され、
上記進退片の前進動作を伝える前記により前記切り出しストッパのストッパ片を移送物品へ当たらない位置まで沈ませ、同進退片の後退動作により前記ストッパ片は移送物品へ当る位置へ突き出して切り出し機能を働くことを特徴とする、流動型ホイールコンベアの移載用切り出し・ストッパ装置
【請求項3】
シーソー片とこれを揺動可能に支持する回転軸、及び同シーソー片のストッパ部を移送物品止める高さ位置へ浮上させる駆動用の弾性体、並びに進退片は、断面が溝形状のユニットケーシングの溝内に、シーソー片は上下方向への揺動が可能に、進退片は一定のストロークで直線状の前進、後退が可能に組み込まれた構成でユニット化されており、前記ユニットケーシングが流動型ホイールコンベアの下流側終端部におけるコンベアフレームへ取り付けて設置されることを特徴とする、請求項1に記載した流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置。
【請求項4】
少なくともシーソー片のストッパ片を揺動可能に支持する回転軸における、前記シーソー片の外側部位に、流動型ホイールコンベアを構成するホイールと同一外径の補助ホイールが設置されていることを特徴とする、請求項1又は3に記載した流動型ホイールコンベアの移載用ストッパ装置。
【請求項5】
シーソー片とこれを揺動可能に支持する回転軸、及び同シーソー片のストッパ部を移送物品を止める高さ位置へ浮上させる駆動用の弾性体、並びに進退片は、断面が溝形状のユニットケーシングの溝内に、シーソー片は上下方向への揺動が可能に、進退片は一定のストロークで直線状の前進、後退が可能に組み込まれた構成でユニット化されており、
前記ユニットケーシングは流動型ホイールコンベア2の下流側終端部におけるコンベアフレーム21へ取り付けて設置されること、
リンク材は、その前端部が前記進退片と連結され、前記ユニットケーシングの底面とコンベアフレームの上面との間を通って上流側へ配置され、その後端の操作部が、ストッパ片の被駆動部と連係されていることを特徴とする、 請求項2に記載した流動型ホイールコンベアの移載用切り出し・ストッパ装置。
【請求項6】
少なくともストッパ片を揺動可能に支持する回転軸における、前記ストッパ片の外側部位に、流動型ホイールコンベアを構成するホイールと同一外径の補助ホイールが設置されていることを特徴とする、請求項2又は5に記載した流動型ホイールコンベアの移載用切り出し・ストッパ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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