説明

流動物充填用逆止弁とそれを備える土木用袋体

【課題】高い密閉性が実現され、流動物の漏出を効果的に防止可能な流動物充填用逆止弁及びそれを備えた土木用袋体を提供する。
【解決手段】内部に流動物を充填して膨張させる袋体1の開口部1bに設けられる流動物充填用逆止弁2は、開口部1bに嵌挿される筒状部31と、当該筒状部31の外周に接続され、前記袋体1の内面に沿うように配置されるフランジ部32と、から成るフランジ付筒体30を備える。また、前記袋体1の内面と前記フランジ部32を挟んで反対側に配置され、外縁の一部が前記袋体1の内面から離間した状態で前記フランジ部32を覆うように当該袋体1の内面に固着されるシート材40を備える。前記フランジ付筒体30は前記シート材40よりも剛性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動物充填用逆止弁とそれを備える土木用袋体に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、特許文献1には、有孔プラスチックフィルムシート4と無孔プラスチックフィルムシート5の組み合わせより成るエアー注入弁が記載されている。この有孔プラスチックフィルムシート4に開口された透孔3を介して高圧エアーを噴射すると、有孔プラスチックフィルムシート4と無孔プラスチックフィルムシート5との間に空隙が生じ、一方、エアー注入を中断すれば内圧により当該空隙は閉じられるようになっている。これらのシート4・5の素材として軟質の塩化ビニルフィルムが例示されている。
【0003】
また、特許文献2にも、同様な構成が記載されている。即ち、本特許文献2には、袋体1の内部に注入口10と対向する閉塞面31を有する流通路30を設け、流体注入による袋体内部の流体圧力を利用して流通路30を圧潰せしめる構成が記載されている。なお、袋体1はポリエステル織布により、流通路30はシート状の内膜により形成されている。
【0004】
【特許文献1】実開昭63−101371号公報(第2カラム第5〜8行目及び図2及び図4参照)
【特許文献2】特開2000−178939号公報(段落番号0008・0022・0023及び図7参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の構成では、前述の如く軟質のフィルム同士により弁が形成されているので、当該弁の形状が安定せず、従って弁としての機能即ち密閉性に改善の余地がある。また、この構成では、前記透孔3を介して注入されたエアーの内圧が略直接的に当該透孔3の縁に作用してしまうこととなるから、この透孔3の縁は常に開裂する恐れを有していると考えられる。言うまでもなく、この透孔3の縁が開裂すると「エアー注入弁」としての機能は完全に消失してしまう。
【0006】
同様に、上記特許文献2の構成も織布とシート状の内膜とによるものであるから、密閉性について改善の余地がある。また、この構成も、上記特許文献1の構成と同様、袋体1の内部に注入された流体の内圧が当該袋体1の注入口10の縁に略直接的に作用するようになってしまっている。より具体的には、本特許文献2の図3及び図6の内圧が作用する向き(図中符号P)などからも判る通り、当該内圧が注入口10を拡径し開裂しようとする方向へ作用すると考えられる。従って、当該特許文献2の構成は、上記特許文献1と同様、弁としての機能が消失してしまう恐れを有しているのである。
【0007】
本発明は係る諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、高い密閉性が実現され、流動物の漏出を効果的に防止可能な流動物充填用逆止弁及びそれを備えた土木用袋体を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の第1の観点によれば、以下のように構成される、内部に流動物を充填して膨張させる袋体の開口部に設けられる流動物充填用逆止弁が提供される。
即ち、前記開口部に嵌挿される筒状部と、当該筒状部の外周に接続され、前記袋体の内面に沿うように配置されるフランジ部と、から成るフランジ付筒体を備える。
前記袋体の内面と前記フランジ部を挟んで反対側に配置され、外縁の一部が前記袋体の内面から離間した状態で前記フランジ部を覆うように当該袋体の内面に固着されるシート材を備える。
前記フランジ付筒体を構成する前記の筒状部又はフランジ部のうち少なくとも何れか一方は前記シート材よりも剛性がある。
【0010】
これによれば、前記袋体の内部へ前記流動物を充填することにより生じる当該流動物の内圧が、前記の筒状部又はフランジ部のうち少なくとも何れか一方に対して、前記シート材を強力に押圧して密着させるので、一度充填された流動物が前記袋体の外部へ漏出することを防止できる。
また、前記流動物によって押圧される前記シート材と、当該シート材が押圧される対象たる前記フランジ付筒体(具体的には筒状部又はフランジ部のうち、より剛性のある方)と、が異なる剛性を有することから、当該シート材のフランジ付筒体に対する高い密着度が実現され、前記の漏出を効果的に防止できる。
また、前記袋体の開口部の外周に前記シート材が固着されることで当該開口部が補強されるから、前記充填によって生じる前記流動物の内圧により当該開口部が拡径してしまうのを防止できる。
また、前記流動物充填用逆止弁は簡素な構成であるから安価に製造できるし、部品点数が少ないのでその前記袋体に対する取付けも極めて容易とできる。
また、筒状部に接続され、前記袋体の内面に沿うように配置されるフランジ部が前記流動物の内圧を受け止める構成であるから、前記袋体の開口部の縁に対して直接的に当該内圧が作用することがなく、即ち、開口部を拡径しようとする力が緩和されるから、より一層当該開口部の拡径を抑制できる。
【0011】
本発明の第2の観点によれば、前記筒状部は前記フランジ部に対して貫設されていることが好ましい。
【0012】
即ち、前記筒状部の前記袋体内部側の端部が当該袋体内部側へ突出される構成であるから、前記流動物の内圧が当該筒状部の端部に対して前記シート材を押圧することとなる。それ故、前記流動物の内圧が前記フランジ部全体に対して前記シート材を押圧する場合と比較して、前記のフランジ付筒体とシート材との接触面積が極めて小さくなるので、フランジ付筒体とシート材との間の閉塞力を十分且つ確実に確保できる。
【0013】
本発明の第3の観点によれば、前記フランジ部が前記袋体の内面に固着されていることが好ましい。
【0014】
これによれば、前記袋体の開口部が補強されることとなるから、前記充填によって生じる前記流動物の内圧により当該開口部が拡径してしまうのをより効果的に防止できる。
【0015】
本発明の第4の観点によれば、前記フランジ部はゴム弾性を有する高分子材料より形成されており、前記袋体に対して縫着されていることが好ましい。
【0016】
これによれば、前記フランジ部が前記袋体の内面に対して更に確実に固着されるので、前記開口部が拡径してしまうのを更に効果的に防止できる。
また、前記フランジ部を前記袋体に縫着するときに当該フランジ部に形成される針孔が、このフランジ部の有する自己復元力(弾性力)により自ずと収縮して閉塞されることとなるから、例えば当該針孔に目止め等の後処理をしなくても、当該袋体の内部に充填された流動物が当該針孔を介して漏出してしまうのを防止できる。このことは、充填された当該流動物が例えば高含水泥土の場合に特に有益である。
また、使用する高分子材料を適宜選択することにより、前記のフランジ部と袋体とを縫着する縫着用糸の張力によって、隣り合う前記針孔間で当該フランジ部が破断してしまうのを防止できる。
要するに、前記針孔を閉塞するための自己復元力と、前記縫着用糸の張力に対する強度と、を容易に両立できるのである。
【0017】
また、本発明の第5の観点によれば、以下のように構成される、土木用袋体が提供される。
即ち、内部に流動物を充填して膨張させる袋体と、前記袋体の開口部に嵌挿される筒状部と、当該筒状部の外周に接続され、前記袋体の内面に沿うように配置されるフランジ部と、から成るフランジ付筒体と、前記袋体の内面と前記フランジ部を挟んで反対側に配置され、外縁の一部が前記袋体の内面から離間した状態で前記フランジ部を覆うように当該袋体の内面に固着されるシート材と、を備える。
前記フランジ付筒体を構成する前記の筒状部又はフランジ部のうち少なくとも何れか一方は前記シート材よりも剛性がある。
【0018】
これによれば、前記袋体の内部へ前記流動物を充填することにより生じる当該流動物の内圧が、前記の筒状部又はフランジ部のうち少なくとも何れか一方に対して、前記シート材を強力に押圧して密着させるので、一度充填された流動物が前記袋体の外部へ漏出することを防止できる。
また、前記流動物によって押圧される前記シート材と、当該シート材が押圧される対象たる前記フランジ付筒体(具体的には筒状部又はフランジ部のうち、より剛性のある方)と、が異なる剛性を有することから、当該シート材のフランジ付筒体に対する高い密着度が実現され、前記の漏出を効果的に防止できる。
また、前記袋体の開口部の外周に前記シート材が固着されることで当該開口部が補強されるから、前記充填によって生じる前記流動物の内圧により当該開口部が拡径してしまうのを防止できる。
また、前記土木用袋体は簡素な構成であるから安価に製造できるし、部品点数が少ないので組立作業性を良好とできる。
また、筒状部に接続され、前記袋体の内面に沿うように配置されるフランジ部が前記流動物の内圧を受け止める構成であるから、前記袋体の開口部の縁に対して直接的に当該内圧が作用することがなく、即ち、開口部を拡径しようとする力が緩和されるから、より一層当該開口部の拡径を抑制できる。
【0019】
本発明の第6の観点によれば、前記筒状部は前記フランジ部に対して貫設されていることが好ましい。
【0020】
即ち、前記筒状部の前記袋体内部側の端部が当該袋体内部側へ突出される構成であるから、前記流動物の内圧が当該筒状部の端部に対して前記シート材を押圧することとなる。それ故、前記流動物の内圧が前記フランジ部全体に対して前記シート材を押圧する場合と比較して、前記のフランジ付筒体とシート材との接触面積が極めて小さくなるので、フランジ付筒体とシート材との間の閉塞力を十分且つ確実に確保できる。
【0021】
本発明の第7の観点によれば、前記フランジ部が前記袋体の内面に固着されていることが好ましい。
【0022】
これによれば、前記袋体の開口部が補強されることとなるから、前記充填によって生じる前記流動物の内圧により当該開口部が拡径してしまうのをより効果的に防止できる。
【0023】
本発明の第8の観点によれば、前記フランジ部はゴム弾性を有する高分子材料より形成されており、前記袋体に対して縫着されていることが好ましい。
【0024】
これによれば、前記フランジ部が前記袋体の内面に対して更に確実に固着されるので、前記開口部が拡径してしまうのを更に効果的に防止できる。
また、前記フランジ部を前記袋体に縫着するときに当該フランジ部に形成される針孔が、このフランジ部の有する自己復元力(弾性力)により自ずと収縮して閉塞されることとなるから、例えば当該針孔に目止め等の後処理をしなくても、当該袋体の内部に充填された流動物が当該針孔を介して漏出してしまうのを防止できる。このことは、充填された当該流動物が例えば高含水泥土の場合に特に有益である。
また、使用する高分子材料を適宜選択することにより、前記のフランジ部と袋体とを縫着する縫着用糸の張力によって、隣り合う前記針孔間で当該フランジ部が破断してしまうのを防止できる。
要するに、前記針孔を閉塞するための自己復元力と、前記縫着用糸の張力に対する強度と、を容易に両立できるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る土木用袋体が適用された間詰め用袋の断面概略図である。
【0026】
本図に示す如く本実施形態に係る間詰め用袋(土木用袋体)100は、鋼鉄製のトンネル支保工と地山とに挟まれる空間を間詰めするように用いられている。当該間詰め用袋100には、充填後に硬化する性質を有するモルタルが充填されている。
【0027】
次に、前記の間詰め用袋100の構成に関して図2〜4を参照しつつ説明する。
図2は、本実施形態に係る間詰め用袋の長手方向断面図であって、モルタルが既に充填されている状態を示す図である。図3は、図2のA部拡大図であって、図4の3−3線矢視断面図である。図4は、図3のA矢視図である。
【0028】
図2に示す如く前記の間詰め用袋100は、内部にモルタル(流動物)を充填して膨張させる袋体1と、当該袋体1の後述する開口部に設けられる流動物充填用逆止弁2と、から構成されている。
【0029】
この袋体1は、例えばポリエステル繊維・ナイロン繊維・ビニロン繊維・ポリプロピレン繊維などの合成繊維糸を使用して、適宜の直径の円筒状に織成された筒状織物であって、その長手方向に適宜の長さで裁断し、その長手方向両端部(裁断端部)1a・1aを適宜の糸又は接着剤などを用いて閉塞したものである。この袋体1には、充填される前記モルタルの含む水分は通過するものの、その固形成分は通過しない程度の濾過性(通気性)が確保されている。
【0030】
前記の筒状織物は、種々の方法により製作できる。
例えば、複数枚の平面状織布を重ね合わせ当該複数枚の織布の対向する縁同士を縫着することによって筒状にしてもよいし(周方向の継ぎ目あり)、また、複数本の経糸とこの経糸に対して螺旋状に連続して織り込まれる緯糸とにより周方向に継ぎ目なく織成してもよい。後者の筒状織物であって例えば最大容量が1.3mのものは、例えば0.1MPaの耐圧性能を有するとされる。
【0031】
前記の流動物充填用逆止弁2の構成を、図3及び図4を参照しつつ説明する。図3に示す如く、この流動物充填用逆止弁2は、フランジ付筒体30と、シート材(面状部材)40と、を備えるものである。なお、当該シート材40は、本明細書中に用いられる図面において説明の便宜上太線で描かれている。
【0032】
先ず、前記のフランジ付筒体30に関して具体的に説明する。
このフランジ付筒体30は、本図に示す如く、前記の袋体1に開口された適宜の開口部1bに嵌挿される略円筒状の筒状部31と、当該筒状部の端部であって袋体1の内部側のものの外周に接続され、袋体1の内面に沿うように配置される抜け防止用のフランジ部32と、から構成されている。
【0033】
この筒状部31は、袋体1の内部にモルタルを充填(注入)する際に用いられる充填用ホースが接続可能となるように適宜の外径(及び/又は内径)に形成されている。また、この筒状部31は、袋体1を基準として、当該袋体1の外部側へ且つ袋体1の外周面と略垂直に所定距離だけ延びている。
【0034】
前記のフランジ部32は、図4に示す如く前記筒状部31から径方向外側に向かって環状に延びている。また、当該フランジ部32の外周側端部の直径は、筒状部31の外径の略2倍に形成されており、フランジ部32の厚みは略1〜2mm程度に形成されている。
【0035】
図3に示す如く本実施形態において前記のフランジ付筒体30を構成する前記の筒状部31とフランジ部32とは一体形成されている。また、本実施形態において前記の筒状部31の前記袋体1内部側の端部とフランジ部32の袋体1内部側の面とは、略面一である。
【0036】
また、このフランジ付筒体30は、ゴム弾性を有する高分子材料より形成されている。言い換えれば、前記フランジ部32はゴム弾性を有する高分子材料により形成されている。この高分子材料は、具体的には例えば硬度が90A(JIS K 6253対応のデュロメータ(タイプA)を用いて測定される値)である軟質塩化ビニル(軟質熱可塑性樹脂)などが挙げられる。
【0037】
そして前記のフランジ部32は、前記袋体1の内面に対して適宜の手段により固着されている(本図及び図4参照)。より具体的には、当該フランジ部32は、前記袋体1の内面に対して適宜の縫着用糸33(例えばポリエステル繊維・ナイロン繊維・アラミド繊維など)を用いて縫着され(図4において太い破線(隠れ線ではない。)で示す。)、又は、適宜の接着剤などを用いて接着されている。
【0038】
このフランジ部32を袋体1の内面に対して縫着する場合は、例えば図4に示す如くである。即ち、前記の筒状部31を包囲する如く環状に、フランジ部32と袋体1とを縫着用糸33を用いて共縫いする。言い換えれば、前記袋体1の前記開口部1bを包囲する如く環状に、フランジ部32と袋体1とを縫着用糸33を用いて共縫いする。なお、上記環状縫着は、好ましくは本図に示す如く径方向に僅かな隙間(例えば5mm程度)を空けて二重に施されることが好ましい。勿論、前記のフランジ部32を袋体1に対して縫着すると同時に接着してもよい。
【0039】
なお、上述の如く前記フランジ部32をこのような硬度の熱可塑性樹脂で形成することにより、前記のフランジ部32と袋体1とを縫着する縫着用糸の張力によって、隣り合う前記針孔間で当該フランジ部32が破断してしまうのを防止できる。即ち、前記フランジ部32を前記袋体1に縫着するときに当該フランジ部32に形成される針孔を閉塞するための自己復元力と、前記縫着用糸の張力に対する強度と、を容易に両立できる。
なお、本発明の発明者による他の試験研究によれば、前記フランジ部32の硬度が70A未満の場合(例えば、合成ゴム製の場合)は、前記縫着用糸の張力によって隣り合う前記針孔間においてフランジ部32が破断してしまうこともあった。要するに、単に柔軟で収縮性があればよいというわけではないのである。
【0040】
次に、前記のシート材40に関して具体的に説明する。
このシート材40は、図3に示す如く前記袋体1の内面と前記フランジ部32を挟んで反対側に配置されている。言い換えれば、フランジ部32は、前記のシート材40及び袋体1の間に介在されている。
【0041】
また、このシート材40は、図4に示す如く略矩形状に裁断されており、前記のフランジ部32を前記袋体1の内部側から完全に被覆可能に構成されている。換言すれば、前記袋体1の内側からみた際における投影面積を比較すると、本図に示す如く当該シート材40の投影面積は、前記のフランジ部32のそれよりも大きくなるように構成されている。
【0042】
このシート材40は、前記の袋体1と同様、例えばポリエステル繊維・ナイロン繊維・ビニロン繊維・ポリプロピレン繊維などの合成繊維糸で織成された織物であってもよく、一般的に織物として用いられるものであれば問題ない。また、当該シート材40は、前記の袋体1と同様、充填される前記モルタルの水分は通過するものの、その固形成分は通過しない程度の濾過性(通気性)が確保されていてもよいし、モルタルの固形成分のみならずその水分をも通過しない程度の濾過性(通気性)しか確保されていなくてもよい。更には、当該シート材40に対して積極的に遮水加工を施してもよい。
また、このシート材40は、適宜の可撓性を有することが好ましい(図5も併せて参照)。またはそれに代えて、当該シート材40は、適宜の伸縮性を有するように構成することもできる。
【0043】
そしてこのシート材40は、その外縁の一部が前記袋体1の内面から離間した状態で前記フランジ部32を覆うように前記袋体1の内面に対して適宜の手段により固着されている(図3及び図4参照)。より具体的には、当該シート材40は、図4において太い破線で示す如く前記袋体1の内面に対して適宜の縫着用糸41(例えばポリエステル繊維・ナイロン繊維・アラミド繊維など)を用いて縫着され、又は、適宜の接着剤などを用いて接着されている。
【0044】
このシート材40を袋体1の内面に対して縫着する場合は、例えば本図(図4)に示す如くである。即ち、略矩形状の前記シート材40は、その外縁を構成する四辺のうち互いに対向する二辺に沿うように、前記袋体1の内面に対して線状に縫着されている。そして、当該四辺のうち他の二辺は、袋体1の内面に対して縫着されていない。従って、前記の筒状部31から注入されたモルタルは、シート材40に遮られることなく袋体1の内部に流入可能に構成されている(後述する図6も併せて参照)。即ち、注入されるモルタルの流路が確保されているのである。なお、上記二箇所の線状縫着は夫々、好ましくは本図に示す如く上記他の二辺が延在する方向に僅かな隙間(例えば5mm程度)を空けて二重に施されることが好ましい。勿論、前記のフランジ部32を袋体1に対して縫着すると同時に接着しても問題ない。
【0045】
また、上述の如く、本実施形態において前記のフランジ付筒体30は熱可塑性樹脂より形成されており、一方、前記のシート材40は合成繊維糸で織成された織物により構成されている。従って、このフランジ付筒体30は、シート材40と比較して高い剛性を有するように構成されている。
【0046】
次に、上記間詰め用袋100の製造方法に関して、図2〜4を参照しつつ説明する。
【0047】
即ち、第1に、適宜の合成繊維を使用して適宜の直径を有する筒状織物を織成し、当該筒状織物を適宜の長さ(例えば2.5m)で裁断する。
【0048】
第2に、裁断された筒状織物の適宜の位置に、適宜の手段(例えばヒートカットなど)を用いて前述の開口部1bを設ける。この開口部1bは、前記流動物充填用逆止弁2が備える前記筒状部31の外径よりも若干小径とする。
【0049】
第3に、開口された当該開口部1bへ前記筒状部31を筒状織物の内側から嵌挿する。より具体的には、前記のフランジ部32が筒状織物(袋体1)の内面に密着するまで十分に筒状部31を開口部1bに嵌挿する。このとき、前記開口部1bは嵌挿される前記筒状部31の外径よりも若干小径に形成されているので、当該開口部1bは当該嵌挿に伴って若干拡径変形すると共に、前記の筒状織物は筒状部31の外周面に密着することとなる。換言すれば、上記の如く前記開口部1bが若干小径に形成されることで、前記の筒状織物と筒状部31の外周面との間に隙間が残存してしまうのを回避できる。
【0050】
第4に、前記のフランジ部32と筒状織物(袋体1)とを前述した縫着用糸を用いて図4に示す如く環状に縫着して固着する。これにより、前記開口部1bの外周が全周に亘ってフランジ部32に固着されることとなるから、例えば充填されるモルタルの内圧によって当該開口部1bが拡径変形してしまうのを抑制できる。端的に言えば、当該環状縫着により前記開口部1bが補強されるのである。
このとき、前述した如く上記固着する手段としては、縫着によるものに限定されず、接着によるものであっても勿論よい。
【0051】
第5に、予め前述した寸法に裁断しておいた略矩形状のシート材40を、上記筒状織物の内部側より前記フランジ部32を覆うように、当該フランジ部32にあてがい、その外縁を構成する四辺のうち互いに対向する二辺に沿うように、当該筒状織物の内面に対して線状に縫着して固着する。これにより、前記開口部1bの外周に前記シート材40が固着されることとなるから、前記充填によって生じる前記流動物たるモルタルの内圧により当該開口部1bが拡径変形してしまうのを抑制できる。端的に言えば、当該縫着により前記開口部1bが補強されるのである。
このとき、他の二辺は、当該筒状織物に対して縫着することはせずに、当該二辺と筒状織物との間にはモルタルなどが流動可能な程度の流路が確保されるようにしておく。
【0052】
最後に、前記筒状織物の裁断端部1a・1aを揃えて適宜の縫着用糸を用いて縫着して閉塞し、袋体1とする。
【0053】
次に、本実施形態に係る間詰め用袋100の作動に関して、図3〜図6を参照しつつ説明する。
図5は、図3に類似する図であり且つ図6の5−5線矢視断面図であって、モルタルの注入中を示す図である。図6は、図5のA矢視図である。
【0054】
図5に示す如く、前記間詰め用袋100の内部に流動物であるモルタルを注入する間は、可撓性を有する前記のシート材40は、前記フランジ部32に密着していない。換言すれば、当該シート材40とフランジ部32との間に、適宜の間隙Gが形成されている。
【0055】
間詰め用袋100の内部にモルタルを充填するときは、先ず、適宜の充填用ホース(不図示)を前記フランジ付筒体30の筒状部31に接続する。このとき、好ましくは当該充填用ホースは、筒状部31に対して結束バンドや針金などを用いて強固に連結(固定)しておくとよい。
【0056】
そして、前記の充填用ホース及び筒状部31を介してモルタルを間詰め用袋100の内部に注入しようとすると、モルタルは先ず前記の開口部1b及びフランジ部32の双方を前記袋体1の内部側から覆う前記シート材40に衝突し、その注入流の向きは、図6において太線白抜き矢印で示す如く、前記シート材40の四辺のうち前記袋体1の内面に縫着されていない二辺を横切る方向へ、換言すれば当該四辺のうち前記袋体1の内面に縫着されている二辺の延在方向へ、変換される。
【0057】
上記注入を継続した結果、モルタルが前記袋体1に充填されると、流動物たるモルタルの内圧が上昇し、この内圧(図3において太線白抜き矢印で示す。)が、前記フランジ部32に対して前記シート材40を強力に押圧して密着させる。これにより、前記のシート材40とフランジ部32との間に形成されていた前述の間隙Gが消失し、その結果、一度充填されたモルタルが前記筒状部31などを介して前記袋体1の外部へ漏出するのは防止される。
【0058】
以上に、本実施形態に係る間詰め用袋100の作動を説明したが、前記のシート材40が伸縮性を有する場合は、当該シート材40は、上記注入前から既に前記フランジ部32と密着状態であってもよい。換言すれば、この場合は前述した間隙Gは必ずしも形成されていなくてもよい。なぜなら、モルタルが前記筒状部31などを介して注入され、モルタルが伸縮性有するシート材40に衝突することによって、当該シート材40が図5に示す如く変形可能であるからである。換言すれば、筒状部31などを介して注入されたモルタルが前記袋体1の内部へ流入可能となるような適宜の流路が、前記シート材40が延伸することにより十分に確保され得るからである。
【0059】
(第1及び第5の発明)
以上説明した流動物充填用逆止弁2によれば、前記袋体1の内部へモルタルを充填することにより生じる当該モルタルの内圧が、前記フランジ付筒体30に対して、前記シート材40を強力に押圧して密着させるので、一度充填されたモルタルが前記袋体1の外部へ漏出することを防止できる。
また、前記モルタルによって押圧される前記シート材40と、当該シート材40が押圧される対象たる前記フランジ付筒体30と、が異なる剛性を有することから、当該シート材40のフランジ付筒体30に対する高い密着度が実現され、前記の漏出を効果的に防止できる。
また、前記袋体1の開口部1bの外周に前記シート材40が固着されることで当該開口部1bが補強されるから、前記充填によって生じるモルタルの内圧により当該開口部1bが拡径してしまうのを防止できる。
また、前記流動物充填用逆止弁2は簡素な構成であるから安価に製造できるし、部品点数が少ないのでその前記袋体1に対する取付けも極めて容易とできる。
また、筒状部31に接続され、前記袋体1の内面に沿うように配置されるフランジ部32が前記流動物の内圧を受け止める構成であるから、前記袋体1の開口部1bの縁に対して直接的に当該内圧が作用することがなく、即ち、開口部1bを拡径しようとする力が緩和されるから、より一層当該開口部1bの拡径を抑制できる。
【0060】
(第3及び第7の発明)
また、図3又は図5に示す如く、前記フランジ部32は前記袋体1の内面に固着されていることが好ましい。
【0061】
これによれば、前記袋体1の開口部1bが補強されることとなるから、前記充填によって生じるモルタルの内圧により当該開口部1bが拡径してしまうのをより効果的に防止できる。
また、前記フランジ部32が前記流動物充填用逆止弁2の抜け止めとしての機能と、前記開口部1bを補強するという機能と、を兼ね備える構成であるから、当該両機能を別の部材で発揮させようとする構成と比較して、構成を簡素とできる。
【0062】
(第4及び第8の発明)
また、図3〜6に示す如く、前記フランジ部32はゴム弾性を有する高分子材料より形成されており、前記袋体1に対して縫着されていることが好ましい。
【0063】
これによれば、前記フランジ部32が前記袋体1の内面に対して更に確実に固着されるので、前記開口部1bが拡径してしまうのを更に効果的に防止できる。
また、前記フランジ部32を前記袋体1に縫着するときに当該フランジ部32に形成される針孔が、このフランジ部32の有する自己復元力(弾性力)により自ずと収縮して閉塞されることとなるから、例えば当該針孔に目止め(針孔を樹脂などで填充すること)などの後処理をしなくても、当該袋体1の内部に充填されたモルタル(当該モルタルの水分及び/又は固形成分)が当該針孔を介して漏出してしまうのを防止できる。このことは、充填された当該流動物が例えば高含水泥土の場合に特に有益である。
なお、前記フランジ部32を繊維部材で形成し、当該フランジ部32を前記の袋体1に縫着した場合であって、目止め等の特別な後処理を施さない場合は、以下の問題を生じ得る。即ち、前記袋体1の内部に例えば含水比の高い泥土を注入した場合、その泥土の流れに上記針孔が曝され続け、当該針孔に所謂マッドケーキ(針孔を閉塞するように形成される、泥土の固形成分)が形成され難いので、長時間に亘って泥土(水分及び固形成分の双方)が当該針孔から漏出され続けてしまうことがある。一方、上記第6(及び第13)の発明によれば、目止めなどの後処理を省略可能であるから、生産性を向上できる。
【0064】
<第2実施形態>
以下、図面を参照しつつ、本発明の第2の実施形態を説明する。図7は、図3に類似する図である。本図において、上述の第1実施形態と類似する部材などについては原則として同一の符号を付している。以下、本実施形態が上述した第1実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0065】
図7に示す如く、本実施形態において前記の筒状部31は、前記フランジ部32に対して貫設されている。
即ち、上述した第1実施形態においては前記筒状部31の前記袋体1内部側の端部は前記フランジ部32と略面一に形成されているのに対し、本実施形態においては当該端部は前記フランジ部32と面一に形成されているのではなく、当該フランジ部32よりも袋体1の内部側へ突出して形成されている。言い換えれば、前記の筒状部31は、フランジ部32からみて袋体1の内部側へも外部側へも突出して形成されている。
【0066】
また、本図に示す如く前記袋体1の内部へモルタルを充填し終えたとき、上述した第1実施形態においてはモルタルの内圧は前記フランジ部32(及び前記筒状部31の前記袋体1内部側の端部)に対して前記シート材40を押圧するよう構成されているのに対し(図3参照)、本実施形態においてはモルタルの内圧は肉薄の筒状部31の袋体1内部側の端部に対してのみシート材40を押圧するよう構成されている(図7において太線白抜き矢印はモルタルの内圧をイメージしたものである。)。
言い換えれば、前記シート材40を介し前記フランジ付筒体30に対して作用するモルタルの内圧が、当該フランジ付筒体30の筒状部31の袋体1内部側の端部に局所的に(集中的に)作用するよう構成されている。
【0067】
従って、モルタルの内圧が前記フランジ部32全体(前記筒状部31の袋体1内部側の端部を含む。)に対して前記シート材40を押圧する場合、即ち面と面とが接触する場合と比較して、前記のフランジ付筒体30とシート材40との接触面積が極めて小さくなるので、フランジ付筒体30とシート材40との間の閉塞力(接触部圧力)を十分且つ確実に確保できる。また、当該閉塞力が十分に確保されるので、フランジ付筒体30(筒状部31の袋体1内部側の端部)とシート材40との間に多少の泥が噛み込まれても、当該筒状部31の袋体1内部側の端部を問題なく閉塞することができる。
【0068】
なお、前記袋体1の内部へモルタルを充填し終える前は、本図において鎖線で示す如く、前記筒状部31の袋体1内部側の端部とシート材40との間には適宜の間隙Gが形成されている。勿論、当該シート材40が伸縮性を有していれば、当該間隙Gは必ずしも必要ではないことは前述した通りである。
【0069】
以上に本発明の好適な実施形態(第1及び第2実施形態)を説明したが、本発明に係る土木用袋体は、内部に流動物を充填して膨張させる袋体であれば如何なるものに対しても適用可能であり、充填される流動物が当該充填後に硬化するか否かは問わず、例えば下記のような用途も考えられる。
【0070】
即ち、図8に示す如く、本発明に係る土木用袋体は、法面を補強する際に、当該法面と適宜の補強用ブロックとの間の間隙を解消するための所謂不陸調整用袋体に対しても適用可能である。
【0071】
また、本発明に係る土木用袋体は、例えば含水比が400%を超えるような高含水泥土の含水比を脱水により低下させる所謂袋詰め脱水処理にも適用可能である。なお、この場合、土木用袋体に注入される泥土は適宜のポンプにより供給される。
【0072】
また、上記各実施形態は以下のように変更して実施することができる。
【0073】
即ち、図3及び図5に示す如く、上記各実施形態において前記フランジ付筒体30を構成する前記の筒状部31及びフランジ部32は一体形成されるとしたが、これに限定されることはなく、例えば当該筒状部31とフランジ部32とを別体として形成し、適宜の手段(例えば接着など)により接続/連結する構成でもよい。
この場合、前記フランジ付筒体30を構成する前記の筒状部31又はフランジ部32のうち少なくとも一方が前記シート材40よりも剛性があればよい。例えば前記筒状部31がシート材40よりも剛性がある場合は、当該筒状部31の前記袋体1内部側の端部と、シート材40と、によって強力な閉塞力が確保される。一方、前記フランジ部32がシート材40よりも剛性がある場合は、当該フランジ部32の前記袋体1内部側の面と、シート材40と、によって強力な閉塞力が確保される。
また、このように前記の筒状部31及びフランジ部32を別体として構成する場合でも、勿論、当該筒状部31及びフランジ部32の双方を前記シート材40よりも高い剛性としてもよい。
なお、前記の筒状部31やフランジ部32は、上記各実施形態の如く熱可塑性樹脂より形成することに限らず、例えば、縫着用糸の張力に耐える硬度を有する合成ゴムより形成しても問題ない。
【0074】
また、図3〜図6に示す如く、上記各実施形態において前記のフランジ部32は前記袋体1の内面に固着されるとしたが、当該フランジ部32は袋体1の内面に必ずしも固着されていなくともよい。この場合でも、少なくとも当該袋体1からの前記フランジ付筒体30の抜け止めとしての当該フランジ部32固有の機能は問題なく発揮される。
【0075】
また、同様に、上記各実施形態において前記のフランジ部32は前記袋体1に対して縫着により固着されているとしたが、これに限定されず、前述した通り適宜の接着剤などを用いて接着により固着する構成であってもよい。これによれば、前記袋体1の組立作業性を向上できる。
なお、上記針孔の閉塞の観点から言えば、前記のフランジ部32を前記袋体1に対して縫着により固着するのではなく、接着により固着する構成とするならば、当該フランジ部32は必ずしも熱可塑性樹脂により形成する必要はない。
【0076】
また、図4及び図6に示す如く、上記各実施形態において前記のフランジ部32は前記袋体1に対して2つの円周に沿って二重に縫着されているが、これに代えて、1つの円周に沿って一重に縫着されてもよいし、3つ以上の円周に沿って三重以上に縫着されていてもよい。
【0077】
また、図4及び図6に示す如く、上記各実施形態において前記のシート材40は前記袋体1に対して以下の如く縫着されている。即ち、このシート材40は、その外縁を構成する四辺のうち互いに対向する二辺の近傍において且つ当該二辺に対して平行な線状に縫着されているが、これに限定されることはない。
即ち、このシート材40を、袋体1に対してどのように縫着するかは、当該袋体1に充填される材料の流動性(粘性を含む。)を考慮して自由に設定できる。具体的には、充填される流動物が流動性に長けている場合は流路断面積の確保よりも前記開口部1bの拡径変形に対する強度の確保を優先できる。一方、当該流動物が流動性に乏しい場合は当該縫着箇所を極力少なくして前記筒状部31と袋体1との間の連通流路を大きく確保することが好ましい。
【0078】
また、図4及び図6に示す如く、上記各実施形態において前記のフランジ部32は環状(円状)に形成されており、前記のシート材40は略矩形状に裁断されているとしたが、これらの部材32・40をどのように形成/裁断するかは特に制限されるものではない。従って、例えば前記フランジ部32を楕円状や矩形状などに形成してもよいし、前記シート材40を環状などに裁断しても問題ない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1実施形態に係る土木用袋体が適用された間詰め用袋の断面概略図。
【図2】本実施形態に係る間詰め用袋の長手方向断面図であって、モルタルが既に充填されている状態を示す図。
【図3】図2のA部拡大図であって、図4の3−3線矢視断面図。
【図4】図3のA矢視図。
【図5】図3に類似する図であり且つ図6の5−5線矢視断面図であって、モルタルの注入中を示す図。
【図6】図4に類似する図であって、図5のA矢視図。
【図7】図3に類似する図。
【図8】本発明に係る土木用袋体の適用例を示す図。
【符号の説明】
【0080】
1 袋体
1b 開口部
2 流動物充填用逆止弁
30 フランジ付筒体
31 筒状部
32 フランジ部
40 シート材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流動物を充填して膨張させる袋体の開口部に設けられる流動物充填用逆止弁において、
前記開口部に嵌挿される筒状部と、当該筒状部の外周に接続され、前記袋体の内面に沿うように配置されるフランジ部と、から成るフランジ付筒体と、
前記袋体の内面と前記フランジ部を挟んで反対側に配置され、外縁の一部が前記袋体の内面から離間した状態で前記フランジ部を覆うように当該袋体の内面に固着されるシート材と、
を備え、
前記フランジ付筒体を構成する前記の筒状部又はフランジ部のうち少なくとも何れか一方は前記シート材よりも剛性がある、ことを特徴とする流動物充填用逆止弁。
【請求項2】
前記筒状部は前記フランジ部に対して貫設されている、ことを特徴とする請求項1に記載の流動物充填用逆止弁。
【請求項3】
前記フランジ部が前記袋体の内面に固着されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の流動物充填用逆止弁。
【請求項4】
前記フランジ部はゴム弾性を有する高分子材料より形成されており、前記袋体に対して縫着されている、ことを特徴とする請求項3に記載の流動物充填用逆止弁。
【請求項5】
内部に流動物を充填して膨張させる袋体と、
前記袋体の開口部に嵌挿される筒状部と、当該筒状部の外周に接続され、前記袋体の内面に沿うように配置されるフランジ部と、から成るフランジ付筒体と、
前記袋体の内面と前記フランジ部を挟んで反対側に配置され、外縁の一部が前記袋体の内面から離間した状態で前記フランジ部を覆うように当該袋体の内面に固着されるシート材と、
を備え、
前記フランジ付筒体を構成する前記の筒状部又はフランジ部のうち少なくとも何れか一方は前記シート材よりも剛性がある、ことを特徴とする土木用袋体。
【請求項6】
前記筒状部は前記フランジ部に対して貫設されている、ことを特徴とする請求項5に記載の土木用袋体。
【請求項7】
前記フランジ部が前記袋体の内面に固着されている、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の土木用袋体。
【請求項8】
前記フランジ部はゴム弾性を有する高分子材料より形成されており、前記袋体に対して縫着されている、ことを特徴とする請求項7に記載の土木用袋体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−276818(P2007−276818A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−104012(P2006−104012)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
【Fターム(参考)】