説明

流路部材、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

【課題】流路部材1の内部に液体の滞留部を減少させ、液置換性の優れた流路部材を提供する。
【解決手段】流路部材1は、基体4に形成した凹部12とこの凹部12の開口端を閉塞する閉塞部材5により構成され、扁平な空間からなる液体貯留用のチャンバー2と、凹部12の底面16に開口しチャンバー2に底面から液体を流入する流入路7と、チャンバー2に開口しチャンバー2から液体を流出する流出路6とを備えている。ここで、凹部12の底面16に開口する流入路7の開口部は、流入路7の底面が液体の流れに沿って漸次浅くなるように凹部12の底面16に対して傾斜する傾斜面Tとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管等の流路に挿入し、流路内に液体を貯留し、または流路内の圧力変動を緩和させる流路部材、その流路部材を用いた液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録紙等にインク滴を吐出し、文字、図形を描画する、あるいは素子基板の表面に液体材料を吐出して機能性薄膜のパターンを形成するインクジェット方式のプリンターが利用されている。この方式は、インク等からなる液体材料を液体タンクから供給管を介して液体噴射ヘッドに供給し、液体噴射ヘッドに形成した微小空間に液体を充填する。そして、液体噴射ヘッドに駆動信号を与えてこの微小空間の容積を瞬間的に縮小し、この微小空間に連通するノズルから液滴を吐出させる。
【0003】
インクジェット方式のプリンターは、記録紙とインクジェットヘッドを移動させながら記録紙の任意の場所にインク滴を吐出してパターンを形成する。インクジェットヘッドから吐出されるインクはインクタンクからインクジェットヘッドにチューブを介して供給される。そのため、インクジェットヘッドが移動するとチューブも移動し、チューブ内インクの慣性に基づく圧力変動がインク内部に発生する。インクに圧力変動が発生するとインクジェットヘッドから吐出されるインク滴の吐出速度が変動し、記録紙に記録される画像等の品質が低下する。さらに、圧力変動によってノズルに形成されるメニスカスが破壊され、記録紙にインク滴が吐出されない“ドット抜け”と呼ばれる現象や、ノズルからインクが垂れて記録紙を汚してしまう現象が発生する虞がある。そこで、インクジェットヘッドの移動に伴う圧力変動を緩和させるために、インク流路に圧力緩衝器からなる流路部材を設置している。
【0004】
図14はこの種の圧力緩衝器の説明図である(特許文献1の図2、図3を参照)。図14(a)がチャンバの平面図であり、図14(b)が部分EE’の断面図である。圧力緩衝器は、本体部の表面に形成した凹部から成るチャンバ102と、このチャンバ102の上面を閉塞する可撓性膜108と、その上面に設置される補強板107から構成されている。本体101のチャンバ102にはインクを流入するためのインク流入口103と、インクを液滴噴射式記録ヘッドに流出するインク流出口104が開口している。チャンバ102の内部には弾性部材105が設置されている。補強板107の内面側には凹部又は溝からなる大気連通溝106が形成されている。
【0005】
インク流入口103から流入したインクは、扁平な平行四辺形のチャンバ102上方に流れ、チャンバ102の鉛直線上の最上位に設置したインク流出口104から流出する。そして、インク流入口103から流入するインクに圧力変動が印加されると、チャンバ102を構成する可撓性膜108が位置変化し、その圧力変動を緩和させる。そのため、インク流出口104から流出するインクは一定圧となる。この一定圧のインクが液滴噴射式記録ヘッドに供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−14315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の圧力緩衝器は平面形状が平行四辺形又は菱形の扁平なチャンバ102を備えている。この平行四辺形又は菱形の鉛直方向の最下部にインク流入口103が設置され、最上部にインク流出口104が設置されている。チャンバ102へのインクの充填は、インク流入口103の最下部から行う。即ち、チャンバ102内の空気を追い出しながらインク流出口104に向かってインクを充填することができるので、チャンバ102内に気泡が残留しない。圧力緩衝器は、空のチャンバ102にインクを充填する他に、チャンバ102内をクリーニングする、或いはチャンバ102に充填されたインクを交換したりする。
【0008】
チャンバ102のクリーニングやインク交換はインク流入口103からインクを圧送する、或いはインク流出口104を負圧にして強制的に吸引して行う。しかし、インク流入口103のチャンバ102への開口部では、インク流路は可撓性膜108の膜面に垂直である。そのため、チャンバ102に流入したインクはまず可撓性膜108に垂直に衝突し、その後等方的に拡散する。インクの流れはインク流入口103からインク流出口104の対角線方向となる。つまり、左辺と上辺の角部や右辺と下辺の角部はインクが残留しやすく、インク置換性が低下する、という課題があった。
【0009】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、液体の残留が少なく、置換性に優れた流路部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による流路部材は、基体に形成した凹部と前記凹部の開口端を閉塞する閉塞部材により構成され、扁平な空間からなる液体貯留用のチャンバーと、前記凹部の底面に開口し、前記チャンバーに前記底面から液体を流入する流入路と、前記チャンバーに開口し、前記チャンバーから液体を流出する流出路と、を備え、前記流入路が前記凹部の底面に開口する開口部の近傍において、前記流入路の底面は前記開口部に向かって漸次浅くなるように前記凹部の底面に対して傾斜している。
【0011】
また、前記チャンバーは略四角形の平面形状を有し、前記チャンバーに対する前記流入路の開口部と前記流出路の開口部は前記略四角形の同一辺の一方端と他方端の近傍に位置し、前記流入路の底面が前記開口部に向かって漸次浅くなる方向は、前記同一辺の一方端に接する他辺に略平行とした。
【0012】
また、前記閉塞部材は、前記扁平な空間に充填された液体の圧力変動を緩和させる可撓性フィルムからなる。
【0013】
また、前記可撓性フィルムの外側に前記可撓性フィルムを覆う補強板を設置した。
【0014】
また、前記可撓性フィルムの内側に、前記可撓性フィルムに係合する規制板を設置した。
【0015】
また、前記規制板と前記凹部の内表面との間にバネ部材を設置した。
【0016】
また、前記開口部における前記流入路の底面は、前記凹部の底面に対して角度20°〜65°の傾斜角を有する。
【0017】
また、前記流入路の傾斜する底面は、液体の流れに直交する面において流路の外側に向けて凸の曲線形状を有する。
【0018】
また、前記流入路の底面と前記傾斜する底面との間、又は、前記傾斜する底面と前記凹部の底面との間は、液体の流れの方向に沿って滑らかな曲面を構成する。
【0019】
また、前記流出路は、前記扁平な面の法線方向から見る平面視で前記チャンバーと重なる位置に設置されている。
【0020】
また、前記流出路の前記チャンバーに開口する開口部は、使用時の重力方向に対してチャンバーの最上位となる位置に設置されている。
【0021】
本発明による液体噴射ヘッドは、上記いずれかに記載の流路部材と、液体を前記流路部材から供給し被記録媒体に吐出する噴射部と、を備える。
【0022】
本発明による液体噴射装置は、上記液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドを往復移動させる移動機構と、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給管と、前記液体供給管に前記液体を供給する液体タンクと、を備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明の流路部材は、基体に形成した凹部と前記凹部の開口端を閉塞する閉塞部材により構成され、扁平な空間からなる液体貯留用のチャンバーと、この凹部の底面に開口し、チャンバーに底面から液体を流入する流入路と、チャンバーに開口し、このチャンバーから液体を流出する流出路と、を備えている。そして、流入路が凹部の底面に開口する開口部の近傍において、流入路の底面は当該開口部に向かって漸次浅くなるように凹部の底面に対して傾斜している。この構成により、流入する液体はチャンバー内で流れを生成し、液体の滞留部を減少させ、チャンバー内の液置換性を向上させた流路部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一実施形態に係る流路部材の説明図である。
【図2】本発明の第二実施形態に係る流路部材の平面面模式図である。
【図3】本発明の第三実施形態に係る流路部材の平面面模式図である。
【図4】本発明の第四実施形態に係る流路部材の説明図である。
【図5】本発明の第五実施形態に係る流路部材を表す。
【図6】本発明の第六実施形態に係る流路部材を表す。
【図7】本発明の第七実施形態に係る流路部材の縦断面模式図である。
【図8】本発明の第八実施形態に係る流路部材の流出口の説明図である。
【図9】本発明の第九実施形態に係る流路部材の縦断面模式図である。
【図10】本発明の第十実施形態に係る流路部材の縦断面模式図である。
【図11】本発明の第十一実施形態に係る流路部材の縦断面模式図である。
【図12】本発明の第十二実施形態に係る液体噴射ヘッドの模式的な斜視図である。
【図13】本発明の第十三実施形態に係る液体噴射装置の模式的な斜視図である。
【図14】従来公知のインクジェットヘッドの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の流路部材は、基体に形成した凹部と、この凹部の開口端を閉塞する閉塞部材により構成される扁平な空間からなる液体貯留用のチャンバーと、この基体の凹部の底面に開口し、このチャンバーに凹部の底面から液体を流入する流入路と、このチャンバーに開口しこのチャンバーから液体を流出する流出路とを備えている。そして、基体に形成した凹部の底面に開口する流入路の開口部近傍において、流入路の底面は液体の流れに沿って、即ち開口部に向かって漸次浅くなるように上記凹部の底面に対して傾斜するように構成した。これにより、流入口から流入する液体は扁平なチャンバーに滑り込むように流入するのでチャンバー内に液体の流れを生成し、滞留部を減少させた液置換性の優れた流路部材を提供することができる。
【0026】
ここで、基体はプラスチック材や金属材料を使用することができる。凹部の開口端を閉塞する閉塞部材として基体と同様にプラスチック材や金属材料を使用し、例えば液体噴射ヘッドと液体タンクとの間に設置する二次タンクを構成することができる。
【0027】
また、チャンバーに開口する流出路の開口部を、使用時の重力方向に対する最上位となる位置に設置することができる。また、凹部の底面に開口する流入路の開口部を、使用時の重力方向に対してチャンバーの上位であり、かつ、上記流出路の開口部よりは下位の位置に設置することができる。このようにすれば、チャンバーに液体を注入する際に内部に残留気泡を無くして充填することができる。また、流入路を流路部材の上部に設置すれば、流路部材を他の機器、例えば液体噴射ヘッドに設置する際に流路部材の周囲の配管を簡素化することができる。
【0028】
また、扁平なチャンバーは略四角形の平面形状を有し、チャンバーに対する流入路の開口部と流出路の開口部を上記略四角形の同一辺の一方端と他方端の近傍に位置するように構成することができる。更に、流入路の底面が液体の流れに沿って、即ち当該開口部に向かって漸次浅くなる方向を、上記流入口が位置する一方端に接する他辺に略平行となるように構成することができる。つまり、例えば略四角形の上辺の左端部に流出路の開口部が開口し、右端部に流入路の開口部が開口する場合に、液体はチャンバーの右辺に沿って流入する。その結果、液体は右辺から下辺、更に左辺に回流するように流れるので、チャンバー内に滞留部が形成され難く、流入路から液体を圧入した場合にチャンバー内の液置換率を向上させることができる。
【0029】
また、基体の表面に形成した凹部を閉塞する閉塞部材として合成樹脂等からなる可撓性フィルムを使用することができる。これにより、流路部材に圧力緩衝機能を付加することができる。この場合に、可撓性フィルムの外面側に可撓性フィルムを覆うように補強板を設置すれば、チャンバー内が高い陽圧となって可撓性フィルムが外側に膨らむ場合に、この膨らみを規制し可撓性フィルムが破裂することを防止することができる。また、可撓性フィルムの内面側に規制板を設置し、更にこの規制板と凹部の内表面との間にバネ部材を設置することができる。これにより、チャンバー内が初期設定値よりも低い負圧となって可撓性フィルムが凹部の内面側に引っ張られ、凹部に開口する流入路や流出路の開口部を塞いで液体の流入出が不能となることを防止することができる。
【0030】
また、開口部の流入路の底面を凹部の底面に対して角度20°〜65°、より好ましくは角度45°の傾斜面とすれば、傾斜面の長さが長くならず、しかも液体をチャンバー内に効果的に滑り込ませることができる。また、開口部の流入路を滑らかな曲面とすれば、チャンバー内に液体を一層スムーズに流入させることができる。また、流出路は、扁平な面の法線方向から見る平面視でチャンバーと重なる位置に設置することができる。これにより、流路部材をより小型化することができる。あるいは、同じ外形でチャンバーの容積をより大きく形成することができるので、大きな圧力緩衝効果を得ることができる。以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
(第一実施形態)
図1は本発明の第一実施形態に係る流路部材1を説明するための説明図であり、(a)は流路部材1の模式的な分解斜視図であり、(b)は部分AAの縦断面模式図である。流路部材1は、表面に凹部12からなるチャンバー2を備える基体4と、凹部12の開口端を閉塞する閉塞部材5と、チャンバー2に例えばインク等の液体を流入する流入連結部18とチャンバー2から液体を流出する流出連結部19を備えている。基体4は、チャンバー2に開口し、チャンバー2に液体を流入する流入路7と、チャンバー2に開口し、チャンバー2から液体を流出する流出路6を備えている。凹部12の+y方向の側面(左側面)と+x方向の側面(上側面)の角部の底面16に流出口6aが開口し(流出口6aは流出路6がチャンバー2に開口する開口部である。以下同じ。)、基体4の裏面、即ちチャンバー2の背面側に設置した流出路6を介して流出連結部19に連通する。凹部12の−y方向の側面(右側面)と上側面の角部の底面16に流入口7aが開口し(流入口7aは流入路7がチャンバー2に開口する開口部である。以下同じ。)、チャンバー2の+x方向(上部方向)に設置した流入路7を介して流入連結部18に連通する。
【0032】
図1(b)に示すように、流入口7aは凹部12の底面16に開口し、流入口7aにおける流入路7の底面は凹部12の底面16に対して角度φ傾斜する傾斜面Tをなしている。この傾斜面Tを形成したことにより、流入口から流入する液体は扁平なチャンバー2に滑り込むように流入するのでチャンバー2内に液体の流れを生じ、チャンバー2内に滞留部を減少させ液置換性を向上させることができる。
【0033】
なお、本実施形態において、チャンバー2に開口する流出路6の流出口6aを凹部12の左側面と上側面の角部に設置したがこれに限定されず、流出口6aを他の位置に設置してもよい。また、本実施形態において、流出路6を凹部12の背面側、即ちチャンバー2の扁平な面の法線方向から見た平面視でチャンバー2と重なる位置に設置したが、これに限定されず、基体4の凹部12と同じ表面に並列して形成してもよい。また、本実施形態において流入口7aを凹部12の上側面と右側面の角部に設置したが、これに限定されず、右側面の中央部や下部に設置してもよい。要は、流入口7aにおける流出路6の底面が凹部12の底面16に対して傾斜し、チャンバー2に液体が滑り込むように流入すればよい。
【0034】
(第二実施形態)
図2は本発明の第二実施形態に係る流路部材1の平面模式図である。流路部材1はx方向に立設し、−x方向が重力方向である。図2に示すように、流路部材1は、基体4に形成した凹部12と図示しない閉塞部材からなるチャンバー2と、液体を流入する流入路7と、液体を流出する流出路6を備えている。基体4の上部には流入路7に連通する流入連結部18を、基体4の下部には流出路6に連通する流出連結部19をそれぞれ設置している。流出口6aは、流出路6がチャンバー2に開口する開口部であり、重力方向に対してチャンバー2の最下位から高さh1の最上位に位置する。流入口7aは、流入路7が凹部12の底面に開口する開口部であり、その底面は凹部12の底面に対して傾斜面Tをなしている。流入口7aはチャンバー2の最下位の位置から高さh2に位置し、この高さh2はh1よりも低い。
【0035】
この構成により、流入路7から流入した液体はチャンバー2の下方から充填され、最上部に流出口6aが位置するのでチャンバー2に気泡が残らないように液体を充填することができる。更に、流入口7aの流入路7の底面を傾斜面Tとしたので、液体がチャンバー2に滑り込むように流入し、チャンバー2内に液体の流れが生ずる。これにより、チャンバー2内に滞留部が生じ難く、液置換性を向上させることができる。また、液体は上部に設置した流入連結部18から供給し、下部の流出連結部19から排出する。従って、流路部材1の下部に排出液体の供給を受ける他の機器、例えば液体噴射ヘッドが位置する場合は、液体供給用の配管を簡素化することができる。なお、流出路6は凹部12の背面側に平面視でチャンバー2と重なるように設置した。そのため、流路部材1の幅を狭く、又はチャンバー2の容積を大きく構成することができる。
【0036】
(第三実施形態)
図3は本発明の第三実施形態に係る流路部材1の平面模式図である。流路部材1は、基体4に形成した凹部12と図示しない閉塞部材からなるチャンバー2と、液体を流入する流入路7と、液体を流出する流出路6を備えている。流出口6aは、流出路6がチャンバー2に開口する開口部であり、流入口7aは流入路7が凹部12の底面に開口する開口部であり、その底面は液体の流れに沿って漸次浅くなるように底面16に対して傾斜する傾斜面Tをなしている。
【0037】
ここで、チャンバー2は、辺S1〜S4の略四角形状を有している。流出口6aを辺S1の辺S4側の端部近傍に設置し、流入口7aを辺S1の辺S2側の端部近傍に設置した。そして、流入路7の底面が液体の流れに沿って漸次浅くなる方向は、辺S1の一方端に接する他辺である辺S2に略平行している。この構成により、流入口7aから流入する液体は、まず辺S2に沿って流れ、次に辺S3、辺S4、辺S1の順に流れる。その結果、チャンバー2内に液体の渦状の流れが生ずるので、チャンバー2内の滞留部を減少させ、液置換効率を向上させることができる。要は、流出口6aと流入口7aを一辺側に設置し、しかも流入口7aからチャンバー2に流入する液体の流れを上記一辺に接する他辺に沿うようにして、チャンバー2内に液体を回流させる。これにより、クリーニングや液交換の際の液置換率を向上させることができる。
【0038】
(第四実施形態)
図4は本発明の第四実施形態に係る流路部材1の説明図である。(a)が流路部材1の分解斜視図であり、(b)が部分BBの縦断面模式図であり、(c)は部分CCの縦断面模式図である。本実施形態は、流入する液体の圧力変動を緩和して流出する液体にその圧力変動を伝達しない圧力緩衝機能を付与した流路部材1である。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
【0039】
流路部材1は、表面に凹部12を備える基体4と、凹部12の開口端を閉塞しチャンバー2を構成する閉塞部材としての可撓性フィルム5’と、可撓性フィルム5’の外面側を覆い、内部に凹部Uを備える補強板13と、チャンバー2に液体を流入する流入連結部18と、チャンバー2から液体を流出する流出連結部19を備えている。流路部材1は、更に、可撓性フィルム5’と凹部12の底面16に形成した窪み11との間であり、可撓性フィルム5’に係合する規制板14と、規制板14と窪み11の間に設置したバネ部材15を備えている。なお、可撓性フィルム5’として、厚さ0.1mm〜0.01mmのポリエチレンやポリアミド等から成るフィルムを使用することができる。
【0040】
基体4は液体を流入するための流入路7と、液体を流出するための流出路6を備えている。凹部12の左側面と上側面の角部の底面16に開口する流出口6aは、凹部12の背後に設置した流出路6を介して流出連結部19に連通する。凹部12の上側面と右側面の角部の底面16に開口する流入口7aは、流入路7を介して流入連結部18に連通する。可撓性フィルム5’は基体4の上面に熱溶着により接合し、凹部12からなるチャンバー2を構成している。規制板14はバネ部材15により付勢されて可撓性フィルム5’に係合している。補強板13は、可撓性フィルム5’に熱融着により接合し、更に周辺部に設けた固定用穴にビスを通して基体4に強固に固定した。補強板13の凹部Uは、可撓性フィルム5’との間に隙間10を形成している。
【0041】
流路部材1は、流入連結部18から流入した液体を流出連結部19から流出するとともに、流入液体に圧力変動が印加されている場合は、可撓性フィルム5’の位置がその圧力変動に伴って変位してその圧力変動を緩和させる。そのために、流出連結部19から流出する液体にはその圧力変動が印加されない。なお、補強板13の内面に外側に膨らむ凹部Uを設けたので可撓性フィルム5’は外側に位置変化できるとともに、流路に液体を加圧充填する際に可撓性フィルム5’の外側への撓みを規制し、可撓性フィルム5’が破壊することを防止する。また、チャンバー2内部に規制板14とバネ部材15を設けたので、チャンバー2が負圧のときに可撓性フィルム5’が凹部12の底面16側に撓むことができるとともに、クリーニングの際に流路を吸引したときに、可撓性フィルム5’が流出口6aや流入口7aに貼りついて液体の流出や流入が妨げられるのを防止する。
【0042】
図4(b)に示すように、流入口7aは凹部12の底面16に開口し、流入口7aにおける流入路7の底面は凹部12の底面16に対して角度φ傾斜する傾斜面Tをなしている。この傾斜面Tを形成したことにより、流入路7を介して流入する液体はチャンバー2に滑り込むように流入する。そのために、チャンバー2内に液体の流れを生成し、滞留部を減少させ液体の置換性を向上させることができる。
【0043】
なお、図4(c)に示すように、流出路6と凹部12が重なるように形成し、流出連結部19を流入連結部18に対向するように設置したことにより、流路部材1の左右の幅を縮小することができる。例えば、流路部材1の左右の幅を略3cm、上下の高さを略4cm、凹部12の深さを略3mmの扁平な形状とすることができる。また、流路部材1の平面形状を従来と同じにすれば、チャンバー2の平面形状をより大きく形成できるので、圧力緩衝性能を向上させることができる。また、流入連結部18を上部に、流出連結部19を下部に配置すれば、流路部材1の下部に排出液体の供給を受ける他の機器、例えば液体噴射ヘッドが位置する場合は、液体供給用の配管を簡素化することができる。
【0044】
また、第二実施形態において説明したように、流出口6aは重力に対してチャンバー2内の最上位となるように設置することができる。これによりチャンバー2内に残留空気をなくして液体を充填することができる。
【0045】
また、第三実施形態において説明したように、チャンバー2の平面形状を略四角形状とし、流出口6aと流入口7aをその一辺の略両端部に設置するとともに、流入口7aにおいて流入路7の底面を底面16の底面に対する傾斜面Tとし、液体の流れに沿って漸次浅くなる方向を当該一辺に接する他辺に略平行とすることにより、チャンバー2内に液体の渦状流れを発生させて滞留部を減少させ、液置換効率を向上させることができる。
【0046】
また、バネ部材15は規制板14と窪み11との間に設けたコイルバネに限定されず、規制板14と凹部12の内面との間に設置した板バネや、他の弾性部材を使用することができる。また、流入口7aの位置は凹部12の上側面と右側面の角部に限定されず、下側面と右側面の角部の底面16であっても、他の位置であってもよい。
【0047】
(第五実施形態)
図5は、本発明の第五実施形態に係る流路部材1を表し、図4(b)に示す流入口7aの部分Dに相当する部分の拡大図である。本実施形態においては、凹部12の底面16と流入口7a部分の傾斜面Tとの間、及び傾斜面Tと流入路7の底面との間を滑らかな曲面とした。また、液体の流れに直交する方向の傾斜面Tの形状を流路の外側に凸の曲線形状とすることができる。これにより、流入路7からチャンバー2に液体がより滑らかに滑り込むことができるので、チャンバー2内の液体滞留部をより一層低減させることができる。
【0048】
(第六実施形態)
図6は本発明の第六実施形態に係る流路部材1を表す。図6(a)は、図4(c)に示す流出口6aの部分Eに相当する部分の拡大図である。流出口6aの流出路6は、凹部12の底面16を形成する仕切部材8の板面に垂直方向から仕切部材8の板面方向に屈曲する屈曲部Kを有している。この屈曲部Kの流出路6の外周面Gは円弧形状の滑らかな表面を有する。屈曲部Kの外周面Gを滑らかな円弧形状としたので、この屈曲部Kから液溜まりを無くし、流路のクリーニングや液置換を容易にした。さらに、この構成を採用したことによって、初期充填時の気泡の残留を防止することができる。残留した気泡は、すでに第四実施形態において説明した圧力緩衝器において、流路抵抗や加圧耐久性の劣化の原因になるため、この構成は非常に有効な解決手段となる。図6(b)は、屈曲部Kの流出路6の外周面Gを隣接辺の内角θ1、θ2が110°を下回らない多角形状とした。内角θを110°よりも小さくすると液溜まりが生じやすなり、流路のクリーニングや液置換に不便となる。
【0049】
なお、図6に示した例は流出口6a近傍に屈曲部Kが構成される場合であるが、流出口6a近傍以外の流出路6や流入路7に屈曲部が存在する場合は、その外周側の形状を円弧形状又は隣接する辺との間の内角が110°を下回らない多角形状とすれば、同様の効果を得ることができる。また、屈曲部Kの外周形状を円弧形状にすることに限定されず、楕円形状や双曲線形状としてもよい。
【0050】
(第七実施形態)
図7は本発明の第七実施形態に係る流路部材1の縦断面模式図である。図4の部分CCに相当する。第四実施形態と異なる部分は、流出口6a近傍の凹部12の底面16が流出口6aに向かって漸次深くなる傾斜面Tとしている点であり、その他は第一実施形態と同様である。流出口6a近傍の底面16に傾斜を形成したことにより、チャンバー2内の液体の流れに方向性を付与することができる。そのために、扁平なチャンバー2内に液滞留部を減少させ、液置換率を高めることができる。また、チャンバー2内のクリーニングや液体の置換を流出連結部19側から吸引して行う場合に、チャンバー2内に液体の流れを形成し、クリーニングや液置換を短時間で容易に行うことができる。
【0051】
なお、図7では流出路6の上部の仕切部材8の流出口6a近傍を傾斜面Tとしているが、これに限定されない。流出路6の上部以外の領域の底面16を傾斜面Tとしてもよいことは言うまでもない。
【0052】
(第八実施形態)
図8は本発明の第八実施形態に係る流路部材1の流出口6aの説明図であり、図8(a)は図4の領域Vを拡大して表した図であり、図8(b)は部分WWの縦断面模式図である。流出口6aは、流出路6が凹部12の底面に開口する開口部である。流出口6a近傍の流出路6の底面は、チャンバー2の底面16に対して傾斜する円弧状の傾斜面Tとし、チャンバー2から流出する液体の流れに沿って、即ち開口部である流出口6aから離間する方向に漸次深くなる。これにより、流出口6a近傍の液溜まりが縮小し、流路のクリーニングや液置換を容易に行うことができる。
【0053】
より具体的に説明する。流出口6aは凹部12の左側面と上側面の角部の底面16に位置する。流出路6は、液体がy方向に流れる流出路6yと液体が−x方向に流れる流出路6xを含む。流出路6xは凹部12の深さ方向に形成した壁面18の底部に開口して流出路6yに連通している。流出路6yの底面は、y方向に、即ち液体が流れる方向に漸次深くなる。つまり凹部12の底面16に対して傾斜する傾斜面Tをなしている。また、流出路6yと流出路6xは、xy平面において流路がy方向からx方向に屈曲する屈曲部を構成している。そして、この屈曲部の外周側は円弧形状を有している。従って、第六実施形態においてすでに説明したとおり、屈曲部の外周側の形状を円弧形状とし、加えて流出口6a近傍の流出路6yの底面を液体の流れに沿って漸次深くなるように形成したので液溜まりが減少し、流路抵抗も低下してクリーニングや液置換時の加圧又は減圧に対する耐久性を向上させることができる。なお、傾斜面Tは、円弧形状の斜面の他に滑らかな傾斜曲線、傾斜する平面、或いは隣接辺の内角が110°を下回らない多角形状の傾斜面としてもよい。また、第七実施形態で説明したように、流出口6a近傍の凹部12の底面16を傾斜面とすれば、上記本発明の効果をより一層発揮することができる。
【0054】
(第九実施形態)
図9は本発明の第九実施形態に係る流路部材1の縦断面模式図であり、図4に示す部分FFに相当する。本実施形態においては、流出路6の流路に直交する断面形状がチャンバー2の扁平方向と同じ方向に扁平な形状を有している。その他の部分は第四実施形態と同様である。流出路6の断面形状を扁平形状としたことにより、流路部材1の厚さを薄く形成することができる。
【0055】
(第十実施形態)
図10は本発明の第十実施形態に係る流路部材1の縦断面模式図であり、図4に示す部分CCに相当する。本実施形態においては、チャンバー2と流出路6との間を仕切フィルム8’とした。仕切部材8としてプラスチック材料や金属材料を型成形した場合や切削加工した場合は厚さが概ね0.2mm以上となるが、ポリエチレンやポリアミド等からなる仕切フィルム8’とすれば、厚さを0.1mm〜0.01mmと薄く形成することができる。これにより、流路部材1をより一層薄く形成することができる。
【0056】
(第十一実施形態)
図11は本発明の第十一実施形態に係る流路部材1の縦断面模式図であり、図4の部分CCに相当する。本実施形態においては、流出路6はチャンバー2側とは何体側が背面フィルム9により構成した。背面部材として型成形によるプラスチック材料や金属材料を使用した場合は厚さが概ね0.2mm以上となるが、ポリエチレンやポリアミド等から成る背面フィルム9を使用すれば、厚さを0.1mm〜0.01mmと薄く形成することができ、流路部材1全体の厚さをより一層薄く形成することができる。
【0057】
なお、第五実施形態から第十一実施形態において説明した流入路7又は流出路6の形状は、補強板13を明示していない第一実施形態から第三実施形態に適用できることは言うまでもない。また、第三実施形態から第十一実施形態を適宜組み合わせることにより、液溜まりが減少し、流路抵抗も低下してクリーニングや液体置換時の加圧又は減圧に対する耐久性を向上させた小型かつ薄型の流路部材1を提供することができる。
【0058】
(第十二実施形態)
図12は本発明の第十二実施形態に係る液体噴射ヘッド20の模式的な斜視図であり、例えば第四実施形態に示す流路部材1を液体噴射ヘッド20に設置した状態を示す。同一の部分または同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
【0059】
図12に示すように、液体噴射ヘッド20は、ベース21と、図示しない被記録媒体に液滴を吐出する噴射部22と、噴射部22に液体を供給する流路部材1と、噴射部22を制御する制御回路を搭載した図示しない制御回路基板を備えている。噴射部22は、駆動信号に応じて液滴を吐出するアクチュエータと、アクチュエータに液体を供給する流路部材と、アクチュエータと制御回路基板の間を電気的に接続するフレキシブル回路基板を備えている。ベース21は、衝立の形状を有し、底部に噴射部22を搭載し、側面に図示しない制御回路基板と流路部材1を固定している。流路部材1は、補強板13を外側に、基体4をベース24側に向けてベース21に固定されている。
【0060】
液体は、供給管から流入連結部18を介して流路部材1のチャンバー2に流入し、流出連結部19を介して噴射部22に流入する。噴射部22のアクチュエータは制御回路からの駆動信号に応じて下部の図示しないノズルから被記録媒体に液滴を吐出する。このように、流路部材1を、流入口7aの流入路7の底面を凹部12の底面16に対して傾斜する傾斜面Tとしたので、流入口から流入する液体は扁平なチャンバーに滑り込むように流入し、チャンバー内に液体の流れを生成し、滞留部を減少させた液置換性の優れた液体噴射ヘッド20を構成することができる。
【0061】
(第十三実施形態)
図13は本発明の第十三実施形態に係る液体噴射装置30の模式的な斜視図である。
液体噴射装置30は、上記本発明に係る流路部材1を搭載した液体噴射ヘッド20、20’を往復移動させる移動機構43と、液体噴射ヘッド20、20’に液体を供給する液体供給管33、33’と、液体供給管33、33’に液体を供給する液体タンク31、31’を備えている。各液体噴射ヘッド20、20’は本発明に係る第一〜第十二実施形態のいずれかに示した流路部材1を搭載している。
【0062】
具体的に説明する。液体噴射装置30は、紙等の被記録媒体34を主走査方向に搬送する一対の搬送手段41、42と、被記録媒体34に液体を吐出する液体噴射ヘッド20、20’と、液体タンク31、31’に貯留した液体を液体供給管33、33’に押圧して供給するポンプ32、32’と、液体噴射ヘッド1を主走査方向と直交する副走査方向に走査する移動機構43等を備えている。
【0063】
一対の搬送手段41、42は副走査方向に延び、ローラ面を接触しながら回転するグリッドローラとピンチローラを備えている。図示しないモータによりグリッドローラとピンチローラを軸周りに移転させてローラ間に挟み込んだ被記録媒体34を主走査方向に搬送する。移動機構43は、副走査方向に延びた一対のガイドレール36、37と、一対のガイドレール36、37に沿って摺動可能なキャリッジユニット38と、キャリッジユニット38を連結し副走査方向に移動させる無端ベルト39と、この無端ベルト39を図示しないプーリを介して周回させるモータ40を備えている。
【0064】
キャリッジユニット38は、複数の液体噴射ヘッド20、20’を載置し、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類の液滴を吐出する。液体タンク31、31’は対応する色の液体を貯留し、ポンプ32、32’、液体供給管33、33’を介して液体噴射ヘッド20、20’に供給する。各液体噴射ヘッド20、20’は駆動信号に応じて各色の液滴を吐出する。液体噴射ヘッド20、20’から液体を吐出させるタイミング、キャリッジユニット38を駆動するモータ40の回転及び被記録媒体34の搬送速度を制御することにより、被記録媒体34上に任意のパターンを記録することできる。
【0065】
なお、第十三実施形態における圧力緩衝機能を有する流路部材1を液体噴射ヘッド20、20’に搭載した場合は、液体噴射ヘッド20、20’へ液体を充填するいかなる方法においても使用することができる。例えば吸引充填方法として、図13における液体噴射ヘッド20、20’の噴射部22の図面下側に図示しない吸引キャップと吸引ポンプを設け、液体を吸引充填する方法も使用可能である。この場合は吸引によって、流路部材1の内部が負圧となるが、前述した規制板14とバネ部材15によって、可撓性フィルム5’の過剰な変形を防止することができる。
【0066】
同様に、図13にて説明する液体を液体供給管33、33’に押圧して供給するポンプ32、32’を用いた加圧充填方法の場合でも、流路部材1の内部が正圧となるが、前述した補強板13が外側に位置するため、可撓性フィルム5’の過剰な変形を防止することができる。この充填方法は、液体噴射装置30の構成によって、適宜選択すればよい。
【0067】
この構成により、流路部材1の流入口から流入する液体は扁平なチャンバー2に滑り込むように流入し、チャンバー2内に液体の流れを生成し、滞留部を減少させた液置換性の優れた液体噴射装置を構成することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 流路部材
2 チャンバー
4 基体
5 閉塞部材
5’ 可撓性フィルム
6 流出路
7 流入路
8 仕切り部材
12 凹部
13 補強板
14 規制板
15 バネ部材
16 底面
18 流入連結部
19 流出連結部
20 液体噴射ヘッド
30 液体噴射装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体に形成した凹部と前記凹部の開口端を閉塞する閉塞部材により構成され、扁平な空間からなる液体貯留用のチャンバーと、
前記凹部の底面に開口し、前記チャンバーに前記底面から液体を流入する流入路と、
前記チャンバーに開口し、前記チャンバーから液体を流出する流出路と、を備え、
前記流入路が前記凹部の底面に開口する開口部の近傍において、前記流入路の底面は前記開口部に向かって漸次浅くなるように前記凹部の底面に対して傾斜している流路部材。
【請求項2】
前記チャンバーは略四角形の平面形状を有し、前記チャンバーに対する前記流入路の開口部と前記流出路の開口部は前記略四角形の同一辺の一方端と他方端の近傍に位置し、前記流入路の底面が前記開口部に向かって漸次浅くなる方向は、前記同一辺の一方端に接する他辺に略平行である請求項1に記載の流路部材。
【請求項3】
前記閉塞部材は、前記扁平な空間に充填された液体の圧力変動を緩和させる可撓性フィルムからなる請求項1又は2に記載の流路部材。
【請求項4】
前記可撓性フィルムの外側に前記可撓性フィルムを覆う補強板を設置した請求項3に記載の流路部材。
【請求項5】
前記可撓性フィルムの内側に、前記可撓性フィルムに係合する規制板を設置した請求項3又は4に記載の流路部材。
【請求項6】
前記規制板と前記凹部の内表面との間にバネ部材を設置した請求項3〜5のいずれか一項に記載の流路部材。
【請求項7】
前記開口部における前記流入路の底面は、前記凹部の底面に対して角度20°〜65°の傾斜角を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の流路部材。
【請求項8】
前記流入路の傾斜する底面は、液体の流れに直交する面において流路の外側に凸の曲線形状を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の流路部材。
【請求項9】
前記流入路の底面と前記傾斜する底面との間、又は、前記傾斜する底面と前記凹部の底面との間は、液体の流れの方向に沿って滑らかな曲面を構成する請求項1〜8のいずれか一項に記載の流路部材。
【請求項10】
前記流出路は、前記扁平な面の法線方向から見る平面視で前記チャンバーと重なる位置に設置されている請求項1〜9のいずれか一項に記載の流路部材。
【請求項11】
前記流出路の前記チャンバーに開口する開口部は、使用時の重力方向に対してチャンバーの最上位となる位置に設置されている請求項1〜10のいずれか一項に記載の流路部材。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の流路部材と、
液体を前記流路部材から供給し被記録媒体に吐出する噴射部と、を備える液体噴射ヘッド。
【請求項13】
請求項12に記載の液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドを往復移動させる移動機構と、
前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給管と、
前記液体供給管に前記液体を供給する液体タンクと、を備える液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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