説明

流速検出方法及び装置

【課題】ノイズに強く、微弱な温度変化でも十分検出可能で、加熱のためのエネルギーが少なく、バッテリーの消耗を少なくし、測定対象物に対する加熱の悪影響をなくすと共に薬液の投与量を正確にフィードバック制御可能として医療過誤を解消し得る流速検出方法及び装置を提供する。
【解決手段】測定対象物Aを温度制御手段Bにより周波数Fで周期的に加熱し、その下流で温度検出手段Cにより測定対象物の温度変化Dを検出して、前記加熱周期Kと下流における検出温度変化Dの周期Mとの位相差Pを検出し、前記周波数F及び位相差Pと加熱位置から温度変化検出位置までの距離Lとから測定対象物Aの流速VをV=2πFL/Pにより検出する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療分野における薬液やその他の分野における流体等の測定対象物の流速検出方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、測定対象物をヒーターで加熱し、その加熱部分が移動して下流に設けた温度センサの位置に到達するまでの時間Tを、該温度センサにより温度変化として検出させ、前記ヒーターの加熱時点から上記温度センサの検出時点までの時間遅れとして求め、前記ヒーターと温度センサとの設置位置間の距離Lから流速VをV=L/Tとして求めるようにした流速検出方式が公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−46610号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の流速検出方式は、温度センサの検出動作を確実化するためにヒーターの加熱温度を高く設定する必要があり、そのため、バッテリーの消耗が大で携帯に不向きであり、しかも、測定対象物によっては、変質や劣化等の有害な影響を及ぼすために適用できない場合があった。また、この方式は、外部要因による温度センサの温度変化や測定対象物の外部要因による温度変化等のノイズに弱く、測定精度が悪いといった問題点があった。例えば、医療分野においては、携帯式の薬液注入器具等を携行する患者の場合、長時間の外出等を可能とするために、薬液濃度を高くし、注入流量を少なくして患者への注入量を正確にコントロールして(例えば、0.5ml/h)注入する必要があるが、従来の流速検出方式では、このような微少流量の検出を高精度に行うことができず、やむを得ず患者への影響を軽減すべく薬液濃度を薄くして注入流量を流速検出が可能な状態にまで増加して実施されているのが実情であり、患者の長時間の外出等ができなかった。また、従来の流速検出方式では、点滴、シリンジポンプ等の薬液投与が予定された量を投与されていない場合があり、医療過誤につながる問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、ノイズに強く、微弱な温度変化でも十分検出可能で、加熱のためのエネルギーが少なく、バッテリーの消耗を少なくし、測定対象物に対する加熱の悪影響をなくすと共に薬液の投与量を正確にフィードバック制御可能として医療過誤を解消し得る流速検出方法及び装置を提供するようにしたものである。なお、本明細書において、「流速」とは、測定対象物の単位時間あたりの移動距離、即ち、移動速度であって、例えば、「mm/s」で表される量である。また、「流量」とは、測定対象物の単位時間あたりの移動体積であり、例えば、「ml/s」で表される量である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、測定対象物を周波数Fで周期的に加熱し、その下流で測定対象物の温度変化を検出して、前記加熱周期と下流における検出温度変化の周期との位相差Pを検出し、前記周波数F及び位相差Pと加熱位置から温度変化検出位置までの距離Lとから測定対象物の流速VをV=2πFL/Pにより検出することを特徴としている。
この構成によれば、本発明の測定系固有の加熱周波数信号、所謂、単一スペクトル信号を検出対象とするので、非常にノイズに強く、例えば、温度検出部の外部要因による温度変化や測定対象物の外部要因による温度変化、その他、電気的ノイズ、測定回路のドリフト等、前記周期と異なるノイズに影響されることがない。また、位相差は、信号振幅と独立して測定できるので、測定精度が温度検出部の感度のばらつきに依存せず、また、温度検出部の取り付け誤差や特性の個体差に無関係である(但し、加熱手段と温度検出手段との間のいわゆるセンサー間距離は精度が必要である)。従って、ノイズに強く、微弱な温度変化でも十分検出可能で、加熱のためのエネルギーが少なく、測定対象物に対する加熱の悪影響をなくすことができる。
【0007】
また、本発明の技術的手段は、前記測定対象物の流速が低速である場合には、前記位相差が360度を越えないように前記加熱周期の周波数を変化させるか又は同時に複数の周波数を足し合わせた合成周期で周期的に加熱することを特徴としている。
この構成によれば、測定対象物の流速が低速である場合や減少する場合に適用することにより、正確な流速の測定ができる。
また、本発明の技術的手段は、測定対象物を周波数Fで周期的に加熱する温度制御手段と、前記温度制御手段よりも下流に設置された測定対象物の温度変化を検出する温度検出手段と、前記温度制御手段の加熱周期と前記温度検出手段の検出した温度変化の周期との位相差Pを検出する位相差検出手段と、前記周波数F及び位相差Pと前記温度制御手段の加熱部の設置位置から前記温度検出手段の検出部の設置位置までの距離Lとから測定対象物の流速VをV=2πFL/Pにより検出する流速演算手段とからなることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、本発明の測定系固有の加熱周期と測定対象物温度変化の周期との位相差信号を検出対象とするので、温度検出手段の検出部の外部要因による温度変化や測定対象物の外部要因による温度変化、その他、温度制御手段、温度検出手段、位相差検出手段、演算手段等の電気的ノイズや測定回路のドリフト等に影響されることがない流速検出装置を提供することができる。また、位相差は、信号振幅と独立して測定できるので、測定精度が温度検出部の感度のばらつきに依存せず、また、温度検出部の取り付け誤差や特性の個体差に無関係である。従って、ノイズに強く、微弱な温度変化でも十分検出可能で、加熱のためのエネルギーが少なく、測定対象物に対する加熱の悪影響をなくし得る流速検出装置を提供することができる。また、加熱エネルギーを少なくし得るため、流速検出装置を電池駆動する場合、長時間使用できる利点がある。さらに、温度制御手段によって、測定対象物に応じた加熱温度に調整制御して加熱することができる。
【0009】
また、本発明の前記温度制御手段は、前記測定対象物の流速が低速である場合には、前記位相差が360度を越えないように前記加熱周期の周波数を変化させるか又は同時に複数の周波数を足し合わせた合成周期で周期的に加熱する構成とされていることを特徴としている。
この構成によれば、測定対象物の流速が低速である場合や減少する場合に適用することにより、正確な流速の測定ができる。
また、本発明の技術的手段は、前記温度制御手段、温度検出手段、位相差検出手段及び流速演算手段を備えたセンサユニットと、前記温度制御手段の加熱部及び温度検出手段の検出部を着脱可能に保持する保持部が形成され、内面が一様な断面積のパイプで構成されたセンサホルダとの二つの部品で構成され、前記保持部は、センサホルダのパイプ内を流動する測定対象物と前記温度制御手段の加熱部及び温度検出手段の検出部とを非接触状態で熱的に結合可能に構成してあることを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、薬液等の測定対象物が内部を流れるセンサホルダに対し、センサユニットは薬液等の測定対象物と非接触であり、しかも、センサホルダの保持部に対して温度制御手段の加熱部及び温度検出手段の検出部を着脱可能としてあるため、センサホルダのみを使い捨てとして医療分野における院内感染等を防止することができる。また、センサホルダは、構成が簡単であり、成型品として大量生産等で安価に製作できる。そして、センサユニットは、反復使用が可能となり、センサホルダ内を流れる薬液等の測定対象物を汚染することもない。
【0011】
また、本発明の前記流速演算手段は、検出した流速とパイプ内断面積を乗じて前記測定対象物の流量を求める構成とされていることを特徴としている。
この構成によれば、測定対象物の流量も検出することができ、特に、医療分野での点滴の流量コントロールや手術中の薬液(麻酔薬等)の供給量コントロール等の微少流量のコントロールを高精度に行う場合に利用して好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の流速検出方法の原理の概念図を示すもので、図1において、測定対象物Aは流速Vで一様な断面積のパイプJ内を矢印方向に移動するものとする。このパイプJ内を移動する測定対象物Aに対して、上流側に温度制御手段Bを設置して前記測定対象物Aを周波数Fで周期的に加熱する。これにより、測定対象物Aは、温度制御手段Bにより加熱転写されて暖かくなった温度変化部分Dができる。この温度変化部分Dは、測定対象物Aと一緒に流速VでパイプJ内を下流側に移動(流動)するため、冷たい部分(元の温度のままの部分)に対して測定対象物Aの下流方向に前記加熱周期に対応した間隔で温度変化部分Dが発生する。そこで、前記温度制御手段Bよりも所定距離Lだけ下流に温度検出手段Cを設置して、この温度検出手段Cで前記温度変化部分Dを検出させ、図2に示すように、前記加熱周期Kと温度検出手段Cの温度変化部分Dの検出周期Mとの位相差Pを検出させる。そして、前記周波数F及び位相差Pと加熱位置から温度変化検出位置までの距離Lとから測定対象物Aの流速VをV=2πFL/Pにより検出させるものである。
【0013】
測定対象物Aは、温度制御手段B及び温度検出手段Cが有効に動作する材質であればよく、固体、液体、気体を問わない。固体としては、例えば、鉄板、セラミック等があり、液体としては、例えば、水、油、溶融物質(鉄、ナトリウム、ガラス)等があり、気体としては、例えば、空気、可燃性ガス等があり、これらは、透明度、密度、比熱等の物性値を問わない。
温度制御手段Bは、測定対象物Aの温度を制御する(変化させる)手段であって、例えば、抵抗体によるヒーター(ジュール熱による加熱)、ペルチェ素子(加熱及び吸熱)、レーザー、高周波電流等による加熱手段を採用することができる。
【0014】
温度検出手段Cは、測定対象物Aの温度変化を検出する手段であって、例えば、サーミスタ、測温抵抗体、赤外線温度センサ等による検出手段を採用することができる。
図3は本発明に係る流速検出装置の構成の具体例を示すもので、温度制御手段Bはヒーターで構成し、発振器Hからの周波数Fの交流の加熱周期Kの信号で周期的に加熱される。温度制御手段Bの上流にも温度検出手段C’を設置し、測定対象物Aの元の温度を検出させる。これら両方の温度検出手段C、C’と既知のインピーダンスN、N’とでブリッジ回路Rを構成し、測定対象物Aの加熱前の温度と加熱後の温度との温度差信号Eを得るようにする。この温度差信号Eと、発振器Hからの周波数Fの加熱周期Kの信号とを位相検出回路Gに入力し、位相差Pを出力させている。この位相差Pを流速演算回路Iに入力し、前記周波数F及び位相差Pと加熱位置から温度変化検出位置までの距離Lとから測定対象物Aの流速VをV=2πFL/Pにより検出させる。なお、流速演算回路Iは、検出した流速VとパイプJ内断面積を乗じて前記測定対象物Aの流量Qを求める構成とされる。
【0015】
図4は本発明装置を医療用流量検出装置に適用した場合の例を示すもので、本発明装置全体をセンサユニット1とセンサホルダ2との二つの部品に分けて構成している。センサユニット1は、温度制御手段Bの加熱部3及び温度検出手段C,C’の検出部4,5を本体ボックス10から外部に露出設置し、それ以外の部品、即ち、前記発振器H、温度制御手段Bの本体部、温度検出手段C,C’の本体部、ブロック回路R及び位相検出回路Gからなる位相差検出手段及び流速演算手段Iを含む処理回路を本体ボックス10内に収納して1つの流量検出装置ユニットとして構成されている。センサホルダ2は、内面が一様な断面積の流路9を有する樹脂製又は金属製のパイプJで構成され、外面に前記温度制御手段Bの加熱部3及び温度検出手段C,C’の検出部4,5を着脱可能に保持する保持部6,7,8が挿入穴として形成されている。前記保持部6,7,8は、センサホルダ2のパイプJ内を流動する測定対象物Aと前記温度制御手段Bの加熱部3及び温度検出手段C,C’の検出部4,5とを非接触状態とするために、底付きの挿入穴として形成され、また、熱的な結合を良好とするために前記挿入穴の底は薄肉とされていると共に、Oリング又は適当な気密結合保持手段及び抜け止め手段(図示省略)等が設けられる。上記構成とすると、センサホルダ2は、簡単な構造の成型品とし得るので、安価に提供でき、使い捨てが可能となる。即ち、センサホルダ2は、薬液等の測定対象物Aが内部を通過するので、院内感染を防止するためや異なる薬液の混入等を防止するために使い捨てとするのが好ましい。これに対して、センサユニット1は、反復使用可能とするのが好ましい。
【0016】
本発明に係る流速検出方法及び装置は以上の構成からなるため、次のようなメリットがある。即ち、本発明では、測定系に固有の加熱周波数信号(所謂、単一スペクトル信号)を検出対象とするので、非常にノイズに強く、従って、外部要因によるセンサ部の温度変化、外部要因による測定対象の温度変化、電気的ノイズ、測定回路のドリフト等に影響されない。また、位相差は、信号振幅と独立して測定できるので、測定精度がセンサ感度のばらつきに依存しない。しかも、センサの取り付け誤差、センサ特性の個体差に無関係である。
【0017】
また、本発明は、測定対象物Aの流速が低速の場合や減少していく場合、位相差が360度を越えると、ゼロに戻り、正確な流速検出ができなくなるので、このような場合には、位相差が360度を越えないように加熱手段の発振周波数を変化させるか、又は、複数の周波数を同時に発振させて合成周波数として加熱手段を周期的に加熱させるようにする。即ち、流速が減少すると位相差は大きくなっていくので、流速が小さくなるにつれて周波数を小さくする。つまり、位相差が360度を越えないように発振周波数を制御する。具体的には、例えば、P=180°となるように、F=VP/2πLにしたがってFを制御する。この方式は、流速がゆっくり連続的に変化する場合の流速測定に適用して有効である。前記位相検出回路Gは、振幅と位相差を独立して検出できる。振幅値は、流速にしたがって単調に変化するので、位相差の他に振幅値を考慮することで、流速を特定することができる。また、前記位相検出回路Gは、通常、単一の周波数を処理の対象とするが、処理を工夫することで、同時に複数の周波数を処理することができる。そこで、加熱波形を単一の周波数Fではなく、F1,F2・・・Fnで同時に加熱し、それぞれの周波数に対する位相差を独立して検出することで、広い範囲の流速測定に対応することができる。
【0018】
具体例として、図5に周波数Fとその3倍の周波数3Fの成分を持つ波形(F+3F)で加熱する場合を示す。F+3Fの信号で加熱し、これに応じた信号処理をすることで、Fに対する位相差と、3Fに対する位相差を独立して検出することができ、Fだけで加熱した場合に対して、広い範囲の流速を検出できる。また、流速に応じて周波数を切り替える必要がなく、安定した動作が期待できる。なお、この方式は、流速に応じて処理を変えなくてよいので、流速が不連続に変化しても対応できる。
【0019】
図6(A)〜(D)は、センサホルダ2の第1変形例であって、測定対象物Aに対して、温度制御手段Bの加熱部3や温度検出手段C,C’の検出部4,5となる3つの保持部6,7,8をセンサホルダ2の軸線に沿って配列し、それらの間の外面側に切欠き溝11,11を形成した場合で、図6(E)は内面側に切欠き溝11,11を形成した場合を示している。この切欠き溝11,11は、センサホルダ2の材料を通して加熱部3の熱が両側の温度検出部4,5に伝わるのを防止するためのものである。
【0020】
図7(A)〜(D)は、センサホルダ2の第2変形例であって、3つの保持部6,7,8をセンサホルダ2の軸線に対して傾斜させて配列することにより図6の場合より各保持部6,7,8の間隔を若干広くすると共に、センサホルダ2内を通過する測定対象物に対する保持部6,7,8の接触面積を広くして加熱手段による測定対象物の効率を向上させ、かつ、温度検出手段による測定対象物の温度検出精度を向上させるために、保持部6,7,8をセンサホルダ2内の測定対象物の流路を横断するごとく形成している。なお、各保持部6,7,8の位置における流路断面積は、上流から下流に向けて漸減させてあり、この場合も各保持部6,7,8の間には、図7(D)に示すような空所12,12を形成して、センサホルダ2の材料を通して加熱部3の熱が両側の温度検出部4,5に伝わるのを防止するようにしている。
【0021】
図8(A)〜(E)は、センサホルダ2の第3変形例であって、3つの保持部6,7,8をセンサホルダ2の軸線方向と周方向とにできるだけ離隔するために千鳥状に配置したもので、この場合にも、センサホルダ2内を通過する測定対象物に対する保持部6,7,8の接触面積を広くして加熱手段による測定対象物の効率を向上させ、かつ、温度検出手段による測定対象物の温度検出精度を向上させるために、保持部6,7,8をセンサホルダ2内の測定対象物の流路を横断するごとく形成している。なお、各保持部6,7,8の位置における流路断面積は、センサホルダ2内を通過する測定対象物の流路断面積を加熱部3の位置で最も狭い矩形断面形状とし、両側の温度検出部4,5の位置で広い略半円断面形状としている。そして、この場合にも空所13を適宜に形成して、センサホルダ2の材料を通して加熱部3の熱が両側の温度検出部4,5に伝わるのを防止するようにしている。
【0022】
本発明の実施形態は以上であるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、センサホルダは、測定対象物Aに対して、温度制御手段Bの加熱部3や温度検出手段C,C’の検出部4,5を接触式としてもよい。さらに、本発明は、センサホルダの形状やセンサ位置を図6〜図8以外に種々変形して加熱性能や温度検出性能を改善向上させることができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、ノイズに強く、微弱な温度変化でも十分検出可能で、加熱のためのエネルギーが少なく、測定対象物に対する加熱の悪影響をなくし得る流速検出方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流速検出方法の原理の概念図を示す。
【図2】本発明の流速検出方法における加熱周期と温度変化検出周期との位相差を示す。
【図3】本発明に係る流速検出装置の構成の具体例を示す。
【図4】本発明装置の医療用流量検出装置への適用例を示す。
【図5】2種類の周波数を合成した周波数を加熱周期とする一例を示す。
【図6】(A)はセンサホルダの第1変形例の平面図、(B)は側面図、(C)は端面図、(D)(E)は拡大断面図を示す。
【図7】(A)はセンサホルダの第2変形例の平面図、(B)は端面図、(C)(D)は図(A)におけるC−C線断面図,D−D線断面図を示す。
【図8】(A)はセンサホルダの第3変形例の平面図、(B)は端面図、(C)(D)(E)は図(A)におけるC−C線断面図,D−D線断面図,E−E線断面図を示す。
【符号の説明】
A 測定対象物
B 温度制御手段
C,C’ 温度検出手段
D 温度変化部分
E 温度差信号
F 周波数
G 位相検出回路
H 発振器
I 流速演算回路
J パイプ
K 加熱周期
L 加熱部位と温度検出部位との距離
M 検出温度変化周期
N,N’ 既知インピーダンス
P 位相差
Q 測定対象物の流量
R ブリッジ回路
V 測定対象物の流速
1 センサユニット
2 センサホルダ
3 加熱部
4,5 検出部
6,7,8 保持部
9 測定対象物の流路
10 本体ボックス
11 切欠き溝
12 空所
13 空所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物を周波数Fで周期的に加熱し、その下流で測定対象物の温度変化を検出して、前記加熱周期と下流における検出温度変化の周期との位相差Pを検出し、前記周波数F及び位相差Pと加熱位置から温度変化検出位置までの距離Lとから測定対象物の流速VをV=2πFL/Pにより検出することを特徴とする流速検出方法。
【請求項2】
前記測定対象物の流速が低速である場合には、前記位相差が360度を越えないように前記加熱周期の周波数を変化させるか又は同時に複数の周波数を足し合わせた合成周期で周期的に加熱することを特徴とする請求項1に記載の流速検出方法。
【請求項3】
測定対象物を周波数Fで周期的に加熱する温度制御手段と、前記温度制御手段よりも下流に設置された測定対象物の温度変化を検出する温度検出手段と、前記温度制御手段の加熱周期と前記温度検出手段の検出した温度変化の周期との位相差Pを検出する位相差検出手段と、前記周波数F及び位相差Pと前記温度制御手段の加熱部の設置位置から前記温度検出手段の検出部の設置位置までの距離Lとから測定対象物の流速VをV=2πFL/Pにより検出する流速演算手段とからなることを特徴とする流速検出装置。
【請求項4】
前記温度制御手段は、前記測定対象物の流速が低速である場合には、前記位相差が360度を越えないように前記加熱周期の周波数を変化させるか又は同時に複数の周波数を足し合わせた合成周期で周期的に加熱する構成とされていることを特徴とする請求項3に記載の流速検出装置。
【請求項5】
前記温度制御手段、温度検出手段、位相差検出手段及び流速演算手段を備えたセンサユニットと、前記温度制御手段の加熱部及び温度検出手段の検出部を着脱可能に保持する保持部が形成され、内面が一様な断面積のパイプで構成されたセンサホルダとの二つの部品で構成され、前記保持部は、センサホルダのパイプ内を流動する測定対象物と前記温度制御手段の加熱部及び温度検出手段の検出部とを非接触状態で熱的に結合可能に構成してあることを特徴とする請求項3又は4に記載の流速検出装置。
【請求項6】
前記流速演算手段は、検出した流速とパイプ内断面積を乗じて前記測定対象物の流量を求める構成とされていることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の流速検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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