説明

流量計の試験用の流れシミュレーション用回路

【課題】流量計を試験するための改良型シミュレーション用回路を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態による、通過時間流量計(1)を試験するためのシミュレーション用回路(2)は、通過時間流量計と接続するインターフェース回路(20)を備える。インターフェース回路は、通過時間流量計から駆動信号を受け取り、駆動信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジでトリガ信号を生成する。発振器(21)がクロック信号を出力する。遅延発生器(22)が、事前設定の時間遅延を生成する。デジタル−アナログ変換器(DAC、25)が、事前設定のデジタル化波形を取り出す。DACは、事前設定の時間遅延の終了時に発振器によってイネーブルにされ、事前設定のデジタル化波形をアナログ波形出力に変換する。アナログ波形出力は、通過時間流量計に送り返され、したがって流動流体を介した通過時間および波形がシミュレーションされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量計に関し、より詳細には、流量計を試験するための流れシミュレーション用回路に関する。
【背景技術】
【0002】
流量計は、様々なサイズや形状の管を介して様々な流動する流体を測定するために使用される。通過(transit)時間超音波流量計は、流れ方向での音の伝播時間と流れ方向に逆らう音の伝播時間との見かけの差に基づく。上流通過時間は、超音波パルスが流れ方向に逆らって伝播する飛行時間である。下流通過時間は、超音波パルスが流れ方向で伝播する飛行時間である。流れのために上流通過時間が下流通過時間より長いことは明らかである。伝播時間の差は流体の流速に比例するので、超音波流量計は、この関係を利用し、流速を測定する。
【0003】
流量計が適正に機能しており正確な情報を提供していることに自信を持つために、流量計の試験または較正が、現行の監査および規制要件に対する鍵となる。通過時間超音波流量計の試験に関しては、流速測定に対する上流通過時間および下流通過時間の決定的な効果(determitive effects)により、流量計に関する通過時間測定の感度を試験することに多大な努力が払われている。
【0004】
Brownの米国特許第4762012号は、上流−下流超音波流量計(通過時間超音波流量計)に関して管内の液体流をシミュレーションする試験回路について言及している。Brown回路は、流量計から電気通過信号を受け取り、その電気通過信号をゲート発振器(gated oscillator)および接続されたカウンタに送り、このカウンタは、持続時間が流量計内の上流トランスデューサと下流トランスデューサとのほぼ平均の音響パルスの通過時間である電気信号を生成する。この通過時間信号は、正確な平均通過時間を表す、ゲート発振器周波数に関する事前選択の周期単位の量(amounts of period units)、ならびに速度を測定しようとする流体を搬送する仮想管内の流れによる上流通過時間および下流通過時間の正および負の変化分だけ増分される。通過時間シミュレーション信号は第2の発振器に送信され、この第2の発振器は、リンギング信号、すなわち正弦波を生成するためにタンク回路に供給する。リンギング信号は、流量計内に向けて送り返され、ここでリンギング信号は、音響トランスデューサから到来したものとして解釈される。
【特許文献1】米国特許第4762012号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の態様は、流量計を試験するための改良型シミュレーション用回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による、流量計を試験するためのシミュレーション用回路は、流量計と接続するインターフェース回路を備える。インターフェース回路は、通過時間流量計から駆動信号を受け取り、駆動信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジでトリガ信号を生成する。トリガ信号によって、発振器出力クロックが、事前設定の時間遅延を生成するように遅延発生器を駆動することが可能になる。デジタル−アナログ変換器(DAC)が、事前設定のデジタル化波形を取り出す。DACは、事前設定の時間遅延の終了時に発振器によってイネーブルにされ、事前設定のデジタル化波形をアナログ波形出力に変換する。アナログ波形出力は、通過時間流量計に送り返され、したがって流動流体を介した通過時間および波形がシミュレーションされる。
【0007】
本発明の実施形態のシミュレーション用回路を用いて、既知の速度で流動する流体で満たされた管を使用することなしに、流量計を容易に較正および試験することができる。
【0008】
これらの、また他の利点および特徴は、添付の図面に関連して提供される以下の、本発明の好ましい実施形態の詳細な説明から、より容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1を参照すると、流量計1が、それぞれ上流トランスデューサ12および下流トランスデューサ13と関連する上流端子10および下流端子11を有するように示されている。上流トランスデューサ12および下流トランスデューサ13は、反対の方向で管100の外部表面に取り付けられる。流量計1は、電気パルス駆動信号を、上流端子10および下流端子11を介して上流トランスデューサ12および下流トランスデューサ13に交互に送る。上流トランスデューサ12は、流量計1からその電気信号を受け取り、超音波として機械エネルギーに変換する。超音波は、管100および流動流体を介して、流れの反対方向で伝わり、上流通過時間Tup後に下流トランスデューサ13によって受け取られる。下流トランスデューサ13は、超音波を電気信号に変換し、その電気信号を流量計1に送り返す。流れ方向で伝えられる下流通過時間が、逆伝達経路(reversed transmitted path)で、同じ方法で測定される。上流通過時間が下流通過時間より長いことは明らかであり、流速は、上流通過時間と下流通過時間との差に基づいて、管100のサイズ、材料など他のパラメータを考慮して測定される。
【0010】
図2は、本発明の例示的な一実施形態による、通過時間超音波流量計を評価または試験するための試験用システムの基本アーキテクチャを示す。この試験用システムは、上流端子10および下流端子11を介して流量計1と接続するシミュレーション用回路2と、シミュレーション用回路2と通信するコンピューティング装置3とを含む。シミュレーション用回路2は、駆動信号を流量計1から取り込み、応答信号を生成して流量計1に返し、したがって管100内の流体流の挙動をシミュレーションする。より具体的には、シミュレーション用回路2は、駆動信号を、上流端子10を介して流量計1から取り込み、トリガ信号を生成し、事前設定の時間遅延Tupを開始し、次いで、時間遅延Tupの終了時に、予め選択可能な(preselective)波形を、下流端子11を介して流量計1に送り返す。したがって、管100内の超音波の上流通過時間がシミュレーションされる。下流通過時間は、上流時間遅延Tupより短い、異なる時間遅延Tdnを用いて、逆伝達経路で同じ方法を使用してシミュレーションされる。ポータブルコンピュータなどコンピューティング装置3は、所定の時間遅延Tup、Tdnを設定しシミュレーション用回路2に送るようにシミュレーション用回路2と通信し、各時間遅延Tup、Tdnの終了時に、管100内の流れの波形をシミュレーションするために、選択し流量計1に送り返そうとするいくつかの波形を記憶する。
【0011】
次に、本発明のその例示的な実施形態によるシミュレーション用回路2の作動原理が示されている図3を参照する。予想されるデジタル化波形が選択され、シミュレーション用回路2にダウンロードされる。このデジタル化波形は、流量計1で理解され得るアナログ波形に、デジタル−アナログ変換器(DAC)25によっていつでも変換できる状態にある。発振器21は、DAC25のための作動クロック信号を送る。DAC25への発振器21の出力を制御するためにスイッチがある。このスイッチは、遅延発生器22によって制御される論理ゲート、たとえばANDゲートとすることができる。遅延発生器22は、トリガ信号を受け取り、予想される時間、たとえば上流時間遅延Tupの遅延を開始する。予想される時間Tupが終了したとき、遅延発生器22は、スイッチをオンにするための信号を生成し、クロック信号を発振器21からDAC25にリリースする。DAC25は、記憶されているデジタル化波形を連続的なアナログ波形に変換する作業を開始する。このアナログ波形は、流量計1に送り返され、したがって管100内の流体流の上流通過時間がシミュレーションされる。流体流の下流通過時間は、同じ方法でシミュレーションすることができる。
【0012】
図4は、前述の機能を実現するためのシミュレーション用回路2の回路ブロック図を示す。シミュレーション用回路2は、流量計1と接続するインターフェース回路20を含む。インターフェース回路20は、流量計1の上流端子10または下流端子11を介して、流量計1からの駆動信号を検出し受け取り、トリガを生成する。遅延発生器22は、そのトリガ信号をインターフェース回路20から受け取り、事前設定の時間遅延TupまたはTdnを生成する。発振器21は、DAC25に対するクロック信号源として働く。共通モード(common mode)では、発振器21とDAC25の間のスイッチ、たとえばそれだけには限らないがANDゲートは、(図3で最もよくわかるように)オフである。時間遅延TupまたはTdnが終了した後で、遅延発生器22がスイッチをオンにし、したがってDAC25が作動することが可能になる。次いで、DAC25は、コンピューティング装置3からダウンロードされ、シミュレーション用回路2のメモリ29内に記憶されている、事前選択のデジタル化波形をアナログ波形に変換する。管100内の流体流の実際の測定時には、各上流または下流通過時間の終了時に流量計1に送り返される波形が、異なる周波数成分および/または異なる振幅を有する可能性がある。一実施形態では、様々な周波数および/または様々な振幅を有する、複数の事前選択のデジタル化波形がコンピューティング装置3からダウンロードされ、メモリ29内に記憶される。管100内の動的な、実際の流体流をシミュレーションするために、様々なデジタル化波形が流量計1に対して再生される。管100内の流体流の実際の測定時には、流量計1から受け取られた信号は、流量計1から発せられた駆動信号に比べて、振幅が減衰している可能性がある。そのような状況をシミュレーションするために、この例示的な実施形態では、DAC25からのアナログ波形が、プログラム可能な減衰器(PAD)26に送られ、アナログ波形の振幅値がPAD26による事前設定の減衰を有してから流量計1に送られる。マイクロ処理装置(MPU)23は、シミュレーション用回路2とコンピューティング装置3の間の通信、ならびにシミュレーション用回路2内の他の構成要素の作動を制御する。フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)は、シミュレーション用回路2内の諸回路を構築するための高速インターフェースである。本発明のこの実施形態では、発振器21は、遅延発生器22用のクロック信号だけでなくMPU23およびFPGA24用のクロック信号をも提供するための発振器を含む発振器モジュールとすることができる。
【0013】
図5を参照すると、インターフェース回路20は、流量計1の上流端子10および下流端子11と接続するコネクタ201を含む。流量計1は、パルス駆動信号を、上流端子10および下流端子11を介して交互に送る。一実施形態では、このパルス駆動信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジにより、事前設定の上流または下流時間遅延を開始するトリガ信号が生成される。トリガ発生器202は、パルス駆動信号をコネクタ201から受け取り、トリガ信号を生成する。一実施形態では、トリガ発生器202は、コネクタ201からのパルス駆動信号入力、参照電圧入力203、MPU23によって制御されるラッチピン入力、トリガ信号を遅延発生器22に送るための出力セクションを有する比較器チップである。ラッチピンは、ラッチピン入力の電圧がハイになったとき、チップの出力が入力電圧にかかわらず一定のままとなる特性を有する。トリガ発生器202の作動原理は、駆動信号の第1の立ち下がりエッジまたは立ち上がりエッジを参照電圧203と比較することによって第1の立ち下がりエッジまたは立ち上がりエッジをひとたび検出すると、トリガ信号が生成され、MPU23が、残りのパルス駆動信号変動にかかわらずトリガ信号をハイ電圧レベルで維持するように、ラッチピン入力がハイになることを可能にすることである。DAC25からのアナログ波形出力が終了した後で、MPU23は、次のトリガ生成のために、ラッチピン入力がローになることを可能にする。当然ながら、流量計1からの駆動信号の立ち下がりエッジまたは立ち上がりエッジで遅延発生器22のための一定のトリガ信号を生成するものと同じ機能を実現するために、たとえば適正な回路接続構成を用いて異なる構成要素またはスイッチを使用することによる、トリガ発生器202の設計のための様々な実施形態がある。DAC25の出力と接続するスイッチ204は、駆動信号がどこから到来するかに応じて、アナログ波形を自動的に上流ポートまたは下流ポートに送る。駆動信号が上流端子10から到来する場合、フィードバックアナログ波形が下流端子11から出力されることになり、逆も同様である。スイッチ204の切替え動作は、FPGA24を介してMPU23によって自動的に制御される。
【0014】
遅延発生器22は、インターフェース回路20からトリガ信号を受け取ったとき、プログラム可能な、非常に正確な時間遅延TupまたはTdnを生成する。非常に高い分解能を有する比較的長い時間を達成するために、本発明の実施形態は、各上流または下流時間遅延Tup、Tdnについて粗い時間遅延Tと細かい時間遅延Tとを導入する。粗い時間遅延分解能と細かい時間遅延分解能とを有する遅延発生器22の一実施形態が、図6および図7に概略的に示されている。図7に示されているように、トリガ信号と発振器21からのクロック信号とが、ANDゲート228の入力端子に接続される。したがって、発振器21からのクロック信号は、トリガ信号を受信したとき、カウンタ220に送られることが可能になる。次いで、カウンタ220は、事前設定の粗い時間遅延Tを生成し始める。粗い時間遅延Tは、発振器21の動作サイクルの整数倍である。ひとたび粗い時間遅延Tに達すると、発振器21からのクロック信号が細かい遅延器221にリリースされる。細かい遅延器221は、事前設定の細かい時間遅延Tを生成する。細かい時間遅延Tが終了した後で、クロック信号が、DAC25に供給されるようにリリースされる。一実施形態では、3つの8ビットカウンタが縦続接続され、24ビットカウンタ220を作成し、したがって、たとえば10ns〜160msの比較的長い時間範囲を生成する。最高位(highest)のカウンタの時間オーバーフロー信号により、細かい遅延器221へのクロック経路が制御される。
【0015】
一実施形態では、プログラム可能な遅延線が、細かい遅延生成のための細かい遅延器221として使用される。これらの遅延線は、たとえば分解能10psの高い分解能を有する細かい時間遅延Tdを作り出す。
【0016】
次に、カウンタ220の、トリガ信号とクロック信号の間の同期問題が例示されている図8Aおよび図8Bを参照する。図8Aに示されているように、トリガ信号、すなわち流量計1から生成されたパルス駆動信号の第1の立ち上がりエッジが、カウンタ220へのクロック信号の作動エッジと重なり合う場合には、カウンタ220は、クロック信号(発振器21)の動作サイクルの整数倍であるまさにその(exact)タイミング値を送り出すことになる。しかし、図8Bに示されているように、トリガ信号がカウンタクロックの1サイクルの途中で発生し、カウンタ220の出力が依然としてタイミング値として読み取られる場合、(図8Bに示されているように)その読取りと実際のタイミングとの間に誤差Tがある。100MHzの発振器が使用されると仮定すると、誤差Tは、0〜10nsとなる可能性がある。
【0017】
このトリガ非同期(unsynchronization)問題に対処するために、図6および図7に示されている遅延発生器22は、位相誤差検出器223を含む。トリガ信号と、クロック信号の第1の立ち上がりエッジとの誤差は、位相誤差検出器223によって測定され、MPU23に渡される。MPU23は、補償値を計算し、それを細かい遅延器221に加算する。一実施形態では、時間−デジタル変換器(TDC)が、位相誤差検出器223に使用される。TDCの基本作動原理は、2つのパルスの時間間隔を測定することができることである。TDCは、トリガ信号と接続されたSTART入力と、カウンタクロックと接続されたSTOP入力とを有する。次いで、TDCは、トリガ信号とカウンタクロック信号の非同期を検出し、補償値を計算するためにそれをMPU23に送る。
【0018】
次に、所定の時間遅延、たとえば上流時間遅延Tupに関する試験ループのいくつかの信号が例示されている図9を参照する。上流時間遅延Tupは、コンピューティング装置3によって設定され、シミュレーション用回路2のMPU23に送られる。事前選択のデジタル化波形が選択され、シミュレーション用回路2のメモリ29にダウンロードされる。流量計1は、駆動信号を、上流端子10を介してシミュレーション用回路2のインターフェース回路20に送る。インターフェース回路20のトリガ発生器202は、駆動信号の第1の立ち上がりエッジを取り込み、遅延発生器22に対するトリガ信号を生成する。遅延発生器22のカウンタ220は、粗い時間遅延Tの遅延を開始する。同時に、位相誤差検出器223は、トリガ信号とカウンタクロック信号とが同期されていないことを検知し、補償値Tを計算するために、MPU23に信号を送る。補償値Tは、細かい遅延器221に送られ、細かい遅延器221は、細かい時間遅延Tを生成し、したがって上流時間遅延Tupが生成される。細かい時間遅延Tdが完了したとき、波形出力クロック信号がリリースされ、DAC25は、事前設定のデジタル化波形をアナログ波形出力に変換することが可能になる。アナログ波形出力が終了したとき、MPU23は、トリガ発生器202のラッチピン入力がローになることを可能にし、したがって、次の試験ループが開始されるまで、それ以上のトリガ信号が遅延発生器22に送られない。
【0019】
図10を参照すると、遅延発生器22の他の実施形態で使用される、遅延線をベースとする発振器21’に関する回路図が示されている。遅延線をベースとする発振器21’は、直列で接続されたANDゲート224’、NOTゲート225’、遅延線226’を含む。ANDゲート224’は、インターフェース回路20からトリガ信号を受け取り、遅延線をベースとする発振器21’は、カウンタ220および細かい遅延器221用のクロックの生成を開始する。遅延線をベースとする発振器21’は、トリガ信号を受信したとき動作し、したがって同期されない問題は発生しない。
【0020】
上述の実施形態では、クロック信号が遅延発生器22に供給され、事前設定の時間遅延TupまたはTdnの間、遅延発生器によって遅延され、次いでDAC25に供給される。他の実施形態では、図3に示されているシミュレーション用回路2の作動原理に従って、様々なクロック源、たとえば2つの発振器が、それぞれ遅延発生器22およびDAC25にクロック信号を送る。
【0021】
本発明のある種の特徴だけについて本明細書で例示し、述べたが、当業者には多数の修正および変更が思いつくであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神内に入るそのような修正および変更すべてを網羅することが意図されていることを理解されたい。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】通過時間流量計、および通過時間超音波流量計を使用して管内の流体流速を測定する測定方法の概略図である。
【図2】本発明の例示的な一実施形態による、通過時間超音波流量計を評価または試験するための試験用システムの基本アーキテクチャの図である。
【図3】本発明のその例示的な実施形態による試験用システムのシミュレーション用回路の作動原理の図である。
【図4】図3のシミュレーション用回路の回路ブロック図である。
【図5】図4のシミュレーション用回路のインターフェース回路の図である。
【図6】図4のシミュレーション用回路の遅延発生器の、第1の実施形態の図である。
【図7】図6の遅延発生器の第1の実施形態の電気回路図である。
【図8A−8B】図6における遅延発生器の第1の実施形態の、トリガ信号と発振器の間の同期問題の図である。
【図9】図6の遅延発生器の第1の実施形態に関する、いくつかの信号のタイミング図、およびTup試験ループ内で生成された波形の図である。
【図10】図4の遅延発生器の他の実施形態による、遅延線をベースとする発振器の回路の図である。
【符号の説明】
【0023】
1 通過時間超音波流量計
10 流量計の上流端子
11 流量計の下流端子
12 流量計の上流トランスデューサ
13 流量計の下流トランスデューサ
100 管
2 流量計の試験用のシミュレーション用回路
20 シミュレーション用回路のインターフェース回路
201 シミュレーション用回路を流量計と接続するための、インターフェース回路のコネクタ
202 インターフェース回路のトリガ発生器
203 トリガ発生器の参照電圧
204 インターフェース回路のスイッチ
21、21’ クロックを遅延発生器に送るための発振器
22 遅延発生器
220 比較的長い時間範囲を有する粗い時間遅延をカウントするためのカウンタ
221 高い分解能を有する短い時間遅延を遅延するための、細かい遅延器
223 位相誤差検出器
23 コンピューティング装置と通信するMPU
24 FPGA
25 デジタル化波形をアナログ波形に変換するためのDAC
26 プログラム可能な減衰器(PAD)
28 コンピューティング装置と通信するためのポート
29 コンピューティング装置からダウンロードされたデジタル化波形を記憶するためのメモリ
3 コンピューティング装置
224’ 遅延線をベースとする発振器のANDゲート
225’ 遅延線をベースとする発振器のNOTゲート
226’ 遅延線をベースとする発振器の遅延線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量計を試験するためのシミュレーション用回路であって、
流量計と接続し、前記流量計から複数の駆動信号を受け取るように、また前記駆動信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジでトリガ信号を生成するように構成されたインターフェース回路と、
クロック信号を出力するように構成された発振器と、
前記トリガ信号が開始されたとき事前設定の時間遅延を生成するように駆動されるように構成された遅延発生器と、
事前設定のデジタル化波形を取り出すように構成され、前記事前設定の時間遅延の終了時に発振器によってイネーブルにされ、また、前記事前設定のデジタル化波形をアナログ波形出力に変換するように構成され、前記アナログ波形出力が前記流量計に送り返される、デジタル−アナログ変換器(DAC)と
を備えるシミュレーション用回路。
【請求項2】
前記遅延発生器が、カウンタと、細かい遅延器とを含み、前記発振器が、前記トリガ信号を受け取り、前記カウンタが事前設定の粗い時間遅延を生成できるように前記クロック信号を送り、前記発振器のクロックが、前記粗い時間遅延の終了時に細かい遅延器に供給され、前記細かい遅延器が、事前設定の細かい時間遅延を生成し、前記クロック信号が、前記事前設定の細かい時間遅延の終了時に前記DACに供給される、請求項1記載のシミュレーション用回路。
【請求項3】
前記細かい遅延器が、前記細かい時間遅延を生成するために、プログラム可能な遅延線を使用する、請求項2記載のシミュレーション用回路。
【請求項4】
位相誤差検出器をさらに含み、前記位相誤差検出器が、前記トリガ信号と、前記発振器からの前記クロック信号の立ち上がりエッジとが同期していないことを検出し、したがって前記トリガ信号と前記クロック信号の前記立ち上がりエッジとの時間差が計算され、補償値として前記遅延発生器に供給される、請求項1記載のシミュレーション用回路。
【請求項5】
前記位相誤差検出器が、2つのパルスの時間間隔を測定する時間−デジタル変換器(TDC)であり、前記TDCが、前記トリガ信号と前記クロック信号の非同期を検出し、補償値を計算するためにそれをマイクロプロセッサに送るように、前記トリガ信号と接続されたSTART入力と、前記クロック信号と接続されたSTOP入力とを有する、請求項4記載のシミュレーション用回路。
【請求項6】
前記発振器が、遅延線をベースとする発振器であり、前記遅延線をベースとする発振器が、前記トリガ信号を受け取ったときクロック信号を生成するように構成され、前記遅延線をベースとする発振器の周波数が、前記遅延線をベースとする発振器内の遅延線の遅延時間に基づく、請求項1記載のシミュレーション用回路。
【請求項7】
前記遅延線をベースとする発振器が、前記トリガ信号を受け取るANDゲートと、前記ANDゲートの出力と接続するNOTゲートと、前記NOTゲートの前記出力と接続する前記遅延線とを含み、前記遅延線の出力が前記ANDゲートにフィードバックされる、請求項6記載のシミュレーション用回路。
【請求項8】
前記インターフェース回路がトリガ発生器を含み、前記トリガ発生器が、前記駆動信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジを取り込み、前記アナログ波形出力の終了まで一定電圧で維持するように前記トリガ信号を生成する、請求項1記載のシミュレーション用回路。
【請求項9】
前記トリガ発生器が、駆動信号入力を有する比較器であり、前記駆動信号が基準と比較され、前記トリガ信号が生成され、残りのドライバパルス変動にかかわらずハイ電圧レベルに維持される、請求項8記載のシミュレーション用回路。
【請求項10】
前記インターフェース回路が、前記流量計の上流端子および下流端子と接続され、前記インターフェース回路がスイッチを含み、前記スイッチが、アナログ波形出力を受け取り、前記アナログ波形を前記流量計に送り返すために適正なチャネルを自動的に選択する、請求項1記載のシミュレーション用回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A−8B】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−14715(P2009−14715A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161140(P2008−161140)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】