説明

流量計

【課題】磁気センサのデューティ比を広くした場合においても消費電力を低く抑える。
【解決手段】回転体とともに回転する磁石の検出信号が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサ4と第2の磁気センサ5と、磁気センサ4,5に電源を供給して駆動させる駆動回路6と、駆動回路6から磁気センサ4,5への電源供給時における磁気センサ4,5の出力を記憶する記憶部7,8と、第1記憶部7からの出力をカウント信号、第2記憶部8からの出力を回転方向信号とする第1の状態と、第2記憶部8からの出力をカウント信号、第1記憶部7からの出力を回転方向信号とする第2の状態とを切替える切替部9と、カウント信号の立上がりエッジ又は/及びカウント信号の立下がりエッジの際の前記回転方向信号の状態により加算動作又は減算動作を行なう演算部10とを有し、演算部10からの切替信号により前記第1の状態と第2の状態とを切替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量計に関する。
【背景技術】
【0002】
水道水の流れに応じて回転する羽根車等の回転体の上部に磁石を固設し、この磁石の回転を検出して出力信号を出力するとともに、互いに出力する信号の位相が異なる2つの磁気センサが設けられ、この2つの磁気センサからの出力信号に基づいて、水道水の流量を測定する電子式水道メータがある。
【0003】
磁気抵抗素子を用いた磁気センサを使用した場合、前記磁石が1回転する間に2パルス出力される。この磁気センサを、その出力の位相差が90°となるように配置し、その2つの磁気センサの出力信号のデューティ比が50:50の場合、2つの磁気センサの出力信号は図7のようになる。
【0004】
この図7の一方の磁気センサからの出力信号(A相)の立上がりエッジ、又は/及び、立下りエッジにおいて、他方の磁気センサからの出力信号(B相)の状態(HighレベルかLowレベル)から回転方向を判断するとともに、演算動作が行われる。A相の立上がりエッジにおいてB相がHighレベル、又は、A相の立ち下がりエッジにおいてB相がLowレベルならば正転、A相の立上がりエッジにおいてB相がLowレベル、又は、A相の立ち下がりエッジにおいてB相がHighレベルならば逆転と判断するように構成されている。なおこの正転、逆転の判断は、電子式水道メータの構成等により、逆となる場合もある。
【0005】
サンプリング方式(時分割方式)の場合には、回転体の回転方向を正しく検知するには、図7におけるA相の立上がりからB相の立下りまでの時間(T1)と、A相の立下りからB相の立上がりまでの時間(T3)内に、夫々少なくとも1回ずつサンプリングを行う必要がある。そのため、最低、サンプリングパルスの周波数(単位時間当りのサンプリング回数)は、磁気センサからの出力信号の最大周波数の4倍(単位時間当りの回転体の最大回転数の8倍)とする必要がある。
【0006】
しかし、前記電子式水道メータに用いる磁気センサは、その出力信号(方形信号)のデューティ比が50:50であることが望ましいが、製造された磁気センサのデューティ比にはバラつきがある。電子式水道メータに用いることができる磁気センサのデューティ比の範囲を広くすることができれば、磁気センサの歩留まりを上げ、コストを低減することができる。
【0007】
仮に、磁気センサを、その出力の位相差が90°となるように配置し、その2つの磁気センサの出力信号のデューティ比が30:70の場合には、2つの磁気センサの出力信号は図8のようになる。この図8において、T1:T2:T3:T4=0.5:2.5:4.5:2.5となる。前述のように、サンプリング方式の場合には、図8のT1とT3の時間内に、少なくとも1回ずつサンプリングする必要がある。そのためには、サンプリングパルスの周波数を、最低、磁気センサからの出力信号の最大周波数の20倍(単位時間当りの回転体の最大回転数の40倍)とする必要がある。このように、使用できる磁気センサのデューティ比の範囲を広くするほど、そのデューティ比においても、回転方向を正確に検知するには、サンプリングパルスの周波数を高くする必要が生じ、それとともに消費電力も大きくなってしまうという問題がある。
【0008】
この消費電力を減らす方法として、回転体の回転数が一定以上となった場合には、回転方向が変化せず継続しているものとして、回転方向の判別を行わず、直前に判別した回転方向を用いて流量等を演算するようにした流量計が知られている(特許文献1参照)。
【0009】
この特許文献1においては、高速回転時においては、一方の磁気センサからの出力信号のレベルの変化を検知できればよく、全ての回転域において、回転体の回転方向の判別を行う場合と比較して、サンプリング周波数を低くすることができ消費電力を低く抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平3−206917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記特許文献1の流量計において、サンプリングを行った直後に、回転体が直前のサンプリング時の回転方向とは逆方向に回転するとともに、一気に回転体の回転数が、所定値以上となってしまった場合には、その後、回転体の回転数が所定値以下となるまでの間は、回転体の回転方向の判別を行わないため、高速回転時の回転方向と、流量等の算出に使用している回転方向とは異なってしまい、正確な流量を測定できない虞がある。
【0012】
そこで、本発明は、使用できる磁気センサのデューティ比の範囲を広くした場合においても消費電力を低く抑えるとともに、高速回転時においても回転体の回転方向を正しく判別できる流量計を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、流体の流れに応じて回転する回転体とともに回転する磁石の回転を検出して方形波信号として出力し、その出力が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサと第2の磁気センサと、
前記2つの磁気センサに間欠的に所定時間ずつ電源を供給して駆動させる駆動回路と、
前記駆動回路から磁気センサへの電源供給時における前記第1の磁気センサの出力を記憶する第1記憶部と、前記駆動回路から磁気センサへの電源供給時における前記第2の磁気センサの出力を記憶する第2記憶部と、
第1記憶部からの出力をカウント信号、第2記憶部からの出力を回転方向信号とする第1の状態と、第2記憶部からの出力をカウント信号、第1記憶部からの出力を回転方向信号とする第2の状態とを切替える切替部と、
前記カウント信号の立上がりエッジ、又は/及び、カウント信号の立下がりエッジの際の前記回転方向信号の状態により、加算動作又は減算動作を行なう演算部と、を有し、
前記演算部からの切替信号により、前記第1の状態と第2の状態とを切替えるようにしたことを特徴とする流量計である。
【0014】
請求項2記載の発明は、流体の流れに応じて回転する回転体とともに回転する磁石の回転を検出して方形波信号として出力し、その出力が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサと第2の磁気センサと、
前記2つの磁気センサに間欠的に所定時間ずつ電源を供給して駆動する駆動回路と、
前記駆動回路から磁気センサへの電源供給時における前記2つの磁気センサの一方の出力を記憶する第1記憶部と、他方の出力を記憶する第2記憶部と、
第1の磁気センサからの出力を第1記憶部へ入力し、第2の磁気センサからの出力を第2記憶部へ入力する第1の状態と、第1の磁気センサからの出力を第2記憶部へ入力し、第2の磁気センサからの出力を第1記憶部へ入力する第2の状態とを切替える切替部と、
第1記憶部からの出力と第2記憶部からの出力のうち一方をカウント信号とし、他方を回転方向信号として、前記カウント信号の立上がりエッジ、又は/及び、カウント信号の立下がりエッジの際の前記回転方向信号の状態により、加算動作又は減算動作を行なう演算部と、を有し、
前記演算部からの切替信号により、前記第1の状態と第2の状態とを切替えるようにしたことを特徴とする流量計である。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の流量計において、カウント信号の立上がりエッジ、又は/及び、カウント信号の立下がりエッジの際の前記回転方向信号の状態により、回転体の回転方向の判別を行い、この回転方向の判別が安定しないときに、前記第1の状態と第2の状態とを切替えるようにしたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の流量計において、回転体の回転数が、所定値以上の場合において、回転体の回転方向の判別が、直前の判別と異なるときに、前記第1の状態と第2の状態とを切替えるようにしたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項5記載の発明は、流体の流れに応じて回転する回転体とともに回転する磁石の回転を検出し、その出力信号が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサと第2の磁気センサと、
前記2つの磁気センサに間欠的に所定時間ずつ電源を供給して駆動する駆動回路と、
第1の磁気センサからの出力信号と、第2の磁気センサからの出力信号から回転体の回転方向の判別を行って、加算動作又は減算動作を行なう演算部と、を有し、
前記駆動回路は、前記磁気センサへ第1駆動間隔で電源を供給し、所定間隔で所定の時間の間は、該第1駆動間隔より短い第2駆動間隔で磁気センサへ電源を供給し、
前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値より大きい場合には、前記第2駆動間隔時のみ回転体の回転方向の判別を行い、第1駆動間隔時の場合は回転体の回転方向の判別を行わず、直前に判別した回転方向に基づいて、前記加算動作又は減算動作を行なうことを特徴とする流量計である。
【0018】
請求項6記載の発明は、流体の流れに応じて回転する回転体とともに回転する磁石の回転を検出し、その出力信号が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサと第2の磁気センサと、
前記2つの磁気センサに間欠的に所定時間ずつ電源を供給して駆動する駆動回路と、
第1の磁気センサからの出力信号と、第2の磁気センサからの出力信号から回転体の回転方向の判別を行って、加算動作又は減算動作を行なう演算部と、を有し、
前記駆動回路は、前記磁気センサへ第1駆動間隔で電源を供給し、前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値より大きい場合には、所定間隔で所定の時間の間は、該第1駆動間隔より短い第2駆動間隔で磁気センサへ電源を供給し、
前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値より大きい場合には、前記第2駆動間隔時のみ回転体の回転方向の判別を行い、第1駆動間隔時の場合は回転体の回転方向の判別を行わず、直前に判別した回転方向に基づいて、前記加算動作又は減算動作を行なうことを特徴とする流量計である。
【0019】
請求項7記載の発明は、流体の流れに応じて回転する回転体とともに回転する磁石の回転を検出し、その出力信号が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサと第2の磁気センサと、
前記2つの磁気センサに間欠的に所定時間ずつ電源を供給して駆動する駆動回路と、
第1の磁気センサからの出力信号と、第2の磁気センサからの出力信号から回転体の回転方向の判別を行って、加算動作又は減算動作を行なう演算部と、を有し、
前記駆動回路は、前記磁気センサへ第1駆動間隔で電源を供給し、
前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値より大きくなった場合には、回転体の回転方向の判別結果において、その判別した回転方向が、所定の回数以上同じとなるまでの間は、該第1駆動間隔より短い第2駆動間隔で磁気センサへ電源を供給し、それ以後、前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値以下となるまで、回転体の回転方向の判別を行わず、直前に判別した回転方向に基づいて、前記加算動作又は減算動作を行なうことを特徴とする流量計である。
【0020】
請求項8記載の発明は、流体の流れに応じて回転する回転体とともに回転する磁石の回転を検出し、その出力信号が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサと第2の磁気センサと、
前記2つの磁気センサに間欠的に所定時間ずつ電源を供給して駆動する駆動回路と、
第1の磁気センサからの出力信号と、第2の磁気センサからの出力信号から回転体の回転方向の判別を行って、加算動作又は減算動作を行なう演算部と、を有し、
前記駆動回路は、前記磁気センサへ第1駆動間隔で電源を供給し、
前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値より大きくなった場合には、所定時間、該第1駆動間隔より短い第2駆動間隔で磁気センサへ電源を供給し、それ以後、前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値以下となるまで、回転体の回転方向の判別を行わず、直前に判別した回転方向に基づいて、前記加算動作又は減算動作を行なうことを特徴とする流量計である。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項5乃至8の何れか1項に記載の流量計において、一方の磁気センサからの出力をカウント信号とし、他方の磁気センサからの出力を回転方向信号として回転体の回転方向の判別を行い、
前記回転体の回転方向の判別を行わない場合には、回転方向信号として用いる磁気センサへの電源を供給しないことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
請求項1乃至4記載の発明によれば、切替部により、カウント信号又は回転方向信号として用いる、第1と第2の磁気センサからの出力を入れ替えることできるようにしたことにより、サンプリングパルスの周波数をそれほど上げることなく、回転体の回転方向の判別を精度良く行え、低消費電力とすることができる。
【0023】
また、磁気センサの出力信号のデューティ比が悪い場合にも、前記従来技術のように、サンプリングパルスの周波数を大幅に上げることなく、デューティ比が50:50の場合とほぼ同じサンプリングパルスの周波数で対応することができるため、消費電力をほとんど上げることなく、広範囲の磁気センサを使用することができるため、磁気センサの歩留まりを上げ、コスト低減を図ることができる。
【0024】
請求項5乃至9記載の発明によれば、回転体の単位時間当りの回転数が、所定値より大きくなった場合に、第1駆動間隔より短い第2駆動間隔で、所定間隔、又は、所定時間、又は、所定回数の回転方向の判別を行うことにより、前記特許文献1のような回転方向の誤検知を防止し、消費電力をそれほど増加することなく、回転体の回転方向の判別を精度良く行える。
【0025】
また、磁気センサの出力信号のデューティ比が悪い場合にも、前記従来技術と比較して、高周波数のサンプリングパルスで磁気センサに電源を供給する時間を減らし、消費電力をあまり増加することなく、広範囲の磁気センサを使用することができ、磁気センサの歩留まりを上げ、コスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例1の流量計における回転体と計測部との関係を示す図。
【図2】本発明の実施例1の流量計の全体構成を示すブロック図。
【図3】本実施例1を説明するための磁気センサからの出力波形。
【図4】本実施例1を説明するための磁気センサからの出力波形。
【図5】本発明の実施例2の流量計の全体構成を示すブロック図。
【図6】本発明の実施例3の流量計の全体構成を示すブロック図。
【図7】2つの磁気センサの出力信号のデューティ比が50:50の場合の出力波形。
【図8】2つの磁気センサの出力信号のデューティ比が30:70の場合の出力波形。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の流量計は、水道水等の液体や、ガス等の気体の被計測流体の流れに応じて、羽根車等の回転体が回転し、この回転体の回転を磁気センサで検出し、該磁気センサからの出力信号に基づいて流量を計測する流量計である。この流量計は、水道メータやガスメータに用いることができ、以下の実施例においては、水道メータに適用した実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0028】
図1乃至図4は本発明の実施例1を示す。
図2は、本実施例1の流量計の全体構成を示すブロック図である。
【0029】
水道メータは、内部に図1に示すような回転体である羽根車1を備え、該羽根車1の上端部には、磁石2が固設されている。該磁石2は、羽根車1の軸方向と直交する方向に磁化され、すなわち、1つのN極と1つのS極とが、羽根車1の軸の周方向において180度離れて設けられている。
【0030】
前記羽根車1の上方近傍には、計測部3が設けられている。該計測部3内には、第1の磁気センサ4と,第2の磁気センサ5が備えられている。2つの磁気センサ4,5は、磁気抵抗素子を用いた磁気センサであり、前記磁石2が羽根車1とともに回転する際の磁界の変化を磁気抵抗素子で検出して、例えば図3に示すような、方形波信号として出力する。また、磁気センサ4,5は、羽根車1が1回転する間に、2周期(2パルス)の方形波信号を出力する。2つの磁気センサ4,5からの出力信号が、互いに電気的に90度位相がずれるように、2つの磁気センサ4,5は配設されている。
【0031】
駆動回路6は、2つの磁気センサ4,5に、所定の間隔で間欠的に所定の短時間ずつ電源を供給して、磁気センサ4,5を駆動する。本実施例においては、駆動回路6から、周波数512Hz、パルス幅が、その周期より大幅に短い(実施例では、20μS)のサンプリングパルスを出力し、該サンプリングパルスが磁気センサ4,5の電源電圧として印加されて磁気センサ4,5を駆動する。
【0032】
前記第1の磁気センサ4からの出力が、第1記憶部7に入力され、第2の磁気センサ5からの出力が、第2記憶部8に入力されている。2つの記憶部7,8には、駆動回路6から磁気センサ4,5への電源供給と同じタイミングで記憶タイミング信号が入力され、記憶部7,8は、記憶タイミング信号の入力の際の磁気センサ4,5の出力の状態(HighレベルかLowレベル)を記憶し、記憶した状態を切替部9へ出力する。
【0033】
前記切替部9は、第1記憶部7からの出力をカウント信号、第2記憶部8からの出力を回転方向信号として演算部10へ入力する第1の状態と、第1記憶部7からの出力を回転方向信号、第2記憶部8からの出力をカウント信号として演算部10へ入力する第2の状態とに切替えることができるようになっている。
【0034】
前記演算部10は、カウント信号の立上がりエッジ(LowレベルからHighレベルへの反転時)と、立下がりエッジ(HighレベルからLowレベルへの反転時)における回転方向信号の状態(Highレベル又はLowレベル)から、羽根車1の回転方向を判別して、羽根車1の回転方向が正転と判別した場合は、羽根車1/4回転に相当する値を記憶していた直前の積算値に加算し、羽根車1の回転方向が逆転と判別した場合は、羽根車1/4回転に相当する値を、記憶していた直前の積算値から減算し、新しい積算値を記憶するとともに、図示しない表示部に新しい積算値から流量等を演算し更新表示する。
【0035】
前記演算部10は、所定時間(本実施例では3.6秒間)における前記積算値の変化から羽根車1の単位時間当りの回転数を演算するようになっている。この単位時間当りの回転数が、所定値(本実施例においては、カウント信号の周波数が20Hz、すなわち、羽根車1の回転数が10回転/s)より大きいときに、羽根車1の回転方向の判別が、直前に行った回転方向の判別結果と異なる場合には、羽根車1の回転方向が安定しないとして、切替え信号を前記切替部9に出力し、切替部9は他方の状態へと切替える。すなわち、第1の状態の場合には第2の状態に、第2の状態の場合には第1の状態に切替えるようになっている。
【0036】
図3は、2つの磁気センサ4,5の出力信号のデューティ比が30:70で、第1記憶部7からの出力信号をカウント信号と、第2記憶部8からの出力信号を回転方向信号として用い、[1]〜[10]のときに、演算部10からタイミング信号が入力されてサンプリングを行った場合を示す。羽根車1の回転方向の判別は、カウント信号におけるレベルが反転した際、この図3においては、[3]、[5]、[8]、[10]において行われ、その判別結果は、[3]は逆転、[5]は正転、[8]は正転、[10]は正転と判別される。しかし、[2]〜[3]の間における第1磁気センサ4からの出力信号における立上がりエッジの際、回転方向信号はHighレベルであり、羽根車1の正しい回転方向は正転であり、[3]においては、羽根車1の回転方向が正しく判別されていないことが分る。なお、羽根車1の回転方向の判別としては、カウント信号の立上がりエッジにおいて回転方向信号がHighレベル、又は、カウント信号の立ち下がりにおいて回転方向信号がLowレベルならば正転と判別し、カウント信号の立上がりエッジにおいて回転方向信号がLowレベル、又は、カウント信号の立ち下がりエッジにおいて回転方向信号がHighレベルならば逆転と判別するようになっている。
【0037】
この、図3におけるカウント信号と回転方向信号を入れ替えると、すなわち、第2記憶部8からの出力信号をカウント信号、第1記憶部7からの出力信号を回転方向信号とすると、図4に示す状態となる。この図4においては、[2]、[3]、[7]、[9]全てにおいて正転と判別される。なお、羽根車1の回転方向の判別としては、図3とは逆に、カウント信号の立上がりエッジにおいて回転方向信号がLowレベル、又は、カウント信号の立ち下がりエッジにおいて回転方向信号がHighレベルならば正転と判別し、カウント信号の立上がりエッジにおいて回転方向信号がHighレベル、又は、カウント信号の立ち下がりエッジにおいて回転方向信号がLowレベルならば逆転と判別するようになっている。
【0038】
本実施例では、羽根車1の単位時間当りの回転数が、所定値以上の高回転において、羽根車1の回転方向が変わることがないため、演算部10は、高回転において、図3のように、正転と逆転が混在している場合には、羽根車1の回転方向の判別が安定しないとして判別し、切替部9により第1と第2の状態を切替えるようになっている。これにより、回転方向の誤検知を防止することができる。
【0039】
従来であれば、図3の[3]の誤検知を無くすためには、サンプリング間隔をより短くする(サンプリングパルスの周波数を上げる)必要があるが、本実施例は、サンプリングパルスの周波数を上げることなく、カウント信号と回転方向信号に用いる信号を、一方の記憶部7(8)からの出力信号を、他方の記憶部8(7)からの出力信号に入れ替えるのみで、回転方向の誤検知を防止することができる。
【0040】
前記従来技術では、図8のT1、と、T3の間に、夫々少なくとも1回サンプリングをする必要があるが、本実施例は、第1と2記憶部7,8からの出力信号を入れ替えるようにしたことにより、T1又はT2、と、T3又はT4の夫々の間に少なくとも1回サンプリングすればよくなり、サンプリングパルスの周波数を、最低、磁気センサ4,5からの出力信号における最大周波数の4倍(単位時間当りの回転体の最大回転数の8倍)とすればよい。本実施例においては、羽根車1の最大回転数を50回転/s、磁気センサ4,5からの出力信号の最大周波数では100Hzとし、そのサンプリングパルスの周波数を512Hzとした。このように、従来であれば、2つの磁気センサの出力信号のデューティ比が30:70の場合には、サンプリングパルスの周波数を最低2000Hzに設定する必要があるところを、本実施例では、羽根車1の回転方向の誤検知をすることなく、サンプリングパルスの周波数を512Hzとすることができ、消費電力を大幅に減らし、電池寿命をのばすことができる。また、全ての回転域において、羽根車1の回転方向の判別を行うため、前記特許文献1のような回転方向の誤検知を防止することができる。
【0041】
このように、磁気センサ4,5からの出力信号におけるデューティ比が30:70と悪い場合においても、デューティ比50:50の場合とほぼ同じサンプリングパルスの周波数で対応することができ、消費電力をあまり増加することなく、広範囲の磁気センサを使用することができ、磁気センサの歩留まりを上げ、コスト低減を図ることができる。
【0042】
なお、前記実施例1においては、羽根車1の単位時間当りの回転数が、一定以上の高回転において、羽根車1の回転方向の判別が安定しないときに、切替部9は、演算部10からの切替え信号により、第1と第2の状態を切替えたが、羽根車1の回転数に関係なく、羽根車1の回転方向の判別が安定しないときに、切替部9により第1と第2の状態を切替えるようにしてもよい。
【0043】
また、カウント信号の立上がりエッジと、立下がりエッジの双方で、羽根車1の正逆方向の判別を行ったが、カウント信号の立上がりエッジ又は立下がりエッジの何れか一方のみで羽根車1の回転方向の判別を行うようにしても良い。
【実施例2】
【0044】
図5は実施例2を示す。
図5は、本実施例2の流量計の全体構成を示すブロック図である。
【0045】
磁気センサ4,5、駆動回路6、記憶部7,8、演算部10は、前記実施例1と同様であり、本実施例2は、前記実施例1の切替部9の位置が異なる。
【0046】
本実施例2は、2つの磁気センサ4,5からの出力信号を、切替部11に入力し、該切替部11は、第1の磁気センサ4からの出力を第1記憶部7へ、第2の磁気センサ5からの出力を第2記憶部8へ入力する第1の状態と、第1の磁気センサ4からの出力を第2記憶部8へ、第2の磁気センサ5からの出力を第1記憶部7へ入力する第2の状態とに切替えることができるようになっている。この第1状態と第2状態の切替るタイミングは、前記実施例1と同様に行なわれる。
【0047】
前記第1記憶部7はカウント信号と、第2記憶部8は回転方向信号として演算部10へ出力する。
【0048】
その他の構成は、前記実施例1と同様に構成されている。
本実施例2においても、前記実施例1と同様の効果を奏する。
【実施例3】
【0049】
図6は実施例3を示す。
図6は、本実施例3の流量計の全体構成を示すブロック図である。
【0050】
磁気センサ4,5は、前記実施例1と同様である。駆動回路16は、2つの磁気センサ4,5に、所定の間隔で間欠的に所定の短時間ずつ電源を供給して、磁気センサ4,5を駆動する。駆動回路16は、所定の第1駆動間隔と、該第1駆動間隔よりも短い第2駆動間隔の2種類の間隔(周期)で電源を供給できるようになっている。駆動回路16は、演算部17からの選択信号により、第1駆動間隔か第2駆動間隔のいずれか一方を選択して、選択した駆動間隔で磁気センサ4,5に電源を供給するようになっている。
【0051】
本実施例3においては、駆動回路16はサンプリングパルスを、第1駆動間隔における周波数:512Hz、第2駆動間隔における周波数:2048Hz、そのパルス幅は、その周期より大幅に短い時間(実施例では、20μS)出力し、該サンプリングパルスが磁気センサ4,5の電源電圧として印加されて磁気センサ4,5を駆動する。
【0052】
演算部17は、所定間隔で所定の時間の間(本実施例においては、5秒間隔で0.5秒間)第2駆動間隔を選択する選択信号を、駆動回路16へ出力している。すなわち、駆動回路16は、通常は第1駆動間隔で、磁気センサ4,5に電源を供給し、所定間隔で所定の時間の間(本実施例においては、5秒間隔で0.5秒間)は、第1駆動間隔から第2駆動間隔へと切替えて、第2駆動間隔で、磁気センサ4,5に電源を供給するようになっている。
【0053】
前記第1の磁気センサ4からの出力が、第1記憶部18に入力され、第2の磁気センサ5からの出力が、第2記憶部19に入力されている。2つの記憶部18,19には、駆動回路16から磁気センサ4,5への電源供給と同じタイミングで記憶タイミング信号が入力され、記憶部18,19は、記憶タイミング信号の入力の際の磁気センサ4,5の出力の状態(HighレベルかLowレベル)を記憶する。
【0054】
第1記憶部18は、記憶した状態をカウント信号として、第2記憶部19は、記憶した状態を回転方向信号して演算部17へ出力する。前記演算部17は、前記実施例1の演算部10と同様に、羽根車1の回転方向を判別して、羽根車1の1/4回転に相当する値を記憶していた直前の積算値に加算又は減算し、新しい積算値を記憶するとともに、図示しない表示部に新しい積算値から流量等を演算し更新表示する。
【0055】
第1記憶部18は、記憶した状態をカウント信号として、回転数判別部20へ出力する。該回転数判別部20は、カウント信号の1周期の時間を測定し、その時間より羽根車1の単位時間当りの回転数を演算し、その回転数が、所定値(本実施例においては10回転/s)より大きいか否かを判別するようになっている。
【0056】
前記回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値より大きいと判別したときは、回転数信号を演算部17へ出力する。演算部17は、回転数信号が入力されると、第2駆動間隔のみで羽根車1の回転方向を判別し、第1駆動間隔では羽根車1の回転方向の判別を行わないようし、第1駆動間隔における羽根車1の回転方向は、直前に判別した回転方向を採用して、加算又は減算するようになっている。すなわち、回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値より大きいと判別したときは、第2駆動間隔のみで羽根車1の回転方向の判別を行い、回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値以下と判別したときは、第1駆動間隔と第2駆動間隔の両方で羽根車1の回転方向の判別を行うようになっている。
【0057】
磁気センサ4,5のデューティ比が30:70の場合で、羽根車1の全ての回転域において、羽根車1の回転方向を精度良く判別するには、羽根車1の最大回転数を50回転/sとした場合には、前述のように、サンプリングパルスを2000Hz以上にする必要がある。しかし、本実施例においては、サンプリングパルスを、4.5秒間:512Hz、0.5秒間:2048Hzとなるように、512Hzと2048Hzを交互に切替えることにより、消費電力を、常に、サンプリングパルスの周波数を2000Hzにした場合の約1/3とすることができる。
【0058】
また、羽根車1の高回転域では、羽根車1の回転方向が変化することは殆どないため、前記特許文献1では、高回転域では羽根車1の回転方向の判別を行わないようにしている。しかし、前述のように、羽根車1の回転方向の判別を行った直後に、羽根車1が直前の判別方向とは逆方向に回転するとともに、一気に回転数が、所定値以上となってしまった場合には、羽根車1の回転方向の誤検知をしてしまい、その回転方向の誤検知は、回転数が下がるまで訂正することが出来ない虞がある。しかし、本実施例では、高回転域において、判別精度の低い第1駆動間隔では羽根車1の回転方向を判別せず、時々、判別精度の高い第2駆動間隔で、羽根車1の回転方向を判別するようにしたことにより、前記特許文献1のような問題点を解消することができる。
【0059】
なお、前記実施例3においては、第1記憶部18からの出力を、カウント信号とし、第2記憶部19からの出力を回転方向信号としたが、第2記憶部19からの出力を、カウント信号とし、第1記憶部18からの出力を回転方向信号としてもよい。
【0060】
また、第1駆動間隔と第2駆動間隔における、夫々のサンプリングパルスの周波数を512Hz、2048Hz以外にも、羽根車1の回転方向の判別が精度良く行えれば任意の周波数に設定することができる。
【実施例4】
【0061】
前記実施例3においては、羽根車1の全ての回転域において、所定間隔で所定の時間の間、第1駆動間隔から第2駆動間隔へと切替えて、磁気センサ4,5に電源供給を行うようにしたが、回転数判別部20で羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値以下と判別したときは、第2駆動間隔へ切替えることなく、常に第1駆動間隔で磁気センサ4,5に電源供給を行い、回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値より大きいと判別したときに、所定間隔で所定の時間の間は、第1駆動間隔から第2駆動間隔へと切替えて磁気センサ4,5に電源供給を行うようにしてもよい。
【0062】
回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値より大きいと判別した場合は、前記実施例3と同様に、第2駆動間隔のみで羽根車1の回転方向を判別し、第1駆動間隔では羽根車1の回転方向の判別を行わないようし、第1駆動間隔における羽根車1の回転方向は、直前に判別した回転方向を採用するようになっている。なお、回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値以下と判別した場合は、第1駆動間隔で羽根車1の回転方向の判別を行う。
【0063】
その他の構成は、前記実施例3と同様に構成されている。
本実施例4においても、前記実施例3と同様の効果を奏する。
【0064】
更に、本実施例4は、羽根車1の低回転域においては、第1駆動間隔のみとしたことで、前記実施例3よりもより消費電力を抑えることができる。
【実施例5】
【0065】
前記実施例4においては、回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値以下と判別したときは、第2駆動間隔へ切替えることなく、常に第1駆動間隔で磁気センサ4,5に電源供給を行い、回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値より大きいと判別したときに、所定間隔で所定の時間の間は、第1駆動間隔から第2駆動間隔へと切替えるようにしたが、回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値より大きいと判別したときに、第2駆動間隔に切替えて所定の時間(本実施例においては0.5s)第2駆動間隔で磁気センサ4,5に電源供給を行い、その後、回転数判別部20が羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値以下と判別するまでの間は、第2駆動間隔に切替えることなく、第1駆動間隔で磁気センサ4,5に電源を供給行うようにしてもよい。
【0066】
回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値より大きいと判別した場合は、前記実施例3と同様に、第2駆動間隔のみで羽根車1の回転方向を判別し、第1駆動間隔では羽根車1の回転方向の判別を行わないようし、第1駆動間隔における羽根車1の回転方向は、直前に判別した回転方向を採用するようになっている。なお、回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値以下と判別した場合は、第1駆動間隔で羽根車1の回転方向の判別を行う。
【0067】
その他の構成は、前記実施例4と同様に構成されている。
本実施例5においても、前記実施例4と同様の効果を奏する。
【0068】
更に、本実施例5は、第2駆動間隔で磁気センサ4,5に電源を供給行う時間を前記実施例4よりも更に短くすることで、前記実施例4よりもより消費電力を抑えることができる。
【0069】
羽根車1が、ある回転方向で高速回転をしている場合に、第1駆動間隔の間に、低速回転をへることなく反対方向へ高速回転に転じる可能性は極めて低いために、本実施例5でも羽根車1の回転方向を正確に判別することができる。
【実施例6】
【0070】
前記実施例5においては、回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値より大きいと判別したときに、所定の時間(本実施例においては0.5s)第2駆動間隔で磁気センサ4,5に電源供給を行い、その後、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値以下と判別するまでの間は、第2駆動間隔に切替えることなく、第1駆動間隔で磁気センサ4,5に電源を供給行うようにしたが、回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値より大きいと判別したときに、第2駆動間隔に切替えて磁気センサ4,5に電源供給を行い、第2駆動間隔に切替えた後の羽根車1の回転方向の判別で、回転方向の判別結果が、所定回数(本実施例においては2回)同じとなるまで第2駆動間隔で磁気センサ4,5に電源供給を行い、その後、回転数判別部20が羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値以下と判別するまでの間は、第2駆動間隔に切替えることなく、第1駆動間隔で磁気センサ4,5に電源を供給行うようにしてもよい。
【0071】
回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値より大きいと判別した場合は、前記実施例3と同様に、第2駆動間隔のみで羽根車1の回転方向を判別し、第1駆動間隔では羽根車1の回転方向の判別を行わないようし、第1駆動間隔における羽根車1の回転方向は、直前に判別した回転方向を採用するようになっている。なお、回転数判別部20が、羽根車1の単位時間当りの回転数が所定値以下と判別した場合は、第1駆動間隔で羽根車1の回転方向の判別を行う。
【0072】
その他の構成は、前記実施例5と同様に構成されている。
本実施例6においても、前記実施例5と同様の効果を奏する。
【0073】
更に、本実施例6は、第2駆動間隔で磁気センサ4,5に電源を供給行う時間を前記実施例5よりも更に短くすることで、前記実施例5よりもより消費電力を抑えることができる。
【実施例7】
【0074】
前記実施例3〜6においては、羽根車1の回転方向の判別を行わない際に、駆動回路16から、その信号を回転方向信号として用いる磁気センサ5(4)も電源を供給していたが、羽根車1の回転方向の判別を行わない際には、駆動回路16から、その信号を回転方向信号として用いる磁気センサ5(4)で電源を供給しないようにしてもよい。
【0075】
その他の構成は、前記実施例3〜6と同様に構成されている。
本実施例7においても、前記実施例3〜6と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0076】
1 羽根車(回転体)
2 磁石
4 第1の磁気センサ
5 第2の磁気センサ
6,16 駆動回路
7,18 第1記憶部
8,19 第2記憶部
9,11 切替部
10,17 演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流れに応じて回転する回転体とともに回転する磁石の回転を検出して方形波信号として出力し、その出力が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサと第2の磁気センサと、
前記2つの磁気センサに間欠的に所定時間ずつ電源を供給して駆動させる駆動回路と、
前記駆動回路から磁気センサへの電源供給時における前記第1の磁気センサの出力を記憶する第1記憶部と、前記駆動回路から磁気センサへの電源供給時における前記第2の磁気センサの出力を記憶する第2記憶部と、
第1記憶部からの出力をカウント信号、第2記憶部からの出力を回転方向信号とする第1の状態と、第2記憶部からの出力をカウント信号、第1記憶部からの出力を回転方向信号とする第2の状態とを切替える切替部と、
前記カウント信号の立上がりエッジ、又は/及び、カウント信号の立下がりエッジの際の前記回転方向信号の状態により、加算動作又は減算動作を行なう演算部と、を有し、
前記演算部からの切替信号により、前記第1の状態と第2の状態とを切替えるようにしたことを特徴とする流量計。
【請求項2】
流体の流れに応じて回転する回転体とともに回転する磁石の回転を検出して方形波信号として出力し、その出力が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサと第2の磁気センサと、
前記2つの磁気センサに間欠的に所定時間ずつ電源を供給して駆動する駆動回路と、
前記駆動回路から磁気センサへの電源供給時における前記2つの磁気センサの一方の出力を記憶する第1記憶部と、他方の出力を記憶する第2記憶部と、
第1の磁気センサからの出力を第1記憶部へ入力し、第2の磁気センサからの出力を第2記憶部へ入力する第1の状態と、第1の磁気センサからの出力を第2記憶部へ入力し、第2の磁気センサからの出力を第1記憶部へ入力する第2の状態とを切替える切替部と、
第1記憶部からの出力と第2記憶部からの出力のうち一方をカウント信号とし、他方を回転方向信号として、前記カウント信号の立上がりエッジ、又は/及び、カウント信号の立下がりエッジの際の前記回転方向信号の状態により、加算動作又は減算動作を行なう演算部と、を有し、
前記演算部からの切替信号により、前記第1の状態と第2の状態とを切替えるようにしたことを特徴とする流量計。
【請求項3】
カウント信号の立上がりエッジ、又は/及び、カウント信号の立下がりエッジの際の前記回転方向信号の状態により、回転体の回転方向の判別を行い、この回転方向の判別が安定しないときに、前記第1の状態と第2の状態とを切替えるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の流量計。
【請求項4】
回転体の回転数が、所定値以上の場合において、回転体の回転方向の判別が、直前の判別と異なるときに、前記第1の状態と第2の状態とを切替えるようにしたことを特徴とする請求項3記載の流量計。
【請求項5】
流体の流れに応じて回転する回転体とともに回転する磁石の回転を検出し、その出力信号が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサと第2の磁気センサと、
前記2つの磁気センサに間欠的に所定時間ずつ電源を供給して駆動する駆動回路と、
第1の磁気センサからの出力信号と、第2の磁気センサからの出力信号から回転体の回転方向の判別を行って、加算動作又は減算動作を行なう演算部と、を有し、
前記駆動回路は、前記磁気センサへ第1駆動間隔で電源を供給し、所定間隔で所定の時間の間は、該第1駆動間隔より短い第2駆動間隔で磁気センサへ電源を供給し、
前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値より大きい場合には、前記第2駆動間隔時のみ回転体の回転方向の判別を行い、第1駆動間隔時の場合は回転体の回転方向の判別を行わず、直前に判別した回転方向に基づいて、前記加算動作又は減算動作を行なうことを特徴とする流量計。
【請求項6】
流体の流れに応じて回転する回転体とともに回転する磁石の回転を検出し、その出力信号が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサと第2の磁気センサと、
前記2つの磁気センサに間欠的に所定時間ずつ電源を供給して駆動する駆動回路と、
第1の磁気センサからの出力信号と、第2の磁気センサからの出力信号から回転体の回転方向の判別を行って、加算動作又は減算動作を行なう演算部と、を有し、
前記駆動回路は、前記磁気センサへ第1駆動間隔で電源を供給し、前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値より大きい場合には、所定間隔で所定の時間の間は、該第1駆動間隔より短い第2駆動間隔で磁気センサへ電源を供給し、
前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値より大きい場合には、前記第2駆動間隔時のみ回転体の回転方向の判別を行い、第1駆動間隔時の場合は回転体の回転方向の判別を行わず、直前に判別した回転方向に基づいて、前記加算動作又は減算動作を行なうことを特徴とする流量計。
【請求項7】
流体の流れに応じて回転する回転体とともに回転する磁石の回転を検出し、その出力信号が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサと第2の磁気センサと、
前記2つの磁気センサに間欠的に所定時間ずつ電源を供給して駆動する駆動回路と、
第1の磁気センサからの出力信号と、第2の磁気センサからの出力信号から回転体の回転方向の判別を行って、加算動作又は減算動作を行なう演算部と、を有し、
前記駆動回路は、前記磁気センサへ第1駆動間隔で電源を供給し、
前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値より大きくなった場合には、回転体の回転方向の判別結果において、その判別した回転方向が、所定の回数以上同じとなるまでの間は、該第1駆動間隔より短い第2駆動間隔で磁気センサへ電源を供給し、それ以後、前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値以下となるまで、回転体の回転方向の判別を行わず、直前に判別した回転方向に基づいて、前記加算動作又は減算動作を行なうことを特徴とする流量計。
【請求項8】
流体の流れに応じて回転する回転体とともに回転する磁石の回転を検出し、その出力信号が互いに位相差を有するように配置された第1の磁気センサと第2の磁気センサと、
前記2つの磁気センサに間欠的に所定時間ずつ電源を供給して駆動する駆動回路と、
第1の磁気センサからの出力信号と、第2の磁気センサからの出力信号から回転体の回転方向の判別を行って、加算動作又は減算動作を行なう演算部と、を有し、
前記駆動回路は、前記磁気センサへ第1駆動間隔で電源を供給し、
前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値より大きくなった場合には、所定時間、該第1駆動間隔より短い第2駆動間隔で磁気センサへ電源を供給し、それ以後、前記回転体の単位時間当りの回転数が、所定値以下となるまで、回転体の回転方向の判別を行わず、直前に判別した回転方向に基づいて、前記加算動作又は減算動作を行なうことを特徴とする流量計。
【請求項9】
一方の磁気センサからの出力をカウント信号とし、他方の磁気センサからの出力を回転方向信号として回転体の回転方向の判別を行い、
前記回転体の回転方向の判別を行わない場合には、回転方向信号として用いる磁気センサへの電源を供給しないことを特徴とする請求項5乃至8の何れか1項に記載の流量計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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