説明

浄化ユニットならびに給湯システム

【課題】水の浄化度を適切に保つことができる浄化ユニット及びこれを備える給湯システムの提供。
【解決手段】水を加熱する給湯システム200において、加熱前あるいは加熱後の水を浄化する浄化ユニット5は、浄化部51、光源52、受光センサ53、汚染度推定部61a及び浄化制御部61bを備える。浄化部51は、水を浄化する。光源52は、水に光を照射する。受光センサ53は、水を透過した光源52からの光を受光する。汚染度推定部61aは、受光センサ53が受光した光の強度に基づいて、水の汚染度を推定する。浄化制御部61bは、推定された水の汚染度に基づいて、浄化部51を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄化ユニット、特に、水を加熱する給湯システムにおいて、加熱前あるいは加熱後の水を浄化する浄化ユニットに関する。また、本発明は、浄化ユニットを備える給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、水を加熱し、加熱された水を浴槽や水栓に供給する給湯システムが良く用いられている。また、給湯システムには、浴槽の中に蓄えられた水を再加熱するいわゆる追い炊き機能を有するものがある。
【0003】
このような給湯システムには、特許文献1に示すように、浴槽中の水を追い炊きする際、水の再加熱を行うと共に水を浄化するシステムがある。このシステムによると、利用者は、既に利用したことのある水を、清潔な状態で再利用することができる。ここで、水を浄化するための技術としては、水をろ過する方法や(特許文献1)、水に紫外線を照射する方法が知られている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2000−84565号公報
【特許文献2】特開平9−174047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような水の浄化を行うシステムでは、水が十分に浄化される程度に浄化運転を行い、水の浄化度を適切に保つ必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、水の浄化度を適切に保つことができる浄化ユニットの提供を目的とする。また、本発明は、この浄化ユニットを備える給湯システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明1に係る浄化ユニットは、水を加熱する給湯システムにおいて、加熱前あるいは加熱後の水を浄化する浄化ユニットであって、浄化部と、光照射部と、受光部と、汚染度推定部と、浄化制御部とを備える。浄化部は、水を浄化する。光照射部は、水に光を照射する。受光部は、水を透過した光照射部からの光を受光する。汚染度推定部は、受光部が受光した光の強度に基づいて、水の汚染度を推定する。浄化制御部は、受光部が受光した光の強度及び推定された水の汚染度の少なくとも1つに基づいて、浄化部を制御する。
【0007】
この浄化ユニットによると、光の強度及び水の汚染度の少なくとも1つに基づいて、例えば浄化部が水を浄化する時の浄化度合いや、浄化運転の開始及び終了等が制御される。これにより、浄化対象となる水の浄化度を適切に保つことができる。
【0008】
発明2に係る浄化ユニットは、発明1に係る浄化ユニットであって、浄化制御部は、受光部が受光した光の強度における単位時間あたりの変化率または推定された水の汚染度のいずれか1つに基づいて、浄化部の浄化動作を制御する。
【0009】
この浄化ユニットは、例えば、経時的に変化する透過光強度の度合いが所定の度合いよりも急である時には、水中の汚染物質の濃度が変化していることに相当するため、水の浄化運転を継続する。そして、透過光強度の度合いが所定の度合いよりも緩やかである時には、水中の汚染物質の濃度が比較的変化しない程度にまで至ったことに相当するため、浄化ユニットは、水の浄化運転を停止する。これにより、浄化ユニットは、水中の汚染物質の濃度を、適切な濃度に減少させることができる。
【0010】
発明3に係る浄化ユニットは、発明1または2に係る浄化ユニットであって、浄化部は、水に紫外線を照射することにより、水を浄化する。
【0011】
この浄化ユニットによると、水中の汚染物質は、紫外線により分解される。
【0012】
発明4に係る浄化ユニットは、発明3に係る浄化ユニットであって、浄化制御部は、推定された水の汚染度に基づいて、浄化部が照射する紫外線の強度を制御する。
【0013】
この浄化ユニットは、例えば、水の汚染度が高い程紫外線の強度を強める等の制御を行う。このように、浄化ユニットは、水の汚染度に基づいて浄化部が照射する紫外線の強度を制御することにより、水中の汚染物質を適切に分解することができる。
【0014】
発明5に係る浄化ユニットは、発明3または4に係る浄化ユニットであって、浄化部は、内部に水が流れる第1配管に設置される。そして、浄化制御部は、第1配管を流れる水の量が第1所定量以下である場合、浄化部による紫外線の照射を停止させる。
【0015】
この浄化ユニットによると、第1配管内を流れる水の量が第1所定量以下である時に、浄化部により無駄に紫外線が照射されることを防ぐことができるため、浄化部が紫外線を照射する際に消費されるエネルギーを節減することができる。また、紫外線により第1配管が劣化することを防止することができる。
【0016】
発明6に係る浄化ユニットは、発明3〜5のいずれかに係る浄化ユニットであって、浄化部は、加熱される前の水に紫外線を照射できる位置に配置されている。
【0017】
これにより、浄化部は、加熱された後の水に紫外線を照射する位置に配置されるよりも、水の温度による影響を受けずに済むため、浄化部の寿命を長くすることができる。
【0018】
発明7に係る浄化ユニットは、発明1〜6のいずれかに係る浄化ユニットであって、浄化部、光照射部及び受光部は、水を浴槽に供給するための第2配管に設置されている。そして、浄化ユニットは、水量制御部を更に備える。水量制御部は、推定された水の汚染度に基づいて、第2配管内を流れる水の量を制御する。
【0019】
この浄化ユニットは、例えば、水の汚染度が高い程、第2配管内を流れる水の量が少なくなるように制御し、水の汚染度が低い程、第2配管内を流れる水の量が多くなるように制御する。このように、浄化ユニットは、水の汚染度に基づいて第2配管内を流れる水の量を制御することにより、浴槽には、確実に浄化された水が供給されるようになる。
【0020】
発明8に係る浄化ユニットは、発明1〜7のいずれかに係る浄化ユニットであって、報知部を更に備える。報知部は、汚染度推定部が推定した水の汚染度を報知する。
【0021】
これにより、この浄化ユニットが採用された供給システムの利用者は、水の汚染度を知ることができる。
【0022】
発明9に係る浄化ユニットは、発明1〜8のいずれかに係る浄化ユニットであって、光照射部は、内部に水が流れる第3配管に設置される。そして、浄化ユニットは、光源制御部を更に備える。光源制御部は、第3配管を流れる水の量が第2所定量以下である場合、光照射部による光の照射を停止させる。
【0023】
この浄化ユニットによると、第3配管内を流れる水の量が第2所定量以下である時に、光照射部により無駄に光が照射されることを防ぐことができるため、光照射部が光を照射する際に消費されるエネルギーを節減することができる。
【0024】
発明10に係る浄化ユニットは、発明9に係る浄化ユニットであって、光源制御部は、第3配管を流れる水の量が第2所定量以下である場合、受光部を更に停止させる。
【0025】
この浄化ユニットによると、第3配管内を流れる水の量が第2所定量以下である時には、光照射部及び受光部が共に停止される。従って、光照射部による光の照射のみを停止させる場合よりも、消費されるエネルギーをより節減することができる。また、第3配管内に流れる水が適切な量でないと、光の反射、屈折、散乱等の影響により、受光部は光を正確には受光できなくなる。しかし、この浄化ユニットの受光部は、第3配管を流れる水の量が第2所定量以下である時は停止するため、第3配管を流れる水の量が第2所定量よりも多い時にのみ受光を行う。これにより、受光部は、安定した強度を有する光を受光することができる。
【0026】
発明11に係る浄化ユニットは、発明1〜10のいずれかに係る浄化ユニットであって、光照射部が照射する光には、互いに異なる波長領域を有する光が複数含まれている。
【0027】
これにより、例えば泡や浮遊物、入浴剤等の、汚染物質以外の物質が水の中に含まれている場合であっても、浄化ユニットの濃度推定部は、その影響を受けることなく汚染物質の濃度を推定することができる。
【0028】
発明12に係る浄化ユニットは、発明11に係る浄化ユニットであって、光照射部が照射する光には、少なくとも紫外線及び可視光線が含まれている。
【0029】
この浄化ユニットによると、光照射部により照射される紫外線は、汚染物質及び汚染物質以外の物質により吸収される。一方で、可視光線は、汚染物質以外の物質により吸収されるが、汚染物質を透過する。従って、例えば受光部により受光された紫外線の強度と可視光線の強度とに基づいて水の汚染度が推定されることにより、推定された水の汚染度は、汚染物質以外の物質の影響を受けにくくなる。
【0030】
発明13に係る浄化ユニットは、発明1〜12のいずれかに係る浄化ユニットであって、光照射部及び受光部は、加熱される前の水に光を照射できる位置及び加熱される前の水を透過した光を受光できる位置に、それぞれ配置されている。
【0031】
このような構成により、光照射部及び受光部は、加熱後の水に光を照射及び受光する位置に配置されるよりも、水の温度による影響を受けにくくなる。従って、光照射部及び受光部が、加熱後の水に光を照射及び受光する位置にそれぞれ配置される場合よりも、光照射部及び受光部の寿命を長くすることができる。
【0032】
発明14に係る浄化ユニットは、発明1〜13のいずれかに係る浄化ユニットであって、浄化部、光照射部及び受光部は、内部に水が流れる第4配管に設置されている。この浄化ユニットは、温度検知部と温度補正部とを更に備える。温度検知部は、第4配管に配置されており、第4配管を流れる水の温度を検知する。温度補正部は、受光部が受光した光の強度及び推定された水の汚染度の少なくとも1つを、温度検知部により検知された水の温度に基づいて補正する。そして、浄化制御部は、温度補正部により補正された光の強度及び水の汚染度の少なくとも1つに基づいて、浄化部を制御する。
【0033】
光照射部が照射する光の強度及び波長は、照射される水の温度の影響により、ドリフトしてしまう場合がある。そこで、この浄化ユニットは、照射される光の強度及び水の汚染度の少なくとも1つを、水の温度により補正し、補正された光の強度や水の汚染度に基づいて浄化部を制御する。これにより、浄化部は、ドリフトした光の強度及び波長の影響を受けることなく、適切に制御される。
【0034】
発明15に係る給湯システムは、発明1〜14のいずれかに係る浄化ユニットと、加熱部と、給湯部とを備える。加熱部は、浄化ユニットにより浄化される水を加熱することができる。給湯部は、加熱部により加熱されると共に浄化ユニットにより浄化された水を給湯口に供給する。
【0035】
この給湯システムの浄化ユニットは、光の強度及び水の汚染度の少なくとも1つに基づいて浄化部を制御する。従って、給湯システムは、適切な浄化度を有する水を供給口に供給することができる。
【0036】
発明16に係る給湯システムは、発明15に係る給湯システムであって、加熱部は、浴槽中の水と熱交換を行うことで浴槽中の水を加熱可能な熱交換器である。給湯部は、浴槽中の水が加熱部により加熱され、給湯口を介して浴槽に戻されるように設けられた第5配管を有する。そして、浄化ユニットは、第5配管に設置されている。
【0037】
この給湯システムは、浴槽中の水を追い炊きすることができ、浄化ユニットは、追い炊きされる(またはされた)水が浴槽に流れる第5配管上に設けられている。このような給湯システムによると、浴槽中に蓄えられている水は、追い炊きされる時に、暖められると共に浄化されて浴槽に戻される。従って、浴槽中の水は、適切な浄化度を保つことができる。
【発明の効果】
【0038】
発明1に係る浄化ユニットによると、浄化対象となる水の浄化度を適切に保つことができる。
【0039】
発明2に係る浄化ユニットは、水中の汚染物質の濃度を、適切な濃度に減少させることができる。
【0040】
発明3に係る浄化ユニットによると、水中の汚染物質は、紫外線により分解される。
【0041】
発明4に係る浄化ユニットは、水の汚染度に基づいて浄化部が照射する紫外線の強度を制御するため、水中の汚染物質を適切に分解することができる。
【0042】
発明5に係る浄化ユニットによると、浄化部が紫外線を照射する際に消費されるエネルギーを節減することができると共に、紫外線により第1配管が劣化することを防止することができる。
【0043】
発明6に係る浄化ユニットによると、紫外線照射式の浄化部を、加熱後の水に紫外線を照射する位置に配置する場合よりも、浄化部の寿命を長くすることができる。
【0044】
発明7に係る浄化ユニットは、水の汚染度に基づいて第2配管内を流れる水の量を制御するため、浴槽には、確実に浄化された水が供給されるようになる。
【0045】
発明8に係る浄化ユニットによると、利用者は、水の汚染度を知ることができる。
【0046】
発明9に係る浄化ユニットによると、光照射部が光を照射する際に消費されるエネルギーを節減することができる。
【0047】
発明10に係る浄化ユニットによると、光照射部による光の照射のみを停止させる場合よりも、消費されるエネルギーをより節減することができる。また、受光部は、安定した強度を有する光を受光することができる。
【0048】
発明11及び発明12に係る浄化ユニットは、例えば泡や浮遊物、入浴剤等の、汚染物質以外の物質が水の中に含まれている場合であっても、その影響を受けることなく汚染物質の濃度を推定することができる。
【0049】
発明13に係る浄化ユニットによると、光照射部及び受光部を、加熱後の水に光を照射及び受光する位置にそれぞれ配置する場合よりも、光照射部及び受光部の寿命を長くすることができる。
【0050】
発明14に係る浄化ユニットによると、浄化部は、ドリフトした光の強度及び波長の影響を受けることなく、適切に制御される。
【0051】
発明15に係る給湯システムは、適切な浄化度を有する水を供給口に供給することができる。
【0052】
発明16に係る給湯システムによると、浴槽中に蓄えられている水は、追い炊きされる時に、暖められると共に浄化されて浴槽に戻されるため、浴槽中の水は、適切な浄化度を保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、図面に基づいて、本発明に係る浄化ユニット及び給湯システムについて説明する。
【0054】
(1)構成
図1は、本発明の一実施形態に係る給湯システムの構成図である。図1の給湯システム200は、いわゆるヒートポンプ式の貯湯給湯システムであって、本発明の一特徴である浄化ユニット5が採用されている。具体的に、給湯システム200は、加熱給湯部1、リモートコントローラ4、浄化ユニット5及び制御部6を備えており、主として、浴槽13中の水を再加熱する追い炊き運転や、浴槽13中の水を浄化する浄化運転等を行うことができる。
【0055】
〔加熱給湯部〕
加熱給湯部1は、水を加熱し、加熱された水を水栓12や浴槽13の浴槽吐出口13b等の給湯口に供給するためのものであって、熱源ユニット2と貯湯タンクユニット3とを有している。尚、以下において、「水路」は、内部に水が通る配管で形成されている。
【0056】
〔熱源ユニット〕
熱源ユニット2は、図2に示すように、圧縮機21、水熱交換器22、膨張弁23及び蒸発器24を有しており、これらが順次接続されて冷凍サイクルを構成している。水熱交換器22には、貯湯タンクユニット3から送られてくる水が通る熱交換水路25が設けられており、熱交換水路25中を流れる水と冷媒との間で熱交換を行うことができる。膨張弁23は、電気的に制御される電動弁であって、圧縮機21と共に制御部6により制御される。この熱源ユニット2では、圧縮機21を駆動して冷媒を循環させることにより、水熱交換器22を凝縮器として機能させ、熱交換水路25中を通る水を加熱することができる。
【0057】
〔貯湯タンクユニット〕
貯湯タンクユニット3は、熱源ユニット2によって加熱された水を蓄えておき、蓄えた水を浴槽13や水栓12に供給する際に用いられる機能部である。貯湯タンクユニット3は、貯湯タンク7、水源取水部8、沸き上げ部9、給湯部10及び追い炊き部11(給湯部に相当)を有している。
【0058】
〔貯湯タンク〕
貯湯タンク7は、熱源ユニット2によって加熱された水を蓄える。貯湯タンク7の下部には、第1下部取水口71が設けられており、貯湯タンク7の上部には上部吐出口72が設けられている。第1下部取水口71は、水道等の水源からの水を貯湯タンク7に取り入れるための部分である。上部吐出口72は、貯湯タンク7に蓄えられた水を貯湯タンク7から吐出して給湯部10に供給するための部分である。また、貯湯タンク7の下部には下部吐出口73が設けられており、貯湯タンク7の上部には上部取水口74が設けられている。下部吐出口73は、貯湯タンク7内に蓄えられた水を貯湯タンク7から吐出して沸き上げ部9に供給するための部分である。上部取水口74は、熱源ユニット2によって加熱された水を貯湯タンク7の上部から貯湯タンク7内に取り入れるための部分である。更に、貯湯タンク7の下部には、下部循環入口75が設けられ、貯湯タンク7の上部には上部循環出口76が設けられている。上部循環出口76は、追い炊き運転時に、貯湯タンク7から貯湯タンク循環路14(後述)に吐出される水が通る出口である。下部循環入口75は、追い炊き運転時に、貯湯タンク循環路14から貯湯タンク7に戻される水が通る入口である。
【0059】
そして、貯湯タンク7の下部には、排水口77及び第2下部取水口78が設けられている。排水口77は、タンク排水路79に接続されており、貯湯タンク7内から排出される水が通過する。第2下部取水口78は、熱源ユニット2によって加熱された水を貯湯タンク7の下部から貯湯タンク7内に取り入れるための部分である。
【0060】
また、貯湯タンク7内には、5つのサーミスタTh1,Th2,Th3,Th4,Th5が取り付けられている。これらのサーミスタTh1〜Th5は、貯湯タンク7内に蓄えられた水の温度を検出するためのものであって、高さの異なる複数位置での水の温度を検出することができる。尚、各サーミスタTh1〜Th5により検出された水の温度は、制御部6に取り込まれる。
【0061】
〔水源取水部〕
水源取水部8は、水源からの水を貯湯タンク7や給湯部10に供給するための部分であって、水源取水路80及び減圧逆止弁81を有している。水源取水路80は、水源に接続される外部取水口82、貯湯タンク7の下部取水口71、水栓給湯部101の第1混合弁103(後述)、及び浴槽給湯部102の第2混合弁106(後述)を繋いでいる。減圧逆止弁81は、水源取水路80に設けられており、貯湯タンク7、水栓給湯部101、浴槽給湯部102に供給される水の量を制御可能であると共に、水源への水の逆流を防止する。
【0062】
〔沸き上げ部〕
沸き上げ部9は、貯湯タンク7に蓄えられた水を熱源ユニット2に送り、熱源ユニット2により加熱された水を貯湯タンク7に戻す部分であって、第1沸き上げ水路91、第2沸き上げ水路92、第3沸き上げ水路93、沸き上げポンプ94及び三方切替弁95を有する。第1沸き上げ水路91は、貯湯タンク7の下部吐出口73と、熱源ユニット2における熱交換水路25の上流側とを繋いでいる。第2沸き上げ水路92及び第3沸き上げ水路93は、熱交換水路25の下流側と貯湯タンク7の上部取水口74とを繋いでいる。沸き上げポンプ94は、第1沸き上げ水路91に設けられており、貯湯タンク7から第1沸き上げ水路91、熱交換水路25、第2沸き上げ水路92、第3沸き上げ水路93を経て貯湯タンク7に戻る水の流れを生成する。三方切替弁95は、第2沸き上げ水路92、第3沸き上げ水路93及び第2下部取水口78に接続されている。三方切替弁95は、電気的に制御される電磁弁であって、第2沸き上げ水路92及び第3沸き上げ水路93を接続した状態と、第2沸き上げ水路92及び第2下部取水口78を接続した状態とに切り替え可能である。
【0063】
〔給湯部〕
給湯部10は、貯湯タンク7に蓄えられた水を水栓12や浴槽13に供給するためのものであって、給湯路100、水栓給湯部101及び浴槽給湯部102を有する。
【0064】
給湯路100は、貯湯タンク7の上部吐出口72と水栓給湯部101とを繋ぐと共に、上部吐出口72と浴槽給湯部102とを繋ぐ水路である。
【0065】
水栓給湯部101は、貯湯タンク7に蓄えられた水や水源からの水を水栓12に供給するためのものであって、水栓給湯路104と第1混合弁103とを有する。水栓給湯路104は、第1混合弁103を介して給湯路100及び水源取水路80に接続されており、給湯路100及び水源取水路80と水栓12とを繋ぐ水路である。第1混合弁103は、電気的に制御される電磁弁であって、給湯路100と水栓給湯路104とを接続した状態、または水源取水路80と水栓給湯路104とを接続した状態に切り換えることができる。また、第1混合弁103は、給湯路100を通過してきた水と、水源取水路80を通過してきた水とを混合し、利用者が所望する温度の水を水栓給湯路104に送ることもできる。尚、第1混合弁103と給湯路100との接続部分、及び第1混合弁103と水源取水路80との接続部分には、貯湯タンク7への逆流及び水源への逆流をそれぞれ防ぐための逆止弁(図示せず)が設けられている。
【0066】
尚、水栓給湯路104には、サーミスタTh6及び給湯水量センサSN1が設けられている。サーミスタTh6は、水栓給湯路104内を通過する水の温度を検出するためのものであって、給湯水量センサSN1は、水栓給湯路104により水栓12に供給される水の量を検出するためのものである。サーミスタTh6及び給湯水量センサSN1それぞれにより検出された水の温度及び水の量は、制御部6に取り込まれる。
【0067】
浴槽給湯部102は、貯湯タンク7内の水や水源からの水を浴槽13に供給するためのものであって、浴槽給湯路105と第2混合弁106とを有する。浴槽給湯路105は、第2混合弁106を介して給湯路100と水源取水路80とに接続されており、給湯路100と浴槽13とを繋ぐと共に、水源取水路80と浴槽13とを繋ぐ水路である。第2混合弁106は、電気的に制御される電磁弁であって、給湯路100と浴槽給湯路105とを接続した状態、または水源取水路80と浴槽給湯路105とを接続した状態に切り換えることができる。また、第2混合弁106は、給湯路100を通過した水と水源取水路80を通過した水とを混合し、利用者が所望する温度の水を浴槽給湯路105に送ることもできる。尚、第2混合弁106と給湯路100との接続部分、及び第2混合弁106と水源取水路80との接続部分には、貯湯タンク7への逆流を防ぐための逆止弁(図示せず)が設けられている。
【0068】
また、浴槽給湯路105には、流量調節弁107、浴槽湯水量センサSN2及びサーミスタTh7が設けられている。流量調節弁107は、浴槽13に供給する水の量を調整するためのものであって、浴槽湯水量センサSN2は、浴槽給湯部102により浴槽13に供給される水の量を検出するためのものである。サーミスタTh7は、浴槽13に水が供給される場合に、浴槽給湯路105内を流れる水の温度を検知するためのものである。尚、浴槽湯水量センサSN2やサーミスタTh7により検出された水の量は、制御部6に取り込まれる。
【0069】
〔追い炊き部〕
追い炊き部11は、浴槽13に蓄えられた水を回収して貯湯タンク7に蓄えられた水と熱交換を行わせた後に浴槽13に戻すための部分であって、貯湯タンク循環路14、タンク循環ポンプ15、浴槽循環路16(第1配管、第2配管、第3配管、第4配管及び第5配管に相当)、浴槽循環ポンプ17及び追い炊き熱交換部18(加熱部に相当)を有している。
【0070】
貯湯タンク循環路14は、貯湯タンク7の上部循環出口76と、追い炊き熱交換部18と、下部循環入口75とを繋ぐ水路である。タンク循環ポンプ15は、貯湯タンク7の内部から上部循環出口76を通って吐出され貯湯タンク循環路14を通過し、下部循環入口75を経て貯湯タンク7に戻される水の流れを生成する。浴槽循環路16は、浴槽13から回収される水が通過する浴槽回収口13aと、追い炊き熱交換部18と、浴槽13に吐出される水が通る浴槽吐出口13bとを繋ぐ水路であって、浴槽13中の水が追い炊き熱交換部18により熱交換され、浴槽吐出口13bを介して浴槽13に戻されるように設けられている。浴槽循環ポンプ17は、浴槽13内から浴槽回収口13aを通り、浴槽循環路16を経て浴槽吐出口13bから浴槽13に戻される水の流れを生成する。追い炊き熱交換部18は、貯湯タンク循環路14を通る高温の水と、浴槽循環路16を通る水との間で熱交換を行わせることで、浴槽13中の水を加熱可能な熱交換器である。尚、貯湯タンク循環路14のうち追い炊き熱交換部18の下流であり、且つ浴槽循環ポンプ17の上流である部分には、浴槽給湯路105が接続されている。このため、浴槽給湯部102によって浴槽13に供給される水は、浴槽給湯路105から浴槽循環路16に入り、浴槽循環路16の一部を経て浴槽13に供給される。
【0071】
そして、浴槽循環路16のうち、浴槽回収口13aと追い炊き熱交換部18とを繋ぐ浴槽循環路16には、水位センサ19a、水流スイッチ19b及びサーミスタTh8が設けられている。水位センサ19aは、浴槽13の水位を検出するためのものであって、具体的には、浴槽回収口13aの圧力値に応じて浴槽13の水位を検出可能ないわゆる圧力センサである。水流スイッチ19bは、浴槽循環路16内における水の流れを検出するためのものであって、浴槽循環路16内を流れる水の量が所定量(第1所定量及び第2所定量に相当)以上である時にはオンし、浴槽循環路16内を流れる水の量が所定量未満の時にはオフする。ここで、本実施形態では、所定量が略“0”である場合を例にとる。即ち、本実施形態に係る水流スイッチ19bは、浴槽循環路16内を水が流れていない時にはオフし、流れている時にはオンする。サーミスタTh8は、追い炊き熱交換部18で加熱される前の、浴槽13内の水の温度を検出する。尚、水位センサ19a及び水流スイッチ19bによる検出結果やサーミスタTh8により検出された水の温度は、制御部6に取り込まれる。
【0072】
〔リモートコントローラ〕
リモートコントローラ4は、加熱給湯部1の運転を遠隔操作するためのものであって、台所や浴室に配置されている。リモートコントローラ4は、図3及び図4に示すように、操作部41、表示部42(報知部に相当)及び通信部43を備えている。
【0073】
操作部41は、各種運転の実行指示ボタンや数値の設定ボタンによって構成されており、これらのボタンが利用者により押されると、これを受け付ける。ここで、各種運転の実行指示ボタンとしては、図3に示すように、追い炊き運転指示ボタンや、浄化運転指示ボタン等が挙げられる。また、数値の設定ボタンは、浴槽13及び水栓12に供給される水の給湯温度や、浴槽13に供給される水の目標水位等を設定するためのボタンである。
【0074】
表示部42は、例えば液晶ディスプレイで構成されており、図3に示すように、操作部41を用いて設定された給湯温度や、浴槽13内の残湯量42a、制御部6の汚染度推定部61a(後述)により推定された浴槽13内の水の汚染度42bを表示する。
【0075】
通信部43は、図4に示すように、通信インターフェース63(後述)を介して制御部6と通信を行う。具体的には、通信部43は、操作部41の各種ボタンが押された場合、押されたボタンに基づく運転指示や給湯温度等を含む制御信号を、通信インターフェース63に送信する。
【0076】
〔浄化ユニット〕
浄化ユニット5は、浴槽13に蓄えられた水を浄化するためのものであって、図1に示すように、主として、浄化部51、光源52及び受光センサ53を有する。浄化部51、光源52及び受光センサ53は、水位センサ19aや水流スイッチ19bと同様、浴槽循環路16のうち浴槽回収口13aと追い炊き熱交換部18とを繋ぐ浴槽循環路16に設けられている。
【0077】
浄化部51は、浴槽循環路16を流れる水(具体的には、追い炊き熱交換部18により加熱される前の水)に紫外線を照射することにより水を浄化する紫外線照射式の浄化部であって、紫外線を照射するための光源を含む構成を有する。光源52は、制御部6の汚染度推定部61a(後述)が、浴槽循環路16内の水に含まれる汚染物質(例えば有機物質)の濃度(以下、汚染度という)を推定する時に用いられる光を照射するものであって、紫外線照射式の浄化部51とは別に、浴槽循環路16を流れる加熱前の水に光を照射する。ここで、光源52が照射する光の種類としては、例えば紫外線や可視光線が挙げられる。受光センサ53は、加熱前の水の中を透過した光源52からの光を受光するためのものであって、浴槽循環路16を挟んで光源52と対向する位置に設けられている。受光センサ53により受光された光は、制御部6に取り込まれる。
【0078】
ここで、図5に示すように、浴槽循環路16のうち、浄化部51、光源52及び受光センサ53が配置される浴槽循環路16の部分16aは、浄化部51等が設置されていない部分16bとは別に、浄化部51や光源52により照射される光を透過可能な材質で形成されている。このような材質としては、例えばガラスやアクリル樹脂等が挙げられる。これにより、浄化部51から照射された紫外線や光源52から照射される光は、光を透過可能な材質で形成された部分16aを介して浴槽循環路16内を流れる水に入射される。従って、浄化部51から照射された紫外線は、浴槽循環路16内を流れる水を浄化することができる。また、光源52から照射された光は、浴槽循環路16の水を透過し、受光センサ53側の部分16aを介して受光センサ53により受光される。
【0079】
尚、本実施形態に係る浄化ユニット5とは、図4に示すように、浄化部51、光源52及び受光センサ53に、制御部6の一部分及びリモートコントローラ4の表示部42を加えたものをいう。
【0080】
〔制御部〕
制御部6は、図4に示すように、CPU61やメモリ62、リモートコントローラ4と通信を行うための通信インターフェース63で構成されるマイクロコンピュータであって、熱源ユニット2や貯湯タンクユニット3に分かれて設けられている。尚、メモリ62は、CPU61が読み出して実行するための各種制御プログラム等を記憶している他、サーミスタTh1~Th8や各種センサ等により検出された検出結果が一時的に格納される、いわゆるワークメモリとしても機能する。制御部6は、主として、第1及び第2混合弁103,106、圧縮機21、サーミスタTh1〜Th8、水流スイッチ19b、タンク循環ポンプ15,沸き上げポンプ94、各種水量センサSN1,SN2及び水位センサ19aと接続されており、サーミスタTh1〜Th8や各種センサSN1,SN2,19aから送られてくる検出結果やリモートコントローラ4から送られてくる制御信号に基づいて、接続された各種機器の制御を行う。また、制御部6は、例えば水位センサ19aにより検出された浴槽13中の水位や水の汚染度などの、給湯システム200の運転に関する各種情報をリモートコントローラ4の表示部42に表示させることができる。
【0081】
特に、本実施形態に係る制御部6は、浄化ユニット5の浄化部51、光源52及び受光センサ53や、浴槽循環ポンプ17とも接続されており、これらの機器の制御を行う。このような場合、制御部6は、汚染度推定部61a、浄化制御部61b、光源制御部61c、及びポンプ制御部61d(水量制御部に相当)として機能する。以下より、浄化ユニット5の制御を行う各機能について説明する。
【0082】
〔汚染度推定部〕
汚染度推定部61aは、受光センサ53が受光した光の強度に基づいて、浴槽13中の水の汚染度を推定する。汚染度推定部61aが水の汚染度を推定する方法としては、光の強度に基づいて検量線を引くことにより、汚染物質毎の濃度(即ち、汚染度)を推定する方法が挙げられる。尚、検量線は、光の強度と汚染物質の含有量との関係をグラフ化したものであって、汚染物質の種類等によりグラフは異なるものとなる。そこで、検量線を用いて水の汚染度を推定する場合、メモリ62には、制御プログラムの他、あらかじめ水に含まれると想定される汚染物質毎の検量線のデータや、汚染度推定部61aが実際に検量線を引く時に用いられる定数等が格納されている。そして、汚染度推定部61aは、メモリ62内の定数と受光センサ53が受光した各波長の光の強度から、汚染物質毎の濃度を推定する。
【0083】
〔浄化制御部〕
浄化制御部61bは、受光センサ53が受光した光の強度及び推定された水の汚染度の少なくとも1つに基づいて、浄化部51を制御する。具体的には、浄化制御部61bは、浄化部51の浄化動作の開始や終了を制御したり、浄化部51が照射する紫外線の強度を制御したりする。以下、浄化制御部61bが行う浄化部51の制御について具体的に説明する。
【0084】
先ず、浄化制御部61bが浄化動作の開始や停止(即ち、紫外線照射の開始や停止)を制御する場合について説明する。浄化制御部61bは、浴槽循環路16内に水が流れて水流スイッチ19bがオンとなった場合、浄化動作が開始されるように、浄化部51を制御する。
【0085】
浄化部51による浄化動作が開始された後、浄化制御部61bは、受光センサ53が受光した光の強度における単位時間あたりの変化率(即ち、透過光強度を時間で微分した値。以下より、“透過光強度の変化率”と言う)に基づいて、浄化部51の浄化動作を制御する。より具体的には、浄化制御部61bは、透過光強度の変化率と所定の変化率とを比較する。ここで、透過光の強度が、時間の経過と共に図6に示すように変化した場合を考える。一般的に、水の汚染度が高い程、受光センサ53が受光する透過光の強度は弱く、逆に水の汚染度が低い程、透過光の強度は高くなる。そのため、水中の汚染物質が浄化部51から照射される紫外線により分解され続けている間は、図6の期間Aのように、透過光の変化率は急激に変化する。そこで、浄化制御部61bは、図6の期間Aのように、透過光強度の変化率が所定の変化率よりも急である場合には、浄化動作が継続するように、浄化部51を制御する。また、図6の期間Bのように、透過光強度の変化率が所定の変化率よりも緩やかである場合には、浄化制御部61bは、これ以上紫外線が照射されても汚染物質が分解されにくい程に汚染度は低い状態であると判断し、浄化部51による浄化動作を停止させる。
【0086】
また、浄化制御部61bは、透過光強度の変化率が所定の変化率よりも緩やかになっていなくても、浴槽循環路16内の水の流れがなくなり、水流スイッチ19bがオフした場合には、浄化部51による浄化動作を停止させる。これにより、浄化部51により無駄に紫外線が照射されることを防ぐことができる。
【0087】
更に、浄化制御部61bは、汚染度推定部61aにより推定された水の汚染度に基づいて、浄化部51が照射する紫外線の強度を制御する。例えば、浄化制御部61bは、図7(a)に示すように、水の汚染度が高い程、浄化部51が照射する紫外線の強度を高め、逆に水の汚染度が低い程、浄化部51が照射する紫外線の強度を低くする。尚、図7(a)のグラフは、水中の汚染物質を分解可能な紫外線の強度を、水の汚染度毎に表したものであって、予めメモリ62に格納されている。この場合、浄化制御部61bは、推定された汚染度を図7(a)に当てはめることで、浄化部51が照射する紫外線の強度を決定することができる。
【0088】
〔光源制御部〕
光源制御部61cは、光源52のオン及びオフの制御と、受光センサ53のオン及びオフの制御とを行う。具体的には、浴槽循環路16内に水が流れて水流スイッチ19bがオンとなった場合、光源制御部61cは、光源52による光の照射を開始させると共に、受光センサ53による光の受光を開始させる。
【0089】
また、光源制御部61cは、浴槽循環路16内の水の流れがなくなり、水流スイッチ19bがオフした場合には、光源52による光の照射を停止させると共に、受光センサ53による光の受光を停止させる。これにより、浄化部51による紫外線の照射防止と同様、光源52により無駄に光が照射されることを防ぐことができる。また、受光センサ53も停止するため、消費されるエネルギーをより節減することができる。
【0090】
〔ポンプ制御部〕
ポンプ制御部61dは、浴槽循環ポンプ17の駆動制御や、浴槽循環ポンプ17の回転数制御を行う。例えば、ポンプ制御部61dは、以下の条件のいずれかが満たされた場合、浴槽循環ポンプ17の駆動を開始させる。
(I)リモートコントローラ4における追い炊き運転指示ボタンが押された場合。
(II)浴槽13内の水の温度が設定温度以下となった場合。
(III)浴槽13内に水が蓄えられてから一定時間が経過した場合。
(IV)リモートコントローラ4における浄化運転指示ボタンが押された場合。
上記条件(I),(II)は、追い炊き部11による追い炊き動作が開始される条件であって、上記条件(III),(IV)は、追い炊き動作の実行の有無に関係なく、浄化動作が開始される条件である。このように、上記条件のいずれかが満たされ、ポンプ制御部61dが浴槽循環ポンプ17の駆動を開始させると、浴槽循環路16には浴槽13からの水が流れて水流スイッチ19bがオンとなるため、浄化動作が行われるようになる。特に、上記条件(I),(II)が満たされた場合には、追い炊き動作と共に浄化動作が行われる。
【0091】
また、ポンプ制御部61dは、汚染度推定部61aにより推定された水の汚染度に基づいて、浴槽循環ポンプ17の回転数を制御する。例えば、ポンプ制御部61dは、図7(b)に示すように、水の汚染度が高い程、浴槽循環ポンプ17の回転数が小さくなるように浴槽循環ポンプ17を制御し、逆に水の汚染度が低い程、浴槽循環ポンプ17の回転数が高くなるように浴槽循環ポンプ17を制御する。すると、浴槽循環ポンプ17の回転数が小さくなる程浴槽循環路16を流れる水の量は少なくなり、逆に浴槽循環ポンプ17の回転数が大きくなる程浴槽循環路16を流れる水の量は多くなる。このように、ポンプ制御部61dは、推定された水の汚染度に基づいて浴槽循環ポンプ17の回転数制御を行うことで、浴槽循環路16を流れる水の量を制御することができる。そのため、浄化部51による水の浄化動作は、より確実に行われるようになる。
【0092】
尚、図7(b)のグラフは、浴槽循環ポンプ17の回転数を、水の汚染度毎に表したものであって、図7(a)と同様、予めメモリ62に格納されている。この場合、ポンプ制御部61dは、推定された水の汚染度を図7(b)に当てはめることで、浴槽循環ポンプ17の回転数を決定することができる。
【0093】
(2)動作
次に、給湯システム200、特に、本実施形態の一特徴である浄化ユニット5の動作について、図8を用いて説明する。
【0094】
ステップS1:給湯システム200の利用者によりリモートコントローラ4を介して浴槽13への水の供給が指示されると、加熱給湯部1は、設定された温度の水を浴槽13に供給する。水位センサ19aは、浴槽13に蓄えられた水の水位を検出する。そして、浴槽13に蓄えられた水の水位が設定された水位となると、加熱給湯部1は、浴槽13への水の供給を停止する。
【0095】
ステップS2〜4:浴槽13に水が蓄えられている状態で、リモートコントローラ4における追い炊き運転指示ボタンが押された場合や(S2)、浴槽13中の水の温度が設定温度以下となった場合には(S3)、加熱給湯部1は、追い炊き運転を行う(S4)。この時、制御部6は、浴槽13中の水が浴槽循環路16中を流れ、追い炊き熱交換部18で熱交換されてから浴槽13に戻されるように、浴槽循環ポンプ17及び追い炊き熱交換部18等を駆動させる。
【0096】
ステップS5〜7:ステップS1において浴槽13に水を蓄える動作が完了してから一定時間が経過した場合や(S5)、リモートコントローラ4における浄化運転指示ボタンが押された場合には(S6)、浄化ユニット5は、水の浄化運転を行う(S7)。この時、制御部6におけるポンプ制御部61d、浴槽13中の水が浴槽循環路16中を流れ、浴槽13に戻されるように、浴槽循環ポンプ17を駆動させる。尚、この場合は、加熱給湯部1による追い炊き運転は行われず、水の浄化運転のみが行われても良い。
【0097】
ステップS8〜9:水流スイッチ19bが、浴槽循環路16中を流れる水を検知してオンになると(S8)、制御部6の光源制御部61cは、光源52及び受光センサ53をオンさせ、浄化制御部61bは、浄化部51が浄化動作を開始するように、浄化部51を制御する(S9)。これにより、光源52から照射された光は、浴槽循環路16を流れる加熱前の水を透過し、受光センサ53により受光される。また、浄化部51は、浴槽循環路16中を流れる加熱前の水に紫外線を照射する。
【0098】
ステップS10:汚染度推定部61aは、受光センサ53が受光した透過光の強度に基づいて汚染度を推定し、これをメモリ62に一時的に記憶させる。ここで、汚染度推定部61aにより推定された汚染度と、リモートコントローラ4の表示部42に現在表示されている汚染度42bとが異なる場合には、新たに推定された汚染度は、通信インターフェース63を介してリモートコントローラ4に送られ、表示部42に表示される。
【0099】
ステップS11:ポンプ制御部61dは、ステップS10で推定された汚染度に基づいて浴槽循環ポンプ17の回転数を制御する。浄化制御部61bは、推定された汚染度に基づいて浄化部51が照射する紫外線の強度を制御する。これにより、浄化部51からは、汚染度に応じた強度を有する紫外線が照射され、水中の汚染物質は分解される。このようにして浄化された水は、追い炊き熱交換器18で加熱された後、浴槽吐出口13bを介して浴槽13に供給される。
【0100】
ステップS12〜14:受光センサ53が受光した透過光強度の変化率が所定の変化率以下である場合(S12のYES)、または水流スイッチ19bがオフとなった場合(S13のYES)のいずれか一方を満たすには、浄化制御部61bは、浄化部51による浄化動作を終了させ、光源制御部61cは、光源52の光照射及び受光センサ53の受光動作をオフさせる(S14)。尚、透過光強度の変化率が所定の変化率よりも大きい場合(S12のNo)、及び水流スイッチ19bがオンのままである場合(S13のNo)の両方を満たす場合には、ステップS10以降の動作が繰り返される。
【0101】
ステップS15:浴槽13が、水を蓄えた状態である場合(S15のNo)には、ステップS2以降の動作が繰り返される。浴槽13中の水が排出され、浴槽13が水を蓄えた状態でない場合には(S15のYES)、給湯システム200(特に浄化ユニット5)は、一連の動作を終了する。
【0102】
(3)効果
(A)
浄化ユニット5は、受光センサ53が受光した透過光の強度に基づいて、浄化部51による浄化運転の開始及び終了や、浄化の度合い等を制御する。これにより、浄化対象となる水の浄化度を適切に保つことができる。
【0103】
(B)
特に、浄化ユニット5の制御部6における浄化制御部61bは、受光センサ53が受光した透過光強度の変化率が所定の変化率のよりも急である時には、水の汚染度が変化可能な状態にあると判断し、浄化部51による紫外線の照射を継続させる。また、透過光強度の変化率が所定の変化率よりも緩やかである時には、浄化制御部61bは、水の汚染度が比較的変化しない程度にまで至ったと判断し、浄化部51による紫外線の照射を停止させる。これにより、水の汚染度は、適切な値に減少される。
【0104】
(C)
また、浄化ユニット5の浄化部51は、水に紫外線を照射することにより、水を浄化する。これにより、水中の汚染物質を分解することができる。
【0105】
(D)
また、浄化制御部61bは、水の汚染度が高い程紫外線の強度を強めるように、浄化部51が照射する紫外線の強度を制御する。これにより、水中の汚染物質を適切に分解することができる。
【0106】
(E)
また、浄化制御部61bは、浴槽循環路16内を流れる水の量が所定量以下である場合(具体的には、浴槽循環路16内を水が流れていない場合)、浄化部51による紫外線の照射を停止させる。これにより、浄化部51が紫外線を照射する際に消費されるエネルギーを節減することができると共に、紫外線により浴槽循環路16の配管が劣化することを防止することができる。
【0107】
(F)
また、本実施形態に係る浄化部51は、図1に示すように、追い炊きされる前の水に紫外線を照射できる位置に配置されている。そのため、浄化部51は、追い炊きされた後の水に紫外線を照射する位置に配置されるよりも、水の温度による影響を受けずに済む。従って、紫外線照射式の浄化部51が追い炊きされた後の水に紫外線を照射する位置に配置されている場合よりも、浄化部51の寿命を長くすることができる。
【0108】
(G)
また、ポンプ制御部61dは、水の汚染度が高い程、浴槽循環路16を流れる水の量が少なくなり、また水の汚染度が低い程、浴槽循環路16を流れる水の量が多くなるように、浴槽循環ポンプ17の回転数を制御する。これにより、浴槽13には、確実に浄化された水が供給されるようになる。
【0109】
(H)
また、リモートコントローラ4の表示部42には、汚染度推定部61aが推定した水の汚染度が表示されるため、利用者は、水の汚染度を知ることができる。
【0110】
(I)
また、光源制御部61cは、浴槽循環路16内を流れる水の量が所定量以下である時に(具体的には、浴槽循環路16内を水が流れていない場合)、光源52による光の照射を停止させる。これにより、光源52が光を照射する際に消費されるエネルギーを節減することができる。
【0111】
(J)
更に、光源制御部61cは、浴槽循環路16内を流れる水の量が所定量以下である時に(具体的には、浴槽循環路16内を水が流れていない場合)、受光センサ53の受光動作を更にオフさせる。これにより、光源52による光の照射のみを停止させる場合よりも、消費されるエネルギーをより節減することができる。また、浴槽循環路16内を流れる水の量が適切でないと、光の反射、屈折、散乱等の影響により、受光センサ53は光を正確には受光できなくなる。しかし、本実施形態に係る浄化ユニット5の受光センサ53は、浴槽循環路16内を流れる水の量が所定量以下である時は停止し、浴槽循環路16内を流れる水の量が所定量よりも多い時にのみ受光を行う。これにより、受光センサ53は、安定した強度を有する光を受光することができる。
【0112】
(K)
また、図1に示すように、光源52は、追い炊きされる前の水に光を照射する位置に配置され、受光センサ53は、追い炊きされる前の水を透過した光を受光する位置に配置されている。そのため、光源52及び受光センサ53は、追い炊きされた後の水に光を照射及び受光する位置に配置されるよりも、水の温度による影響を受けずに済む。従って、光源52及び受光センサ53を追い炊きされた後の水に光を照射及び受光する位置にそれぞれ配置する場合よりも、光源52及び受光センサ53の寿命を長くすることができる。
【0113】
(L)
更に、本実施形態のように、浄化ユニット5が給湯システム200に採用されることで、給湯システム200は、浄化度が最適に保たれた水を浴槽13に供給することができる。
【0114】
(M)
特に、浄化ユニット5が、給湯システム200のうち加熱給湯部1の追い炊き部11に設けられることにより、浴槽13中に蓄えられている水は、追い炊きされる場合、暖められると共に浄化されて浴槽に戻される。従って、追い炊きを行った場合、浴槽13中の水は、最適な浄化度に保たれる。
【0115】
<その他の実施形態>
(a)
上記実施形態では、光源52が紫外線または可視光線のいずれかを照射する場合について説明したが、光源52が照射する光は、互いに異なる波長領域を有する光を複数含んでいてもよい。例えば、光源52が照射する光には、紫外線及び可視光線の両方が含まれている場合が挙げられる。この場合の浄化ユニット5’は、図9に示すように、1つの浄化部51、2つの光源52a,52b、及び2つの受光センサ53a,53bで構成され、これらは浴槽循環路16に配置される。
【0116】
具体的に、浄化部51は、上記実施形態と同様、浴槽循環路16を流れる水に紫外線を照射する。2つの光源52a,52bのうち、光源52aは、浴槽循環路16を流れる水に紫外線を照射し、光源52bは、可視光線を照射する。そして、2つの受光センサ53a,53bのうち、受光センサ53aは、光源52aから照射され水を透過した紫外線を受光し、受光センサ53bは、光源52bから照射され水を透過した可視光線を受光する。
【0117】
このような構成を有する浄化ユニット5’によると、浴槽循環路16を流れる水の中に汚染物質と汚染物質以外の物質(例えば、泡や浮遊物)とが含まれている場合、光源52aから照射される紫外線は、汚染物質及び汚染物質以外の物質の両方により吸収され易い。しかし、光源52bから照射される可視光線は、汚染物質以外の物質においては吸収されても、汚染物質においては透過される。
【0118】
そこで、汚染度推定部61aは、受光センサ53aが受光した紫外線の強度と受光センサ53bが受光した可視光線の強度との差から、汚染物質により吸収された紫外線の強度を算出し、汚染度の推定を行う。これにより、濃度の測定対象となる水の中に、汚染物質以外の要素が含まれていても、水の汚染度は、この影響を受けることなく推定される。
【0119】
また、互いに異なる波長領域を有する光が各光源から照射される場合、照射される光は、紫外線及び可視光線の組み合わせ以外であってもよい。例えば、水中に泡や浮遊物以外に入浴剤が含まれている場合には、可視光線の代わりに、入浴剤の影響を受けることなく汚染度が推定可能な光を用いることができる。
【0120】
(b)
ところで、光源52が照射する光の強度及び波長は、浴槽循環路16を流れる水の温度の影響により、ドリフトしてしまう場合がある。光の強度及び波長のドリフト量が多い程、浄化部51は適切に制御されなくなってしまう。
【0121】
そこで、このような場合には、浄化ユニットは、浴槽循環路16を流れる水の温度に基づいて、光の強度や推定された水の汚染度を補正するとよい。この場合の浄化ユニットの模式図を、図10に示す。図10の浄化ユニット5’’は、上記実施形態に係る図1の浄化ユニット1に加え、温度補正部61eとサーミスタTh8とを更に備える。ここで、図10における温度補正部61e以外のその他の各機能部は、図1における浄化ユニット1の各機能部と同様であるため、同一の符号を付している。同一の符号を付した各機能部については、説明を省略する。尚、サーミスタTh8は、上記実施形態と同様、浴槽循環路16に配置され、浴槽循環路16内を流れる水の温度を検知する。
【0122】
温度補正部61eは、光が照射する光の強度及び水の汚染度の少なくとも1つを、サーミスタTh8により検知された水の温度に基づいて補正する。より具体的には、温度補正部61eは、サーミスタTh8の温度毎に、受光センサ53が受光した光の強度のドリフト幅を予め測定しておき、これをメモリ62に記憶しておく。そして、温度補正部61eは、メモリ62に記憶されたドリフト幅を用いて、光の強度を補正する。尚、この場合、汚染度推定部61aは、補正された光の強度を用いて水の汚染度を推定する。また、推定された水の汚染度を補正する場合も、光の強度の場合と同様である。即ち、温度補正部61eは、補正がなされていない光の強度を用いて推定された水の汚染度のドリフト幅を、サーミスタTh8の温度毎に予め測定してメモリ62に記憶しておき、これを用いて推定された水の汚染度を補正する。
【0123】
そして、浄化制御部61bは、温度補正部61eにより補正された光の強度及び水の汚染度の少なくとも1つに基づいて、浄化部51を制御する。尚、浄化部51の制御の具体的な内容については、上記実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0124】
このような方法により、浄化ユニット5’’は、ドリフトした光の強度及び波長の影響を受けることなく、浄化部51を適切に制御することができる。
【0125】
(c)
上記実施形態では、図1に示すように、浄化ユニット5の浄化部51が、光源52及び受光センサ53よりも追い炊き熱交換部18側に位置している場合について説明したが、浄化部51の位置は、これに限定されない。例えば、浄化部51は、光源52及び受光センサ53よりも浴槽回収口13a側に位置していてもよい。また、浄化部51は、追い炊き熱交換部18により加熱された後の水を浄化可能なように、浴槽循環路16のうち、水の流れる方向が追い炊き熱交換部18よりも下流側となる位置に配置されてもよい。
【0126】
また、光源52及び受光センサ53についても、光源52から照射される光を受光センサ53が受光可能なように配置されていればよいため、図1の配置に限定されない。例えば、光源52は、図1の受光センサ53の位置に配置され、受光センサ53は、図1の光源52の位置に配置されてもよい。
【0127】
(d)
上記実施形態では、浄化ユニット5の浄化部51、光源52及び受光センサ53が、追い炊き部11の浴槽循環路16に設けられている場合について説明したが、これに限定されない。浄化部51、光源52及び受光センサ53は、例えば給湯部10の水栓給湯路104や浴槽給湯路105に設けられても良い。この場合、浄化ユニットは、水源からの水や、熱源ユニット2により加熱された後の水を浄化する。
【0128】
(e)
上記実施形態では、浄化制御部61bが、受光センサ53が受光した透過光の強度から浄化部51の浄化動作の終了を直接制御する場合について説明したが、これに限定されない。浄化制御部61bは、浄化動作を終了させるか否かを透過光の強度から直接制御するのではなく、汚染度推定部61aにより推定された汚染度に基づいて、浄化部51の浄化動作の終了を制御してもよい。この場合の一例としては、例えば以下の方法が挙げられる。
【0129】
浄化制御部61bは、推定された汚染度と所定の値とを比較する。そして、推定された汚染度が所定値以上である場合には、浄化制御部61bは、浄化動作が行われるように浄化部51を制御する。また、推定された汚染度が所定値未満である場合には、浄化制御部61bは、浄化動作が停止されるように浄化部51を制御する。
【0130】
(f)
浄化対象となる水の中に、泡や浮遊物等があると、一時的に受光センサ53が受光する透過光の強度が低下する恐れがある。そのため、浄化制御部61bは、透過光強度の変化率に基づいて浄化動作の制御を行う場合には、透過光の強度について積算処理を行ったり、透過光強度の変化率を算出する時の単位時間を適宜変更させたりして、透過光強度を算出するとよい。これにより、浄化制御部61bは、透過光強度の変化率を、より安定して求めることができるため、浄化部51の制御をより確実に行うことができる。
【0131】
(g)
上記実施形態では、水の汚染度がリモートコントローラ4の表示部42に表示される場合について説明したが、水の汚染度が報知される方法はこれに限定されない。例えば、水の汚染度は、音声や、音声及び表示の組み合わせ等により、給湯システム200を利用する利用者に報知されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、浄化対象となる水の浄化度を適切に保つ効果を有し、浄化ユニット及びこれを備える給湯システムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本実施形態に係る給湯システムの構成を示す図。
【図2】熱源ユニットの構成を示す図。
【図3】リモートコントローラの外観図。
【図4】給湯システムの制御部分の構成を模式的に示すブロック図。
【図5】浄化ユニットの浄化部、光源及び受光センサが設けられた浴槽循環路の断面図。
【図6】経時的に変化する透過光強度を示す図。
【図7】(a)水の汚染度と浄化部が照射する紫外線の強度との関係を示すグラフ。 (b)水の汚染度と浴槽循環ポンプの回転数との関係を示すグラフ。
【図8】本実施形態に係る浄化ユニットの動作の流れを示すフロー図。
【図9】その他の実施形態(a)に係る浄化ユニットの浄化部、光源及び受光センサが設けられた浴槽循環路の断面図。
【図10】その他の実施形態(b)に係る浄化ユニットが採用された給湯システムの制御部分の構成を模式的に示すブロック図。
【符号の説明】
【0134】
1 加熱給湯部
2 ヒートポンプユニット
4 リモートコントローラ
42 表示部
5、5’、5’’ 浄化ユニット
6 制御部
61 CPU
61a 汚染度推定部
61b 浄化制御部
61c 光源制御部
61d ポンプ制御部
61e 温度補正部
62 メモリ
10 給湯部
11 追い炊き部
12 水栓
13 浴槽
16 浴槽循環路
17 浴槽循環ポンプ
18 追い炊き熱交換部
19b 水流スイッチ
51 浄化部
52、52a、52b 光源
53、53a、53b 受光センサ
200 給湯システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱する給湯システム(200)において、加熱前あるいは加熱後の前記水を浄化する浄化ユニット(5)であって、
前記水を浄化する浄化部(51)と、
前記水に光を照射する光照射部(52)と、
前記水を透過した前記光照射部(52)からの光を受光する受光部(53)と、
前記受光部(53)が受光した光の強度に基づいて、前記水の汚染度を推定する汚染度推定部(61a)と、
前記受光部(53)が受光した光の強度及び推定された前記水の汚染度の少なくとも1つに基づいて、前記浄化部を制御する浄化制御部(61b)と、
を備える浄化ユニット(5)。
【請求項2】
前記浄化制御部(61b)は、前記受光部(53)が受光した光の強度における単位時間あたりの変化率または推定された前記水の汚染度のいずれか1つに基づいて、前記浄化部(51)の浄化動作を制御する、
請求項1に記載の浄化ユニット(5)。
【請求項3】
前記浄化部(51)は、前記水に紫外線を照射することにより、前記水を浄化する、
請求項1または2に記載の浄化ユニット(5)。
【請求項4】
前記浄化制御部(61b)は、推定された前記水の汚染度に基づいて、前記浄化部(51)が照射する前記紫外線の強度を制御する、
請求項3に記載の浄化ユニット(5)。
【請求項5】
前記浄化部(51)は、内部に前記水が流れる第1配管(16)に設置され、
前記浄化制御部(61b)は、前記第1配管(16)を流れる水の量が第1所定量以下である場合、前記浄化部(51)による前記紫外線の照射を停止させる、
請求項3または4に記載の浄化ユニット(5)。
【請求項6】
前記浄化部(51)は、加熱される前の前記水に前記紫外線を照射できる位置に配置されている、
請求項3〜5のいずれかに記載の浄化ユニット(5)。
【請求項7】
前記浄化部(51)、前記光照射部(52)及び前記受光部(53)は、前記水を浴槽に供給するための第2配管(16)に設置され、
推定された前記水の汚染度に基づいて、前記第2配管(16)内を流れる前記水の量を制御する水量制御部(61d)を更に備える、
請求項1〜6のいずれかに記載の浄化ユニット(5)。
【請求項8】
前記汚染度推定部(61a)が推定した前記水の汚染度を報知する報知部(42)を更に備える、
請求項1〜7のいずれかに記載の浄化ユニット(5)。
【請求項9】
前記光照射部(52)は、内部に前記水が流れる第3配管(16)に設置され、
前記第3配管(16)を流れる水の量が第2所定量以下である場合、前記光照射部(52)による前記光の照射を停止させる光源制御部(61c)を更に備える、
請求項1〜8のいずれかに記載の浄化ユニット(5)。
【請求項10】
前記光源制御部(61c)は、前記第3配管(16)を流れる水の量が前記第2所定量以下である場合、前記受光部(53)を更に停止させる、
請求項9に記載の浄化ユニット(5)。
【請求項11】
前記光照射部(52a,52b)が照射する光には、互いに異なる波長領域を有する光が複数含まれている、
請求項1〜10のいずれかに記載の浄化ユニット(5’)。
【請求項12】
前記光照射部(52a,52b)が照射する光には、少なくとも紫外線及び可視光線が含まれている、
請求項11に記載の浄化ユニット(5’)。
【請求項13】
前記光照射部(52)及び前記受光部(53)は、加熱される前の前記水に光を照射できる位置及び加熱される前の前記水を透過した光を受光できる位置に、それぞれ配置されている、
請求項1〜12のいずれかに記載の浄化ユニット(5)。
【請求項14】
前記浄化部(51)、前記光照射部(52)及び前記受光部(53)は、内部に前記水が流れる第4配管(16)に設置され、
前記第4配管(16)に配置されており、前記第4配管(16)を流れる前記水の温度を検知する温度検知部(Th8)と、
前記受光部(53)が受光した前記光の強度及び推定された前記水の汚染度の少なくとも1つを、前記温度検知部(Th8)により検知された前記水の温度に基づいて補正する温度補正部(61e)と、
を更に備え、
前記浄化制御部(61b)は、前記温度補正部(61e)により補正された前記光の強度及び前記水の汚染度の少なくとも1つに基づいて、前記浄化部(51)を制御する、
請求項1〜13のいずれかに記載の浄化ユニット(5’’)。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の浄化ユニット(5)と、
前記浄化ユニットにより浄化される前記水を加熱可能な加熱部(18)と、
前記加熱部(18)により加熱されると共に前記浄化ユニット(5)により浄化された前記水を給湯口(13b)に供給する給湯部(11)と、
を備える給湯システム(200)。
【請求項16】
前記加熱部(18)は、浴槽(13)中の前記水と熱交換を行うことで前記浴槽(13)中の前記水を加熱可能な熱交換器であって、
前記給湯部(11)は、浴槽(13)中の前記水が前記加熱部(18)により加熱され、前記給湯口(13b)を介して前記浴槽(13)に戻されるように設けられた第5配管(16)を有し、
前記浄化ユニット(5)は、前記第5配管(16)に設置されている、
請求項15に記載の給湯システム(200)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−302289(P2008−302289A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151068(P2007−151068)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】