説明

浄水器

【課題】有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材を効果的に洗浄することが可能な浄水器を提供する。
【解決手段】浄水器100は、ハウジング10と濾材20とオゾン微細気泡発生機30と導入部40と導出部50とを備えている。ハウジング10は、筒形状を有し、内面13を有している。濾材20と内面13との間には、所定の距離の間隙が開けられている。導入部40からハウジング10に導入されるオゾンを有した微細気泡を含む液体は、内面13に沿う周方向にハウジング10に流入し、且つ、間隙を旋回するようにハウジング10の内部を流れる。ハウジング10の内部を流れる液体は、内面13に沿う周方向に導出部50に流出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浄水器のうちの特に濾材の洗浄機能を有する浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2005−74058号公報(以下、特許文献1という)に記載されているように、濾材を収容したハウジングの内部に旋回流を発生させ、この旋回流によって濾材に付着または堆積した汚濁物質を濾材から剥離させ、これにより、濾材を効果的に洗浄する浴槽水浄化装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−74058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る浴槽水浄化装置では、濾材の表面を旋回する水の流れが濾材を単に流通し、これによって濾材が洗浄されている。そのため、特許文献1に係る浴槽水浄化装置は、水の流れだけでは濾材から除去することができないような、有機物または細菌等の粘着性の物質に対しては、濾材を効果的に洗浄することができない。
【0005】
そこで、この発明の目的は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材を効果的に洗浄することが可能な浄水器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従った浄水器は、ハウジングと濾材とオゾン微細気泡発生機と導入部と導出部とを備えている。ハウジングは筒形状を有している。濾材は、ハウジングの内部に配置され、ハウジングの内部を通過する液体を浄化する。オゾン微細気泡発生機は、液体を流通させ、オゾンを有した微細気泡を液体に発生させる。導入部は、ハウジングとオゾン微細気泡発生機とに接続され、オゾン微細気泡発生機にて発生したオゾンを有した微細気泡を含む液体をハウジングに導入させる。導出部は、ハウジングに接続され、ハウジングに導入されたオゾンを有した微細気泡を含む液体をハウジングから導出させる。また、ハウジングは、内面と中心軸とを有している。内面は、ハウジングの断面において略円形状を有し液体に接する。中心軸は、上下方向に延び且つ内面の中心を通る。濾材は、断面と中心軸とを有している。濾材の断面は、ハウジングの中心軸に垂直な方向に関してハウジングの内面の径よりも小さい径を有し、略円形状である。濾材の中心軸は、上下方向に延び且つ濾材の各断面の中心を通る。さらに、濾材の中心軸が延びる方向はハウジングの中心軸が延びる方向と略一致している。また、濾材と内面との間には、所定の距離の間隙が開けられている。ハウジングの上下方向に関して、導入部はハウジングの下部に配置され、且つ、導出部はハウジングの上部に配置されている。導入部からハウジングに導入されるオゾンを有した微細気泡を含む液体は、内面に沿う周方向にハウジングに流入し、且つ、間隙を旋回するようにハウジングの内部を流れる。一方、ハウジングの内部を流れるオゾンを有した微細気泡を含む液体は、内面に沿う周方向に導出部に流出する。
【0007】
この発明によれば、ハウジングの内部において、オゾンを有した微細気泡を含む液体が、ハウジングの中心軸の周りを旋回するように流れる。これにより、ハウジングの内部を流れる液体に遠心力が発生する。そのため、ハウジングの内部を流れる液体の流れはハウジングの内面を押すように作用することにより、オゾンを有した微細気泡がハウジングの中心軸に向かって集まる。ハウジングの内面と濾材との間には、ハウジングの中心軸に垂直な方向(つまり内面の半径方向)に所定の距離の間隙が開いているため、オゾンまたはオゾンを有した微細気泡が濾材に触れやすい。オゾンは、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して効果的に作用するため、濾材に付着または堆積したこのような汚濁物質を除去することができる。
【0008】
また、濾材に付着または堆積した物質は、ハウジングの内面の中心の周りを旋回するようにハウジングの内部を流れる液体により、濾材から容易に剥離する。したがって、この発明に従った浄水器は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材を効果的に洗浄することができる。
【0009】
この発明に従った浄水器では、ハウジングは、内面から導入部に向かって開口した流入口と、内面から導出部に向かって開口した流出口とを有していることが好ましい。ハウジングの所定の断面において、導入部からハウジングに流入する液体の流れ方向に関して、内面は、流入口において最も上流側に位置する最上流点と、流入口において最も下流側に位置する最下流点とを有していることが好ましい。流入口は、ハウジングの所定の断面において、最上流点と最下流点との間で開口していることが好ましい。また、ハウジングの所定の断面において、ハウジングから導出部に流出する液体の流れ方向に関して、内面は、流出口において最も上流側に位置する最上流点と、流出口において最も下流側に位置する最下流点とを有していることが好ましい。流出口は、ハウジングの所定の断面において、最上流点と最下流点との間で開口していることが好ましい。
【0010】
導入部は、オゾンを有した微細気泡を含む液体が流入口の最下流点の接線が延びる方向と略平行に流入口からハウジングの内部に流入するように、ハウジングに接続されていることが好ましい。導出部は、オゾンを有した微細気泡を含む液体が流出口の最上流点の接線が延びる方向と略平行にハウジングの内部から流出口に流出するように、ハウジングに接続されていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、流入口において最下流点の接線方向に導入部からハウジングの内部にオゾンを有した微細気泡を含む液体が流入し、流出口において最上流点の接線方向に導出部からハウジングの外部にオゾンを有した微細気泡を含む液体が流出する。流入口から流出口までの液体の流れにより、ハウジングの内部において効果的に旋回流が発生する。このように、この構成に係る浄水器は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材を効果的に洗浄することができる。
【0012】
この発明に従った浄水器では、ハウジングの中心軸は、鉛直方向に延びていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、ハウジングの上下方向に関して、導入部がハウジングの下部に配置され、且つ、導出部がハウジングの上部に配置されている。さらに、ハウジングの中心軸が鉛直方向に延びていることにより、ハウジングの内部にて下方から上方に向かって円滑に旋回流が流れる。したがって、この構成に係る浄水器は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材を効果的に洗浄することができる。
【0014】
この発明に従った浄水器では、濾材を洗浄する際は、オゾン微細気泡発生機にて発生したオゾンを有した微細気泡を含む液体が導入部からハウジングに導入される前に、ハウジングに溜められた液体を排出するように構成されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、オゾンを有した微細気泡を含む液体が導入部からハウジングに導入されるときには、ハウジングの内部に液体が溜められておらず、ハウジングが空の状態である。そのため、オゾンを有した微細気泡を含む液体が導入部からハウジングに導入されるときには、オゾンを有した微細気泡を含む液体により、ハウジングの内部にてより効果的に旋回流が発生する。特に、ハウジングの内部にて旋回流が下方から上方に向かって流れる場合には、ハウジングの内部にてさらに効果的に旋回流が発生する。したがって、この構成に係る浄水器は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材を効果的に洗浄することができる。
【0016】
この発明に従った浄水器では、オゾン微細気泡発生機は、負圧部を有していることが好ましい。負圧部は、液体を流通させ、負圧の状態になることによって気体を吸入し且つ吸入した気体を液体に混合させることによって液体に微細気泡を発生させる。また、この発明に従った浄水器では、流出口の開口度が流入口の開口度よりも大きいことが好ましい。
【0017】
流出口の開口度を流入口の開口度よりも大きくすることにより、ハウジングの内部を流れる液体の圧力損失を低下させることができる。ハウジングの内部に流入した液体の圧力損失が低下する場合は、オゾン微細気泡発生機の負圧部は、気体を吸入するために十分な負圧の状態まで変化することができる。その結果、オゾン微細気泡発生機においてオゾンを含んだ微細気泡を効率的に発生させることができる。したがって、オゾン微細気泡発生機は、オゾンを含んだ微細気泡を効率的に発生させることができる。
【0018】
オゾン微細気泡発生機が効率的に気泡を発生させる場合には、オゾンを有した多量の微細気泡を含む液体がハウジングの内部に流入する。そのため、ハウジングの内部に配置された濾材に多量の微細気泡を効果的に触れさせることができる。多量の微細気泡が濾材に効果的に触れることにより、濾材に付着または堆積した物質が濾材から容易に剥離する。このように、この構成に係る浄水器は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材を効果的に洗浄することができる。
【0019】
この発明に従った浄水器は、開放部をさらに備えていることが好ましい。開放部は、流入口から流出口に向かう液体の流れ方向に関して流出口よりも下流側に配置され、大気圧に開放されている。
【0020】
この構成によれば、流出口よりも下流側に配置された開放部が大気圧に開放されていることにより、ハウジングの内部の圧力が高くなることが防止されている。これにより、ハウジングの内部での液体の圧力損失がより効果的に低下する。そのため、オゾン微細気泡発生機は、オゾンを含んだ微細気泡をより効率的に発生させることができる。したがって、この構成に係る浄水器は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材を効果的に洗浄することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、この発明によれば、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材を効果的に洗浄することが可能な浄水器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明に係る浄水器の一部を断面で示した全体模式図である。
【図2】この発明に係る浄水器のオゾン微細気泡発生機の模式図である。
【図3】この発明に係る浄水器のハウジングの断面を示した図1のIII−III線の断面図である。
【図4】この発明に係る浄水器のハウジングの断面を示した図1のIV−IV線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1に示すように、浄水器100は、ハウジング10と濾材20とオゾン微細気泡発生機30と導入部40とを備えている。ハウジング10には、液体としての水が溜められる。ハウジング10は略円筒形状を有している。また、ハウジング10は、水に接する部分である内面13を有している。内面13は、円筒が延びる方向に延びている。円筒が延びる方向は、図1の上下方向であり、内面13およびハウジング10は図1の上下方向に延びている。ただし、ハウジング10の形状は特に限定されず、ハウジング10を水平方向(図1の左右方向)で切った各断面において、内面13が略円形状であればよい。
【0025】
オゾン微細気泡発生機30は、水を流通させ、オゾンを有した微細気泡を水に発生させる。図2に示すように、オゾン微細気泡発生機30は、オゾン発生装置31と微細気泡発生装置32とを有している。オゾン発生装置31は、オゾンを含んだ気体を発生させる。微細気泡発生装置32は、オゾン発生装置31にて発生したオゾンを含む気体を吸入して、微細気泡を発生させる。オゾン発生装置31は、気体流入口36を介して微細気泡発生装置32と接続している。
【0026】
オゾン微細気泡発生機30は、負圧部35を有している。負圧部35は、微細気泡発生装置32に設けられている。微細気泡発生装置32は、微細気泡発生装置32の内部に水を流入させる流入口33と、微細気泡発生装置32の外部に水を流出させる流出口34と、流入口33と流出口34との間に配置され、オゾンを含む気体を流入させる気体流入口36とを有している。なお、微細気泡発生装置32は、いわゆるエジェクタ式のものである。
【0027】
負圧部35では、内部の口径が他の部分よりも絞られている。負圧部35では、負圧部35の前後の流速または圧力の急激な変動により、負圧が発生する。微細気泡発生装置32は、負圧部35において、オゾンを含む気体を吸引する。つまり、負圧部35は、負圧の状態になることによってオゾンを含む気体を吸入し且つ吸入した気体を水に混合させることによって水に微細気泡を発生させる。これにより、流入口33を介して流路45から微細気泡発生装置32に流入した水に、オゾンを含んだ微細気泡が溶解する。
【0028】
図1に示すように、流路45には、ポンプ2が配置されている。ポンプ2は、オゾン微細気泡発生機30と導入部40とを流れる水の流れ方向に関して、オゾン微細気泡発生機30よりも上流側に配置されている。ポンプ2が作動することにより、オゾン微細気泡発生機30に水が強制的に送水される。
【0029】
導入部40は、ハウジング10とオゾン微細気泡発生機30とに接続されている。導入部40は、オゾン微細気泡発生機30にて発生したオゾンを有した微細気泡を含む水をハウジング10に導入させる。導入部40は、管状部材によって形成されており、オゾンを有した微細気泡を含む水が管状部材の内部を通過する。
【0030】
濾材20は、ハウジング10に溜められる液体としての水を浄化する。濾材20は、ハウジング10に収容されている。ハウジング10の内部には、一次側空間11が形成されている。一次側空間11は、ハウジング10の内部のうち、水が濾材20を通過する前の空間である。これに対し、ハウジング10の内部のうち、水が濾材20を通過した後の空間は、二次側空間12である。
【0031】
浄水器100は、導入部40から一次側空間11に供給される水の全量を濾材20に通過させるように、導入部40から流入口41を介して一次側空間11に流入した水を浄化する。浄水器100では、濾材20として、中空糸膜が利用されている。ただし、濾材20は、中空糸膜に限定されず、例えば平膜のプリーツ形状のものや、不織布のロール形状のもの等、他のタイプの濾材であってもよい。
【0032】
濾材20は、固定部21と濾過部22とを有している。固定部21とは、ハウジング10に対して濾材20が固定される部分のことをいう。固定部21は、環状の固定部材23を介してハウジング10に固定されている。濾材20が他の形態のタイプである場合でも、濾材20は固定部21と濾過部22とを有している。
【0033】
濾材20のうちの一次側空間11に面した部分である濾過部22は、一次側空間11に露出している。濾過部22は、中空糸膜の中空糸の部分である。浄水器100では、浄水が生成される際は、導入部40から一次側空間11に供給された水が、上下方向に関する下方から上方に向かって濾材20を通過する。この際、濾材20に付着または堆積する不純物の多くは、濾材20のうちの濾過部22に付着または堆積する。濾材20を通過することによって浄化された水は、吐出口14を介して導出部15に流通される。濾材20によって濾過された浄水は、導出部15を通過して浄水器100の外部に供給される。
【0034】
なお、導入部40から導出部15へ向かって流れる水には、オゾン微細気泡発生機30にて発生したオゾンを有した微細気泡が含まれていてもよく、オゾンまたは微細気泡を含まないものであってもよい。
【0035】
図3と図4とに示すように、濾材20のうちの濾過部22は、略円形状の断面を有している。濾過部22の断面は、ハウジング10の断面の半径方向に関して内面13の径dよりも小さい径dを有している。浄水器100では、濾過部22の断面の径dと内面13の径dとは、ハウジング10においてそれぞれ略一定である。ただし、濾過部22の断面の径と内面13の径とは、ハウジング10においてそれぞれ一定でなくてもよい。
【0036】
濾過部22は、内面13からハウジング10の断面の半径方向の内方に所定の距離が隔てられるようにハウジング10の内部に配置されている。これにより、濾材20と内面13との間には、所定の距離の間隙が開けられている。間隙の寸法は、例えば(d/2−d/2)である。このように、一次側空間11の断面積は、濾過部22の断面積よりも大きい。ハウジング10の断面において、内面13と濾過部22との間の所定の距離とは、ハウジング10の内部において後述する旋回流が発生する程度の距離である。例えば、ハウジング10の断面において、内面13と濾過部22との間の所定の距離は、後述する流入口41の最上流点42と最下流点43との間の距離よりも短い。
【0037】
なお、浄水器100では、ハウジング10の内面13の中心Cと濾過部22の断面の中心Cとが一致している。つまり、濾材20の中心軸はハウジング10の中心軸に略一致している。ハウジング10の中心軸とは、ハウジング10を水平方向で切った各断面の中心Cを通る軸である。濾材20の中心軸とは、濾材20を水平方向で切った各断面の中心Cを通る軸である。ハウジング10の中心軸と濾材20の中心軸とは、上下方向に延びている。ただし、濾過部22の断面の中心は、ハウジング10の断面の中心Cと一致していなくてもよい。また、中心Cは、ハウジング10の断面の中心であってもよい。
【0038】
図1に示すように、浄水器100は、導出部50を備えている。導出部50は、ハウジング10に接続され、ハウジング10に導入されたオゾンを有した微細気泡を含む水をハウジング10から導出させる。導出部50は、管状部材によって形成されており、濾材20の洗浄時にハウジング10の内部から排出された水が管状部材の内部を通過する。
【0039】
ハウジング10の上下方向に関して、導入部40はハウジング10の下部17に配置され、導出部50はハウジング10の上部16に配置されている。なお、ハウジング10の下部17とは、ハウジング10の上下方向に関する中央の位置よりも下方の部分のことをいう。ハウジング10の上部16とは、ハウジング10の上下方向に関する中央の位置よりも上方の部分のことをいう。浄水器100では、ハウジング10の上下方向と浄水器100の上下方向とが略一致している。
【0040】
図3は、導入部40がハウジング10に接続されている位置のハウジング10等の断面図である。一方、図4は、導出部50がハウジング10に接続されている位置のハウジング10等の断面図である。ハウジング10は、内面13から導入部40に向かって開口した流入口41と、内面13から導出部50に向かって開口した流出口51とを有している。
【0041】
図3に示すように、ハウジング10の所定の断面において、内面13は、最上流点42と最下流点43とを有している。最上流点42は、導入部40からハウジング10に流入する水の流れ方向に関して、流入口41において最も上流側に位置している。最下流点43は、導入部40からハウジング10に流入する水の流れ方向に関して、流入口41において最も下流側に位置している。流入口41は、ハウジング10の所定の断面において、最上流点42と最下流点43との間で開口している。
【0042】
図4に示すように、ハウジング10の所定の断面において、内面13は、最上流点52と最下流点53とを有している。最上流点52は、ハウジング10から導出部50に流出する水の流れ方向に関して、流出口51において最も上流側に位置している。最下流点53は、ハウジング10から導出部50に流出する水の流れ方向に関して、流出口51において最も下流側に位置している。流出口51は、ハウジング10の所定の断面において、最上流点52と最下流点53との間で開口している。
【0043】
図1と図3とに示すように、浄水器100では、ハウジング10の上下方向に関して流入口41が配置されている位置には濾材20が配置されていない。これにより、ハウジング10の下部にて旋回流が作られ、気泡の一部がハウジング10の中心軸付近に移動する。中心軸付近の気泡は水流や重力の影響で上昇し、濾材20の下部からオゾンを作用させることができる。流入口41が配置されている位置に濾材20が配置されている場合には、オゾンを含む気泡は、濾材20の側面からの作用が主となるのに対し、濾材20の側面からだけでなく濾材20の下部からも作用させることによって、より効果的に濾材20を洗浄することができる。
【0044】
なお、ハウジング10に対する流入口41と流出口51の配置は、図1の下方または上方からハウジング10を見て、互いに対向していてもよく、略同一の位置であってもよい。また、ハウジング10の内部において、後述する旋回流の軌跡は、図1の上方からハウジング10を見て、図3および図4に示すように時計回りであってもよく、反時計回りであってもよい。浄水器100では、図1の上方からハウジング10を見た場合に後述する旋回流の軌跡がハウジング10の内部において図3および図4に示すように時計回りであるように、流入口41と流出口51とがハウジング10に設けられている。導入部40からハウジング10に導入されるオゾンを有した微細気泡を含む液体は、内面13に沿う周方向にハウジング10に流入し、且つ、間隙を旋回するようにハウジング10の内部を流れる。一方、ハウジング10の内部を流れるオゾンを有した微細気泡を含む液体は、内面13に沿う周方向に導出部50に流出する。
【0045】
浄水器100では、流出口51の開口度が流入口41の開口度よりも大きい。例えば、ハウジング10の各所定の断面において、流入口41の最上流点42と最下流点43との間を描く内面13の弧C40は、流出口51の最上流点52と最下流点53との間を描く内面13の弧C50よりも小さい。また例えば、流出口51の上下方向の寸法が流入口41の上下方向の寸法よりも大きくすることにより、流出口51の開口度が流入口41の開口度よりも大きくなる(図1参照)。
【0046】
浄水器100では、導入部40からハウジング10に導入されるオゾンを有した微細気泡を含む水は、ハウジング10の各断面の中心Cの周りを旋回するようにハウジング10の内部を流れる。導入部40からハウジング10の内部に導入されるときに流入口41を通過する水と、導出部50からハウジング10の外部に導出されるときに流出口51を通過する水とは、ハウジング10の各断面の中心Cの周りを旋回する旋回流の軌跡の接線が延びる方向に流れている。
【0047】
浄水器100では、ハウジング10において、ハウジング10の各断面の中心Cはそれぞれ一致している。ただし、ハウジング10において、ハウジング10の各断面の中心は互いに異なっていてもよい。
【0048】
図3に示すように、導入部40は、オゾンを有した微細気泡を含む水が流入口41の最下流点43の接線L40が延びる方向と略平行に流入口41からハウジング10の内部に流入するように、ハウジング10に接続されている。図4に示すように、導出部50は、オゾンを有した微細気泡を含む水が流出口51の最上流点52の接線L50が延びる方向と略平行にハウジング10の内部から流出口51に流出するように、ハウジング10に接続されている。ハウジング10から導出部50に流出する液体が流れる方向は、導入部40からハウジング10に流入する液体が流れる方向と略同一であってもよく、この方向と異なっていてもよい。
【0049】
なお、導入部40は、導入部40のうちの流入口41よりも上流側の部分が図3の下方に向かって曲線状に曲がるように形成されていてもよい。また、導出部50は、導出部50のうちの流出口51よりも下流側の部分が図4の上方に向かって曲線状に曲がるように形成されていてもよい。
【0050】
濾材20の濾過部22が洗浄される際は、流入口41から一次側空間11に流入したオゾンを有した微細気泡を含む水は、ハウジング10の内部を旋回し且つハウジング10の内部を下方から上方に向かって流れる。なお、図3および図4にて点線で示す矢印は、水が流れる方向を概略的に示すものであり、旋回流の速度または規模を示すものではない。
【0051】
図1に示すように、浄水器100は、開放部60を備えている。開放部60は、流入口41から流出口51に向かう水の流れ方向に関して流出口51よりも下流側に配置されている。開放部60は大気圧に開放されている。開放部60は、ハウジング10とは別の他のハウジングであってもよく、導出部50を介してハウジング10から排出された水が溜められるタンクであってもよく、または、単に大気圧に開放された管状部材であってもよい。
【0052】
濾材20を洗浄する際は、オゾン微細気泡発生機30にて発生したオゾンを有した微細気泡を含む水が導入部40からハウジング10に導入される前に、浄水器100は、ハウジング10に溜められた水を排出するように構成されている。濾材20を洗浄する際は、オゾンを有した微細気泡を含む水が導入部40からハウジング10に導入される前に、ハウジング10に溜められた水が、ポンプ2の作動によって導出部50を介してハウジング10の外部に排出されることであってもよい。または、濾材20を洗浄する際は、オゾンを有した微細気泡を含む水が導入部40からハウジング10に導入される前に、ハウジング10に溜められた水が、排出口19を介してハウジング10の外部に排出されることであってもよい。排出口19は、ハウジング10の底部18に配置されている。
【0053】
以上のように、浄水器100は、ハウジング10と濾材20とオゾン微細気泡発生機30と導入部40と導出部50とを備えている。ハウジング10は略円筒形状を有している。濾材20は、ハウジング10の内部に配置され、ハウジング10の内部を通過する液体を浄化する。オゾン微細気泡発生機30は、液体を流通させ、オゾンを有した微細気泡を液体に発生させる。導入部40は、ハウジング10とオゾン微細気泡発生機30とに接続され、オゾン微細気泡発生機30にて発生したオゾンを有した微細気泡を含む液体をハウジング10に導入させる。導出部50は、ハウジング10に接続され、ハウジング10に導入されたオゾンを有した微細気泡を含む液体をハウジング10から導出させる。また、ハウジング10は、内面13と中心軸とを有している。内面13は、ハウジング10の断面において略円形状を有し液体に接する。中心軸は、上下方向に延び且つ内面13の中心Cを通る。濾材20は、断面と中心軸とを有している。濾材20の断面は、ハウジング10の中心軸に垂直な方向に関してハウジング10の内面13の径dよりも小さい径dを有し、略円形状である。濾材20の中心軸は、上下方向に延び且つ濾材20の各断面の中心Cを通る。さらに、濾材20の中心軸が延びる方向はハウジング10の中心軸が延びる方向と略一致している。また、濾材20と内面13との間には、所定の距離の間隙が開けられている。ハウジング10の上下方向に関して、導入部40はハウジング10の下部17に配置され、且つ、導出部50はハウジング10の上部16に配置されている。導入部40からハウジング10に導入されるオゾンを有した微細気泡を含む液体は、内面13に沿う周方向にハウジング10に流入し、且つ、間隙を旋回するようにハウジング10の内部を流れる。一方、ハウジング10の内部を流れるオゾンを有した微細気泡を含む液体は、内面13に沿う周方向に導出部50に流出する。
【0054】
浄水器100では、ハウジング10の内部において、オゾンを有した微細気泡を含む水が、ハウジング10の中心軸の周りを旋回するように流れる。これにより、ハウジング10の内部を流れる液体に遠心力が発生する。そのため、ハウジング10の内部を流れる液体の流れはハウジング10の内面13を押すように作用することにより、オゾンを有した微細気泡がハウジング10の中心軸に向かって集まる。このとき、導入部40からハウジング10に導入される水に含まれる気泡が微細気泡であるため、水の流れと気泡とが分離して重力によって気泡が瞬時に上昇してしまうことが防止されている。ハウジング10の内面13と濾材20の濾過部22との間には、ハウジング10の中心軸に垂直な方向に所定の距離の間隙が開いているため、オゾンまたはオゾンを有した微細気泡が濾過部22に触れやすい。オゾンは、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して効果的に作用するため、濾過部22に付着または堆積したこのような汚濁物質を除去することができる。
【0055】
オゾンを有した微細気泡が濾過部22の表面に衝突すること、または、オゾンを有した微細気泡が破裂することによる振動が濾過部22の表面に作用することにより、濾過部22の表面に付着もしくは堆積した汚濁物質が濾過部22の表面から剥離される。また、これにより、濾過部22の表面に汚濁物質が付着しにくくなるとともに、濾過部22の表面に汚濁物質が付着または堆積することが防止される。さらに、微細気泡中のオゾンにより、濾過部22を殺菌したり、有機物を分解したりすることができる。その結果、濾過部22を効果的に洗浄することができる。
【0056】
また、濾過部22に付着または堆積した物質は、ハウジング10の各断面の中心Cの周りを旋回するようにハウジング10の内部を流れる水により、濾過部22から容易に剥離する。したがって、浄水器100は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材20を効果的に洗浄することができる。
【0057】
ハウジング10は、内面13から導入部40に向かって開口した流入口41と、内面13から導出部50に向かって開口した流出口51とを有している。ハウジング10の所定の断面において、内面13は、導入部40からハウジング10に流入する水の流れ方向に関して、流入口41において最も上流側に位置する最上流点42と、流入口41において最も下流側に位置する最下流点43とを有している。流入口41は、ハウジング10の所定の断面において、最上流点42と最下流点43との間で開口している。ハウジング10の所定の断面において、内面13は、ハウジング10から導出部50に流出する水の流れ方向に関して、流出口51において最も上流側に位置する最上流点52と、流出口51において最も下流側に位置する最下流点53とを有している。流出口51は、ハウジングの所定の断面において、最上流点52と最下流点53との間で開口している。
【0058】
オゾンを有した微細気泡を含む水が流入口41の最下流点43の接線L40が延びる方向と略平行に流入口41からハウジング10の内部に流入するように、導入部40はハウジング10に接続されている。一方、導出部50は、オゾンを有した微細気泡を含む水が流出口51の最上流点52の接線L50が延びる方向と略平行にハウジング10の内部から流出口51に流出するように、ハウジング10に接続されている。
【0059】
この構成によれば、流入口41において最下流点43の接線L40が延びる方向に導入部40からハウジング10の内部にオゾンを有した微細気泡を含む水が流入し、流出口51において最上流点52の接線L50が延びる方向に導出部50からハウジング10の外部にオゾンを有した微細気泡を含む水が流出する。流入口41から流出口51までの水の流れにより、ハウジング10の内部において効果的に旋回流が発生する。このように、浄水器100は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材20を効果的に洗浄することができる。
【0060】
なお、濾材20の濾過部22が洗浄される際に流入口41から流出口51まで一次側空間11を流れるときの旋回流を発生させる方法は、以下のものであってもよい。
【0061】
例えば、ハウジング10の円筒が延びる方向に延びる軸(図示せず)を中心に、ハウジング10自体が回転する場合には、ハウジング10の内部に旋回流が発生する。また、一次側空間11のうちの底部18または上部16に配置されたプロペラ(図示せず)が回転することにより、ハウジング10の内部に旋回流が発生する。さらに、ハウジング10の内部に配置された他の撹拌部材が、ハウジング10の円筒が延びる方向に延びる軸(図示せず)を中心に回転する場合には、ハウジング10の内部に旋回流が発生する。
【0062】
さらにまた、ハウジング10の内部に旋回流を発生させる流路が形成されていてもよい。この流路は、ハウジング10の内面13に沿って螺旋状に形成されている。オゾンを有した微細気泡を含む水が導入部40から流入口41を介してハウジング10の内部に導入されるときに螺旋状の流路を通過することにより、ハウジング10の内部に旋回流が発生する。
【0063】
浄水器100では、ハウジング10の上下方向に関して、導入部40はハウジング10の下部17に配置され、導出部50はハウジング10の上部16に配置されている。また、浄水器100では、ハウジング10の中心軸は、鉛直方向に延びている。
【0064】
この構成によれば、オゾンを有した微細気泡を含む水は、ハウジング10の下部17からハウジング10の内部に流入し、ハウジング10の上部16からハウジング10の外部に流出する。このように、ハウジング10の内部にて旋回流が鉛直方向の下方から上方に向かって流れることにより、ハウジング10の内部に特に円滑に旋回流が発生する。したがって、浄水器100は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材20を効果的に洗浄することができる。
【0065】
浄水器100では、濾材20を洗浄する際は、オゾン微細気泡発生機にて発生したオゾンを有した微細気泡を含む水が導入部40からハウジング10に導入される前に、ハウジング10に溜められた水を排出するように構成されている。
【0066】
この構成によれば、濾材20を洗浄する際にオゾンを有した微細気泡を含む水が導入部40からハウジング10に導入されるときには、ハウジング10の内部に水が溜められておらず、ハウジング10が空の状態である。そのため、オゾンを有した微細気泡を含む水が導入部40からハウジング10に導入されるときには、オゾンを有した微細気泡を含む水により、ハウジング10の内部にてより効果的に旋回流が発生する。特に、ハウジング10の内部にて旋回流が下方から上方に向かって流れる場合には、ハウジング10の内部にてさらに効果的に旋回流が発生する。したがって、浄水器100は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材20を効果的に洗浄することができる。
【0067】
浄水器100では、オゾン微細気泡発生機30は、負圧部35を有している。負圧部35は、水を流通させ、負圧の状態になることによって気体を吸入し且つ吸入した気体を水に混合させることによって水に微細気泡を発生させる。また、浄水器100では、流出口51の開口度が流入口41の開口度よりも大きい。
【0068】
本願発明者は、オゾン微細気泡発生機30の負圧部35が効率的に負圧の状態に変化するように、微細気泡を含んだ水がハウジング10に流入してから流出するまでのハウジング10の内部での流体の圧力損失を低下させることについて思案した。
【0069】
そのために本願発明者は、以下の事項に着目した。ハウジング10はある程度の容積(断面積)を有しているため、流出口51が比較的小さい場合には、ハウジング10の内部を流れる水の圧力損失が大きくなる。その結果、ハウジング10の内部の水圧が高くなる。一方、オゾン微細気泡発生機30が気体を取り込むことにより、オゾン微細気泡発生機30の下流に配置された流入口41を流れる流体の総量は、オゾン微細気泡発生機30が取り込んだ気体の分だけ増加する。これにより、ハウジング10の内部での流体の圧力損失が大きくなる。さらに、流出口51の開口度が流入口41の開口度と同一もしくは小さい場合には、ハウジング10の内部での流体の圧力損失が大きくなる。
【0070】
そこで、本願発明者は、流出口51の開口度を流入口41の開口度よりも大きくすることにより、ハウジング10の内部での流体の圧力損失を低下させることを思い付いた。ハウジング10の内部での流体の圧力損失を低下させることができる場合には、オゾン微細気泡発生機30において効率的に微細気泡を発生させることができる。以上のように、本願発明者は、微細気泡を効率的に発生させることが可能なオゾン微細気泡発生機30およびそれを備えた浄水器100を得るに至った。
【0071】
流出口51の開口度を流入口41の開口度よりも大きくすることにより、ハウジング10の内部を流れる流体の圧力損失を低下させることができる。ハウジング10の内部に流入した流体の圧力損失が低下する場合は、オゾン微細気泡発生機30の負圧部35は、気体を吸入するために十分な負圧の状態まで変化することができる。その結果、オゾン微細気泡発生機30においてオゾンを含んだ微細気泡を効率的に発生させることができる。したがって、オゾン微細気泡発生機30は、オゾンを含んだ微細気泡を効率的に発生させることができる。
【0072】
オゾン微細気泡発生機30が効率的に微細気泡を発生させる場合には、オゾンを有した多量の微細気泡を含む水がハウジング10の内部に流入する。そのため、ハウジング10の内部に配置された濾材20の濾過部22に多量の微細気泡を効果的に触れさせることができる。多量の微細気泡が濾過部22に効果的に触れることにより、濾過部22に付着または堆積した物質が濾過部22から容易に剥離する。このように、浄水器100は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材20を効果的に洗浄することができる。
【0073】
浄水器100は、開放部60を備えている。開放部60は、流入口41から流出口51に向かう水の流れ方向に関して流出口51よりも下流側に配置され、大気圧に開放されている。
【0074】
この構成によれば、流出口51よりも下流側に配置された開放部60が大気圧に開放されていることにより、ハウジング10の内部の圧力が高くなることが防止されている。これにより、ハウジング10の内部での流体の圧力損失がより効果的に低下する。そのため、オゾン微細気泡発生機30は、オゾンを含んだ微細気泡をより効率的に発生させることができる。したがって、浄水器100は、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材20を効果的に洗浄することができる。
【0075】
以上のように、本実施形態によれば、有機物または細菌等の粘着性の物質に対して濾材20を効果的に洗浄することが可能な浄水器100を提供することができる。
【0076】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0077】
10:ハウジング、13:内面、16:(ハウジングの)上部、17:(ハウジングの)下部、20:濾材、30:オゾン微細気泡発生機、35:負圧部、40:導入部、41:流入口、42:最上流点、43:最下流点、50:導出部、51:流出口、52:最上流点、53:最下流点、60:開放部、100:浄水器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒形状を有するハウジングと、
前記ハウジングの内部に配置され、前記ハウジングの内部を通過する液体を浄化する濾材と、
液体を流通させ、オゾンを有した微細気泡を液体に発生させるオゾン微細気泡発生機と、
前記ハウジングと前記オゾン微細気泡発生機とに接続され、前記オゾン微細気泡発生機にて発生したオゾンを有した微細気泡を含む液体を前記ハウジングに導入させる導入部と、
前記ハウジングに接続され、前記ハウジングに導入されたオゾンを有した微細気泡を含む液体を前記ハウジングから導出させる導出部と、を備え、
前記ハウジングは、前記ハウジングの断面において略円形状を有し液体に接する内面と、上下方向に延び且つ前記内面の中心を通る中心軸と、有し、
前記濾材は、前記ハウジングの前記中心軸に垂直な方向に関して前記ハウジングの前記内面の径よりも小さい径を有する略円形状を持つ断面と、上下方向に延び且つ前記濾材の前記各断面の中心を通る中心軸と、を有し、
前記濾材の前記中心軸が延びる方向は前記ハウジングの前記中心軸が延びる方向と略一致し、
前記濾材と前記内面との間には、所定の距離の間隙が開けられ、
前記ハウジングの上下方向に関して、前記導入部は前記ハウジングの下部に配置され、且つ、前記導出部は前記ハウジングの上部に配置され、
前記導入部から前記ハウジングに導入されるオゾンを有した微細気泡を含む液体は、前記内面に沿う周方向に前記ハウジングに流入し、且つ、前記間隙を旋回するように前記ハウジングの内部を流れ、
前記ハウジングの内部を流れるオゾンを有した微細気泡を含む液体は、前記内面に沿う周方向に前記導出部に流出する、
浄水器。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記内面から前記導入部に向かって開口した流入口と、前記内面から前記導出部に向かって開口した流出口と、を有し、
前記ハウジングの所定の断面において、前記導入部から前記ハウジングに流入する液体の流れ方向に関して、前記内面は前記流入口において最も上流側に位置する最上流点と前記流入口において最も下流側に位置する最下流点とを有し、前記流入口は前記最上流点と前記最下流点との間で開口し、
前記ハウジングの所定の断面において、前記ハウジングから前記導出部に流出する液体の流れ方向に関して、前記内面は前記流出口において最も上流側に位置する最上流点と前記流出口において最も下流側に位置する最下流点とを有し、前記流出口は前記最上流点と前記最下流点との間で開口し、
前記導入部は、オゾンを有した微細気泡を含む液体が前記流入口の前記最下流点の接線が延びる方向と略平行に前記流入口から前記ハウジングの内部に流入するように、前記ハウジングに接続され、
前記導出部は、オゾンを有した微細気泡を含む液体が前記流出口の前記最上流点の接線が延びる方向と略平行に前記ハウジングの内部から前記流出口に流出するように、前記ハウジングに接続されている、
請求項1に記載の浄水器。
【請求項3】
前記ハウジングの前記中心軸は、鉛直方向に延びている、
請求項1または請求項2に記載の浄水器。
【請求項4】
前記濾材を洗浄する際は、前記オゾン微細気泡発生機にて発生したオゾンを有した微細気泡を含む液体が前記導入部から前記ハウジングに導入される前に、前記ハウジングに溜められた液体を排出するように構成されている、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の浄水器。
【請求項5】
前記オゾン微細気泡発生機は、液体を流通させ、負圧の状態になることによって気体を吸入し且つ吸入した気体を液体に混合させることによって液体に微細気泡を発生させる負圧部を有し、
前記流出口の開口度が前記流入口の開口度よりも大きい、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の浄水器。
【請求項6】
前記流入口から前記流出口に向かう液体の流れ方向に関して前記流出口よりも下流側に配置され、大気圧に開放された開放部をさらに備えた、
請求項5に記載の浄水器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−106165(P2012−106165A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255920(P2010−255920)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】