浮体連結式フラップゲート
【課題】起立時に扉体の動揺が大きくならず、倒伏時に先端側の扉体ブロックが内側に折れ曲がらないようにする。
【解決手段】水wが流入する際に開口部を遮断する浮体式フラップゲート1である。扉体2を構成する高さ方向に分割した扉体ブロック2a〜2cを、高さ方向の平面内で回転が自在なように連結する。隣接する扉体ブロック2aと2b、2bと2cの、前記回転部3a、3bよりも倒伏時に下方に位置する部分同士を第1のシリンダ4a,4bで、基端側の扉体ブロック2cの、倒伏時に下方に位置する部分と凹面s1を第2のシリンダ4cで接続する。流体が第1、第2のシリンダ4a〜4c間を移動自在なように全てのシリンダ4a〜4cを配管5で連結する。
【効果】開口部から流れ込む水がどのような水位であっても、扉体が大きく揺れることがない。また、倒伏時に、先端側の扉体ブロックが内側に折れ曲がって倒伏の妨げとなるのを防止できる。
【解決手段】水wが流入する際に開口部を遮断する浮体式フラップゲート1である。扉体2を構成する高さ方向に分割した扉体ブロック2a〜2cを、高さ方向の平面内で回転が自在なように連結する。隣接する扉体ブロック2aと2b、2bと2cの、前記回転部3a、3bよりも倒伏時に下方に位置する部分同士を第1のシリンダ4a,4bで、基端側の扉体ブロック2cの、倒伏時に下方に位置する部分と凹面s1を第2のシリンダ4cで接続する。流体が第1、第2のシリンダ4a〜4c間を移動自在なように全てのシリンダ4a〜4cを配管5で連結する。
【効果】開口部から流れ込む水がどのような水位であっても、扉体が大きく揺れることがない。また、倒伏時に、先端側の扉体ブロックが内側に折れ曲がって倒伏の妨げとなるのを防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば防潮壁の開口部に設置され、増水時、増水した水が公共空間に流れ込まないよう、扉体を起立させて前記開口部を遮断する浮体連結式フラップゲートに関するものである。特に、起立状態から倒伏する際に、起立時に最上位となる扉体ブロック(以下、先端側の扉体ブロックと言う。)が倒伏方向(以下、内側と言う。)に折れ曲がって倒伏の妨げとなるのを防止するものである。
【背景技術】
【0002】
増水時に、増水した水が公共空間に流れ込まないように、防潮壁の開口部に、開口部を遮断する浮体式フラップゲートが設置される場合がある(例えば特許文献1、2)。
【0003】
この種の浮体式フラップゲートは、扉体に単数個の大きな浮体を有しており、防潮壁の開口部から流れ込む水の水圧と扉体自体の浮力を利用して扉体を起立させ、開口部を遮断するものである。
【0004】
しかしながら、従来の浮体式フラップゲートの扉体は、高さ方向に一体に形成されている。従って、図11に示すように、水位が一定の高さに到達した時点で扉体全体が一気に起立するので、扉体の動揺が大きく危険性が高いという問題があった。なお、図11中のdは防潮壁の開口部、Gは開口部に設置された浮体式フラップゲートの扉体、wは水である。
【0005】
また、開口部への水の流入初期には、扉体が水の流入に追従して起立せず、水の流入より遅れて起立するので、起立するまでの間、開口部から水が侵入するという問題もある。
【0006】
さらに、扉体の起立時に流体力の大きい水(急流または激流)が流入した場合、起立完了時に扉体に大きな衝撃力が発生して扉体に損傷を与えるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−214425号公報
【特許文献2】特開2003−253912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする問題点は、従来の浮体式フラップゲートは、水位が一定の高さに到達した時点で扉体全体が一気に起立するので、扉体の動揺が大きく危険性が高いという点である。また、開口部への水の流入初期は、水の流入より遅れて扉体が起立するので、漏水が生じるという点である。さらに、起立中に流体力の大きい水が流入した場合、扉体に損傷を与えるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の浮体連結式フラップゲートは、
起立時における扉体の動揺が大きくならず、しかも、起立状態から倒伏する際に、先端側の扉体ブロックが内側に折れ曲がって倒伏の妨げとならないようにするために、
開口部の路面に設置され、開口部から水が流入する際に前記開口部を遮断する浮体式フラップゲートであって、
高さ方向に分割した複数の扉体ブロックで扉体を構成し、
これら扉体ブロックを、高さ方向の平面内で回転が自在なように連結すると共に、
隣接する扉体ブロックの、前記回転部よりも倒伏時に下方に位置する部分同士を第1のシリンダで、起立時に最も下側となる扉体ブロック(以下、基端側の扉体ブロックと言う。)の、倒伏時に下方に位置する部分と路面を第2のシリンダで接続し、流体が第1、第2のシリンダ間を移動自在なように全てのシリンダを配管で連結したことを最も主要な特徴としている。
【0010】
上記の本発明では、流入する水の水位に応じて、基端側の扉体ブロックから段階的に扉体ブロックが浮上するので、流体力の大きい急流や激流が流入しても、起立完了時に扉体に大きな衝撃力が発生して扉体に損傷を与えることがない。
【0011】
また、隣接する扉体ブロック間、及び、基端側の扉体ブロックと路面を接続する全てのシリンダ内の流体が各シリンダ間を自由に流動できるようにしているので、起立状態から倒伏する際に先端側の扉体ブロックが内側に折れ曲がって倒伏の妨げとなることもない。
【0012】
本発明において、隣接する扉体ブロック同士を接続する第1のシリンダが伸長状態に、基端側の扉体ブロックと路面を接続する第2のシリンダが圧縮状態となる扉体の倒伏時に、ばねを内蔵した伸長状態の第3のシリンダを配管で連結した系内に追加した場合は、先端側の扉体ブロックも起立することができる。
【0013】
すなわち、第3のシリンダを設けることで、起立時、圧縮状態になる先端側の扉体ブロックを連結する第1のシリンダに、不足分の流体を供給することができる。その際、第3のシリンダ内にばねを設置して圧縮抵抗を大きくしておけば、先端側の扉体ブロック以外の扉体ブロックの起立時には、これらを連結する第1のシリンダ、第2のシリンダへの流体の供給を防止できる。
【0014】
先端側の扉体ブロックを連結する第1のシリンダのシリンダ容量を大きくし、この大きくした容量の流体を供給可能な第4のシリンダを、前記第3のシリンダに加えて前記系内に更に追加した場合は、流入する水位の上昇に対する起立動作の追従性が向上する。
【0015】
すなわち、流入する水位の上昇時、先端側の扉体ブロックを連結する第1のシリンダの伸長動作に必要な流体を第4のシリンダから先行して供給可能となるので、先端側の扉体ブロックが水の流入時に先行して起立する。従って、倒伏状態の扉体ブロックの下方側に流入する水を導き、先端側の扉体ブロック下側の斜面に水圧を作用させることにより、開口部への水の流入初期における扉体の浮上動作が速くなって、追従性が向上する。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、流入する水の水位に応じて、基端側の扉体ブロックから段階的に回転しながら浮上するので、流体力の大きい急流や激流が流入しても、起立完了時に扉体に大きな衝撃力が発生して扉体に損傷を与えることがない。そして、その際、ポンプなどの動力装置が不要となるので、装置の簡素化が図れ、維持管理の負担が低減できる。
【0017】
また、扉体が起立状態から倒伏する際に、先端側の扉体ブロックが内側に折れ曲がって倒伏の妨げとなるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の本発明の浮体連結式フラップゲートを側面から見た図で、(a)は倒伏状態の図、(b)は基端側の扉体ブロックが起立した状態を示した図、(c)は基端側と中間の扉体ブロックが起立した状態を示した図である。
【図2】1番目の回転部を説明する図で、(a)は拡大図、(b)は開口部から流入する水の方向に所定角度だけ回転した時の図である。
【図3】2番目の回転部を説明する図で、(a)は連結前の状態を側面から見た拡大図、(b)は(a)の側面図、(c)は開口部から流入する水の方向に所定角度だけ回転した時の図である。
【図4】3番目の回転部を説明する図で、(a)は連結前の状態を側面から見た図、(b)で倒伏状態を示した図である。
【図5】第1の本発明により改良できる点を説明する図である。
【図6】第2の本発明の浮体連結式フラップゲートを側面から見た図で、(a)は倒伏状態の図、(b)は基端側と中間の扉体ブロックが起立した状態を示した図、(c)は全ての扉体ブロックが起立した状態を示した図である。
【図7】第3の本発明の浮体連結式フラップゲートを側面から見た図で、(a)は倒伏状態を示した図、(b)は先端側の扉体ブロックが先行して浮上した図である。
【図8】第4の本発明の浮体連結式フラップゲートに使用する第5のシリンダを説明する図である。
【図9】第4の本発明の浮体連結式フラップゲートを側面から見た図で、(a)は倒伏状態を示した図、(b)は先端側の扉体ブロックが先行して浮上した図、(c)は全ての扉体ブロックが起立した状態を示した図である。
【図10】(a)〜(c)は本発明の浮体連結式フラップゲートの他の例を説明する図である。
【図11】(a)〜(e)は従来の浮体式フラップゲートの起立状態を、順を追って説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明では、起立時に扉体の動揺が大きくならないようにするという目的を、高さ方向に分割した複数の扉体ブロックを、高さ方向の平面内で回転が自在なように連結することで実現した。
【0020】
加えて、起立状態から倒伏する際に、先端側の扉体ブロックが内側に折れ曲がって倒伏の妨げとならないようにするという目的を、隣接する扉体ブロック同士と基端側の扉体ブロックと路面を接続する第1、第2のシリンダを配管で連結することで実現した。
【実施例】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図9を用いて詳細に説明する。
図1〜図5は第1の本発明の浮体連結式フラップゲートの説明図、図6は第2の本発明の浮体連結式フラップゲートの説明図、図7は第3の本発明の浮体連結式フラップゲートの説明図、図8、図9は第4の本発明の浮体連結式フラップゲートの説明図である。
【0022】
(第1の発明例:図1〜図5)
1は例えば防潮壁の開口部の路面sに設置される本発明の浮体連結式フラップゲートである。この浮体連結式フラップゲート1は、前記開口部(図1の紙面左方向)から公共空間(道路面)へ水wが流入しようとする際、流入する水wの水圧と扉体2の浮力を利用して、基端側を支点として扉体2を起立させ、前記開口部を遮断するものである。
【0023】
この防潮壁の開口部の路面sへの浮体連結式フラップゲート1の設置態様は、図1に示した埋設型と図示省略した搭載型の2つのタイプがあるが、どちらの設置態様を採用しても良い。
【0024】
路面埋設型は、道路面より低い位置に構築される開口部の路面sに凹面s1(埋設ピット)を形成し、この凹面s1に浮体連結式フラップゲート1(倒伏状態)を収容するものである。この路面埋設型では、凹面s1から海洋側(河川側)へ水を排出する排水路が設けられている。
【0025】
一方、路面搭載型は、道路面と同じ位置に構築される開口部の路面に浮体連結式フラップゲート1(倒伏状態)を搭載するものである。
【0026】
本発明では、この浮体連結式フラップゲート1を構成する扉体2を、高さ方向に、例えば鋼製の中空構造である3個の扉体ブロック2a〜2cに分割した構成である。以下、これら3個の扉体ブロック2a〜2cを、起立状態にある場合の上方から、先端側の扉体ブロック2a、中間の扉体ブロック2b、基端側の扉体ブロック2cと言う。
【0027】
そして、これら扉体ブロック2a〜2c間、及び、基端側の扉体ブロック2cと路面sを、高さ方向の平面内で、前記開口部から流れ込もうとする水wの方向に向けて、例えば所定角度の回転が自在な回転部3a〜3cで連結している。
【0028】
以下、先端側の扉体ブロック2aと中間の扉体ブロック2bを連結する回転部を1番目の回転部3a、中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cを連結する回転部を2番目の回転部3bと言う。また、基端側の扉体ブロック2cと路面sを連結する回転部を3番目の回転部3cと言う。
【0029】
これら回転部3a〜3cは、例えば以下の構成と成されている。
例えば1番目の回転部3aは、中間の扉体ブロック2bの、先端側の扉体ブロック2aとの隣接端部における異なる半径位置に、例えば2個の円弧状ガイド孔3aa,3abを設ける。一方、先端側の扉体ブロック2aの中間の扉体ブロック2bとの隣接端部における前記円弧状ガイド孔3aa,3abと同一半径位置に、このガイド孔3aa,3abに案内されて移動するピン3ac,3adを設けるのである。
【0030】
同様に、2番目の回転部3bは、基端側の扉体ブロック2cの、中間の扉体ブロック2bとの隣接端部における異なる半径位置に、2個の円弧状ガイド孔3ba,3bbを設ける。一方、中間の扉体ブロック2bの基端側の扉体ブロック2cとの隣接端部における前記ガイド孔3ba,3bbと同一半径位置に、このガイド孔3ba,3bbに案内されて移動するピン3bc,3bdを設けるのである。
【0031】
また、3番目の回転部3cは、路面sの、基端側の扉体ブロック2cとの隣接端部における異なる半径位置に、2個の円弧状ガイド孔3ca,3cbを設ける。一方、基端側の扉体ブロック2cの路面sとの隣接端部における前記ガイド孔3ca,3cbと同一半径位置に、このガイド孔3ca,3cbに案内されて移動するピン3cc,3cdを設けるのである。
【0032】
このような回転部3a〜3cの場合、円弧状ガイド孔3aa,3ab、3ba,3bb、3ca,3cbの半径の中心を回転中心として各扉体ブロック2aと2b、2bと2c、及び路面sに対して基端側の扉体ブロック2cが回転する。
【0033】
その際、円弧状ガイド孔3aa,3ab、3ba,3bb、3ca,3cbの円弧状の長さを最適に決定することで、各扉体ブロック2aと2b、2bと2c、及び路面sに対する基端側の扉体ブロック2cの回転可能角度が決定される。
【0034】
4aは隣接する先端側の扉体ブロック2aと中間の扉体ブロック2bの、4bは同じく中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cの、前記回転部3a,3bよりも倒伏時に下方に位置する部分同士を接続する第1のシリンダである。また、4cは基端側の扉体ブロック2cの、前記回転部3cよりも倒伏時に下方に位置する部分と、本発明の浮体連結式フラップゲート1を設置する凹面s1を接続する第2のシリンダである。
【0035】
これら第1、第2のシリンダ4a,4b,4cは、シリンダ内を摺動するピストンと一体にピストンロッドが取付けられ、シリンダ内の前記ピストンロッドが収納されていない側のみに流体が出入りする単動型のシリンダである。なお、第1、第2のシリンダ4a,4b,4cに出入りする流体としては油を使用するが、非圧縮性の流体であればよいので、水を使用しても良い。
【0036】
そして、先端側の扉体ブロック2aと中間の扉体ブロック2bを接続する第1のシリンダ4aは、ピストンロッドが先端側の扉体ブロック2aに、シリンダが中間の扉体ブロック2bに取付けられている。
【0037】
また、中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cを接続する第1のシリンダ4bは、ピストンロッドが中間の扉体ブロック2bに、シリンダが基端側の扉体ブロック2cに取付けられている。
【0038】
また、基端側の扉体ブロック2cと凹面s1を接続する第2のシリンダ4cは、ピストンロッドが基端側の扉体ブロック2cに、シリンダが凹面s1に取付けられている。
【0039】
これら第1、第2のシリンダ4a,4b,4cは、配管5で連結され、第1、第2のシリンダ4a,4b,4c内のピストンロッドが収納されていない側に封入された流体が、第1、第2のシリンダ4a,4b,4c間を自由に移動できるようになっている。
【0040】
なお、配管5は、先端側の扉体ブロック2aと中間の扉体ブロック2b間、中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2c間、基端側の扉体ブロック2cと凹面s1間、及び各シリンダへの接続部は、伸縮性のない柔軟なホース5aで連結されている。
【0041】
以下、この第1の発明例では、図1(a)に示す倒伏した収容状態から、増水時の水位に応じて、下記に説明するように、図1(b)、図1(c)に示す状態まで起立する。
【0042】
(1-1) 津波などの災害が発生していない状況では、浮体連結式フラップゲート1は、図1(a)に示すように路面sに形成された凹面s1に収容されている。なお、凹面s1が形成されていない時は、路面s上に収容される。
【0043】
(1-2) 津波時、図1(a)に示す倒伏した収容状態において増水してきた場合は、倒伏している扉体2には増加する水wによって浮力と水圧が作用する。この浮力と水圧により、基端側の扉体ブロック2cは3番目の回転部3cを中心として開口部と反対方向に向けて回動上昇して起立し始める。それと同時に伸長状態の第1のシリンダ4b内の流体が第2のシリンダ4cに移動し、2番目の回転部3bは屈曲する。続いて、第2のシリンダ4cは伸長動作して基端側の扉体ブロック2cは起立する。
【0044】
この状態では、図1(b)に示すように、基端側の扉体ブロック2cを除く2つの扉体ブロック2a,2bは水面に浮かんだ状態となっており、先端側の扉体ブロック2aの頂面と基端側の扉体ブロック2cの側面が水の浸入を防止する壁の役目を果たす。
【0045】
(1-3) 図1(b)に示す状態からさらに増水してくると、倒伏している扉体ブロック2a,2bには増加する水によって浮力と水圧が作用する。この浮力と水圧により、中間の扉体ブロック2bは2番目の回転部3bを中心として開口部と反対方向に向けて回動上昇して起立し始める。それと同時に伸長状態の第1のシリンダ4a内の流体が第1のシリンダ4bに移動し、1番目の回転部3aは屈曲し始める。続いて、第1のシリンダ4bは伸長動作して中間の扉体ブロック2bは起立する。
【0046】
この状態では、図1(c)に示すように、1番目の回転部3aのみが屈曲して、先端側の扉体ブロック2aは水面に浮かんだ状態となっており、先端側の扉体ブロック2aの頂面と、中間の扉体ブロック2b及び基端側の扉体ブロック2cの側面が水の浸入を防止する壁の役目を果たす。
【0047】
次に、本発明の浮体連結式フラップゲート1を、図1(c)に示す起立状態から、図1(a)に示す開口部の路面sに倒伏させる場合の倒伏動作について説明する。
【0048】
(2-1) 図1(c)に示した状況は、津波などの災害が収まる前の状況である。この状況の場合、浮体連結式フラップゲート1は、中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cが起立した状態となっている。
【0049】
(2-2) 図1(c)に示す中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cが起立した状態において、例えば水位が下がると、起立状態の中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cに作用する水圧が減少する。この水圧の減少により、中間の扉体ブロック2bが2番目の回転部3bを中心として開口部に向けて回動下降し、倒伏し始める。それと同時に伸長状態の第1のシリンダ4b内の流体が第1のシリンダ4aに移動し、2番目の回転部3bは屈曲し始める。続いて、第1のシリンダ4aは伸長動作して中間の扉体ブロック2bは倒伏する。
【0050】
この状態では、図1(b)に示すように、2番目の回転部3bのみが屈曲して、先端側の扉体ブロック2aと中間の扉体ブロック2bは水面に浮かんだ状態となっている。
【0051】
(2-3) 図1(b)からさらに水位が下がると、起立している基端側の扉体ブロック2cに作用する水圧がさらに減少し、基端側の扉体ブロック2cが3番目の回転部3cを中心として開口部に向け回動下降して倒伏し始める。それと同時に伸長状態の第2のシリンダ4c内の流体が第1のシリンダ4bに移動し、3番目の回転部3cは屈曲し始める。続いて、第1のシリンダ4bは伸長動作して基端側の扉体ブロック2cは倒伏し、図1(a)に示すように、全ての扉体ブロック2a〜2cの凹面s1への収容が完了する。
【0052】
本発明の浮体連結式フラップゲート1は、上記のように、図1(a)の倒伏状態から水wが流入した場合は、図1(b)、図1(c)に示すように、基端側の扉体ブロック2c、中間の浮体ブロック2bが段階的に浮上し、水wの浸入を防止する。
【0053】
その際、基端側の扉体ブロック2cの起立が完了する前に、基端側の扉体ブロック2cが受ける流体力によって、基端側の扉体ブロック2cが中間の扉体ブロック2bを引っ張るような形で水面から持ち上げる。従って、起立完了目前に基端側の扉体ブロック2cの起立速度が低減して衝撃力が和らぐことになって、起立中に流体力の大きい水wが流れ込んでも、扉体2が損傷することがなくなる。
【0054】
また、全てのシリンダ4a,4b,4c内の流体が各シリンダ4a,4b,4c間を自由に流動するので、起立状態から倒伏する際に先端側の扉体ブロック2aが、図5に示すように、内側に折れ曲がって倒伏の妨げとなることもない。
【0055】
(第2の発明例:図6)
6は第3のシリンダであり、ばね6aを内蔵している。この第3のシリンダ6は、図6(a)に示すように、扉体2の倒伏時において、ばね6aにより伸長状態となるように、前記配管5で連結した系内に設置される。なお、扉体2の倒伏時には、隣接する扉体ブロック2aと2b、2bと2c同士を接続する第1のシリンダ4a,4bが伸長状態に、基端側の扉体ブロック2cと凹面s1を接続する第2のシリンダ4cが圧縮状態となっている。
【0056】
ところで、前記第1の発明例の場合、倒伏状態の扉体2が起立する際に、最終的に中間の扉体ブロック2bと先端側の扉体ブロック2aを連結する第1のシリンダ4aが圧縮された状態になり、先端側の扉体2aは起立できない(図1(c))。
【0057】
しかしながら、第2の本発明例の場合、図6(b)の状態から更に水位が上昇した場合、先端側の扉体ブロック2aが持ち上げられ、第1のシリンダ4aが伸長動作して第3のシリンダ6内の流体をばね6aに抗して第1のシリンダ4a内に送り込み、第3のシリンダ6を圧縮させる。従って、先端側の扉体ブロック2aも起立することができる(図6(c))。
【0058】
一方、起立状態の扉体2が倒伏する時は、倒伏時に先端側の扉体ブロック2aを連結する第1のシリンダ4aが圧縮動作すると、第3のシリンダ6内のばね6aの開放により、第1のシリンダ4a内の流体が第3のシリンダ6に移動して、第3のシリンダ6が伸長する。そして、中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cを連結する第1のシリンダ4b、基端側の扉体ブロック2cと凹面s1を連結する第2のシリンダ4cが順次圧縮動作する。
【0059】
(第3の発明例:図7)
7は第4のシリンダであり、図7に示すように、扉体2が倒伏した収容時において、反ピストンロッド側に流体が供給された伸長状態となるように、前記配管5で連結した系内に設置される。
【0060】
この第3の発明例の場合、第4のシリンダ7内の反ピストンロッド側に供給される流体の容量と同じ容量だけ第1のシリンダ4aのシリンダ容量を大きくし、先端側の扉体ブロック2aが図7(a)に示す倒伏状態よりさらに起立側に15°程度回動するようにしておく。
【0061】
従って、倒伏状態の扉体2の下方側に水wが流入してきた場合、扉体2の下側に作用する水圧で先端側の扉体ブロック2aが先行して起立し始め、第4のシリンダ7内の流体が第1のシリンダ4aに供給されて先端側の扉体ブロック2aを起立側に15°程度回動させる。
【0062】
この先端側の扉体ブロック2aの起立側への回動により、先端側の扉体ブロック2aの下側の斜面に水圧を作用させることができ、開口部への水wの流入初期における扉体2の浮上動作が速くなって、追従性が向上する。
【0063】
なお、この先端側の扉体ブロック2aが先行して起立し始めるときには、ばねが内蔵されていない第4のシリンダ7は圧縮時に抵抗がないので、第4のシリンダ7が先行して縮み、第3のシリンダ6のばね6aは圧縮されない。
【0064】
(第4の発明例:図8、図9)
図8は第4の発明例に使用する第5のシリンダ8を説明する図面である。この第5のシリンダ8は、第3のシリンダ6の役割と第4のシリンダ7の役割をひとつのシリンダとして与えるものである。
【0065】
すなわち、前記第3のシリンダ6の容量をA、前記第4のシリンダの容量をBとした場合、第5のシリンダ8は、前記第3のシリンダの容量をA+Bとし、かつ、この大きくした容量B分のストローク移動は、ばね8aの圧縮が不要なように構成したものである。
【0066】
この第4の発明例では、図9(a)に示す倒伏状態から、水が流入して起立する際には、ばね8aを圧縮せずに第5のシリンダ8のピストンがばね8a端部まで退入して、第1のシリンダ4aに流体を供給し、先端側の扉体ブロック2aを先行して起立させる(図9(b))。
【0067】
そして、水位が上昇して基端側の扉体ブロック2c、中間の扉体ブロック2bが起立し、先端側の扉体ブロック2aが持ち上げられると、第1のシリンダ4aが伸長動作して第5のシリンダ8内の流体をばね8aに抗して第1のシリンダ4a内に送り込み、圧縮させる(図9(c))。
【0068】
本発明は、前記の例に限るものではなく、各請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
【0069】
例えば上記の例では、回転部として所定角度の回転が可能なものを示したが、シリンダのストロークエンドにより回転角度を決定するものでも良い。この場合、回転部はピンとブッシュのように回転が自在なもので良いので、構造が簡単になる。
【0070】
また、先端側の扉体ブロック2aを除く中間の扉体ブロック2b、基端側の扉体ブロック2cは、動作が停止する際の衝撃力を軽減するため、緩やかに動作させることが望ましい。
【0071】
そのため、これら中間の扉体ブロック2b、基端側の扉体ブロック2cに連結されたシリンダ2b,2cが伸縮する速度を調整するために、配管5とシリンダ2b,2cとの間の連絡配管のサイズを細くするか(図10(a))、テーパ形状にするか(図10(b))、バルブ9を設けて(図10(c))、流動抵抗を増大させることも考えられる。
【0072】
また、上記の例では3つの扉体ブロック2a〜2cで扉体2を形成しているが、扉体2を形成する扉体ブロックは、3個に限らず、2個でもまた4個以上であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の浮体連結式フラップゲートは、動力装置を使用するものではないが、シリンダ系内に外部から流体を圧入することで、機械的に起立させる浮体連結式フラップゲートにも適用できる。
【符号の説明】
【0074】
1 浮体連結式フラップゲート
2 扉体
2a〜2c 扉体ブロック
3a〜3c 回転部
4a,4b 第1のシリンダ
4c 第2のシリンダ
5 配管
6 第3のシリンダ
7 第4のシリンダ
8 第5のシリンダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば防潮壁の開口部に設置され、増水時、増水した水が公共空間に流れ込まないよう、扉体を起立させて前記開口部を遮断する浮体連結式フラップゲートに関するものである。特に、起立状態から倒伏する際に、起立時に最上位となる扉体ブロック(以下、先端側の扉体ブロックと言う。)が倒伏方向(以下、内側と言う。)に折れ曲がって倒伏の妨げとなるのを防止するものである。
【背景技術】
【0002】
増水時に、増水した水が公共空間に流れ込まないように、防潮壁の開口部に、開口部を遮断する浮体式フラップゲートが設置される場合がある(例えば特許文献1、2)。
【0003】
この種の浮体式フラップゲートは、扉体に単数個の大きな浮体を有しており、防潮壁の開口部から流れ込む水の水圧と扉体自体の浮力を利用して扉体を起立させ、開口部を遮断するものである。
【0004】
しかしながら、従来の浮体式フラップゲートの扉体は、高さ方向に一体に形成されている。従って、図11に示すように、水位が一定の高さに到達した時点で扉体全体が一気に起立するので、扉体の動揺が大きく危険性が高いという問題があった。なお、図11中のdは防潮壁の開口部、Gは開口部に設置された浮体式フラップゲートの扉体、wは水である。
【0005】
また、開口部への水の流入初期には、扉体が水の流入に追従して起立せず、水の流入より遅れて起立するので、起立するまでの間、開口部から水が侵入するという問題もある。
【0006】
さらに、扉体の起立時に流体力の大きい水(急流または激流)が流入した場合、起立完了時に扉体に大きな衝撃力が発生して扉体に損傷を与えるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−214425号公報
【特許文献2】特開2003−253912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする問題点は、従来の浮体式フラップゲートは、水位が一定の高さに到達した時点で扉体全体が一気に起立するので、扉体の動揺が大きく危険性が高いという点である。また、開口部への水の流入初期は、水の流入より遅れて扉体が起立するので、漏水が生じるという点である。さらに、起立中に流体力の大きい水が流入した場合、扉体に損傷を与えるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の浮体連結式フラップゲートは、
起立時における扉体の動揺が大きくならず、しかも、起立状態から倒伏する際に、先端側の扉体ブロックが内側に折れ曲がって倒伏の妨げとならないようにするために、
開口部の路面に設置され、開口部から水が流入する際に前記開口部を遮断する浮体式フラップゲートであって、
高さ方向に分割した複数の扉体ブロックで扉体を構成し、
これら扉体ブロックを、高さ方向の平面内で回転が自在なように連結すると共に、
隣接する扉体ブロックの、前記回転部よりも倒伏時に下方に位置する部分同士を第1のシリンダで、起立時に最も下側となる扉体ブロック(以下、基端側の扉体ブロックと言う。)の、倒伏時に下方に位置する部分と路面を第2のシリンダで接続し、流体が第1、第2のシリンダ間を移動自在なように全てのシリンダを配管で連結したことを最も主要な特徴としている。
【0010】
上記の本発明では、流入する水の水位に応じて、基端側の扉体ブロックから段階的に扉体ブロックが浮上するので、流体力の大きい急流や激流が流入しても、起立完了時に扉体に大きな衝撃力が発生して扉体に損傷を与えることがない。
【0011】
また、隣接する扉体ブロック間、及び、基端側の扉体ブロックと路面を接続する全てのシリンダ内の流体が各シリンダ間を自由に流動できるようにしているので、起立状態から倒伏する際に先端側の扉体ブロックが内側に折れ曲がって倒伏の妨げとなることもない。
【0012】
本発明において、隣接する扉体ブロック同士を接続する第1のシリンダが伸長状態に、基端側の扉体ブロックと路面を接続する第2のシリンダが圧縮状態となる扉体の倒伏時に、ばねを内蔵した伸長状態の第3のシリンダを配管で連結した系内に追加した場合は、先端側の扉体ブロックも起立することができる。
【0013】
すなわち、第3のシリンダを設けることで、起立時、圧縮状態になる先端側の扉体ブロックを連結する第1のシリンダに、不足分の流体を供給することができる。その際、第3のシリンダ内にばねを設置して圧縮抵抗を大きくしておけば、先端側の扉体ブロック以外の扉体ブロックの起立時には、これらを連結する第1のシリンダ、第2のシリンダへの流体の供給を防止できる。
【0014】
先端側の扉体ブロックを連結する第1のシリンダのシリンダ容量を大きくし、この大きくした容量の流体を供給可能な第4のシリンダを、前記第3のシリンダに加えて前記系内に更に追加した場合は、流入する水位の上昇に対する起立動作の追従性が向上する。
【0015】
すなわち、流入する水位の上昇時、先端側の扉体ブロックを連結する第1のシリンダの伸長動作に必要な流体を第4のシリンダから先行して供給可能となるので、先端側の扉体ブロックが水の流入時に先行して起立する。従って、倒伏状態の扉体ブロックの下方側に流入する水を導き、先端側の扉体ブロック下側の斜面に水圧を作用させることにより、開口部への水の流入初期における扉体の浮上動作が速くなって、追従性が向上する。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、流入する水の水位に応じて、基端側の扉体ブロックから段階的に回転しながら浮上するので、流体力の大きい急流や激流が流入しても、起立完了時に扉体に大きな衝撃力が発生して扉体に損傷を与えることがない。そして、その際、ポンプなどの動力装置が不要となるので、装置の簡素化が図れ、維持管理の負担が低減できる。
【0017】
また、扉体が起立状態から倒伏する際に、先端側の扉体ブロックが内側に折れ曲がって倒伏の妨げとなるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の本発明の浮体連結式フラップゲートを側面から見た図で、(a)は倒伏状態の図、(b)は基端側の扉体ブロックが起立した状態を示した図、(c)は基端側と中間の扉体ブロックが起立した状態を示した図である。
【図2】1番目の回転部を説明する図で、(a)は拡大図、(b)は開口部から流入する水の方向に所定角度だけ回転した時の図である。
【図3】2番目の回転部を説明する図で、(a)は連結前の状態を側面から見た拡大図、(b)は(a)の側面図、(c)は開口部から流入する水の方向に所定角度だけ回転した時の図である。
【図4】3番目の回転部を説明する図で、(a)は連結前の状態を側面から見た図、(b)で倒伏状態を示した図である。
【図5】第1の本発明により改良できる点を説明する図である。
【図6】第2の本発明の浮体連結式フラップゲートを側面から見た図で、(a)は倒伏状態の図、(b)は基端側と中間の扉体ブロックが起立した状態を示した図、(c)は全ての扉体ブロックが起立した状態を示した図である。
【図7】第3の本発明の浮体連結式フラップゲートを側面から見た図で、(a)は倒伏状態を示した図、(b)は先端側の扉体ブロックが先行して浮上した図である。
【図8】第4の本発明の浮体連結式フラップゲートに使用する第5のシリンダを説明する図である。
【図9】第4の本発明の浮体連結式フラップゲートを側面から見た図で、(a)は倒伏状態を示した図、(b)は先端側の扉体ブロックが先行して浮上した図、(c)は全ての扉体ブロックが起立した状態を示した図である。
【図10】(a)〜(c)は本発明の浮体連結式フラップゲートの他の例を説明する図である。
【図11】(a)〜(e)は従来の浮体式フラップゲートの起立状態を、順を追って説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明では、起立時に扉体の動揺が大きくならないようにするという目的を、高さ方向に分割した複数の扉体ブロックを、高さ方向の平面内で回転が自在なように連結することで実現した。
【0020】
加えて、起立状態から倒伏する際に、先端側の扉体ブロックが内側に折れ曲がって倒伏の妨げとならないようにするという目的を、隣接する扉体ブロック同士と基端側の扉体ブロックと路面を接続する第1、第2のシリンダを配管で連結することで実現した。
【実施例】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図9を用いて詳細に説明する。
図1〜図5は第1の本発明の浮体連結式フラップゲートの説明図、図6は第2の本発明の浮体連結式フラップゲートの説明図、図7は第3の本発明の浮体連結式フラップゲートの説明図、図8、図9は第4の本発明の浮体連結式フラップゲートの説明図である。
【0022】
(第1の発明例:図1〜図5)
1は例えば防潮壁の開口部の路面sに設置される本発明の浮体連結式フラップゲートである。この浮体連結式フラップゲート1は、前記開口部(図1の紙面左方向)から公共空間(道路面)へ水wが流入しようとする際、流入する水wの水圧と扉体2の浮力を利用して、基端側を支点として扉体2を起立させ、前記開口部を遮断するものである。
【0023】
この防潮壁の開口部の路面sへの浮体連結式フラップゲート1の設置態様は、図1に示した埋設型と図示省略した搭載型の2つのタイプがあるが、どちらの設置態様を採用しても良い。
【0024】
路面埋設型は、道路面より低い位置に構築される開口部の路面sに凹面s1(埋設ピット)を形成し、この凹面s1に浮体連結式フラップゲート1(倒伏状態)を収容するものである。この路面埋設型では、凹面s1から海洋側(河川側)へ水を排出する排水路が設けられている。
【0025】
一方、路面搭載型は、道路面と同じ位置に構築される開口部の路面に浮体連結式フラップゲート1(倒伏状態)を搭載するものである。
【0026】
本発明では、この浮体連結式フラップゲート1を構成する扉体2を、高さ方向に、例えば鋼製の中空構造である3個の扉体ブロック2a〜2cに分割した構成である。以下、これら3個の扉体ブロック2a〜2cを、起立状態にある場合の上方から、先端側の扉体ブロック2a、中間の扉体ブロック2b、基端側の扉体ブロック2cと言う。
【0027】
そして、これら扉体ブロック2a〜2c間、及び、基端側の扉体ブロック2cと路面sを、高さ方向の平面内で、前記開口部から流れ込もうとする水wの方向に向けて、例えば所定角度の回転が自在な回転部3a〜3cで連結している。
【0028】
以下、先端側の扉体ブロック2aと中間の扉体ブロック2bを連結する回転部を1番目の回転部3a、中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cを連結する回転部を2番目の回転部3bと言う。また、基端側の扉体ブロック2cと路面sを連結する回転部を3番目の回転部3cと言う。
【0029】
これら回転部3a〜3cは、例えば以下の構成と成されている。
例えば1番目の回転部3aは、中間の扉体ブロック2bの、先端側の扉体ブロック2aとの隣接端部における異なる半径位置に、例えば2個の円弧状ガイド孔3aa,3abを設ける。一方、先端側の扉体ブロック2aの中間の扉体ブロック2bとの隣接端部における前記円弧状ガイド孔3aa,3abと同一半径位置に、このガイド孔3aa,3abに案内されて移動するピン3ac,3adを設けるのである。
【0030】
同様に、2番目の回転部3bは、基端側の扉体ブロック2cの、中間の扉体ブロック2bとの隣接端部における異なる半径位置に、2個の円弧状ガイド孔3ba,3bbを設ける。一方、中間の扉体ブロック2bの基端側の扉体ブロック2cとの隣接端部における前記ガイド孔3ba,3bbと同一半径位置に、このガイド孔3ba,3bbに案内されて移動するピン3bc,3bdを設けるのである。
【0031】
また、3番目の回転部3cは、路面sの、基端側の扉体ブロック2cとの隣接端部における異なる半径位置に、2個の円弧状ガイド孔3ca,3cbを設ける。一方、基端側の扉体ブロック2cの路面sとの隣接端部における前記ガイド孔3ca,3cbと同一半径位置に、このガイド孔3ca,3cbに案内されて移動するピン3cc,3cdを設けるのである。
【0032】
このような回転部3a〜3cの場合、円弧状ガイド孔3aa,3ab、3ba,3bb、3ca,3cbの半径の中心を回転中心として各扉体ブロック2aと2b、2bと2c、及び路面sに対して基端側の扉体ブロック2cが回転する。
【0033】
その際、円弧状ガイド孔3aa,3ab、3ba,3bb、3ca,3cbの円弧状の長さを最適に決定することで、各扉体ブロック2aと2b、2bと2c、及び路面sに対する基端側の扉体ブロック2cの回転可能角度が決定される。
【0034】
4aは隣接する先端側の扉体ブロック2aと中間の扉体ブロック2bの、4bは同じく中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cの、前記回転部3a,3bよりも倒伏時に下方に位置する部分同士を接続する第1のシリンダである。また、4cは基端側の扉体ブロック2cの、前記回転部3cよりも倒伏時に下方に位置する部分と、本発明の浮体連結式フラップゲート1を設置する凹面s1を接続する第2のシリンダである。
【0035】
これら第1、第2のシリンダ4a,4b,4cは、シリンダ内を摺動するピストンと一体にピストンロッドが取付けられ、シリンダ内の前記ピストンロッドが収納されていない側のみに流体が出入りする単動型のシリンダである。なお、第1、第2のシリンダ4a,4b,4cに出入りする流体としては油を使用するが、非圧縮性の流体であればよいので、水を使用しても良い。
【0036】
そして、先端側の扉体ブロック2aと中間の扉体ブロック2bを接続する第1のシリンダ4aは、ピストンロッドが先端側の扉体ブロック2aに、シリンダが中間の扉体ブロック2bに取付けられている。
【0037】
また、中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cを接続する第1のシリンダ4bは、ピストンロッドが中間の扉体ブロック2bに、シリンダが基端側の扉体ブロック2cに取付けられている。
【0038】
また、基端側の扉体ブロック2cと凹面s1を接続する第2のシリンダ4cは、ピストンロッドが基端側の扉体ブロック2cに、シリンダが凹面s1に取付けられている。
【0039】
これら第1、第2のシリンダ4a,4b,4cは、配管5で連結され、第1、第2のシリンダ4a,4b,4c内のピストンロッドが収納されていない側に封入された流体が、第1、第2のシリンダ4a,4b,4c間を自由に移動できるようになっている。
【0040】
なお、配管5は、先端側の扉体ブロック2aと中間の扉体ブロック2b間、中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2c間、基端側の扉体ブロック2cと凹面s1間、及び各シリンダへの接続部は、伸縮性のない柔軟なホース5aで連結されている。
【0041】
以下、この第1の発明例では、図1(a)に示す倒伏した収容状態から、増水時の水位に応じて、下記に説明するように、図1(b)、図1(c)に示す状態まで起立する。
【0042】
(1-1) 津波などの災害が発生していない状況では、浮体連結式フラップゲート1は、図1(a)に示すように路面sに形成された凹面s1に収容されている。なお、凹面s1が形成されていない時は、路面s上に収容される。
【0043】
(1-2) 津波時、図1(a)に示す倒伏した収容状態において増水してきた場合は、倒伏している扉体2には増加する水wによって浮力と水圧が作用する。この浮力と水圧により、基端側の扉体ブロック2cは3番目の回転部3cを中心として開口部と反対方向に向けて回動上昇して起立し始める。それと同時に伸長状態の第1のシリンダ4b内の流体が第2のシリンダ4cに移動し、2番目の回転部3bは屈曲する。続いて、第2のシリンダ4cは伸長動作して基端側の扉体ブロック2cは起立する。
【0044】
この状態では、図1(b)に示すように、基端側の扉体ブロック2cを除く2つの扉体ブロック2a,2bは水面に浮かんだ状態となっており、先端側の扉体ブロック2aの頂面と基端側の扉体ブロック2cの側面が水の浸入を防止する壁の役目を果たす。
【0045】
(1-3) 図1(b)に示す状態からさらに増水してくると、倒伏している扉体ブロック2a,2bには増加する水によって浮力と水圧が作用する。この浮力と水圧により、中間の扉体ブロック2bは2番目の回転部3bを中心として開口部と反対方向に向けて回動上昇して起立し始める。それと同時に伸長状態の第1のシリンダ4a内の流体が第1のシリンダ4bに移動し、1番目の回転部3aは屈曲し始める。続いて、第1のシリンダ4bは伸長動作して中間の扉体ブロック2bは起立する。
【0046】
この状態では、図1(c)に示すように、1番目の回転部3aのみが屈曲して、先端側の扉体ブロック2aは水面に浮かんだ状態となっており、先端側の扉体ブロック2aの頂面と、中間の扉体ブロック2b及び基端側の扉体ブロック2cの側面が水の浸入を防止する壁の役目を果たす。
【0047】
次に、本発明の浮体連結式フラップゲート1を、図1(c)に示す起立状態から、図1(a)に示す開口部の路面sに倒伏させる場合の倒伏動作について説明する。
【0048】
(2-1) 図1(c)に示した状況は、津波などの災害が収まる前の状況である。この状況の場合、浮体連結式フラップゲート1は、中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cが起立した状態となっている。
【0049】
(2-2) 図1(c)に示す中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cが起立した状態において、例えば水位が下がると、起立状態の中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cに作用する水圧が減少する。この水圧の減少により、中間の扉体ブロック2bが2番目の回転部3bを中心として開口部に向けて回動下降し、倒伏し始める。それと同時に伸長状態の第1のシリンダ4b内の流体が第1のシリンダ4aに移動し、2番目の回転部3bは屈曲し始める。続いて、第1のシリンダ4aは伸長動作して中間の扉体ブロック2bは倒伏する。
【0050】
この状態では、図1(b)に示すように、2番目の回転部3bのみが屈曲して、先端側の扉体ブロック2aと中間の扉体ブロック2bは水面に浮かんだ状態となっている。
【0051】
(2-3) 図1(b)からさらに水位が下がると、起立している基端側の扉体ブロック2cに作用する水圧がさらに減少し、基端側の扉体ブロック2cが3番目の回転部3cを中心として開口部に向け回動下降して倒伏し始める。それと同時に伸長状態の第2のシリンダ4c内の流体が第1のシリンダ4bに移動し、3番目の回転部3cは屈曲し始める。続いて、第1のシリンダ4bは伸長動作して基端側の扉体ブロック2cは倒伏し、図1(a)に示すように、全ての扉体ブロック2a〜2cの凹面s1への収容が完了する。
【0052】
本発明の浮体連結式フラップゲート1は、上記のように、図1(a)の倒伏状態から水wが流入した場合は、図1(b)、図1(c)に示すように、基端側の扉体ブロック2c、中間の浮体ブロック2bが段階的に浮上し、水wの浸入を防止する。
【0053】
その際、基端側の扉体ブロック2cの起立が完了する前に、基端側の扉体ブロック2cが受ける流体力によって、基端側の扉体ブロック2cが中間の扉体ブロック2bを引っ張るような形で水面から持ち上げる。従って、起立完了目前に基端側の扉体ブロック2cの起立速度が低減して衝撃力が和らぐことになって、起立中に流体力の大きい水wが流れ込んでも、扉体2が損傷することがなくなる。
【0054】
また、全てのシリンダ4a,4b,4c内の流体が各シリンダ4a,4b,4c間を自由に流動するので、起立状態から倒伏する際に先端側の扉体ブロック2aが、図5に示すように、内側に折れ曲がって倒伏の妨げとなることもない。
【0055】
(第2の発明例:図6)
6は第3のシリンダであり、ばね6aを内蔵している。この第3のシリンダ6は、図6(a)に示すように、扉体2の倒伏時において、ばね6aにより伸長状態となるように、前記配管5で連結した系内に設置される。なお、扉体2の倒伏時には、隣接する扉体ブロック2aと2b、2bと2c同士を接続する第1のシリンダ4a,4bが伸長状態に、基端側の扉体ブロック2cと凹面s1を接続する第2のシリンダ4cが圧縮状態となっている。
【0056】
ところで、前記第1の発明例の場合、倒伏状態の扉体2が起立する際に、最終的に中間の扉体ブロック2bと先端側の扉体ブロック2aを連結する第1のシリンダ4aが圧縮された状態になり、先端側の扉体2aは起立できない(図1(c))。
【0057】
しかしながら、第2の本発明例の場合、図6(b)の状態から更に水位が上昇した場合、先端側の扉体ブロック2aが持ち上げられ、第1のシリンダ4aが伸長動作して第3のシリンダ6内の流体をばね6aに抗して第1のシリンダ4a内に送り込み、第3のシリンダ6を圧縮させる。従って、先端側の扉体ブロック2aも起立することができる(図6(c))。
【0058】
一方、起立状態の扉体2が倒伏する時は、倒伏時に先端側の扉体ブロック2aを連結する第1のシリンダ4aが圧縮動作すると、第3のシリンダ6内のばね6aの開放により、第1のシリンダ4a内の流体が第3のシリンダ6に移動して、第3のシリンダ6が伸長する。そして、中間の扉体ブロック2bと基端側の扉体ブロック2cを連結する第1のシリンダ4b、基端側の扉体ブロック2cと凹面s1を連結する第2のシリンダ4cが順次圧縮動作する。
【0059】
(第3の発明例:図7)
7は第4のシリンダであり、図7に示すように、扉体2が倒伏した収容時において、反ピストンロッド側に流体が供給された伸長状態となるように、前記配管5で連結した系内に設置される。
【0060】
この第3の発明例の場合、第4のシリンダ7内の反ピストンロッド側に供給される流体の容量と同じ容量だけ第1のシリンダ4aのシリンダ容量を大きくし、先端側の扉体ブロック2aが図7(a)に示す倒伏状態よりさらに起立側に15°程度回動するようにしておく。
【0061】
従って、倒伏状態の扉体2の下方側に水wが流入してきた場合、扉体2の下側に作用する水圧で先端側の扉体ブロック2aが先行して起立し始め、第4のシリンダ7内の流体が第1のシリンダ4aに供給されて先端側の扉体ブロック2aを起立側に15°程度回動させる。
【0062】
この先端側の扉体ブロック2aの起立側への回動により、先端側の扉体ブロック2aの下側の斜面に水圧を作用させることができ、開口部への水wの流入初期における扉体2の浮上動作が速くなって、追従性が向上する。
【0063】
なお、この先端側の扉体ブロック2aが先行して起立し始めるときには、ばねが内蔵されていない第4のシリンダ7は圧縮時に抵抗がないので、第4のシリンダ7が先行して縮み、第3のシリンダ6のばね6aは圧縮されない。
【0064】
(第4の発明例:図8、図9)
図8は第4の発明例に使用する第5のシリンダ8を説明する図面である。この第5のシリンダ8は、第3のシリンダ6の役割と第4のシリンダ7の役割をひとつのシリンダとして与えるものである。
【0065】
すなわち、前記第3のシリンダ6の容量をA、前記第4のシリンダの容量をBとした場合、第5のシリンダ8は、前記第3のシリンダの容量をA+Bとし、かつ、この大きくした容量B分のストローク移動は、ばね8aの圧縮が不要なように構成したものである。
【0066】
この第4の発明例では、図9(a)に示す倒伏状態から、水が流入して起立する際には、ばね8aを圧縮せずに第5のシリンダ8のピストンがばね8a端部まで退入して、第1のシリンダ4aに流体を供給し、先端側の扉体ブロック2aを先行して起立させる(図9(b))。
【0067】
そして、水位が上昇して基端側の扉体ブロック2c、中間の扉体ブロック2bが起立し、先端側の扉体ブロック2aが持ち上げられると、第1のシリンダ4aが伸長動作して第5のシリンダ8内の流体をばね8aに抗して第1のシリンダ4a内に送り込み、圧縮させる(図9(c))。
【0068】
本発明は、前記の例に限るものではなく、各請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
【0069】
例えば上記の例では、回転部として所定角度の回転が可能なものを示したが、シリンダのストロークエンドにより回転角度を決定するものでも良い。この場合、回転部はピンとブッシュのように回転が自在なもので良いので、構造が簡単になる。
【0070】
また、先端側の扉体ブロック2aを除く中間の扉体ブロック2b、基端側の扉体ブロック2cは、動作が停止する際の衝撃力を軽減するため、緩やかに動作させることが望ましい。
【0071】
そのため、これら中間の扉体ブロック2b、基端側の扉体ブロック2cに連結されたシリンダ2b,2cが伸縮する速度を調整するために、配管5とシリンダ2b,2cとの間の連絡配管のサイズを細くするか(図10(a))、テーパ形状にするか(図10(b))、バルブ9を設けて(図10(c))、流動抵抗を増大させることも考えられる。
【0072】
また、上記の例では3つの扉体ブロック2a〜2cで扉体2を形成しているが、扉体2を形成する扉体ブロックは、3個に限らず、2個でもまた4個以上であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の浮体連結式フラップゲートは、動力装置を使用するものではないが、シリンダ系内に外部から流体を圧入することで、機械的に起立させる浮体連結式フラップゲートにも適用できる。
【符号の説明】
【0074】
1 浮体連結式フラップゲート
2 扉体
2a〜2c 扉体ブロック
3a〜3c 回転部
4a,4b 第1のシリンダ
4c 第2のシリンダ
5 配管
6 第3のシリンダ
7 第4のシリンダ
8 第5のシリンダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部の路面に設置され、開口部から水が流入する際に前記開口部を遮断する浮体式フラップゲートであって、
高さ方向に分割した複数の扉体ブロックで扉体を構成し、
これら扉体ブロックを、高さ方向の平面内で回転が自在なように連結すると共に、
隣接する扉体ブロックの、前記回転部よりも倒伏時に下方に位置する部分同士を第1のシリンダで、起立時に最も下側となる扉体ブロックの、倒伏時に下方に位置する部分と路面を第2のシリンダで接続し、流体が第1、第2のシリンダ間を移動自在なように全てのシリンダを配管で連結したことを特徴とする浮体連結式フラップゲート。
【請求項2】
隣接する扉体ブロック同士を接続する前記第1のシリンダが伸長状態に、起立時に最も下側となる扉体ブロックと基台を接続する第2のシリンダが圧縮状態となる扉体ブロックの倒伏時において、ばねを内蔵した伸長状態の第3のシリンダを前記配管で連結した系内に追加したことを特徴とする請求項1に記載の浮体連結式フラップゲート。
【請求項3】
起立時に最も上側となる扉体ブロックを連結する第1のシリンダのシリンダ容量を大きくし、この大きくした容量の流体を供給可能な第4のシリンダを前記系内に更に追加したことを特徴とする請求項2に記載の浮体連結式フラップゲート。
【請求項4】
起立時に最も上側となる扉体ブロックを連結する第1のシリンダのシリンダ容量を大きくし、この大きくした容量分だけ前記第3のシリンダの容量を大きくすると共に、この大きくした容量分のストローク移動はばねの圧縮が不要なようにしたことを特徴とする請求項2に記載の浮体連結式フラップゲート。
【請求項1】
開口部の路面に設置され、開口部から水が流入する際に前記開口部を遮断する浮体式フラップゲートであって、
高さ方向に分割した複数の扉体ブロックで扉体を構成し、
これら扉体ブロックを、高さ方向の平面内で回転が自在なように連結すると共に、
隣接する扉体ブロックの、前記回転部よりも倒伏時に下方に位置する部分同士を第1のシリンダで、起立時に最も下側となる扉体ブロックの、倒伏時に下方に位置する部分と路面を第2のシリンダで接続し、流体が第1、第2のシリンダ間を移動自在なように全てのシリンダを配管で連結したことを特徴とする浮体連結式フラップゲート。
【請求項2】
隣接する扉体ブロック同士を接続する前記第1のシリンダが伸長状態に、起立時に最も下側となる扉体ブロックと基台を接続する第2のシリンダが圧縮状態となる扉体ブロックの倒伏時において、ばねを内蔵した伸長状態の第3のシリンダを前記配管で連結した系内に追加したことを特徴とする請求項1に記載の浮体連結式フラップゲート。
【請求項3】
起立時に最も上側となる扉体ブロックを連結する第1のシリンダのシリンダ容量を大きくし、この大きくした容量の流体を供給可能な第4のシリンダを前記系内に更に追加したことを特徴とする請求項2に記載の浮体連結式フラップゲート。
【請求項4】
起立時に最も上側となる扉体ブロックを連結する第1のシリンダのシリンダ容量を大きくし、この大きくした容量分だけ前記第3のシリンダの容量を大きくすると共に、この大きくした容量分のストローク移動はばねの圧縮が不要なようにしたことを特徴とする請求項2に記載の浮体連結式フラップゲート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−202474(P2011−202474A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73092(P2010−73092)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】
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