説明

浮流物質検出システム及び浮流物質検出方法

【課題】無人浮流物質監視用ブイ等や定点観測用ブイに装着したり、沿岸部等の定点に設置したすることができる簡便な装置で、水中から、平水中と波浪中にかかわらず、確実かつ容易に重油等の浮流物質の有無と位置を検出できる非接触式の浮流物質検出システム及び浮流物質検出方法を提供する。
【解決手段】水域に一時的に若しくは常時浮上している浮体10、又は、水域に固定されている支持体、又は、没水体に支持された水中撮影機31を備えて、該水中撮影機31で水中から水面W.L.を撮影し、この撮影画像の画像処理により水面W.L.に浮流する浮流物質Foの有無の検出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海難事故等により海上に流出し、浮流又は浮遊している重油等の浮流物質を検出するための浮流物質検出システム及び浮流物質検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タンカー船の海難事故等により海上に流出した重油は、海水と混ざることによりエマルジョン化し高粘度となるため残存性が高く、沿岸に漂着した場合には、自然環境にもたらす被害が大きくなり易く、その回復には多くの時間と労力を必要とするため、周辺地域の経済にも多くの損失を与える。
【0003】
従って、環境への被害を最小限に食い止めるためには、流出した重油が沿岸に漂着する前に、限りある重油回収機材や油防除機材を、漂着が予測される沿岸に重点的に配置して、速やかにする漂着した重油を回収する必要がある。そのためには、浮流重油(浮遊重油)が発見れると、高精度の重油漂流シミュレーションを行って漂流先を精度よく予測する必要がある。この重油漂流シミュレーションの精度を向上させるためには、重油の漂流位置および漂流海域における海象・気象データをリアルタイムで取得して反映させることが重要となる。
【0004】
このタンカー船の海難事故等により海上に流出し、浮流している重油や化学物質等の浮流物質の発見及び監視を行うための方法として、蛍光ライダー法と呼ばれる方法がある。この方法では、図6に示すように、ヘリコプター1に紫外線のレーザーレーダー(ライダー:LIDAR:Light Detection and Ranging)装置2を搭載し、流出海域を空から走査する。この走査では、ヘリコプター1上のレーザーレーダー装置2から海面に向けて紫外パルスレーザーL1を照射して、この照射により海面で発生する蛍光L2を、ヘリコプター1上のイメージ増強管とCCDカメラとで構成される超高感度カメラで、4種類の波長について画像撮影する。この撮影画像において、海水の青紫色の水ラマン光と、石油類の青緑色の蛍光とを区別することにより、海水と流出油の位置情報を得ている。ちなみに、流出油のテスト観測において、高さHが150mの時に、視野100mrad、水面の範囲の直径Rで15mで流出油を検出できるとの結果を得ている。
【0005】
この蛍光ライダー法は、レーザ励起で蛍光を発生させるアクティブ方式であるため、昼間のみならず夜間も観測が可能で、また、蛍光スペクトルにより流出物質の識別も可能である。また、受光側としてCCDカメラをベースとするため、リアルタイムの監視が可能である。
【0006】
この重油を上空から水面を撮影する方法の一つとして、大きな喫水変動や、波立ちのある水面で安定して油膜検知を行うために、レーザー光を回転するミラーに反射させて照射方向を変化させながら、回転中心の略鉛直下の水面に照射し、この照射光の水面からの反射光を受光部で受けて、この受光部の電気信号の信号レベルの比較から油膜を検知する油膜検知器が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
しかしながら、この流出物質を上空から観察するシステムでは、一度に広範囲の領域を監視できる反面、航空機や高性能のレーザー、レーザー設備が必要となり、システムの運用に莫大な費用が必要であるなどの問題があり、また、ヘリコプターの航続時間の制限から長時間の流出追跡や荒天時の流出追跡は困難であるという問題もある。
【0008】
そこで、本出願者らは、特願2006−282230号にて、水上における重油等の浮流物質の回収を容易にして、重油等の流出事故による自然環境や地域経済に対する影響を低減するために、浮流物質の位置を検出して自動的に追跡して浮流物質の位置を検出すると共に、浮流物質の漂流水域の海象・気象データを検出し、これらのデータをリアルタイムで基地局に送信できる無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法を提供した。
【0009】
この無人浮流物質監視用ブイは、浮流物質がある水域に投入され、この水域で自動的に浮上と沈降を繰返し、水面下にある時に水面部分における浮流物質の有無及び位置を検出し、検出後、検出した浮流物質の位置に向かって浮上し、水面の浮流物質領域内に浮上している時に位置情報を基地局に送信するように構成されており、浮上と沈降の繰り返しを、浮力調整装置により浮力を調整することにより行うと共に、浮上途中は可動翼の翼角を制御することにより、検出した浮流物質の部分に向かって浮上するように構成されている。
【0010】
そして、水面下にある時の水面部分における浮流物質の有無及び位置の検出を、非接触式検知センサで行い、水面の浮流物質領域内に浮上しているか否かの判定を接触式検知センサで行うように構成されている。
【0011】
この水面下にある時の水面部分における浮流物質の有無及び位置の検出には、重油を上空から水面を撮影する場合に使用される油膜検知器をを利用することが考えられるが、この油膜検知器では、高性能のレーザー装置が必要となり、システムの運用に莫大な費用が必要であるなどの問題がある。
【特許文献1】特開2003−149134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、無人浮流物質監視用ブイ等や定点観測用ブイに装着したり、沿岸部等の定点に設置したすることができる簡便な装置で、水中から、平水中と波浪中にかかわらず、確実かつ容易に重油等の浮流物質の有無と位置を検出できる非接触式の浮流物質検出システム及び浮流物質検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明の浮流物質検出システムは、水域に一時的に若しくは常時浮上している浮体、又は、水域に固定されている支持体、又は、没水体に支持された水中撮影機を備えて、該水中撮影機で水中から水面を撮影し、この撮影画像の画像処理により水面に浮流する浮流物質の有無の検出を行うように構成される。なお、この「水域」には、河川、湖沼等の狭義の水域の他に、海域や浮流物質中も含む。
【0014】
この画像処理を行う部分は、水中撮影機を支持する浮体又は支持体又は没水体に設けてもよいが、船舶や航空機や陸上の基地局側に設けてもよい。水中撮影機で撮影した撮影画像のデータを基地局側の画像処理装置に送信して、この画像処理装置で画像処理してもよい。但し、一時的に若しくは常時没水している浮体などの内、この浮流物質の有無の検出結果によって移動用制御が変化するような無人浮流物質監視用ブイ等の浮体や水中に設置される観測ブイ等の没水体では、その浮体側又は没水体側に画像処理装置を備えることが好ましい。また、この水中撮影機としては、カメラ等の静止画像を撮影するものと、動画を撮影するものの両方を含むが、電力消費の面からは静止画像を撮影するものの方が好ましい。
【0015】
この構成によれば、非接触で、レーザーシステムに比較して簡単な装置である水中撮影機や周知技術の画像処理を行うことにより、浮流物質がある水面部分と浮流物質が無い水面部分との画像処理データの差から、容易に浮流物質の有無を検出することができる。
【0016】
上記の浮流物質検出システムで、水中撮影機としてCCDカメラを使用し、画像処理として2値処理を行うように構成すると、非常に簡便な装置で、かつ、簡便な検知方法となる。つまり、水中撮影機により水面を観察すると、天空が明るいため、重油等の浮流物質がある部分は画像上で暗くなり、影となる。そのため、撮影画像を画像処理、好ましくは2値化処理すると、浮流物質を黒いものとして識別できるようになる。
【0017】
また、上記の浮流物質検出システムで、水中撮影機として極微弱光を検出可能な高感度撮影機を使用し、オートアイリス機構を備えることにより、夜間や荒天時など、天空の照度が著しく低いときでも、自動的に、被写体の範囲全体の平均値を算出して絞りを絞って露出を調整するので、十分に天空が見える部分と浮流物質の部分との差を検出することが容易にできるようになる。
【0018】
この高感度撮影機としては、天体観測用の高感度CCDカメラがある。晴天時の昼間の照度は数万Luxで、夜間は照度0.01Luxなので、これに対応する必要があるが、通常の感度のCCDカメラの対応最低照度はおおよそ5〜3Lux程度であり、夕刻から夜間などの低照度の環境には対応できない。しかし、天体観測用の高感度CCDカメラでは、最低被写体照度0.00002Luxまで対応できる。
【0019】
また、上記の浮流物質検出システムで、前記水中撮影機の視野の一部に遮光部を設け、該遮光部の撮影画像の画像処理値を基に、画像処理用の閾値を設定する。これにより、オートアイリス機構を備えた場合に、水中撮影機の視野の全面が天空が見える部分であったり、全面が浮流物質で覆われている場合には、2値処理用の閾値の設定を、予め、オートアイリス機構の絞りの程度と関連付けておく必要があるが、遮光部と天空が見える部分又は浮流物質の部分との比較により、その明暗の差から、現在の視野の全面が天空が見える部分であるか、浮流物質の部分であるかを容易に判定できるので、オートアイリス機構の絞りを気にすることなく、閾値を設定することができるようになる。その結果、画像処理による判定を簡便にできるようになる。
【0020】
上記の目的を達成するための本発明の浮流物質検出方法は、水域に一時的に若しくは常時浮上している浮体、又は、水域に固定されている支持体、又は、没水体に支持された水中撮影機を備えた浮流物質検出システムにおいて、前記水中撮影機で水中から水面を撮影し、この撮影画像の画像処理により水面に浮流する浮流物質の有無の検出を行う検出方法である。この方法によれば、予め実験などで得られた、絞りと画像処理用の閾値(判定用数値)とを基にして、水中撮影された水面の撮影画像から浮流物質の有無の判定を正確かつ容易に行うことができる。
【0021】
上記の浮流物質検出方法において、オートアイリス機構を備えた極微弱光を検出可能な高感度の前記水中撮影機で撮影すると共に、前記水中撮影機の視野の一部に遮光部を設け、該遮光部の撮影画像の画像処理値を基に、画像処理用の閾値を設定することにより、浮流物質の有無の判定をより正確かつ簡便に行うことができる。
【0022】
上記の浮流物質検出方法において、前記画像処理で求めた浮流物質の部分の重心位置の時間的変化から、浮流物質の移動状態を検出する。この浮流物質は大きく変形しないので、水面画像における浮流物質の部分の重心位置の時間的変化から、浮流物質の移動方向や移動速度などを検出できる場合が多く、これらの浮流物質の移動状態の情報は、浮流物質に対する対策に非常に役に立つ。
【発明の効果】
【0023】
本発明の浮流物質検出システム及び浮流物質検出方法によれば、水域に一時的に若しくは常時浮上している浮体、又は、水域に固定されている支持体、又は、没水体に支持された水中撮影機で水中から水面を撮影し、この撮影画像の画像処理により水面に浮流する浮流物質の有無の検出を行うので、非常にシンプルな装置構成で、正確かつ容易に水面に浮流する浮流物質の有無の検出をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下図面を参照して本発明に係る浮流物質検出システム及び浮流物質検出方法について説明する。ここでは、水中撮影機として静止画像を撮影する水中カメラを例にして説明するが、本発明はこれに限定されず、動画を撮影する水中テレビカメラや水中ビデオカメラ等であってもよい。また、この水中カメラを支持するものとしては、水域に一時的に浮上する浮体である無人浮流物質監視用ブイを例にしているが、本発明はこれに限定されず、常時浮上している浮体、又は、水域に固定されている支持体、又は、没水体に支持されていてもよい。なお、この水域には、河川、湖沼等の水域の他に、海域や浮流物質中も含む。
【0025】
この本発明の実施の形態の浮流物質検出システムは、図1に示すように、水域に一時的に浮上している無人浮流物質監視用ブイ10の頭部に支持された水中カメラ(水中撮影機)31を備えて構成される。そして、水中カメラ31で水中から水面W.L.を撮影し、この撮影画像の画像処理により水面W.L.に浮流する浮流物質Foの有無の検出を行うように構成される。
【0026】
この水中カメラ31としては、画像処理信号を得らるものであればよいが、例えば、比較的容易に画像処理信号を得ることができるCCDカメラ(Charge Coupled Device カメラ)を使用する。また、夜間や荒天時であっても測定対象の水面を照明できるような場合以外は、極微弱光を検出可能な高感度カメラを使用することが好ましい。
【0027】
通常の感度のCCDカメラは、照度が数万Lux(ルックス)程度の晴天時の昼間には十分対応できるが、照度0.01Lux程度の夜間に対しては、通常の感度のCCDカメラが対応できる最低照度はおおよそ5〜3Lux程度であるので対応するのは難しいため、夕刻から夜間などの低照度の環境には対応できない。しかし、天体観測用等の高感度CCDカメラでは、最低被写体照度0.00002Luxまで対応できる。
【0028】
また、画像処理を行う部分、即ち、画像解析装置は、この実施の形態では、水中カメラ31を支持する無人浮流物質監視用ブイ10に設ける。これは、この無人浮流物質監視用ブイ10が浮流物質Foの有無によって移動用制御を変化させるために、水中にあるときに浮流物質Foの有無の検出と浮流物質Foの有る方向とを検出する必要があるからである。
【0029】
このような必要がない場合には、画像処理を行う部分船舶や航空機や陸上の基地局側に設けてもよい。この場合には、水中カメラ31で撮影した撮影画像のデータを基地局側の画像処理装置に送信して、この画像処理装置で画像処理する。この構成により、画像処理部分が保守点検し易く、また、画像処理操作を行い易い基地局側にあるので、システムを簡単化でき、しかも、より正確に浮流物質Foの有無を判定できる。
【0030】
また、画像処理としては、照度あるいは明暗に関して、所定の閾値を境にした2値処理を行う。これにより、非常に簡便なアルゴリズムで画面を、図2に示すように、2値(例えば、白黒や、2色の色分けや、同色の強弱又は明暗等)に分けることができ、適切な特定の閾値を設定することにより、天空を臨むことができてより明るい部分Wsの撮影画像の部分Dwは白にし、浮流物質Foがあって天空を臨むことができない撮影画像の暗い部分Dfは黒にして、識別することができる。
【0031】
この2値処理により、画面の黒い部分Dfが浮流物質Foであるとして、この黒い部分Dfの有無で、浮流物質Foが撮影画像に写っているか否かを判定できる。つまり、水中カメラ31により水面W.L.を撮影すると、天空が見える部分Wsは明るいため、重油等の浮流物質Foがある部分は画像上で暗くなり、影となる。そのため、撮影画像を白黒の2値化処理すると、黒色部分Dfを浮流物質Foがある部分Dfとして識別できるようになる。
【0032】
また、水中カメラ31に、自動的に、被写体の範囲全体の平均値を算出して絞りを絞って露出を調整するオートアイリス機構を備えることにより、夜間や荒天時など、天空の照度が著しく低いときでも、十分に天空が見える部分Wsの画面部分Dwと浮流物質Foの画面部分Dfとの差を検出することが容易にできるようになる。この場合には、絞りに対応させて閾値を変化させなくても、一定の閾値(輝度)で識別できることが水槽での実験で実験的に求められている。
【0033】
なお、オートアイリス機構とは別にパソコン(PC)などで、時刻(昼夜)や天候等と水中カメラ31の絞り量と閾値との関係を予め実験などによって求めておき、このデータをパソコンに入力しておいて、撮影状況とこれらのデータから絞り量や閾値を求めて、重油塊を識別できるようにフレーム数、ゲインなどを操作すると共に、この求められた閾値で画像処理するようにしてもよい。
【0034】
このオートアイリス機構を備えた場合には、水中カメラ31の視野の全面が天空が見える部分Wsであったり、全面が浮流物質Foで覆われている場合があるので、予め、オートアイリス機構の絞りの程度と関連付けて2値処理用の閾値の設定をしておく必要がある。この閾値は予め、周辺の照度や時刻や天候等との関連で対応表を作っておき、画像処理装置に入力しておくことにより、撮影時にこの対応表を参照して閾値を求めることができる。
【0035】
この構成の浮流物質検出システムによれば、非接触で、レーザーシステム等に比較して簡単な装置である水中カメラ31や周知技術の画像処理を行うことにより、浮流物質Foが無い撮影部分Dwと浮流物質Foがある撮影部分Dfとの画像処理データの差から、容易に浮流物質Foの有無を検出することができる。
【0036】
さらに、画像処理で求めた浮流物質Foの部分Dfの重心位置の時間的変化から、浮流物質Foの移動状態を検出するように構成すると、水面上の浮流物質Foは短時間で大きく変形しないので、水面画像における浮流物質Foの部分Dfの重心位置の時間的変化から、浮流物質Foの移動方向や移動速度などを検出できる場合が多く、これらの浮流物質Foの移動状態の情報を、浮流物質Foに対する対策に役に立てることができる。
【0037】
図3及び図4に、水中カメラを水深3mに設置して、波周期2sで波高30cmの波浪中で、水面の重油を模擬したプラスチック板の模擬ターゲットとの水平距離を曳航により約1.8m移動させた時の、画像処理データから算出した模擬ターゲットの重心位置移動量の時系列データを示す。図3は水中カメラの軸を鉛直方向にして即ち傾斜0(ゼロ)度で固定したときを、図4は水中カメラの軸を鉛直方向から30度傾斜させて固定したときを示す。いずれの場合も、模擬ターゲット(重油)が波により揺れているのもかかわらず、正確に追跡できていることが分かる。
【0038】
そして、この浮流物質検出システムを備えた浮流物質監視システムは、上記の浮流物質検出システムを備えることにより、その水中カメラ31の視野に浮流物質Foがあるか否かを確実にかつ容易に判定できる。例えば、浮流物質検出システムの水中カメラ31を備えた浮流物質監視用ブイ10は、所定の水深で水面を撮影したときに、浮流物質があるか否かを確実にかつ容易に判定でき、また、浮流物質検出システムの水中カメラ31を備えた定点観測装置は、その周囲に浮流物質Foが到達したか否かを容易にかつ確実に判定できる。
【0039】
この浮流物質監視用ブイ10について説明すると、図5に示すように、本発明の無人浮流物質監視用ブイ10は、浮流物質Foがある水域に投入され、この水域で自動的に浮上と沈降を繰返し((a)〜(f))、水面下にある時((c))に水面部分における浮流物質Foの有無及び位置を検出し((d))、検出後、検出した浮流物質Foの位置に向かって浮上し((e))、水面の浮流物質Foの領域内に浮上している時((f))に位置情報や海象・気象データ等を基地局に送信するように構成される。
【0040】
この水面下にある時((c))に水面部分における浮流物質Foの有無及び位置を検出する時((d))に、上記の浮流物質検出システムを用いて判定する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る実施の形態の浮流物質検出システムの構成を示す図である。
【図2】撮影した画面の一例を示す図である。
【図3】波浪中の計測結果を示す図である。
【図4】他の波浪中の計測結果を示す図である。
【図5】無人浮流物質監視用ブイの使用方法のフローの一例を示す図である。
【図6】蛍光ライダー法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0042】
10 無人浮流物質監視用ブイ
31 水中カメラ
Df 暗い部分(浮流物質が見える部分)
Dw 明るい部分(天空が見える部分)
Fo 浮流物質
Ws 天空が見える部分
W.L. 水面又は浮遊物質表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水域に一時的に若しくは常時浮上している浮体、又は、水域に固定されている支持体、又は、没水体に支持された水中撮影機を備えて、該水中撮影機で水中から水面を撮影し、この撮影画像の画像処理により水面に浮流する浮流物質の有無の検出を行う浮流物質検出システム。
【請求項2】
水域に一時的に若しくは常時浮上している浮体、又は、水域に固定されている支持体、又は、没水体に支持された水中撮影機を備えた浮流物質検出システムにおいて、前記水中撮影機で水中から水面を撮影し、この撮影画像の画像処理により水面に浮流する浮流物質の有無の検出を行う浮流物質検出方法。
【請求項3】
前記画像処理で求めた浮流物質の部分の重心位置の時間的変化から、浮流物質の移動状態を検出する請求項2記載の浮流物質検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−281423(P2008−281423A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125494(P2007−125494)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【出願人】(501241911)独立行政法人港湾空港技術研究所 (84)
【出願人】(000144049)株式会社三井造船昭島研究所 (27)
【Fターム(参考)】