説明

浴室ドア枠における段差解消部材

【課題】段差解消部と洗い場床の上面との間に浸入した水を簡単な構成で素早く蒸発させて乾燥させることができる浴室ドア枠における段差解消部材を提供する。
【解決手段】浴室ドア枠1の下枠2と洗い場床3とのなす段差部4に配設される段差解消部材5である。段差解消部材5は、下枠2側の側端部の上縁部に比べて下枠2と離れる方の側端部の上縁部が低くなるようにスロープ部6を備える。段差解消部材5に上面側から下面側に連通する通気部7を形成する。通気部7に遮水性を有し且つ水蒸気透過性を有する通気性部材8を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室ドア枠の下枠と洗い場床とのなす段差部に配設される浴室ドア枠における段差解消部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室ドア枠の下枠と洗い場床とのなす段差部に配設して段差の緩和をする段差解消部材が特許文献1により知られている。
【0003】
ところが、上記従来例にあっては、段差解消部材と洗い場床の上面との間に浸入した水がなかなか蒸発して乾燥せず、この部分にかびが発生したりするという問題があった。
【特許文献1】特開2000−337040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、段差解消部材と洗い場床の上面との間に浸入した水を簡単な構成で素早く蒸発させて乾燥させることができる浴室ドア枠における段差解消部材を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明に係る浴室ドア枠における段差解消部材は、浴室ドア枠1の下枠2と洗い場床3とのなす段差部4に配設される段差解消部材5であって、該段差解消部材5は、下枠2側の側端部の上縁部に比べて下枠2と離れる方の側端部の上縁部が低くなるようにスロープ部6を備え、段差解消部材5に上面側から下面側に連通する通気部7を形成し、該通気部7に遮水性を有し且つ水蒸気透過性を有する通気性部材8を設けて成ることを特徴とするものである。
【0006】
このような構成とすることで、段差解消部材5により浴室ドア枠1の下枠2と洗い場床3とのなす段差を緩和して浴室への出入りのためのバリアフリー化ができる。また、段差解消部材5と洗い場床3との間に水が浸入しても、この段差解消部材5と洗い場床3との間に侵入した水を通気性部材8を有する通気部7から蒸発させることができて、素早く、段差解消部材5と洗い場床3との間を乾燥させることができる。しかも、通気部7に設けた通気性部材8は遮水性を有しているので、この通気性部材8を介して水が段差解消部材5と洗い場床3との間に浸入することがない。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、上記のように、段差解消部材に上面側から下面側に連通する通気部を形成し、通気部に遮水性を有し且つ水蒸気透過性を有する通気性部材を設けてあるので、段差解消部と洗い場床の上面との間に浸入した水を簡単な構成で素早く蒸発させて乾燥させることができて、段差解消部と洗い場床の上面との間にかびが発生したりしないようにできる。また、浴室内で使う水が段差解消部材にかかるが、この段差解消部材にかかった水が通気性部材を介して段差解消部材と洗い場床との間に浸入することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0009】
段差解消部材5は浴室に設けられる浴室ドア枠1の下枠2と浴室の洗い場床3とのなす段差部4に配設されて浴室ドア枠1の下枠2と洗い場床3との間の段差を緩和するためのものである。
【0010】
段差解消部材5は下枠2と略同じ長さの細長いもので、図1に示すように段差解消部材5の下枠2側の側端部は背が高く上面が水平部9となり、該水平部9と段差解消部材5の下枠2から離れる側の側端縁部との間が下枠2から離れる程低くなるように下り傾斜したスロープ部6となっている。
【0011】
そして、図2、図3のように、段差解消部材5を浴室ドア枠1の下枠2と浴室の洗い場床3とのなす段差部4に配設して洗い場床3の上に載置した場合、段差解消部材5の下枠2側の側端部の上縁部が下枠2の洗い場床3側の上端部とほぼ同じレベルとなるようになっていると共に、下枠2と離れる方の側端部の上縁部が洗い場床3と同じレベル又は僅かに高いレベルとなるように設定してある。
【0012】
段差解消部材5には上面側から下面側に連通する通気部7が1乃至複数形成してあり、この通気部7には遮水性を有し且つ水蒸気透過性を有する通気性部材8が設けてある。
【0013】
つまり、段差解消部材5の下面側と上面側とは通気性部材8を設けた通気部7を介して水蒸気は透過させることができるが水は通さないようになっている。
【0014】
上記の構成の段差解消部材5は図2、図3のように浴室ドア枠1の下枠2と浴室の洗い場床3とのなす段差部4に配設されて下面部が洗い場床3に設置されるものであり、ここで、図示を省略しているが、段差解消部材5の下枠2側の端部に下枠2に対して係止する係止部を設け、係止部を下枠2のレール部等に着脱自在に係止するようにしてもよい。
【0015】
図2、図3のように段差解消部材5を浴室ドア枠1の下枠2と浴室の洗い場床3とのなす段差部4に配設することで、浴室への浴室ドア枠1の下枠2と浴室の洗い場床3とのなす段差を緩和してつまずくことなく浴室への出入りができることになる。
【0016】
浴室内で湯水を使うと、段差解消部材5の下面と洗い場床3との間に水が浸入するが、本発明においては、この段差解消部材5と洗い場床3との間に侵入した水を通気性部材8を有する通気部7から蒸発させることができて、素早く、段差解消部材5の下面と洗い場床3との間を乾燥させることができる。しかも、通気部7に設けた通気性部材8は遮水性を有しているので、浴室内で使用した湯水が段差解消部材5にかかっても、段差解消部材5にかかった湯水が通気性部材8を介して段差解消部材5と洗い場床3との間に浸入することがなく、また、通気部7内に水が溜まることもない。
【0017】
ところで、段差解消部材5と洗い場床3との間に浸入した水が長期間にわたって蒸発乾燥しないと、この部分にカビが発生したりするが、本発明にあっては、上記のように段差解消部材5の下面と洗い場床3との間に侵入した水を通気性部材8を有する通気部7を介して素早く蒸発させることができるので、この部分にカビが発生するのを抑制することができる。また、通気部7内にも水が溜まらないので、通気部7部分にもカビが発生したりしない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は本発明の斜視図で断面図であり、(b)は断面図である。
【図2】同上の段差解消部材を浴室ドア枠の下枠と浴室の洗い場床とのなす段差部に配設した断面図である。
【図3】同上の段差解消部材を浴室ドア枠の下枠と浴室の洗い場床とのなす段差部に配設した斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 浴室ドア枠
2 下枠
3 洗い場床
4 段差部
5 段差解消部材
6 スロープ部
7 通気部
8 通気性部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室ドア枠の下枠と洗い場床とのなす段差部に配設される段差解消部材であって、該段差解消部材は、下枠側の側端部の上縁部に比べて下枠と離れる方の側端部の上縁部が低くなるようにスロープ部を備え、段差解消部材に上面側から下面側に連通する通気部を形成し、該通気部に遮水性を有し且つ水蒸気透過性を有する通気性部材を設けて成ることを特徴とする浴室ドア枠における段差解消部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−174277(P2009−174277A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16910(P2008−16910)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(505154956)パナソニック電工バス&ライフ株式会社 (306)
【Fターム(参考)】