説明

浴槽用枕

【課題】 極めて容易に指圧子の位置変更が可能であり、ひいては入浴時においてより一層安息することができる新規な浴槽用枕を提供する。
【解決手段】 浴槽Bに形成されたフランジ部又はその近傍に設置される台座11と、上面には使用者の後頭部H又は首部の背面若しくはその近傍に当接される指圧子34が複数形成されてなる枕本体31と、を備え、上記枕本体31は、上記台座11に対して、複数の位置に選択的に取付可能とされ、又は、該台座11に対して水平状態を維持しながら180度回転させて取付可能とされてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽用枕に関し、さらに詳しくは、浴槽の上縁部に設置して入浴中に頭部及び/又は首部を当接させる浴槽用枕に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術による浴槽用の枕としては、頭部又は首部の輪郭にフィットする表面形状に形成するか、又は柔軟性素材を用いて頭部又は首部の輪郭にフィットし易くして、浴槽の上端部に載置し、入浴中に安息できる浴槽用の枕が知られている。上記浴槽用の枕においては、頭部又は首部のつぼを押圧する要素がないので、疲労回復等の施療を向上させることができなかった。そこで、この問題を解決するために、例えば、浴槽用指圧枕(特許文献1参照)が提案されている。
【0003】
この浴槽用指圧枕は、矩形の浴槽に形成されたフランジ部の上面に載置される水平支持板と、この水平支持板の前面に傾斜を成して一体的に形成された傾斜支持板とで枕体を形成し、前記水平支持板と傾斜支持板との交差部より上部の傾斜支持板部分には一対の首部指圧子を、下部の傾斜支持板部分には一対の肩部指圧子を、それぞれ幅方向可調節に且つ着脱可能に装着して構成されてなるものである。
【特許文献1】登録実用新案第3018490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された浴槽用指圧枕では、水平支持板と傾斜支持板との交差部より上部の傾斜支持板部分には一対の首部指圧子を、下部の傾斜支持板部分には一対の肩部指圧子を、それぞれ幅方向可調節に且つ着脱可能に装着して構成されるものであるから、各指圧子の位置を変更又は形状を変更する際には、一対の首部指圧子又は肩部指圧子をそれぞれ個別に位置変更する必要があった。すなわち、首部、肩部等のつぼは人により場所が異なるが、このために指圧子を位置変更するための調節に無駄な時間がかかるとともに、位置変更が面倒であるため精神的苦痛となり安息できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、従来の浴槽用枕が有する課題を解決するために提案されたものであって、極めて容易に指圧子の位置変更が可能であり、ひいては入浴時においてより一層安息することができる新規な浴槽用枕を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)に係る浴槽用枕は、浴槽に形成されたフランジ部又はその近傍に設置される台座と、上面には使用者の後頭部又は首部の背面若しくはその近傍に当接される指圧子が複数形成されてなる枕本体と、を備え、上記枕本体は、上記台座に対して、複数の位置に選択的に取付可能とされ、又は、該台座に対して水平状態を維持しながら180度回転させて取付可能とされてなることを特徴とするものである。
【0007】
この第1の発明によれば、次の二つのパターンにより、指圧子の位置を簡単に変更できる。第1のパターンは、上記枕本体を、台座に対する取付位置を変更して取り付ける方法である。すなわち、このパターンでは、特定の位置に取り付けた枕本体の取付位置を別の取付位置に変更する方法である。具体的に例を挙げると、上記台座部に凹部,貫通穴等が複数形成され、上記枕本体の下面には、これら台座部に複数形成された凹部等に選択的に挿入又は挿通される凸状部が形成されているものや、逆に枕本体の下面に凹部又は貫通穴が複数形成されてなる一方、台座の上面には、上記凹部等に選択的に挿入又は挿通される凸状部が形成されているものを挙げることができる。なお、上記複数の凹部等は、入浴中の使用者から近い位置と、使用者から離れた位置のそれぞれに形成されている必要がある。
【0008】
一方、第2のパターンは、上記枕本体を、台座に対して特定の位置に取り付けられた状態から、該枕本体の水平状態を維持しながら180度回転させた上で再度該特定の位置に取り付ける方法である。具体的に例を挙げると、枕本体と台座それぞれに形成された凸状部と凹部等が、入浴中の使用者からは同じ距離の一定の位置に形成されている一方、枕本体の上面に形成されている指圧子の形成位置は、該枕本体の中央からややずれた位置とされるものを挙げることができる。こうした構成とすることにより、台座に対して特定の位置に取り付けられた状態から、該枕本体の水平状態を維持しながら180度回転させた上で再度該特定の位置に取り付けることにより、指圧子の位置が簡単に変更できる。
【0009】
したがって、上述した第1の発明によれば、極めて簡単に、台座に対する枕本体の取付状態を変更することができ、この結果、枕本体に形成された指圧子の位置を、使用者の望む位置に変更することが可能となる。なお、上記枕本体に形成された指圧子は、複数形成されていれば良く、またその形状も特に限定されるものではない。また、枕本体に対する指圧子の配置位置は、特に限定されるものではないが、後頭部又は首部の背面に形成されたツボ、特に天柱若しくは風池と称される各ツボに対応する位置に形成されていることが望ましい。また、ここでは特に枕本体に対する指圧子の配置について述べたが、この指圧子は枕本体とともに台座にも形成するものとしても良く、この場合台座には、亜門や風府に対応する位置に形成するものとしても良い。また、上記台座及び枕本体の素材は、木,金属或いは陶磁器等使用することができ、特に限定されるものではない。
【0010】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、第1の発明において、前記枕本体の上面に形成された複数の指圧子の少なくとも一部の指圧子は、入浴中の使用者の後頭部又は首部若しくはその近傍に対して略垂直に当接する角度とされてなることを特徴とするものである。
【0011】
上記第2の発明では、枕本体の上面に形成された複数の指圧子の少なくとも一部の指圧子は、入浴中の使用者の後頭部又は首部若しくはその近傍に対して略垂直に当接する角度とされてなる構成にしたので、使用者は、無理な体勢を取ることなく指圧子により後頭部や首部を押圧することができる。なお、使用者は一人一人体形が異なることから、一つの枕本体のみでは指圧子が全ての使用者の後頭部又は首部に対して略垂直に当接する角度とされるとは限らない。このため、台座に枕本体を固定する際の該枕本体の該台座に対する角度を変えられるものとすることにより、該枕本体に形成されてなる指圧子の角度も変えられるものとし、したがって使用者が後頭部又は首部若しくはその近傍に対して略垂直に当接するように調節することができるものとしても良いが、この場合に該枕本体の該台座に対する角度を変える方法は限定されるものでは無い。さらに、指圧子の角度がそれぞれ異なる複数の枕本体を用い、これら複数の枕本体の中から使用者の後頭部又は首部若しくはその近傍に対して略垂直に当接する角度とされてなる物を選択できるものとしても良い。
【0012】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の発明において、前記枕本体の下面には、一又は複数の凸状部が形成されてなる一方、前記台座には、上記凸状部が挿通又は挿入される凹部又は貫通穴が形成されてなることを特徴とするものである。
【0013】
この第3の発明では、台座には凹部又は貫通穴が形成されており、凸状部が形成されているものではないことから、使用者は、枕本体を使用することなく、台座のみを使用して後頭部を支持させることができ、また、上記第1の発明でも述べたようにこの浴槽用枕では、枕本体を180度回転させて取り付けることができることもでき、使用者の疲労の程度やその時の気分に応じた極めてバリエーションの広い浴槽用枕とすることができる。
【0014】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第3の発明において、前記台座に形成された複数の凹部又は貫通穴は、それぞれ鉛直方向に対して異なる傾斜角度とされてなることを特徴とするものである。
【0015】
この第4の発明では、台座に形成された複数の凹部又は貫通穴は、それぞれ鉛直方向に対して異なる傾斜角度とされてなることから、これらの凹部等に枕本体に形成された凸状部を選択的に挿入又は挿通させることにより、指圧子を、使用者に対して最も効果的な角度に変更することができ、さらにバリエーションが広く、より一層使い勝手の良い浴槽用枕とすることができる。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明(請求項1記載の発明)に係る浴槽用枕では、上述の通り、二つのパターンにより指圧子の位置を簡単に変更できるようにしたので、極めて簡単に、台座に対する枕本体の取付状態を変更することができ、この結果、枕本体に形成された指圧子の位置を、使用者の望む位置に容易に変更することが可能となり、入浴時においてより一層安息することができる。
【0017】
第2の発明(請求項2記載の発明)に係る浴槽用枕では、枕本体の上面に形成された複数の指圧子の少なくとも一部の指圧子は、入浴中の使用者の後頭部又は首部若しくはその近傍に対して略垂直に当接する角度とされてなるように構成し、使用者は、無理な体勢を取ることなく指圧子により後頭部や首部を押圧することができるので、快感度や疲労回復等の向上を図ることができる。
【0018】
第3の発明(請求項3記載の発明)に係る浴槽用枕では、台座には凹部又は貫通穴が形成されており、凸状部が形成されているものではないことから、使用者は、枕本体を使用することなく、台座のみを使用して後頭部を支持させることができ、使用者の疲労の程度やその時の気分に応じた極めてバリエーションの広い浴槽用枕とすることができるので、快感度の向上を図ることができる。
【0019】
第4の発明(請求項4記載の発明)に係る浴槽用枕では、台座に形成された複数の凹部又は貫通穴は、それぞれ鉛直方向に対して異なる傾斜角度とされてなることから、これらの凹部等に枕本体に形成された凸状部を選択的に挿入又は挿通させることにより、指圧子を、使用者に対して最も効果的な角度に変更することができ、さらにバリエーションが広く、より一層使い勝手の良い浴槽用枕とすることができるので、快感度や疲労回復等の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る浴槽用枕について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
この発明の実施の形態に係る浴槽用枕1は、図1に示す台座11と枕本体31とから構成されている。上記台座11は、各辺及び各角部に曲線及び曲面が多用された略直方体状とされている。また、この台座11の上面は、滑らかな曲面とされ、特に、上面の中心から四隅の角にかけて僅かに盛り上がる形状とされており、このため、上面の中心は使用者の後頭部H(図4(b)参照)の載置に適した凹部となっている。なお、この上面の中心から四隅の角への盛り上がりについては、図2及び図3に示すように、この台座11の正面A側よりも背面側の方がより盛り上がりが大きくされている。このため、この浴槽用枕1では、上記枕本体31を用いずにこの台座11上に直接使用者の後頭部Hを載置した場合でも、該使用者の後頭部Hは適宜傾斜されながら支持される。また、台座11の上面及び下面間を貫通する穴として、図1に示すように開口12,13,14,15と、脚取付穴16,17,18,19が形成されている。これらのうち開口12,13,14,15は、開口12,13及び開口14,15がそれぞれ一組となって後述する枕本体31の2つの本発明の凸状部である突子38,39が挿入される箇所であって、この挿入によって該枕本体31は上記台座11上での取り付けがされる。なお、この開口12,13,14,15は、第3の発明を構成する貫通穴である。また、脚取付穴16,17,18,19は、脚部材21,22,23,24が螺合されて取り付けられる穴であって、該脚取付穴16,17,18,19内には該脚部材21,22,23,24の外周の後述する雄ねじに螺合する図示しない雌ねじが螺刻されている。また、脚部材21,22,23,24は、下端は径が大きい短円柱状とされるとともに、該下端の部分より上方に向けて下端部よりも径が細くされた円柱状とされ、また、この円柱状部外周には雄ねじが螺刻されたボルト状の部材とされている。このため、使用者は上記脚部材21,22,23,24の上端を上記脚取付穴16,17,18,19内に挿入し、該脚部材21,22,23,24を回転させることで脚取付穴16,17,18,19内に該脚部材21,22,23,24を螺合することができる。なお、上記脚部材21,22,23,24を回転させることで該脚部材21,22,23,24それぞれの台座11下面からの突出量を変えることができるため、後述するように、該台座11を例えば図4に示すような水平な状態で載置するように調節することができる。
【0022】
また、枕本体31は、図1又は図2に示すように、下面が台座11の上面と略相似して左右へ延設された本体部37と、この本体部37の凹部36を挟んで左右それぞれに突出して上面が楕円形状に形成された当接面32,33と、該当接面32,33上に多数突設され使用者の後頭部H(図4(a)参照)に当接する指圧子34と、前記本体部37の左右両端それぞれより垂下する突子38,39とにより構成されている。上記当接面32,33は、何れも上記本体部37の上方に左右方向に並列して突設されており、図1に示す左側に位置する当接面32の上面は右側へ(当接面33側へ)と傾斜し、右側に位置する当接面33の上面は左側へ(当接面32側へ)と傾斜し、同時に、上記台座11の図3に示すように正面A側に向けての傾斜もしている。すなわちこの枕本体31は、上記当接面32,33の上面が該上面の法線方向と突子38,39とが傾斜角度(図3中に示す角度θ)をなして形成されている。このため、これら当接面32,33上に使用者が後頭部Hを載置した場合(図4(a)参照)には、該使用者の後頭部Hは、これら当接面32,33により左右両側からと、上記台座11の正面側とに向けて自然に傾斜した状態とともに、上記指圧子34の少なくとも一部は、使用者の後頭部若しくはその近傍に対して略垂直に当接するものとなっており、したがって、使用者は無理なく自然体の姿勢で安息して浴槽用枕1を使用することができる。また、上記当接面32,33の上面上には、多数の指圧子34が突設されており、該当接面32,33上に使用者が後頭部Hを当接することにより、使用者は安息しながら該指圧子34による後頭部Hへの刺激を受けることができる。また、上記突子38,39は、上述の通り上記本体部36の左右両端より互いに平行に下方に向けて突出するように形成されており、また、この突子38,39は、上記開口12,13,14,15内に着脱自在に挿入できる径の大きさとされている。このため、使用者は、上記台座11の開口12,13により位置決めされる設置位置又は開口14,15により位置決めされる設置位置の何れかを適宜選択し、これら開口内に上記突子38,39を挿入することにより、上記枕本体31を上記台座11上に位置決めして取り付けることができる。
【0023】
次に、使用者が入浴時にこの浴槽用枕1を使用する方法について説明する。先ず使用者は、図4(a)に示すように、この浴槽用枕1を用いて入浴する浴槽Bのフランジ部又は近傍に、上記台座11を載置する。この際、使用者は上記脚部材21,22,23,24をそれぞれ適宜回転することにより、台座11の下面からの該脚部材21,22,23,24が突出する長さを調節することができ、これにより該台座11を略水平状として載置できる。そして、上記台座11の開口12,13又は開口14,15の何れかの中に上記枕本体31の突子38,39を挿入し、上記台座11上へ枕本体31を位置決めする。つまり、使用者は枕本体31を台座11に対して、複数の位置である開口12,13又は開口14,15に選択的に取り付け可能とされている。なお、これは上述の第1の発明の説明で挙げた第1のパターンに相当する。以上の作業によりこの浴槽用枕1の使用の準備は完了し、図4(a)に示すように、使用者は該浴槽用枕1の枕本体31上の指圧子34に後頭部Hを当接させ、浴槽Bで安息しながら入浴を楽しむことができる(なお、この図4(a)では、枕本体31を図3に示す開口12,13内に挿入した場合を例示している。)。この場合、使用者の後頭部Hのツボには、上記枕本体31の当接面32,33の表面上に形成された指圧子34が当接することから、使用者はこの指圧子34の当接による刺激により、よりリラックスすることができるととともに、疲労回復等の施療をすることができる。なお、上記突子38,39を挿入する先を上記開口12,13又は開口14,15の何れにするか、或いは、使用者が上記枕本体31を用いる事無く直接台座11上へ後頭部Hを当接させるかは、使用者が後頭部Hを台座11上又は枕本体31上に載置した際の感覚の好みに応じ、その好みで適宜使用者が選択することができる。なお、図4(b)は、枕本体31を用いる事無く直接台座11上へ後頭部Hを当接した状態を示しており、使用者が上記指圧子34の当接の刺激を要しない場合には、この図4(b)に示すように枕本体31を用いずに台座11上に直接後頭部Hを載置しても良い。また、使用者は、図示は省略するが、上記脚部材21,22,23,24それぞれの台座11の下面から突出する長さを適宜変えることにより、該台座11に傾斜をつけることも可能であり、これにより該台座11(ひいては該台座11上に載置された枕本体31)の角度を自己が快適に安息して入浴することができるように調節することもできる。すなわち、例えば、上記脚部材23,24の台座11下面からの突出する長さを脚部材21,22よりも長くした場合には、上記当接面32,33(或いは上記台座11)をより正面側に傾斜させることができ、使用者が自身が快適に感じるような角度で指圧子34が自己の後頭部Hに当接するようにすることができる。また、枕本体31の傾斜の方向を台座11の正面A側又は背面側に変えることは、台座11(の開口12,13又は14,15)と枕本体31(の突子38,39)の組み合わせによってもできるが、上記のように脚部材21,22,23,24それぞれの台座11の突出の長さを変えた場合には、該台座11及び枕本体31の傾斜の方向を左右の方向にも変えることができ、使用者はより好みに応じた傾斜に変えることができる。また、使用者が入浴を終え、この浴槽用枕1を所定の場所に収納する場合には、浴槽Bの外周端部又は近傍より上記台座11及び枕本体31を取り除けば良く、上記脚部材21,22,23,24が該台座11から突出していることが収納時に邪魔であれば、これら脚部材21,22,23,24を適宜回転させることで該脚部材21,22,23,24の突出する長さを減らすか、台座11から脚部材21,22,23,24を分離して収納に適した状態としてもよい。
【0024】
なお、上述した図4に示す浴槽用枕1の使用例では、枕本体31を正面側に向けて傾斜した状態で台座11上に載置しているが、使用者の好みに応じて、図5に示すように該枕本体31を正面Aの背面側に向けて傾斜した状態で台座11上に載置しても良い。すなわち、先に図3により示した状態と比べ、枕本体31を水平状態を維持しながら180度回転させた上で再度取り付けても良い。なお、これは上述の第1の発明の説明で挙げた第2のパターンに相当する。また、上述の通り上記枕本体31の構成は、上記当接面32,33が上記突子38,39に対して傾斜角度(図3に示す角度θ)をつけられて形成されており、これにより該枕本体31を上記台座11上に載置した際に使用者の後頭部Hに対して略垂直に当接するが、このように使用者の後頭部Hに対して該突子38,39を使用者の後頭部Hに対して略垂直に当接させるための構成は、このような浴槽用枕1の構成に限るものではない。すなわち、図6に示す浴槽用枕51のように、台座61に、開口62,63,64を鉛直方向に対して異なる傾斜角度θa又はθbをつけて形成するものとしても良い。このような構成とした場合にも、使用者は、上記浴槽用枕51を構成する枕本体71の台座61に対する位置決めを開口62,63又は64の何れにより行うかを適宜選択することにより、該枕本体71の当接面73(及び該当接面73上に形成された符号を省略した指圧子)の傾斜の角度を突子78,79とともに変更することができる。また、上記浴槽用枕1を構成する枕本体31は、上述の通り2つの当接面32,33上に多数の指圧子34が形成されるものとしているが、この発明の浴槽用枕を構成する枕本体は上記の形状に限られるものではない。すなわち、図7に示す枕本体81のように、複数ではなく単一の当接面82のみを備えるものとしても良く、また、この当接面82上に形成される指圧子83の数や位置も特に限定されるものでは無い。つまり、指圧子83の位置を使用者のツボの位置に合わせるように設定しても良く、この枕本体81を構成する指圧子83は、特に、使用者の後頭部に位置する天柱や風池というツボに対応した箇所に位置している。このため、使用者が後頭部Hをこの枕本体81上に載置し、特に上記指圧子83を上記の天柱や風池といったツボに当て、さらに使用者が後頭部Hを該枕本体81の当接面82上に加圧することにより、これらのツボを押圧することができ、使用者は入浴中に安息しつつ上記のツボの押圧による施療効果を得ることができる。なお、ここでは天柱や風池を押圧する指圧子が枕本体81に形成されている場合について説明したが、枕本体81に形成される指圧子はこのように天柱や風池に対応するものと限らず、更に別のツボに対応する箇所に形成しても良い。また、詳細は省略するが、本発明の浴槽用枕の台座に指圧子を形成しても良く、特にこの台座に形成する台座は亜門や風府に対応する箇所に位置するものとしても良い。また、上述した浴槽用枕1又は51を構成する台座11又は61や枕本体31,71又は81は、どのような素材からなるものであっても良く、木から削りだして作成されたものであっても良く、或いは、合成樹脂からなるものであっても良い。なお、ここに挙げた実施の形態では、何れも使用者の後頭部に枕本体を当接するものとして説明したが、この枕本体は使用者の首部の背面又はその近傍に当接するものとしても当然かまわない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る浴槽用枕を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る浴槽用枕を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る浴槽用枕を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る浴槽用枕の使用する際の状態を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る浴槽用枕の別の使用の方法を示す側面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る別の浴槽用枕を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る枕本体を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 浴槽用枕
11 台座
12,13,14,15 開口
31 枕本体
34 指圧子
38,39 突子
51 浴槽用枕
61 台座
62,63,64 開口
71 枕本体
81 枕本体
83 指圧子
B 浴槽
H 後頭部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽に形成されたフランジ部又はその近傍に設置される台座と、
上面には使用者の後頭部又は首部の背面若しくはその近傍に当接される指圧子が複数形成されてなる枕本体と、を備え、
上記枕本体は、上記台座に対して、複数の位置に選択的に取付可能とされ、又は、該台座に対して水平状態を維持しながら180度回転させて取付可能とされてなることを特徴とする浴槽用枕。
【請求項2】
前記枕本体の上面に形成された複数の指圧子の少なくとも一部の指圧子は、入浴中の使用者の後頭部又は首部若しくはその近傍に対して略垂直に当接する角度とされてなることを特徴とする請求項1記載の浴槽用枕。
【請求項3】
前記枕本体の下面には、一又は複数の凸状部が形成されてなる一方、前記台座には、上記凸状部が挿通又は挿入される凹部又は貫通穴が形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかの浴槽用枕。
【請求項4】
前記台座に形成された複数の凹部又は貫通穴は、それぞれ鉛直方向に対して異なる傾斜角度とされてなることを特徴とする請求項3記載の浴槽用枕。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−73109(P2008−73109A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−253214(P2006−253214)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(506316269)株式会社なるも商会 (1)
【Fターム(参考)】