説明

海水の浸透取水システム及び海水の浸透取水方法

【課題】海水を浸透取水する設備の建設費用を安く抑えることができる海水の浸透取水システム及び海水の浸透取水方法を提供する。
【解決手段】海水を浸透させて取水する海水の浸透取水システムであって、海岸近傍に所定の高さに設置されて、海岸線との間に外水域4から区画された内水域5を形成する保持体11と、保持体11の内側の海底地盤6上に濾過材14を所定の厚さで堆積させることにより形成される所定の濾過層13と、濾過層13と陸地25の間に設けられ、濾過層13で浸透濾過された海水を取水する取水手段15とを備え、取水手段15により、濾過層13で浸透濾過された海水を取水する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水の浸透取水システム及び海水の浸透取水方法に関し、特に、海岸近傍の海水を浸透濾過させて取水する海水の浸透取水システム及び海水の浸透取水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の海水の浸透取水システム及び海水の浸透取水方法の一例として、特許文献1には、海水、河川水、湖沼水等の水を、浸透式取水口の構造を用いて浸透させることによって取水するように構成した浸透取水方法が開示されている。
【0003】
すなわち、この浸透取水方法に用いられる浸透式取水口の構造は、海底を掘削して円錐台形状の取水部を形成し、この取水部の底部中央に略円筒状の集水槽を立設し、この集水槽の周囲に複数の集水管を放射状に配置して、各集水管の一端をそれぞれ集水槽に接続し、地上に配置した取水装置と集水槽との間を取水管で接続し、取水部に、透砂層、フィルター層、遮水シート、及び埋設層をそれらの順に積層して構成したものである。
【0004】
そして、このような構成の浸透式取水口の構造の埋設層、遮水シート、フィルター層、及び透砂層を浸透させた海水等を集水管で集水し、集水管から集水槽に導き、集水槽から取水管を介して地上の取水設備に導くことにより、生活用水等として利用することができるものである。
【特許文献1】特開平4−47037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような構成の浸透式取水口の構造を用いた浸透取水方法にあっては、浸透式取水口を建設する場合に、海底を円錐台形状に掘削して取水部を形成し、その取水部に透砂層、フィルター層、遮水シート、及び埋設層をそれらの順に積層しなければならないため、建設に時間と手間がかかり、建設費用が高くついてしまう。また、海底を掘削して取水部を形成しているために、取水部を構成する透砂層、フィルター層、遮水シート、及び埋設層が海面から離れて位置することになり、このため、潮の流れによって透砂層、フィルター層及び埋設層を効率良く攪拌することができず、短期間で目詰まりが生じてしまい、初期の浸透濾過性能を長期的に維持することができず、取水能力が短期間で低下してしまう。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、建設費用を安く抑えることができるとともに、初期の浸透濾過性能を長期的に維持することができて、長期的に一定の取水能力が得られる海水の浸透取水システム及び海水の浸透取水方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、請求項1に係る発明は、海水を浸透させて取水する海水の浸透取水システムであって、海岸近傍に所定の高さに設置されて、海岸線との間に外水域から区画された内水域を形成する保持体と、該保持体の内側の海底地盤上に濾過材を所定の厚さで堆積させることにより形成される所定の濾過層と、該濾過層と陸地の間に設けられ、該濾過層で浸透濾過された海水を取水する取水手段とを備え、前記取水手段により、前記濾過層で浸透濾過された海水を取水することを特徴とする。
【0008】
本発明による海水の浸透取水システムによれば、海岸近傍に保持体を設置し、保持体の内側の内水域の海底地盤上に濾過材を堆積させて所定の厚さの濾過層を形成し、濾過層と陸地との間に取水手段を設けるだけでよいので、設備の建設に要する時間と手間を削減することができ、建設費用を安く抑えることができる。また、濾過層の上面に潮の流れあるいは波浪による流れを効率良く作用させることができるので、その流れによって濾過層の表層を攪拌することができ、濾過層の主に表層の濾過物による目詰まりを防止でき、濾過層の初期の浸透濾過性能を長期的に維持することができ、長期的に一定の取水能力が得られることになる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の海水の浸透取水システムであって、前記濾過材は、砂からなることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の海水の浸透取水システムであって、前記取水手段は、前記濾過層の下部に埋設されるとともに、前記濾過層で浸透濾過された海水を取水する取水管と、該取水管で取水した海水を一旦貯留する貯留槽と、該貯留槽に貯留させた海水を汲み上げるポンプとを備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れかに記載の海水の浸透取水システムであって、前記保持体の沖合に、礫間接触酸化機能を有する浄化提を、前記保持体を囲むように所定の高さで設置したことを特徴とする。
【0012】
本発明による海水の浸透取水システムによれば、海水が浄化提を透過することにより、海水に含まれる大腸菌等の細菌類の含有量が低減され、この海水が保持体を越えて濾過層で浸透濾過され、更に大腸菌等の細菌類の含有量が低減され、この海水が取水手段によって取水されることになる。
【0013】
請求項5に係る発明は、海水を浸透させて取水する海水の浸透取水方法であって、海岸近傍に所定の高さの保持体を設置して、該保持体と海岸線との間に外水域から区画された内水域を形成し、該内水域の海底地盤上に濾過材を所定の厚さで堆積させることにより所定の厚さの濾過層を形成し、該濾過層と陸地の間に取水手段を設け、該取水手段により前記濾過層で浸透濾過された海水を取水することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、本発明の海水の浸透取水システム及び海水の浸透取水方法によれば、海岸近傍に保持体を設置し、保持体の内側に濾過材を堆積させて濾過層を形成し、濾過層と陸地との間に濾過層で浸透濾過された海水を取水する取水手段を設ければよいので、海底の地盤を掘削する必要がなくなる。従って、設備の建設に要する時間と手間を削減することができ、建設費用を安く抑えることができる。また、濾過層により、海水に含まれる大腸菌等の細菌類の含有量を低減させ、この細菌類の含有量を低減させた海水を取水手段により取水して地上の取水設備に導くことができるので、取水設備で淡水化処理や殺菌等を行う際の負荷を軽減させることができる。さらに、浄化提を設置することにより、浄化提でも海水に含まれる細菌類の含有量を低減させることができるので、更に取水設備の負荷を軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図3には、本発明による海水の浸透取水システム及び海水の浸透取水方法の一実施の形態が示されていて、図1は海水浄化施設の全体を示す概略平面図、図2は図1の海水浄化施設の鉛直断面図、図3は図1の海水浄化施設の部分平面図である。
【0016】
すなわち、本実施の形態の海水の浸透取水システム及び海水の浸透取水方法は、海岸近傍の海水を取水して生活用水等として利用するのに有効なシステム及び方法であって、海水浄化施設1を用いて海水の浸透取水を行うように構成したものである。
【0017】
海水浄化施設1は、第1海水浄化設備2と第2海水浄化設備10とを備えており、この第1海水浄化設備2と第2海水浄化設備10との協働により、海岸近傍の海水に含まれる大腸菌等の細菌類の含有量が低減され、この海水が後述する取水手段15によって取水され、取水設備30に導かれて所定の処理が施される。
なお、第1海水浄化設備2は、海岸近傍の海水に含まれる細菌類の含有量が低い場合には設ける必要はないものである。
【0018】
第1海水浄化設備2は、海岸近傍の沖合と海岸線との間に設けられ、この第1海水浄化設備2によって海岸近傍に外水域4から区画された内水域5が形成され、この内水域5の陸側の部分に後述する第2海水浄化設備10が設けられる。
【0019】
第1海水浄化設備2は、海岸近傍の沖合と海岸線との間の海底地盤6上に、礫や砕石等を台形状等に所定の高さに積み上げて両端を海岸線まで延出させ、海岸近傍の沖合と海岸線との間に平面視で円弧形状、コ形状等に形成した浄化提3により構成され、潮の干満に関わらずに上端が海面から上方に所定の長さ突出するように、浄化提3の高さが設定されている。
【0020】
第1海水浄化設備2を構成する浄化提3には、礫や砕石等によって礫間接触酸化機能が付与され、この礫間接触酸化機能により、外水域4からの海水が浄化提3を透過して内水域5に移動する際に、その海水に含まれる大腸菌等の細菌類が礫や砕石等の表面に付着して捕捉され、大腸菌等の細菌類の含有量が低減された海水が内水域5に移動し、この海水が第2海水浄化設備10に作用する。なお、浄化提3は、礫や砕石に限らず、礫間接触酸化機能を付与できるものであればよい。また、浄化提3を複数本設置して、第1海水浄化設備2を構成してもよい。
【0021】
第2海水浄化設備10は、浄化提3と海岸との間に設けられる保持体11と、保持体11の内側(陸側)の海底地盤6上に設けられる濾過層13と、濾過層13の下部と陸地25との間に設けられる取水手段15とを備えている。
【0022】
保持体11は、浄化提3の内側(陸側)の海底地盤6上に礫や砕石等を略台形状に積み上げ、図1に示すように、両端を海岸線まで延出させることにより平面視で円弧形状、コ形状等(図1ではコ形状)に形成したものであって、この保持体11によって内水域5の陸側の部分に円弧形状、コ形状等に区画された取水区域12が形成され、この取水区域12の海底地盤6上に濾過層13が形成される。
【0023】
なお、保持体11は、内水域5の陸側の部分に取水区域12を周囲から区画した状態で形成し、かつ、取水区域12に後述する濾過層13を保持できるものであれば特に制限はなく、コンクリートブロック等を積み上げて形成してもよいし、コンクリートを打設することによって一体に形成してもよい。
【0024】
保持体11は、潮の干満に関わらずに濾過層13の上面が常に海面下に位置するように、高さが設定されている。このような高さに保持体11を設定することにより、濾過層13の上面に潮の干満による流れあるいは波浪による流れを十分に作用させて濾過層13の表層を攪拌することができるので、濾過層13の主に表層の濾過物による目詰まりを防止でき、濾過層13の初期の浸透濾過性能を長期的に維持することができる。
【0025】
濾過層13は、保持体11の内側の取水区域12の海底地盤6上に、保持体11の上面と面一となるように、濾過材14を所定の厚さで堆積させて形成した所定の厚さを有するものであって、この濾過層13によって保持体11を越えて取水区域12に流れ込む第1海水浄化設備2からの海水が浸透濾過され、海水に含まれる大腸菌等の細菌類の含有量が更に低減される。
【0026】
なお、本実施の形態においては、濾過層13の厚さを1m程度に設定している。但し、これに限定することなく、海底地盤6の地形等に応じて厚さを任意の値に設定することができる。
【0027】
本実施の形態においては、濾過材14として所定の粒度の砂を使用し、保持体11の内側の取水区域12の海底地盤6上に砂を所定の厚さで堆積させることにより所定の厚さの濾過層13を形成している。濾過層13で海水を浸透濾過させることにより、海水に含まれる大腸菌等の細菌類が濾過材14の表面に付着して捕捉され、細菌類の含有量が低減された海水が後述する取水手段15によって取水される。濾過材14の表面に付着して捕捉された細菌類は、濾過材14の表面に付着している微生物によって分解される。
【0028】
なお、濾過材14は、海水を浸透濾過させて、海水に含まれる大腸菌等の細菌類を捕捉できるものであれば特に制限はなく、他の周知の濾過材を堆積させて濾過層13を形成してもよい。
また、濾過材14として砂を使用して濾過層13を形成した場合に、潮の流れあるいは波浪による流れによって濾過層13が浸食される虞がある場合には、保持体11の背後の濾過層13の表面に濾過材14の流出防止用のネットを設けてもよい。
さらに、保持体11及び濾過層13を設ける海底地盤6上に、細粒分の多い底質が存在する場合には、海底地盤6上に予め遮水シートを敷設して底質を覆い、その後に遮水シートの上部に保持体11及び濾過層13を設けるようにしてもよい。
【0029】
取水手段15は、濾過層13で浸透濾過された海水を取水する取水管16と、取水管16で取水した海水を一旦貯留させる貯留槽21と、貯留槽21に貯留させた海水を汲み上げるポンプ20とを備え、ポンプ20の作動により、貯留槽21に貯留させた海水が陸地25の取水設備30に導かれ、取水設備30で淡水化処理、殺菌処理等が施されて生活用水等として利用される。
【0030】
取水管16は、濾過層13の下部に保持体11に沿って所定の間隔ごとに並列に埋設される多孔管からなる複数の取水枝管17と、複数の取水枝管17の保持体11側の一端間を接続する集合管18と、濾過層13の下部と陸地25との間に埋設されるとともに、一端が集合管18に接続され、他端が貯留槽21の底部に接続される取水親管19とを備え、各取水枝管17で取水された海水が集合管18及び取水親管19を介して貯留槽21の底部に導かれ、貯留槽21に一旦貯留される。
【0031】
各取水枝管17の周囲には、各取水枝管17を包囲するように礫23が敷き詰められ、この礫23によって各取水枝管17の各孔が濾過材14によって閉塞されるのを防止するとともに、各孔を介して各取水枝管17の内部に海水と一緒に濾過材14が流入するのを防止している。
【0032】
貯留槽21の底部にはポンプ20が設けられ、このポンプ20によって貯留槽21に一旦貯留された海水が汲み上げられて陸地25に設置されている取水設備30に圧送され、取水設備30で淡水化処理、殺菌等の処理が施された後に生活用水等として利用される。
【0033】
次に、上記のように構成した本実施の形態による海水の浸透取水方法の作用について説明する。
まず、外水域4の海水が海水浄化施設1の第1海水浄化設備2の浄化提3を透過することにより、その海水に含まれる大腸菌等の細菌類が浄化堤3の礫や砕石等の表面に付着して捕捉され、細菌類の含有量が低減された海水が内水域5に移動する。
【0034】
そして、内水域5に移動した海水は、第2海水浄化設備10の保持体11を越えて取水区域12に流れ込むことにより、取水区域12の濾過層13で浸透濾過され、この際に、海水に含まれる大腸菌等の細菌類が濾過材14の表面に付着して捕捉され、細菌類の含有量が更に減少された海水が取水手段15の取水枝管17に取水され、集合管18及び取水親管19を介して貯留槽21に導かれ、貯留槽21に一旦貯留される。貯留槽21に貯留された海水は、ポンプ20の作動により汲み上げられて陸地25の取水設備30に導かれ、取水設備30で淡水化処理、殺菌処理等が施され、生活用水等として利用される。
【0035】
なお、濾過層13の表面には、沖から陸方向又は陸から沖方向に向かう潮の流れあるいは波浪による流れが常時作用しているので、その流れによって濾過層13の表層が攪拌されることになるので、濾過層13の表層が濾過物による目詰まりを起こして浸透濾過性能が低下するようなことはなく、初期の浸透濾過性能を長期的に維持することができる。
【0036】
以上、説明したように、本実施の形態による海水の浸透取水システム及び海水の浸透取水方法にあっては、第1海水浄化設備2と第2海水浄化設備10とからなる海水浄化施設1を用い、海岸近傍の海水を、第1海水浄化設備2の浄化提3を透過させることにより大腸菌等の細菌類の含有量を低減させ、この細菌類の含有量を低減させた海水を第2海水浄化設備10の濾過層13で浸透濾過させることにより更に細菌類の含有量を減させ、この後に、取水手段15によって取水して、陸地25の取水設備30に導くように構成したので、取水設備30で淡水化処理、殺菌等を行う際の負荷を軽減させることができる。
【0037】
また、海岸近傍に、浄化提3からなる第1海水浄化設備2と、保持体11と濾過層13と取水手段15とからなる第2海水浄化設備10とからなる海水浄化施設1を建設すればよいので、設備の建設に要する時間と手間を削減することができ、建設費用を安く抑えることができる。
【0038】
さらに、第1海水浄化設備2の浄化提3で細菌類の含有量を低減させた海水を第2海水浄化施設10の濾過層13で浸透濾過させているので、濾過層13の負荷を軽減させることができ、濾過層13の目詰まりによる機能低下を抑制できる。
【0039】
なお、本実施の形態においては、外水域4の海水のふん便性大腸菌群数は数万個/100mlであったが、第1海水浄化設備2の浄化提3を透過させることにより、内水域5の海水のふん便性大腸菌群数を数千個/100mlに低減させることができた。また、第2海水浄化設備10の濾過層13で浸透濾過させることにより、取水手段15で取水する海水のふん便性大腸菌の群数を数百個/100mlまで低減させることができた。従って、取水設備30の殺菌処理等に要する負荷を大幅に低減させることができた。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明による海水の浸透取水システム及び海水の浸透取水方法に用いる海水浄化施設の全体を示した概略平面図である。
【図2】図1の海水浄化施設の鉛直断面図である。
【図3】図1の海水浄化施設の第2海水浄化設備の部分平面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 海水浄化施設
2 第1海水浄化設備
3 浄化提
4 外水域
5 内水域
6 海底地盤
10 第2海水浄化設備
11 保持体
12 取水区域
13 濾過層
14 濾過材
15 取水手段
16 取水管
17 取水枝管
18 集合管
19 取水親管
20 ポンプ
21 貯留槽
23 礫
25 陸地
30 取水設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水を浸透させて取水する海水の浸透取水システムであって、
海岸近傍に所定の高さに設置されて、海岸線との間に外水域から区画された内水域を形成する保持体と、該保持体の内側の海底地盤上に濾過材を所定の厚さで堆積させることにより形成される所定の濾過層と、該濾過層と陸地の間に設けられ、該濾過層で浸透濾過された海水を取水する取水手段とを備え、
前記取水手段により、前記濾過層で浸透濾過された海水を取水することを特徴とする海水の浸透取水システム。
【請求項2】
前記濾過材は、砂からなることを特徴とする請求項1に記載の海水の浸透取水システム。
【請求項3】
前記取水手段は、前記濾過層の下部に埋設されるとともに、前記濾過層で浸透濾過された海水を取水する取水管と、該取水管で取水した海水を一旦貯留する貯留槽と、該貯留槽に貯留させた海水を汲み上げるポンプとを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の海水の浸透取水システム。
【請求項4】
前記保持体の沖合に、礫間接触酸化機能を有する浄化提を、前記保持体を囲むように所定の高さで設置したことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の海水の浸透取水システム。
【請求項5】
海水を浸透させて取水する海水の浸透取水方法であって、
海岸近傍に所定の高さの保持体を設置して、該保持体と海岸線との間に外水域から区画された内水域を形成し、該内水域の海底地盤上に濾過材を所定の厚さで堆積させることにより所定の厚さの濾過層を形成し、該濾過層と陸地の間に取水手段を設け、該取水手段により前記濾過層で浸透濾過された海水を取水することを特徴とする海水の浸透取水方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−144525(P2008−144525A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335019(P2006−335019)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】