説明

浸漬型膜分離装置および膜カートリッジ

【課題】膜カートリッジを容易にケーシング内から抜き出すことができ、装置上方のスペースの高さを低く抑えることが可能な浸漬型膜分離装置を提供する。
【解決手段】ケーシング33の内部に複数の膜カートリッジ34が着脱自在に設けられ、膜カートリッジ34の下方に散気装置が設けられ、ケーシング33の側部に、膜カートリッジ34を幅方向Aから出し入れ可能な側部開口部45aが形成され、側部開口部45aを閉じるサイドパネル39aがケーシング33の側部に着脱自在に取付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば処理槽内の被処理液に浸漬して設置される浸漬型膜分離装置、および、このような浸漬型膜分離装置に備えられる膜カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の浸漬型膜分離装置としては、図28〜図30に示すように、処理槽内に浸漬され、活性汚泥と処理水とを分離するものがある。浸漬型膜分離装置1は、上下が開口した箱型のケーシング2と、ケーシング2内に互いに平行に配列された複数の縦長の膜カートリッジ3と、膜カートリッジ3の下方に設けられた散気装置4とを有している。
【0003】
膜カートリッジ3の上端辺には、膜濾過によって得られる処理水を吸引するための取水ノズル6が設けられている。ケーシング2の左右内側面には上下方向に長い複数のスリット12が形成され、各膜カートリッジ3は、両側部が上方からスリット12に差し込まれた状態で、所定間隔をあけて、ケーシング2内に保持されている。
【0004】
ケーシング2の上部開口部7の一側方には、上記処理水を集める集水管8が設けられており、集水管8と各膜カートリッジ3の取水ノズル6とが接続管9を介して接続されている。また、集水管8には処理水を導出する導出管15が接続され、導出管15には、処理水を吸引するための吸引力を発生させる吸引ポンプ(図示省略)が設けられている。尚、吸引ポンプを用いずに、処理槽内の被処理液の水頭圧を濾過駆動圧として利用し、吸引力を発生させてもよい。
【0005】
これによると、濾過運転中、散気装置4から散気を行いながら、吸引ポンプ等で膜カートリッジ3の内側を減圧することにより、被処理液中の汚泥等が膜カートリッジ3の濾過膜10で捕捉され、濾過膜10を透過して膜カートリッジ3の内側に流入した透過液が、処理水として、取水ノズル6から接続管9を通って集水管8に集められ、集水管8から導出管15を通って取り出される。
【0006】
この際、散気装置4から噴射される空気の気泡によって、各膜カートリッジ3間に上昇流13が発生し、この上昇流13によって、膜カートリッジ3の膜面付着物が除去される。
【0007】
また、メンテナンス等において膜カートリッジ3を取り外す際、濾過運転を停止し、処理槽内の被処理液を排出した後、図28に示すように、膜カートリッジ3を上部開口部7からケーシング2の上方へ抜き出す。
【0008】
また、膜カートリッジ3の下方から散気を行っているため、散気を有効に利用しようとすると、濾過膜10を上下方向に長くするほど効果的であり、その結果、図28に示すように、膜カートリッジ3を縦長の形状(長方形)にするのが好ましい。
【0009】
尚、上記のような構成の浸漬型膜分離装置1は例えば下記特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2001−87763
【特許文献2】特開2000−42376
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら上記の従来形式では、散気装置4により発生する上昇流13の流速は、ケーシング2の内側面2aに近い箇所で急激に低下する。このため、図30に示すように、濾過膜10の両側部に付着した膜面付着物は濾過膜10の中央部に付着した膜面付着物と比べて除去され難く、長期間の使用によって、隣り合う膜カートリッジ3の濾過膜10の側部間に汚泥14が閉塞することがある。この場合、汚泥14の閉塞部分Eは濾過膜10の両側部において上下方向のほぼ全長にわたり発生し、汚泥14の閉塞部分Eの幅Wは長さLに対して非常に小さい。
【0011】
尚、上記閉塞部分Eの汚泥14は膜カートリッジ3を抜き出す際の抵抗となる。従来においては、膜カートリッジ3を抜き出す方向Fが汚泥14の閉塞部分Eの長さLの方向と同方向であるので、汚泥14の閉塞部分Eの長さLにわたって膜カートリッジ3を抜き出
そうとすると、汚泥14を長さLにわたってせん断するための多大な抵抗が発生し、膜カートリッジ3の抜き出しに多大な労力を要するといった問題がある。
【0012】
また、膜カートリッジ3をケーシング2の上方へ抜き出したりケーシング2の上方からケーシング2内へ挿入するため、ケーシング2の上方のスペースを高く確保する必要があるとともに、高所にて作業を行うため危険が伴うといった問題がある。
【0013】
また、図29に示すように、取水ノズル6が膜カートリッジ3の上端辺に設けられているため、接続管9が膜カートリッジ3の上方に位置し、上昇流13が接続管9に当って流れが阻害され、膜カートリッジ3の膜面付着物の除去が不十分になるといった問題がある。さらに、上昇流13が接続管9に当って接続管9が振動することにより、取水ノズル6の周辺が割れてしまう虞れもある。
【0014】
また、濾過運転中、濾過膜10を透過して膜カートリッジ3の内側に流入した透過液(処理水)は取水ノズル6から吸引されて集水管8に集められる。この際、膜カートリッジ3の下方から散気を行っているため、散気を有効に利用しようとすると、図28に示すように、膜カートリッジ3は縦長の形状(長方形)にするのが好ましい。
【0015】
しかしながら、膜カートリッジ3の上下方向の長さを長くして膜カートリッジ3の形状を縦長にしたくても、取水ノズル6が膜カートリッジ3の上端辺のみに設けられているものでは、十分な吸引圧が膜カートリッジ3の下部にまで作用せず(行き渡らず)、これにより、膜カートリッジ3の濾過膜10全体を有効に使って透過液を得ることが困難であるという問題が発生する。
【0016】
上記問題の対策として、取水ノズル6を膜カートリッジ3の上端辺と下端辺とに設けることが考えられるが、この場合においても、上昇流13が膜カートリッジ3の上端辺の取水ノズル6に接続された接続管9と下端辺の取水ノズル6に接続された接続管9とに当たって、流れが阻害され、膜カートリッジ3の膜面付着物の除去が不十分になるといった問題がある。
【0017】
尚、上記特許文献2には、膜カートリッジに複数の取水ノズルを設け、このうち、上向きの取水ノズルのみを開放して使用し、残りの取水ノズルを閉塞して使用しないものが開示されている。この場合においても、濾過運転中に使用されているのは膜カートリッジの上端辺の取水ノズルのみであるため、上記と同様に、十分な吸引圧が膜カートリッジの下部にまで作用せず、膜カートリッジの形状によっては濾過膜全体を有効に使って透過液を得ることが困難であるという問題が発生する。
【0018】
本発明は、膜カートリッジを容易に抜き出すことができる浸漬型膜分離装置を提供し、また、濾過膜全体を有効に使って処理水(透過液)を得ることが可能な膜カートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本第1発明は、表面に濾過膜を配置した複数の平板状の膜カートリッジが向い合う膜カートリッジの濾過膜との間に所定間隔をあけて配置され、
膜カートリッジの膜面に沿った一方向の流れを発生させる流れ発生装置が設けられ、
隣り合う膜カートリッジ間に形成される上記一方向の流れの流路の両側に壁体を有する浸漬型膜分離装置であって、
膜カートリッジは上記一方向の流れに略直交し且つ膜カートリッジの配置方向に略直交する他方向から着脱可能であるものである。
【0020】
これによると、流れ発生装置によって発生する一方向の流れにより、膜カートリッジの膜面付着物が除去される。しかしながら、上記一方向の流れの流速は膜カートリッジの側部に近い箇所で急激に低下するため、隣り合う膜カートリッジの側部間に汚泥が閉塞することがある。
【0021】
この場合、汚泥の閉塞部分は膜カートリッジの両側部において上記一方向のほぼ全長にわたって発生し、汚泥の閉塞部分の上記他方向の幅は汚泥の閉塞部分の長さに比べて非常に小さい。
【0022】
メンテナンス等において膜カートリッジを取り外す際、膜カートリッジを上記一方向の流れに略直交し且つ膜カートリッジの配置方向に略直交する他方向から取り出すことにより、膜カートリッジを取り出す方向が、従来のように汚泥の閉塞部分の長さ方向ではなく、汚泥の閉塞部分の幅方向と同方向になる。このため、膜カートリッジを抜き出すときの抵抗が汚泥の閉塞部分の幅にわたって発生するのであるが、上記のように汚泥の閉塞部分の幅は長さに比べて非常に小さいため、膜カートリッジが汚泥の閉塞部分の幅分だけ抜き出された時点で、閉塞部分の汚泥がせん断されて解砕される。これにより、従来に比べて、膜カートリッジを取り出す際に要する労力を軽減することができる。
【0023】
本第2発明は、膜カートリッジは上部が開口したケーシング内に着脱可能に設けられ、
膜カートリッジの下方に、膜カートリッジの膜面に沿った上昇流を発生させる散気装置が設けられ、
膜カートリッジが上昇流に直交する横方向から着脱可能であるものである。
【0024】
これによると、散気装置から空気を噴出することによって膜カートリッジの膜面に沿った上昇流が発生し、この上昇流によって膜カートリッジの膜面付着物が除去される。しかしながら、上記上昇流の流速は、ケーシングの内側面に近い箇所すなわち膜カートリッジの側部に近い箇所で急激に低下するため、隣り合う膜カートリッジの側部間に汚泥が閉塞することがある。
【0025】
この場合、汚泥の閉塞部分は膜カートリッジの両側部において上下方向のほぼ全長にわたって発生し、汚泥の閉塞部分の横方向の幅は汚泥の閉塞部分の上下方向の長さに比べて非常に小さい。
【0026】
メンテナンス等において膜カートリッジをケーシングの内部から取り出す際、膜カートリッジを横方向から取り出すことにより、膜カートリッジを取り出す方向が、従来のように汚泥の閉塞部分の長さ方向ではなく、汚泥の閉塞部分の幅方向と同方向になる。このため、膜カートリッジを抜き出すときの抵抗が汚泥の閉塞部分の幅にわたって発生するのであるが、上記のように汚泥の閉塞部分の幅は長さに比べて非常に小さいため、膜カートリッジが汚泥の閉塞部分の幅分だけ抜き出された時点で、閉塞部分の汚泥がせん断されて解砕される。これにより、従来に比べて、膜カートリッジをケーシングの内部から取り出す際に要する労力を軽減することができる。
【0027】
また、浸漬型膜分離装置の上方のスペースが不要となり、高所での危険な作業を削減することができ、安全性が向上する。
本第3発明は、ケーシング内の下部に、膜カートリッジを出し入れ方向へ案内する櫛歯状の案内部材が設けられているものである。
【0028】
これによると、膜カートリッジをケーシングの内部から抜き出す際およびケーシングの内部に挿入する際、膜カートリッジの下部が案内部材に案内されるため、膜カートリッジをケーシングに対して容易に横方向から出し入れすることができる。
【0029】
本第4発明は、ケーシング内の上部に、膜カートリッジを出し入れ方向へ案内する櫛歯状の案内部材が設けられているものである。
これによると、膜カートリッジをケーシングの内部から抜き出す際およびケーシングの内部に挿入する際、膜カートリッジの上部が案内部材に案内されるため、膜カートリッジをケーシングに対して容易に横方向から出し入れすることができる。
【0030】
本第5発明は、ケーシングの側部に、膜カートリッジを出し入れ可能な側部開口部と、側部開口部を覆う開閉又は着脱可能なサイドパネルとが設けられているものである。
これによると、メンテナンス等において、側部開口部を開くことにより、側部開口部を通して膜カートリッジをケーシングの内部に出し入れすることができる。また、濾過運転中は側部開口部を閉じておくことにより、散気装置から噴射された空気の気泡が側部開口部を通ってケーシングの外部へ逃げてしまうのを防止することができる。
【0031】
本第6発明は、膜カートリッジ同士の間隔を保持する間隔保持部材が膜カートリッジの側方に配設されているものである。
これによると、膜カートリッジが大型化した場合であっても、間隔保持部材によって、各膜カートリッジ同士の間隔を正確に維持することができる。
【0032】
本第7発明は、膜カートリッジの上記他方向と略直交する側辺部に、膜濾過によって得られる処理水を吸引するための取水部が設けられているものである。
これによると、接続管を介して取水部と集水管とを接続した場合、取水部は膜カートリッジの他方向と略直交する側辺に設けられているため、流れ発生装置によって発生する一方向の流れが接続管に当らずにスムーズに流れる。したがって、膜カートリッジの膜面付着物が十分に除去される。また、上記一方向の流れが接続管に当らないため、接続管の振動が低減され、取水部の周辺に割れが発生するのを防止することができる。
【0033】
本第8発明は、表面に濾過膜を配置した縦長の膜カートリッジであって、
側辺部に、膜濾過によって得られる処理水を吸引するための取水ノズルが複数設けられ、
下辺から取水ノズルまでの高さがそれぞれ異なっているものである。
【0034】
これによると、濾過運転中、膜カートリッジの内側を減圧することにより、濾過膜を透過して膜カートリッジの内側に流入した透過液が、処理液として、各取水ノズルから吸引されて取り出される。各取水ノズルは、膜カートリッジの側辺部に設けられて、異なった高さに位置しているため、十分な吸引圧が膜カートリッジ全体に作用し、これにより、濾過膜全体を有効に使って処理液(透過液)を得ることができる。
【0035】
本第9発明は、片方の側辺部に複数の取水ノズルが設けられているものである。
本第10発明は、取水ノズル間の高さの差が膜カートリッジの横方向の長さ以上であるものである。
【0036】
これによると、取水ノズル間の高さの差が小さ過ぎると、個々の取水ノズルによって濾過膜から透過液が得られる領域が重複してしまい、濾過膜全体を有効に利用できない虞がある。このような不具合に対して、取水ノズル間の高さの差を膜カートリッジの横方向の長さ以上にすることにより、個々の取水ノズルによって濾過膜から透過液が得られる領域が重複(干渉)するのを大幅に減少させることができ、膜カートリッジの能力を十分に引き出すことができる。
【0037】
本第11発明は、上記第8発明から第10発明のいずれか1項に記載の膜カートリッジを備えた浸漬型膜分離装置であって、
複数の膜カートリッジがケーシング内に着脱自在に備えられ、
膜カートリッジの下方に、膜カートリッジの膜面に沿った上昇流を発生させる散気装置が設けられ、
膜カートリッジは上昇流に直交し且つ膜カートリッジの配置方向に直交する横方向からケーシングに挿脱可能であるものである。
【0038】
これによると、膜カートリッジは縦長の形状であるため、散気装置による散気を有効に利用することができる。
また、膜カートリッジをケーシングから取り出して交換したり保守点検する場合、膜カートリッジをケーシング内から上記横方向へ脱抜したり或いは膜カートリッジを上記横方向からケーシング内に挿入すればよい。この際、各取水ノズルは膜カートリッジの側辺部に設けられているため、取水ノズルが膜カートリッジの出し入れの邪魔になることはない。
【0039】
尚、従来のように膜カートリッジをケーシングに上下方向から挿脱するタイプの浸漬型膜分離装置では、複数の取水ノズルを膜カートリッジの側辺部に設けた場合、取水ノズルが膜カートリッジの出し入れの邪魔になる。
【発明の効果】
【0040】
以上のように本発明によると、膜カートリッジを取り外す際、膜カートリッジを取り出す方向が、従来のように汚泥の閉塞部分の長さ方向ではなく、汚泥の閉塞部分の幅方向と同方向になる。このため、膜カートリッジを抜き出すときの抵抗が汚泥の閉塞部分の幅にわたって発生するのであるが、汚泥の閉塞部分の幅は長さに比べて非常に小さいため、従来に比べて、膜カートリッジを取り出す際に要する労力を軽減することができる。
【0041】
また、浸漬型膜分離装置の上方のスペースが不要となり、高所での危険な作業を削減することができ、安全性が向上する。また、側部開口部を通して、容易に、膜カートリッジをフレーム体の横方向から出し入れすることができる。さらに、濾過運転中は側部開口部を閉じておくことにより、散気装置から噴射された空気の気泡が側部開口部を通ってケーシングの外部へ逃げてしまうのを防止することができる。
【0042】
また、各膜カートリッジ同士の間隔を正確に維持することができる。さらに、流れ発生装置によって発生する一方向の流れが取水部と集水管とを接続する接続管に当らずにスムーズに流れるため、膜カートリッジの膜面付着物が十分に除去されるとともに、接続管の振動が低減され、取水部の周辺に割れが発生するのを防止することができる。
【0043】
また、複数の取水ノズルは、膜カートリッジの側辺部に設けられて、異なった高さに位置しているため、十分な吸引圧が膜カートリッジ全体に作用する。これにより、濾過膜全体を有効に使って処理水(透過液)を得ることができる。
【0044】
また、個々の取水ノズルによって濾過膜から透過液が得られる領域が重複(干渉)するのを大幅に減少させることができ、膜カートリッジの能力を十分に引き出すことができる。
【0045】
また、膜カートリッジを横方向からケーシング内に挿脱する際、取水ノズルが膜カートリッジの出し入れの邪魔になることはない。これにより、膜カートリッジの交換や保守点検等の作業が円滑に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明における第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、31は浸漬型膜分離装置であり、この浸漬型膜分離装置31は、処理槽32内に浸漬され、活性汚泥と処理水とを分離するものである。浸漬型膜分離装置31は、上下が開口した箱型の膜用のケーシング33と、このケーシング33の内部に互いに平行に向い合って配列された複数の平板形状の膜カートリッジ34と、これら膜カートリッジ34の下方に設けられた散気装置36とを有している。
【0047】
尚、散気装置36は、散気管に形成された複数の噴出孔から空気を噴出することによって、膜カートリッジ34の膜面に沿った上昇流77(一方向の流れの一例)を発生させる流れ発生装置の一例である。
【0048】
図2,図3に示すように、浸漬型膜分離装置31の運転のための設置状態において、膜用のケーシング33は、フレーム体37と、フレーム体37の膜カートリッジ34の配列方向における前後両端部を覆う前後一対の端部カバー38と、フレーム体37の左右両側部に着脱自在に取付けられた左右一対のサイドパネル39a,39bとを有している。
【0049】
尚、サイドパネル39a,39bは、壁体の一例であり、隣り合う膜カートリッジ34間に形成される上記上昇流77の流路の両側に位置している。
フレーム体37は、四角枠形状の底部フレーム41と、四角枠形状の上部フレーム42と、これら両フレーム41,42の四隅間に連結された複数本の縦フレーム43a,43bとを有している。
【0050】
フレーム体37の左右両側部には、膜カートリッジ34を幅方向A(左右方向)ヘ出し入れ可能な側部開口部45a,45bが形成されている。尚、上記幅方向Aは上昇流77に直交し且つ膜カートリッジ34の配置方向Cに直交する横方向(他方向)の一例である。
【0051】
一方のサイドパネル39aは、複数のボルト46によってフレーム体37に取り付けられ、一方の側部開口部45aを閉じている。同様に、他方のサイドパネル39bは、複数のボルト46によってフレーム体37に取り付けられ、他方の側部開口部45bを閉じている。また、ボルト46を外して、一方のサイドパネル39aをフレーム体37から取り外した場合、一方の側部開口部45aが開放され、同様に、他方のサイドパネル39bをフレーム体37から取り外した場合、他方の側部開口部45bが開放される。
【0052】
各膜カートリッジ34は、上下方向に長い長方形状に形成された平板形状の濾板49と、濾板49の表裏両側に取付けられた濾過膜50と、濾板49の両側部に設けられた複数の支持部51a,51bとを有している。支持部51a,51bは、濾板49の幅方向Aにおける両側部に上下一対設けられ、外側方へ突出している。各支持部51a,51bには、四角形状の凹部52が形成されている。
【0053】
濾板49の幅方向A(他方向)と直交する両側辺の上端部には、濾過膜50によって得られる処理水を吸引するための取水ノズル53(取水部の一例)が設けられている。また、濾板49の表裏両側にはそれぞれ、取水ノズル53に連通する透過水流路(図示省略)が形成されている。尚、上記透過水流路は濾過膜50で覆われている。
【0054】
図1〜図3に示すように、フレーム体37の上部フレーム42の左右外側方には、各膜カートリッジ34の取水ノズル53から吸引された処理水を集める左右一対の集水管55が前後方向に設けられている。集水管55と取水ノズル53とは、可撓性を有する接続管56を介して接続されている。また、集水管55には処理水を導出する導出管57が接続され、導出管57には、処理水を吸引するための吸引力を発生させる吸引ポンプ(図示省略)が設けられている。尚、吸引ポンプを用いずに、処理槽32内の被処理水35の水頭圧を濾過駆動圧として利用し、吸引力を発生させてもよい。
【0055】
図4〜図6に示すように、濾過膜50の周縁部が超音波等によって濾板49に溶着されることにより、濾過膜50が濾板49に取付けられている。尚、濾過膜50と濾板49との溶着部59は濾過膜50の周縁部に沿って全周にわたり形成されている。
【0056】
濾板49の表裏両面にはそれぞれ、濾過膜50の周縁部の外側を取り囲む突部60が形成されている。突部60は、濾過膜50の左右一側辺の外側に沿って形成された一側方の突部60aと、濾過膜50の左右他側辺の外側に沿って形成された他側方の突部60bと、濾過膜50の上辺の外側に沿って形成された上方の突部60cと、濾過膜50の下辺の外側に沿って形成された下方の突部60dとで、四角枠形状に構成されている。
【0057】
また、突部60は、三角形状の断面を有しており、濾板49の周縁端から濾過膜50の周縁端に近付くほど濾板49の表面から突出する方向へ傾斜した傾斜面61を備えている。濾板49から突部60の先端までの高さhは濾過膜50の周縁部での高さtよりも高く設定されている。
【0058】
図3,図10〜図12に示すように、膜用のケーシング33の内部には、膜カートリッジ34を幅方向A(出し入れ方向の一例)に案内する櫛歯状の上部案内部材70と下部案内部材71とが設けられている。上部案内部材70はフレーム体37の上部フレーム42に左右一対設けられ、下部案内部材71は底部フレーム41に左右一対設けられている。
【0059】
上部および下部案内部材70,71にはそれぞれ案内溝72が前後複数形成されている。膜カートリッジ34の上端部は幅方向Aから上部案内部材70の案内溝72に挿脱自在であり、膜カートリッジ34の下端部は幅方向Aから下部案内部材71の案内溝72に挿脱自在である。
【0060】
上部案内部材70の案内溝72の上奥面70aと下部案内部材71の案内溝72の下奥面71aとの間の高さH1は膜カートリッジ34の高さH2よりも僅かに高く設定されており、これにより、膜カートリッジ34は上下方向Bに移動可能な間隙α(すなわちα=H1−H2)を有している。また、各案内溝72の幅Dは膜カートリッジ34の厚さTよりも僅かに大きく設定されており、これにより、膜カートリッジ34は配置方向C(前後方向,膜カートリッジ34の厚さ方向)に移動可能な間隙β(すなわちβ=D−T)を有している。
【0061】
図2,図3に示すように、膜用のケーシング33の内部には、各膜カートリッジ34同士の間隔Sを所定の間隔に保持する左右一対の間隔保持部材63a,63bが上下二箇所に設けられている。図8,図9に示すように、これら間隔保持部材63a,63bは、各膜カートリッジ34の支持部51a,51bを、上下方向Bへの移動を許容しつつ保持している。間隔保持部材63a,63bは、横フレーム64と、横フレーム64に設けられた保持体65とを有している。
【0062】
図8〜図12に示すように、横フレーム64は縦板部64aと横板部64bとを有するアングル形状の部材である。横フレーム64の両端部は、ボルト66,ナット67によって、前後の縦フレーム43a,43b間に着脱自在に連結されている。
【0063】
また、保持体65の材質はゴム等の弾性材であり、保持体65の外側面には、溝68が全長にわたり形成され、保持体65の内側面には、前後複数のスリット69が形成されている。横フレーム64の横板部64bが保持体65の溝68に差し込まれ、これにより、保持体65が横フレーム64に取り付けられている。
【0064】
図9,図10,図12(a)に示すように、膜カートリッジ34の支持部51a,51bが凹部52で保持体65のスリット69と嵌合し、この状態で、各膜カートリッジ34間の配置方向Cにおける間隔Sが間隔保持部材63a,63bによって所定の間隔に維持される。尚、支持部51a,51bの凹部52は、幅方向A(左右方向)と上下方向Bと配置方向C(前後方向)とにおいて、保持体65のスリット69に嵌め込まれて接触している。
【0065】
以下、上記構成における作用を説明する。
(1)濾過運転中は、散気装置36から散気を行いながら、各膜カートリッジ34の内側を減圧することにより、被処理液中の汚泥等が膜カートリッジ34の濾過膜50で捕捉され、濾過膜50を透過して膜カートリッジ34の内側に流入した透過液が、処理水として、各取水ノズル53から接続管56を通って集水管55に集められる。
【0066】
この際、図9(b)に示すように、散気装置36から噴射される空気の気泡によって、各膜カートリッジ34間に上昇流77が発生し、この上昇流77によって、膜カートリッジ34の膜面付着物が除去される。
【0067】
また、図3,図4に示すように、取水ノズル53が濾板49の両側辺の上端部に設けられているため、上記上昇流77が接続管56に当らずにスムーズに流れる。したがって、膜カートリッジ34の膜面付着物が十分に除去される。また、上昇流77が接続管56に当らないため、接続管56の振動が低減され、取水ノズル53の周辺に割れが発生するのを防止することができる。
【0068】
また、図9(b)に示すように、濾過運転中において、各間隔保持部材63a,63bの保持体65が上記上昇流77の力と膜カートリッジ34に作用する浮力とを受けて変形することにより、膜カートリッジ34が、下部案内部材71の案内溝72の下奥面71aから僅かに浮き上がって、積極的に上下方向Bおよび配置方向Cに振動する。この振動によって膜カートリッジ34の膜面付着物が除去されるため、膜カートリッジ34の洗浄効果がより一層向上する。
【0069】
(2)また、メンテナンス等において膜カートリッジ34を取り外す場合、散気装置36による散気を停止し、濾過運転を停止し、処理槽32内の被処理液を排出した後、図2,図11に示すように、ボルト46を外して一方のサイドパネル39aをフレーム体37から取外し、一方の側部開口部45aを開放する。
【0070】
次に、ボルト66を外して左右一方の間隔保持部材63aをフレーム体37から取外す。これにより、図11,図12(b)に示すように、各膜カートリッジ34の左右一方の支持部51aが左右一方の間隔保持部材63aのスリット69から離脱する。その後、図2,図11の仮想線で示すように、膜カートリッジ34を、膜用のケーシング33の内部から一方の側部開口部45aを通して膜カートリッジ34の幅方向Aへ抜き出し、ケーシング33の外側方へ取り出すことができる。この時、膜カートリッジ34の左右他方の支持部51bの凹部52が左右他方の間隔保持部材63bのスリット69から離脱し、膜カートリッジ34は上下の案内溝72によって案内されながら幅方向Aへ抜き出される。
【0071】
これにより、膜カートリッジ34を容易にケーシング33の内部から幅方向A(左右横方向)へ抜き出すことができるとともに、図1に示すように、ケーシング33の上方のスペース73の高さを低く抑えることができ、高所での危険な作業を削減することができ、安全性が向上する。
【0072】
(3)また、膜カートリッジ34を取り付ける場合、図2,図11に示すように、膜カートリッジ34を、ケーシング33の外側方から一方の側部開口部45aを通して膜カートリッジ34の幅方向Aへ挿入する。この時、膜カートリッジ34は上下の案内溝72によって案内されながら幅方向Aへ挿入され、膜カートリッジ34の左右他方の支持部51bの凹部52が左右他方の間隔保持部材63bのスリット69に差し込まれる。
【0073】
次に、図8(b)に示すように、ボルト66を取り付けて左右一方の間隔保持部材63aをフレーム体37の左右一方の縦フレーム43aに取り付ける。これにより、図10,図12(a)に示すように、各膜カートリッジ34の左右一方の支持部51aの凹部52が左右一方の間隔保持部材63aのスリット69に差し込まれる。
【0074】
その後、ボルト46を取り付けて図10,図12(a)に示すように一方のサイドパネル39aをフレーム体37に取付け、一方の側部開口部45aを閉じる。これにより、膜カートリッジ34がケーシング33の内部に収納され、各膜カートリッジ34同士の間隔Sが間隔保持部材63a,63bによって正確に所定の間隔に維持される。
【0075】
尚、濾過運転を停止し、処理槽32内の被処理液を抜き取った状態では、上昇流77の力と浮力とが膜カートリッジ34に作用せず、図9(a)に示すように、各間隔保持部材63a,63bの保持体65が膜カートリッジ34の自重78を受けて変形することにより、図10に示すように、膜カートリッジ34が沈み込んで各間隔保持部材63a,63bと下部案内部材71とで支持される。
【0076】
上記のように、膜用のケーシング33の一方の側部開口部45aが一方のサイドパネル39aによって閉じられており、他方の側部開口部45bが他方のサイドパネル39bによって閉じられているため、濾過運転時には、散気装置36から噴射される空気の気泡が側部開口部45a,45bを通ってケーシング33の外部へ逃げてしまうのを防止することができる。
【0077】
(4)また、濾過運転中は、上記(1)で記載したように、散気装置36から空気を噴出することによって膜カートリッジ34の膜面に沿った上昇流77が発生するが、この上昇流77の流速は、ケーシング33のサイドパネル39a,39bの内側面に近い箇所すなわち膜カートリッジ34の両側部に近い箇所ほど低下するため、図10,図12(a)に示すように、隣り合う膜カートリッジ34の側部間に汚泥14が閉塞することがある。
【0078】
この場合、汚泥14の閉塞部分Eは膜カートリッジ34の両側部において上下方向Bのほぼ全長にわたって発生し、汚泥14の閉塞部分Eの横方向の幅Wは汚泥14の閉塞部分Eの上下方向の長さLに比べて非常に小さい。
【0079】
したがって、上記(2)で記載したように、メンテナンス等において膜カートリッジ34をケーシング33の内部から取り出す際、膜カートリッジ34を幅方向Aから取り出すことにより、膜カートリッジ34を取り出す方向が、従来のように汚泥14の閉塞部分Eの長さLの方向ではなく、汚泥14の閉塞部分Eの幅Wの方向と同方向になる。このため、膜カートリッジ34を抜き出すときの抵抗が汚泥14の閉塞部分Eの幅Wにわたって発生するのであるが、上記のように汚泥14の閉塞部分Eの幅Wは長さLに比べて非常に小さいため、膜カートリッジ34が上記幅W分だけ抜き出された時点で、閉塞部分Eの汚泥14がせん断されて解砕される。これにより、従来に比べて、膜カートリッジ34をケーシング33の内部から取り出す際に要する労力を軽減することができる。
【0080】
(5)また、被処理液の性状が悪化して膜カートリッジ34間に汚泥14が詰まった場合、或いは、散気装置36が停止した状態で濾過運転を継続する等の異常な運転を行った場合、作業者は洗浄装置(図示省略)の噴射ノズル76から高圧の洗浄液75を噴射して膜カートリッジ34を洗浄することもできる。この際、散気装置36による散気を停止し、濾過運転を停止し、処理槽32内の被処理液を排出した後、図2に示すように、ボルト46を外して一方のサイドパネル39aをフレーム体37から取外し、一方の側部開口部45aを開放する。
【0081】
次に、図7に示すように、噴射ノズル76を一方の側部開口部45aに対向させ、高圧の洗浄液75を噴射ノズル76から膜カートリッジ34に向けて噴射する。これにより、高圧の洗浄液75が一方の側部開口部45aを通って各膜カートリッジ34間に噴射され、各膜カートリッジ34間に詰まった汚泥14が解砕して除去され、各膜カートリッジ34の膜面が洗浄される。
【0082】
この際、図5,図6に示すように、洗浄液75は濾過膜50の左右一側縁部の直前で一側方の突部60aに当たり、洗浄液75の方向が一側方の突部60aにより曲げられるため、洗浄液75が濾過膜50の左右一側縁部に直接当たるのを回避することができる。これにより、濾過膜50の左右一側縁部が濾板49から剥離するのを防止することができる。
【0083】
上記実施の形態では、図2に示すように、一方のサイドパネル39aと一方の間隔保持部材63aとをフレーム体37から取外して一方の側部開口部45aを開放し、膜カートリッジ34を一方の側部開口部45aからケーシング33に出し入れしているが、図3に示すように、他方のサイドパネル39bと他方の間隔保持部材63bとをフレーム体37から取外し、膜カートリッジ34を他方の側部開口部45bからケーシング33に出し入れしてもよい。
【0084】
上記実施の形態では、図2に示すように、一方のサイドパネル39aをフレーム体37から取外して一方の側部開口部45aを開放し、洗浄液75を一方の側部開口部45aから各膜カートリッジ34間に噴射しているが、図3に示すように、他方のサイドパネル39bをフレーム体37から取外して他方の側部開口部45bを開放し、洗浄液75を他方の側部開口部45bから各膜カートリッジ34間に噴射してもよい。尚、この場合、洗浄液75は膜カートリッジ34の他側方の突部60bに当たるため、洗浄液75が濾過膜50の左右他側縁部に直接当たるのを回避することができる。或いは、洗浄液75をケーシング33の上部開口部40から各膜カートリッジ34間に噴射してもよい。尚、この場合、洗浄液75は膜カートリッジ34の上方の突部60cに当たるため、洗浄液75が濾過膜50の上縁部に直接当たるのを回避することができる。
【0085】
上記実施の形態では、図3に示すように、膜カートリッジ34に取水ノズル53を左右一対設け、フレーム体37に集水管55を左右一対設けているが、取水ノズル53を左右片方のみ設け、集水管55を左右片方のみ設けてもよい。
【0086】
上記実施の形態では、図3に示すように、サイドパネル39a,39bをフレーム体37に着脱可能に設けているが、サイドパネル39a,39bをフレーム体37に開閉可能に設けてもよい。
【0087】
上記実施の形態では、図1に示すように、流れ発生装置の一例として散気装置36が用いられ、一方向の流れの一例として上昇流77が形成され、複数の膜カートリッジ34が前後方向に間隔Sをあけて平行に配列されているが、第2の実施の形態として、図13に示すように、流れ発生装置の他の例として回転翼81が用いられ、一方向の流れの一例として前後方向の水平流82が形成され、複数の膜カートリッジ34が上下方向に間隔Sをあけて平行に配列されている浸漬型膜分離装置31であってもよい。
【0088】
上記実施の形態では、図2に示すように、ケーシング33の内部に膜カートリッジ34が配置されているが、第3の実施の形態として、図14に示すように、膜カートリッジ34の側辺部に、突出した壁部83が形成され、膜カートリッジ34同士を当接して配置することで、壁部83をサイドパネル39a,39bの代わりにしてもよい。この際、ケーシングはサイドパネル39a,39bを除いた構造となり、また、各膜カートリッジ34間の間隔Sは壁部83によって所定の間隔に保たれる。
【0089】
次に、本発明における第4の実施の形態を図15〜図17を参照して説明する。
尚、上記第1の実施の形態において説明した部材と同じ部材については、同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0090】
図15に示すように、膜カートリッジ34は縦長の長方形に形成されている。膜カートリッジ34の濾板49の幅方向Aと直交する両側辺部のうちの一方の側辺部には、濾過膜50によって得られる処理水を吸引するための取水ノズル53,85(取水部の一例)が複数設けられている。このうち、第1の取水ノズル53は膜カートリッジ34の一方の側辺部の上端部に位置し、第2の取水ノズル85は一方の側辺部の上下両端部間に位置している。膜カートリッジ34の下辺から第2の取水ノズル85までの高さは膜カートリッジ34の下辺から第1の取水ノズル53までの高さよりも低い。
【0091】
尚、膜カートリッジ34の縦方向(上下方向)の長さLvと横方向(幅方向A)の長さLhとの比(=Lv/Lh)が3になるように設定されている。また、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hdが膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上(すなわちHd≧Lh)になるように設定されている。
【0092】
濾板49の表裏両側にはそれぞれ、各取水ノズル53,85に連通する透過水流路86が形成されている。尚、透過水流路86は濾過膜50で覆われている。
図16,図17に示すように、フレーム体37の左右一側方には、各膜カートリッジ34の各取水ノズル53,85から吸引された処理水を集める上下一対の集水管55,87が前後方向に設けられている。このうち、第1の集水管55と第1の取水ノズル53とは、可撓性を有する第1の接続管56を介して接続されている。また、第2の集水管87と第2の取水ノズル85とは、可撓性を有する第2の接続管88を介して接続されている。
【0093】
両集水管55,87には処理水を導出する導出管57が接続され、導出管57には、処理水を吸引するための吸引力を発生させる吸引ポンプ(図示省略)が設けられている。尚、吸引ポンプを用いずに、処理槽32内の被処理水35の水頭圧を濾過駆動圧として利用し、吸引力を発生させてもよい。
【0094】
また、左右一方のサイドパネル39aには、開口窓89,90が上下複数箇所に形成されている。このうち、第1の開口窓89は、サイドパネル39aの上端部に位置して、第1の取水ノズル53に対向している。また、第2の開口窓90は、サイドパネル39aの上下両端部間に位置して、第2の取水ノズル85に対向している。第1の接続管56は第1の開口窓89に挿通され、第2の接続管88は第2の開口窓90に挿通されている。
【0095】
以下、上記構成における作用を説明する。
(1)濾過運転中は、散気装置36から散気を行いながら、各膜カートリッジ34の内側を減圧することにより、被処理水35中の汚泥等が膜カートリッジ34の濾過膜50で捕捉され、濾過膜50を透過して膜カートリッジ34の内側に流入した透過水が、処理水として、透過水流路86を流れ、第1および第2の取水ノズル53,85から吸引され、第1および第2の接続管56,88を通って第1および第2の集水管55,87に集められる。
【0096】
第1および第2の取水ノズル53,85は、膜カートリッジ34の一方の側辺部に設けられて、異なった高さに位置しているため、十分な吸引圧が膜カートリッジ34の全体に作用し、これにより、濾過膜50の全体を有効に使って処理水(透過水)を得ることができる。
【0097】
尚、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hdが小さ過ぎると、個々の取水ノズル53,85によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複してしまい、濾過膜50全体を有効に利用できない虞がある。このような不具合に対して、図15に示すように、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hdを膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上にすることにより、個々の取水ノズル53,85によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複(干渉)するのを大幅に減少させることができ、膜カートリッジ34の能力を十分に引き出すことができる。
【0098】
この際、散気装置36から噴射される空気の気泡により発生する上昇流77によって、膜カートリッジ34の膜面付着物が除去される。尚、膜カートリッジ34は縦長であるため、上記散気装置36による散気を有効に利用することができる。
【0099】
また、図15,図17に示すように、第1および第2の取水ノズル53,85は膜カートリッジ34の一方の側辺部に設けられているため、上記上昇流77が第1および第2の接続管56,88に当らずにスムーズに流れる。これにより、膜カートリッジ34の膜面付着物が十分に除去される。また、上昇流77が第1および第2の接続管56,88に当らないため、接続管56,88の振動が低減され、取水ノズル53,85の周辺に割れが発生するのを防止することができる。
【0100】
また、上記散気装置36から噴射された空気(気体)の一部が濾過膜50を通過して膜カートリッジ34の内側に吸い込まれたり、或いは、濾過膜50を透過して膜カートリッジ34の内側に流入した透過水(処理水)中の溶存気体の一部が気化することがある。しかしながら、第1の取水ノズル53が膜カートリッジ34の一方の側辺部の上端部に位置しているため、上記空気等の気体は第1の取水ノズル53から吸引されて膜カートリッジ34の内側から排出される。これにより、膜カートリッジ34の上端部の内側に気体が滞留するのを防止することができる。
【0101】
(2)また、メンテナンス等において膜カートリッジ34を取り外す場合、散気装置36による散気を停止し、濾過運転を停止し、処理槽32内の被処理水35を排出した後、先ず、一方のサイドパネル39aの第1の開口窓89を利用して、図17の仮想線で示すように、第1の接続管56の先端を第1の取水ノズル53から取り外すとともに、第2の開口窓90を利用して、第2の接続管88の先端を第2の取水ノズル85から取り外す。
【0102】
次に、図16,図17の仮想線に示すように、ボルト46を外して他方のサイドパネル39bをフレーム体37から取外し、他方の側部開口部45bを開放する。その後、ボルト66を外して左右他方の間隔保持部材63bをフレーム体37から取外す。そして、膜カートリッジ34を、ケーシング33の内部から他方の側部開口部45bを通して膜カートリッジ34の幅方向Aへ抜き出し、ケーシング33の外側方へ取り出す。この時、膜カートリッジ34は上下の案内溝72によって案内されながら幅方向Aへ抜き出される。これにより、膜カートリッジ34を容易にケーシング33の内部から幅方向A(左右横方向)へ抜き出すことができる。
【0103】
(3)また、膜カートリッジ34を取り付ける場合、図17の実線に示すように、膜カートリッジ34を、ケーシング33の外側方から他方の側部開口部45bを通して膜カートリッジ34の幅方向Aへ挿入する。この時、膜カートリッジ34は上下の案内溝72によって案内されながら幅方向Aへ挿入される。
【0104】
次に、ボルト66を取り付けて左右他方の間隔保持部材63bをフレーム体37に取り付ける。
その後、ボルト46を取り付けて図17の実線に示すように他方のサイドパネル39bをフレーム体37に取付け、他方の側部開口部45bを閉じる。これにより、膜カートリッジ34がケーシング33の内部に収納され、各膜カートリッジ34同士の間隔Sが間隔保持部材63a,63bによって正確に所定の間隔に維持される。
【0105】
その後、一方のサイドパネル39aの第1の開口窓89を利用して、図17の実線に示すように、第1の接続管56の先端を第1の取水ノズル53に嵌めて接続するとともに、第2の開口窓90を利用して、第2の接続管88の先端を第2の取水ノズル85に嵌めて接続する。
【0106】
このように、各取水ノズル53,85は膜カートリッジ34の一方の側辺部に設けられているため、取水ノズル53,85が膜カートリッジ34の出し入れの邪魔になることはない。尚、従来のように膜カートリッジをケーシングに上下方向から挿脱するタイプの浸漬型膜分離装置では、複数の取水ノズルを膜カートリッジの側辺部に設けた場合、取水ノズルが膜カートリッジの出し入れの邪魔になる。
【0107】
上記実施の形態では、図15に示すように、複数の取水ノズル53,85を膜カートリッジ34の一方の側辺部に設けたが、反対の他方の側辺部に設けてもよい。この場合、集水管55,87と接続管56,88と開口窓89,90も反対側の他方に位置し、また、一方のサイドパネル39aを取外し、膜カートリッジ34を一方の側部開口部45aから出し入れする。
【0108】
次に、本発明における第5の実施の形態を説明する。
図18,図19に示すように、膜カートリッジ34の濾板49の幅方向Aと直交する両側辺部のうちの一方の側辺部の上端部に第1の取水ノズル53が設けられ、他方の側辺部の下端部に第2の取水ノズル85が設けられている。
【0109】
尚、膜カートリッジ34の縦方向(上下方向)の長さLvと横方向(幅方向A)の長さLhとの比(=Lv/Lh)が3になるように設定されている。また、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hdが膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上(すなわちHd≧Lh)になるように設定されている。
【0110】
フレーム体37の左右一側方の上部には、第1の取水ノズル53から吸引された処理水を集める第1の集水管55が設けられ、フレーム体37の左右他側方の下部には、第2の取水ノズル85から吸引された処理水を集める第2の集水管87が設けられている。第1の集水管55と第1の取水ノズル53とは第1の接続管56を介して接続され、第2の集水管87と第2の取水ノズル85とは第2の接続管88を介して接続されている。
【0111】
また、左右一方のサイドパネル39aの上端部には第1の開口窓89が形成され、他方のサイドパネル39bの下端部には第2の開口窓90が形成されている。第1の接続管56は第1の開口窓89に挿通され、第2の接続管88は第2の開口窓90に挿通されている。
【0112】
以下、上記構成における作用を説明する。
(1)第1および第2の取水ノズル53,85は、膜カートリッジ34の両方の側辺部に設けられて、異なった高さに位置しているため、十分な吸引圧が膜カートリッジ34の全体に作用し、これにより、濾過膜50の全体を有効に使って処理水(透過水)を得ることができる。
【0113】
尚、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hdが小さ過ぎると、個々の取水ノズル53,85によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複してしまい、濾過膜50全体を有効に利用できない虞がある。このような不具合に対して、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hdを膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上にすることにより、個々の取水ノズル53,85によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複(干渉)するのを大幅に減少させることができ、膜カートリッジ34の能力を十分に引き出すことができる。
【0114】
また、第1および第2の取水ノズル53,85は膜カートリッジ34の両方の側辺部に設けられているため、上記上昇流77が第1および第2の接続管56,88に当らずにスムーズに流れる。これにより、膜カートリッジ34の膜面付着物が十分に除去され、また、接続管56,88の振動が低減され、取水ノズル53,85の周辺に割れが発生するのを防止することができる。
【0115】
(2)また、メンテナンス等において膜カートリッジ34を取り外す場合、散気装置36による散気を停止し、濾過運転を停止し、処理槽32内の被処理水35を排出した後、先ず、一方のサイドパネル39aの第1の開口窓89を利用して、図19の仮想線で示すように、第1の接続管56の先端を第1の取水ノズル53から取り外すとともに、第2の開口窓90を利用して、第2の接続管88の先端を第2の取水ノズル85から取り外す。
【0116】
次に、図19の仮想線で示すように、ボルト46を外して他方のサイドパネル39bをフレーム体37から取外し、他方の側部開口部45bを開放する。その後、ボルト66を外して左右他方の間隔保持部材63bをフレーム体37から取外す。そして、図19の仮想線で示すように、膜カートリッジ34を、ケーシング33の内部から他方の側部開口部45bを通して膜カートリッジ34の幅方向Aへ抜き出し、ケーシング33の外側方へ取り出すことができる。
【0117】
(3)また、膜カートリッジ34を取り付ける場合、図19の実線に示すように、膜カートリッジ34を、ケーシング33の外側方から他方の側部開口部45bを通して膜カートリッジ34の幅方向Aへ挿入する。
【0118】
次に、ボルト66を取り付けて左右他方の間隔保持部材63bをフレーム体37に取り付ける。
その後、ボルト46を取り付けて、図19の実線に示すように、他方のサイドパネル39bをフレーム体37に取付け、他方の側部開口部45bを閉じる。これにより、膜カートリッジ34がケーシング33の内部に収納され、各膜カートリッジ34同士の間隔Sが間隔保持部材63a,63bによって正確に所定の間隔に維持される。
【0119】
その後、一方のサイドパネル39aの第1の開口窓89を利用して、図19の実線に示すように、第1の接続管56の先端を第1の取水ノズル53に嵌めて接続するとともに、第2の開口窓90を利用して、第2の接続管88の先端を第2の取水ノズル85に嵌めて接続する。
【0120】
このように、各取水ノズル53,85は膜カートリッジ34の両方の側辺部に設けられているため、取水ノズル53,85が膜カートリッジ34の出し入れの邪魔になることはない。尚、従来のように膜カートリッジをケーシングに上下方向から挿脱するタイプの浸漬型膜分離装置では、取水ノズルを膜カートリッジの両方の側辺部に設けた場合、取水ノズルが膜カートリッジの出し入れの邪魔になる虞がある。
【0121】
上記実施の形態では、図18に示すように、膜カートリッジ34の一方の側辺部の上端部に第1の取水ノズル53を設け、他方の側辺部の下端部に第2の取水ノズル85を設けたが、第1の取水ノズル53を膜カートリッジ34の一方の側辺部の下端部に設け、第2の取水ノズル85を他方の側辺部の上端部に設けてもよい。この場合、第1および第2の取水ノズル53,85の上下位置に応じて、集水管55,87と接続管56,88と開口窓89,90との上下位置を変更すればよい。
【0122】
上記実施の形態では、図19の仮想線で示すように、膜カートリッジ34を他方の側部開口部45bから出し入れしているが、一方の側部開口部45aから出し入れしてもよい。
【0123】
次に、本発明における第6の実施の形態を説明する。
第6の実施の形態は上記第4の実施の形態の変形例であって、図20,図21に示すように、膜カートリッジ34の濾板49の一方の側辺部に第1〜第3の取水ノズル53,85,92(取水部の一例)が設けられている。このうち、第1の取水ノズル53は膜カートリッジ34の一方の側辺部の上端部に位置し、第3の取水ノズル92は膜カートリッジ34の一方の側辺部の下端部に位置し、第2の取水ノズル85は第1の取水ノズル53と第3の取水ノズル92との上下間に位置している。
【0124】
尚、膜カートリッジ34の縦方向(上下方向)の長さLvと横方向(幅方向A)の長さLhとの比(=Lv/Lh)が3になるように設定されている。また、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hd1が膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上(すなわちHd1≧Lh)になるように設定され、さらに、第2の取水ノズル85と第3の取水ノズル92との高さの差Hd2が膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上(すなわちHd2≧Lh)になるように設定されている。
【0125】
フレーム体37の左右一側方には、第1〜第3の集水管55,87,93が設けられている。第1の集水管55と第1の取水ノズル53とは第1の接続管56を介して接続され、第2の集水管87と第2の取水ノズル85とは第2の接続管88を介して接続され、第3の集水管93と第3の取水ノズル92とは第3の接続管94を介して接続されている。
【0126】
また、左右一方のサイドパネル39aには、第1〜第3の開口窓89,90,95が形成されている。このうち、第1の開口窓89は、サイドパネル39aの上端部に位置して、第1の取水ノズル53に対向している。また、第3の開口窓95は、サイドパネル39aの下端部に位置して、第3の取水ノズル92に対向している。第2の開口窓90は、第1の開口窓89と第3の開口窓95との上下間に位置して、第2の取水ノズル85に対向している。第1の接続管56は第1の開口窓89に挿通され、第2の接続管88は第2の開口窓90に挿通され、第3の接続管94は第3の開口窓95に挿通されている。
【0127】
以下、上記構成における作用を説明する。
(1)濾過運転中、濾過膜50を透過して膜カートリッジ34の内側に流入した透過水は、処理水として、透過水流路86を流れ、第1〜第3の取水ノズル53,85,92から吸引され、第1〜第3の接続管56,88,94を通って第1〜第3の集水管55,87,93に集められ、第1〜第3の集水管55,87,93から導出管(図示省略)を通って取り出される。
【0128】
第1〜第3の取水ノズル53,85,92は、膜カートリッジ34の一方の側辺部に設けられて、異なった高さに位置しているため、十分な吸引圧が膜カートリッジ34の全体に作用し、これにより、濾過膜50の全体を有効に使って処理水(透過水)を得ることができる。
【0129】
尚、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hd1が小さ過ぎる場合、第1および第2の取水ノズル53,85によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複してしまい、濾過膜50全体を有効に利用できない虞がある。同様に、第2の取水ノズル85と第3の取水ノズル92との高さの差Hd2が小さい場合、第2および第3の取水ノズル85,92によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複してしまい、濾過膜50全体を有効に利用できない虞がある。このような不具合に対して、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hd1を膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上にするとともに、第2の取水ノズル85と第3の取水ノズル92との高さの差Hd2を膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上にすることにより、個々の取水ノズル53,85,92によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複(干渉)するのを大幅に減少させることができ、膜カートリッジ34の能力を十分に引き出すことができる。
【0130】
また、上昇流77が第1〜第3の接続管56,88,94に当らずにスムーズに流れるため、膜カートリッジ34の膜面付着物が十分に除去され、さらに、接続管56,88,94の振動が低減され、取水ノズル53,85,92の周辺に割れが発生するのを防止することができる。
【0131】
(2)また、メンテナンス等において膜カートリッジ34を取り外す場合、一方のサイドパネル39aの第1の開口窓89を利用して、図21の仮想線で示すように、第1の接続管56の先端を第1の取水ノズル53から取り外すとともに、第2の開口窓90を利用して、第2の接続管88の先端を第2の取水ノズル85から取り外し、さらに、第3の開口窓95を利用して、第3の接続管94の先端を第3の取水ノズル92から取り外す。
【0132】
次に、図21の仮想線で示すように、他方のサイドパネル39bを取外して他方の側部開口部45bを開放し、左右他方の間隔保持部材63bをフレーム体37から取外す。その後、膜カートリッジ34を、ケーシング33の内部から他方の側部開口部45bを通して膜カートリッジ34の幅方向Aへ抜き出し、ケーシング33の外側方へ取り出す。
【0133】
(3)また、膜カートリッジ34を取り付ける場合、図21の実線に示すように、膜カートリッジ34を、ケーシング33の外側方から他方の側部開口部45bを通して膜カートリッジ34の幅方向Aへ挿入する。その後、左右他方の間隔保持部材63bをフレーム体37に取り付け、他方のサイドパネル39bをフレーム体37に取付けて他方の側部開口部45bを閉じる。
【0134】
その後、一方のサイドパネル39aの第1の開口窓89を利用して、図21の実線に示すように、第1の接続管56の先端を第1の取水ノズル53に嵌めて接続するとともに、第2の開口窓90を利用して、第2の接続管88の先端を第2の取水ノズル85に嵌めて接続し、さらに、第3の開口窓95を利用して、第3の接続管94の先端を第3の取水ノズル92に嵌めて接続する。
【0135】
上記実施の形態では、図20に示すように、複数の取水ノズル53,85,92を膜カートリッジ34の一方の側辺部に設けたが、反対の他方の側辺部に設けてもよい。この場合、集水管55,87,93と接続管56,88,94と開口窓89,90,95も反対側の他方に位置し、また、一方のサイドパネル39aを取外し、膜カートリッジ34を一方の側部開口部45aから出し入れする。
【0136】
上記実施の形態では、図20に示すように、膜カートリッジ34の側辺部に3個の取水ノズル53,85,92を設けたが、膜カートリッジ34のサイズに応じて、取水ノズル53,85,92を2個または4個以上の複数個設けてもよい。この場合、集水管55,87,93と接続管56,88,94と開口窓89,90,95との各個数を取水ノズルの個数に対応させればよい。
【0137】
次に、本発明における第7の実施の形態を説明する。
図22,図23に示すように、膜カートリッジ34の濾板49の側辺部に第1〜第3の取水ノズル53,85,92が設けられており、このうち、第1の取水ノズル53は膜カートリッジ34の一方の側辺部の上端部に位置し、第3の取水ノズル92は膜カートリッジ34の一方の側辺部の下端部に位置し、第2の取水ノズル85は膜カートリッジ34の他方の側辺部に設けられて第1の取水ノズル53と第3の取水ノズル92との上下間に位置している。
【0138】
尚、膜カートリッジ34の縦方向(上下方向)の長さLvと横方向(幅方向A)の長さLhとの比(=Lv/Lh)が3になるように設定されている。また、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hd1が膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上(すなわちHd1≧Lh)になるように設定され、さらに、第2の取水ノズル85と第3の取水ノズル92との高さの差Hd2が膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上(すなわちHd2≧Lh)になるように設定されている。
【0139】
フレーム体37の左右一側方には、第1および第3の集水管55,93が設けられ、フレーム体37の左右他側方には、第2の集水管87が設けられている。第1の集水管55と第1の取水ノズル53とは第1の接続管56を介して接続され、第2の集水管87と第2の取水ノズル85とは第2の接続管88を介して接続され、第3の集水管93と第3の取水ノズル92とは第3の接続管94を介して接続されている。
【0140】
また、左右一方のサイドパネル39aには、第1および第3の開口窓89,95が形成され、左右他方のサイドパネル39bには、第2の開口窓90が形成されている。このうち、第1の開口窓89は、一方のサイドパネル39aの上端部に位置して、第1の取水ノズル53に対向し、第3の開口窓95は、一方のサイドパネル39aの下端部に位置して、第3の取水ノズル92に対向し、第2の開口窓90は、他方のサイドパネル39bの上下両端部間に位置して、第2の取水ノズル85に対向している。
【0141】
以下、上記構成における作用を説明する。
(1)第1〜第3の取水ノズル53,85,92は、膜カートリッジ34の側辺部に設けられて、異なった高さに位置しているため、十分な吸引圧が膜カートリッジ34の全体に作用し、これにより、濾過膜50の全体を有効に使って処理水(透過水)を得ることができる。
【0142】
尚、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hd1が小さ過ぎる場合、第1および第2の取水ノズル53,85によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複してしまい、濾過膜50全体を有効に利用できない虞がある。同様に、第2の取水ノズル85と第3の取水ノズル92との高さの差Hd2が小さ過ぎる場合、第2および第3の取水ノズル85,92によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複してしまい、濾過膜50全体を有効に利用できない虞がある。このような不具合に対して、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hd1を膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上にするとともに、第2の取水ノズル85と第3の取水ノズル92との高さの差Hd2を膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上にすることにより、個々の取水ノズル53,85,92によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複(干渉)するのを大幅に減少させることができ、膜カートリッジ34の能力を十分に引き出すことができる。
【0143】
また、上昇流77が第1〜第3の接続管56,88,94に当らずにスムーズに流れるため、膜カートリッジ34の膜面付着物が十分に除去され、さらに、接続管56,88,94の振動が低減され、取水ノズル53,85,92の周辺に割れが発生するのを防止することができる。
【0144】
(2)また、メンテナンス等において膜カートリッジ34を取り外す場合、一方のサイドパネル39aの第1の開口窓89を利用して、図23の仮想線で示すように、第1の接続管56の先端を第1の取水ノズル53から取り外すとともに、第3の開口窓95を利用して、第3の接続管94の先端を第3の取水ノズル92から取り外し、さらに、他方のサイドパネル39bの第2の開口窓90を利用して、第2の接続管88の先端を第2の取水ノズル85から取り外す。
【0145】
次に、図23の仮想線で示すように、他方のサイドパネル39bを取外して他方の側部開口部45bを開放し、左右他方の間隔保持部材63bをフレーム体37から取外す。その後、膜カートリッジ34を、ケーシング33の内部から他方の側部開口部45bを通して膜カートリッジ34の幅方向Aへ抜き出し、ケーシング33の外側方へ取り出す。
【0146】
(3)また、膜カートリッジ34を取り付ける場合、図23の実線に示すように、膜カートリッジ34を、ケーシング33の外側方から他方の側部開口部45bを通して膜カートリッジ34の幅方向Aへ挿入する。その後、左右他方の間隔保持部材63bをフレーム体37に取り付け、他方のサイドパネル39bをフレーム体37に取付けて他方の側部開口部45bを閉じる。
【0147】
その後、一方のサイドパネル39aの第1の開口窓89を利用して、図23の実線に示すように、第1の接続管56の先端を第1の取水ノズル53に嵌めて接続するとともに、第3の開口窓95を利用して、第3の接続管94の先端を第3の取水ノズル92に嵌めて接続し、さらに、他方のサイドパネル39bの第2の開口窓90を利用して、第2の接続管88の先端を第2の取水ノズル85に嵌めて接続する。
【0148】
上記実施の形態では、図22に示すように、取水ノズル53,92を膜カートリッジ34の一方の側辺部に設け、取水ノズル85を膜カートリッジ34の他方の側辺部に設けたが、取水ノズル53,92を他方の側辺部に設け、取水ノズル85を一方の側辺部に設けてもよい。この場合、集水管55,87,93と接続管56,88,94と開口窓89,90,95の位置も、取水ノズル53,85,92の位置に応じて、それぞれ反対側に変更すればよい。
【0149】
また、膜カートリッジ34の一方の側辺部に取水ノズル53,92を1個又は3個以上の複数個設けてもよいし、膜カートリッジ34の他方の側辺部に取水ノズル85を2個以上の複数個設けてもよい。
【0150】
次に、本発明における第8の実施の形態を説明する。
図24,図25に示すように、膜カートリッジ34の濾板49の側辺部には第1〜第4の取水ノズル53,85,92,96が設けられており、このうち、第1の取水ノズル53は膜カートリッジ34の一方の側辺部の上端部に位置し、第2の取水ノズル85は膜カートリッジ34の一方の側辺部の上下両端部間に位置している。また、第3の取水ノズル92は膜カートリッジ34の他方の側辺部の上端部に位置し、第4の取水ノズル96は膜カートリッジ34の他方の側辺部の上下両端部間に位置している。
【0151】
膜カートリッジ34の下辺から第2の取水ノズル85までの高さは膜カートリッジ34の下辺から第1の取水ノズル53までの高さよりも低く、膜カートリッジ34の下辺から第4の取水ノズル96までの高さは膜カートリッジ34の下辺から第3の取水ノズル92までの高さよりも低い。尚、膜カートリッジ34の下辺から第1および第3の取水ノズル53,92までの高さは同じであり、膜カートリッジ34の下辺から第2および第4の取水ノズル85,96までの高さは同じである。
【0152】
尚、膜カートリッジ34の縦方向(上下方向)の長さLvと横方向(幅方向)の長さLhとの比(すなわち縦横比=Lv/Lh)が3になるように設定されている。また、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hd1が膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上(すなわちHd1≧Lh)になるように設定され、さらに、第3の取水ノズル92と第4の取水ノズル96との高さの差Hd2が膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上(すなわちHd2≧Lh)になるように設定されている。
【0153】
フレーム体37の左右一側方の上部には、各膜カートリッジ34の第1および第2の取水ノズル53,85から吸引された処理水を集める第1の集水管55が前後方向に設けられている。また、フレーム体37の左右他側方の上部には、各膜カートリッジ34の第3および第4の取水ノズル92,96から吸引された処理水を集める第2の集水管87が前後方向に設けられている。
【0154】
第1の集水管55と第1の取水ノズル53とは第1の接続管56を介して接続され、第1の集水管55と第2の取水ノズル85とは第2の接続管88を介して接続され、第2の集水管87と第3の取水ノズル92とは第3の接続管94を介して接続され、第2の集水管87と第4の取水ノズル96とは第4の接続管97を介して接続されている。尚、第1〜第4の各接続管56,88,94,97はそれぞれ可撓性を有している。
【0155】
また、左右一方のサイドパネル39aには、第1および第2の開口窓89,90が形成されている。このうち、第1の開口窓89は、サイドパネル39aの上端部に位置して、第1の取水ノズル53に対向している。また、第2の開口窓90は、サイドパネル39aの上下両端部間に位置して、第2の取水ノズル85に対向している。第1の接続管56は第1の開口窓89に挿通され、第2の接続管88は第2の開口窓90に挿通されている。
【0156】
また、左右他方のサイドパネル39bには、第3および第4の開口窓95,98が形成されている。このうち、第3の開口窓95は、サイドパネル39bの上端部に位置して、第3の取水ノズル92に対向している。また、第4の開口窓98は、サイドパネル39bの上下両端部間に位置して、第4の取水ノズル96に対向している。第3の接続管94は第3の開口窓95に挿通され、第4の接続管97は第4の開口窓98に挿通されている。
【0157】
以下、上記構成における作用を説明する。
(1)濾過運転時、濾過膜50を透過して膜カートリッジ34の内側に流入した透過水は、処理水として、透過水流路86を流れ、第1〜第4の取水ノズル53,85,92,96から吸引され、第1および第2の接続管56,88を通って第1の集水管55に集められるとともに、第3および第4の接続管94,97を通って第2の集水管87に集められる。
【0158】
第1および第2の取水ノズル53,85は膜カートリッジ34の一方の側辺部に設けられて異なった高さに位置しているとともに、第3および第4の取水ノズル92,96は膜カートリッジ34の他方の側辺部に設けられて異なった高さに位置しているため、十分な吸引圧が膜カートリッジ34の全体に作用し、これにより、濾過膜50の全体を有効に使って処理水(透過水)を得ることができる。
【0159】
尚、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hd1が小さ過ぎる場合、第1および第2の取水ノズル53,85によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複してしまい、濾過膜50全体を有効に利用できない虞がある。同様に、第3の取水ノズル92と第4の取水ノズル96との高さの差Hd2が小さ過ぎる場合、第3および第4の取水ノズル92,96によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複してしまい、濾過膜50全体を有効に利用できない虞がある。このような不具合に対して、第1の取水ノズル53と第2の取水ノズル85との高さの差Hd1を膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上にするとともに、第3の取水ノズル92と第4の取水ノズル96との高さの差Hd2を膜カートリッジ34の横方向の長さLh以上にすることにより、個々の取水ノズル53,85,92,96によって濾過膜50から透過液が得られる領域が重複(干渉)するのを大幅に減少させることができ、膜カートリッジ34の能力を十分に引き出すことができる。
【0160】
また、上昇流77が第1〜第4の接続管56,88,94,97に当らずにスムーズに流れるため、膜カートリッジ34の膜面付着物が十分に除去され、さらに、接続管56,88,94,97の振動が低減され、取水ノズル53,85,92,96の周辺に割れが発生するのを防止することができる。
【0161】
また、第1および第2の接続管56,88を共通する第1の集水管55に接続し、第3および第4の接続管94,97を共通する第2の集水管87に接続しているため、取水ノズル53,85,92,96の個数に対する集水管55,87の本数を削減することができる。
【0162】
(2)また、メンテナンス等において膜カートリッジ34を取り外す場合、一方のサイドパネル39aの第1の開口窓89を利用して、図25の仮想線で示すように、第1の接続管56の先端を第1の取水ノズル53から取り外すとともに、第2の開口窓90を利用して、第2の接続管88の先端を第2の取水ノズル85から取り外し、さらに、他方のサイドパネル39bの第3の開口窓95を利用して、第3の接続管94の先端を第3の取水ノズル92から取り外すとともに、第4の開口窓98を利用して、第4の接続管97の先端を第4の取水ノズル96から取り外す。
【0163】
次に、図25の仮想線で示すように、他方のサイドパネル39bを取外して他方の側部開口部45bを開放し、左右他方の間隔保持部材63bをフレーム体37から取外す。その後、膜カートリッジ34を、ケーシング33の内部から他方の側部開口部45bを通して膜カートリッジ34の幅方向Aへ抜き出し、ケーシング33の外側方へ取り出す。
【0164】
(3)また、膜カートリッジ34を取り付ける場合、図25の実線に示すように、膜カートリッジ34を、ケーシング33の外側方から他方の側部開口部45bを通して膜カートリッジ34の幅方向Aへ挿入する。その後、左右他方の間隔保持部材63bをフレーム体37に取り付け、他方のサイドパネル39bをフレーム体37に取付けて他方の側部開口部45bを閉じる。
【0165】
その後、第1の開口窓89を利用して、図25の実線に示すように、第1の接続管56の先端を第1の取水ノズル53に嵌めて接続するとともに、第2の開口窓90を利用して、第2の接続管88の先端を第2の取水ノズル85に嵌めて接続し、さらに、第3の開口窓95を利用して、第3の接続管94の先端を第3の取水ノズル92に嵌めて接続するとともに、第4の開口窓98を利用して、第4の接続管97の先端を第4の取水ノズル96に嵌めて接続する。
【0166】
上記実施の形態では、図24に示すように、膜カートリッジ34の一方の側辺部に2個の取水ノズル53,85を設けたが、1個又は3個以上の複数個設けてもよい。また、膜カートリッジ34の他方の側辺部に2個の取水ノズル92,96を設けたが、1個又は3個以上の複数個設けてもよい。この場合、接続管56,88,94,97と開口窓89,90,95,98の数や位置は、取水ノズル53,85,92,96の個数や位置に応じて変更すればよい。
【0167】
上記第4〜第8の実施の形態では、一方のサイドパネル39aに開口窓89,90を形成したが、開口窓89,90を形成する代わりに、一方のサイドパネル39aを上下複数のパネル片に分割し、これらパネル片間に間隙を形成し、上記間隙を利用して接続管の先端を取水ノズルに着脱してもよい。同様に、他方のサイドパネル39bに開口窓95,98を形成したが、開口窓95,98を形成する代わりに、他方のサイドパネル39bを上下複数のパネル片に分割し、これらパネル片間に間隙を形成し、上記間隙を利用して接続管の先端を取水ノズルに着脱してもよい。
【0168】
上記各々の実施の形態では、膜カートリッジ34を縦長の長方形にしているが、長方形に限定されるものではなく、縦長形状であれば、例えば、第9の実施の形態として図26に示すように、膜カートリッジ34の側辺34aが鉛直方向に対して傾斜した形状でもよい。また、第10の実施の形態として図27に示すように、膜カートリッジ34の四隅34bを円弧状に形成した形状でもよい。
【0169】
上記第4〜第10の実施の形態では、膜カートリッジ34の縦方向の長さLvと横方向の長さLhとの比(縦横比=Lv/Lh)を3に設定したが、取水ノズル53を膜カートリッジ34の上端部に一箇所だけ設けた場合には、上記縦横比(=Lv/Lh)が2.5を超えると、濾過膜50の面積の増加に対する透過液の流束の増加割合が急激に減少するため、上記縦横比(=Lv/Lh)が下限値2.5以上である場合に、取水ノズルを複数設ける構成が有効となる。また、膜カートリッジ34の取り扱い性の面から、前記縦横比の上限値は4以下が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明の第1の実施の形態における浸漬型膜分離装置の構成を示す概略縦断面図である。
【図2】同、浸漬型膜分離装置のケーシングからサイドカバーと支持部材とを取り外して膜カートリッジを抜き出した状態を示す斜視図である。
【図3】同、浸漬型膜分離装置の構成を示す分解斜視図である。
【図4】同、浸漬型膜分離装置の膜カートリッジの正面図である。
【図5】図4におけるX−X矢視図である。
【図6】同、浸漬型膜分離装置の膜カートリッジの突部の断面斜視図である。
【図7】同、浸漬型膜分離装置の膜カートリッジに洗浄液を噴射して洗浄する方法を示す斜視図である。
【図8】同、浸漬型膜分離装置の膜カートリッジの拘束構造を示す図であり、(a)は支持部材の分解斜視図、(b)は支持部材によって拘束された膜カートリッジの斜視図である。
【図9】同、浸漬型膜分離装置の支持部材のスリットと膜カートリッジの支持板のスリットとの嵌め合い部分の拡大斜視図である。
【図10】同、浸漬型膜分離装置のケーシングの左右一側部と膜カートリッジの左右一側部との縦断面図である。
【図11】同、浸漬型膜分離装置のケーシングの左右一側部と膜カートリッジの左右一側部との縦断面図であり、ケーシングからサイドカバーと支持部材とを取り外した状態を示す。
【図12】(a)は図10におけるX−X矢視図であり、(b)は図11におけるX−X矢視図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における浸漬型膜分離装置の構成を示す概略図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態における浸漬型膜分離装置の構成を示す概略図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態における浸漬型膜分離装置の膜カートリッジの正面図である。
【図16】同、浸漬型膜分離装置の構成を示す分解斜視図である。
【図17】同、浸漬型膜分離装置の縦断面図である。
【図18】本発明の第5の実施の形態における浸漬型膜分離装置の膜カートリッジの正面図である。
【図19】同、浸漬型膜分離装置の縦断面図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態における浸漬型膜分離装置の膜カートリッジの正面図である。
【図21】同、浸漬型膜分離装置の縦断面図である。
【図22】本発明の第7の実施の形態における浸漬型膜分離装置の膜カートリッジの正面図である。
【図23】同、浸漬型膜分離装置の縦断面図である。
【図24】本発明の第8の実施の形態における浸漬型膜分離装置の膜カートリッジの正面図である。
【図25】同、浸漬型膜分離装置の縦断面図である。
【図26】本発明の第9の実施の形態における浸漬型膜分離装置の膜カートリッジの正面図である。
【図27】本発明の第10の実施の形態における浸漬型膜分離装置の膜カートリッジの正面図である。
【図28】従来の浸漬型膜分離装置の斜視図である。
【図29】同、浸漬型膜分離装置の構成を示す概略縦断面図である。
【図30】同、浸漬型膜分離装置の膜カートリッジの汚泥の閉塞部分を示す図であり、(a)はケーシング内に収納された膜カートリッジの正面図、(b)は(a)におけるX−X矢視図である。
【符号の説明】
【0171】
31 浸漬型膜分離装置
33 ケーシング
34 膜カートリッジ
36 散気装置(流れ発生装置)
39a,39b サイドパネル(壁体)
45a,45b 側部開口部
50 濾過膜
53,85,92,96 取水ノズル(取水部)
63a,63b 間隔保持部材
70,71 上部および下部案内部材
77 上昇流(一方向の流れ)
A 幅方向(他方向,横方向)
C 配置方向
S 間隔
Lh 膜カートリッジの横方向の長さ
Hd,Hd1,Hd2 取水ノズル間の高さの差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に濾過膜を配置した複数の平板状の膜カートリッジが向い合う膜カートリッジの濾過膜との間に所定間隔をあけて配置され、
膜カートリッジの膜面に沿った一方向の流れを発生させる流れ発生装置が設けられ、
隣り合う膜カートリッジ間に形成される上記一方向の流れの流路の両側に壁体を有する浸漬型膜分離装置であって、
膜カートリッジは上記一方向の流れに略直交し且つ膜カートリッジの配置方向に略直交する他方向から着脱可能であることを特徴とする浸漬型膜分離装置。
【請求項2】
膜カートリッジは上部が開口したケーシング内に着脱可能に設けられ、
膜カートリッジの下方に、膜カートリッジの膜面に沿った上昇流を発生させる散気装置が設けられ、
膜カートリッジが上昇流に直交する横方向から着脱可能であることを特徴とする請求項1記載の浸漬型膜分離装置。
【請求項3】
ケーシング内の下部に、膜カートリッジを出し入れ方向へ案内する櫛歯状の案内部材が設けられていることを特徴とする請求項2記載の浸漬型膜分離装置。
【請求項4】
ケーシング内の上部に、膜カートリッジを出し入れ方向へ案内する櫛歯状の案内部材が設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の浸漬型膜分離装置。
【請求項5】
ケーシングの側部に、膜カートリッジを出し入れ可能な側部開口部と、側部開口部を覆う開閉又は着脱可能なサイドパネルとが設けられていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の浸漬型膜分離装置。
【請求項6】
膜カートリッジ同士の間隔を保持する間隔保持部材が膜カートリッジの側方に配設されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の浸漬型膜分離装置。
【請求項7】
膜カートリッジの上記他方向と略直交する側辺部に、膜濾過によって得られる処理水を吸引するための取水部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の浸漬型膜分離装置。
【請求項8】
表面に濾過膜を配置した縦長の膜カートリッジであって、
側辺部に、膜濾過によって得られる処理水を吸引するための取水ノズルが複数設けられ、
下辺から取水ノズルまでの高さがそれぞれ異なっていることを特徴とする膜カートリッジ。
【請求項9】
片方の側辺部に複数の取水ノズルが設けられていることを特徴とする請求項8記載の膜カートリッジ。
【請求項10】
取水ノズル間の高さの差が膜カートリッジの横方向の長さ以上であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の膜カートリッジ。
【請求項11】
上記請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の膜カートリッジを備えた浸漬型膜分離装置であって、
複数の膜カートリッジがケーシング内に着脱自在に備えられ、
膜カートリッジの下方に、膜カートリッジの膜面に沿った上昇流を発生させる散気装置が設けられ、
膜カートリッジは上昇流に直交し且つ膜カートリッジの配置方向に直交する横方向からケーシングに挿脱可能であることを特徴とする浸漬型膜分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2009−148743(P2009−148743A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154930(P2008−154930)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】