浸漬平膜エレメント
【課題】隣接する平膜エレメント間を通過する気泡の中央集中化を抑制し、膜面の洗浄効率の向上を図ることのできる浸漬平膜エレメントを提供する。
【解決手段】処理槽内の被処理水中に、濾膜を対向させて隣接配置された複数の平膜エレメントを垂直に浸漬させ、前記複数の平膜エレメントの下方に散気手段を配置した浸漬平膜濾過装置の平膜エレメント10であって、集水溝16を有する支持板14と支持板14の側面に配置される集水部18とを有するベースフレーム12と、支持板14の両主面に配置される濾膜22を備え、支持板14の上端部14aと下端部14bとを結ぶ垂直距離に、水平方向における変化を持たせ、長距離部Bと短距離部Aを設けたことを特徴とする。
【解決手段】処理槽内の被処理水中に、濾膜を対向させて隣接配置された複数の平膜エレメントを垂直に浸漬させ、前記複数の平膜エレメントの下方に散気手段を配置した浸漬平膜濾過装置の平膜エレメント10であって、集水溝16を有する支持板14と支持板14の側面に配置される集水部18とを有するベースフレーム12と、支持板14の両主面に配置される濾膜22を備え、支持板14の上端部14aと下端部14bとを結ぶ垂直距離に、水平方向における変化を持たせ、長距離部Bと短距離部Aを設けたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浸漬平膜濾過装置に係り、特に当該装置において濾過膜として使用される浸漬平膜エレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
浸漬平膜濾過装置は、産業排水系の凝集汚泥処理や下水等の活性汚泥処理に用いられる。浸漬平膜濾過装置では図13に示すように、並列配置された複数の平膜エレメント1を処理槽2内に浸漬させた状態で配置され、各平膜エレメント1の内部から被処理水を吸引することによって濾過水が得られる。
【0003】
このような配置形態にある平膜エレメント1の下方には、散気手段3が配置されている。散気手段3による散気は、平膜エレメント1における濾膜面の洗浄、処理槽2内の攪拌、および処理槽2内の微生物に対する酸素供給等といった目的を持って成される。このような目的の中で、被処理水の濾過に対して直接的に関係するのが膜面の洗浄である。しかしながら、従来の浸漬平膜濾過装置では、処理槽2内に活性汚泥などの固形物が高濃度で存在する場合、被処理水の粘度が増加するため、散気手段3によって発生する気泡の大きさに均一性がなくなると共に気泡の偏りが生じ、効果的な膜面洗浄が成されなくなり、被処理水の濾過効率が低下するという問題があった。
【0004】
このような問題に対しては、様々な技術が提案されており、例えば特許文献1では、平膜エレメントの上部に生ずるエア溜まりを解消するために、平膜エレメントの上部左右から、処理水と共にエアを吸引し、エア溜まりの発生を防止することで、散気による洗浄効率の向上を図っている。
【0005】
また特許文献2では、平膜エレメントと散気管の間に、散気された気泡を分散させる分散板を配置して、平膜エレメントに供給される気泡の小径化、および分散を図っている。
【0006】
さらに特許文献3では、並列配置される平膜エレメントの枠部下端部の厚みを膜面より狭小化すると共にその配置位置によって間隔を変えることにより、平膜エレメントの下部に形成したエアベッドから膜面に供給されるエアを均等分散させることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−237551号公報
【特許文献2】特開2001−162141号公報
【特許文献3】特開2006−43631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献に開示されているような種々の工夫が成されたとしても、隣接する平膜エレメント間に流れ込んだ気泡は、平膜エレメントの中央に集中し、気泡が粗大化して上昇速度を加速させるという現象が生ずることが確認されている。このような現象が生じた場合、平膜エレメントの端部、すなわち膜面の左右部には、気泡の流れが生じないこととなり、膜面の洗浄効率および被処理水の濾過効率が共に低下することとなる。
【0009】
そこで本発明では、隣接する平膜エレメント間を通過する気泡の中央集中化を抑制し、膜面の洗浄効率、被処理水の濾過効率の向上を図ることのできる浸漬平膜エレメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための浸漬平膜エレメントは、処理槽内の被処理水中に、濾膜面を対向させて隣接配置された複数の平膜エレメントを垂直に浸漬させ、前記複数の平膜エレメントの下方に散気手段を配置した浸漬平膜濾過装置の平膜エレメントであって、集水溝を有する支持板と当該支持板の側面に配置される集水部とを有するベースフレームと、前記支持板の両主面に配置される濾膜を備え、前記支持板の上端部と下端部とを結ぶ垂直距離に、水平方向における変化を持たせ、長距離部と短距離部を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、上記のような特徴を有する浸漬平膜エレメントにおいて前記支持板の上端部および下端部のうちの少なくとも一方は、前記長距離部と前記短距離部とを結ぶ直線部を有すると良い。
【0012】
また、上記のような特徴を有する浸漬平膜エレメントでは、前記支持板の上端部および下端部のうちの少なくとも一方は、前記長距離部と前記短距離部とを結ぶ曲線部を有するものとしても良い。
【0013】
また、上記のような特徴を有する浸漬平膜エレメントでは、前記長距離部は、前記支持板における水平方向中央部に設けられ、前記短距離部は、前記支持板における水平方向両端部に設けられるようにすると良い。
さらに、上記のような特徴を有する浸漬平膜エレメントにおいて前記長距離部と前記短距離部は、1つの前記支持板に対して複数設けるようにしても良い。
【発明の効果】
【0014】
上記のような特徴を有する浸漬平膜エレメントによれば、隣接する平膜エレメント間を通過する気泡の中央集中化を抑制し、膜面の洗浄効率の向上、および被処理水の濾過効率の向上を図ることができる。また、膜面の効果的な洗浄により、不可逆的な膜閉塞(膜面に対する汚泥の固着)を抑制することができるため、薬品洗浄の頻度を少なくすることができ、膜寿命の延命化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの構成を示す部分分解斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る浸漬平膜エレメントを複数組み合わせた平膜ユニットの構成を示す斜視図である。
【図3】従来の浸漬平膜ユニットに生ずる被処理水の流れの速度分布と、気泡の偏りを説明するための図である。
【図4】実施形態に係る浸漬平膜ユニットに生ずる被処理水の流れの速度分布と、気泡の分散化を説明するための図である。
【図5】第1の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの第1の変形例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの第2の変形例を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの構成を示す平面図である。
【図8】第2の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの第1の変形例を示す図である。
【図9】第3の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの構成を示す平面図である。
【図10】第3の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの第1の変形例を示す図である。
【図11】第4の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの構成を示す平面図である。
【図12】支持板の上端部側にも凸部を設けて長距離部を構成した浸漬平膜エレメントの例を示す図である。
【図13】浸漬平膜エレメントを用いた浸漬平膜濾過装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の浸漬平膜エレメントに係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1を参照して、本発明の浸漬平膜エレメント(以下、単に平膜エレメント10と称す)に係る第1の実施形態について説明する。
【0017】
本実施形態に係る平膜エレメント10は、ベースフレーム12と、このベースフレーム12に貼付される濾膜22とを基本として構成される。また、本実施形態に係る平膜エレメント10のベースフレーム12は、支持板14と集水部18を有する。
【0018】
本実施形態に係る支持板14は、支持板14の上端部14aと下端部14bとを結ぶ垂直距離に、水平方向(配置形態上)における変化を持たせている。すなわち、支持板14の上端部14aと下端部14bを平行に形成していないのである。具体的には、支持板14の水平方向中央部近傍に、垂直距離を長距離とする長距離部Bを配置し、両端部に、長距離部Bよりも垂直距離を短くした短距離部Aを配置している。
【0019】
本実施形態に係る平膜エレメント10では図1に示すように、支持板14の下端部14bを下に凸状に形成することで、長距離部Bと短距離部Aを形成し、長距離部Bと短距離部Aとを直線で結ぶように支持板14の下端部14bの外形を形成している。このため、支持板14の下端部14bは、下に凸な台形状となる。
【0020】
このような外形形状を有する支持板14の主面(板面)には、複数の集水溝16が形成されている。集水溝16は支持板14の両主面に形成され、いずれか一方の端部を、詳細を後述する集水部18に接続することで、詳細を後述する濾膜22を介して主面に接する被処理水を、集水部18へと導くことが可能となる。
【0021】
集水部18は、支持板14の両側面に配置される流水路である。集水部18には吸引口20が設けられ、吸引口20に負圧が印加されることにより、支持板14に形成された集水溝16より吸引された被処理水が、集水部18内部に流れ込み、吸引口20を介して外部へ送水される。集水部18は、支持板14よりも厚みを厚く形成され、集水部18の厚み方向中央部に、支持板14が配置されるように構成されている。このような構成とすることにより、平膜エレメント10を隣接配置した際に、隣り合う平膜エレメント10の支持板14間に隙間を形成することができ、気泡の通過する流路が確保できると共に、詳細を後述する濾膜22同士の接触による濾膜22の破損を防止することができる。なお、濾膜22は、支持板14の両主面に貼付され、被処理水を濾過する役割を担う。
【0022】
図2は、本実施形態に係る平膜エレメント10を複数、隣接配置して構成される平膜ユニット50である。平膜ユニット50は、複数の平膜エレメント10における濾膜22の膜面を対向させ、集水部18を重ね合わせるように配置して構成される。
【0023】
このように配置された平膜エレメント10では、隣接配置された平膜エレメント10の濾膜22間をエアが通過することにより、隣り合う平膜エレメント10の膜面間に位置する被処理水には、エアリフトの作用による上昇流が生ずることとなる。
【0024】
この際、濾膜22の両端側には集水部18が配置されるため、従来の平膜エレメントでは図3(A)に示すように、濾膜上を流れる被処理水の流速は、集水部近傍よりも濾膜中央部の方が抵抗が少なくなるため、濾膜中央部の流れが速くなる。
【0025】
隣接する平膜エレメントの濾膜間に、このような速度分布を有する上昇流が生ずると、流速の高低に基づく圧力差が生ずることとなる。濾膜間に、このような圧力差が生ずると、圧力の低い部分、すなわち流速の早い中央部へ気泡が集中し易くなる。そして、中央部に集中した気泡は合一により粗大化し、上昇速度が加速することでさらなる流速の偏りを生み出すこととなり、濾膜の洗浄効率の低下、具体的には、濾膜端部側の洗浄効率の低下を招くこととなる(図3(B)参照)。また、粗大化して中央に集中した気泡は、平膜エレメントを歪ませて、隣接配置した平膜エレメント間の接触、破損を生じさせる要因にもなる。
【0026】
これに対して上述したような特徴を有する本実施形態に係る平膜エレメント10では、集水部18を配置した両端部よりも支持板の中央部の長さを長くしている。上述のような図3(A)に見られる流速分布は、隣接配置された平膜エレメント10における濾膜22の膜面間においても生ずるため、支持板14の対向領域が長いほど、被処理水の受ける抵抗が大きくなり、エアリフトによって生ずる上昇流の速度が加速することを抑制する。そして図4(A)に示すように、本実施形態の平膜エレメント10では、支持板14の長距離部Bにおける対向領域(B−B断面)は、短距離部Aの対向領域(A−A断面)に比べて垂直距離が長い。このため、長距離部Bである支持板14の中央部では、エアリフトによって生ずる上昇流の加速化が生じにくく、圧力差によって生ずる気泡の集中肥大を避けることができる。このため、図4(B)に示すように、気泡を分散させることができる。
【0027】
これにより、濾膜22の洗浄効果の向上、すなわち濾膜22の洗浄率の偏りの防止、および濾膜22の効果的な洗浄による被処理水の濾過効率の向上を図ることが可能となる。また、支持板14を樹脂により構成する平膜エレメント10の歪みを抑制し、濾膜22の接触による破損等も防止することができる。さらに、洗浄効果の向上を図ることができるため、濾膜22の不可逆的な膜閉塞を抑制することができる。これにより、薬品洗浄の頻度を減らすことができ、濾膜寿命の延命化を図ることもできる。
【0028】
図5は、本実施形態に係る平膜エレメント10の第1の変形例である。図1に示す実施形態では、長距離部Bと短距離部Aとを直線で結ぶ形態とし、支持板14の下端部14bに台形形状を形成していた。これに対して図5に示す変形例では、長距離部Bと短距離部Aを曲線で結ぶように、支持板14の下端部14bを形成した。このため、本実施例に係る平膜エレメント10aでは、支持板14の下端部14bの形状が円弧状を成すこととなる。
【0029】
支持板14の形状をこのようなものとした場合であっても、支持板14の上端部14aと下端部14bとを結ぶ垂直距離に、長距離部Bと短距離部Aを有する構造となるため、上記実施形態に係る平膜エレメント10と同様な効果を得ることができる。
【0030】
図6は、本実施形態に係る平膜エレメント10の第2の変形例である。図5に示した第1の変形例では、支持板14の下端部14b全体を円弧状に形成している。これに対して本変形例に係る平膜エレメント10bでは、長距離部Bを構成する領域(長距離部領域)に直線部を残しつつ、長距離部Bと短距離部Aを結ぶ辺を曲線により構成している。
【0031】
支持板14の形状をこのようなものとした場合であっても、支持板14の上端部14aと下端部14bとを結ぶ垂直距離に、長距離部Bと短距離部Aを有する構造となるため、上記実施形態に係る平膜エレメント10と同様な効果を得ることができる。
【0032】
次に、本発明の浸漬平膜エレメントに係る第2の実施形態について、図7を参照して説明する。本実施形態に係る平膜エレメント110は、その殆どの形態を上述した第1の実施形態に係る平膜エレメント10と同一とする。よって、その機能を同一とする箇所には、図面に同一符号を付して、詳細な説明は省略するものとする。
【0033】
本実施形態に係る平膜エレメント110は、上述した第1の実施形態に係る平膜エレメント10に比べ、支持板14における短距離部Aの形成領域(短距離部領域)を広げ、長距離部Bの形成領域(長距離部領域)を狭めた点を特徴とする。このような形態的特徴を有する平膜エレメント110によれば、濾膜22の両端側(左右側)に位置する短距離部Aの領域を広げたことにより、当該部分に生ずる上昇流の加速度を向上させることができる。このため、気泡の中央集中化が促進されるような粘性の高い被処理水であっても、気泡の中央集中化を効果的に抑制することが可能となる。
なお、その他の構成、作用、効果については、上述した第1の実施形態に係る平膜エレメント10と同様である。
【0034】
図8は、本実施形態に係る平膜エレメント110の変形例である。本変形例は、上述した第1の実施形態における第1の変形例と同様に、長距離部Bと短距離部Aを曲線で結び、支持板14の下端部14bの形状を円弧状としている。なお、本変形例では、短距離部Aの領域を広く確保しているため、円弧状の下端部14bの両端側に、直線部が設けられることとなる。
支持板14の形状をこのようなものとした場合であっても、上記第2の実施形態に係る平膜エレメント110と同様な効果を得ることができる。
【0035】
次に、本発明の浸漬平膜エレメントに係る第3の実施形態について、図9を参照して説明する。本実施形態に係る平膜エレメント210も、その殆どの形態を上述した第1、第2の実施形態に係る平膜エレメント10,110と同一としている。よって、その機能を同一とする箇所には、図面に同一符号を付して、詳細な説明は省略するものとする。
【0036】
本実施形態に係る平膜エレメント210は、支持板14に形成する長距離部Bを一点とし、両端部に位置する短距離部Aに向けて伸びる直線に沿って支持板14の下部形状を定めている。このため、本実施形態に係る平膜エレメント210における支持板14の下端部14bの形状は、下に凸な三角形となる。このような端部形状を有する支持板14を備える平膜エレメント210では、より粘度の高い被処理水であっても、気泡の分散化を図ることができる。
【0037】
図10は、本実施形態に係る平膜エレメント210の変形例である。本変形例は、上述した第1の実施形態における第1の変形例と同様に、長距離部Bと短距離部Aを曲線で結んでいるが、本変形例に係る平膜エレメント210aでは、円弧部を上に向けるようにして辺を形成しているため、1点とした長距離部Bが鋭角に張り出す形状となっている。支持板14の形状をこのようなものとした場合であっても、上記第3の実施形態に係る平膜エレメント210と同様な効果を得ることができる。
【0038】
次に、本発明の浸漬平膜エレメントに係る第4の実施形態について、図11を参照して説明する。本実施形態に係る平膜エレメント310も、その殆どの形態を上述した第1、第2、および第3の実施形態に係る平膜エレメント10,110,210と同一としている。よって、その機能を同一とする箇所には、図面に同一符号を付して、詳細な説明は省略するものとする。
【0039】
本実施形態に係る平膜エレメント310は図11に示すように、1つの支持板14に対して、複数(図11においては2箇所)の長距離部Bおよび複数(図11においては3箇所)の短距離部Aを備える構成としている。
このような形態とした場合であっても、上述した各実施形態に係る平膜エレメントと同様に、上昇する気泡の分散化を図ることができる。
【0040】
また、上記実施形態ではいずれも、支持板14の下端部14bの形状のみを変化させ、支持板14の下端部14bに凸部を形成するように示した。しかしながら、長距離部Bの形成は支持板14の上端部14aを利用して行うようにしても良い。例えば第1の実施形態に係る平膜エレメント10の上端部14aを変形させると、図12に示すような形態となり、支持板14の下端部14bに加え上端部14aにも凸状の台形を備えた形態となる。このような形態の支持板14を備える平膜エレメント10cによれば、抵抗となる長距離部Bの長さをより長くすることができる。よって、気泡が中央へ集中し、肥大化することの抑制効果を向上させることができる。
【符号の説明】
【0041】
10………平膜エレメント、12………ベースフレーム、14………支持板、14a………上端部、14b………下端部、16………集水溝、18………集水部、20………吸引口、22………濾膜、50………平膜ユニット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、浸漬平膜濾過装置に係り、特に当該装置において濾過膜として使用される浸漬平膜エレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
浸漬平膜濾過装置は、産業排水系の凝集汚泥処理や下水等の活性汚泥処理に用いられる。浸漬平膜濾過装置では図13に示すように、並列配置された複数の平膜エレメント1を処理槽2内に浸漬させた状態で配置され、各平膜エレメント1の内部から被処理水を吸引することによって濾過水が得られる。
【0003】
このような配置形態にある平膜エレメント1の下方には、散気手段3が配置されている。散気手段3による散気は、平膜エレメント1における濾膜面の洗浄、処理槽2内の攪拌、および処理槽2内の微生物に対する酸素供給等といった目的を持って成される。このような目的の中で、被処理水の濾過に対して直接的に関係するのが膜面の洗浄である。しかしながら、従来の浸漬平膜濾過装置では、処理槽2内に活性汚泥などの固形物が高濃度で存在する場合、被処理水の粘度が増加するため、散気手段3によって発生する気泡の大きさに均一性がなくなると共に気泡の偏りが生じ、効果的な膜面洗浄が成されなくなり、被処理水の濾過効率が低下するという問題があった。
【0004】
このような問題に対しては、様々な技術が提案されており、例えば特許文献1では、平膜エレメントの上部に生ずるエア溜まりを解消するために、平膜エレメントの上部左右から、処理水と共にエアを吸引し、エア溜まりの発生を防止することで、散気による洗浄効率の向上を図っている。
【0005】
また特許文献2では、平膜エレメントと散気管の間に、散気された気泡を分散させる分散板を配置して、平膜エレメントに供給される気泡の小径化、および分散を図っている。
【0006】
さらに特許文献3では、並列配置される平膜エレメントの枠部下端部の厚みを膜面より狭小化すると共にその配置位置によって間隔を変えることにより、平膜エレメントの下部に形成したエアベッドから膜面に供給されるエアを均等分散させることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−237551号公報
【特許文献2】特開2001−162141号公報
【特許文献3】特開2006−43631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献に開示されているような種々の工夫が成されたとしても、隣接する平膜エレメント間に流れ込んだ気泡は、平膜エレメントの中央に集中し、気泡が粗大化して上昇速度を加速させるという現象が生ずることが確認されている。このような現象が生じた場合、平膜エレメントの端部、すなわち膜面の左右部には、気泡の流れが生じないこととなり、膜面の洗浄効率および被処理水の濾過効率が共に低下することとなる。
【0009】
そこで本発明では、隣接する平膜エレメント間を通過する気泡の中央集中化を抑制し、膜面の洗浄効率、被処理水の濾過効率の向上を図ることのできる浸漬平膜エレメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための浸漬平膜エレメントは、処理槽内の被処理水中に、濾膜面を対向させて隣接配置された複数の平膜エレメントを垂直に浸漬させ、前記複数の平膜エレメントの下方に散気手段を配置した浸漬平膜濾過装置の平膜エレメントであって、集水溝を有する支持板と当該支持板の側面に配置される集水部とを有するベースフレームと、前記支持板の両主面に配置される濾膜を備え、前記支持板の上端部と下端部とを結ぶ垂直距離に、水平方向における変化を持たせ、長距離部と短距離部を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、上記のような特徴を有する浸漬平膜エレメントにおいて前記支持板の上端部および下端部のうちの少なくとも一方は、前記長距離部と前記短距離部とを結ぶ直線部を有すると良い。
【0012】
また、上記のような特徴を有する浸漬平膜エレメントでは、前記支持板の上端部および下端部のうちの少なくとも一方は、前記長距離部と前記短距離部とを結ぶ曲線部を有するものとしても良い。
【0013】
また、上記のような特徴を有する浸漬平膜エレメントでは、前記長距離部は、前記支持板における水平方向中央部に設けられ、前記短距離部は、前記支持板における水平方向両端部に設けられるようにすると良い。
さらに、上記のような特徴を有する浸漬平膜エレメントにおいて前記長距離部と前記短距離部は、1つの前記支持板に対して複数設けるようにしても良い。
【発明の効果】
【0014】
上記のような特徴を有する浸漬平膜エレメントによれば、隣接する平膜エレメント間を通過する気泡の中央集中化を抑制し、膜面の洗浄効率の向上、および被処理水の濾過効率の向上を図ることができる。また、膜面の効果的な洗浄により、不可逆的な膜閉塞(膜面に対する汚泥の固着)を抑制することができるため、薬品洗浄の頻度を少なくすることができ、膜寿命の延命化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの構成を示す部分分解斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る浸漬平膜エレメントを複数組み合わせた平膜ユニットの構成を示す斜視図である。
【図3】従来の浸漬平膜ユニットに生ずる被処理水の流れの速度分布と、気泡の偏りを説明するための図である。
【図4】実施形態に係る浸漬平膜ユニットに生ずる被処理水の流れの速度分布と、気泡の分散化を説明するための図である。
【図5】第1の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの第1の変形例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの第2の変形例を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの構成を示す平面図である。
【図8】第2の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの第1の変形例を示す図である。
【図9】第3の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの構成を示す平面図である。
【図10】第3の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの第1の変形例を示す図である。
【図11】第4の実施形態に係る浸漬平膜エレメントの構成を示す平面図である。
【図12】支持板の上端部側にも凸部を設けて長距離部を構成した浸漬平膜エレメントの例を示す図である。
【図13】浸漬平膜エレメントを用いた浸漬平膜濾過装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の浸漬平膜エレメントに係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1を参照して、本発明の浸漬平膜エレメント(以下、単に平膜エレメント10と称す)に係る第1の実施形態について説明する。
【0017】
本実施形態に係る平膜エレメント10は、ベースフレーム12と、このベースフレーム12に貼付される濾膜22とを基本として構成される。また、本実施形態に係る平膜エレメント10のベースフレーム12は、支持板14と集水部18を有する。
【0018】
本実施形態に係る支持板14は、支持板14の上端部14aと下端部14bとを結ぶ垂直距離に、水平方向(配置形態上)における変化を持たせている。すなわち、支持板14の上端部14aと下端部14bを平行に形成していないのである。具体的には、支持板14の水平方向中央部近傍に、垂直距離を長距離とする長距離部Bを配置し、両端部に、長距離部Bよりも垂直距離を短くした短距離部Aを配置している。
【0019】
本実施形態に係る平膜エレメント10では図1に示すように、支持板14の下端部14bを下に凸状に形成することで、長距離部Bと短距離部Aを形成し、長距離部Bと短距離部Aとを直線で結ぶように支持板14の下端部14bの外形を形成している。このため、支持板14の下端部14bは、下に凸な台形状となる。
【0020】
このような外形形状を有する支持板14の主面(板面)には、複数の集水溝16が形成されている。集水溝16は支持板14の両主面に形成され、いずれか一方の端部を、詳細を後述する集水部18に接続することで、詳細を後述する濾膜22を介して主面に接する被処理水を、集水部18へと導くことが可能となる。
【0021】
集水部18は、支持板14の両側面に配置される流水路である。集水部18には吸引口20が設けられ、吸引口20に負圧が印加されることにより、支持板14に形成された集水溝16より吸引された被処理水が、集水部18内部に流れ込み、吸引口20を介して外部へ送水される。集水部18は、支持板14よりも厚みを厚く形成され、集水部18の厚み方向中央部に、支持板14が配置されるように構成されている。このような構成とすることにより、平膜エレメント10を隣接配置した際に、隣り合う平膜エレメント10の支持板14間に隙間を形成することができ、気泡の通過する流路が確保できると共に、詳細を後述する濾膜22同士の接触による濾膜22の破損を防止することができる。なお、濾膜22は、支持板14の両主面に貼付され、被処理水を濾過する役割を担う。
【0022】
図2は、本実施形態に係る平膜エレメント10を複数、隣接配置して構成される平膜ユニット50である。平膜ユニット50は、複数の平膜エレメント10における濾膜22の膜面を対向させ、集水部18を重ね合わせるように配置して構成される。
【0023】
このように配置された平膜エレメント10では、隣接配置された平膜エレメント10の濾膜22間をエアが通過することにより、隣り合う平膜エレメント10の膜面間に位置する被処理水には、エアリフトの作用による上昇流が生ずることとなる。
【0024】
この際、濾膜22の両端側には集水部18が配置されるため、従来の平膜エレメントでは図3(A)に示すように、濾膜上を流れる被処理水の流速は、集水部近傍よりも濾膜中央部の方が抵抗が少なくなるため、濾膜中央部の流れが速くなる。
【0025】
隣接する平膜エレメントの濾膜間に、このような速度分布を有する上昇流が生ずると、流速の高低に基づく圧力差が生ずることとなる。濾膜間に、このような圧力差が生ずると、圧力の低い部分、すなわち流速の早い中央部へ気泡が集中し易くなる。そして、中央部に集中した気泡は合一により粗大化し、上昇速度が加速することでさらなる流速の偏りを生み出すこととなり、濾膜の洗浄効率の低下、具体的には、濾膜端部側の洗浄効率の低下を招くこととなる(図3(B)参照)。また、粗大化して中央に集中した気泡は、平膜エレメントを歪ませて、隣接配置した平膜エレメント間の接触、破損を生じさせる要因にもなる。
【0026】
これに対して上述したような特徴を有する本実施形態に係る平膜エレメント10では、集水部18を配置した両端部よりも支持板の中央部の長さを長くしている。上述のような図3(A)に見られる流速分布は、隣接配置された平膜エレメント10における濾膜22の膜面間においても生ずるため、支持板14の対向領域が長いほど、被処理水の受ける抵抗が大きくなり、エアリフトによって生ずる上昇流の速度が加速することを抑制する。そして図4(A)に示すように、本実施形態の平膜エレメント10では、支持板14の長距離部Bにおける対向領域(B−B断面)は、短距離部Aの対向領域(A−A断面)に比べて垂直距離が長い。このため、長距離部Bである支持板14の中央部では、エアリフトによって生ずる上昇流の加速化が生じにくく、圧力差によって生ずる気泡の集中肥大を避けることができる。このため、図4(B)に示すように、気泡を分散させることができる。
【0027】
これにより、濾膜22の洗浄効果の向上、すなわち濾膜22の洗浄率の偏りの防止、および濾膜22の効果的な洗浄による被処理水の濾過効率の向上を図ることが可能となる。また、支持板14を樹脂により構成する平膜エレメント10の歪みを抑制し、濾膜22の接触による破損等も防止することができる。さらに、洗浄効果の向上を図ることができるため、濾膜22の不可逆的な膜閉塞を抑制することができる。これにより、薬品洗浄の頻度を減らすことができ、濾膜寿命の延命化を図ることもできる。
【0028】
図5は、本実施形態に係る平膜エレメント10の第1の変形例である。図1に示す実施形態では、長距離部Bと短距離部Aとを直線で結ぶ形態とし、支持板14の下端部14bに台形形状を形成していた。これに対して図5に示す変形例では、長距離部Bと短距離部Aを曲線で結ぶように、支持板14の下端部14bを形成した。このため、本実施例に係る平膜エレメント10aでは、支持板14の下端部14bの形状が円弧状を成すこととなる。
【0029】
支持板14の形状をこのようなものとした場合であっても、支持板14の上端部14aと下端部14bとを結ぶ垂直距離に、長距離部Bと短距離部Aを有する構造となるため、上記実施形態に係る平膜エレメント10と同様な効果を得ることができる。
【0030】
図6は、本実施形態に係る平膜エレメント10の第2の変形例である。図5に示した第1の変形例では、支持板14の下端部14b全体を円弧状に形成している。これに対して本変形例に係る平膜エレメント10bでは、長距離部Bを構成する領域(長距離部領域)に直線部を残しつつ、長距離部Bと短距離部Aを結ぶ辺を曲線により構成している。
【0031】
支持板14の形状をこのようなものとした場合であっても、支持板14の上端部14aと下端部14bとを結ぶ垂直距離に、長距離部Bと短距離部Aを有する構造となるため、上記実施形態に係る平膜エレメント10と同様な効果を得ることができる。
【0032】
次に、本発明の浸漬平膜エレメントに係る第2の実施形態について、図7を参照して説明する。本実施形態に係る平膜エレメント110は、その殆どの形態を上述した第1の実施形態に係る平膜エレメント10と同一とする。よって、その機能を同一とする箇所には、図面に同一符号を付して、詳細な説明は省略するものとする。
【0033】
本実施形態に係る平膜エレメント110は、上述した第1の実施形態に係る平膜エレメント10に比べ、支持板14における短距離部Aの形成領域(短距離部領域)を広げ、長距離部Bの形成領域(長距離部領域)を狭めた点を特徴とする。このような形態的特徴を有する平膜エレメント110によれば、濾膜22の両端側(左右側)に位置する短距離部Aの領域を広げたことにより、当該部分に生ずる上昇流の加速度を向上させることができる。このため、気泡の中央集中化が促進されるような粘性の高い被処理水であっても、気泡の中央集中化を効果的に抑制することが可能となる。
なお、その他の構成、作用、効果については、上述した第1の実施形態に係る平膜エレメント10と同様である。
【0034】
図8は、本実施形態に係る平膜エレメント110の変形例である。本変形例は、上述した第1の実施形態における第1の変形例と同様に、長距離部Bと短距離部Aを曲線で結び、支持板14の下端部14bの形状を円弧状としている。なお、本変形例では、短距離部Aの領域を広く確保しているため、円弧状の下端部14bの両端側に、直線部が設けられることとなる。
支持板14の形状をこのようなものとした場合であっても、上記第2の実施形態に係る平膜エレメント110と同様な効果を得ることができる。
【0035】
次に、本発明の浸漬平膜エレメントに係る第3の実施形態について、図9を参照して説明する。本実施形態に係る平膜エレメント210も、その殆どの形態を上述した第1、第2の実施形態に係る平膜エレメント10,110と同一としている。よって、その機能を同一とする箇所には、図面に同一符号を付して、詳細な説明は省略するものとする。
【0036】
本実施形態に係る平膜エレメント210は、支持板14に形成する長距離部Bを一点とし、両端部に位置する短距離部Aに向けて伸びる直線に沿って支持板14の下部形状を定めている。このため、本実施形態に係る平膜エレメント210における支持板14の下端部14bの形状は、下に凸な三角形となる。このような端部形状を有する支持板14を備える平膜エレメント210では、より粘度の高い被処理水であっても、気泡の分散化を図ることができる。
【0037】
図10は、本実施形態に係る平膜エレメント210の変形例である。本変形例は、上述した第1の実施形態における第1の変形例と同様に、長距離部Bと短距離部Aを曲線で結んでいるが、本変形例に係る平膜エレメント210aでは、円弧部を上に向けるようにして辺を形成しているため、1点とした長距離部Bが鋭角に張り出す形状となっている。支持板14の形状をこのようなものとした場合であっても、上記第3の実施形態に係る平膜エレメント210と同様な効果を得ることができる。
【0038】
次に、本発明の浸漬平膜エレメントに係る第4の実施形態について、図11を参照して説明する。本実施形態に係る平膜エレメント310も、その殆どの形態を上述した第1、第2、および第3の実施形態に係る平膜エレメント10,110,210と同一としている。よって、その機能を同一とする箇所には、図面に同一符号を付して、詳細な説明は省略するものとする。
【0039】
本実施形態に係る平膜エレメント310は図11に示すように、1つの支持板14に対して、複数(図11においては2箇所)の長距離部Bおよび複数(図11においては3箇所)の短距離部Aを備える構成としている。
このような形態とした場合であっても、上述した各実施形態に係る平膜エレメントと同様に、上昇する気泡の分散化を図ることができる。
【0040】
また、上記実施形態ではいずれも、支持板14の下端部14bの形状のみを変化させ、支持板14の下端部14bに凸部を形成するように示した。しかしながら、長距離部Bの形成は支持板14の上端部14aを利用して行うようにしても良い。例えば第1の実施形態に係る平膜エレメント10の上端部14aを変形させると、図12に示すような形態となり、支持板14の下端部14bに加え上端部14aにも凸状の台形を備えた形態となる。このような形態の支持板14を備える平膜エレメント10cによれば、抵抗となる長距離部Bの長さをより長くすることができる。よって、気泡が中央へ集中し、肥大化することの抑制効果を向上させることができる。
【符号の説明】
【0041】
10………平膜エレメント、12………ベースフレーム、14………支持板、14a………上端部、14b………下端部、16………集水溝、18………集水部、20………吸引口、22………濾膜、50………平膜ユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理槽内の被処理水中に、濾膜面を対向させて隣接配置された複数の平膜エレメントを垂直に浸漬させ、前記複数の平膜エレメントの下方に散気手段を配置した浸漬平膜濾過装置の平膜エレメントであって、
集水溝を有する支持板と当該支持板の側面に配置される集水部とを有するベースフレームと、
前記支持板の両主面に配置される濾膜を備え、
前記支持板の上端部と下端部とを結ぶ垂直距離に、水平方向における変化を持たせ、長距離部と短距離部を設けたことを特徴とする浸漬平膜エレメント。
【請求項2】
前記支持板の上端部および下端部のうちの少なくとも一方は、前記長距離部と前記短距離部とを結ぶ直線部を有することを特徴とする請求項1に記載の浸漬平膜エレメント。
【請求項3】
前記支持板の上端部および下端部のうちの少なくとも一方は、前記長距離部と前記短距離部とを結ぶ曲線部を有することを特徴とする請求項1に記載の浸漬平膜エレメント。
【請求項4】
前記長距離部は、前記支持板における水平方向中央部に設けられ、
前記短距離部は、前記支持板における水平方向両端部に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の浸漬平膜エレメント。
【請求項5】
前記長距離部と前記短距離部は、1つの前記支持板に対して複数設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の浸漬平膜エレメント。
【請求項1】
処理槽内の被処理水中に、濾膜面を対向させて隣接配置された複数の平膜エレメントを垂直に浸漬させ、前記複数の平膜エレメントの下方に散気手段を配置した浸漬平膜濾過装置の平膜エレメントであって、
集水溝を有する支持板と当該支持板の側面に配置される集水部とを有するベースフレームと、
前記支持板の両主面に配置される濾膜を備え、
前記支持板の上端部と下端部とを結ぶ垂直距離に、水平方向における変化を持たせ、長距離部と短距離部を設けたことを特徴とする浸漬平膜エレメント。
【請求項2】
前記支持板の上端部および下端部のうちの少なくとも一方は、前記長距離部と前記短距離部とを結ぶ直線部を有することを特徴とする請求項1に記載の浸漬平膜エレメント。
【請求項3】
前記支持板の上端部および下端部のうちの少なくとも一方は、前記長距離部と前記短距離部とを結ぶ曲線部を有することを特徴とする請求項1に記載の浸漬平膜エレメント。
【請求項4】
前記長距離部は、前記支持板における水平方向中央部に設けられ、
前記短距離部は、前記支持板における水平方向両端部に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の浸漬平膜エレメント。
【請求項5】
前記長距離部と前記短距離部は、1つの前記支持板に対して複数設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の浸漬平膜エレメント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−104502(P2011−104502A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261169(P2009−261169)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】
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