説明

浸透圧式水移送装置および関連方法

流入してくる廃水流からの水を、流出していく希釈プロセスブライン流中に再利用する正浸透式水移送装置が、開示されている。この装置は、飽和ブライン流を含み、該飽和ブライン流の第1の部分は、転送されて飽和プロセスブライン流を形成し、該飽和ブライン流の第2の部分は、少なくとも1つの正浸透膜に転送される。少なくとも1つの正浸透膜は、流入してくる廃水流からの水を、流入してくる転送された飽和ブライン流中に移動させ、これにより、流出していく濃縮廃水流と、流出していく希釈プロセスブライン流とを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2010年12月11日に出願された「Osmotic Water Transfer System and Related Processes」という名称の係属中の実用特許出願第12965874号、および2009年12月11日に出願された「Osmotic Water Transfer System and Related Processes」という名称の係属中の仮特許出願第6128582号の優先権を主張するものであり、これらの全開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
[0002]本文書は、浸透圧式水移送装置および関連方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]種々の工業的な食品加工およびエネルギー用途では、ブライン、すなわち塩含有溶液は、様々な単位操作およびプロセスステップに関与する。しかし、同時に、このプロセスは、処理するのが困難で費用のかかる廃水を発生させる。
【0004】
[0004]汚染された廃液流から水を回収/浄化するための従来手法は、煮沸、ろ過、およびイオン交換などを含むものだった。上記の解決策では、一般に、溶液中に存在する汚染物質から水を分離するために、相当なエネルギー投入が必要となる。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本文書の態様は、浸透圧を使用して、混合物の所望の化学成分を膜の向こう側へ輸送することを可能にする、浸透圧式水移送装置および関連方法に関する。これらの態様および実施形態は、参照により本明細書に組み込まれている添付の特許請求の範囲に記載された構成要素およびステップの1つもしくは複数またはすべてを含み得る。
【0006】
[0006]一態様では、流入してくる廃水流からの水を、流出していく希釈プロセスブライン流中に再利用する正浸透式水移送装置が、開示されている。この装置は、飽和ブライン流を含み、該飽和ブライン流の第1の部分は、転送されて飽和プロセスブライン流を形成し、該飽和ブライン流の第2の部分は、少なくとも1つの正浸透膜に転送される。少なくとも1つの正浸透膜は、流入してくる廃水流からの水を、流入してくる転送された飽和ブライン流中に移動させ、これにより、流出していく濃縮廃水流と流出していく希釈プロセスブライン流とを生成する。
【0007】
[0007]特定の実施形態は、下記の1つもしくは複数またはすべてを含み得る。
[0008]上記装置は、希釈プロセスブライン流と結晶塩とを混合し、これにより、飽和ブライン流を生成する混合器を含むことができる。
【0008】
[0009]上記少なくとも1つの正浸透膜は、不要な不純物を濃縮廃水流中に保持して、流出していく希釈プロセスブライン流を清浄に保つ半透膜でもよい。
[0010]上記少なくとも1つの正浸透膜は、セルロース膜でもよい。
【0009】
[0011]上記少なくとも1つの正浸透膜は、スパイラル巻き膜でもよい。
[0012]上記少なくとも1つの正浸透膜は、向流において作動して、該膜の一方の側の流入してくる廃水流と、該膜の反対側の転送された飽和ブライン流とを、該膜を介して接触させることができる。
【0010】
[0013]上記少なくとも1つの正浸透膜は、複数の正浸透膜を含み得る。この膜は、並流構成において作動することができる。
[0014]水は、濃度勾配のみに起因して、流入してくる廃水流から、転送された飽和ブライン流中に移動することができる。
【0011】
[0015]別の態様では、天然ガス生産の掘削および水圧破砕プロセス用の正浸透式水移送装置が、開示されている。この装置は、流入してくる掘削泥流からの水を、流出していく水圧破砕用の清浄な希釈プロセスブライン流中に再利用する。この装置は、飽和ブライン流を含むことができ、該飽和ブライン流の第1の部分は、転送されて飽和プロセスブライン流を形成し、該飽和ブライン流の第2の部分は、少なくとも1つの正浸透膜に転送される。少なくとも1つの正浸透膜は、流入してくる掘削泥流からの水を、流入してくる転送された飽和ブライン流中に移動させ、これにより、流出していく濃縮掘削泥流と流出していく清浄な希釈プロセスブライン流とを生成する。
【0012】
[0016]特定の実施形態は、下記の1つもしくは複数またはすべてを含み得る。
[0017]上記装置は、清浄な希釈プロセスブライン流と結晶塩とを混合し、これにより、飽和ブライン流を生成する混合器を含むことができる。
【0013】
[0018]上記少なくとも1つの正浸透膜は、不要な不純物を濃縮掘削泥流中に保持して、流出していく希釈プロセスブライン流を清浄に保つ半透膜でもよい。
[0019]上記少なくとも1つの正浸透膜は、セルロース膜でもよい。
【0014】
[0020]上記少なくとも1つの正浸透膜は、スパイラル巻き膜でもよい。
[0021]上記少なくとも1つの正浸透膜は、向流で作動して、該膜の一方の側の流入してくる掘削泥流と、該膜の反対側の転送された飽和ブライン流とを、該膜を介して接触させることができる。
【0015】
[0022]上記少なくとも1つの正浸透膜は、複数の正浸透膜を含み得る。この膜は、並流構成において作動することができる。
[0023]水は、濃度勾配のみに起因して、流入してくる掘削泥流から、転送された飽和ブライン流中に移動することができる。
【0016】
[0024]さらに別の態様では、塩素生産プロセス用の正浸透式水移送装置が、開示されている。この装置は、流入してくる廃水流からの水を、流出していく清浄な希釈プロセスブライン流中に再利用する。この装置は、飽和ブライン流を含むことができ、該飽和ブライン流の第1の部分は、転送されて飽和プロセスブライン流を形成し、該飽和ブライン流の第2の部分は、少なくとも1つの正浸透膜に転送される。少なくとも1つの正浸透膜は、流入してくる廃水流からの水を、流入してくる転送された飽和ブライン流中に移動させ、これにより、流出していく濃縮廃水流と流出していく清浄な希釈プロセスブライン流とを生成する。
【0017】
[0025]特定の実施形態は、下記の1つもしくは複数またはすべてを含み得る。
[0026]上記装置は、清浄な希釈プロセスブライン流と結晶塩とを混合し、これにより、飽和ブライン流を生成する混合器を含むことができる。
【0018】
[0027]上記装置は、流入してくる転送された飽和プロセスブライン流を使用して、少なくとも廃水流を発生させる、少なくとも1つの水銀電解槽を含むことができる。
[0028]上記少なくとも1つの正浸透膜は、不要な不純物を濃縮廃水流中に保持して、流出していく希釈プロセスブライン流を清浄に保つ半透膜でもよい。
【0019】
[0029]上記少なくとも1つの正浸透膜は、セルロース膜でもよい。
[0030]上記少なくとも1つの正浸透膜は、スパイラル巻き膜でもよい。
[0031]上記少なくとも1つの正浸透膜は、向流において作動して、該膜の一方の側の流入してくる廃水流と、該膜の反対側の転送された飽和ブライン流とを、該膜を介して接触させることができる。
【0020】
[0032]上記少なくとも1つの正浸透膜は、複数の正浸透膜を含み得る。この膜は、並流構成において作動することができる。
[0033]水は、濃度勾配のみに起因して、流入してくる廃水流から、転送された飽和ブライン流中に移動することができる。
【0021】
[0034]浸透圧式水移送装置の実施形態は、下記の利点の1つもしくは複数またはすべてを有し得る。
[0035]清浄なブラインが生成されて、プロセス流体として使用される。
【0022】
[0036]経済的なことに、上記の浸透プロセスが使用されるので、動力投入は必要とされない。水は、適用した圧力または熱に起因せずに、濃度勾配に起因して、廃液からブラインに移動する。移送ポンプが流体を上記装置中に移動させるためにのみ、動力が必要となる。
【0023】
[0037]廃液流からの水は、多量のエネルギー消費を必要とすることなく、所望の純度のブライン流中に再利用することができる。
[0038]処分する廃棄物の体積が減少するので、処分の総費用を削減することができる。
【0024】
[0039]前述およびその他の態様、特徴、および利点は、当業者には、明細書および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
[0040]実施形態は以下に、添付の図面(必ずしも縮尺通りではない)と関連付けて説明され、そこでは、同様の名称は、同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】[0041]浸透圧式水移送装置の一実施形態の概略的ブロック図である。
【図2】[0042]天然ガス生産の掘削および水圧破砕プロセスに使用される浸透圧式水移送装置の一実施形態の、例示的なスパイラル巻き正浸透膜フィルターエレメントの中を通る流体の流れの図解である。
【図3】[0043]塩素/アルカライ法における塩素および腐食剤の生産に使用される浸透圧式水移送装置の一実施形態の概略的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0044]本文書は、浸透圧により、廃水からの清浄水をブライン中に引き込む浸透圧式水移送装置および関連方法の実施形態を特徴とする。本明細書で開示されている浸透圧式水移送装置および関連方法の実施形態には、数多くの特徴が存在しており、これらのうち、1つ、複数またはすべての特徴またはステップは、特定の実施形態のいずれにも使用できる。
【0027】
[0045]下記の説明においては、本明細書の一部を形成し、かつ可能な実施形態を例示として示す、添付図面を参照する。その他の実施形態を利用することも可能であり、本文書の範囲を逸脱することなく、構造ならびに手順の変更を行うことができると理解されたい。便宜上、様々な構成要素は、例示的な材料、サイズ、形状、および寸法などを使用して説明する。しかし、本文書は、言及した例に限定されることはなく、その他の構成が可能であり、かつ本開示の教示に含まれる。
浸透圧式水移送装置
[0046]多量のエネルギー消費を必要とすることなく、廃液流からの水を、所望の純度のブライン流中に再利用できる、種々の浸透圧式水移送装置の実施形態が存在する。
【0028】
[0047]とはいえ、図1を参照すると、本開示の例示のために、浸透圧式水移送装置10およびその関連方法が、示されている。浸透圧式水移送装置10は、正浸透を利用することにより、廃水流からの水を、正浸透(FO)膜12を横切って飽和ブライン流中に移動させて、濃縮廃水流および希釈ブライン流を生成する。飽和ブライン流は、混合器14中で、希釈ブライン流に結晶塩を添加することによって生成される。この飽和ブラインの一部分は、それが必要とされるプロセス(例えば、水圧破砕など)に転送される。任意選択によっては、点線で描写したように、様々な実施形態には、混合器14中への新鮮な水の追加を可能にするために、新鮮な水流が含まれ得る。
【0029】
[0048]正浸透プロセスは、所望の成分が、該成分の濃度が高い方の溶液から、濃度が低い方の溶液へと膜を横断することを可能にする、該膜を横切る選択的な物質移動を伴う。半透膜により、水は通過できるが、溶解した化学種の移動は阻止される。膜12は、1977年7月5日に発行されたForemanらの「Spiral Wound Membrane Module for Direct Osmosis Separations」という名称の米国特許第4,033,878号で開示されている設計に類似の設計を有することが可能であり、その開示内容の全体は、参照により本明細書に組み込まれている。スパイラル巻き膜の設計構成は、安価であり、費用当たりの容器中における膜表面積が最大のもののうちの1つを提供することができる(これは、高い膜密度(直径20cm×100cm長のエレメント当たり約30m)を有し得る)。
【0030】
[0049]一般に、スパイラル巻き構成物、透過液スペーサー、供給液スペーサーおよび2つの膜は、有孔管の周囲に巻いて、適所に接着することができる。これらの膜は、供給液スペーサーと透過液スペーサーとの間に巻きつけられる。供給流体は、供給液スペーサーを経由して、このモジュールの中を通って長手方向に流れるように仕向けられ、該膜を通過する流体は、透過液スペーサーを経由して中心管まで、内側に向かって渦巻状に流れる。供給流体が透過液スペーサーに入るのを防止するために、これらの2つの膜は、その縁部に沿って互いに接着されており、透過液スペーサーは、これらの間にとらわれている。供給液スペーサーは、未接着のままである。モジュール組立体は、所望の直径になるまで巻きつけられ、その外側は、密封される。
【0031】
[0050]具体的には、上記膜は、取出し溶液(すなわち、ブライン)が、単一膜外被の全体を通って流れるように仕向ける。ブラインは、穿孔を有した中心管の一端部の中に圧送される。この管の途中に固定した隔壁エレメントは、ブラインが、穿孔の中を通って、膜外被中に流れ込むように仕向ける。接着隔壁は、膜外被の中心に適用されるので、流体は該膜の末端部まで流れなければならなくなり、ここで隙間により、該流体は、該膜外被の他方の側へ通り抜け、その後、該中心管の後半部の中に戻り、該エレメントから出て行くことができる。単一の外被を用いることができるが、外被同士の間に供給流体スペーサーを有した中心管の周囲に巻きつけられた/巻いた複数の外被が存在してもよい。
【0032】
[0051]ここで、図1では、膜12を介した物質の移送を起こす駆動力が、浸透圧であるので、該溶液と該膜12(移送ポンプなどを介して)とを接触させるのに必要な分を超えるさらなるエネルギー投入は、移送の発生を起こすのに必要とされない。水は、濃度勾配に起因して、適用した圧力もしくは熱またはその他のいかなる動力投入にも起因せずに、廃液からブラインまで移動する。
【0033】
[0052]結果として、飽和塩ブラインが膜12の片面に接触し、希釈廃水が反対側の面に接触するので、水は、膜12を通って、廃水からブラインに拡散することになる。半透膜12は、不要な不純物および沈殿物を廃水中に保持し、この結果、清浄な希釈ブラインが生じる。膜12に使用する材料、膜12の構造、および浸透圧式移送装置10内での膜12の配置に応じて、移送の量および速度は、増大および/または制御することができる。その後、ブラインは、工業的なプロセスに必要とされる結晶塩をより多く溶解させるのに使用することができる。廃水の体積は減少し、これにより、処分費用が削減される。
その他の実施形態
[0053]数多くのさらなる実施形態が可能である。
【0034】
[0054]本開示の例示のために、種々のスパイラル巻き膜が存在するが、2010年3月9日に出願された「Center Tube Configuration for a Multiple Spiral Wound Forward Osmosis Element」という名称の特許出願第12/720,633号で提示および説明されているようなスパイラル巻きFO膜を使用することが可能であり、その開示内容の全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0035】
[0055]したがって、要約すると、スパイラル巻き膜は、改良型の中心管を含むことができる。スパイラル巻き膜有孔中心管は、その壁(例えば、円筒壁)の中を通る少なくとも2つの穿孔(例えば、複数個)を含むことができ、該穿孔は、隔壁エレメントによって相互に分離された2つの内部隔室である、上流側隔室および下流側隔室と流体連通している。隔壁エレメントは、中心管のほぼ中間点に位置することができる。密封可能な隔壁エレメントは、それぞれ、中心管の各開放端部に位置し、各密封可能な隔壁エレメントは、密封可能な突起および突起受容部を含むことができる。隔壁エレメントはすべて、隔壁貫通孔を含む。
【0036】
[0056]スパイラル巻き膜有孔中心管は、外側中心管内に実質的に位置した、少なくとも1つの内側細径無孔管を含むことができる。少なくとも1つの無孔管は、第1の中心管の上流側隔室が、隣接中心管などの上流側隔室と流体連通し、かつ/または、第1の中心管の下流側隔室が、隣接中心管などの下流側隔室と流体連通するように、隔壁の隔壁貫通孔の中を通って、下流側および/または上流側の隔室の長さを外側に延長する。
【0037】
[0057]本開示の例示のために、少なくとも1つの内側無孔管は、2つの管を含み得る。特に、供給バイパス管は、中心管内に実質的に位置することができ、隔壁を通って下流側隔室の長さを外側に延長する。供給バイパス管は、浸透剤(OA)を、隔壁を通して上流側隔室から中心管の外へ(図示してはいないが、左側の次の管にまで)、下流側隔室内で浸透剤を混合することなく、移動させる。同様に、上流側エレメント(中心管の右側に位置する)からの下流側出口により、希釈OAは、出口バイパス管(中心管内に実質的に位置し、隔壁を通って上流側隔室の長さを外側に延長する)の中を通って、上流側隔室内で該希釈OAが混合されることなく、下流側隔室中に供給される。
【0038】
[0058]したがって、上記スパイラル巻きエレメントは、有孔中心管およびスパイラル巻き膜外被を含み、膜外被と連通した供給溶液、および中心管と連通した取出し溶液を有する。膜外被は、三方に密封箇所を有する2つの長方形シート状の膜を含んで、上記複数の穿孔を介して膜中心管の内側と流体連通した内側外被隔室を形成することができ、ここで、隔壁の長さの一部が各膜外被内に設けられて、流体流路が伸びている。上流側および下流側の隔室は、膜外被の中を通る屈曲した相互接続経路を有し得る。
【0039】
[0059]本開示の例示のために、スパイラル巻きFO膜は、2010年3月9日に出願された「Center Tube Configuration for a Multiple Spiral Wound Forward Osmosis Element」という名称の特許出願第12/720,633号で提示および説明されているようなスパイラル巻きFO膜装置などの装置中に組み合わせることが可能であり、その全開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0040】
[0060]したがって、要約すると、スパイラル巻きFO膜装置の実施形態により、ブラインは、ハウジング中のすべての膜を通って並行に流れることが可能になる。一般に、この膜装置は、少なくとも1つのエレメントを含むことができる。例えば、少なくとも2つのエレメントの積層体が存在し得る。別の例では、およそ1個から最大で100個までのエレメント(膜外被を含めて)が存在し得る。エレメントの中心管は、端部および中間点に隔壁を有しており、これらの隔壁の各々を、2つのバイパス管が貫通している。1組のバイパス管により、濃縮OAを独立して、各エレメントのOA供給側に運ぶことができる一方で、第2の組のバイパス管により、積層体から希釈OAが運ばれる。この配置は、各構成要素が、各々の端部にOAおよび供給液の単一接続部を有する積層体中で、一緒に入れ子状になることを可能にするが、依然として、並行構成における各エレメントを通るOA流れをもたらす。
【0041】
[0061]したがって、複数のスパイラル巻き膜は、端部から端部に(その後は、通常、円筒状ハウジング内に)配置される。これらの複数のスパイラル巻き膜の各々は、各々が2つの開放端部を有する第1および第2などの有孔中心管と、複数のスパイラル巻き膜外被とを有し、各々は、膜外被と連通した供給溶液、および中心管と連通した取出し溶液を有する。各中心管は、隔壁エレメントによって相互に分離された2つの隔室である、上流側隔室および下流側隔室を有する。上流側および下流側の隔室は、膜外被の中を通る屈曲した相互接続経路を有し得る。第1の中心管の上流側隔室は、第1の中心管を通過する無孔バイパス管を介して、隣接または後続の中心管の上流側隔室と連通し、第1の中心管の下流側隔室は、第1の中心管を通過する無孔バイパス管を介して、隣接中心管の下流側隔室と連通する。中心管および隔壁は、中心管のすべての上流側区画が、並行に一緒に接続され、かつ、中心管のすべての放出口下流側区画が、並行に一緒に接続されるように、注入口および放出口多岐管を形成する。中心管を通過する無孔バイパス管は、各中心管の開放端部に位置した密封可能な突起および突起受容部に接続することができる。
【0042】
[0062]さらなる実施形態は、特許請求の範囲に含まれている。
仕様、材料、製造、組立体
[0063]浸透圧式水移送装置の実施形態の所期作動と矛盾しない事実上あらゆる構成要素を利用できるため、実施形態は、本明細書に開示されている具体的な構成要素に限定されないと理解されたい。したがって、例えば、特定の構成要素などが開示されているが、このような構成要素は、浸透圧式水移送装置の実施形態の所期作動と矛盾しない任意の形状、サイズ、様式、種類、型式、版、分類、等級、測定値、濃度、材料、重量、および/または分量などを備えることができる。選択した構成要素が、浸透圧式水移送装置の実施形態の所期作動と矛盾しないことを条件にして、実施形態は、具体的な任意の構成要素の使用に限定されない。
【0043】
[0064]したがって、任意の浸透圧式水移送装置の実施形態を定義する構成要素は、選択した構成要素が、浸透圧式水移送装置の実施形態の所期作動と矛盾しないことを条件にして、容易に成形品に形成できる数多くの異なる種類の材料またはこれらの組合せのいずれからも形成することができる。例えば、構成要素は、ゴム(合成および/または天然)および/もしくはその他の同様の材料、ガラス(ガラス繊維など)、炭素繊維、アラミド繊維、これらの任意の組合せおよび/もしくはその他の同様の材料、熱可塑性物質(例えば、ABS、アクリル、フルオロポリマー、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、および/またはポリスルホンなど)、熱硬化性物質(例えば、エポキシ、フェノール系樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、および/またはシリコーンなど)などのポリマー、これらの任意の組合せおよび/もしくはその他の同様の材料、複合体および/もしくはその他の同様材料、金属および/もしくはその他の同様の材料、合金および/もしくはその他の同様の材料、任意のその他の適切な材料、ならびに/またはこれらの任意の組合せから形成することができる。
【0044】
[0065]本開示の例示のために、浸透圧式水移送装置の実施形態の様々な実施形態に使用するFO膜は、多種多様な材料から構築でき、多種多様な作動特性を有する。例えば、この膜は、半透過性にすることもでき、これは、該膜が、実質的に所望の成分のみを、濃度が高い方の溶液から、濃度が低い方の溶液に通過させることを意味しており、例えば、水をより希釈な溶液からより濃縮な溶液に通過させる。多種多様な膜の種類のいずれでも、本文書で開示されている原理を使用して、利用することができる。
【0045】
[0066]さらに、FO膜は、薄膜複合型RO膜から製作することができる。このような膜複合体には、例えば、織布もしくは不織布ナイロン、ポリエステルもしくはポリプロピレンなどの多孔質支持体生地上に浸漬沈殿法によって鋳造したセルロースエステル膜、または、好ましくは、綿もしくは紙などの親水性支持体上に鋳造したセルロースエステル膜が含まれる。上記RO膜は、市販の薄膜複合体、海水淡水化膜を使用して、圧延することができる。(任意の構成における)FOエレメントのために使用する上記膜は、逆浸透膜(4.22kfg/cm(60psi)、500PPMのNaCl、10%回収、25℃)として試験した場合に、80%〜95%の範囲の脱塩率を有する親水性膜であり得る。この膜の公称分画分子量は、100ダルトンであり得る。この膜は、親水性膜材料、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロプリアネート、セルロースブチレート、セルロースジアセテート、セルロース系材料の混和物、ポリウレタン、ポリアミドから製作できる。この膜は、非対称(つまり、該膜が、厚さ10ミクロン程度の薄い拒絶層と、最大で厚さ300ミクロンの多孔質副層とを有する)にすることができ、浸漬沈殿法によって形成できる。この膜は、裏当てされていない、または、水が拒絶層に到達するのを妨害しない非常に開放的な裏当てを有する、または、親水性であり、該膜まで容易に水を毛管作用で運ぶ。したがって、機械的強度のために、この膜は、疎水性の多孔質シート状裏当て上に鋳造してもよく、ここで、多孔質シートは、織布状または不織布状のいずれかであるが、少なくとも約30%の開放領域を有する。織布状裏当てシートは、約65ミクロン(ポリエステルスクリーン)の全厚を有するポリエステルスクリーンであり、非対称膜全体では、厚さが165ミクロンである。非対称膜は、ポリエステルスクリーン上へのセルロース材料の鋳造による浸漬沈殿法により、鋳造することができる。ポリエステルスクリーンは、厚さ65ミクロン、開放領域55%でもよい。
【0046】
[0067]本開示の例示のために、ブラインは、一般に、無機塩系または糖系のものとすることができる。例えば、ブラインは、塩化ナトリウム=6.21wt%、塩化カリウム=7.92wt%、クエン酸3ナトリウム=10.41wt%、グルコース=58.24wt%、およびフルクトース=17.22wt%でもよい。
【0047】
[0068]様々な浸透圧式水移送装置の実施形態は、本明細書に記載の手順に追加し、その手順を介して改良した従来手順を使用して、製造することができる。浸透圧式水移送装置の実施形態を定義するいくつかの構成要素は、同時かつ互いを一体的に接合して製造することができ、一方、その他の構成要素は、購入、予め製造または別個に製造し、その後、一体型構成要素と組み立てることができる。
【0048】
[0069]これらの構成要素の別個または同時の製造には、押出成形、引抜成形、真空成形、射出成型、ブロー成型、樹脂移送成型、鋳造、鍛造、冷間圧延、フライス加工、穴開け加工、リーマ仕上げ、旋削加工、研削加工、プレス加工、切削加工、曲げ加工、溶接、はんだ付け、硬化処理、鋲接、押抜き加工、および/またはめっきなどが含まれ得る。上記構成要素のいずれかを別個に製造する場合、それらを次いで、考慮事項の中でも、該構成要素を形成する特定の材料に応じて、任意の方式、例えば、接着、溶接、締結具、配線、および/またはこれらの任意の組合せなどで、互いに結合することができる。
【0049】
[0070]本開示の例示のために、一実施形態では、スパイラル巻き膜フィルターエレメントまたはモジュールの製作用プロセスは、(a)外被挟持体を組み立てること、(b)外被挟持体上に中心管を組み立てること、および(c)中心管を有する外被挟持体を巻き接着してスパイラル巻き膜モジュールを形成すること、を含むことができる。
使用
[0071]浸透圧式水移送装置の実施形態は、FO/水処理用途において特に有用である。実施形態は、そのハウジングの中を通して流体を並行に圧送できるので、複数エレメント型の工業規模FO膜用ハウジングとして用いることができる。とはいえ、水処理用途に関するいずれの説明も、本開示を例示するためであり、実施形態は、工業的な食品加工およびエネルギー用途など、種々のその他の用途に使用することができ、類似した結果を伴う。
【0050】
[0072]本開示の例示のために、浸透圧式水移送装置の実施形態の使用をさらに説明すると、天然ガスの生産において、天然ガス井用の穴の掘削は、回転式オーガの中心を通して掘削泥を注入することにより達成される。掘削泥により、岩の削り屑は、試掘孔の上方に運び戻されていき、続いて、掘削地点のため池に貯留される。掘削泥(水および塩を含む)の組成のため、掘削泥には、しばしば、深坑井注入プロセスを経る処分が必要であり、トラック内に泥を圧送し泥を注入坑井まで運搬することが必要になる。3785000リットル(100万ガロン)超の掘削泥がしばしば、単一の天然ガス井の掘削から発生するので、掘削泥の処分は、坑井の総費用に相当に影響するものである。
【0051】
[0073]天然ガス産出岩に、オーガを使用して到達すると、清浄なブラインの試掘孔中への、既存の地下水と同一の塩分の高圧注入を含む水圧破砕プロセスを経て、天然ガス井が形成される。水圧破砕プロセスによって形成された、天然ガス産出岩中の亀裂部分には、破砕水中の沈殿物によって栓が生成されるので、清浄なブラインは、粒子および沈殿物を含んではならない。ブライン溶液は、清浄でなければならないので、本装置の実施形態前に、該ブライン溶液の全体を坑井地点に持ち込んだが、その理由は、既存の掘削泥は、水圧破砕プロセスに使用できないからである。
【0052】
[0074]水が掘削泥中に存在するので、浸透圧式水移送装置の実施形態は、掘削泥から水を取り出し、その水を、水圧破砕用の清浄なブライン溶液を生成するのに使用することができる。これにより、掘削泥の処分費用が削減され、水圧破砕プロセスに必要となる清浄なブライン溶液および水を供給するための出費が、最小になる。
【0053】
[0075]図2を参照すると、装置10のような浸透圧式水移送装置中に採用できる、例示的なスパイラル巻き正浸透膜フィルターエレメント20の中を通る流体の流れが、図示されている。図示したように、エレメント20は、向流において作動して、膜22を介して、希釈掘削泥流(汚れた坑水)と濃縮ブライン流とを接触させる。エレメント20の各側からの排出流は、希釈ブライン流および濃縮掘削泥流であり、濃縮掘削泥流は、処分の用意ができている。「希釈」および「濃縮」という用語は、本文書の様々な箇所で使用しているが、これらの用語は相対的な用語であり、単に、特定の流れまたは溶液が、それが来た、由来した、または浸透により接触した流れまたは溶液より、混合物の特定成分を多くまたは少なく含有することを示すものである。
【0054】
[0076]特定の一例では、図2に図示したエレメント20のようなデバイスを、塩化ナトリウムブラインと、Logansport,Louisianaでの天然ガス掘削作業からの「坑水」(貯留した掘削泥)とによって試験した。塩化ナトリウムブラインは、Hydration Technologies,Albany,Oregonによって製造された、40個の直径20.32cm(8インチ)、長さ101.6cm(40インチ)のスパイラル巻き正浸透膜フィルターエレメント20と組み合わせて使用した。正浸透膜22は、エレメント20の各々の中に含まれていた。試験に使用した膜22の設計では、ブラインを膜22の、いわゆる透過液側に配置して、正浸透を促進した。エレメント20の各々では、膜22の有効面積が16mであり、膜22の材料は、セルローストリアセテートだった。
【0055】
[0077]試験の際には、40個の正浸透膜22用フィルターを並流中で作動させて、希釈掘削泥から濃縮ブライン流への水の移送を可能にした。浸透圧式水移送設備の各々への希釈掘削泥の体積流量は、6l/minであり、希釈掘削泥の初期塩濃度は、4.9g/l NaClだった。濃縮ブライン流は、NaCl濃度25%、かつ0.5l/minで、浸透圧式水移送設備に入った。希釈ブライン流は、濃度6%、かつ2.0l/minの速度で、浸透圧式水移送設備を出た。希釈掘削泥は、掘削泥の初期体積378,500リットル(100,000ガロン)が、75,710リットル(20,000ガロン)に減少するまで、40個の浸透圧式移送設備の中を通って循環した。
【0056】
[0078]図2に示したように、エレメント20および調節弁または計量ポンプを用いてブライン供給速度と得られた破砕水の塩濃度とを制御する浸透圧式水移送装置を使用すると、50〜80パーセントの水が、希釈掘削泥から回収された一方、濃縮ブラインは、2〜8パーセント(清浄な破砕水)の濃度に希釈された。
【0057】
[0079]本開示の例示のために、浸透圧式水移送装置の実施形態の使用をさらに説明すると、塩素/アルカリ産業では、塩化ナトリウム含有ブラインは、様々なプロセス中に使用される。清浄な塩化ナトリウムブラインが、必要とされる。いくつかのプロセスでは、ブラインを電解により分割して、塩素ガスおよび水酸化ナトリウム溶液を形成する。ブラインは、結晶塩を工場に運び込み、続いて、この結晶塩を清浄水中に溶解して、プロセス中で使用するブラインを生成することにより、生成する。その他のプロセス単位操作および段階では、様々な量の廃水が、パージ、清浄化、およびイオン交換カラム中に使用したイオン交換樹脂の再生によって生じる。この廃水の排出は、段々と規制が強まり、費用のかかるものになってきている。
【0058】
[0080]浸透圧式水移送装置の実施形態を使用すると、工場で生じる廃水から水を回収できるので、ブライン溶液を生成するのに必要とされる清浄水の量は、減少する。これにより、ブライン生成プロセスに投入する必要のある清浄水の量が減少する一方、廃水の処分費用も削減する。要するに、浸透圧式水移送装置の実施形態により、プロセスブライン用の清浄水を廃水から抽出して、廃水の体積を大幅に減少させ、規制圧力を緩和し、処分費用の大部分を節約することができる。
【0059】
[0081]図3を参照すると、浸透圧式水移送装置30の一実施形態は、水銀電解槽塩素生産プロセスとして作動することができる。図示したように、固体塩を混合器34中で希釈ブライン溶液と混合して、飽和ブライン(例えば、1,173L/分(310gpm))を形成し、これを、複数の水銀電解槽を備える電解室36に移送し、これらの電解槽は、カソードにおいて飽和ブライン中のナトリウムと水銀とを反応させて、塩素ガス、水素ガス、および水酸化ナトリウム溶液例えば、ブラインのパージに応じて、5〜10ppmのHgおよび1000〜26000ppmの塩)を発生させる。得られた水酸化ナトリウム溶液を、二次処理段階38(例えば、132,500L(35,000gal)または1,136L/分(300gpm)のバッチ槽、10〜20ppbのHg、1000〜26000ppmの塩、2.5〜4のpH)に移送し、二次処理段階38において該溶液をさらに処理して、水銀を除去する。その後、二次処理段階38からの流出液は、飽和ブライン流の一部分と共に、向流において作動している正浸透膜32を通る。正浸透膜32は、飽和ブラインを受容し、流出液からの水を二次処理段階38から移送して、50%〜90%の水が除去された廃液流と、わずかな残量の水銀(例えば、<12ppt Hg)を含有する希釈ブライン流とを形成する。水の回収の結果、廃液流の体積が相当に減少するので、廃液流(ある程度の量の水銀を含有する)の処分費用を、著しく削減することができる。
【0060】
[0082]特定の実施形態に言及した上記説明の箇所においては、いくつもの修正をその趣旨から逸脱することなく加え、かつ、こうした実施形態を、代替的に適用し得ることが、容易に明らかになるはずである。添付の特許請求の範囲は、本文書に記載した本開示の真の趣旨および範囲に含まれるであろう、このような修正を包含することを意図している。したがって、ここで開示した実施形態は、あらゆる観点において、例示的なものであって、制限を加えるものではないと考えるべきであり、本開示の範囲は、前述の明細書ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲に含まれるすべての変更は、その中に包含されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入してくる廃水流からの水を、流出していく希釈プロセスブライン流中に再利用する正浸透式水移送装置であって、
第1の部分が、転送されて飽和プロセスブライン流を形成し、第2の部分が、少なくとも1つの正浸透膜に転送される、飽和ブライン流、および
前記流入してくる廃水流からの水を、前記流入してくる転送された飽和ブライン流中に移動させ、これにより、流出していく濃縮廃水流と、前記流出していく希釈プロセスブライン流とを生成する、前記少なくとも1つの正浸透膜、
を備える、正浸透式水移送装置。
【請求項2】
前記希釈プロセスブライン流と結晶塩とを混合し、これにより、前記飽和ブライン流を生成する混合器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの正浸透膜が、半透膜である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
不要な不純物が、前記濃縮廃水流中に保持され、前記流出していく希釈プロセスブライン流が、清浄である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの正浸透膜が、セルロース膜である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの正浸透膜が、スパイラル巻き膜である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの正浸透膜が、複数の正浸透膜を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の正浸透膜が、並流構成において作動する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの正浸透膜が、向流において作動して、前記膜の一方の側の前記流入してくる廃水流と、前記膜の反対側の前記転送された飽和ブライン流とを、前記膜を介して接触させる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記水が、濃度勾配のみに起因して、前記流入してくる廃水流から、前記転送された飽和ブライン流中に移動する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
流入してくる掘削泥流からの水を、流出していく水圧破砕用の清浄な希釈プロセスブライン流中に再利用する、天然ガス生産の掘削および水圧破砕プロセス用の正浸透式水移送装置であって、
第1の部分が、転送されて飽和プロセスブライン流を形成し、第2の部分が、少なくとも1つの正浸透膜に転送される、飽和ブライン流、および
前記流入してくる掘削泥流からの水を、前記流入してくる転送された飽和ブライン流中に移動させ、これにより、流出していく濃縮掘削泥流と、前記流出していく清浄な希釈プロセスブライン流とを生成する、前記少なくとも1つの正浸透膜
を備える、正浸透式水移送装置。
【請求項12】
前記清浄な希釈プロセスブライン流と結晶塩とを混合し、これにより、前記飽和ブライン流を生成する混合器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの正浸透膜が、スパイラル巻き半透膜である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの正浸透膜が、複数の正浸透膜を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記複数の正浸透膜が、並行かつ向流の構成において作動して、前記膜の一方の側の前記流入してくる掘削泥流と、前記膜の反対側の前記転送された飽和ブライン流とを、前記膜を介して接触させる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
流入してくる廃水流からの水を、流出していく清浄な希釈プロセスブライン流中に再利用する、塩素生産プロセス用の正浸透式水移送装置であって、
第1の部分が、転送されて飽和プロセスブライン流を形成し、第2の部分が、少なくとも1つの正浸透膜に転送される、飽和ブライン流、および
前記流入してくる廃水流からの水を、前記流入してくる転送された飽和ブライン流中に移動させ、これにより、流出していく濃縮廃水流と、前記流出していく清浄な希釈プロセスブライン流とを生成する、前記少なくとも1つの正浸透膜
を備える、正浸透式水移送装置。
【請求項17】
前記清浄な希釈プロセスブライン流と結晶塩とを混合し、これにより、前記飽和ブライン流を生成する混合器をさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記流入してくる転送された飽和プロセスブライン流を使用して、少なくとも前記廃水流を発生させる、少なくとも1つの水銀電解槽をさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの正浸透膜が、スパイラル巻き半透膜である、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの正浸透膜が、複数の正浸透膜を含み、前記複数の正浸透膜が、並行かつ向流の構成において作動して、前記膜の一方の側の前記流入してくる廃水流と、前記膜の反対側の前記転送された飽和ブライン流とを、前記膜を介して接触させる、請求項16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−513471(P2013−513471A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543325(P2012−543325)
【出願日】平成22年12月12日(2010.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/059983
【国際公開番号】WO2011/072277
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(512151160)ハイドレーション・システムズ,エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】