説明

消火設備

【課題】延焼を抑制できる時間が長いゲル層を防火対象物の表面に形成することのできる消火設備を提供する。
【解決手段】消火設備は、防火対象物の表面が水を含む延焼抑制剤のゲル状の層で覆われるように液状の上記延焼抑制剤をノズルから上記防火対象物に放射する消火設備において、上記水は気泡を内包している。上記延焼抑制剤は、高吸水性樹脂または感温高吸水性樹脂を含む。上記気泡がマイクロバブルである。上記気泡には不活性ガスまたはフッ素系ガスが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、火災の延焼を抑制する水を含む延焼抑制剤を防護対象物に放射する消火設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、火災時に燃焼物からの接炎および放射熱による延焼を抑制する一般的に行われている手段としては、燃焼物からの接炎および輻射熱の影響を受ける面に、断続的または継続的な注水を行って冷却し、延焼を抑制することである。
また、注水させた水が放射熱によって気化することを遅延させ延焼を防止する方法として、水とアクリル酸重合体、または水とアクリル酸とメタクリル酸との共重合体のアルカリ中和物からなる水ゲルによる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この水ゲルによる方法においては、建物等の外壁や天井面に付着させることは容易にできるが、放射熱を受けて水ゲルの温度が上昇すると粘度が下がり、ガラス等の表面が滑らかな垂直面にゲル層を形成させようとしても、滑り落ちてしまうため、延焼抑制の面で十分なゲル層を形成させることが困難な状況であった。
そこで、受熱によって熱ゲル化する性状を有する、粉粒体のヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等の非イオン性の水溶性セルロースエーテル等に粉粒体のアクリル酸重合物ナトリウム塩、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体等の高吸水性樹脂を添加混合した延焼抑制剤が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5989446号明細書
【特許文献2】特開平01−56070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、水に添加される高吸水性樹脂の量は重量%で1%位と少ないので殆ど水が一体の層となり接炎または輻射熱の影響を受けて一様に温度が上昇するので、延焼を抑制できる時間が短いという問題がある。
【0006】
この発明の目的は、延焼を抑制できる時間が長いゲル層を防火対象物の表面に形成することのできる消火設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る消火設備は、防火対象物の表面が水を含む延焼抑制剤のゲル状の層で覆われるように液状の上記延焼抑制剤をノズルから上記防火対象物に放射する消火設備において、上記水は気泡を内包している。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る消火設備の効果は、ノズルから放射する延焼抑制剤は水に気泡が混合された混相水に延焼抑制剤原液が混合されたものであり、延焼抑制剤を防火対象物に放射することにより形成され防火対象物の表面を被覆する層の中に気泡が内包されているので、層全体としての熱伝導率が小さくなり層に含まれる水の気化が完了する時間が長くなり、延焼を抑制する時間を延ばすことができるということである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る消火設備の構成図である。
この発明の実施の形態1に係る消火設備は、防火対象物14に延焼の危険が及ぶことを図示しない火災警報器が感知したとき火災警報器からの情報が入力されて防火対象物14に延焼抑制剤を放射する。放射された延焼抑制剤は、延焼抑制剤に含まれる高吸水性樹脂が水を吸収してゲル化し、ゲル化した延焼抑制剤は防火対象物14の表面を覆う。
【0010】
この発明の実施の形態1に係る消火設備は、図1に示すように、気泡が混合された水からなる混相水が溜まる水槽1、水槽1から混相水を汲み上げ加圧して送り出す加圧送水装置2、加圧送水装置2に一端が連結された加圧された混相水を導く送水配管3、一端が送水配管3の他端に連結されて混相水の流れを制御する自動開放弁4、一端が自動開放弁4の他端に配管を介して接続され混相水に延焼抑制剤原液を混合する混合装置5、延焼抑制剤原液が貯蔵された延焼抑制剤原液貯蔵タンク6、混合装置5に接続される放射ノズル7、水槽1内の水または混相水を汲み上げてマイクロバブルを発生して水槽1に戻すマイクロバブル発生装置8、マイクロバブル発生装置8にマイクロバブルの素になるガスを供給するガス発生装置9、および、消火設備全体を制御する制御装置10を備える。
【0011】
加圧送水装置2は、制御装置10と加圧送水配線11を介して接続されている。
自動開放弁4は、制御装置10と開閉配線12を介して接続されている。
マイクロバブル発生装置8は、制御装置10とマイクロバブル発生配線13を介して接続されている。
【0012】
気泡の素になるガスは、好適には消火に寄与する消火ガス、例えば不活性ガスであり、特に、不活性ガスの内熱伝導率が小さいほど好ましく、例えば、ラドンガス(Rn:3.6×10−3W/m・K)、キセノンガス(Xe:5.7×10−3W/m・K)、クリプトンガス(Kr:9.5×10−3W/m・K)、二酸化炭素ガス(CO:16.3×10−3W/m・K)、アルゴンガス(Ar:17.7×10−3W/m・K)、窒素ガス(N:25.5×10−3W/m・K)、またはこれらの混合ガスである。
なお、気泡の素になるガスは、消火に寄与するフッ素系ガス(例えば、ヘプタフルオロプロパン、トリフルオロメタン、またはこれらの混合ガス)などであっても良いし、空気など手軽に使えるガスであっても良い。
【0013】
気泡は放射された延焼抑制剤に内包されていれば良いので、気泡の直径は1mm以下であれば良い。しかし、水槽1の内に溜まっているときや送水配管3内を流れるときに混相水の中に安定して内包されることを考慮すると、液体中に長時間滞留するマイクロバブルが最も好ましい。なお、マイクロバブルは、液体中に長時間滞留する小さな直径の気泡であり、例えば、直径が50μm以下の気泡をマイクロバブルと称す。また、以下の説明では気泡として窒素ガスからなるマイクロバブルを水に混合する。
【0014】
延焼抑制剤原液は、この延焼抑制剤原液を水に混合して延焼抑制剤を調製すると水を吸水することにより延焼抑制剤をゲル化する粒子状の高吸水性樹脂、粒子状の高吸水性樹脂が分散される有機溶媒および乳化剤から構成されている。
高吸水性樹脂は親水性モノマをポリマ化した樹脂であり、例えば、アクリルアミド、アクリル酸重合体、マレイン酸無水物、イタコン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどである。なお、以下の説明では、高吸水性樹脂としてアクリル酸ナトリウム、アクリルアミドおよび2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸ナトリウムの混合物を例にして説明するがこれに限るものではない。
【0015】
この延焼抑制剤原液は混相水に混合されると、延焼抑制剤原液に含まれる高吸水性樹脂が混相水の水を吸収して高吸水性樹脂の体積が膨張して粘性が増大し、延焼抑制剤が液状からゲル状に変化する。そして、ゲル状の延焼抑制剤は防火対象物14の表面に層状に付着する。
【0016】
制御装置10は、所定の周期、例えば1時間毎にマイクロバブル発生装置8に水槽1に溜まっている水にマイクロバブルを混合するよう指令を送る。なお、消火設備が新たに設置されたときまたはメンテナンスの際に水槽1が空にされたときは新たな水が注がれるので水槽1に溜まっている水にはマイクロバブルは混合されていないが、それ以外のときには水には濃度は別としてマイクロバブルが混合されている。
【0017】
ガス発生装置9は、マイクロバブル発生装置8と連動して稼動し、空気中から窒素ガスを取り出してマイクロバブル発生装置8に供給する。なお、マイクロバブル発生装置8にガスを供給する供給源としてガス発生装置9の代わりにガスボンベを備えても良い。
マイクロバブル発生装置8は、制御装置10からの指令に従って水槽1から水を汲み上げ且つガス発生装置9から供給される窒素ガスを受け取り、汲み上げた水の中に窒素ガスをマイクロバブルとして混合し、マイクロバブルを混合した水を水槽1に戻す。
【0018】
このようにして常時水槽1に窒素ガスのマイクロバブルが混合された水からなる混相水が溜められている。特に、直径が50μm以下のマイクロバブルが混合されていると、マイクロバブルに作用する浮力が小さくなり水の中に長時間マイクロバブルを滞留することができ、気液分離が起こらず、延焼抑制剤の最初の放射から混相水を放射することができる。
【0019】
この発明の実施の形態1に係る消火設備には、防護対象物の近くで火災が発生したとき図示しない火災センサが火災を感知して制御装置10に火災感知信号を送信する。
制御装置10は、火災感知信号を受信すると、加圧送水装置2に送液開始指令を送信する。また、制御装置10は、自動開放弁4に開放指令を送信する。
【0020】
このように加圧送水装置2は稼動して加圧された混相水を送水配管3に送り、自動開放弁4が開放されて混合装置5に加圧された混相水が入力されると、混合装置5は、延焼抑制剤原液貯蔵タンク6から延焼抑制剤原液を吸い上げて混相水に混合して延焼抑制剤を調製し、調製した延焼抑制剤を放射ノズル7に供給する。
放射ノズル7から放射された延焼抑制剤は、防火対象物14の表面を流れるが、その途中で高吸水性樹脂が水を吸収して体積が膨張するために粘度が増大してゲル状の層を形成する。
【0021】
次に、防火対象物14の表面に形成されたゲル状の層の様子を図2を参照して説明する。図2は、防火対象物14の表面に形成された延焼抑制剤のゲル状の層の断面模式図である。
延焼抑制剤のゲル状の層は、重量%で1%の高吸水性樹脂15と99%の水16から構成されている。そして水16の中に体積%で2%のマイクロバブル17が内包されている。
防火対象物14の表面を覆う延焼抑制剤のゲル状の層は、燃焼物からの接炎、および放射熱によりゲル状の層の表面側から加熱され、水16の層を通して熱が防火対象物14の表面に伝わっていくが、水16に比べて20分の1位の熱伝導率のマイクロバブル17が水の中に分散しているので、ゲル状の層全体としての熱伝導率が小さくなり、水の温度の上昇速度が水の中にマイクロバブルが内包していないときに比べて小さくなり、延焼抑制剤に含まれる水が気化する速度が小さい。
【0022】
この発明の実施の形態1に係る消火設備では、放射ノズル7から放射する延焼抑制剤はマイクロバブル17が水16に混合された混相水に延焼抑制剤原液が混合されたものであり、延焼抑制剤を防火対象物14に放射することにより形成された防火対象物14の表面を被覆する層の中にマイクロバブル17が内包されているので、層全体としての熱伝導率が小さくなり層に含まれる水の気化が完了する時間が長くなり、延焼を抑制する時間が延びる。
【0023】
なお、上述の説明においては延焼抑制剤原液に高吸水性樹脂15が分散されているが、さらに付着性に優れ受熱によって熱ゲル化する性状を有する粒子状の感温性樹脂(感温高吸水性樹脂の一例)、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースなどの非イオン性の水溶性セルロースエーテルを分散しても良い。
【0024】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2に係る消火設備の構成図である。
この発明の実施の形態1に係る消火設備は火災警報器からの情報が入力されたとき放射ノズル7から防火対象物14に延焼抑制剤を放射しているが、この発明の実施の形態2に係る消火設備は火災警報器が火災を感知したとき自衛消防隊員が防火対象物14に延焼抑制剤を放射する。
すなわち、この発明の実施の形態2に係る消火設備は、この発明の実施の形態1に係る消火設備の自動開放弁4の代わりに手動開放弁21が送水配管3の他端に接続され、混合装置5Bおよび放射ノズル7Bは可搬型であり、手動開放弁21および延焼抑制剤原液貯蔵タンク6と混合装置5Bの間はホース22で連結されていることが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
【0025】
図示しない火災警報器が火災を感知したとき、自衛消防隊員は延焼の危険がある防火対象物14にホース22、混合装置5Bおよび放射ノズル7Bを運んできて、ホース22で手動開放弁21および延焼抑制剤原液貯蔵タンク6と混合装置5Bとの間を接続する。また、加圧送水装置2を手動で稼動して加圧した混相水を送水配管3に送り出す。このようにしてから手動開放弁21を手動で開放すると、加圧された混相水が混合装置5Bに供給され、混合装置5Bで延焼抑制剤原液貯蔵タンク6から延焼抑制剤原液が吸い上げられて混相水に混合された延焼抑制剤が放射ノズル7Bに供給される。
【0026】
このように可搬型の混合装置5Bおよび放射ノズル7Bを延焼抑制する必要のある場所まで運搬するので、必要とする混合装置5Bおよび放射ノズル7Bの数が少なくてすむ。
【0027】
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3に係る消火設備の構成図である。
この発明の実施の形態3に係る消火設備は、この発明の実施の形態1に係る消火設備のマイクロバブル発生装置8を水槽1の近傍から送水配管3の途中に介設したことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
【0028】
マイクロバブル発生装置8は、加圧送水装置2により加圧された水が注入され、注入された水にガス発生装置9から供給される窒素ガスを直径50μm以下のマイクロバブルとして混合して送水配管3に送り出す。
【0029】
このように放射される延焼抑制剤だけにマイクロバブルを混合するので、マイクロバブル発生装置8のマイクロバブル発生容量が少なくてすみ、小型のマイクロバブル発生装置8で十分である。
【0030】
実施の形態4.
図5は、この発明の実施の形態4に係る消火設備の構成図である。
この発明の実施の形態1に係る消火設備では混相水に延焼抑制剤原液を放射ノズルの近くの混合装置で混合しているが、この発明の実施の形態4に係る消火設備では予め調製した延焼抑制剤を延焼抑制剤タンク31に充填してある。このため、混合装置5および延焼抑制剤原液貯蔵タンク6を省略することができ、加圧送水装置2の代わりに加圧ガスボンベ32および加圧ガス起動装置33を備えている。
但し、この発明の実施の形態4に係る消火設備に適用し得る延焼抑制剤は、特定の温度以下、すなわち常温、火災現場での温度または盛夏時の温度などを含む温度以下では液状、特定の温度以上(例えば、火災温度)では水を内包するゲル状に相転換するものに限る(感温高吸水性樹脂の一例)。例えば、N−イソプロピルアクリルアミドとアクリル酸ナトリウムを共重合して得たポリマを含んでいる混相水である。
【0031】
延焼抑制剤タンク31は、上部には加圧ポート35と延焼抑制剤取出口36とが設けられ、加圧ポート35に加圧ガスを供給すると延焼抑制剤取出口36から加圧された延焼抑制剤が送水配管3に送りだされる。
加圧ガスボンベ32は、所定の圧力、例えば0.5MPaの窒素ガスが充填されている。
加圧ガス起動装置33は、制御装置10から送水開始指令を受信すると加圧ガスボンベ32の出口と延焼抑制剤タンク31の加圧ポート35とを連通し、加圧ポート35に0.5MPaの窒素ガスが供給されるようにする。加圧ガス起動装置33は、加圧ガス起動配線37を介して制御装置10に接続されている。
制御装置10は、火災感知信号を受信すると、加圧ガス起動装置33に送水開始指令を送信する。また、制御装置10は、自動開放弁4に開放指令を送信する。
【0032】
延焼抑制剤タンク31には、図示しない専門の混合ステーションで水にマイクロバブルを混合した混相水にさらに延焼抑制剤原液を混合して得た延焼抑制剤を充填してから現地に搬送するので、マイクロバブル発生装置8、ガス発生装置9を混合ステーションだけに配置すれば良く、複数の消火設備を必要とする場合には全体として設備費用が安くすることができる。
【0033】
なお、上記実施の形態4において、加圧ガスボンベ32に所定の圧力(延焼抑制剤の放出圧力としての低圧)の窒素ガスを充填するようにしたが、高圧(例えば、14MPa)の窒素ガスを充填しても良い。その場合、加圧ガス起動装置33と加圧ポート35との間、又は送水配管3に、窒素ガス又は加圧された延焼抑制剤を上記所定の圧力に減圧するための圧力調整器を設ければよい。
【0034】
また、上記実施の形態1乃至3において、高吸水性樹脂を含む延焼抑制剤を用いた場合は、水を吸収して高粘度にゲル化することから、送水配管3等の目詰まりを考慮して、混合装置5、5Bを放射ノズル7、7B側に設けるようにしたが、高温高吸水性樹脂を含む延焼抑制剤を用いた場合は、火災等の高温時にはじめて、より高粘度にゲル化することから、混合装置5、5Bを水槽1側に設けるようにしても良い。
【0035】
また、上記実施の形態1、2において、高温高吸水性樹脂を含む延焼抑制剤を用いた場合は、火災等の高温時にはじめて、より高粘度にゲル化することから、送水配管3等の目詰まりをあまり考慮しなくてもよいので、延焼抑制剤原液貯蔵タンク6及び混合装置5、5Bを削除して、水にマイクロバブルを混合した混相水にさらに延焼抑制剤原液を混合して得た延焼抑制剤を水槽1に溜めても良い。
【0036】
また、上記実施の形態1、2において、水にマイクロバブルを予め混合するようにしたが、これとは逆に、延焼抑制剤原液貯蔵タンク6にマイクロバブル発生装置8及びガス発生装置9を接続して、延焼抑制剤原液にマイクロバブルを予め混合するようにしても良い。
また、上記実施の形態4において、送水配管3等の目詰まりを考慮して、高温高吸水性樹脂を含む延焼抑制剤を用いて説明したが、送水配管3等の目詰まりを考慮しない場合は、高吸水性樹脂を含む延焼抑制剤を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の実施の形態1に係る消火設備の構成図である。
【図2】防火対象物の表面に形成された延焼抑制剤のゲル状の層の断面模式図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係る消火設備の構成図である。
【図4】この発明の実施の形態3に係る消火設備の構成図である。
【図5】この発明の実施の形態4に係る消火設備の構成図である。
【符号の説明】
【0038】
1 水槽、2 加圧送水装置、3 送水配管、4 自動開放弁、5、5B 混合装置、6 延焼抑制剤原液貯蔵タンク、7、7B 放射ノズル、8 マイクロバブル発生装置、9 ガス発生装置、10 制御装置、11 加圧送水配線、12 開閉配線、13 マイクロバブル発生配線、14 防火対象物、15 高吸水性樹脂、16 水、17 マイクロバブル、21 手動開放弁、22 ホース、31 延焼抑制剤タンク、32 加圧ガスボンベ、33 加圧ガス起動装置、35 加圧ポート、36 延焼抑制剤取出口、37 加圧ガス起動配線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防火対象物の表面が水を含む延焼抑制剤のゲル状の層で覆われるように液状の上記延焼抑制剤をノズルから上記防火対象物に放射する消火設備において、
上記水は気泡を内包していることを特徴とする消火設備。
【請求項2】
上記延焼抑制剤は、高吸水性樹脂または感温高吸水性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の消火設備。
【請求項3】
上記気泡がマイクロバブルであることを特徴とする請求項1または2に記載の消火設備。
【請求項4】
上記気泡には不活性ガスまたはフッ素系ガスが含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の消火設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−65997(P2009−65997A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234098(P2007−234098)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】