説明

消費者による製品選択を支援する方法

【課題】製品の属性に関する構造化されたデータを提示し、ユーザーが自分の個人的プロフィールに従って最良の選択をすることができるようにする。
【解決手段】ユーザより、製品ドメイン内の製品の複数の属性に対する好みと要求に関するデータを受け、該データに従って、ユーザーに対する製品の集合を提示する。この方法は、製品ドメイン中の品目の属性A(n)についてのユーザーの好みと要求に従って品目のリストを作成する。属性A(n)について入手可能品目の集合を定義するステップと、属性A(n)についての好みまたは要求を示すデータを入力させるステップと、該入力データを記憶するステップと、属性A(i)(i=n、nー1、…、1)のサブ集合に関して要求を満足する残余の品目集合を決定するステップとを繰り返すことにより、前記入力データに従って残余の品目集合内の品目にスコアを割り当てるステップとを含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザーがユーザープロフィールに基づいて意志決定することを支援する方法に関し、より詳細的には、ユーザーが、ユーザー固有の要求や製品選択の好みに基づいて、自動車の購入などの製品ドメイン内の製品の集合から複雑な選択をする際に支援する、コンピュータシステムを利用した方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、市場取引と消費者製品の流通におけるコンピュータのアプリケーションの開発にかなりの努力が払われている。例えば、ユーリック(Yourick)に与えられた米国特許第4,775,935号、フロスト(Frost)に与えられた米国特許第5,041,972号及びスタック(Stack)に与えられた米国特許第5,124,911号では、消費者の決定において重要なこのような製品属性を決定するために消費者が選択する製品に関する情報を処理するシステムが述べられている。このようなシステムは、製造者がもっと売れそうな製品を設計することを助け、また、市場取引者がどんな製品がどんな消費者に売れるかを理解する助けとなる。しかしながら、このような製品は、消費者が複雑な製品選択をする支援となることに焦点を合わせているわけではない。
【0003】
また、意志決定システムの分野ではかなりの開発が成されている。例えば、デラノ・ジュニア(DeLano Jr.)による米国国防省出版物第T998,008や、バート(Burt)に与えられた米国特許第4,829,426号や、アレキサンダ(Alexander)らに与えられた米国特許第5,182,793号には、意志決定プロセスのツールとなるコンピュータのソフトウエアベースのシステムが述べられている。しかしながら、このようなシステムは、ユーザーのプロフィールをインテリジェントに選択する際の意志決定プロセスにユーザーのプロフィールを適用することを可能とする容易に利用可能な技法を提供するものではない。
【特許文献1】米国特許第4,775,935号(Yourick)
【特許文献2】米国特許第4,829,426号(Burt)
【特許文献3】米国特許第5,041,972号(Frost)
【特許文献4】米国特許第5,124,911号(Stack)
【特許文献5】米国特許第5,182,793号(Alexander他)
【非特許文献1】米国国防省出版物第T998,008(DeLano Jr.)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、コンピュータシステムを意志決定に応用する技術は、かなり存在するが、このような技術を、選択する人の固有なプロフィールに基づいた消費者製品選択などの複雑な選択を解決し、その結果をその人に効果的に提供することに応用する必要性が存在する。この必要性は、従来信用するに足りないまたは偏見を持った販売チャネルを介して提供されていた「高価な品目」購入と結びついた消費者の購入決定の分野で特に明らかである。このような高価な品目の購入には、一般的にはかなりの程度の分析と論理が必要であるが、その理由は、非常に多くの選択と多くの変数を意志決定に際して考慮しなければならないからである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、ユーザにとっての製品ドメイン内で製品を識別するための情報を処理し、容易に理解できて効率的な仕方でユーザーに製品ドメイン内の製品の属性に関する構造化されたデータを提示し、これによって、ユーザーが自身のプロフィールに従って最良の選択をすることを可能とするシステムを提供する。このように、この発明は、製品ドメイン内の複数の製品の属性に対する好みと要求のデータを収集するようにユーザーに促す1シーケンスの入力プロンプトを提示するユーザーインタフェースを含んでいる。決定エンジンは製品ドメインを濾過するユーザーインタフェースにカップリングされて、収集された好みと要求のデータに従って1群の製品を製品選択用にユーザーに提示する。好みに関するデータは、製品ドメイン内での製品選択に対する関連性の度合いを有するためにユーザーによって指定された特定の属性と関連する変数を含んでいるが、絶対的要求事項ではない。要求データは、製品ドメイン内での製品選択に必要とされるまたはされないユーザーによって指定される特定の属性に関連する変数を含んでいる。この発明によれば、ユーザーは1シーケンスの入力プロンプトによって誘導されて、特定の製品ドメイン内での製品に対する好みと要求に関する個人的なプロフィールを作成するのを支援される。決定エンジンは上記の要求と好みを適用して、ユーザープロフィールによって指定された要求に適合する1つ以上の製品のリストを発生する。この製品リストはユーザープロフィールによって指定された好みに応じてランク付けされて、ユーザーが製品を選択するのを支援する。
【0006】
この発明の1つの局面によるユーザーインタフェースはナビゲーションウインドウを含んでいるが、これは1シーケンスの入力プロンプトでユーザーに位置を示し、これによって順次現行の位置に関するユーザーのフィードバックができるようにしている。また、このナビゲーションウインドウは、ある代替例では1シーケンスのプロンプト中での前のプロンプトに応答して、製品意志決定プロセスでの追加のフィードバックとしてそのプロンプトで製品ドメインが狭められる分量をユーザーに示すように利用されている。
【0007】
この発明の1つの局面による決定エンジンは複数の属性を階層配列中に記憶する。決定エンジン内のリソースは、収集された好みデータとそれに対応する属性の階層配列に応答して複数の属性内の対応する属性に重みを割り当てる。1集合の属性測定値が収集済みデータに基づいて発生される。この測定値を用いて、要求データを満足する製品ドメイン内の各製品に対する製品スコアを計算する。
【0008】
この発明の別の局面によれば、複数の属性中の属性の属性測定値は、(1)属性の数値評価の数値タイプと、(2)真偽インジケータを特徴とし得る属性のブールタイプと、(3)1集合またはリストから選択された属性に対する列挙されたタイプと、(4)オプション特徴として含まれるまたは含まれない基準特徴として含まれる属性のオプションタイプと、及び(5)数値の範囲によって指定される属性に対する範囲付けされた数値タイプと、を含む1集合の測定タイプから選択された個々の測定タイプを有する。この発明のこの局面によれば、決定エンジンのリソースは、対応する属性の測定タイプに従って選択された正規化ルーチンに応答して製品スコアを計算する。
【0009】
また、決定エンジンは、属性にルールを割り当てるリソースを含んでおり、これによって、属性測定値と製品スコアを発生するプロセスにおいて、属性の行方不明の入力データに対する応答を指定し、入力データが行方不明の時に識別済み属性に対してそのルールを適用する。また、決定エンジンは、属性に対する無関係入力データに応答して属性にルールを割り当て、属性の測定値と正否スコアを発生する際にこのようなルールを適切なものとして適応するリソースを含んでいる。データは、例えば、入力エラーまたはユーザーが入力プロセスで特定のプロンプトをスキップしてしまったために行方不明となることがある。このようなデータは、例えば、特定の属性が特定の製品に当てはまらない場合はその属性とその製品にとっては無関係である。
【0010】
さらにこの発明の別の局面によれば、1シーケンスの入力プロンプトには、ユーザーが入力デバイスで範囲内の選択項目を示すように位置付けされたディスプレイ上に表示されるスライダバーやスライダバー上の脱字記号などのセレクタ要素などの図形によって提示される選択範囲を提示する入力プロンプトを少なくとも1つ含んでいる。決定エンジンとカップリングしたリソースはユーザーの選択に応答して数値を計算する。また、ある実施形態でのこのようなリソースは、製品ドメイン内の製品のある種の属性の非線形的特徴を利用して、ファジー論理関数に基づいて数値を計算している。
【0011】
ある代替例によれば、この発明の特徴は、製品ドメイン中の属性の1からNに等しい指標(n)に対して1シーケンスとなって編成された、1集合の属性A(n)に対するユーザーの好みと要求に従って製品ドメインから項目のリストを発生する方法にある。この方法は次のステップを(必ずしもこの順序ではないが)含む:
(1) 属性A(n)に対する利用可能な選択の集合を定義するステップであり、この属性A(n)に対するこの利用可能項目の集合は、第1の属性(n=1)に対する製品ドメイン内のすべての項目に対する利用可能な選択を含み、nが1より大きい場合に残余の項目の1集合内の項目に対する利用可能な選択を含むステップと;
(2) 属性A(n)に対する利用可能選択の集合に従って、この属性の集合内の属性A(n)に対する好みと要求を示すデータを入力するようにユーザーに促すステップと;
(3) その属性A(n)に対する入力データを記憶して、ユーザープロフィールを開発するステップと;
(4) 属性A(i)のサブセットに対する要求を満足する残余の項目の集合を決定するステップと(ここで、iは、この残余の項目集合が、集合中の前の属性に対する要求を満足する製品ドメイン内の項目に対応するようにn、n−1、…、1に等しい);
(5) シーケンス中の位置と残余項目の集合中の項目のカウントを示すインジケータをユーザーに提供するステップと;
(6) 属性の集合内での、1からNに等しいnに対して、属性A(n)に対する定義するステップと、促すステップと、記憶するステップと、決定するステップと、提供するステップと、を繰り返すステップと;及び
(7) 属性集合中の属性に対する好みを示す入力データに従って残余項目の集合内の項目にスコアを割り当て、このスコアに従って残余項目の集合中で項目を順序付けするステップ。
【発明の効果】
【0012】
このように、この発明の方法に従って、ユーザーは、1シーケンスのプロンプトを提示されて、このシーケンス中のプロンプトに応答して好みと要求に関するデータを提供する。各プロンプトが完了する毎に、残余項目の集合が指定された要求に基づいて計算され、ユーザーは、プロンプトのシーケンス内での現行の位置を通知され、残余項目の集合のカウントがユーザーに提示される。このようにして、ユーザーは、1シーケンスのプロンプトによってナビゲートし、特定の属性に対する好みと要求を識別し、管理可能な集合が与えられるまで製品ドメイン内での項目選択の幅を進行的に狭めることが可能となる。これでユーザーは、購入する製品に対するユーザーの個人的プロフィールを満足させる管理可能な項目集合に基づいてインテリジェントな製品選択が可能となる。
【0013】
したがって、この発明は、ドメイン内にある極めて多くの複数ファセット項目(例えば、車、相互ファンド、ニュースソース、大学など)から項目を決定する際に、消費者の個人的プロフィールを用いるように設計され最適化された決定のためのエンジンとプロセスを提供する。この発明は、消費者が自分の目的とする高レベルの抽象的なステートメントと低レベルの明示の選択ステートメントを表現して個人的プロフィールを作成するプロセスで消費者を誘導する。このプロフィールは、要求と好みの階層的なコレクションとして表されるが、ここでの要求は、ある項目にとって考慮中の集合内にとどまるためには満足しなければならない強い拘束物であり、好みは、特定の属性に対する消費者の比較的好きであるとか嫌いであるとかを示すような関心の度合いとして与えられる。次に、個人的プロフィールは、正規化ルーチンを用いて製品ドメインに適用されて、ユーザーが表現した好みによって順序付けされた要求を満足させる項目のランク付けリストを発生させる。このように、要求と好みに基づいて消費者のプロフィールの低レベルを表す代表物と関心となっているドメインを抽象階層的で統計的な代表物を用いて、消費者に対して個人的にランク付けされた項目リストを決定する分析決定処理ツールが提供される。このシステムは、使用しやすく、また、製品ドメインに関するマーケティングチャネルの効率をかなり向上させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明の他の局面と利点は、以下の図面の説明と詳細な説明と請求の範囲を読めば分かるであろう。
【0015】
この発明の詳細な説明を図1から図15を参照して提供するが、この中で、図1は、インターネットサーバーのコンテキストでこの発明を図示している。このように、この発明のシステムは、以下に述べる機能に従って内部にロードされた決定エンジンソフトウエアを有するコンピュータワークステーションなどの決定エンジンサーバー10を含んでいる。この決定エンジンサーバー10は、決定エンジンサーバー10に対してローカルな人物からのユーザープロフィールデータを収集する目的で図形ユーザーインタフェースが表示されるディスプレイ11を含んでいる。また、決定エンジンサーバー10は、接続部12によってインターネット13などの広域ネットワークにカップリングされている。ユーザーステーション14、15、16はそれぞれ接続部17、18、19によってインターネット13にカップリングされている。各ユーザーステーション14、15、16は、決定エンジン10の制御下でユーザープロフィールデータを収集するために図形ユーザーインタフェースが提示されるディスプレイ20、21、22を含んでいる。このように、ユーザーステーション15のところにいるユーザーは標準のインターネットプロトコルを用いて決定エンジン10にアクセスすることが可能である。決定エンジンサーバーはステーション15のディスプレイ21上の図形ユーザーインタフェースを駆動して、ユーザープロフィールデータを収集し、ユーザープロフィールデータを決定サーバーに提示する。
【0016】
この発明によれば、決定エンジンサーバー10は、ドメイン製品集合25を画定するデータ構造体を含んでいるが、この集合は、市場で入手可能な車などの製品ドメイン内の品目のリストと、この集合内の各品目について入手可能な属性に関する特定の製品情報と、から成っている。追加のデータ構造体が、製品ドメインに対する属性集合26を画定するサーバー10と共に含まれている。好ましいシステム内のドメイン属性集合26は、製品ドメイン25全体に対して指定された属性の階層配列から成っている。
【0017】
ユーザープロフィール情報は、ユーザーステーションから収集されてユーザープロフィールデータ構造体27に記憶されるが、これが、ユーザーによって提供された入力データに従った要求と好みの特徴となるものである。決定エンジンサーバー10は、ドメイン属性集合26とドメイン製品集合25に従ってユーザープロフィール27を処理して、ユーザーに提示するための集合内の残余の品目のランク付けされたリストを生成する。
【0018】
図1の環境は、インターネットのセッティングにおける決定エンジンの使用法を示している。もちろん、決定エンジンは、イントラネットや単一ワークステーション実施形態などのローカル設置物に適用可能である。
【0019】
図2は、この発明による決定エンジンと消費者プロファイリング処理の機能ブロック図である。このシステムは、決定エンジン100と、質疑応答シーケンスモジュール101と、図形ユーザーインタフェースドライバ102と、データベースモジュール103と、を含んでいる。決定エンジンモジュール100は、消費者に対する個人的なランク付けされた品目リストを決定するための低レベル表示の消費者プロフィールと抽象階層的で統計的な表示の関心ドメインを用いる分析決定処理モジュールを含んでいる。質疑応答シーケンサ101は、消費者を個人プロフィールの作成によって動的にそして個人的に誘導するための編集的に既述された語りを用いている。データベースモジュール103は、消費者プロフィールの記憶と保守のために使用されるリレーショナルデータベースまたは他の記憶システムである。図形ユーザーインタフェースドライバ102は、質疑応答シーケンサ101の入力催促に応じて選択と意見表現をユーザーに対して可能とする簡単な図形プリミティブと他のツールを含んでいる。
【0020】
好ましい実施形態中の質疑応答シーケンサ101は、属性階層全体にわたって第1の集合の属性に対する第1のページ105、集合A、属性集合Bに対する第2のページ106、属性集合Cに対する第3のページ107、などを含む、ページ104の集合の順序を指定するHTML(Hypertext Markup Language)のスクリプトを含んでいる。また、ページ108は、結果をユーザーに提示するために含まれている。質疑応答シーケンサ101はスクリプトに従ったHTMLページを、画像を提供してユーザーに入力データを与えることを促す図形ユーザーインタフェースドライバ102に提供する。加えて、質疑応答シーケンサ101は、スクリプト中の現行の処理位置を追跡する。このように、図形ユーザーインタフェースドライバはナビゲーションウインドウ110を含んでいるが、このウインドウはプロンプトのシーケンス中の位置をユーザーに示す。図形ユーザーインタフェースドライバ102はライン111上でディスプレイと入力デバイスにカップリングされて、好みと要求の入力データを収集する。図1を参照して上述したように、ライン111は、インターネットや他のネットワークリンクを介して遠隔のユーザーに至るチャネル又は特定の実現物の必要性に適すようなローカルのディスプレイに対する直接的な接続物を含むことがある。
【0021】
決定エンジン100は、エンジンパラメータ構造体115や、属性階層116や、品目集合117や、測定済み属性ベクトル118や、品目とスコアの残余リスト119(例えば、品目集合構造体117中のフィールドで表される)を含むデータ構造体の集合を含んでいる。質疑応答シーケンサ101からライン120上に出力されたデータ構造体115〜119及びプロフィールデータを利用して、決定エンジンは、集合内の重み付けされた属性値を計算し、集合内の属性に対する行方不明データと無関係データを処理し、質疑応答シーケンスで前にユーザーによって表された要求に基づいて残余の品目集合を決定し、この残余集合に基づいて属性の有効範囲を決定し、好み値に基づいて残余の品目集合をランク付けする。
【0022】
エンジンパラメータ構造体115は、特定の測定タイプに対する正規化ルーチンや、特定のドメインに対する決定エンジンの他のグローバルパラメータなどの情報を含んでいる。属性階層116は、ユーザープロフィール中で特徴付けされる属性に対する階層内に配置される1集合のノードから成っている。品目集合117は、製品ドメイン内のすべての品目のリストと、各品目に対してサポートされる特定の属性に関する特性と、から成っている。測定済み属性ベクトル118は、ユーザーが提供した入力情報に基づいた属性階層に対する消費者プロフィールの正規化値を含んでいる。残余リスト及びスコア119は、品目集合に適用されたままの測定済み属性ベクトルに基づいた結果を提供する。プロンプト処理が完了したら、このデータ構造体119を用いて、ユーザーの好みと要求に適合する製品ドメインからの結果として得られた品目の集合をユーザーに提供する。
【0023】
図3は、決定エンジン100のアーキテクチャ図である。この決定エンジンは、属性階層116と、品目集合ベクトル117と、測定済み属性ベクトル118と、を含んでいる。また、測定済み属性/品目マトリックス150が決定エンジンの処理に関与する。
【0024】
属性階層116は、階層配列内に配置されているノードのデータ構造体によって指定される。このように、この階層116は、消費者の考慮の対象となり得るドメインに関連する属性の階層的編成物となる。この階層的編成物又は属性の他の編成物は、ドメイン内でのナレッジエンジニアリング及びドメイン内でのエキスパートの意見に基づいている。このように、この編成物は発見的に決定され、特定の製品ドメインに対して最適化される。好ましいシステムでは、この階層は、全体的なドメイン(例えば自動車)を表すルート151を含むツリー構造体として表される。ツリーを下降する内部ノードは進行的により特定的な合成属性を表す。例えば、ルート151の1レベル下の車ドメインにはサイズに対する合成属性ノード152があり、ノード152の1レベル下には外部サイズに対する属性ノード153がある。リーフ154、155、及び156は品目に対する特定の測定可能属性を表す。例えば車では、外部サイズに対するリーフ154から156は高さと長さと幅を含んでいる。車サイズノード152の1レベル下の別の内部ノードはノード157であり、内部の余裕に対応している。ノード157のリーフには、頭部余裕に対するリーフ158と脚部余裕に対するリーフ159が含まれている。
【0025】
属性階層116の略図を図3に示すが、この階層は複雑な製品の多くの属性をカバーするので非常に複雑になりかねない。
【0026】
この発明によれば、属性階層はまた、合成内部属性の構成要素に対するアプリオリな重み付けを含む。例えば、外部サイズに対するアプリオリな重み付けは33%高さと、33%幅と、33%長さと、である。ツリー内での属性の抽象的な編成物とそれに対応するアプリオリな重み付けは双方とも、ドメイン内のナレッジエンジニアリングと、ドメインエキスパートの意見と、統計的な分析と、に基づいている。属性階層はドメイン内で考慮される特徴の編成物の抽象的表現と各特徴の相対的な重要性の総称表現である。
【0027】
測定済み属性ベクトル118を用いて品目の完全なポピュレーションに対する各測定済み属性の統計的特徴を記録する。すなわち、ベクトル118内の各セルはすべての品目にわたる1つの属性の完全な既述を表している。この既述には、測定された属性の分布の最小値、最大値、平均値、中間値、標準偏差値及び線形近似値などのパラメータが含まれる。さらに、このセルは、ユーザー入力を実行時間にどのように解釈すべきであるかに関する命令を含んでいる。
【0028】
測定済み属性ベクトルは属性階層中のリーフノードと関連しており、これをユーザーのプロファイリング情報と一緒に用いて、ユーザープロフィールを定義するために記録される属性測定値を発生する。
【0029】
決定エンジンによってサポートされる測定済み属性には:(1)数値、(2)ブール値、(3)列挙、(4)意見、(5)範囲付け数値、の5つのタイプがある。数値の測定済み属性は特徴の浮動小数点評価であり、例えば車ドメイン数値属性では、最高速度とブレーキ距離を含んでいる。ブール値測定済み属性は、例えば車が重要であるか否かなどの真偽を特徴とし得る属性である。列挙された測定済み属性は、車にとって利用可能な色のリストなどの属性の集合又はリスト表現である。測定済み属性ベクトルはベクトル内のリストから得られた列挙された要素の各々を有しており、例えば赤色、緑色又は青色の各々がこのベクトルに含まれている。構築時間においては、列挙された要素はベクトル内で互いに隣接しておかれ、第1の要素は列挙リストの最初としてマーク付けされ、最後の要素はグループの最後の要素として記されている。列挙物には2つのタイプがある、すなわち相互排他的列挙物と非相互排他的列挙物である。相互排他的な場合、列挙された要素の内のただ1つだけが1つの品目に対して真であり得る。意見測定タイプはブールタイプに似ているが、ただ、1つの偽状態と2つの真状態を有している点が異なる。偽状態は、その特徴が入手不可能であることを暗示している。第1の真状態は、その特徴が標準装置として入手可能であることを示している。第2の真状態は、その特徴がその品目に対してアドオン・オプションとして入手可能であることを示している。範囲付け数値属性は、1つの数値点では表現不可能であり数値範囲をカバーする数値属性に対して用いられる。
【0030】
ユーザープロフィールが属性階層を形成するために用いられるように、測定済み属性ベクトル118を用いて、ユーザープロフィールに応答して測定済み属性/品目マトリックスを形成する。測定済み属性/品目マトリックス150は、ドメイン内の各品目に対する各測定済み属性の正規化値を含んでいる。各エントリは好ましい例では0.0から1.0の範囲の正規化浮動小数点数値である。正規化に用いられる方法は、以下の表1に示すような測定済み属性タイプによって異なる。測定された属性データが特定の品目に対しては入手不可能な場合、対応するマトリックス内にあるものとしてマーク付けされる。入手不可能なデータには2つのタイプ、すなわち行方不明データと無関連データがある。行方不明データは、利用可能であるべきであるが何らかの理由によって現在のところ入手不可能である品目に関する情報である。無関連データは、特定の品目(例えば、2輪駆動トランスミッションの場合にだけ入手可能な品目に対する4輪駆動トランスミッション)には関係ない情報である。
【0031】
【表1】

【0032】
決定エンジンは、各属性に対して指定されたルールに従って行方不明データを処理する。このように、例えば、特定の属性に対するデータが行方不明の場合、ある品目のスコアを付ける際にその属性を中立値で値付けしたり無視したりすることが可能である。こうする代わりに、行方不明データを、関連の特定の属性によって要求として特徴付けするようにしてもよい。
【0033】
品目ベクトル117は、単に、製品ドメイン内の品目のリストと、これらが処理中に残余の品目リストに含まれるか排除されるかを示す指定と、エンジンの実行中に蓄積された浮動小数点スコアと、から成っている。残余品目とスコアの集合はこのようにして品目ベクトル117中のフィールドで決定される。
【0034】
実行時間中は、エンジンは、属性階層116と、測定済み属性ベクトル118と、品目ベクトル117と、を属性階層116を形成するユーザープロフィールと共に用いて、個人化された結果を決定する。エンジンは、ユーザーの属性プロフィールが品目のランク付けリストを決定する品目方向と、品目リストがプロンプトプロセス中に使用される属性の有効範囲を発生する属性方向と、の双方で走行する能力を有している。
【0035】
品目方向で走行中に、エンジンは、用いられる伝搬方法と行方不明データや他の異常の処理方法を含むユーザー属性プロフィールとエンジン動作命令の双方を受け取る。品目方向におけるエンジン走行での第1のステップでは、属性階層の個人化されたインスタンスを用いて、ユーザープロフィールに従って測定済み属性ベクトルを作成する必要がある。この操作には、属性階層ツリーを好み値が降下し属性階層のリーフのところで要求を正規化する操作が伴う。好みは階層属性ツリーのどこで述べても良いが、要求は特定の測定済み属性のことであり、したがって、属性階層ツリーのリーフのところで記録されるだけである。このステップでは、ユーザープロフィール内の非リーフノードで述べられ又はリーフを下降して伝搬アルゴリズムを用いて伝搬する。
【0036】
第1の実施形態によれば、属性階層のリーフノードに好みが伝搬する操作は、最適なアルゴリズムを用いて、さらに制動されたアルゴリズムに従って第2の代替例によって実行される。例としての最適の制動されたアルゴリズムを以下の表2に示す。
【0037】
【表2】

【0038】
伝搬アルゴリズムは、エンジン内を通過する動作命令の1部として指定される。最適アルゴリズムによってユーザーは、特定の詳述された属性をより大きく広い属性概念の等価物として取り扱うことが可能となる。制動されたアルゴリズムは属性階層内の個々の位置に従って好みを調整し、これによってあらゆる詳述済み属性好みがより広い高レベルの属性好みを圧倒しないようにしている。
【0039】
また、このステップでは、プロフィール内のリーフ属性のところで述べられている要求は、その正規化値に変換される。ある実施形態における各属性に対する正規化方法は、測定済み属性/品目マトリックスを作成するために用いられる方法と同じである。
【0040】
次に、包含もしくは排除及びスコアを示す、品目ベクトル中のフィールドの値は、測定された属性ベクトルと測定された属性/ベクトルマトリックスのインスタンスを用いて発生される。品目ベクトル中の各セルは、ドメイン中の1つの品目を表す。その品目がすべての要求を満足する場合、それに対応する品目セルが「包含」とマーク付けされる。さらに、可能な各品目に対して、それに対応するセルが正規化実施形態では0.0から1.0の範囲のスコアを含んでいる。また、エンジンは同時に要求をチェックし、さらに各品目全体の好みのランク付けを計算する。エンジンは進行的に測定済み属性ベクトルインスタンスを下降しながら移動し、マトリックス内の各品目がローカルな要求に適合するかチェックする。品目が要求を満足しない場合、「排除」とマーク付けされて、それを将来の計算から除去する。データ要素が行方不明か無関連であることを発見した場合、エンジンは、データ異常処理命令を用いる。これらのデータ異常処理命令は行方不明及び/又は無関連のデータ要素の数又は行方不明及び/又は無関連のデータのタイプを指定するが、これは計算が成功するように見込んで与えることができる。エンジンは、走行するに連れて、各品目に対して遭遇した行方不明データと無関連データの要素のタイプと数を追跡する。これらの数が指定値を越える場合又は異常処理命令内でタイプに遭遇した場合、その品目は不可能とマーク付けされる。
【0041】
要求処理に加えて、エンジンはユーザーの好みに基づいて品目ランク付けを計算する。品目が可能である場合、この属性に対するマージン寄与、すなわちその正規化された測定済み属性値に測定済み属性ベクトル内の属性に対する計算済み好みを乗算した値が品目ベクトル内の品目スコアに加算される。最後に、エンジンは品目スコアを正規化して品目ベクトルを分類する。品目スコアは、例えば、最良のスコア付け品目が1.0というスコアを受け取り他のすべての品目のスコアがこの最良スコアで除算されて各々を0から1の間隔にマッピングするように正規化される。さらに、ベクトル内の可能な品目の集合が、最良のスコア付け品目が第1のセル中に顕れるような減少順序で分類される。不可能な品目(「排除」とマーク付けされている)は絵区取るの最後に顕れる。このように結果が作成されてユーザーに提示され、ユーザーの好みに従ってランク付けされた要求を満足する品目を示す。
【0042】
決定エンジンは、また、以下に述べるようなプロンプトプロセス中に属性方向でも走行する。属性方向では、品目のリストを用いて、属性の有効範囲が発生される。ここで、エンジンは、包含するようにマーク付けされた関心となっている品目セルを持つ品目ベクトルと考慮の対象である属性のリストを通過する。エンジンは、入力ベクトルを下降して走行し、関心となっている各属性の有効範囲を決定する。これらの有効範囲は、次いで、以下に述べるようなプロンプトプロセスなどのコール機能に戻される。
【0043】
図4から14に、1シーケンスのプロンプトを提示して好みと要求のデータを収集して個人的プロフィールを作成する図形ユーザーインタフェースの好ましい実施形態の実現例を示す。図4に好ましい実施形態による画面の内訳を示す。この画面は、領域Aにタイトルを有するが、これは、一般的には画面上のトピックを示す1つの語である。この画面は、また、領域Bに説明フィールドを有している。この説明フィールドは、現行のトピックに関する潜在的な兼ね合いに関する簡単な説明を提供する。そのテキストは、一般的には、ユーザーがすべてのカテゴリに対する最も好ましい設定を自動的に選択しないように十分に詳細な記述を提供する。
【0044】
この画面には、また、フィールドCにユーザー入力ウィジェットを含んでいる。このフィールドCのウィジェットは、ユーザーが入力を提供するツールであり、図5から13に参照して示す様々な形態をとる。図4に示す例では、図13に示す正の好み特徴を提示する2つのスライダが図示されている。この画面は、また、その領域Dに「正確指定」フィールドを含んでいる。このフィールドは、ユーザーが現行の画面のトピックより詳細なレベルで特定の要求をユーザーが提供できるときはいつでも利用可能なチェックボックスである。この正確指定ボタンを設定することによって、図14に示すような画面などのユーザーインタフェースはユーザーに示されてより詳細な選択を可能とする。
【0045】
図4の画面は、また、ナビゲーションウインドウ、すなわち領域Eのバーを含んでいる。領域E中のナビゲーションバーは、画面上の領域A内のタイトルで指定される画面のリストを含んでいる。このように、図示の例では、プロンプトシーケンスで用いられる画面は、すべての車に対する第1のタブ200、車の特徴に対する第2のタブ201、車の安全性属性に対する第3のタブ202、車のディメンジョンに対する第4のタブ203、車の性能に対する第5のタブ204及び車の技術的属性に対する第6のタブ205を含むタブによって表される。各タブは、図4の性能画面などのプロンプト画面によって提示される属性集合に対応している。
【0046】
ユーザーがこの発明の好ましい態様に従って入力を与えた後で、ナビゲーションバーE内の各タブに隣接して、ドメイン内の残余の品目の数のカウント値が提示される。このように、第1のタブ200に対して、残余品目の数が728を示され、ドメイン中のすべての車を表す。この例では、第2のタブ201中で、ユーザーはフィールドを約600に狭めるように選択した。第3のタブ202で、ユーザーはフィールドを約400に狭めるように選択した。第4のタブ203で、ユーザーはフィールドを約350に狭める選択をした。ユーザーは、選択範囲をさらに狭めるような性能に対する第5のタブ204で選択をして要求と好みを指定する。このように、本システムは、ページのスクリプトに従って指定済みの1シーケンスのプロンプトでユーザーの位置を常にフィードバックと進行を与えて、前のプロンプトページで指定された要求に従って成された選択を狭める。
【0047】
図5から13に、要求と好みを指定する目的でこの発明によって用いられる代表的なウィジェットを示す。このように、図5は、チェックボックスを示す。このチェックボックスは、ユーザーがリストから1つ以上のオプションを選択することが可能な場合に用いられる。このボックスはユーザー入力ツールを用いてボックスをクリックして品目を選択したりしなかったりすることによってチェックされる。一般的には、チェックボックスは、属性集合中で要求を指定するために用いられる。
【0048】
図6に数値スライダを示す。数値スライダは、ユーザーがバーに沿って位置付けすることが可能なバーと脱字記号を含んでいる。バーの左端210には最小値が表示される。バーの右端211には最大値が表示される。バーに沿った脱字記号212の位置によって領域213の値が異なって表示される。数値スライダを用いると、ユーザーは属性の最小値または最大値を設定できる。この例では、ユーザーは最大値段を指定している。代替実施形態では、2つの脱字記号を同じスライダバー上で用いて、ユーザーが最大値と最小の双方を設定できるようにしている。スライダが脱字記号の運動に応答して増分する値は特定の実現例に従って設計者によって設定される。加えて、脱字記号212の特徴中に、それがバーを横切って均一にスライドして、列挙済み属性に対して利用可能な実際の選択に対応するバー内の特定のロケーションにかちりと止まるように設定することが可能である。
【0049】
図7にラジオボタンを示す。ラジオボタンを用いて相互排他的である属性選択を指定する。ラジオボタンはユーザーがポインタツールを用いてボタンをクリックすることによって設定される。
【0050】
図8にコンボボックスウィジェットを示す。コンボボックスウィジェットは、矩形ボックス内の下向き矢印をクリックしてオプションリストを見ることをユーザーに可能とするプルダウンウインドウに類似している。一般的には、空ストリングがユーザーに対して利用可能であり、これによってユーザーは答えることを拒絶することが可能である。
【0051】
図9から11に示すウィジェットによって、ユーザーは、要求と好みの双方を表現することが可能である。このように、要求は、ウィジェットの両端で、左側だけでまたは右端だけで、その入力を促すことが可能である。
【0052】
図9に完全ノッチ付きスライダウィジェットを示す。このウィジェットに従って左端ボタンを選択することによって、特徴を含む品目がリストから脱落する。右端にあるボタンによって、品目はリスト上に特徴が残るよう含まなければならない。中心部にある「気にしない」ボタンを押すと将来に対する中立的な設定が残る。嫌いという設定をすると、将来に対して負の好み値が設定される。この設定によって品目がリストから脱落することはない。むしろその情報は、リストから品目のランクを低くするものである。「好き」設定によって特徴に対する正の好みが設定され、リスト内での品目のランク付けが増加する。図9のボタンは、特徴のリストが非常に長く、図形スライダがそれを表示しているシステム内のメモリー容量をあまり使用しすぎるようなページでは好ましいものである。あるシステムでは、ファジー理論を用いてこのように割り当てられた好み値を、1)ブルール(Brule)の「ファジーシステム−チューター、・A」(1985)や2)エルカン(Elkan)の1994年8月のIEEEからの抜粋「ファジー理論の逆説的成功」に述べられているような技法を用いて処理する。
【0053】
図10に「欲しくない」半ノッチ付きスライダを示す。このタイプのスライダは相互排他的列挙物、すなわち他の属性とその生存を共有する属性をともに動作する。例えば、クーペであると同時にセダンである車を持つことはできない。このように、このツールはユーザーにリストから品目を脱落させるまたはユーザーに容認可能な品目に関する好みを設定させるエレガントな方法を提供するものである。したがって、図10のウィジェットでは、要求はスライダの左端に設定され、一方、好みは脱字記号が右に移動するに連れて設定される。
【0054】
「持たなければならない」ノッチ付きスライダを図11に示す。このスライダは、他の特徴とその生存を共有し得る特徴に対して動作する。例えば、相互ファンドは自動式投資計画と小切手振り出しの双方を有することが可能である。このように、コンボスライダは欲しくないというオプションは有せず、右端に、対応する属性を要求に変換する持たなければならないというオプションを与える。
【0055】
図12と13に、ユーザーに対してリスト内の属性のランク付けすることだけを可能とする好みだけのウィジェットを示す。好みだけウィジェットが属性に対して利用されると品目は何も脱落しない。このように、図12では正/負の好みスライダが示されている。このスライダの中立設定はバーの中心である。脱字記号を左側にスライドさせると、ユーザーは負の好みを示すが、この例では負の好みとの相関関係は小さい。スライダを右側にスライドさせると、正の好みが表現される。
【0056】
図13では、正の好みスライダが示されている。このスライダの中立設定は左端である。脱字記号を右にスライドさせると、より正の好みが表現される。負の好みは、このバーでは設定できない。負の好みを設定するにはバーを逆転させればよいことが明らかである。
【0057】
図14に、図4の領域Dに設定された正確指定に応答して図4に示す画面と組み合わせて使用される集合固有の画面を示す。
【0058】
このように、性能カテゴリのより特定的な属性が図14で指定される。図4の領域E内のナビゲーションバーも図14の領域250内に示されている。このバーは、属性の性能集合が集合固有の画面で処理されているという指示がある場合にだけ修正される。そうでない場合、ナビゲーションバーは一定のままであるが、その理由は、より特定的な属性が集合内で処理されるからである。このように、画面14は、タイトルフィールド251と、説明フィールド252と、より詳細な好みと要求を指定するために用いられるウィジェットのフィールド253と、を含んでいる。
【0059】
代替システムでは、要求が集合固有の画面上で表現される毎に残余品目のカウント値が更新される。
【0060】
図15に、個人的プロフィールを発生して決定プロセスから品目のリストを提供するプロセスの簡略化されたフローチャートを示す。このプロセスは、開始ページがユーザーに提示されて属性集合X(1つの集合が1つまたは2つ以上のメンバーを含むことがある)に関連する入力を促し、更新されたナビゲーションウインドウを提供するステップ300から始まる。すると、このシステムは、ユーザー入力を受け入れて属性集合Xの尺度を示す(ステップ301)。集合Xに対する品目/属性好みスコアと要求が次に計算される(ステップ302)。
【0061】
属性Xの品目/属性好みスコアを検査したら、プロンプトシーケンスの次のページが別の集合Yに対して選択される(ステップ303)。次のページに対するこの選択は、好ましい実施形態内のスクリプトに従って自動的に実行されるかまたは、特定のインスタンスまたは他の要素の選択などのユーザー入力に応答して実行されることがある。
【0062】
次のページを選択したら、属性すなわち集合Y内の属性に対する修正済み範囲が、属性集合Xに対して指定された要求が考慮された後の残余品目集合に基づいて集合決定エンジンを属性方向に走行させることによって計算される(ステップ304)。
【0063】
次に、このシステムは、修正済み範囲を持った集合Y内の属性が、集合Xに対する要求が考慮された後に残された品目の数を示す更新されたナビゲーションウインドウと共にユーザーに提示され集合Yのページが現在表示されている次のページを提示する(ステップ305)。
【0064】
次に、集合Y内の属性の尺度を示す入力が受け入れられる(ステップ306)。品目/属性の好みのスコアと要求がこの入力に応答して計算される(ステップ307)。このスコアと要求が集合Yに対して計算されたら、属性集合Zに対応する次のページが選択される(ステップ308)。集合Z内の属性に対する修正範囲が集合XとYに対して指定された要求に基づいて計算される(ステップ309)。次のページが、集合Z内の属性に対する修正済み範囲と共に提示され、ナビゲーションウインドウが更新される(ステップ310)。次に、属性集合Zに対する入力が受け入れられる(ステップ311)。集合Zに対する品目/属性の好みスコアと要求が次に計算される(ステップ312)。品目スコアが集合X、Y及びZに対する属性好みスコアと要求と上記の重み付けルールに基づいて計算される(ステップ313)。最後に、結果得られる、品目スコアに従ってランク付けされた品目配列をユーザーに提示する(ステップ314)。
【0065】
図15のプロセスは、どんな数の属性集合、例えば上記の発明の概要の節で述べたような数の集合に対しても一般化することが可能である。
【0066】
したがって、この発明は、平均的な人が複雑で怯むような消費者製品決定または他の複雑な決定をする手助けとなる消費者用の個人的決定サポートソフトウエアを提供する。この発明によるこの決定サポートソフトウエアは、スマートエージェントとして知られるかなりの分量があって強力なタイプの発現クラスのソフトウエアツールとなる。しかしながら、この発明は特定の製品選択に対する個人的なプロフィールを指定するようにユーザーに促しその個人的プロフィールをインテリジェントに適用して決定サポートを提供することが可能である。消費者が複雑な選択によって混乱するが、また、この発明が意志決定プロセスを支援することが可能な購入分野が多く存在する。新しい車を購入すること、相互ファンドに投資すること、適切な大学を選択すること、不動産を購入すること、家族旅行計画を決定すること、健康と医療の選択を決定すること、音楽と映画を選択すること及び他の分野もこの発明による方式の応用分野の数例である。
【0067】
全体的に、この発明は高価な消費者製品及び複雑な決定がなされる消費者製品のマーケティングと流通の効率をかなり向上させることが可能である。
【0068】
この発明の好ましい実施形態に関する前述の説明は図示と説明目的で与えられたものである。この発明を開示された形態そのものに排他的に制限することを意図するものではない。明らかに、多くの修正や変更が当業者には実行可能であることが分かるであろう。この発明の範囲は、以下の請求の範囲とその等価物によって定義することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】インターネットベースの決定エンジンサーバーのコンテキストにおけるこの発明の簡略図である。
【図2】この発明のシステムの機能ブロック図である。
【図3】この発明による決定エンジンのアーキテクチャ図である。
【図4】この発明における図形ユーザーインタフェースで使用されるプロンプト画面の図である。
【図5】この発明の図形ユーザーインタフェースで使用されるチェックボックスプロンプトウィジェットの図である。
【図6】この発明の図形ユーザーインタフェースで使用される数値スライダプロンプトウィジェットの図である。
【図7】この発明の図形ユーザーインタフェースで使用されるラジオボタンプロンプトウィジェットの図である。
【図8】この発明の図形ユーザーインタフェースで使用されるコンボボックスプロンプトウィジェットの図である。
【図9】この発明の図形ユーザーインタフェースで使用される完全ノッチスライダプロンプトウィジェットの図である。
【図10】この発明の図形ユーザーインタフェースで使用される「欲しくない」半ノッチスライダプロンプトウィジェットの図である。
【図11】この発明の図形ユーザーインタフェースの「持たなければならない」半ノッチスライダプロンプトウィジェットの図である。
【図12】この発明の図形ユーザーインタフェースで使用される正/負の好みスライダプロンプトウィジェットの図である。
【図13】この発明の図形ユーザーインタフェースで使用される正の好みスライダプロンプトウィジェットの図である。
【図14】図4のウインドウの正確セットボタンに応答して特定の属性が示される図形ユーザーインタフェース画面の図である。
【図15】この発明のユーザープロフィールベースの決定プロセスの簡略フローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
10 … 決定エンジンサーバー
11 … ディスプレイ
12 … 接続部
13 … インターネット
14 … ユーザーステーション
15 … ユーザーステーション
16 … ユーザーステーション
17 … 接続部
18 … 接続部
19 … 接続部
20 … ディスプレイ
21 … ディスプレイ
22 … ディスプレイ
25 … ドメイン製品集合
26 … ドメイン属性集合
27 … ユーザープロフィール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1からNに等しいnについて、製品ドメイン中の品目の属性A(n)についてのユーザーの好みと要求に従って前記製品ドメインから品目のリストを発生する方法であって、
属性A(n)について入手可能選択品の集合を定義するステップであって、その場合、属性A(n)についての前記入手可能選択品集合は、nが1に等しい場合には前記製品ドメイン内のすべての品目について入手可能選択品を含み、nが1より大きい場合には残余の製品集合内の品目について入手可能選択品を含むステップと、
前記属性A(n)についての入手可能選択品の集合に従って、前記属性集合内の属性A(n)についての好みまたは要求を示すデータを入力するようにユーザーに促すステップと、
前記属性A(n)についての前記入力データを記憶するステップと、
(n、n−1、…、1)に等しいiについて、属性A(i)のサブ集合に関して要求を満足する残余の品目集合を決定するステップと、
1からNに等しいnについて、属性A(n)に関して前記の定義するステップと、促すステップと、記憶するステップと、決定するステップとを繰り返すステップと、
属性についての好みを示す前記入力データに従って前記残余の品目集合内の品目にスコアを割り当てるステップと
を含んでなる方法。
【請求項2】
前記スコアに従って前記残余品目の集合内の前記品目を順序付けするステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記属性を1シーケンスに編成するステップと、前記促すステップ中に前記1シーケンス内の位置を示すインジケータを前記ユーザーに提供するステップとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記好みデータが、前記製品ドメイン内の選択品に対する関連性の度合いを有するように前記ユーザーによって指定された特定の属性と関連する変数を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記要求データが、前記製品ドメイン中の選択品について必要であるか必要でないかを前記ユーザーによって指定された特定の属性と関連する変数を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの属性について促す前記ステップが、ディスプレイ上に表示されるバーで表される選択範囲と、前記バーとともに表示され前記範囲内の選択品を示すように前記バー上に入力デバイスでユーザーによって位置付けされるスライド素子を含む図形スライダを表示するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
階層配列に従って前記属性を編成するステップと、前記収集された好みと要求に関するデータ及び前記対応する属性の前記階層配列中の位置に応答して前記属性中の対応する属性に重みを割り当てるステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記入力データに従って属性測定値を発生するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
属性についての前記属性測定値が、
属性の数値評価に関する数値と、
真偽インジケータを特徴とする属性に関するブール値と、
集合またはリストから選択された属性に関する列挙値と、
オプション特徴として含まれるかまたは含まれない、標準特徴として含まれる属性についてのオプション値と、
数値範囲によって指定される属性についての範囲付け数値と
を含む1集合の測定値タイプから選択された個々の測定値タイプを有し、そして
前記測定値タイプに従って選択された前記測定値と正規化ルーチンに応答して前記残余品目集合内の個々の品目に対する品目スコアを計算するステップを含む
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記属性測定値に応答して前記残余品目の集合中の個々の品目に対して品目スコアを計算するステップを含む
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
品目にスコアを割り当てる前記ステップが、属性に対して当該属性についての欠落入力データに対する応答を指定するルールを割り当てるステップと、前記入力データが欠落している属性を識別するステップと、前記識別された属性に対して前記ルールを適用するステップを含む
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
品目にスコアを割り当てる前記ステップが、属性に対して当該属性についての無関係な入力データに対する応答を指定するルールを割り当てるステップと、前記入力データが無関係である属性を識別するステップと、前記識別された属性に前記ルールを適用するステップを含む
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの属性について促す前記ステップが、ディスプレイ上に表示されている図形によって表される選択範囲と、前記図形とともに表示され前記範囲内の選択品を示すように前記図形上に入力デバイスでユーザーによって位置付けされるセレクタ素子を含む図形ツールを表示するステップを含む
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記選択品に応答して数値を計算するステップを含む
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
数値を計算する前記ステップが、前記図形上の前記セレクタ素子の前記位置に非線形関数を適用するステップを含む
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記属性を1シーケンスに編成するステップと、前記促すステップ中に、前記1シーケンス中での位置と前記残余品目集合内の品目のカウント値を示すインジケータを前記ユーザーに提供するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
1からNに等しいnについて、製品ドメイン内の品目の1シーケンスとして編成される属性A(n)についてのユーザーの好みと要求に従って前記製品ドメインから品目のリストを発生する方法であって、
属性A(n)について入手可能選択品の集合を定義するステップであって、その場合、属性A(n)についての前記入手可能選択品の集合は、nが1に等しい場合には前記製品ドメイン内のすべての品目に対する入手可能選択品を含み、nが1より大きい場合には残余品目の集合内の品目についての入手可能な選択品を含むステップと、
前記属性A(n)についての入手可能選択品の集合に従って属性A(n)についての好みのデータと要求のデータの一方または双方を入力するようにユーザーに促すステップであって、その場合、前記好みデータが前記製品ドメイン内の選択品についての関連性の度合いを有するように前記ユーザーによって指定される特定の属性に関連する変数を含み、前記要求データが前記製品ドメイン内の選択品について必要とされるまたはされないと前記ユーザーによって指定される特定の属性と関連する変数を含むステップと、
前記属性A(n)について前記入力された好みデータと要求データを記憶するステップと、
(n、n−1、…、1)に等しいiについて、属性A(i)のサブ集合に関して要求を満足する残余品目の集合を決定するステップと、
前記1シーケンス内の位置と前記残余品目の集合内の品目のカウント値とを示すインジケータを前記ユーザーに提供するステップと、
1からNに等しいnについて、属性A(n)に関して、前記の定義するステップと、促すステップと、記憶するステップと、決定するステップと、提供するステップを繰り返すステップと、
属性についての好みを示す前記入力データに従って前記残余品目の集合内の品目にスコアを割り当て、前記スコアに従って前記残余品目の集合内の前記品目を順序付けするステップと
を含んでなる方法。
【請求項18】
階層配列に従って前記属性集合を編成するステップと、前記収集された好みと要求のデータと前記対応する属性の前記階層配列中の位置に応答して当該対応する属性に重みを割り当てるステップとを含んでなる
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記入力データに従って属性測定値を発生させるステップと、前記属性測定値に応答して前記スコアを計算するステップとを含んでなる
ことを特徴とする請求項17に記載の記載の方法。
【請求項20】
属性についての前記属性測定値が、
属性の数値評価に関する数値と、
真偽インジケータを特徴とする属性に関するブール値と、
集合から選択された属性に関する列挙値と、
オプション特徴として含まれるかまたは含まれない、標準特徴として含まれる属性についてのオプション値と、
数値範囲によって指定された属性についての範囲付き数値と
を含む1集合の測定値タイプから選択された個々の測定値タイプを有し、そして
前記スコアを計算する前記ステップが、前記対応する属性の前記測定値タイプに従って選択された正規化ルーチンを適用するステップを含む
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
スコアを割り当てる前記ステップが、
属性についての欠落入力データに対する応答を指定する欠落データルールを前記属性に割り当て、前記入力データが欠落している属性を識別し、前記欠落データルールを前記識別された属性に適用するステップと、
属性についての無関係入力データに対する応答を指定する無関係データルールを前記属性に割り当て、前記入力データが無関係である属性を識別し、前記無関係データルールを前記識別された属性に適用するステップを含む
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの属性の入力を促す前記ステップが、ディスプレイ上に表示されている図形によって表される選択範囲と、前記図形で表示され前記範囲中の選択品を示すように前記図形上の入力デバイスでユーザーによって位置付けされるセレクタ素子を含む図形ツールを表示するステップを含む
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記選択品に応答して数値を計算するステップを含む
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
数値を計算する前記ステップが、前記図形上の前記セレクタ素子の位置に対してファジー理論関数を適用するステップを含む
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−54174(P2009−54174A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262282(P2008−262282)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【分割の表示】特願平10−534768の分割
【原出願日】平成10年1月28日(1998.1.28)
【出願人】(508302729)アメリカ オンライン インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】