説明

消防用車両

【課題】危険区域内へ車両ごと進入することができる消防用車両を提供すること。
【解決手段】消防用車両1は、車両外部から吸い込んだ外気Cを空気清浄器21によって清浄しこの空気清浄器21によって清浄した外気Cを加圧用空気Aとして吐出するよう構成した送風手段2と、送風手段2から吐出する加圧用空気Aを運転席111を含む車両キャビン室11内へ導くための吐出側ダクト3とを有している。消防用車両1は、吐出側ダクト3に設けた吹出口35から吹き出す加圧用空気Aによって、車両キャビン室11内を外気の圧力状態よりも高い圧力状態に維持することができるよう構成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害現場へ急行し、救助活動、消火活動等を行うことができる消防用車両に関する。
【背景技術】
【0002】
救助用特殊車両、救急車、救助工作車等の消防用車両は、火災現場等の災害現場に急行し、迅速な救助活動等を行うために用いる。そして、被災者の救助が必要なときには、災害現場へ急行した後、直ちに最優先して被災者の救助を行うことが必要である。
【0003】
しかしながら、災害現場においては有毒ガス等が存在しているおそれがあり、乗員である消防隊員等が防護衣、空気呼吸器等を取り付けていない状態にあると、消防用車両を災害現場から離れた安全な場所に停車する必要がある。そして、消防隊員等は、消防用車両の停車を行った場所から災害現場まで移動しなければならない。そのため、より迅速に被災者の救助を行うためには、消防用車両に更なる工夫が必要とされる。
なお、特許文献1には、災害現場等において火災等が発生している場所を車内から迅速に発見することができる消防用車両の車両ヘッド部の構造が開示されている。しかしながら、特許文献1によっても、上記問題点の改善を図ることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−152013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、危険区域内へ車両ごと進入することができる消防用車両を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両外部から吸い込んだ外気を空気清浄器によって清浄し、該空気清浄器によって清浄した外気を加圧用空気として吐出するよう構成した送風手段と、
該送風手段の吐出側に接続し、該送風手段から吐出する加圧用空気を、運転席を含む車両キャビン室内へ導くための吐出側ダクトとを有しており、
該吐出側ダクトに設けた吹出口から吹き出す加圧用空気によって、上記車両キャビン室内を外気の圧力状態よりも高い圧力状態に維持することができるよう構成したことを特徴とする消防用車両にある(請求項1)。
【0007】
本発明の消防用車両は、火災等の災害現場において有毒ガス等が発生している場合、あるいは災害現場において生物剤、化学剤等が存在している場合に、この有毒ガス、生物剤、化学剤等が車両キャビン室内へ侵入することを防止するための工夫を行っている。
具体的には、本発明の消防用車両は、上記送風手段及び吐出側ダクトを用いて、車両キャビン室内を、外気の圧力状態(大気圧)よりも高い圧力状態(陽圧状態)にすることができる。これにより、災害現場へ消防用車両が急行するときには、この災害現場において有毒ガス等が存在していても、車両キャビン室内を、外気の圧力状態よりも高い圧力状態に維持しておくことにより、当該災害現場へ車両ごと進入することができる。
【0008】
そして、上記有毒ガス等が存在している危険区域内へ車両ごと進入しても、車両キャビン室内へ車両外部の有毒ガス等が侵入することを防止することができる。また、消防隊員等は、上記危険区域内に有毒ガス等が存在しているか否かの調査を迅速に行うことができる。
消防用車両が上記危険区域内へ進入した状態においては、送風手段は、空気清浄器によって清浄した後の外気を加圧用空気として吐出側ダクトへ送風し、清浄後の加圧用空気によって車両キャビン室内の圧力状態を維持することができる。これにより、車両キャビン室内を有毒ガス等が存在しないクリーンな状態に維持することができる。そのため、本発明によれば、車両キャビン室内の消防隊員等が防護衣、空気呼吸器等を装着しない状態においても、消防用車両を上記危険区域内へ進入させることができ、災害現場へより迅速に急行することができる。
【0009】
それ故、本発明によれば、危険区域内へ車両ごと進入することができる消防用車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例における、消防用車両の構造を簡略的に示す斜視説明図。
【図2】実施例における、消防用車両の構造を簡略的に示す平面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明の消防用車両は、救助用特殊車両として被災者の救助を行う車両とすることができる。この場合には、危険区域内へ車両ごと進入し、被災者の救助活動を迅速に行うことができる。また、本発明の消防用車両は、救助工作車、消防ポンプ自動車等の車両に採用することもできる。
また、上記車両キャビン室内の陽圧状態は、例えば、車両キャビン室内が大気圧に対して、200〜700Paの圧力範囲内で陽圧(正圧)となるように設定することができる。
【0012】
上記消防用車両は、上記車両キャビン室よりも後方に形成した車両後方収容室と、上記送風手段の吸込側に接続した吸込側ダクトとを有しており、該吸込側ダクトは、切替弁の操作によって、車両外部から外気を吸い込む状態と、上記車両後方収容室内から室内空気を吸い込む状態とに切換可能であり、該車両後方収容室内から室内空気を吸い込むときには、該車両後方収容室内を外気の圧力状態よりも低い圧力状態に維持することができるよう構成することができる(請求項2)。
【0013】
この場合には、吸込側ダクトを用いて車両外部から外気を吸い込むことができると共に、切替弁による切換操作を行った後には、吸込側ダクトを用いて車両後方収容室内から室内空気を吸い込むことができる。
そして、汚染された被災者等を災害現場から車両後方収容室内に収容したときには、車両後方収容室内から室内空気を吸い込んで、車両後方収容室内を外気の圧力状態よりも低い圧力状態に維持することができる。これにより、消防用車両を安全区域へ移動したときには、被災者等によって汚染された車両後方収容室内の室内空気が、消防用車両の外部に漏洩することを防止することができる。そのため、被災者等が生物、化学兵器等によって侵されていた場合であっても、二次汚染の発生を防止することができる。
【0014】
また、吸込側ダクトから吸い込んだ車両後方収容室内の室内空気は、送風手段における空気清浄器によって清浄した後、吐出側ダクトを介して車両キャビン室内へ導くことができる。これにより、車両キャビン室内をクリーンな状態に維持することができる。
また、上記車両後方収容室内の陰圧状態は、車両後方収容室室内が大気圧よりも低い所定の真空状態となるように設定することができる。
【0015】
また、上記消防用車両は、上記車両キャビン室と上記車両後方収容室との間に、上記送風手段を配置した車両補助室を有しており、上記車両キャビン室と上記車両補助室との間には、該車両キャビン室と該車両補助室との分離及び連通が可能な前側ドアを設け、上記車両補助室と上記車両後方収容室との間には、該車両補助室と該車両後方収容室との分離及び連通が可能な後側ドアを設け、上記車両キャビン室と上記車両補助室と上記車両後方収容室との間を乗員が出入可能にすることが好ましい(請求項3)。
【0016】
この場合には、消防用車両における車両キャビン室と車両補助室と車両後方収容室との間をウォークスルー構造(各室内を乗員が自由に移動できる構造)にすることができると共に、前側ドア及び後側ドアにより、特に車両キャビン室と車両後方収容室とを分離することができる。
また、消防用車両が上記危険区域内に進入するときには、上記送風手段及び吐出側ダクトから車両キャビン室内に吹き出された加圧用空気によって、車両補助室内も外気の圧力状態よりも高い圧力状態に維持することも可能である。これにより、危険区域における有毒ガス等が、車両補助室内に侵入しないようにすることができる。
【0017】
また、上記車両キャビン室内には、大気圧よりも高い所定の設定圧力になったときに、室内空気を室外へ放出する加圧制限弁を設け、上記送風手段による加圧用空気の圧力を上記所定の設定圧力以上にして上記加圧制限弁を作動させることにより、上記車両キャビン室内の圧力状態を上記所定の設定圧力に維持することができるよう構成することができる(請求項4)。
この場合には、簡単な方法により、車両キャビン室内の圧力状態を加圧制限弁による所定の設定圧力に維持することができる。そのため、車両キャビン室内を外気の圧力状態よりも高い圧力状態に安定して維持することができる。
なお、加圧制限弁は、車両キャビン室以外にも、上記車両補助室と上記車両後方収容室との少なくとも一方に設けることもできる。
【実施例】
【0018】
以下に、本発明の消防用車両にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の消防用車両1は、図1に示すごとく、車両外部から吸い込んだ外気Cを空気清浄器21によって清浄し、この空気清浄器21によって清浄した外気Cを加圧用空気Aとして吐出するよう構成した送風手段2と、送風手段2の吐出側に接続し、送風手段2から吐出する加圧用空気Aを、運転席111を含む車両キャビン室11内へ導くための吐出側ダクト3とを有している。そして、本例の消防用車両1は、吐出側ダクト3に設けた吹出口35から吹き出す加圧用空気Aによって、車両キャビン室11内を外気Cの圧力状態よりも高い圧力状態に維持することができるよう構成してある。
【0019】
以下に、本例の消防用車両1につき、図1、図2を参照して詳説する。
本例の消防用車両1は、被災者の救助を行うことを目的とする救助用特殊車両である。
図1に示すごとく、本例の消防用車両1は、前方から順に、車両キャビン室11、車両補助室12、車両後方収容室13及び車両後方拡張室14を有している。
本例の車両キャビン室11は、運転席111を含む車室であり、運転席111の後方には、乗員が座る後方座席を適宜設けることができる。車両キャビン室11は、主に乗員としての消防隊員が乗車する車室である。車両補助室12は、給気ファン等から構成した送風手段2を配置した車室であり、車両後方収容室13は、災害現場から救助した被災者を収容するための車室である。また、本例の車両後方拡張室14は、車両後方収容室13に収容する被災者の洗浄を行うことができる車室として設けた。
【0020】
図1、図2に示すごとく、本例の吐出側ダクト3は、車両補助室12における送風手段2と車両キャビン室11とを連通させる形状に形成してある。また、吐出側ダクト3は、車両キャビン室11の天井部分に配管してあり、車両補助室12から前方に向けて左右の中心部に配管した中心配管部31と、中心配管部31の前方端であって運転席111の上方において左右に分岐して配管した先端分岐配管部32とを有している。そして、中心配管部31の前後方向の複数箇所には、車両キャビン室11内の左右に開口する吹出口35が設けてあり、先端分岐配管部32の左右の前側には、車両キャビン室11内の前方へ開口する吹出口35が設けてある。
【0021】
本例の消防用車両1においては、車両キャビン室11と車両補助室12との間には、車両キャビン室11と車両補助室12との分離及び連通が可能な前側ドア51が設けてあり、車両補助室12と車両後方収容室13との間には、車両補助室12と車両後方収容室13との分離及び連通が可能な後側ドア52が設けてある。また、車両後方収容室13と車両後方拡張室14との間には、後側拡張ドア53が設けてある。
そして、本例の消防用車両1は、車両キャビン室11、車両補助室12、車両後方収容室13及び車両後方拡張室14の車室相互間を、乗員が出入可能なウォークスルー構造を有している。また、消防用車両1においては、各ドア51、52、53を閉じることにより各室内11、12、13、14を分離することができる。
【0022】
図1、図2に示すごとく、本例の消防用車両1は、車両後方収容室13に対応する位置に、送風手段2の吸込側に接続した吸込側ダクト4を配設してなる。吸込側ダクト4は、切替弁41の操作によって、車両外部から外気Cを吸い込む状態と、車両後方収容室13内から室内空気Bを吸い込む状態とに切換可能である。本例の吸込側ダクト4は、車両後方収容室13の天井部分に配置した先端部に、外気Cを吸い込むための吸込口42を有している。
【0023】
また、吸込側ダクト4は、車両後方収容室13内に位置する配管途中において切替弁41を有している。切替弁41は、通常時は、吸込側ダクト4へ外気Cを吸い込むために、吸込側ダクト4の先端部における吸込口42を送風手段2の吸込口に連通する状態を形成している。そして、切替弁41は、車両後方収容室13内に被災者等を収容したときには、切替操作をし、車両後方収容室13内を送風手段2の吸込口に連通するよう構成されている。
なお、切替弁41を切替操作したときには、車両後方収容室13内のみを送風手段2に連通させるよう構成することができる。また、切替弁41を切替操作したときには、車両後方収容室13及び吸込口42を送風手段2に連通させるよう構成することもできる。
【0024】
また、本例の車両キャビン室11内と、車両補助室12内とには、これらの室内が、外気Cの圧力状態、すなわち大気圧よりも高い所定の設定圧力になったときに、室内空気Bを室外へ放出する加圧制限弁6が設けてある。車両キャビン室11内に設けた加圧制限弁6は、車両補助室12内へ室内空気Bを吹き出し、車両補助室12内に設けた加圧制限弁6は、大気へ室内空気Bを吹き出すよう構成してある。
そして、送風手段2によって、車両キャビン室11内及び車両補助室12内を大気圧よりも高い圧力状態にするときには、送風手段2による加圧用空気Aの圧力を所定の設定圧力以上にして加圧制限弁6を作動させることにより、車両キャビン室11内及び車両補助室12内の圧力状態を所定の設定圧力に維持することができる。
【0025】
本例の車両後方収容室13内は、外気Cの圧力状態よりも高い圧力状態と、外気Cの圧力状態よりも低い圧力状態とを形成することができるよう構成してある。
具体的には、消防用車両1が有毒ガス等が存在する危険区域内に進入するときには、車両キャビン室11内に設けた加圧制御弁6から吹き出される加圧用空気Aによって、車両補助室12内も外気Cの圧力状態よりも高い圧力状態に維持することができる。このとき、前側ドア51及び後側ドア52は閉じておくことができる。なお、車両キャビン室11内は、例えば、600Pa程度に加圧することができ、車両補助室12内は、例えば、300Pa程度に加圧することができる。
一方、汚染された被災者等を災害現場から車両後方収容室13内に収容したときには、車両後方収容室13内から室内空気Bを吸い込んで、車両後方収容室13内を外気Cの圧力状態よりも低い圧力状態に維持することができる。
【0026】
本例の消防用車両1は、火災等の災害現場において有毒ガス、生物剤、化学剤等が存在している場合に、この有毒ガス等が車両キャビン室11内へ侵入することを防止するための工夫を行っている。
具体的には、本例の消防用車両1においては、火災等の災害現場へ急行する際には、送風手段2を作動させ、吸込側ダクト4を介して外気Cを吸い込み、吐出側ダクト3を介して、車両キャビン室11内へ空気清浄器21による清浄後の加圧用空気Aを送風することができる。そして、車両キャビン室11内を外気Cの圧力状態(大気圧)よりも高い圧力状態(陽圧状態)に維持することができる。また、加圧制限弁6によって吹き出される室内空気Bによって、車両補助室12内も外気Cの圧力状態よりも高い圧力状態に維持することができる。
【0027】
これにより、災害現場において有毒ガス、生物剤、化学剤等が存在していても、この有毒ガス等が、車両キャビン室11内、車両補助室12内及び車両後方収容室13内へ侵入することを防止することができる。そのため、災害現場において有毒ガス等が存在している危険区域内へ、消防用車両1ごと進入することができる。そして、消防隊員は、危険区域内に有毒ガス等が存在しているか否かの調査を迅速に行うことができる。
【0028】
また、消防用車両1が危険区域内へ進入した状態においては、送風手段2は、空気清浄器21によって清浄した後の外気Cを加圧用空気Aとして吐出側ダクト3へ送風し、清浄後の加圧用空気Aによって車両キャビン室11内の陽圧状態を維持することができる。これにより、車両キャビン室11内を有毒ガス等が存在しないクリーンな状態に維持することができる。そのため、本例の消防用車両1によれば、車両キャビン室11内の消防隊員が防護衣、空気呼吸器等を装着しない状態においても、消防用車両1を危険区域内へ進入させることができ、災害現場へより迅速に急行することができる。
【0029】
そして、消防用車両1の車両キャビン室11内に搭乗する消防隊員は、車両キャビン室11から車両補助室12及び車両後方収容室13内を経由して車両後方拡張室14へ移動し、車両後方拡張室14から災害現場へ向かうことができる。そして、消防隊員は、災害現場における被災者等を救助し、この被災者等を車両後方収容室13内に搭乗させることができ、被災者等の救助活動を迅速に行うことができる。なお、車両後方拡張室14を経由して被災者等を車両後方収容室13内へ移動させる前には、車両後方拡張室14内において被災者等の水等による洗浄を行うことができる。
また、消防用車両1が危険区域内へ進入した後において、消防隊員は、車両キャビン室11から車両補助室12へ移動した後には、安全確保のため(車両キャビン室11内をクリーンな状態に保つため)、再び車両キャビン室11へは戻らないこととする。
【0030】
その後、汚染された被災者等を災害現場から車両後方収容室13内に収容し、消防用車両1を安全区域へ移動したときには、切替弁41の切替操作を行い、送風手段2を作動させることにより、吸込側ダクト4の切替弁41の配設位置から車両後方収容室13内の室内空気Bの吸引を行い、車両後方収容室13内を外気Cの圧力状態(大気圧)よりも低い圧力状態(陰圧状態)に維持することができる。
【0031】
これにより、消防用車両1を安全区域へ移動したときには、被災者等によって汚染された車両後方収容室13内の室内空気Bが、消防用車両1の外部に漏洩することを防止することができる。そのため、被災者等が生物剤、化学剤等によって侵されていた場合であっても、二次汚染の発生を防止することができる。
また、吸込側ダクト4から吸い込んだ車両後方収容室13内の室内空気Bは、送風手段2における空気清浄器21によって清浄した後、加圧用空気Aとして吐出側ダクト3を介して車両キャビン室11内へ導くことができ、車両キャビン室11内をクリーンな状態に維持することができる。
【0032】
それ故、本例の消防用車両1は、車両キャビン室11内の消防隊員が呼吸器を装着しない状態においても、災害現場の危険区域内へ車両ごと進入して、被災者等の救助活動を迅速に行うことができ、かつ被災者等を収容して病院等の施設へ迅速に移動させることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 消防用車両
11 車両キャビン室
111 運転席
12 車両補助室
13 車両後方収容室
14 車両後方拡張室
2 送風手段
3 吐出側ダクト
35 吹出口
4 吸込側ダクト
41 切替弁
42 吸込口
51 前側ドア
52 後側ドア
53 後側拡張ドア
6 加圧制限弁
A 加圧用空気
B 室内空気
C 外気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両外部から吸い込んだ外気を空気清浄器によって清浄し、該空気清浄器によって清浄した外気を加圧用空気として吐出するよう構成した送風手段と、
該送風手段の吐出側に接続し、該送風手段から吐出する加圧用空気を、運転席を含む車両キャビン室内へ導くための吐出側ダクトとを有しており、
該吐出側ダクトに設けた吹出口から吹き出す加圧用空気によって、上記車両キャビン室内を外気の圧力状態よりも高い圧力状態に維持することができるよう構成したことを特徴とする消防用車両。
【請求項2】
請求項1において、上記消防用車両は、上記車両キャビン室よりも後方に形成した車両後方収容室と、上記送風手段の吸込側に接続した吸込側ダクトとを有しており、
該吸込側ダクトは、切替弁の操作によって、車両外部から外気を吸い込む状態と、上記車両後方収容室内から室内空気を吸い込む状態とに切換可能であり、
該車両後方収容室内から室内空気を吸い込むときには、該車両後方収容室内を外気の圧力状態よりも低い圧力状態に維持することができるよう構成したことを特徴とする消防用車両。
【請求項3】
請求項1又は2において、上記消防用車両は、上記車両キャビン室と上記車両後方収容室との間に、上記送風手段を配置した車両補助室を有しており、
上記車両キャビン室と上記車両補助室との間には、該車両キャビン室と該車両補助室との分離及び連通が可能な前側ドアが設けてあり、上記車両補助室と上記車両後方収容室との間には、該車両補助室と該車両後方収容室との分離及び連通が可能な後側ドアが設けてあり、
上記車両キャビン室と上記車両補助室と上記車両後方収容室との間を乗員が出入可能にしたことを特徴とする消防用車両。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、上記車両キャビン室内には、該車両キャビン室内が大気圧よりも高い所定の設定圧力になったときに、室内空気を室外へ放出する加圧制限弁が設けてあり、
上記送風手段による加圧用空気の圧力を上記所定の設定圧力以上にして上記加圧制限弁を作動させることにより、上記車両キャビン室内の圧力状態を上記所定の設定圧力に維持することができるよう構成したことを特徴とする消防用車両。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−37410(P2011−37410A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189339(P2009−189339)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(505454281)平和機械株式会社 (2)
【Fターム(参考)】