液位制御システム
【課題】 水位検出器の出力値調節作業が容易であり、かつ、精度の高い液位の制御が可能な液位制御システムを提供する。
【解決手段】 下限水位と上限水位とに対する、水位検出器9からの各検出値と基準液位に対応する液比率とは、記憶手段42にて記憶されている。そして、水槽1における制御すべき制御水位に対応する水位検出器9からの特定検出値は、検出手段41に送られ、記憶手段42にて記憶された後、演算手段43に送られ、下限水位と上限水位との相関関係に対応した液比率に演算される。演算された特定検出値に基づく液比率は、判別手段44にて各設定水位と水位制御アルゴリズムに基づいて比較判別され、設定手段45を経て、制御手段46から電磁弁4及び送水ポンプ7の各構成機器に制御信号を送り、水槽1内の水の貯留及び供給を制御する。
【解決手段】 下限水位と上限水位とに対する、水位検出器9からの各検出値と基準液位に対応する液比率とは、記憶手段42にて記憶されている。そして、水槽1における制御すべき制御水位に対応する水位検出器9からの特定検出値は、検出手段41に送られ、記憶手段42にて記憶された後、演算手段43に送られ、下限水位と上限水位との相関関係に対応した液比率に演算される。演算された特定検出値に基づく液比率は、判別手段44にて各設定水位と水位制御アルゴリズムに基づいて比較判別され、設定手段45を経て、制御手段46から電磁弁4及び送水ポンプ7の各構成機器に制御信号を送り、水槽1内の水の貯留及び供給を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は液位制御システムに関し、特に、液体槽の液位を制御するための液位制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の給水システムにおいては、受水槽の水位制御のために各種水位を検知する機構として複数の電極棒を使用していた。しかし、電極棒による設定水位は固定式であり、一旦水位を設定すると変更ができず不便である。このため、超音波や水圧等により水位を連続的に検知できるものも提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
図22は従来の水槽における水圧により水位を検知する水位計の較正の概念を示す図である。破線yは水位計からの直接の出力値を示しており、実線xは水位計の水位と出力値との関係を示す設計値(理論値)である。
【0004】
図を参照して、水位計からの直接の出力値によって得られた破線yは、受水槽内の水位を正確に示すものではなく、設計値である実線xとずれが生じている。このずれを解消するために較正をおこない、水位計からの直接の出力値を設計値と同一にし、正確な水位制御をおこなう。具体的には、破線yのグラフにおける左端部点の調整をおこなうゼロ調整と、破線yと実線xとのグラフにおける傾きを調整するスパン調整とで較正される。
【0005】
図23は特許文献2で開示された水槽装置の概略構成図である。
【0006】
図を参照して、受水槽であるA槽1aとB槽1bとには、各々に給水系統2a、2bが接続されている。給水系統2a、2bには、各々に電磁弁内蔵型の定水位弁3a、3bが設けられており、CPU73からの給水信号28a、28bにより、定水位弁3a、3bが開閉されてA槽1aおよびB槽1b内への給水を制御し、A槽1aとB槽1bとの水位を所定の範囲に維持する。
【0007】
又、A槽1aとB槽1bとの底部には、水を排出する排出系統として揚水ポンプ22が備えられており、A槽1aとB槽1bとの水は、通常連通した状態で揚水ポンプ22により高置水槽(図示せず)に送られる。
【0008】
更に、A槽1aとB槽1bとにはそれぞれ水位検出器25a、25bが備えられている。水位検出器25a、25bは水圧により水位に対応する連続した水位A信号27aと水位B信号27bとを出力する。
【0009】
水位A信号27aと水位B信号27bとは、各々較正回路21a、21bに送られ、ゼロ調整やスパン調整による調整がおこなわれる。従って、水位検出器25a、25bの特性に差がある場合でも、較正回路21a、21bを最初に調整しておくことにより、水位検出器25a、25bからの水位信号を全測定範囲にわたって等しく設定することが可能となる。
【0010】
そして、較正回路21a、21bで較正された水位信号は、各々A/D変換器72に送られ、デジタル信号に変換された後、CPU73に送られ、CPU73によって、予め設定された複数の水位設定値と水位信号とを比較し、各種の制御信号、例えば給水信号28
a、28bを定水位弁3a、3bに送って開閉制御したり、満水警報、減水警報、空転警報、復帰信号等を出力し、A槽1aとB槽1bとの水位制御をおこなう。
複数の受水槽を有し、受水槽同士が通常連通した水槽装置においては、各水槽に設けられている水位検出器から主検出器を1器設定し、複数の受水槽の水位制御をおこなう。このような場合、例えば、各受水槽の清掃時の主検出器の切り替えによって、検出器間の出力値に誤差があった場合には、水位に大きな変動が生じ、水位の異常な低下や受水槽からの溢水等の危険があるため、複数の受水槽を有する場合は特に較正回路が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第2832183号公報
【特許文献2】特開2003−342980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のような従来の液位制御システムでは、水位検出器の使用開始時、及び較正後の水位検出器の経年変化によって設計値とのずれが生じた場合、ゼロ点調整及びスパン調整による較正が必要であるため、手間がかかる。
【0013】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、水位検出器の出力値調節作業が容易であり、かつ、精度の高い液位の制御が可能な液位制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、液体槽に対応して設置され、液体槽の水平断面積より小さな水平断面積を有すると共に、保有できる液体の液面レベルの変動幅が、液体槽が保有できる液体の液面レベルの変動幅の少なくとも一部に重複する補助液体槽と、液体槽及び補助液体槽に切り替え自在に接続され、液体槽及び補助液体槽のいずれの液位に対しても対応する値を検出することができる検出手段と、検出手段の接続を補助液体槽に切り替えて、補助液体槽の重複した変動幅に含まれる異なる任意の2つの液位における各々の基準液位に対する液比率と、これらに対応する検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、検出手段の接続を液体槽に切り替えて、2つの検出値と、液体槽の制御すべき制御液位に対応する検出手段の特定検出値とに基づいて、制御液位の液比率を判別する判別手段とを備えたものである。
【0015】
このように構成すると、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液比率が判別されると共に、液体槽に液体を注入しなくても、液体槽に対する制御の設定ができる。
【0016】
請求項2記載の発明は、液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、液体槽に対応して設置され、液体槽の水平断面積より小さな水平断面積を有すると共に、保有できる液体の液面レベルの変動幅が、液体槽が保有できる液体の液面レベルの変動幅の少なくとも一部に重複する補助液体槽と、液体槽及び補助液体槽に切り替え自在に接続され、液体槽及び補助液体槽のいずれの液位に対しても対応する値を検出することができる検出手段と、検出手段の接続を補助液体槽に切り替えて、補助液体槽の重複した変動幅に含まれる異なる任意の2つの液位と、これらに対応する検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、検出手段の接続を液体槽に切り替えて、2つの検出値と、液体槽の制御すべき制御液位に対応する検出手段の特定検出値とに基づいて、制御液位の液位を判別する判別手段とを備えたものである。
【0017】
このように構成すると、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液位が判別されると共に、液体槽に液体を注入しなくても、液体槽に対する制御の設定ができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、検出手段は、液体槽及び補助液体槽の底部に接続され、各々の槽に保有されている液体による液圧に基づいて対応する値を検出するものである。
【0019】
このように構成すると、補助液体槽の水平断面積が小さくても、液体槽と同一の値を検出できる。
【0020】
請求項4記載の発明は、液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、液体槽の液位に対応する値を検出する検出手段と、液体槽の異なる任意の2つの液位における各々の基準液位に対する液比率と、これらに対応する検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、記憶された2つの検出値と、制御すべき制御液位に対応する検出手段の特定検出値とに基づいて、制御液位の液比率を判別する判別手段とを備えたものである。
【0021】
このように構成すると、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液比率が判別される。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、2つの液位は、制御液位の上限水位及び下限水位であるものである。
【0023】
このように構成すると、2つの液位の差が最大となる。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項4又は請求項5記載の発明の構成において、液体槽の液位の液比率に応じて、液体の貯留及び供給を制御する制御手段を更に備え、記憶手段には、制御手段の制御に用いられる液比率よりなる複数の組合せ制御パターンが記憶され、更に、組合せ制御パターンの1つを設定する設定手段を備えたものである。
【0025】
このように構成すると、制御に用いられる液比率の組合せの設定が容易となる。
【0026】
請求項7記載の発明は、請求項4から請求項6のいずれかに記載の発明の構成において、所定期間の経過後において、記憶手段に記憶されている液比率とこれに対応する検出値とが不一致になっているとき、記憶手段は新たな検出値を記憶するものである。
【0027】
このように構成すると、検出手段の検出値を更新することができる。
【0028】
請求項8記載の発明は、液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、液体槽の液位に対応する値を検出する検出手段と、液体槽の異なる任意の2つの液位と、これらに対応する検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、記憶された2つの検出値と、制御すべき制御液位に対応する検出手段の特定検出値とに基づいて、制御液位の液位を判別する判別手段とを備えたものである。
【0029】
このように構成すると、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液位が判別される。
【0030】
請求項9記載の発明は、液位制御システムであって、第1液体槽と、第1液体槽に互いに内部を連通した状態で接続される第2液体槽と、第1液体槽に取り付けられ、第1検出特性によって第1液体槽の液位に対応する値を検出する第1検出手段と、第2液体槽に取り付けられ、第2検出特性によって第2液体槽の液位に対応する値を検出する第2検出手段と、第1液体槽の特定液位に対応した第1検出手段の特定検出値に、特定液位と同一の液位に対応した第2検出手段による検出値が一致するように第2検出特性を補正する補正手段とを備えたものである。
【0031】
このように構成すると、同一液位に対応する第1検出手段の検出値と第2検出手段の検出値とが一致する。
【0032】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明の構成において、第1検出特性と補正前の第2検出特性とは一致し、第1検出手段と第2検出手段とは、設置高さが異なるものである。
【0033】
このように構成すると、第1検出手段と第2検出手段との設置高さが異なっても、これらの検出値は一致する。
【0034】
請求項11記載の発明は、請求項9記載の発明の構成において、第1検出特性は、液位の増加と検出値の増加とが比例する第1直線特性を有し、第2検出特性は、液位の増加と検出値の増加とが比例する第2直線特性を有し、第1直線特性を記憶する記憶手段を更に備え、補正手段は、異なった2つの液位に対応する第2検出手段による2つの検出値から第2直線特性を特定し、記憶された第1直線特性及び特定された第2直線特性に基づいて、第2検出特性を補正するものである。
【0035】
このように構成すると、第1検出手段と第2検出手段との検出特性や設置高さが異なっても、これらの検出値は一致する。
【発明の効果】
【0036】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液比率が判別されるため、検出手段の誤差による調整やスパン調整が必要とされることなく、精度の高い液位の制御が可能となる。又、液体槽に液体を注入しなくても、液体槽に対する制御の設定ができるため、システムの調整が弾力的及び効率的に可能となる。
【0037】
請求項2記載の発明は、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液位が判別されるため、検出手段の誤差による調整やスパン調整が必要とされることなく、精度の高い液位の制御が可能となる。又、液体槽に液体を注入しなくても、液体槽に対する制御の設定ができるため、システムの調整が弾力的及び効率的に可能となる。
【0038】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、補助液体槽の水平断面積が小さくても、液体槽と同一の値を検出できるため、水平断面積の小さな補助液体槽に液体を注入すれば良いので、記憶手段の設定が容易となる。
【0039】
請求項4記載の発明は、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液比率が判別されるため、検出手段の誤差による調整やスパン調整が必要とされることなく、精度の高い液位の制御が可能となる。
【0040】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、2つの液位の差が最大となるため、判別手段の判別精度が向上する。
【0041】
請求項6記載の発明は、請求項4又は請求項5記載の発明の効果に加えて、制御に用いられる液比率の組合せの設定が容易となるため、使い勝手が向上する。
【0042】
請求項7記載の発明は、請求項4から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、検出手段の検出値を更新することができるため、検出手段の検出精度の変化にかかわらず、精度の高い液位の制御が維持できる。
【0043】
請求項8記載の発明は、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液位が判別されるため、検出手段の誤差の調整やスパン調整が必要とされることなく、精度の高い液位の制御が可能となる。
【0044】
請求項9記載の発明は、同一液位に対応する第1検出手段の検出値と第2検出手段の検出値とが一致するため、これらの検出特性が異なっても、液位の制御に影響しない。
【0045】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明の効果に加えて、第1検出手段と第2検出手段との設置高さが異なっても、これらの検出値は一致するため、第1検出手段と第2検出手段との設置精度が問題とならないので、作業効率が向上する。
【0046】
請求項11記載の発明は、請求項9記載の発明の効果に加えて、第1検出手段と第2検出手段との検出特性や設置高さが異なっても、これらの検出値は一致するため、第2検出手段の第2検出特性や現場での設置精度が問題とならないので、効率的なシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の第1の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図2】図1で示した液位制御システムにおける液位制御の概念を示す図である。
【図3】図2で示した液位制御の概念を示すグラフである。
【図4】図1で示した液位制御システムにおける設定水位を示す図である。
【図5】図1で示した液位制御システムにおける制御盤の概略構成を示す図である。
【図6】この発明の第2の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図7】この発明の第3の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図8】この発明の第4の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図9】この発明の第5の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図10】この発明の第6の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図11】図10で示した液位制御システムにおける検出手段の補正の概念を示すグラフである。
【図12】この発明の第7の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図13】図12で示した液位制御システムにおける検出手段の補正の概念を示すグラフである。
【図14】図1で示した液位制御システムの初期設定の手順を示す図である。
【図15】図1で示した制御盤のタッチパネルにおける初期設定画面を示す図である。
【図16】図1で示した液位制御システムにおける設定の手順例を示す図である。
【図17】図1で示した制御盤のタッチパネルにおける実水位設定画面を示す図である。
【図18】図1で示した制御盤のタッチパネルにおける底面積設定画面を示す図である。
【図19】図1で示した制御盤のタッチパネルにおける設定水位画面を示す図である。
【図20】図1で示した液位制御システムにおける通常運転の手順例を示す図である。
【図21】図1で示した制御盤のタッチパネルにおける期間タイマー設定画面を示す図である。
【図22】従来の水槽における水圧により水位を検知する水位計の較正の概念を示す図である。
【図23】従来の水槽装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1はこの発明の第1の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0049】
図を参照して、液位制御システム20は、水槽1と、水槽1に接続される給水系統2と、電磁弁4を備え給水系統2からの給水量を調節する定水位弁3と、電磁弁4に接続されるボールタップ5と、超音波により水槽1内の水位を検出する水位検出器9と、水槽1内の水を、例えば高置水槽へ送水する送水ポンプ7a、7bと、送水ポンプ7a、7bによって送水される送水系統8と、水槽1の送水側の配管に設けられた緊急遮断弁6と、各構成機器を制御する制御盤10とから構成されている。
【0050】
水槽1の送水側の配管に設けられた緊急遮断弁6は、地震発生時の加速度(Gal)に応じて制御盤10に連携された感震器(図示せず)からの信号により、緊急遮断弁6が閉じるように制御されるため、水槽1内の水を確保することができる。
【0051】
制御盤10は、水位検出器9からの検出値と後述する設定水位とを比較判別し、電磁弁4や送水ポンプ7a、7b等の動作を制御するものであり、制御盤10によって水槽1内の水位は所定の範囲内に制御される。制御盤10による水位制御の詳細については後述する。
【0052】
図2は図1で示した液位制御システムにおける液位制御の概念を示す図であり、図3は図2で示した液位制御の概念を示すグラフである。
【0053】
これらの図を参照して、液位制御システムにおいては、まず、水槽1内に、異なる任意の2点の液位A、Hを定める。水位検出器9においては、超音波により水面までの距離Lを測定するものであり、液位A、Hにおける距離Lは、各々L1、L2であり、液位A、Hにおける水位検出器9からの検出値Xは、各々X1、X2となる。又、液位A、Hにおける基準液位に対応する液比率をx%、y%とする。これらの液位A、Hに対応するX1、X2及びx%、y%は、制御盤における後述する記憶手段によって記憶される。液位A、Hに対応するX1、X2及びx%、y%を記憶することで、図3で示すように、検出値Xと距離L(液比率)との相関関係を表わす直線が定まる。
【0054】
次に、水位検出器9から水面までの距離がL3である制御すべき制御水位Iについて説明する。図3に示す液位A、Hから判明する検出値X1、X2と液比率x%、y%との相関関係によって、制御水位Iに対応する水位検出器9からの検出値である特定検出値X3に対応する液比率がz%であることが、制御盤における後述する判別手段により判別される。
【0055】
以上より、図1で示した液位制御システム20においては、水槽1の制御すべき制御水位Iを基準液位に基づいた液比率によって判別するため、水位検出器9の検出値Xの設計値との誤差による調整やスパン調整が必要とされることなく、精度の高い水位の制御が可能となる。
【0056】
尚、上記の相関関係を表わす直線から、種々の液比率に相当する検出値Xを先に演算しておき、これらの検出値と、制御水位Iに対応する水位検出器9からの実際の特定検出値X3とを直接比較して、その液比率を後述する判別手段により判別しても良い。
【0057】
図4は図1で示した液位制御システムにおける設定水位を示す図である。
【0058】
図を参照して、まず、下限水位A(0%)と上限水位H(100%)とを設定する。下限水位Aと上限水位Hとを設定することによって、下限水位は0%、上限水位は100%の液比率を有する基準液位となる。従って、後述する記憶手段に記憶する2つの液位の差が最大となり、基準液位に対応する液比率の誤差、即ち、図3で示した直線の傾きの誤差が最も小さくなるため、制御水位に対応する液比率を判別する、制御盤における後述する判別手段の判別精度が向上する。
【0059】
下限水位Aと上限水位Hとの間の各設定水位B〜Gは、水槽1の水位を制御するために設定する水位を示したものであり、Bは送水ポンプ停止水位、Cは減水警報水位、Dは送水ポンプ復帰水位、Eは給水開始水位、Fは給水停止水位、Gは満水警報水位となっている。設定水位B〜Gは、各々が液比率による既定値として後述する記憶手段に記憶されている。又、設定水位B〜Gを1群とし、標準水位Kと中間水位Lと低水位Mとの3つの組合わせパターンも既定値として後述する記憶手段に記憶されている。従って、水位制御に用いられる液比率の組合わせパターンの設定が容易となるため、使い勝手が向上する。
【0060】
下記の表は、設定水位B〜Gを液比率で設定した一例を示すものである。
【0061】
【表1】
【0062】
図5は図1で示した液位制御システムにおける制御盤の概略構成を示す図である。
図を参照して、下限水位と上限水位との水位検出器9からの各検出値は、検出手段41に送られ、デジタル信号化された後、記憶手段42にて記憶される。又、前述した設定水位B〜G、及び前述した設定水位B〜Gを1群とする、標準水位Kと中間水位Lと低水位Mとの3つの組合わせパターンも、既定値として液比率で記憶手段42に記憶されている。これらの設定水位B〜G及び組合わせパターンK〜Mの各液比率は、設定手段45にて変更が可能であり、変更された各液比率は記憶手段42にて再度記憶される。
【0063】
そして、水槽1における制御すべき制御水位に対応する水位検出器9からの特定検出値は、検出手段41に送られ、記憶手段42にて記憶された後、演算手段43に送られ、下限水位と上限水位との相関関係に対応した、基準液位に基づく液比率に演算される。演算された特定検出値に対応する液比率は、判別手段44にて各設定水位と水位制御アルゴリズムに基づいて比較判別され、設定手段45を経て、制御手段46から電磁弁4及び送水ポンプ7の各構成機器に制御信号を送り、水槽1内の水の貯留及び供給を制御する。
【0064】
又、下限水位と上限水位とは、例えば、初期設定後に所定期間が経過し、記憶手段42に記憶されている液比率とこれに対応する水位検出器9からの各検出値とにずれが生じ、初期設定時と不一致となった場合、下限水位と上限水位とに対応する新たな水位検出器9からの各検出値を再度記憶させ、更新することができるように構成されている。そのため、水位検出器9の検出精度の変化にかかわらず、精度の高い水位の制御が常に維持できる。
【0065】
図6はこの発明の第2の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0066】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0067】
図を参照して、この実施の形態にあっては、水槽1の形状が大きく異なる。即ち、背の高い水槽1を備えており、水槽1の上部の限られた小範囲31のみを水位制御する場合について説明する。
【0068】
通常、下限水位A1は水槽1の底部付近に設定し、上限水位Hは水槽1の上部に設定するため、水槽1の限られた上部の小範囲31のみを水位制御したい場合、下限水位A1と上限水位Hとの範囲が小範囲31に対して広くなるため、小範囲31に対して細かで精度の高い水位制御をおこなうことが困難である。
【0069】
このような場合、この実施の形態による液位制御システム20においては、制御したい範囲である小範囲31の下限水位Aと上限水位Hとを設定することで、下限水位Aと上限水位Hとの間で液比率として設定される設定水位によって、精度の高い水位制御をおこなうことが可能となる。
【0070】
当然ながら、下限水位A1を水槽1の底部付近に設定し、上限水位Hを水槽1の上部に設定すると、水槽1の底部から上部までの水位制御が可能となる。
【0071】
このように、種々の設定パターンを予め設定し、記憶させ、条件に応じた設定パターンを選択することで、自動的に水位制御をおこなうことができる。
【0072】
図7はこの発明の第3の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0073】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0074】
図を参照して、この実施の形態にあっては、まず水槽の数が異なる。即ち、水槽1a、1bの2つの水槽を備えるものである。水槽1a、1bは、その底部において連通管11で連通されており、通常は常に連通した状態となっている。定水位弁3a、3b、電磁弁4a、4b、ボールタップ5a、5b、送水ポンプ7a〜7d及び水位検出器9a、9bは、水槽1a、1bに各々設けられている。
【0075】
上記の各構成機器に対して、制御盤10は水槽1a、1bに各々設けられておらず、共通して使用する。この実施の形態による液位制御システム20においては、水位検出器9aを主検出器として使用している場合において、水槽1aに給水系統2aから水が供給され、図4で示した給水停止水位まで水槽1aの水位が上昇したとき、水位検出器9aからの検出値により電磁弁4aが閉止し、定水位弁3aを閉止し、水の供給を止める。電磁弁4aの閉止に伴って、主検出器は水槽1bの水位検出器9bに自動的に切り替わるように設定されている。同様に電磁弁4bの閉止に伴って、主検出器は水槽1aの水位検出器9aに切り替わるように設定されている。ただし、連通管11の断面積が水槽1a及び水槽1bの水平断面積に比較して小さい場合には、水槽1a及び水槽1bの液面が同じ水位になるのに時間を要するので、主検出器の切り替えには電磁弁の閉止後、タイマーにて一定時間経過後におこなっても良い。
【0076】
水槽1a、1bの水位の変化速度は、通常は小さいものであるため、水槽1a、1bの水位制御を電磁弁4a、4bの開閉に伴って各水槽に切り替えることができる。そのため、制御盤10における制御装置が1つで水槽1a、1bの水位制御が可能なため、制御盤10がコンパクトになる。又、安価に製作することが可能となる。
【0077】
図8はこの発明の第4の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0078】
尚、説明に当たっては、基本的には第3の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0079】
図を参照して、この実施の形態にあっては、水槽の数は2槽であるが、水槽1a、1bの容積量が異なる。即ち、水槽1a、1bの2つの水槽は背の高さが異なるものである。そのため、水槽1a、1bは底部で連通されておらず、各々が独立した状態となっている。
【0080】
このように構成されている場合においては、水槽1aにおける下限水位A1及び上限水位H1と、水槽1bにおける下限水位A2及び上限水位H2とを制御盤10にて記憶させる。そうすると、水槽1aの水位検出器9aを主検出器としているときは、水槽1aの下限水位A1及び上限水位H1を基準とし、液比率で設定される設定水位で水槽1aの水位制御をおこなうことができる。又、水槽1bの水位検出器9bを主検出器としているときは、水槽1bの下限水位A2及び上限水位H2を基準とし、液比率で設定される設定水位で水槽1bの水位制御をおこなうことができる。
【0081】
又、水位検出器9a、9bの主検出器の切り替え方法は、例えば、所定のインターバルによって交互に切り替わるように設定されている。従って、背の高さの異なる2つの水槽1a、1bで構成されている場合であっても、各々に対応する液比率の設定水位で水位制御をおこなうため、制御盤10における制御装置が1つで水槽1a、1bの水位制御が可能となるため、制御盤10を安価に製作することが可能となる。又、水槽1a、1bの改造等をおこなう必要がなくなるため、設備費用を安価にすることが可能となる。
【0082】
尚、上記の各実施の形態では、水槽の水位を制御するものであるが、水以外の他の液体の液位を制御するものにも同様に適用できる。
【0083】
又、上記の各実施の形態では、水位検出器は超音波により水槽内の水位を検出しているが、水位を連続的に検知できるもの、例えば水槽の底部に設けられ、水圧により水槽内の水位を検出するもの等であれば良い。
【0084】
更に、上記の各実施の形態では、上限水位と下限水位とを記憶手段により記憶しているが、異なる任意の2点の水位であっても良い。
【0085】
更に、上記の各実施の形態では、水槽は一定断面を有しているが、一定断面を有していない水槽であっても良い。
【0086】
更に、上記の各実施の形態では、設定水位として複数の液比率が設定されているが、設定水位は設定されていなくても良い。
【0087】
更に、上記の各実施の形態では、3つの設定水位の組合わせパターンが記憶されているが、複数の設定水位の組合わせパターンが記憶されていれば良い。又は、記憶されていなくても良い。
【0088】
更に、上記の各実施の形態では、上限水位と下限水位とに対応する検出手段からの検出値を新たに記憶することが可能な記憶手段を備えているが、記憶の更新が不可能な記憶手段を備えていても良い。
【0089】
更に、上記の各実施の形態では、上限水位と下限水位とに対する、基準液位に対応する液比率を記憶しているが、上限水位と下限水位との液位を直接記憶しておき、制御液位を実際の液位として判別しても良い。
【0090】
図9はこの発明の第5の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0091】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0092】
図を参照して、この実施の形態にあっては、まず、水位検出器9の検出方法が大きく異なる。即ち、超音波により水槽1内の水位を検出するものではなく、水槽1の底部に仕切弁36を介して接続され、水槽1内の水による水圧の大小に基づいて水位を検出するものである。
【0093】
又、水槽1の水平断面積より小さな水平断面積を有すると共に、水槽1と略同一高さに形成され、水槽1に対応して並列的に設置された、例えば透明なガラス管やビニール管よりなる補助液体槽である補助水槽15を備えている。そして、補助水槽15は仕切弁37を介して水位検出器9に接続されている。即ち、水位検出器9は水槽1と補助水槽15とに仕切弁36と仕切弁37とを介して接続されている。従って、仕切弁36、37の開閉によって、水位検出器9は水槽1と補助水槽15とに切り替え自在に接続可能となる。即ち、水位検出器9は水槽1と補助水槽15とのいずれの水位に対しても対応する値を検出することができる。又、水槽1及び補助水槽15には、仕切弁38を介して補助給水系統35が接続されている。
【0094】
ここで、この実施の形態における液位制御システム20の水位制御の設定について説明する。
【0095】
図2及び図3で示したように、第1の実施の形態の液位制御システムにおいては、水槽1内の下限水位A及び上限水位Hの基準液位における液比率x%、y%と、下限水位A及び上限水位Hに対応する水位検出器からの検出値X1、X2とを制御盤10の記憶手段において記憶する。
【0096】
しかしながら、液位制御システム20を設置する現場の条件によっては、建設工程、給水配管工事、設備関連工事及び水槽1の完工検査等、種々の都合によって水槽1内に注水できない場合がある。又、例えば水槽1が大型であれば注水に多大な時間を要すると共に、水槽1の漏水検査時には水槽1内を満水状態にしたまま排水することができない場合がある。このような場合、この実施の形態による液位制御システム20においては、補助水槽15を使用して上述した記憶手段への記憶をおこなう。
【0097】
まず、水位検出器9が補助水槽15の液位を検出するように、仕切弁36を閉止すると共に、仕切弁37を開放する。そして、仕切弁38を開放して補助給水系統35によって、水槽1の下限水位A及び上限水位Hの各々と同一水位まで補助水槽15に注水する。そして、これらの基準液位における液比率と、下限水位A及び上限水位Hに対応する水位検出器9からの検出値とを制御盤10の記憶手段にて記憶する。そして、水槽1内の水位を実際に制御する時には、仕切弁37、38を閉止すると共に仕切弁36を開放して、水位検出器9が水槽1の液位の液圧を検出するように切り替える。その後、補助水槽15によって記憶された液比率と検出値とに基づいて水槽1内の制御水位を液比率によって判別し、制御する。
【0098】
従って、液位制御システム20においては、水槽1に注水しなくても、水槽1に対する制御の設定(液比率と検出値との記憶)が可能となる。そのため、例えば水槽1内が満水状態で漏水検査をおこなっている場合であっても、水槽1に対する制御の設定が可能となり、他の工事や検査の都合に左右されることがないので、効率的な工事が可能となる。又、補助水槽15は水槽1より水平断面積がはるかに小さくなるように形成されているため、水槽1と比較して注水及び排水時間が短縮されることになる。即ち、液位制御システム20の調整が弾力的及び効率的に可能となる。
【0099】
又、水位検出器9は水圧によって水槽1の水位を検出するものであるため、補助水槽15の水平断面積が小さくても、水槽1と同一水位であれば同一の値を検出することが可能となる。従って、図で示すガラス管のような水平断面積の小さな補助水槽15に水を注入すれば良いので、記憶手段の設定が容易となる。
【0100】
尚、補助水槽15を用いれば、現場での対応のみならず、液位制御システム20の出荷前の工場等での事前設定においても採用することができる。そのため、液位制御システム20の現場での設置後の設定及び調整期間の短縮が可能となり、システムの信頼性が向上する。
【0101】
図10はこの発明の第6の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0102】
尚、説明に当たっては、基本的には第3の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0103】
図を参照して、この実施の形態にあっては、まず、水位検出器9の検出方法が異なる。即ち、第1検出手段である水位検出器9aは、第1液体槽である水槽1aの底部に接続され、水槽1aに保有されている水による水圧に基づいて対応する値を検出するものであり、図9で示した水位検出器9と同様のものである。又、第2検出手段である水位検出器9bについても、水位検出器9aと同一のものであり、第2液体槽である水槽1bの底部に接続されている。そして、水位検出器9bの第2検出特性は、水位検出器9aの第1検出特性と一致している。この第1検出特性及び第2検出特性については後述する。
【0104】
次に、水位検出器9bは、例えば現場と設計図面との間で水槽1bの形状が異なっていたり、工事の都合による設置位置の変更等、種々の要因によって、その取り付け位置の高さ(設置高さ)が水位検出器9aと異なっている。即ち、水位検出器9bは、設計通りの設置位置に取り付けられた水位検出器9aに対して距離Rだけ低い位置に取り付けられている。
【0105】
水位検出器9a、9bはこのような設置位置に取り付けられているため、これらの第1検出特性と第2検出特性とが一致していても、水槽1a、1bの同一の水位に対応する互いが検出する検出値に若干のずれが生じることになる。この実施の形態による液位制御システム20においては、水位検出器9bが有する上述したずれを、後述する補正手段によって補正しているため、スムーズに制御盤10の制御の元となる主検出器の切り替えが可能となり、より精度及び信頼性の高い水位制御をおこなうことが可能である。
【0106】
以下に、第2検出手段である水位検出器9bの補正の方法について説明する。
【0107】
図11は図10で示した液位制御システムにおける検出手段の補正の概念を示すグラフである。
【0108】
まず、図11の(1)を参照して、このグラフは図10における水位検出器9aの第1検出特性を示すものである。第1検出特性は、縦軸に示す水位(液比率)の増加と、横軸に示す検出値Xの増加とが比例する第1直線特性を有している。即ち、水槽1aが下限水位Aの時、水位検出値9aからの検出値はX1であり、水槽1aが上限水位Hの時、水位検出器9aからの検出値はX2となる。尚、横軸の検出値については、水圧式の水位検出器では1〜5Vの電圧値、又は4〜20mAの電流値によって得られるのが一般的である。しかしながら、本発明における液位制御システムにおいては、得られた電圧値又は電流値を、例えば0〜4000の無次元数であるディジットにデジタル信号化した後、記憶手段にて記憶している。
【0109】
次に、図11の(2)を参照して、このグラフは図11における水位検出器9bの第2検出特性を示すものである。尚、補正前の状態を二点鎖線で示しており、補正後の状態を実線で示している。
【0110】
上述した通り、水位検出器9aの第1検出特性と水位検出器9bの第2検出特性とは一致している。即ち、第2検出特性は、縦軸に示す水位(液比率)の増加と、横軸に示す検出値Xの増加とが比例する第2直線特性を有しており、その傾きは第1直線特性と同一となっている。しかしながら、水位検出器9bは水位検出器9aに対する設置位置が距離Rだけ低いため、水槽1a、1bにおける同一の水位に対応する検出値が水位検出器9aと異なってしまう。例えば、下限水位Aの時、水位検出器9aの検出値はX1であるが、水位検出器9bでは下限水位Aに距離Rを加えた水位の検出値X1+αとなる。又、上限水位Hの時、水位検出器9aの検出値はX2であるが、水位検出器9bでは上限水位Hに距離Rを加えた水位の検出値X2+αとなる。
【0111】
この実施の形態による液位制御システムにおいては、このようなずれを補正する補正手段を備えている。そして、二点鎖線で示す補正前の状態の第2直線特性を、図の矢印で示すように演算(移動)する。即ち、二点鎖線上の点S1、S2を、実線上の点T1、T2に移動する。すると、水槽1aの特定水位に対応した第1検出手段の特定検出値に、特定水位と同一の水位に対応した第2検出手段による検出値が一致する。従って、水位検出器9aの第1検出特性と水位検出器9bの第2検出特性とが異なっても、水槽1a、1bの水位の制御に影響しない。
【0112】
このような補正によって、互いに一致する検出特性を有する水位検出器9a、9bの設置高さが異なっても、これらの検出値は一致することになる。従って、水位検出器9a、9bの設置精度が問題とならないため、作業効率が向上する。
【0113】
図12はこの発明の第7の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0114】
尚、説明に当たっては、基本的には第6の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0115】
図を参照して、この実施の形態にあっては、水位検出器9a、9bは同一の設置高さに取り付けられているが、水位検出器9aの第1検出特性と水位検出器9bの第2検出特性とは、異なる直線特性を有している。即ち、第1検出特性と第2検出特性とは一致しない。このような状態は、例えば、水位検出器9bが経年変化等の理由で不調となり、水位検出器9bの交換が必要となった場合に起因する。即ち、交換前の水位検出器9bと同一型式及び同一型番の水位検出器を設置したとしても、交換前と交換後とではその検出値(検出特性)にばらつきが生じることになる。尚、交換を要しない水位検出器9aについては、その第1直線特性が上述した記憶手段にて記憶されている。
【0116】
このような場合、交換前と交換後との検出特性のずれによって、主検出器の切り替え時に誤差が発生してしまうため、この実施の形態による液位制御システム20においては、第2検出特性の補正をおこなう。以下に、第2検出手段である水位検出器9bの補正の方法について説明する。
【0117】
図13は図12で示した液位制御システムにおける検出手段の補正の概念を示すグラフである。
【0118】
まず、図13の(1)を参照して、このグラフは図12における水位検出器9bの第2検出特性を示すものである。第2検出特性は、縦軸に示す水位(液比率)の増加と、横軸に示す検出値Xの増加とが比例する第2直線特性を有している。即ち、水槽1bが下限水位Aの時、水位検出値9bからの検出値はX3であり、水槽1bが上限水位Hの時、水位検出器9bからの検出値はX4となる。尚、水位検出器9aの第1検出特性は、図11の(1)で示したものと同様である。
【0119】
次に、図13の(2)を参照して、このグラフは実線で示す水位検出器9aの第1直線特性と、二点鎖線で示す水位検出器9bの第2直線特性とを重ね合わせたものである。上述した通り、第1直線特性と第2直線特性とは、これらの傾きが異なっており、第1検出特性と第2検出特性とが一致しない状態となっている。尚、第2直線特性においては、異なった2つの水位I1、I2に対応する水位検出器9bによる2つの検出値X5、X7から、点P、Qを導き出すことで、第2直線特性を特定できる。
【0120】
そして、特定された第2直線特性を、記憶手段にて記憶した第1直線特性に基づいて、図13の(2)の矢印で示すように演算して移動させて補正する。このように補正されることで、水位検出器9a、9bの検出特性や設置高さが異なっても、これらの検出値は一致する。従って、水位検出器9bの第2検出特性、又は現場での設置精度が問題とはならないため、効率的な液位制御システムとなる。
【0121】
尚、実線の点Rにおける水位I1と検出値X6とに基づいて、二点鎖線の点Qの検出値X5を確認することで、水位検出器9bが正しい設置位置、即ち図13の(1)の検出特性となっているかを現場で確認することができる。
【0122】
尚、上記の第5の実施の形態では、補助液体槽である補助水槽は特定形状に形成されているが、水槽に対応して設置され、水槽の水平断面積より小さな水平断面積を有すると共に、保有できる液体の液面レベルの変動幅が、水槽が保有できる液体の液面レベルの変動幅の少なくとも一部に重複するように形成されていれば、他の材質や形状であっても良い。
【0123】
又、上記の第5の実施の形態では、水位検出器は特定の構造によって水槽及び補助水槽に接続されているが、水槽及び補助水槽に切り替え自在に接続され、水槽及び補助水槽のいずれの水位に対しても対応する値を検出することができれば、他の構造であっても良い。
【0124】
更に、上記の第5の実施の形態では、水槽は1つであるが、水槽は複数あっても同様に適用できる。
【0125】
更に、上記の第6の実施の形態では、第1検出特性と第2検出特性とは直線特性を有しているが、例えば、曲線特性等であっても、第1検出特性と第2検出特性とが一致していれば良い。
【0126】
更に、上記の第6の実施の形態では、第2検出手段は第1検出手段に対して低い設置位置に取り付けられているが、第2検出手段は第1検出手段に対して高い設置位置に取り付けられていても良い。
【0127】
更に、上記の第7の実施の形態では、第1検出手段と第2検出手段とは同一高さに設置されているが、第2検出手段が第1検出手段に対して異なる設置高さに設置されていても、異なった2つの水位に対応する第2検出手段の検出値から第2直線特性を特定し、これを記憶手段にて記憶した第1直線特性に基づいて、図13の(2)で示すように演算して補正することができる。
【0128】
更に、上記の第6及び第7の実施の形態では、補正手段は特定の方法によって第2検出特性を補正しているが、補正手段は、第1液体槽の特定液位に対応した第1検出手段の特定検出値に、特定液位と同一の液位に対応した第2検出手段による検出値が一致するように第2検出特性を補正するものであれば、他の方法であっても良い。
【0129】
更に、上記の第6及び第7の実施の形態では、第1検出手段と補正後の第2検出手段との検出値に基づいて、記憶手段及び判別手段で水槽の液比率を判別することによって水槽の水位が制御されているが、第1検出手段と補正後の第2検出手段との検出値に基づいて制御するものであれば、他の制御方法であっても良い。
【0130】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、水槽の水位を制御するものであるが、水以外の他の液体の液位を制御するものにも同様に適用できる。
【0131】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、水位検出器は水圧により水槽内の水位を検出しているが、水位を連続的に検知できるものであれば、例えば、前述した超音波により水槽内の水位を検出するもの等であっても良い。
【0132】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、上限水位と下限水位とを記憶手段により記憶しているが、異なる任意の2点の水位であっても良い。
【0133】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、水槽は一定断面を有しているが、一定断面を有していない水槽であっても良い。
【0134】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、設定水位として複数の液比率が設定されているが、設定水位は設定されていなくても良い。
【0135】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、3つの設定水位の組合わせパターンが記憶されているが、複数の設定水位の組合わせパターンが記憶されていれば良い。又は、記憶されていなくても良い。
【0136】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、上限水位と下限水位とに対応する検出手段からの検出値を新たに記憶することが可能な記憶手段を備えているが、記憶の更新が不可能な記憶手段を備えていても良い。
【0137】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、上限水位と下限水位とに対する、基準液位に対応する液比率を記憶しているが、上限水位と下限水位との液位を直接記憶しておき、制御液位を実際の液位として判別しても良い。
【実施例】
【0138】
図14は図1で示した液位制御システムの初期設定の手順を示す図であり、図15は図1で示した制御盤のタッチパネルにおける初期設定画面を示す図である。
【0139】
これらの図を参照して、まず、制御盤の電源を投入し(S1)、設定準備完了の画面を確認する。
【0140】
次に、トップ画面51における設定ボタンを押し、0%水位(下限水位)設定(S2)を0%水位設定画面53によりおこなう。0%水位設定(S2)は、水槽の下限水位まで水を入れ、実水位を巻尺等を用いて計測し、水位検出器の検出値を設定する。又、水槽が2つあり、水位検出器が2つある場合は、トップ画面51における設定ボタンを押し、0%水位設定(S2)を0%水位設定画面52によって、1号と2号とに分けて、0%水位設定画面53の場合と同様に、各々についての設定をおこなう。設定完了後、0%水位設定画面52又は0%水位設定画面53における決定ボタンを押すと、0%水位確定画面54が表示され、確定ボタンを押すと、0%水位設定(S2)が完了する。
【0141】
次に、100%水位(上限水位)設定(S3)を100%水位設定画面(図示せず)によりおこなう。設定手順については、0%水位設定(S2)と同様である。
【0142】
以上により、初期設定作業は終了する。そして、その他の設定値、即ち、満水警報水位等の設定水位については、あらかじめ既定値として記憶手段にて記憶されているため、通常は上記の初期設定のみで液位制御システムの運転が開始できるため、運転開始に必要な設定が非常に容易となる。
【0143】
図16は図1で示した液位制御システムにおける設定の手順例を示す図であり、図17は図1で示した制御盤のタッチパネルにおける実水位設定画面を示す図であり、図18は図1で示した制御盤のタッチパネルにおける底面積設定画面を示す図であり、図19は図1で示した制御盤のタッチパネルにおける設定水位画面を示す図である。
【0144】
この実施の形態による液位制御システムにおいては、設定水位が既定値により予め設定されているため、必要項目の修正をおこなうだけで良く、設定が容易である。
【0145】
これらの図を参照して、まず、日付・時刻の設定(S31)をおこなう。
【0146】
次に、図17で示す実水位設定画面55aにて、前述した初期設定時に計測した0%水位(下限水位)と100%水位(上限水位)との実水位をcm単位で入力する。例えば、0%水位(下限水位)が50cmで、100%水位(上限水位)が450cmである場合は、実水位設定画面55aに示す0%部に50を入力し、100%部に450を入力する。そして、実水位設定画面55bで示す決定ボタンを押すことで、水槽の高さの設定(S32)をおこなう。
【0147】
次に、図18で示す底面積設定画面56aにて、水槽の底面積を入力する。底面積設定画面56aは、2つの水槽を備える場合のものであり、このような場合、1号水槽と2号水槽との各々の水槽底面積はm2単位で入力し、底面積設定画面56bで示す決定ボタンを押し、水槽底面積の設定(S33)をおこなう。水槽底面積の設定(S33)をおこなうことにより、水槽内の水位から演算することで水槽内の水重量を算出することが可能となるため、水量を重量(t)で管理する場合にも対応することが可能となる。
【0148】
次に、図19で示す設定水位画面57にて、各設定水位の設定(S34)をおこなう。設定水位画面57においては、水位設定ボタンを押すと各々の設定水位画面が表示される。例えば、水位設定画面57で示す満水警報ボタンを押すと、設定水位画面58が表示され、給水停止水位の設定画面が表示される。又、図4における説明で前述したように、例えば、表1で示したように予め既定値が設定されている(S40)ため、変更箇所のみ変更すれば良い。変更方法は、設定水位画面57、58における上下矢印で示す値変更ボタンにて液比率を変更する。そして、設定水位画面58で示す決定ボタンを押し、設定水位の設定(S34)をおこなう。
【0149】
次に、チャタリング値の設定(S35)をおこなう。これは、水槽の水面が波打つことによる、警報の発生と解除とを繰り返す現象を防止するためのものであり、既定値として3%で設定されているため、必要に応じて変更する。
【0150】
次に、期間タイマーの設定(S36)と週間タイマーの設定(S37)とをおこなうが、これらについては後述する。
【0151】
次に、先行動作時間の設定(S38)をおこなう。これは、例えば期間タイマーの設定(S36)等によって、午前零時に標準水位運転から低水位運転に切り替わる場合、切り替え時間を早めて動作させる必要がある場合に設定するものである。
【0152】
以上により、設定作業は終了する。
【0153】
図20は図1で示した液位制御システムにおける通常運転の手順例を示す図であり、図21は図1で示した制御盤のタッチパネルにおける期間タイマー設定画面を示す図である。
【0154】
学校の夏季休暇期間中のように、水の使用量が通常と比較して非常に少なくなるような場合には、水槽の貯留量を少なくして循環回転率を高くしなければ、水槽内の水の残留塩素濃度が下がり、衛生面で問題が発生する虞がある。このため、この実施の形態による液位制御システムにおいては、期間の開始日と終了日とを設定して、設定水位を標準水位、中間水位、及び低水位の運転モードの中から選択できるようになっている。この設定期間は9期間の設定をおこなうことができる。
【0155】
これらの図を参照して、まず、運転モード選択(S21)をおこなう。
【0156】
次に、タイマー使用を選択しないとき(S22でNO)、タイマーは選択されず、手動設定(S29)となり、運転モード選択(S21)で選択された運転モードに従って運転することになる(S30)。
【0157】
又、タイマー使用を選択すると(S22でYES)、期間タイマー選択(S23)をおこなうことになる。期間タイマーを選択しないとき(S23でNO)、週間タイマー設定(S26)をおこなうことになり、曜日設定(S27)へと移行する。この曜日設定(S27)は、例えば、1週間の内で土曜日と日曜日とにおいて水槽の貯留量を少なくするような場合に用いられる。このような場合、曜日設定(S27)により設定された曜日毎に所定の運転モードで制御されることになる(S28)。
【0158】
又、期間タイマーを選択すると(S23でYES)、期間設定(S24)をおこなうことになる。ここで、図21を参照して、期間タイマー設定画面59aにて、期間1ボタンを押すと、期間タイマー設定画面59bに示すように、期間タイマーの開始月日と終了月日とを入力することになる。次に、この期間で使用する運転モードを選択し、決定ボタンを押すと、期間設定(S24)により設定された期間毎に所定の運転モードで制御されることになる(S25)。
【0159】
以上、期間タイマーの設定について、予測された給水需要データを基に、比較的急速に水槽の貯留量を制御する例について述べたが、これに加えて、例えば、ある期間の送水ポンプの運転時間を演算することによって給水の需要量を予測し、これを基に自動で運転するモードを設定しても良い。このようにすると、新築のマンションのように入居者の増加による穏やかな給水需要の増加に対して、手動での設定変更が不要となり、自動で水槽の水位制御が可能となる。
【符号の説明】
【0160】
1…水槽
9…水位検出器
15…補助水槽
20…液位制御システム
41…検出手段
42…記憶手段
43…演算手段
44…判別手段
45…設定手段
46…制御手段
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
この発明は液位制御システムに関し、特に、液体槽の液位を制御するための液位制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の給水システムにおいては、受水槽の水位制御のために各種水位を検知する機構として複数の電極棒を使用していた。しかし、電極棒による設定水位は固定式であり、一旦水位を設定すると変更ができず不便である。このため、超音波や水圧等により水位を連続的に検知できるものも提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
図22は従来の水槽における水圧により水位を検知する水位計の較正の概念を示す図である。破線yは水位計からの直接の出力値を示しており、実線xは水位計の水位と出力値との関係を示す設計値(理論値)である。
【0004】
図を参照して、水位計からの直接の出力値によって得られた破線yは、受水槽内の水位を正確に示すものではなく、設計値である実線xとずれが生じている。このずれを解消するために較正をおこない、水位計からの直接の出力値を設計値と同一にし、正確な水位制御をおこなう。具体的には、破線yのグラフにおける左端部点の調整をおこなうゼロ調整と、破線yと実線xとのグラフにおける傾きを調整するスパン調整とで較正される。
【0005】
図23は特許文献2で開示された水槽装置の概略構成図である。
【0006】
図を参照して、受水槽であるA槽1aとB槽1bとには、各々に給水系統2a、2bが接続されている。給水系統2a、2bには、各々に電磁弁内蔵型の定水位弁3a、3bが設けられており、CPU73からの給水信号28a、28bにより、定水位弁3a、3bが開閉されてA槽1aおよびB槽1b内への給水を制御し、A槽1aとB槽1bとの水位を所定の範囲に維持する。
【0007】
又、A槽1aとB槽1bとの底部には、水を排出する排出系統として揚水ポンプ22が備えられており、A槽1aとB槽1bとの水は、通常連通した状態で揚水ポンプ22により高置水槽(図示せず)に送られる。
【0008】
更に、A槽1aとB槽1bとにはそれぞれ水位検出器25a、25bが備えられている。水位検出器25a、25bは水圧により水位に対応する連続した水位A信号27aと水位B信号27bとを出力する。
【0009】
水位A信号27aと水位B信号27bとは、各々較正回路21a、21bに送られ、ゼロ調整やスパン調整による調整がおこなわれる。従って、水位検出器25a、25bの特性に差がある場合でも、較正回路21a、21bを最初に調整しておくことにより、水位検出器25a、25bからの水位信号を全測定範囲にわたって等しく設定することが可能となる。
【0010】
そして、較正回路21a、21bで較正された水位信号は、各々A/D変換器72に送られ、デジタル信号に変換された後、CPU73に送られ、CPU73によって、予め設定された複数の水位設定値と水位信号とを比較し、各種の制御信号、例えば給水信号28
a、28bを定水位弁3a、3bに送って開閉制御したり、満水警報、減水警報、空転警報、復帰信号等を出力し、A槽1aとB槽1bとの水位制御をおこなう。
複数の受水槽を有し、受水槽同士が通常連通した水槽装置においては、各水槽に設けられている水位検出器から主検出器を1器設定し、複数の受水槽の水位制御をおこなう。このような場合、例えば、各受水槽の清掃時の主検出器の切り替えによって、検出器間の出力値に誤差があった場合には、水位に大きな変動が生じ、水位の異常な低下や受水槽からの溢水等の危険があるため、複数の受水槽を有する場合は特に較正回路が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第2832183号公報
【特許文献2】特開2003−342980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のような従来の液位制御システムでは、水位検出器の使用開始時、及び較正後の水位検出器の経年変化によって設計値とのずれが生じた場合、ゼロ点調整及びスパン調整による較正が必要であるため、手間がかかる。
【0013】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、水位検出器の出力値調節作業が容易であり、かつ、精度の高い液位の制御が可能な液位制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、液体槽に対応して設置され、液体槽の水平断面積より小さな水平断面積を有すると共に、保有できる液体の液面レベルの変動幅が、液体槽が保有できる液体の液面レベルの変動幅の少なくとも一部に重複する補助液体槽と、液体槽及び補助液体槽に切り替え自在に接続され、液体槽及び補助液体槽のいずれの液位に対しても対応する値を検出することができる検出手段と、検出手段の接続を補助液体槽に切り替えて、補助液体槽の重複した変動幅に含まれる異なる任意の2つの液位における各々の基準液位に対する液比率と、これらに対応する検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、検出手段の接続を液体槽に切り替えて、2つの検出値と、液体槽の制御すべき制御液位に対応する検出手段の特定検出値とに基づいて、制御液位の液比率を判別する判別手段とを備えたものである。
【0015】
このように構成すると、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液比率が判別されると共に、液体槽に液体を注入しなくても、液体槽に対する制御の設定ができる。
【0016】
請求項2記載の発明は、液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、液体槽に対応して設置され、液体槽の水平断面積より小さな水平断面積を有すると共に、保有できる液体の液面レベルの変動幅が、液体槽が保有できる液体の液面レベルの変動幅の少なくとも一部に重複する補助液体槽と、液体槽及び補助液体槽に切り替え自在に接続され、液体槽及び補助液体槽のいずれの液位に対しても対応する値を検出することができる検出手段と、検出手段の接続を補助液体槽に切り替えて、補助液体槽の重複した変動幅に含まれる異なる任意の2つの液位と、これらに対応する検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、検出手段の接続を液体槽に切り替えて、2つの検出値と、液体槽の制御すべき制御液位に対応する検出手段の特定検出値とに基づいて、制御液位の液位を判別する判別手段とを備えたものである。
【0017】
このように構成すると、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液位が判別されると共に、液体槽に液体を注入しなくても、液体槽に対する制御の設定ができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、検出手段は、液体槽及び補助液体槽の底部に接続され、各々の槽に保有されている液体による液圧に基づいて対応する値を検出するものである。
【0019】
このように構成すると、補助液体槽の水平断面積が小さくても、液体槽と同一の値を検出できる。
【0020】
請求項4記載の発明は、液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、液体槽の液位に対応する値を検出する検出手段と、液体槽の異なる任意の2つの液位における各々の基準液位に対する液比率と、これらに対応する検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、記憶された2つの検出値と、制御すべき制御液位に対応する検出手段の特定検出値とに基づいて、制御液位の液比率を判別する判別手段とを備えたものである。
【0021】
このように構成すると、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液比率が判別される。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、2つの液位は、制御液位の上限水位及び下限水位であるものである。
【0023】
このように構成すると、2つの液位の差が最大となる。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項4又は請求項5記載の発明の構成において、液体槽の液位の液比率に応じて、液体の貯留及び供給を制御する制御手段を更に備え、記憶手段には、制御手段の制御に用いられる液比率よりなる複数の組合せ制御パターンが記憶され、更に、組合せ制御パターンの1つを設定する設定手段を備えたものである。
【0025】
このように構成すると、制御に用いられる液比率の組合せの設定が容易となる。
【0026】
請求項7記載の発明は、請求項4から請求項6のいずれかに記載の発明の構成において、所定期間の経過後において、記憶手段に記憶されている液比率とこれに対応する検出値とが不一致になっているとき、記憶手段は新たな検出値を記憶するものである。
【0027】
このように構成すると、検出手段の検出値を更新することができる。
【0028】
請求項8記載の発明は、液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、液体槽の液位に対応する値を検出する検出手段と、液体槽の異なる任意の2つの液位と、これらに対応する検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、記憶された2つの検出値と、制御すべき制御液位に対応する検出手段の特定検出値とに基づいて、制御液位の液位を判別する判別手段とを備えたものである。
【0029】
このように構成すると、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液位が判別される。
【0030】
請求項9記載の発明は、液位制御システムであって、第1液体槽と、第1液体槽に互いに内部を連通した状態で接続される第2液体槽と、第1液体槽に取り付けられ、第1検出特性によって第1液体槽の液位に対応する値を検出する第1検出手段と、第2液体槽に取り付けられ、第2検出特性によって第2液体槽の液位に対応する値を検出する第2検出手段と、第1液体槽の特定液位に対応した第1検出手段の特定検出値に、特定液位と同一の液位に対応した第2検出手段による検出値が一致するように第2検出特性を補正する補正手段とを備えたものである。
【0031】
このように構成すると、同一液位に対応する第1検出手段の検出値と第2検出手段の検出値とが一致する。
【0032】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明の構成において、第1検出特性と補正前の第2検出特性とは一致し、第1検出手段と第2検出手段とは、設置高さが異なるものである。
【0033】
このように構成すると、第1検出手段と第2検出手段との設置高さが異なっても、これらの検出値は一致する。
【0034】
請求項11記載の発明は、請求項9記載の発明の構成において、第1検出特性は、液位の増加と検出値の増加とが比例する第1直線特性を有し、第2検出特性は、液位の増加と検出値の増加とが比例する第2直線特性を有し、第1直線特性を記憶する記憶手段を更に備え、補正手段は、異なった2つの液位に対応する第2検出手段による2つの検出値から第2直線特性を特定し、記憶された第1直線特性及び特定された第2直線特性に基づいて、第2検出特性を補正するものである。
【0035】
このように構成すると、第1検出手段と第2検出手段との検出特性や設置高さが異なっても、これらの検出値は一致する。
【発明の効果】
【0036】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液比率が判別されるため、検出手段の誤差による調整やスパン調整が必要とされることなく、精度の高い液位の制御が可能となる。又、液体槽に液体を注入しなくても、液体槽に対する制御の設定ができるため、システムの調整が弾力的及び効率的に可能となる。
【0037】
請求項2記載の発明は、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液位が判別されるため、検出手段の誤差による調整やスパン調整が必要とされることなく、精度の高い液位の制御が可能となる。又、液体槽に液体を注入しなくても、液体槽に対する制御の設定ができるため、システムの調整が弾力的及び効率的に可能となる。
【0038】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、補助液体槽の水平断面積が小さくても、液体槽と同一の値を検出できるため、水平断面積の小さな補助液体槽に液体を注入すれば良いので、記憶手段の設定が容易となる。
【0039】
請求項4記載の発明は、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液比率が判別されるため、検出手段の誤差による調整やスパン調整が必要とされることなく、精度の高い液位の制御が可能となる。
【0040】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、2つの液位の差が最大となるため、判別手段の判別精度が向上する。
【0041】
請求項6記載の発明は、請求項4又は請求項5記載の発明の効果に加えて、制御に用いられる液比率の組合せの設定が容易となるため、使い勝手が向上する。
【0042】
請求項7記載の発明は、請求項4から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、検出手段の検出値を更新することができるため、検出手段の検出精度の変化にかかわらず、精度の高い液位の制御が維持できる。
【0043】
請求項8記載の発明は、制御液位に対応する特定検出値によって制御液位の液位が判別されるため、検出手段の誤差の調整やスパン調整が必要とされることなく、精度の高い液位の制御が可能となる。
【0044】
請求項9記載の発明は、同一液位に対応する第1検出手段の検出値と第2検出手段の検出値とが一致するため、これらの検出特性が異なっても、液位の制御に影響しない。
【0045】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明の効果に加えて、第1検出手段と第2検出手段との設置高さが異なっても、これらの検出値は一致するため、第1検出手段と第2検出手段との設置精度が問題とならないので、作業効率が向上する。
【0046】
請求項11記載の発明は、請求項9記載の発明の効果に加えて、第1検出手段と第2検出手段との検出特性や設置高さが異なっても、これらの検出値は一致するため、第2検出手段の第2検出特性や現場での設置精度が問題とならないので、効率的なシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の第1の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図2】図1で示した液位制御システムにおける液位制御の概念を示す図である。
【図3】図2で示した液位制御の概念を示すグラフである。
【図4】図1で示した液位制御システムにおける設定水位を示す図である。
【図5】図1で示した液位制御システムにおける制御盤の概略構成を示す図である。
【図6】この発明の第2の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図7】この発明の第3の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図8】この発明の第4の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図9】この発明の第5の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図10】この発明の第6の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図11】図10で示した液位制御システムにおける検出手段の補正の概念を示すグラフである。
【図12】この発明の第7の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【図13】図12で示した液位制御システムにおける検出手段の補正の概念を示すグラフである。
【図14】図1で示した液位制御システムの初期設定の手順を示す図である。
【図15】図1で示した制御盤のタッチパネルにおける初期設定画面を示す図である。
【図16】図1で示した液位制御システムにおける設定の手順例を示す図である。
【図17】図1で示した制御盤のタッチパネルにおける実水位設定画面を示す図である。
【図18】図1で示した制御盤のタッチパネルにおける底面積設定画面を示す図である。
【図19】図1で示した制御盤のタッチパネルにおける設定水位画面を示す図である。
【図20】図1で示した液位制御システムにおける通常運転の手順例を示す図である。
【図21】図1で示した制御盤のタッチパネルにおける期間タイマー設定画面を示す図である。
【図22】従来の水槽における水圧により水位を検知する水位計の較正の概念を示す図である。
【図23】従来の水槽装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1はこの発明の第1の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0049】
図を参照して、液位制御システム20は、水槽1と、水槽1に接続される給水系統2と、電磁弁4を備え給水系統2からの給水量を調節する定水位弁3と、電磁弁4に接続されるボールタップ5と、超音波により水槽1内の水位を検出する水位検出器9と、水槽1内の水を、例えば高置水槽へ送水する送水ポンプ7a、7bと、送水ポンプ7a、7bによって送水される送水系統8と、水槽1の送水側の配管に設けられた緊急遮断弁6と、各構成機器を制御する制御盤10とから構成されている。
【0050】
水槽1の送水側の配管に設けられた緊急遮断弁6は、地震発生時の加速度(Gal)に応じて制御盤10に連携された感震器(図示せず)からの信号により、緊急遮断弁6が閉じるように制御されるため、水槽1内の水を確保することができる。
【0051】
制御盤10は、水位検出器9からの検出値と後述する設定水位とを比較判別し、電磁弁4や送水ポンプ7a、7b等の動作を制御するものであり、制御盤10によって水槽1内の水位は所定の範囲内に制御される。制御盤10による水位制御の詳細については後述する。
【0052】
図2は図1で示した液位制御システムにおける液位制御の概念を示す図であり、図3は図2で示した液位制御の概念を示すグラフである。
【0053】
これらの図を参照して、液位制御システムにおいては、まず、水槽1内に、異なる任意の2点の液位A、Hを定める。水位検出器9においては、超音波により水面までの距離Lを測定するものであり、液位A、Hにおける距離Lは、各々L1、L2であり、液位A、Hにおける水位検出器9からの検出値Xは、各々X1、X2となる。又、液位A、Hにおける基準液位に対応する液比率をx%、y%とする。これらの液位A、Hに対応するX1、X2及びx%、y%は、制御盤における後述する記憶手段によって記憶される。液位A、Hに対応するX1、X2及びx%、y%を記憶することで、図3で示すように、検出値Xと距離L(液比率)との相関関係を表わす直線が定まる。
【0054】
次に、水位検出器9から水面までの距離がL3である制御すべき制御水位Iについて説明する。図3に示す液位A、Hから判明する検出値X1、X2と液比率x%、y%との相関関係によって、制御水位Iに対応する水位検出器9からの検出値である特定検出値X3に対応する液比率がz%であることが、制御盤における後述する判別手段により判別される。
【0055】
以上より、図1で示した液位制御システム20においては、水槽1の制御すべき制御水位Iを基準液位に基づいた液比率によって判別するため、水位検出器9の検出値Xの設計値との誤差による調整やスパン調整が必要とされることなく、精度の高い水位の制御が可能となる。
【0056】
尚、上記の相関関係を表わす直線から、種々の液比率に相当する検出値Xを先に演算しておき、これらの検出値と、制御水位Iに対応する水位検出器9からの実際の特定検出値X3とを直接比較して、その液比率を後述する判別手段により判別しても良い。
【0057】
図4は図1で示した液位制御システムにおける設定水位を示す図である。
【0058】
図を参照して、まず、下限水位A(0%)と上限水位H(100%)とを設定する。下限水位Aと上限水位Hとを設定することによって、下限水位は0%、上限水位は100%の液比率を有する基準液位となる。従って、後述する記憶手段に記憶する2つの液位の差が最大となり、基準液位に対応する液比率の誤差、即ち、図3で示した直線の傾きの誤差が最も小さくなるため、制御水位に対応する液比率を判別する、制御盤における後述する判別手段の判別精度が向上する。
【0059】
下限水位Aと上限水位Hとの間の各設定水位B〜Gは、水槽1の水位を制御するために設定する水位を示したものであり、Bは送水ポンプ停止水位、Cは減水警報水位、Dは送水ポンプ復帰水位、Eは給水開始水位、Fは給水停止水位、Gは満水警報水位となっている。設定水位B〜Gは、各々が液比率による既定値として後述する記憶手段に記憶されている。又、設定水位B〜Gを1群とし、標準水位Kと中間水位Lと低水位Mとの3つの組合わせパターンも既定値として後述する記憶手段に記憶されている。従って、水位制御に用いられる液比率の組合わせパターンの設定が容易となるため、使い勝手が向上する。
【0060】
下記の表は、設定水位B〜Gを液比率で設定した一例を示すものである。
【0061】
【表1】
【0062】
図5は図1で示した液位制御システムにおける制御盤の概略構成を示す図である。
図を参照して、下限水位と上限水位との水位検出器9からの各検出値は、検出手段41に送られ、デジタル信号化された後、記憶手段42にて記憶される。又、前述した設定水位B〜G、及び前述した設定水位B〜Gを1群とする、標準水位Kと中間水位Lと低水位Mとの3つの組合わせパターンも、既定値として液比率で記憶手段42に記憶されている。これらの設定水位B〜G及び組合わせパターンK〜Mの各液比率は、設定手段45にて変更が可能であり、変更された各液比率は記憶手段42にて再度記憶される。
【0063】
そして、水槽1における制御すべき制御水位に対応する水位検出器9からの特定検出値は、検出手段41に送られ、記憶手段42にて記憶された後、演算手段43に送られ、下限水位と上限水位との相関関係に対応した、基準液位に基づく液比率に演算される。演算された特定検出値に対応する液比率は、判別手段44にて各設定水位と水位制御アルゴリズムに基づいて比較判別され、設定手段45を経て、制御手段46から電磁弁4及び送水ポンプ7の各構成機器に制御信号を送り、水槽1内の水の貯留及び供給を制御する。
【0064】
又、下限水位と上限水位とは、例えば、初期設定後に所定期間が経過し、記憶手段42に記憶されている液比率とこれに対応する水位検出器9からの各検出値とにずれが生じ、初期設定時と不一致となった場合、下限水位と上限水位とに対応する新たな水位検出器9からの各検出値を再度記憶させ、更新することができるように構成されている。そのため、水位検出器9の検出精度の変化にかかわらず、精度の高い水位の制御が常に維持できる。
【0065】
図6はこの発明の第2の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0066】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0067】
図を参照して、この実施の形態にあっては、水槽1の形状が大きく異なる。即ち、背の高い水槽1を備えており、水槽1の上部の限られた小範囲31のみを水位制御する場合について説明する。
【0068】
通常、下限水位A1は水槽1の底部付近に設定し、上限水位Hは水槽1の上部に設定するため、水槽1の限られた上部の小範囲31のみを水位制御したい場合、下限水位A1と上限水位Hとの範囲が小範囲31に対して広くなるため、小範囲31に対して細かで精度の高い水位制御をおこなうことが困難である。
【0069】
このような場合、この実施の形態による液位制御システム20においては、制御したい範囲である小範囲31の下限水位Aと上限水位Hとを設定することで、下限水位Aと上限水位Hとの間で液比率として設定される設定水位によって、精度の高い水位制御をおこなうことが可能となる。
【0070】
当然ながら、下限水位A1を水槽1の底部付近に設定し、上限水位Hを水槽1の上部に設定すると、水槽1の底部から上部までの水位制御が可能となる。
【0071】
このように、種々の設定パターンを予め設定し、記憶させ、条件に応じた設定パターンを選択することで、自動的に水位制御をおこなうことができる。
【0072】
図7はこの発明の第3の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0073】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0074】
図を参照して、この実施の形態にあっては、まず水槽の数が異なる。即ち、水槽1a、1bの2つの水槽を備えるものである。水槽1a、1bは、その底部において連通管11で連通されており、通常は常に連通した状態となっている。定水位弁3a、3b、電磁弁4a、4b、ボールタップ5a、5b、送水ポンプ7a〜7d及び水位検出器9a、9bは、水槽1a、1bに各々設けられている。
【0075】
上記の各構成機器に対して、制御盤10は水槽1a、1bに各々設けられておらず、共通して使用する。この実施の形態による液位制御システム20においては、水位検出器9aを主検出器として使用している場合において、水槽1aに給水系統2aから水が供給され、図4で示した給水停止水位まで水槽1aの水位が上昇したとき、水位検出器9aからの検出値により電磁弁4aが閉止し、定水位弁3aを閉止し、水の供給を止める。電磁弁4aの閉止に伴って、主検出器は水槽1bの水位検出器9bに自動的に切り替わるように設定されている。同様に電磁弁4bの閉止に伴って、主検出器は水槽1aの水位検出器9aに切り替わるように設定されている。ただし、連通管11の断面積が水槽1a及び水槽1bの水平断面積に比較して小さい場合には、水槽1a及び水槽1bの液面が同じ水位になるのに時間を要するので、主検出器の切り替えには電磁弁の閉止後、タイマーにて一定時間経過後におこなっても良い。
【0076】
水槽1a、1bの水位の変化速度は、通常は小さいものであるため、水槽1a、1bの水位制御を電磁弁4a、4bの開閉に伴って各水槽に切り替えることができる。そのため、制御盤10における制御装置が1つで水槽1a、1bの水位制御が可能なため、制御盤10がコンパクトになる。又、安価に製作することが可能となる。
【0077】
図8はこの発明の第4の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0078】
尚、説明に当たっては、基本的には第3の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0079】
図を参照して、この実施の形態にあっては、水槽の数は2槽であるが、水槽1a、1bの容積量が異なる。即ち、水槽1a、1bの2つの水槽は背の高さが異なるものである。そのため、水槽1a、1bは底部で連通されておらず、各々が独立した状態となっている。
【0080】
このように構成されている場合においては、水槽1aにおける下限水位A1及び上限水位H1と、水槽1bにおける下限水位A2及び上限水位H2とを制御盤10にて記憶させる。そうすると、水槽1aの水位検出器9aを主検出器としているときは、水槽1aの下限水位A1及び上限水位H1を基準とし、液比率で設定される設定水位で水槽1aの水位制御をおこなうことができる。又、水槽1bの水位検出器9bを主検出器としているときは、水槽1bの下限水位A2及び上限水位H2を基準とし、液比率で設定される設定水位で水槽1bの水位制御をおこなうことができる。
【0081】
又、水位検出器9a、9bの主検出器の切り替え方法は、例えば、所定のインターバルによって交互に切り替わるように設定されている。従って、背の高さの異なる2つの水槽1a、1bで構成されている場合であっても、各々に対応する液比率の設定水位で水位制御をおこなうため、制御盤10における制御装置が1つで水槽1a、1bの水位制御が可能となるため、制御盤10を安価に製作することが可能となる。又、水槽1a、1bの改造等をおこなう必要がなくなるため、設備費用を安価にすることが可能となる。
【0082】
尚、上記の各実施の形態では、水槽の水位を制御するものであるが、水以外の他の液体の液位を制御するものにも同様に適用できる。
【0083】
又、上記の各実施の形態では、水位検出器は超音波により水槽内の水位を検出しているが、水位を連続的に検知できるもの、例えば水槽の底部に設けられ、水圧により水槽内の水位を検出するもの等であれば良い。
【0084】
更に、上記の各実施の形態では、上限水位と下限水位とを記憶手段により記憶しているが、異なる任意の2点の水位であっても良い。
【0085】
更に、上記の各実施の形態では、水槽は一定断面を有しているが、一定断面を有していない水槽であっても良い。
【0086】
更に、上記の各実施の形態では、設定水位として複数の液比率が設定されているが、設定水位は設定されていなくても良い。
【0087】
更に、上記の各実施の形態では、3つの設定水位の組合わせパターンが記憶されているが、複数の設定水位の組合わせパターンが記憶されていれば良い。又は、記憶されていなくても良い。
【0088】
更に、上記の各実施の形態では、上限水位と下限水位とに対応する検出手段からの検出値を新たに記憶することが可能な記憶手段を備えているが、記憶の更新が不可能な記憶手段を備えていても良い。
【0089】
更に、上記の各実施の形態では、上限水位と下限水位とに対する、基準液位に対応する液比率を記憶しているが、上限水位と下限水位との液位を直接記憶しておき、制御液位を実際の液位として判別しても良い。
【0090】
図9はこの発明の第5の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0091】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0092】
図を参照して、この実施の形態にあっては、まず、水位検出器9の検出方法が大きく異なる。即ち、超音波により水槽1内の水位を検出するものではなく、水槽1の底部に仕切弁36を介して接続され、水槽1内の水による水圧の大小に基づいて水位を検出するものである。
【0093】
又、水槽1の水平断面積より小さな水平断面積を有すると共に、水槽1と略同一高さに形成され、水槽1に対応して並列的に設置された、例えば透明なガラス管やビニール管よりなる補助液体槽である補助水槽15を備えている。そして、補助水槽15は仕切弁37を介して水位検出器9に接続されている。即ち、水位検出器9は水槽1と補助水槽15とに仕切弁36と仕切弁37とを介して接続されている。従って、仕切弁36、37の開閉によって、水位検出器9は水槽1と補助水槽15とに切り替え自在に接続可能となる。即ち、水位検出器9は水槽1と補助水槽15とのいずれの水位に対しても対応する値を検出することができる。又、水槽1及び補助水槽15には、仕切弁38を介して補助給水系統35が接続されている。
【0094】
ここで、この実施の形態における液位制御システム20の水位制御の設定について説明する。
【0095】
図2及び図3で示したように、第1の実施の形態の液位制御システムにおいては、水槽1内の下限水位A及び上限水位Hの基準液位における液比率x%、y%と、下限水位A及び上限水位Hに対応する水位検出器からの検出値X1、X2とを制御盤10の記憶手段において記憶する。
【0096】
しかしながら、液位制御システム20を設置する現場の条件によっては、建設工程、給水配管工事、設備関連工事及び水槽1の完工検査等、種々の都合によって水槽1内に注水できない場合がある。又、例えば水槽1が大型であれば注水に多大な時間を要すると共に、水槽1の漏水検査時には水槽1内を満水状態にしたまま排水することができない場合がある。このような場合、この実施の形態による液位制御システム20においては、補助水槽15を使用して上述した記憶手段への記憶をおこなう。
【0097】
まず、水位検出器9が補助水槽15の液位を検出するように、仕切弁36を閉止すると共に、仕切弁37を開放する。そして、仕切弁38を開放して補助給水系統35によって、水槽1の下限水位A及び上限水位Hの各々と同一水位まで補助水槽15に注水する。そして、これらの基準液位における液比率と、下限水位A及び上限水位Hに対応する水位検出器9からの検出値とを制御盤10の記憶手段にて記憶する。そして、水槽1内の水位を実際に制御する時には、仕切弁37、38を閉止すると共に仕切弁36を開放して、水位検出器9が水槽1の液位の液圧を検出するように切り替える。その後、補助水槽15によって記憶された液比率と検出値とに基づいて水槽1内の制御水位を液比率によって判別し、制御する。
【0098】
従って、液位制御システム20においては、水槽1に注水しなくても、水槽1に対する制御の設定(液比率と検出値との記憶)が可能となる。そのため、例えば水槽1内が満水状態で漏水検査をおこなっている場合であっても、水槽1に対する制御の設定が可能となり、他の工事や検査の都合に左右されることがないので、効率的な工事が可能となる。又、補助水槽15は水槽1より水平断面積がはるかに小さくなるように形成されているため、水槽1と比較して注水及び排水時間が短縮されることになる。即ち、液位制御システム20の調整が弾力的及び効率的に可能となる。
【0099】
又、水位検出器9は水圧によって水槽1の水位を検出するものであるため、補助水槽15の水平断面積が小さくても、水槽1と同一水位であれば同一の値を検出することが可能となる。従って、図で示すガラス管のような水平断面積の小さな補助水槽15に水を注入すれば良いので、記憶手段の設定が容易となる。
【0100】
尚、補助水槽15を用いれば、現場での対応のみならず、液位制御システム20の出荷前の工場等での事前設定においても採用することができる。そのため、液位制御システム20の現場での設置後の設定及び調整期間の短縮が可能となり、システムの信頼性が向上する。
【0101】
図10はこの発明の第6の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0102】
尚、説明に当たっては、基本的には第3の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0103】
図を参照して、この実施の形態にあっては、まず、水位検出器9の検出方法が異なる。即ち、第1検出手段である水位検出器9aは、第1液体槽である水槽1aの底部に接続され、水槽1aに保有されている水による水圧に基づいて対応する値を検出するものであり、図9で示した水位検出器9と同様のものである。又、第2検出手段である水位検出器9bについても、水位検出器9aと同一のものであり、第2液体槽である水槽1bの底部に接続されている。そして、水位検出器9bの第2検出特性は、水位検出器9aの第1検出特性と一致している。この第1検出特性及び第2検出特性については後述する。
【0104】
次に、水位検出器9bは、例えば現場と設計図面との間で水槽1bの形状が異なっていたり、工事の都合による設置位置の変更等、種々の要因によって、その取り付け位置の高さ(設置高さ)が水位検出器9aと異なっている。即ち、水位検出器9bは、設計通りの設置位置に取り付けられた水位検出器9aに対して距離Rだけ低い位置に取り付けられている。
【0105】
水位検出器9a、9bはこのような設置位置に取り付けられているため、これらの第1検出特性と第2検出特性とが一致していても、水槽1a、1bの同一の水位に対応する互いが検出する検出値に若干のずれが生じることになる。この実施の形態による液位制御システム20においては、水位検出器9bが有する上述したずれを、後述する補正手段によって補正しているため、スムーズに制御盤10の制御の元となる主検出器の切り替えが可能となり、より精度及び信頼性の高い水位制御をおこなうことが可能である。
【0106】
以下に、第2検出手段である水位検出器9bの補正の方法について説明する。
【0107】
図11は図10で示した液位制御システムにおける検出手段の補正の概念を示すグラフである。
【0108】
まず、図11の(1)を参照して、このグラフは図10における水位検出器9aの第1検出特性を示すものである。第1検出特性は、縦軸に示す水位(液比率)の増加と、横軸に示す検出値Xの増加とが比例する第1直線特性を有している。即ち、水槽1aが下限水位Aの時、水位検出値9aからの検出値はX1であり、水槽1aが上限水位Hの時、水位検出器9aからの検出値はX2となる。尚、横軸の検出値については、水圧式の水位検出器では1〜5Vの電圧値、又は4〜20mAの電流値によって得られるのが一般的である。しかしながら、本発明における液位制御システムにおいては、得られた電圧値又は電流値を、例えば0〜4000の無次元数であるディジットにデジタル信号化した後、記憶手段にて記憶している。
【0109】
次に、図11の(2)を参照して、このグラフは図11における水位検出器9bの第2検出特性を示すものである。尚、補正前の状態を二点鎖線で示しており、補正後の状態を実線で示している。
【0110】
上述した通り、水位検出器9aの第1検出特性と水位検出器9bの第2検出特性とは一致している。即ち、第2検出特性は、縦軸に示す水位(液比率)の増加と、横軸に示す検出値Xの増加とが比例する第2直線特性を有しており、その傾きは第1直線特性と同一となっている。しかしながら、水位検出器9bは水位検出器9aに対する設置位置が距離Rだけ低いため、水槽1a、1bにおける同一の水位に対応する検出値が水位検出器9aと異なってしまう。例えば、下限水位Aの時、水位検出器9aの検出値はX1であるが、水位検出器9bでは下限水位Aに距離Rを加えた水位の検出値X1+αとなる。又、上限水位Hの時、水位検出器9aの検出値はX2であるが、水位検出器9bでは上限水位Hに距離Rを加えた水位の検出値X2+αとなる。
【0111】
この実施の形態による液位制御システムにおいては、このようなずれを補正する補正手段を備えている。そして、二点鎖線で示す補正前の状態の第2直線特性を、図の矢印で示すように演算(移動)する。即ち、二点鎖線上の点S1、S2を、実線上の点T1、T2に移動する。すると、水槽1aの特定水位に対応した第1検出手段の特定検出値に、特定水位と同一の水位に対応した第2検出手段による検出値が一致する。従って、水位検出器9aの第1検出特性と水位検出器9bの第2検出特性とが異なっても、水槽1a、1bの水位の制御に影響しない。
【0112】
このような補正によって、互いに一致する検出特性を有する水位検出器9a、9bの設置高さが異なっても、これらの検出値は一致することになる。従って、水位検出器9a、9bの設置精度が問題とならないため、作業効率が向上する。
【0113】
図12はこの発明の第7の実施の形態による液位制御システムの概略構成図である。
【0114】
尚、説明に当たっては、基本的には第6の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0115】
図を参照して、この実施の形態にあっては、水位検出器9a、9bは同一の設置高さに取り付けられているが、水位検出器9aの第1検出特性と水位検出器9bの第2検出特性とは、異なる直線特性を有している。即ち、第1検出特性と第2検出特性とは一致しない。このような状態は、例えば、水位検出器9bが経年変化等の理由で不調となり、水位検出器9bの交換が必要となった場合に起因する。即ち、交換前の水位検出器9bと同一型式及び同一型番の水位検出器を設置したとしても、交換前と交換後とではその検出値(検出特性)にばらつきが生じることになる。尚、交換を要しない水位検出器9aについては、その第1直線特性が上述した記憶手段にて記憶されている。
【0116】
このような場合、交換前と交換後との検出特性のずれによって、主検出器の切り替え時に誤差が発生してしまうため、この実施の形態による液位制御システム20においては、第2検出特性の補正をおこなう。以下に、第2検出手段である水位検出器9bの補正の方法について説明する。
【0117】
図13は図12で示した液位制御システムにおける検出手段の補正の概念を示すグラフである。
【0118】
まず、図13の(1)を参照して、このグラフは図12における水位検出器9bの第2検出特性を示すものである。第2検出特性は、縦軸に示す水位(液比率)の増加と、横軸に示す検出値Xの増加とが比例する第2直線特性を有している。即ち、水槽1bが下限水位Aの時、水位検出値9bからの検出値はX3であり、水槽1bが上限水位Hの時、水位検出器9bからの検出値はX4となる。尚、水位検出器9aの第1検出特性は、図11の(1)で示したものと同様である。
【0119】
次に、図13の(2)を参照して、このグラフは実線で示す水位検出器9aの第1直線特性と、二点鎖線で示す水位検出器9bの第2直線特性とを重ね合わせたものである。上述した通り、第1直線特性と第2直線特性とは、これらの傾きが異なっており、第1検出特性と第2検出特性とが一致しない状態となっている。尚、第2直線特性においては、異なった2つの水位I1、I2に対応する水位検出器9bによる2つの検出値X5、X7から、点P、Qを導き出すことで、第2直線特性を特定できる。
【0120】
そして、特定された第2直線特性を、記憶手段にて記憶した第1直線特性に基づいて、図13の(2)の矢印で示すように演算して移動させて補正する。このように補正されることで、水位検出器9a、9bの検出特性や設置高さが異なっても、これらの検出値は一致する。従って、水位検出器9bの第2検出特性、又は現場での設置精度が問題とはならないため、効率的な液位制御システムとなる。
【0121】
尚、実線の点Rにおける水位I1と検出値X6とに基づいて、二点鎖線の点Qの検出値X5を確認することで、水位検出器9bが正しい設置位置、即ち図13の(1)の検出特性となっているかを現場で確認することができる。
【0122】
尚、上記の第5の実施の形態では、補助液体槽である補助水槽は特定形状に形成されているが、水槽に対応して設置され、水槽の水平断面積より小さな水平断面積を有すると共に、保有できる液体の液面レベルの変動幅が、水槽が保有できる液体の液面レベルの変動幅の少なくとも一部に重複するように形成されていれば、他の材質や形状であっても良い。
【0123】
又、上記の第5の実施の形態では、水位検出器は特定の構造によって水槽及び補助水槽に接続されているが、水槽及び補助水槽に切り替え自在に接続され、水槽及び補助水槽のいずれの水位に対しても対応する値を検出することができれば、他の構造であっても良い。
【0124】
更に、上記の第5の実施の形態では、水槽は1つであるが、水槽は複数あっても同様に適用できる。
【0125】
更に、上記の第6の実施の形態では、第1検出特性と第2検出特性とは直線特性を有しているが、例えば、曲線特性等であっても、第1検出特性と第2検出特性とが一致していれば良い。
【0126】
更に、上記の第6の実施の形態では、第2検出手段は第1検出手段に対して低い設置位置に取り付けられているが、第2検出手段は第1検出手段に対して高い設置位置に取り付けられていても良い。
【0127】
更に、上記の第7の実施の形態では、第1検出手段と第2検出手段とは同一高さに設置されているが、第2検出手段が第1検出手段に対して異なる設置高さに設置されていても、異なった2つの水位に対応する第2検出手段の検出値から第2直線特性を特定し、これを記憶手段にて記憶した第1直線特性に基づいて、図13の(2)で示すように演算して補正することができる。
【0128】
更に、上記の第6及び第7の実施の形態では、補正手段は特定の方法によって第2検出特性を補正しているが、補正手段は、第1液体槽の特定液位に対応した第1検出手段の特定検出値に、特定液位と同一の液位に対応した第2検出手段による検出値が一致するように第2検出特性を補正するものであれば、他の方法であっても良い。
【0129】
更に、上記の第6及び第7の実施の形態では、第1検出手段と補正後の第2検出手段との検出値に基づいて、記憶手段及び判別手段で水槽の液比率を判別することによって水槽の水位が制御されているが、第1検出手段と補正後の第2検出手段との検出値に基づいて制御するものであれば、他の制御方法であっても良い。
【0130】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、水槽の水位を制御するものであるが、水以外の他の液体の液位を制御するものにも同様に適用できる。
【0131】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、水位検出器は水圧により水槽内の水位を検出しているが、水位を連続的に検知できるものであれば、例えば、前述した超音波により水槽内の水位を検出するもの等であっても良い。
【0132】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、上限水位と下限水位とを記憶手段により記憶しているが、異なる任意の2点の水位であっても良い。
【0133】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、水槽は一定断面を有しているが、一定断面を有していない水槽であっても良い。
【0134】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、設定水位として複数の液比率が設定されているが、設定水位は設定されていなくても良い。
【0135】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、3つの設定水位の組合わせパターンが記憶されているが、複数の設定水位の組合わせパターンが記憶されていれば良い。又は、記憶されていなくても良い。
【0136】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、上限水位と下限水位とに対応する検出手段からの検出値を新たに記憶することが可能な記憶手段を備えているが、記憶の更新が不可能な記憶手段を備えていても良い。
【0137】
更に、上記の第5〜第7の実施の形態では、上限水位と下限水位とに対する、基準液位に対応する液比率を記憶しているが、上限水位と下限水位との液位を直接記憶しておき、制御液位を実際の液位として判別しても良い。
【実施例】
【0138】
図14は図1で示した液位制御システムの初期設定の手順を示す図であり、図15は図1で示した制御盤のタッチパネルにおける初期設定画面を示す図である。
【0139】
これらの図を参照して、まず、制御盤の電源を投入し(S1)、設定準備完了の画面を確認する。
【0140】
次に、トップ画面51における設定ボタンを押し、0%水位(下限水位)設定(S2)を0%水位設定画面53によりおこなう。0%水位設定(S2)は、水槽の下限水位まで水を入れ、実水位を巻尺等を用いて計測し、水位検出器の検出値を設定する。又、水槽が2つあり、水位検出器が2つある場合は、トップ画面51における設定ボタンを押し、0%水位設定(S2)を0%水位設定画面52によって、1号と2号とに分けて、0%水位設定画面53の場合と同様に、各々についての設定をおこなう。設定完了後、0%水位設定画面52又は0%水位設定画面53における決定ボタンを押すと、0%水位確定画面54が表示され、確定ボタンを押すと、0%水位設定(S2)が完了する。
【0141】
次に、100%水位(上限水位)設定(S3)を100%水位設定画面(図示せず)によりおこなう。設定手順については、0%水位設定(S2)と同様である。
【0142】
以上により、初期設定作業は終了する。そして、その他の設定値、即ち、満水警報水位等の設定水位については、あらかじめ既定値として記憶手段にて記憶されているため、通常は上記の初期設定のみで液位制御システムの運転が開始できるため、運転開始に必要な設定が非常に容易となる。
【0143】
図16は図1で示した液位制御システムにおける設定の手順例を示す図であり、図17は図1で示した制御盤のタッチパネルにおける実水位設定画面を示す図であり、図18は図1で示した制御盤のタッチパネルにおける底面積設定画面を示す図であり、図19は図1で示した制御盤のタッチパネルにおける設定水位画面を示す図である。
【0144】
この実施の形態による液位制御システムにおいては、設定水位が既定値により予め設定されているため、必要項目の修正をおこなうだけで良く、設定が容易である。
【0145】
これらの図を参照して、まず、日付・時刻の設定(S31)をおこなう。
【0146】
次に、図17で示す実水位設定画面55aにて、前述した初期設定時に計測した0%水位(下限水位)と100%水位(上限水位)との実水位をcm単位で入力する。例えば、0%水位(下限水位)が50cmで、100%水位(上限水位)が450cmである場合は、実水位設定画面55aに示す0%部に50を入力し、100%部に450を入力する。そして、実水位設定画面55bで示す決定ボタンを押すことで、水槽の高さの設定(S32)をおこなう。
【0147】
次に、図18で示す底面積設定画面56aにて、水槽の底面積を入力する。底面積設定画面56aは、2つの水槽を備える場合のものであり、このような場合、1号水槽と2号水槽との各々の水槽底面積はm2単位で入力し、底面積設定画面56bで示す決定ボタンを押し、水槽底面積の設定(S33)をおこなう。水槽底面積の設定(S33)をおこなうことにより、水槽内の水位から演算することで水槽内の水重量を算出することが可能となるため、水量を重量(t)で管理する場合にも対応することが可能となる。
【0148】
次に、図19で示す設定水位画面57にて、各設定水位の設定(S34)をおこなう。設定水位画面57においては、水位設定ボタンを押すと各々の設定水位画面が表示される。例えば、水位設定画面57で示す満水警報ボタンを押すと、設定水位画面58が表示され、給水停止水位の設定画面が表示される。又、図4における説明で前述したように、例えば、表1で示したように予め既定値が設定されている(S40)ため、変更箇所のみ変更すれば良い。変更方法は、設定水位画面57、58における上下矢印で示す値変更ボタンにて液比率を変更する。そして、設定水位画面58で示す決定ボタンを押し、設定水位の設定(S34)をおこなう。
【0149】
次に、チャタリング値の設定(S35)をおこなう。これは、水槽の水面が波打つことによる、警報の発生と解除とを繰り返す現象を防止するためのものであり、既定値として3%で設定されているため、必要に応じて変更する。
【0150】
次に、期間タイマーの設定(S36)と週間タイマーの設定(S37)とをおこなうが、これらについては後述する。
【0151】
次に、先行動作時間の設定(S38)をおこなう。これは、例えば期間タイマーの設定(S36)等によって、午前零時に標準水位運転から低水位運転に切り替わる場合、切り替え時間を早めて動作させる必要がある場合に設定するものである。
【0152】
以上により、設定作業は終了する。
【0153】
図20は図1で示した液位制御システムにおける通常運転の手順例を示す図であり、図21は図1で示した制御盤のタッチパネルにおける期間タイマー設定画面を示す図である。
【0154】
学校の夏季休暇期間中のように、水の使用量が通常と比較して非常に少なくなるような場合には、水槽の貯留量を少なくして循環回転率を高くしなければ、水槽内の水の残留塩素濃度が下がり、衛生面で問題が発生する虞がある。このため、この実施の形態による液位制御システムにおいては、期間の開始日と終了日とを設定して、設定水位を標準水位、中間水位、及び低水位の運転モードの中から選択できるようになっている。この設定期間は9期間の設定をおこなうことができる。
【0155】
これらの図を参照して、まず、運転モード選択(S21)をおこなう。
【0156】
次に、タイマー使用を選択しないとき(S22でNO)、タイマーは選択されず、手動設定(S29)となり、運転モード選択(S21)で選択された運転モードに従って運転することになる(S30)。
【0157】
又、タイマー使用を選択すると(S22でYES)、期間タイマー選択(S23)をおこなうことになる。期間タイマーを選択しないとき(S23でNO)、週間タイマー設定(S26)をおこなうことになり、曜日設定(S27)へと移行する。この曜日設定(S27)は、例えば、1週間の内で土曜日と日曜日とにおいて水槽の貯留量を少なくするような場合に用いられる。このような場合、曜日設定(S27)により設定された曜日毎に所定の運転モードで制御されることになる(S28)。
【0158】
又、期間タイマーを選択すると(S23でYES)、期間設定(S24)をおこなうことになる。ここで、図21を参照して、期間タイマー設定画面59aにて、期間1ボタンを押すと、期間タイマー設定画面59bに示すように、期間タイマーの開始月日と終了月日とを入力することになる。次に、この期間で使用する運転モードを選択し、決定ボタンを押すと、期間設定(S24)により設定された期間毎に所定の運転モードで制御されることになる(S25)。
【0159】
以上、期間タイマーの設定について、予測された給水需要データを基に、比較的急速に水槽の貯留量を制御する例について述べたが、これに加えて、例えば、ある期間の送水ポンプの運転時間を演算することによって給水の需要量を予測し、これを基に自動で運転するモードを設定しても良い。このようにすると、新築のマンションのように入居者の増加による穏やかな給水需要の増加に対して、手動での設定変更が不要となり、自動で水槽の水位制御が可能となる。
【符号の説明】
【0160】
1…水槽
9…水位検出器
15…補助水槽
20…液位制御システム
41…検出手段
42…記憶手段
43…演算手段
44…判別手段
45…設定手段
46…制御手段
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、
前記液体槽に対応して設置され、前記液体槽の水平断面積より小さな水平断面積を有すると共に、保有できる液体の液面レベルの変動幅が、前記液体槽が保有できる液体の液面レベルの変動幅の少なくとも一部に重複する補助液体槽と、
前記液体槽及び前記補助液体槽に切り替え自在に接続され、前記液体槽及び前記補助液体槽のいずれの液位に対しても対応する値を検出することができる検出手段と、
前記検出手段の接続を前記補助液体槽に切り替えて、前記補助液体槽の前記重複した変動幅に含まれる異なる任意の2つの液位における各々の基準液位に対する液比率と、これらに対応する前記検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、
前記検出手段の接続を前記液体槽に切り替えて、前記2つの検出値と、前記液体槽の制御すべき制御液位に対応する前記検出手段の特定検出値とに基づいて、前記制御液位の液比率を判別する判別手段とを備えた、液位制御システム。
【請求項2】
液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、
前記液体槽に対応して設置され、前記液体槽の水平断面積より小さな水平断面積を有すると共に、保有できる液体の液面レベルの変動幅が、前記液体槽が保有できる液体の液面レベルの変動幅の少なくとも一部に重複する補助液体槽と、
前記液体槽及び前記補助液体槽に切り替え自在に接続され、前記液体槽及び前記補助液体槽のいずれの液位に対しても対応する値を検出することができる検出手段と、
前記検出手段の接続を前記補助液体槽に切り替えて、前記補助液体槽の前記重複した変動幅に含まれる異なる任意の2つの液位と、これらに対応する前記検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、
前記検出手段の接続を前記液体槽に切り替えて、前記2つの検出値と、前記液体槽の制御すべき制御液位に対応する前記検出手段の特定検出値とに基づいて、前記制御液位の液位を判別する判別手段とを備えた、液位制御システム。
【請求項3】
前記検出手段は、前記液体槽及び前記補助液体槽の底部に接続され、各々の槽に保有されている液体による液圧に基づいて前記対応する値を検出する、請求項1又は請求項2記載の液位制御システム。
【請求項4】
液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、
前記液体槽の液位に対応する値を検出する検出手段と、
前記液体槽の異なる任意の2つの液位における各々の基準液位に対する液比率と、これらに対応する前記検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、
前記記憶された2つの検出値と、制御すべき制御液位に対応する前記検出手段の特定検出値とに基づいて、前記制御液位の液比率を判別する判別手段とを備えた、液位制御システム。
【請求項5】
前記2つの液位は、前記制御液位の上限水位及び下限水位である、請求項4記載の液位制御システム。
【請求項6】
前記液体槽の液位の液比率に応じて、液体の貯留及び供給を制御する制御手段を更に備え、
前記記憶手段には、前記制御手段の制御に用いられる液比率よりなる複数の組合せ制御パターンが記憶され、
更に、前記組合せ制御パターンの1つを設定する設定手段を備えた、請求項4又は請求項5記載の液位制御システム。
【請求項7】
所定期間の経過後において、前記記憶手段に記憶されている液比率とこれに対応する検出値とが不一致になっているとき、前記記憶手段は新たな検出値を記憶する、請求項4から請求項6のいずれかに記載の液位制御システム。
【請求項8】
液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、
前記液体槽の液位に対応する値を検出する検出手段と、
前記液体槽の異なる任意の2つの液位と、これらに対応する前記検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、
前記記憶された2つの検出値と、制御すべき制御液位に対応する前記検出手段の特定検出値とに基づいて、前記制御液位の液位を判別する判別手段とを備えた、液位制御システム。
【請求項9】
液位制御システムであって、
第1液体槽と、
前記第1液体槽に互いに内部を連通した状態で接続される第2液体槽と、
前記第1液体槽に取り付けられ、第1検出特性によって前記第1液体槽の液位に対応する値を検出する第1検出手段と、
前記第2液体槽に取り付けられ、第2検出特性によって前記第2液体槽の液位に対応する値を検出する第2検出手段と、
前記第1液体槽の特定液位に対応した前記第1検出手段の特定検出値に、前記特定液位と同一の液位に対応した前記第2検出手段による検出値が一致するように前記第2検出特性を補正する補正手段とを備えた、液位制御システム。
【請求項10】
前記第1検出特性と補正前の前記第2検出特性とは一致し、
前記第1検出手段と前記第2検出手段とは、設置高さが異なる、請求項9記載の液位制御システム。
【請求項11】
前記第1検出特性は、液位の増加と検出値の増加とが比例する第1直線特性を有し、
前記第2検出特性は、液位の増加と検出値の増加とが比例する第2直線特性を有し、
前記第1直線特性を記憶する記憶手段を更に備え、
前記補正手段は、
異なった2つの液位に対応する前記第2検出手段による2つの検出値から前記第2直線特性を特定し、
前記記憶された第1直線特性及び前記特定された第2直線特性に基づいて、前記第2検出特性を補正する、請求項9記載の液位制御システム。
【請求項1】
液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、
前記液体槽に対応して設置され、前記液体槽の水平断面積より小さな水平断面積を有すると共に、保有できる液体の液面レベルの変動幅が、前記液体槽が保有できる液体の液面レベルの変動幅の少なくとも一部に重複する補助液体槽と、
前記液体槽及び前記補助液体槽に切り替え自在に接続され、前記液体槽及び前記補助液体槽のいずれの液位に対しても対応する値を検出することができる検出手段と、
前記検出手段の接続を前記補助液体槽に切り替えて、前記補助液体槽の前記重複した変動幅に含まれる異なる任意の2つの液位における各々の基準液位に対する液比率と、これらに対応する前記検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、
前記検出手段の接続を前記液体槽に切り替えて、前記2つの検出値と、前記液体槽の制御すべき制御液位に対応する前記検出手段の特定検出値とに基づいて、前記制御液位の液比率を判別する判別手段とを備えた、液位制御システム。
【請求項2】
液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、
前記液体槽に対応して設置され、前記液体槽の水平断面積より小さな水平断面積を有すると共に、保有できる液体の液面レベルの変動幅が、前記液体槽が保有できる液体の液面レベルの変動幅の少なくとも一部に重複する補助液体槽と、
前記液体槽及び前記補助液体槽に切り替え自在に接続され、前記液体槽及び前記補助液体槽のいずれの液位に対しても対応する値を検出することができる検出手段と、
前記検出手段の接続を前記補助液体槽に切り替えて、前記補助液体槽の前記重複した変動幅に含まれる異なる任意の2つの液位と、これらに対応する前記検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、
前記検出手段の接続を前記液体槽に切り替えて、前記2つの検出値と、前記液体槽の制御すべき制御液位に対応する前記検出手段の特定検出値とに基づいて、前記制御液位の液位を判別する判別手段とを備えた、液位制御システム。
【請求項3】
前記検出手段は、前記液体槽及び前記補助液体槽の底部に接続され、各々の槽に保有されている液体による液圧に基づいて前記対応する値を検出する、請求項1又は請求項2記載の液位制御システム。
【請求項4】
液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、
前記液体槽の液位に対応する値を検出する検出手段と、
前記液体槽の異なる任意の2つの液位における各々の基準液位に対する液比率と、これらに対応する前記検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、
前記記憶された2つの検出値と、制御すべき制御液位に対応する前記検出手段の特定検出値とに基づいて、前記制御液位の液比率を判別する判別手段とを備えた、液位制御システム。
【請求項5】
前記2つの液位は、前記制御液位の上限水位及び下限水位である、請求項4記載の液位制御システム。
【請求項6】
前記液体槽の液位の液比率に応じて、液体の貯留及び供給を制御する制御手段を更に備え、
前記記憶手段には、前記制御手段の制御に用いられる液比率よりなる複数の組合せ制御パターンが記憶され、
更に、前記組合せ制御パターンの1つを設定する設定手段を備えた、請求項4又は請求項5記載の液位制御システム。
【請求項7】
所定期間の経過後において、前記記憶手段に記憶されている液比率とこれに対応する検出値とが不一致になっているとき、前記記憶手段は新たな検出値を記憶する、請求項4から請求項6のいずれかに記載の液位制御システム。
【請求項8】
液体槽の液位を制御するための液位制御システムであって、
前記液体槽の液位に対応する値を検出する検出手段と、
前記液体槽の異なる任意の2つの液位と、これらに対応する前記検出手段の2つの検出値とを記憶する記憶手段と、
前記記憶された2つの検出値と、制御すべき制御液位に対応する前記検出手段の特定検出値とに基づいて、前記制御液位の液位を判別する判別手段とを備えた、液位制御システム。
【請求項9】
液位制御システムであって、
第1液体槽と、
前記第1液体槽に互いに内部を連通した状態で接続される第2液体槽と、
前記第1液体槽に取り付けられ、第1検出特性によって前記第1液体槽の液位に対応する値を検出する第1検出手段と、
前記第2液体槽に取り付けられ、第2検出特性によって前記第2液体槽の液位に対応する値を検出する第2検出手段と、
前記第1液体槽の特定液位に対応した前記第1検出手段の特定検出値に、前記特定液位と同一の液位に対応した前記第2検出手段による検出値が一致するように前記第2検出特性を補正する補正手段とを備えた、液位制御システム。
【請求項10】
前記第1検出特性と補正前の前記第2検出特性とは一致し、
前記第1検出手段と前記第2検出手段とは、設置高さが異なる、請求項9記載の液位制御システム。
【請求項11】
前記第1検出特性は、液位の増加と検出値の増加とが比例する第1直線特性を有し、
前記第2検出特性は、液位の増加と検出値の増加とが比例する第2直線特性を有し、
前記第1直線特性を記憶する記憶手段を更に備え、
前記補正手段は、
異なった2つの液位に対応する前記第2検出手段による2つの検出値から前記第2直線特性を特定し、
前記記憶された第1直線特性及び前記特定された第2直線特性に基づいて、前記第2検出特性を補正する、請求項9記載の液位制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−244565(P2010−244565A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132564(P2010−132564)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【分割の表示】特願2009−30832(P2009−30832)の分割
【原出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000126296)株式会社アイエス工業所 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【分割の表示】特願2009−30832(P2009−30832)の分割
【原出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000126296)株式会社アイエス工業所 (9)
【Fターム(参考)】
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