説明

液体カートリッジの装着構造およびインクジェットプリンター

【課題】カートリッジ側の接続端子および装置側の接続端子に液体カートリッジの装着時の摺動に起因する摩耗、傷などが付くことを防止、抑制可能な液体カートリッジの装着構造を提案すること。
【解決手段】インクカートリッジ20がカートリッジ装着部8に装着される途中の時点では、インクカートリッジ20が装着方向Aに直交する方向に所定の遊びのある状態で、カートリッジ側の接続端子面36aがプリンター側接続端子71に小さな押し付け力で接触する。次に、インクカートリッジ20と一緒にプリンター側接続端子71が装着方向Aに移動し、装着方向Aに押し込まれるに連れて遊びが漸減しインクカートリッジ20の位置決めが行われると共に、接続端子71と接続端子面36aの押し付け力が増加し、カートリッジ側接続端子71が接続端子面36aに十分な押し付け力で接触した導通状態が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクカートリッジのような液体を貯留した液体カートリッジを、当該液体カートリッジを液体供給源として用いるインクジェットプリンターなどの液体消費装置に装着するための液体カートリッジの装着構造に関する。更に詳しくは、液体カートリッジを装着すると液体カートリッジの側に搭載されているメモリチップなどの接点が装置側の接続端子に押し付けられて導通状態が形成される液体カートリッジの装着構造に関する。
【背景技術】
【0002】
液体カートリッジを液体供給源とする液体消費装置、例えば、インクカートリッジをインク供給源とするインクジェットプリンターにおいては、インクカートリッジに取り付けたICチップなどの記憶媒体にインク容量、インク残量、製造元などの情報を担持させ、これらの情報をインクジェットプリンターの側で読み出してインク切れの管理などを行っている。このようなインクジェットプリンターは特許文献1に開示されている。
【0003】
この種のインクジェットプリンターでは、カートリッジ装着部にインクカートリッジが装着されると、そこに搭載されている記憶媒体の接続端子面にプリンター側の接続端子が押し付けられて導通した状態が形成されるようになっている。押し付け力が弱いと、カートリッジ装着部に装着されたインクカートリッジのガタ付きなどに起因して接続不良が発生するので、十分な押し付け力でプリンター側の接続端子を記憶媒体の接続端子面に接触させておく必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−534312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、プリンター側の接続端子は固定した位置に配置されているので、インクカートリッジの装着時には、プリンター側の接続端子に対して、カートリッジ側の記憶媒体の接続端子面がインクカートリッジ装着方向に対して所定の押し付け力で押し付けられた状態で摺動して接触状態が形成される。このため、インクカートリッジが繰り返し着脱されると、プリンター側の接続端子およびカートリッジ側の接続端子面に摩耗が発生する。特に、接続端子面の側はICチップなどの表面に形成した金属箔から形成されているので摩耗すると導電性が劣化しやすい。
【0006】
また、インクカートリッジの着脱を繰り返すことにより、インクカートリッジにおける接続端子面の近傍の部位にプリンター側の接続端子が繰り返し当たり、接続端子面だけでなく、かかる部位にも摩耗あるいは傷が付きやすい。特に、インクを補充してインクカートリッジを繰り返し使用する場合には、このような摩耗、傷のためにリユースの回数が制限されてしまうので好ましくない。
【0007】
このような弊害を防止あるいは抑制するためには、プリンター側の接続端子とカートリッジ側の接続端子面の間の押し付け力(接点荷重)を小さくしておけばよい。しかし、かかる方法は、上述のように接続不良が発生しやすくなるので採用することが困難である。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、カートリッジ側の接続端子および装置側の接続端子等に液体カートリッジの装着時の摺動に起因する摩耗、傷などが付くことを防止あるいは抑制可能な液体カートリッジの装着構造を提案することにある。また、かかる新たな装着構造によってインクカートリッジが装着されるカートリッジ装着部を備えたインクジェットプリンターを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、液体カートリッジを、当該液体カートリッジを液体供給源とする液体消費装置のカートリッジ装着部に装着すると、前記液体カートリッジのカートリッジケースに搭載されているカートリッジ側接続端子に対して、前記カートリッジ装着部に配置されている装置側接続端子が前記液体カートリッジの装着方向に直交する方向から所定の押し付け力で接触した導通状態が形成される液体カートリッジの装着構造であって、
前記液体カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着され終わるまでの装着行程における途中において、前記液体カートリッジが前記装着方向に直交する方向に所定の遊びのある状態で係合可能なカートリッジ位置決め部材と、
前記液体カートリッジの前記装着行程の途中における前記遊びのある状態において、前記カートリッジ側接続端子に接触可能な位置に前記装置側接続端子を支持していると共に、前記液体カートリッジと一緒に前記装着方向に移動可能なスライド部材とを有し、
前記液体カートリッジと前記カートリッジ位置決め部材の間の前記遊びは、前記液体カートリッジが前記装着方向に押し込まれるに連れて漸減するように設定されており、
前記液体カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着され終わると、前記カートリッジ側接続端子が前記装置側接続端子に対して所定の押し付け力で接触した前記導通状態が形成されることを特徴としている。
【0010】
本発明の装着構造においては、装置側接続端子が液体カートリッジの装着方向に移動可能に配置されている。また、液体カートリッジを装着方向に直交する方向に遊び(ガタ付き)のある状態で装着されている時点で、カートリッジ側接続端子を装置側接続端子に接触させるようにしている。これらが接触する際の摺動時には、液体カートリッジには所定の遊びがあるので、これらの接続端子の間に働く押し付け力によって液体カートリッジが僅かに移動可能である。したがって、極めて弱い押し付け力で双方の接続端子が摺動して接触状態が形成され、摩耗、傷などが付くことがない。
【0011】
これらの接続端子が接触した後は、これらが一体となって液体カートリッジと共に装着方向に移動するので、これらの接続端子が相互に擦れて摩耗などが発生することがない。また、双方の接続端子が接触した後は、液体カートリッジの押し込みに伴って、液体カートリッジの遊びが漸減して液体カートリッジが装着方向に直交する方向に徐々に位置決めされる。この結果、双方の接続端子の間の押し付け力によって偏った位置にあった液体カートリッジがカートリッジ位置決め部材によって偏りが無くなり、これに伴って、双方の接続端子が押し付けられて、これらの間の押し付け力が増加し、液体カートリッジを装着し終えた時点では確実な接続状態を形成することができる。このように押し付け力(接点荷重)が増加しても、双方の接続端子の間に相対移動が発生しないので摩耗、傷などが発生することがない。
【0012】
ここで、カートリッジ位置決め部材によって液体カートリッジの位置決めを確実に行うためには、前記カートリッジ位置決め部材を、前記液体カートリッジが装着され終わる前の装着位置において前記遊びの無い状態で前記液体カートリッジに係合させるようにすればよい。
【0013】
また、カートリッジ位置決め部材としては、前記カートリッジ装着部において前記装着方向に沿って当該装着方向とは逆方向に直線状に延びている棒状の位置決め部材を用いることができる。この場合には、前記カートリッジケースにおける前記装着方向に向いているケース端面に、前記カートリッジ位置決め部材に対峙する部位に、当該カートリッジ位置決め部材を受入れ可能な位置決め孔を形成しておき、位置決め孔にカートリッジ側位置決め部材を係合させるようにすればよい。また、前記カートリッジ位置決め部材と前記位置決め孔の間の遊びが、前記液体カートリッジが前記装着方向に押し込まれるに連れて漸減するように、前記カートリッジ位置決め部材および前記位置決め孔を設定しておけばよい。例えば、カートリッジ位置決め部材を一定の外径の円柱とし、位置決め孔の内径を漸減させるようにすればよい。
【0014】
製造上の観点(製造容易性、製造コストなど)からは、前記カートリッジ位置決め部材を円形断面の位置決め部材とし、当該カートリッジ位置決め部材を、その軸線方向の先端側から後端に向かって、所定長さの尖塔状頭部と、外径が軸線方向に沿って漸増している所定長さのテーパー状部分と、当該テーパー状部分の最大外径と同一の外径の所定長さの円柱状部分とが形成された形状とすることが望ましい。この場合には、前記位置決め孔を前記円柱状部分の外径に対応する内径の円形孔とすればよい。また、前記位置決め孔に前記尖塔状頭部あるいは前記テーパー状部分における前記尖塔状頭部の側の部分が挿入された段階で、前記カートリッジ側接続端子が前記装置側接続端子に接触した状態が形成され、前記位置決め孔に前記テーパー状部分が挿入されるに連れて、前記カートリッジ側接続端子と前記装置側接続端子の間の押し付け力が漸増するように、位置決め部材の長さ、その各部の長さを設定しておけばよい。
【0015】
本発明の液体カートリッジの装着構造は、インクカートリッジをインク供給源とするインクジェットプリンターに用いることができる。
【0016】
また、この場合のインクジェットプリンターは、上記構成の液体カートリッジの装着構造により、前記インクカートリッジが着脱可能に装着されるカートリッジ装着部を備えており、当該カートリッジ装着部は、前記カートリッジ位置決め部材と、前記装置側接続端子と、前記スライド部材とを備えた構成とされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の液体カートリッジの装着構造においては、液体カートリッジを液体カートリッジに装着する際に、液体カートリッジに遊びのある段階でカートリッジ側接続端子を装置側接続端子に摺動接触させるようにしている。よって、これらの間の摩擦力は小さいので、摺動部分に摩耗、傷が発生することを防止あるいは抑制できる。また、双方の接続端子が接触した後は、これらを一緒に移動させながらこれらの間の押しつけ力を増加させるようにしているので、これらが相対的に摺動して摩耗することがなく、しかも、液体カートリッジを装着し終えた段階では十分な押し付け力で双方の接続端子が接触した状態が形成される。よって、本発明によれば、液体カートリッジおよびカートリッジ装着部に摩耗、傷を付けることなく、双方の接続端子を確実に接触させた状態を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用したインクジェットプリンターの一例を示す外観斜視図である。
【図2】図1のインクジェットプリンターの内部構造を示す斜視図である。
【図3】インクカートリッジの前側斜視図、後側斜視図、部分斜視図、部分断面図である。
【図4】インクカートリッジの分解斜視図である。
【図5】カートリッジ装着部を示す説明図およびコネクタを示す説明図である。
【図6】インクカートリッジ装着部の装着途中、装着後の状態を示す説明図である。
【図7】ロック機構の斜視図および平面図、並びに係合突起の部分側面図である。
【図8】インクカートリッジの装着構造とその動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態であるインクカートリッジをインク供給源として用いるインクジェットプリンターについて説明する。
【0020】
(インクジェットプリンター)
図1はインクジェットプリンターの外観斜視図である。インクジェットプリンター1は、複数種類のカラーインクを用いてロール紙から繰り出される長尺状の記録紙にカラー印刷を行うものであり、全体として直方体形状をしたプリンターケース2を備え、このプリンターケース2の前面中央部分にはロール紙装着用の開口部3が形成されている。開口部3には、上端に記録紙排出ガイド4が取り付けられた開閉蓋5が開閉可能に取り付けられている。記録紙排出ガイド4とプリンターケース2の開口部3の上縁部分との間に記録紙排出口6が形成されている。不図示のロックを解除して、記録紙排出ガイド4に指を掛けて手前に引くと開閉蓋5を図示の閉じ位置から、下端を中心として前方に倒れた開き位置まで開けることができる。
【0021】
プリンターケース2の前面における開閉蓋5の右側部分には電源スイッチ7a、紙送りスイッチ7b、複数個の動作状態表示ランプ7cなどが配列されている。プリンターケース2の前面における開閉蓋5の左側部分には、プリンター前後方向に延びる縦長の長方形断面のカートリッジ装着部8の装着口8aが開口しており、このカートリッジ装着部8にインクカートリッジ20が装着されている。
【0022】
図2はインクジェットプリンター1におけるプリンターケース2で覆われているプリンター機構部10を示す概略斜視図である。プリンター機構部10における中央部分にはロール紙収納部11が形成されており、開閉蓋5を開けると、このロール紙収納部11が前方に開口し、ロール紙の交換などを行うことができる。ロール紙収納部11の上側には、プリンター幅方向にプラテン12が架け渡されており、このプラテン12の上側には、インクジェットヘッド13が搭載されたキャリッジ14が配置されている。キャリッジ14はプリンター幅方向にプラテン12と平行に架け渡したキャリッジガイド軸15に沿ってプリンター幅方向に往復移動可能である。
【0023】
キャリッジ14には各カラーインクのインクポンプ、たとえば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のインクのそれぞれを貯留するインクポンプ16a〜16dが搭載されており、各インクポンプ16a〜16dには可撓性インクチューブ17a〜17dの一端がそれぞれに接続されている。可撓性インクチューブ17a〜17dの他端はカートリッジ装着部8の後端側の部位に配置されている上下方向に延びる4本のインク供給路(図示せず)のそれぞれに接続されている。インク供給路のそれぞれはカートリッジ装着部8に装着されているインクカートリッジ20の側に連通している。
【0024】
プラテン12の右側に外れた部位には、ヘッドメンテナンスユニット19が配置されており、キャリッジ14に搭載されているインクジェットヘッド13は、当該ヘッドメンテナンスユニット19に対峙した図2に示すホームポジションにおいて、印刷に関与しないインク液滴の吐出動作、各インクノズルからのインク吸引動作などのメンテナンス動作が行われる。インクジェットヘッド13から排出された廃インク液はヘッドメンテナンスユニット19から不図示の廃インク液回収路を経由して、カートリッジ装着部8に装着されているインクカートリッジ20の側に回収される。ヘッドメンテナンスユニット19には廃インク液をインクカートリッジ20に向けて送り出すためのポンプ、例えばチューブポンプが備わっている。
【0025】
(インクカートリッジの全体構成)
図3(a)はインクカートリッジ20を、カートリッジ装着部8に対する装着方向の後ろ側から見た場合の後側斜視図であり、図3(b)はインクカートリッジ20を装着方向の前側から見た場合の前側斜視図である。また、図3(c)はインクカートリッジ20の装着方向の前面側の上端部分を示す部分斜視図であり、図3(d)はその部分断面図である。
【0026】
インクカートリッジ20は、カートリッジ装着部8に対する装着方向に長い扁平な直方体形状をしたカートリッジケース21を備えている。カートリッジケース21の内部には、後述するように(図4参照)、装着方向に直交する幅方向の一方の側にインク収納部45が形成され、他方の側に廃インク収納部46が形成されており、インク収納部45には複数のインク袋、本例ではシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4種類のインク袋54〜57が収納されている。
【0027】
カートリッジケース21における装着方向の前端面22は長方形をしており、ここには、複数個の孔が形成されている。本例では、前端面22の幅方向(短辺方向)の一方の側に、上側から順に、位置決め針差し込み孔23(位置決め孔)と、収納されているインク袋に対応する数、本例では4個のインク供給針差し込み孔24〜27と、回り止め針差し込み孔28とが形成されている。幅方向(短辺方向)の他方の側には、その上端側の部位には廃インク回収針差し込み孔29が形成され、その下端側の部位には大気開放針差し込み孔30が形成されている。
【0028】
カートリッジケース21の上端面31における装着方向の後側の部分には、略半分の幅で上方に突出した長方形の突出面32が形成されている。この突出面32からカートリッジケース21の一方の側面33に掛けて、インクカートリッジ情報が印刷された長方形のラベル34が貼り付けられている。
【0029】
カートリッジケース21の上端面31における装着方向の前端部には一段低い凹部35が形成されている。図3(c)、(d)から良く分かるように、上端面31における装着方向の前端部は、両側の側壁部分35a、35bの上端面が後方に向けて上方に傾斜した傾斜端面となっている。これらの側壁部分35a、35bと、これらの間に形成した前後方向に水平に延びると底面35cによって凹部35が形成されている。この凹部35における底面35cには、その前端の角部分35dから僅かに後退した位置から矩形の窪みが形成され、そこに、インクカートリッジ情報が書き込まれたICチップ36が取り付けられている。ICチップ36の上面には、所定幅でインクカートリッジ8の前後方向(装着方向)に延びている金属箔からなる複数の接続用端子面36a(カートリッジ側接続端子)が形成されている。
【0030】
一方、カートリッジケース21の側面33の下側の装着方向の前端角部分は、幅方向に窪んだ矩形状凹部37が形成されており、この矩形状凹部37の下端側にはインクカートリッジ20を装着位置にロックするための楔状の係合突起38が横方に突出している。インクカートリッジ20のロック機構については図6、図7を参照して後述する。
【0031】
(インクカートリッジの内部構造)
図4はインクカートリッジ20の内部構造の一例を示す分解斜視図である。この図を参照して説明すると、インクカートリッジ20のカートリッジケース21は、ケース本体40と、このケース本体40に対して両側から取り付けられる蓋板41および蓋板42とから構成されている。ケース本体40は、矩形の仕切り板部分43と、この仕切り板部分43の外周縁を取り囲む状態に一体形成されている矩形の外周枠板部分44とを備えている。ケース本体40の仕切り板部分43および外周枠板部分44と、一方の蓋板41とによってインク収納部45が区画形成されており、他方の蓋板42の側には廃インク収納部46が形成されている。蓋板41の外側の側面にはラベル41aが貼り付けられており、蓋板42の外側の側面にもラベル42aが貼り付けられている。
【0032】
インク収納部45には、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのインクが貯留されている4種類のインク袋54〜57が収納されている。各インク袋54〜57のインク供給口54a〜57aは、外周枠板部分44における前端面22に形成されているインク供給針差し込み孔24〜27に同軸状態に固定されている。各インク供給口54a〜57は同一構成であり、円環状のシールゴムによって規定されており、このシールゴムの後側には常閉弁機構が配置されている。
【0033】
インク供給口57aについて説明すると、当該インク供給口57aは、円環状のシールゴム57bと、このシールゴム57bを保持している円筒枠57cと、シールゴム57bの後側に配置されている円盤状の弁体57dと、この弁体57dをシールゴム57bの後端面に押し付けているばね部材57eとを備えており、インク供給口57aは常時は封鎖されている。また、ゴムシール57bが円筒枠57cから外れないようにキャップ57fが円筒枠57cに取り付けられている。
【0034】
廃インク収納部46においては、蓋板42の前端縁の上端側に、廃インク回収針差し込み孔29に同軸状態に固定される廃インク回収口65が形成され、その下端側の部位には大気開放針差し込み孔30に同軸状態に固定される大気開放口が形成されている。これらの構造は、インク供給口57aと同様である。
【0035】
(カートリッジ装着部)
次に、図5(a)はインクジェットプリンター1のカートリッジ装着部8の内部構造を示す説明図であり、図5(b)はICチップ36の接続用端子面36aに接触可能なコネクタの部分を示す説明図である。また、図6は、図5とは反対側から見た場合のカートリッジ装着部8およびインクカートリジ20を示す説明図であり、(a)は装着途中の状態を示し、(b)は装着され終わった状態を示してある。
【0036】
これらの図を参照して説明すると、カートリッジ装着部8の後端面81からは、複数本の差し込み針がプリンター前方に向けてインクカートリッジ20の装着方向Aに沿って当該装着方向とは逆方向に平行に突出している。本例では、後端面81における幅方向の一方の側に、上側から順に、位置決め針83、4本のインク供給針84〜87、および回り止め針88が配置されている。幅方向の他方の側には、その上端側の部位に廃インク回収針89が配置され、その下端側の部位には大気開放針90が配置されている。上下の端の位置決め針83および回り止め針88は、インク供給針84〜87、廃インク回収針89、および大気開放針90よりも長い針である。また、回り止め針88と、これが差し込まれるインクカートリッジ20の側の回り止め針差し込み孔28との間には、十分に遊びができるように、これらの形状が設定されている。
【0037】
カートリッジ装着部8の後端面81に対して装着口8aに所定距離だけ離れた位置には、装着方向Aに直交する上下方向に延びるスライド板91が配置されている。スライド板91は、カートリッジ装着部8の上下の面を規定しているスライドガイド8b、8cに案内されて装着方向Aに沿った方向にスライド可能である。スライド板91には、位置決め針83、4本のインク供給針84〜87、回り止め針88、廃インク回収針89および大気開放針90に対峙する部分に、それぞれ、針挿通孔が形成されている。図6(a)においては上下の端の針挿通孔91a、91bのみを表示してある。いずれの針挿通孔も対応する針が十分な遊びのある状態で差し込み可能な大きさに設定されている。
【0038】
スライド板91の下端部と、下側のスライドガイド8cにおける装着口8aの側の部位との間には、図6(a)に示すように、装着方向Aに沿って引張りコイルバネ93が架け渡されている。インクカートリッジ20が装着されていない状態では、図5(a)に示すように、スライド板91は後端面81から予め定めた距離だけ装着口8aの側に離れた位置にある。この位置においては、スライド板91の上下の端の針挿通孔91a、91bにのみ、後側から位置決め針83および回り止め針88の先端部分が差し通され、残りの針挿通孔には針が差し込まれていない状態となっている。
【0039】
インクカートリッジ20をカートリッジ装着部8に装着するすると、その装着行程の途中において、インクカートリッジ20の前端面22がスライド板91に係合する。図6(a)はこの状態を示してある。この後は、スライド板91がインクカートリッジ20と一緒にプリンター後方側(装着方向A)に押し込まれる。スライド板91が装着方向Aに押し込まれると、引張りコイルばね93が伸びて、スライド板91を装着方向Aとは逆方向(プリンタ前方)に押し出す方向のばね力が当該スライド板91に作用する。
【0040】
ここで、スライド板91の上端部には、インクカートリッジ20のICチップ36の接続用端子面36aに接触可能なコネクタ70が搭載されている。このコネクタ70の下面には、図5(b)に示すように、導電性の線状バネ部材を下側に突出する状態に山形に折り曲げることにより形成した複数本のプリンター側接続端子71が配置されている。プリンター側接続端子71の本数および位置は、ICチップ36の側の接続用端子面36aの個数および位置に対応している。各プリンター側接続端子71の先端部71aは、装着されるインクカートリッジ20のICチップ36の接続用端子面36aよりも一段低い高さ位置まで突出している。
【0041】
したがって、インクカートリッジ20をスライド板91に当たるまで挿入すると、プリンター側接続端子71の先端部71aは、カートリッジケース21の前端面22の上端の角部分35dに当たり、上方に撓まされながら、これを乗り超えてICチップ36の表面から接続用端子面36aに沿って摺動して、当該接続用端子面36aに接触した状態が形成される。この状態では、プリンター側接続端子71の撓み量に応じた押し付け力で当該プリンター側接続端子71が接続用端子面36aに沿って摺動して押し付けられた状態が形成される。この後は、接触状態のまま、インクカートリッジ20が最後まで挿入されて、図6(b)に示す装着状態になる。
【0042】
(インクカートリッジのロック機構)
次に、図7(a)〜(c)は、インクカートリッジ20をカートリッジ装着部8に装着された状態にロックするためのロック機構を示す部分斜視図、部分側面図およびインクカートリッジ側の係合突起38の部分を示す部分側面図である。
【0043】
図6、図7を参照して説明すると、スライド板91に係合した状態のインクカートリッジ20を押し込むと、インクカートリッジ20の前端面22の下側の角部分の矩形状凹部37から横方に突出しているロック用の係合突起38の傾斜上面38aに、カートリッジ装着部8の後端部の横方に配置されているロック機構の係合用ローラー94が乗り上げる。係合用ローラー94は回動板95の前端に取り付けられており、回動板95は、引張りコイルばね96によってプリンター幅方向に延びる後端支軸97を中心として下方に付勢されている。
【0044】
インクカートリッジ20の押し込み力によって、係合突起38の傾斜上面38aによって係合用ローラー94がばね力に逆らって徐々に押し上げられながら、インクカートリッジ20が押し込まれる。インクカートリッジ20が完全に押し込まれると、係合用ローラー94が係合突起38の傾斜上面38aを乗り越えて、その前側垂直面38bの前側に落ち込む。これにより、インクカートリッジ20が装着状態にロックされる(図6(b)、図7(a)参照)。
【0045】
回動板95は駆動機構、例えば電磁ソレノイド98の伸縮ロッド98aに連結されており、電磁ソレノイド98を励磁すると、伸縮ロッド98aが上方に引き込まれて、係合用ローラー94が係合突起38の前側垂直面38bから外れて上方に移動する。この結果、引張りコイルばね93のばね力によってスライド板91が前方に押し出され、そこに乗っているインクカートリッジ20も一緒に前方に押し出される。これにより、インクカートリッジ20をカートリッジ装着部8の装着口8aから前方に取り外すことができる。電磁ソレノイド98は、たとえば、インクカートリッジ20のインクが無くなった場合に励磁される。これにより、インクカートリッジ20のロックが解除され、インクカートリッジ20がプリンター前方に所定量押し出されて取り出し可能な状態になる。
【0046】
(コネクタとICチップの接続状態の形成)
次に、インクカートリッジ20とカートリッジ装着部8においては、ICチップ36の接続用端子面36a、カートリッジケース21の角部分35dなどに、摩耗、傷が発生することなく、接続用端子面36aをプリンター側接続端子71に接触させることができる構造となっている。
【0047】
図8はかかる構造を説明するための説明図である。この図を中心に説明すると、カートリッジ装着部8に配置されている位置決め針83は先細りの円柱状位置決め針である。すなわち、その軸線方向の先端側から後端に向かって、所定長さの尖塔状頭部83aと、外径が軸線方向に沿って漸増している所定長さのテーパー状部分83bと、テーパー状部分83bの最大外径と同一の外径の所定長さの円柱状部分83cとが形成された形状となっている。
【0048】
これに対して、インクカートリッジ20の側の位置決め孔23は、位置決め針83の根元側の円柱状部分83cが丁度嵌り込む内径の円形孔である。したがって、位置決め孔23に位置決め針83の尖塔状頭部83aが差し込まれた状態では、これらの間に大きな遊びができる。また、位置決め孔23に位置決め針83のテーパー状部分83bが差し込まれると、差込量が増加するに連れてこれらの間の遊びが漸減する。すなわち、装着方向Aに直交する方向(インクカートリッジの上下方向および左右方向)に、インクカートリッジ20は僅かに移動可能であり、位置決め針83の差込量が増加するとインクカートリッジ20は、位置決め針83によって上下、左右方向に徐々に位置決めされる。位置決め針83の円柱状部分83cが差し込まれると、これらの間に遊びが無くなり、インクカートリッジ20の位置決め状態が形成される。
【0049】
本例では、カートリッジ装着部8にインクカートリッジ20を装着する行程において、位置決め針83の尖塔状頭部83aあるいはテーパー状部分83bの先端側の部分がインクカートリッジ20の位置決め孔23に差し込まれた状態で、プリンター側接続端子71の先端部71aに、インクカートリッジ20の側の上面前端の角部分35dが当たるようになっている(図8の時点T1)。この後は、インクカートリッジ20を押し込むと、プリンター側接続端子71の先端部71aが角部分35dによって上方に押されて撓められながら、角部分35dを乗り越えて後側のICチップ36の上面に至る。
【0050】
ここで、インクカートリッジ20の位置決め孔23には、上下に十分な遊びのある状態で位置決め針83のテーパー状部分83bの先端側の部分が差し込まれた状態にある。よって、プリンター側接続端子71aのバネ力によってインクカートリッジ20が下方に押されて全体として僅かに下方に移動した状態で装着方向に押し込まれる。この結果、プリンター側接続端子71の押しつけ力が緩和された状態で当該プリンター側接続端子71の先端部71aがICチップ36の上面から接続用端子面36aに沿って摺動する。これらの間の摺動は、インクカートリッジ20がスライド板91に当たるまで続く(図8の時点T1〜T2)。しかし、この摺動時には、プリンター側接続端子71と接続用端子面36aとの間の押し付け力f(接点荷重)は図8の曲線Cで示すように小さいので、角部分35d、接続用端子面36aが摩耗し、あるいは傷が付くなどの弊害は起きない。
【0051】
インクカートリッジ20がスライド板91に当たった後、すなわち、図8の時点T2の後(図6(a)の状態が形成された後)は、インクカートリッジ20はスライド板91と一緒にスライド板91を押しながら装着される。したがって、この状態では、プリンター側接続端子71と接続用端子面36aは相対的に移動することなく接触状態が維持される。この押し込みの間においては、位置決め針23のテーパー状部分83bが徐々に位置決め孔23に差し込まれていくので、これらの間の遊びが漸減していき、インクカートリッジ20の上下、左右の位置決めが行われる。また、インクカートリッジ20が位置決め針23によって下側に偏位していた状態から徐々に上側に押し上げられるので、プリンター側接続端子71に対して接続用端子面36aが徐々に接近してこれらの間の押し付け力fが漸増する(図8の時点T2〜T3の間)。
【0052】
この後は、位置決め針83の円柱状部分83cが位置決め孔23に差し込まれた状態になると、これらの間の遊びが無くなり、インクカートリッジ20が位置決めされた状態で押し込まれる。また、プリンター側接続端子71と接続用端子面36aの間の押し付け力fも、これらの間の接続状態を確保するために必要な押し付け力f1になる(図8の時点T3以降)。この後は、スライド板91がカートリッジ装着部8の後端面81に当たるまでインクカートリッジ20が挿入され、インクカートリッジ20の装着が完了する(図8の時点T4、図6(b)の状態)。
【0053】
なお、インクカートリッジ20の装着時における各部の動作を以下に纏めて説明する。インクカートリッジ20をカートリッジ装着部8に差し込むと、まず、図6(a)に示すように、位置決め針83および回り止め針88が、それぞれ、インクカートリッジ20の後端面22に形成されている位置決め針差し込み孔23および回り止め針差し込み孔28に差し込まれる。また、上述したように、ICチップ36の接続用端子面36aに、コネクタ70の接続端子71の先端部71aが摺動して、これらの間が接触した状態になる。
【0054】
インクカートリッジ20はスライド板91に当たった後は、スライド板91を押しながら挿入される。また、位置決め針83、回り止め針88によって位置決めされながらインクカートリッジ20がカートリッジ装着部8に差し込まれていく。この後は、インク供給針84〜87、廃インク回収針89、大気開放針90のそれぞれが、インク供給針差し込み孔24〜27、廃インク回収針差し込み孔29、大気開放針差し込み孔30に差し込まれていく。
【0055】
図6(b)に示すように、インクカートリッジ20が完全に差し込まれると、図6(b)、図7(a)に示すようにインクカートリッジ20が装着位置にロックされ、インク供給針84〜87、廃インク回収針89、大気開放針90のそれぞれによって、インク供給針差し込み孔34〜37、廃インク回収針差し込み孔29、大気開放針差し込み孔30を封鎖している常閉弁機構が開き、インクカートリッジ20の各インク袋54〜57から各インク供給針84〜87を経由してインクジェットヘッド13の側に各カラーインクを供給するインク供給経路が形成される。同時に、ヘッドメンテナンスユニット19の側から廃インク回収針89を介してインクカートリッジ20の廃インク回収室62に至る廃インク回収経路が形成される。また、インクカートリッジ20の廃インク回収室62が大気開放針90によって大気開放状態になる。
【0056】
次に、インクカートリッジ20を取り出す場合にはロック機構を解除する。ロック機構が解除されると、スライド板91を装着口8aの側に引張っている引張りコイルバネ93のバネ力によって、スライド板91と一緒にインクカートリッジ20が装着口8aの側に向けて押し出される。この結果、インクカートリッジ20の後端部分が装着口8aから押し出された状態になるので、インクカートリッジ20の取り外し操作を簡単に行うことができる。
【0057】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態においては、カートリッジケース20の位置決めとして、カートリッジケース21の側に位置決め針差し込み孔23および回り止め針差し込み孔28を形成しているが、カートリッジケース21の側に、位置決め針、回り止め針を取り付け、カートリッジ装着部8の側に位置決め針差し込み孔、回り止め針差し込み孔を設けることもできる。
【0058】
上記の実施の形態では、インクカートリッジ20の位置決めのために、位置決め針差し込み孔23および回り止め針差し込み孔28と、位置決め針および回り止め針とを用いている。位置決め機構としては、針と、その差し込み孔を用いる代わりに、針以外の形状の凸部と、当該凸部に係合可能な凹部(窪み、溝、孔)を用いることができる。例えば、回り止め針差し込み孔を下端面側が開口している溝とすることができる。
【0059】
上記の実施の形態では、位置決め針の側の外径を変えて、位置決め孔との間の遊びを漸減させるようにしているが、位置決め孔を長孔として、その内径を変えて遊びを漸減させるようにすることも可能である。
【0060】
上記の実施の形態ではインクカートリッジ20が直方体形状のものであるが、インクカートリッジ20の形状としては直方体以外の形状のものであってもよい。
【0061】
上記の実施の形態では、インクカートリッジ20はインク収納部と廃インク収納部が備わっているが、インク収納部のみ、あるいは廃インク収納部のみが備わっている液体容器であっても本発明を適用することが可能である。
【0062】
上記の実施の形態では、本発明の液体カートリッジの装着構造をインクジェットプリンターのインク供給源として用いるインクカートリッジに適用した例について説明してきたが、本発明は、これ以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材吐出ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物吐出ヘッド等の液体を使用する液体消費装置にも適用できる。すなわち、液体カートリッジと、これが装着される液体消費装置のカートリッジ装着部との間に、本発明による装着構造を用いることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 インクジェットプリンター、2 プリンターケース、3 開口部、4 記録紙排出ガイド、5 開閉蓋、6 記録紙排出口、7a 電源スイッチ、7b 紙送りスイッチ、7c 動作状態表示ランプ、8 インクカートリッジ装着部、8a 装着口、8b,8c スライドガイド、10 プリンター機構部、11 ロール紙収納部、12 プラテン、13 インクジェットヘッド、14 キャリッジ、15 キャリッジガイド軸、16a〜16d インクポンプ、17a〜17d インクチューブ、19 ヘッドメンテナンスユニット、20 インクカートリッジ、21 カートリッジケース、22 前端面、23 位置決め針差し込み孔、24〜27 インク供給針差し込み孔、28 回り止め針差し込み孔、29 廃インク回収針差し込み孔、30 大気開放針差し込み孔、31 上端面、32 突出面、33 側面、34 ラベル、35 凹部、35a、35b 側壁部分、35c 底面、35d 角部分、36 ICチップ、36a 接続用端子面、37 矩形状凹部、38 係合突起、38a 傾斜上面、38b 前側垂直面、40 ケース本体、41、42 蓋板、41a,42a ラベル、43 仕切り板部分、44 外周枠板部分、45 インク収納部、46 廃インク収納部、47 フィルム、54〜57 インク袋、54a〜57a インク供給口、65 廃インク回収口、66 大気開放口、81 後端面、83 位置決め針、83a 尖塔状頭部、83b テーパー状部分、83c 円柱状部分、84〜87 インク供給針、88 回り止め針、89 廃インク回収針、90 大気開放針、91 スライド板、93 引張りコイルばね、94 係合用ローラー、95 回動板、96 引張りコイルばね、97 後端支軸、98 電磁ソレノイド、98a 伸縮ロッド、A 装着方法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体カートリッジを、当該液体カートリッジを液体供給源とする液体消費装置のカートリッジ装着部に装着すると、前記液体カートリッジのカートリッジケースに搭載されているカートリッジ側接続端子に対して、前記カートリッジ装着部に配置されている装置側接続端子が前記液体カートリッジの装着方向に直交する方向から所定の押し付け力で接触した導通状態が形成される液体カートリッジの装着構造であって、
前記液体カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着され終わるまでの装着行程における途中において、前記液体カートリッジが前記装着方向に直交する方向に所定の遊びのある状態で係合可能なカートリッジ位置決め部材と、
前記液体カートリッジの前記装着行程の途中における前記遊びのある状態において、前記カートリッジ側接続端子に接触可能な位置に前記装置側接続端子を支持していると共に、前記液体カートリッジと一緒に前記装着方向に移動可能なスライド部材とを有し、
前記液体カートリッジと前記カートリッジ位置決め部材の間の前記遊びは、前記液体カートリッジが前記装着方向に押し込まれるに連れて漸減するように設定されており、
前記液体カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着され終わると、前記カートリッジ側接続端子が前記装置側接続端子に対して所定の押し付け力で接触した前記導通状態が形成されることを特徴とする液体カートリッジの装着構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記カートリッジ位置決め部材は、前記液体カートリッジが装着される終わる前の装着位置において前記遊びの無い状態で前記液体カートリッジに係合することを特徴とする液体カートリッジの装着構造。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記カートリッジ位置決め部材は、前記カートリッジ装着部において前記装着方向に沿って当該装着方向とは逆方向に直線状に延びている棒状の位置決め部材であり、
前記カートリッジケースにおける前記装着方向に向いているケース端面には、前記カートリッジ位置決め部材に対峙する部位に、当該カートリッジ位置決め部材を受入れ可能な位置決め孔が形成されており、
前記カートリッジ位置決め部材と前記位置決め孔の間の遊びが、前記液体カートリッジが前記装着方向に押し込まれるに連れて漸減するように、前記カートリッジ位置決め部材および前記位置決め孔が設定されていることを特徴とする液体カートリッジの装着構造。
【請求項4】
請求項3において、
前記カートリッジ位置決め部材は円形断面の位置決め部材であり、
当該カートリッジ位置決め部材には、その軸線方向の先端側から後端に向かって、所定長さの尖塔状頭部と、外径が軸線方向に沿って漸増している所定長さのテーパー状部分と、当該テーパー状部分の最大外径と同一の外径の所定長さの円柱状部分とが形成されており、
前記位置決め孔は前記円柱状部分の外径に対応する内径の円形孔であり、
前記位置決め孔に前記尖塔状頭部あるいは前記テーパー状部分における前記尖塔状頭部の側の部分が挿入された段階で、前記カートリッジ側接続端子が前記装置側接続端子に接触した状態になり、
前記位置決め孔に前記テーパー状部分が挿入されるに連れて、前記カートリッジ側接続端子と前記装置側接続端子の間の押し付け力が漸増することを特徴とする液体カートリッジの装着構造。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記液体消費装置はインクジェットプリンターであり、
前記液体カートリッジは前記インクジェットプリンターに用いるインクが貯留されているインクカートリッジであることを特徴とする液体カートリッジの装着構造。
【請求項6】
インクカートリッジをインク供給源として用いるインクジェットプリンターであって、
請求項5に記載の液体カートリッジの装着構造により、前記インクカートリッジが着脱可能に装着されるカートリッジ装着部を備えており、当該カートリッジ装着部は、
前記カートリッジ位置決め部材と、
前記装置側接続端子と、
前記スライド部材とを有していることを特徴とするインクジェットプリンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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