説明

液体クロマトグラフ装置、および液体クロマトグラフ装置の管理方法

【課題】試薬容器内の試薬の残量や廃液容器の空き容量を正確に把握し、分析条件に基づいて試薬の使用量や廃液の発生量を予測し、試薬の不足や廃液容器のオーバーフローを警告することで、分析の中断を防止できる液体クロマトグラフ装置、および液体クロマトグラフ装置の管理方法を提供する。
【解決手段】液体クロマトグラフ装置は、試薬容器や廃液容器に複数のRFIDタグを設けて容器内の液量を検知し、分析対象の検体数およびひとつの検体あたりの試薬の使用量から試薬の総使用量と廃液の発生量を予測し、試薬容器の試薬が不足する場合は不足するメッセージを表示装置へ表示させ、廃液容器がオーバーフローする場合は、オーバーフローするメッセージを表示装置へ表示させる構成を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフ装置、およびその管理方法に係り、特に、液体クロマトグラフ装置で使用される試薬や、発生する廃液の管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフ装置は、分析対象試料を分離カラムで分離させ、分離した成分を検出して成分分析を行う装置である。分析対象試料が特定されていない汎用の液体クロマトグラフ装置では、分析対象試料の希釈工程,反応工程,カラム平衡化などを含むコンディショニング工程,分析工程,流路洗浄工程などの複数の工程の設定を、ユーザーが予め詳細に行わなければならない。また、分析対象試料が変わると、それに合わせた工程の設定をユーザーが再び行わなければならない。特に、多種類の試料を連続的に分析するときに消費される多種類の試薬の量が、各試薬容器中の残液量で足りるかどうかという判断は、クロマトグラムに関する知識を持ったユーザーでないと困難である。
【0003】
一方、アミノ酸などの特定の試料を繰り返し分析する場合には、分析条件を変更する必要がないので、分析工程については自動化が容易である。自動化された液体クロマトグラフ装置の例として、アミノ酸分析装置,グリコヘモグロビン分析装置などが知られている。しかし、自動化がすすめられているアミノ酸分析装置においても、分析対象試料を分離カラムへ送液する溶離液や、試料の分離した成分と反応する反応試薬の消費量,残量,廃液を入れる容器の空き容量といった試薬容器や廃液容器の管理については、自動化が困難であり、ユーザーが容器を目視で確認しているのが現状である。目視での確認では、人為的ミスを完全に排除できないため、分析中に試薬が不足したり廃液がオーバーフローしてしまうといった可能性が残る。
【0004】
これに対して、液体クロマトグラフ装置において、試薬容器の重量を測定して試薬の液量を求め、消費量を予測して、試薬の補充を警告する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、容器中の液の有無を、RFID(Radio Frequency Identification)タグなどの無線ICタグを用いて検知する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。容器の重量を計測して液量を求める手法では、液の比重を考慮しなければならず、ユーザーは、試薬が変わる毎にその比重を計算式に入力しなければならないという手間が残る。また、無線ICタグを用いることで容器中の液の有無を検知できるが、量までは検知できておらず、試薬の管理に用いることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−040811号公報
【特許文献2】特開2006−290402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、試薬容器内の試薬の残量や廃液容器の空き容量を正確に把握し、分析条件に基づいて試薬の使用量や廃液の発生量を予測し、試薬の不足や廃液容器のオーバーフローを警告することで、分析の中断を防止できる液体クロマトグラフ装置、および液体クロマトグラフ装置の管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る液体クロマトグラフ装置は、試薬容器や廃液容器に複数のRFIDタグを設けて容器内の液量を検知し、分析対象の検体数およびひとつの検体あたりの試薬の使用量から試薬の総使用量と廃液の発生量を予測し、試薬容器の試薬が不足する場合は不足するメッセージを表示装置へ表示させ、廃液容器がオーバーフローする場合は、オーバーフローするメッセージを表示装置へ表示させる構成を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、試薬容器内の試薬の残量や廃液容器の空き容量を正確に把握し、分析条件に基づいて試薬の使用量や廃液の発生量を予測し、試薬の不足や廃液容器のオーバーフローを警告することで、分析の中断を防止できる液体クロマトグラフ装置、および液体クロマトグラフ装置の管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】液体クロマトグラフ装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】分析工程を表すフローチャートである。
【図3】溶離液容器の溶離液の量を検知するシステムの概要を表す構成図である。
【図4】情報解析部で実行される試薬残量管理の処理を示すフローチャートである。
【図5】ディスプレイに表示される画面の一例を示す画面図である。
【図6】ディスプレイに表示される画面の一例を示す画面図である。
【図7】ディスプレイに表示される画面の一例を示す画面図である。
【図8】流量プログラムの編集の画面を示す画面図である。
【図9】試薬の消費量を予測する計算式と、その結果を表示した画面図である。
【図10】検知された現在の試薬残量から予想試薬消費量を減じた値を表示する画面の一例を示す画面図である。
【図11】図10で「液を追加・廃棄する」のボタンを指示すると表示されるメッセージ画面図である。
【図12】メッセージ画面の一例を示す画面図である。
【図13】廃液容器の液量を検知するシステムの概要を表す構成図である。
【図14】情報解析部における廃液量計測処理を示すフローチャートである。
【図15】図10で「液を追加・廃棄する」のボタンを指示すると表示されるメッセージ画面図である。
【図16】メッセージ画面の一例を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明に係る実施例を説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、液体クロマトグラフ装置の概略構成を示す構成図である。装置の主要部は、試料を分離カラム11へ運搬する溶離液を送液する溶離液ポンプ1、溶離液へ試料を注入するオートサンプラ9、試料をその成分に分離する分離カラム11、成分を化学反応させて検出するために、反応試薬を送液する反応試薬ポンプ2、成分が反応試薬と化学反応する反応カラム13、成分を検出する可視検出器14、構成要素を制御する制御部15である。
【0012】
アミノ酸分析装置を例として、以下、本発明の具体的な実施例を説明する。アミノ酸分析装置とは、たん白加水分解物アミノ酸,血清,尿などの生体液に含まれるアミノ酸組成を自動的に定量,定性分析することを可能とする装置である。
【0013】
溶離液は、バルブが設けられた複数の溶離液容器3に入れられており、制御部15からの指令によりバルブの開閉が制御されることで、どの溶離液容器3を使用するかが決定される。また、溶離液容器3と同じように再生液容器5が設置されており、再生液容器5のバルブのみを開け、再生液を溶離液ポンプ1で送液し、オートサンプラ9で試料を注入しないようにして、分離カラム11や配管の洗浄を行う。
【0014】
反応試薬は、アミノ酸分析の場合、バルブが設けられた複数の反応試薬容器6に反応試薬ニンヒドリンが入れられており、制御部15でバルブの開閉が制御されることで、どの反応試薬容器6を使用するかが決定される。また、反応試薬容器6と同じように反応系洗浄液容器7が設置されており、反応系洗浄液容器7のバルブのみを開け、反応系洗浄液を反応試薬ポンプ2で送液し、反応カラム13や配管の洗浄を行う。アミノ酸分析装置の場合、洗浄液には、反応系流路の洗浄用の蒸留水、または5%エタノール水溶液が使用される。
【0015】
分離カラム11における試料の成分の分離を恒温で行わせるために、分離カラム11は分離カラム恒温装置10内に設置されている。反応カラム13についても、環境温度等の反応条件を調整するために、反応装置12内に設置されている。カラム温度は、分析内容に応じて予め設定されたタイムプログラムにより決定され、制御部15からの指令により制御される。
【0016】
溶離液容器3,再生液容器5,反応試薬容器6,反応系洗浄液容器7には窒素ガス容器4が接続され、接続配管内で窒素ガスが加圧されている。いずれかの容器のバルブが開くと、窒素ガスによって容器内部の溶離液や試薬がポンプに送られ、溶離液ポンプ1や反応試薬ポンプ2によりカラムへ送液される。溶離液ポンプ1や反応試薬ポンプ2の吐出側には、図示しない圧力センサと流量センサが設けられ、それぞれの測定値は、制御部15に送られる。
【0017】
分析対象試料がアミノ酸の場合には、溶離液に含まれるアンモニアがアミノ酸の成分の検出を阻害する。そこで、溶離液ポンプ1の直後にアンモニアフィルタカラム8を設けて、溶離液に含まれるアンモニアを除去するようにしている。
【0018】
分離カラム11の直前にあるオートサンプラ9には、複数の分析対象試料がセットされ、予め決定された時間ごとに分析対象試料が自動的に溶離液中に注入される。溶離液とともに分離カラム11へ送られた試料は、分離カラム11で各成分に分離展開され、時間差を伴って溶出される。その後、反応試薬ポンプ2により送液される反応試薬と混合され、反応装置12で加熱されて反応する。
【0019】
反応により発色したアミノ酸は、色素ルーエマンパープルの色になり、順次、可視検出器14に送られ、570nm,440nmの波長で比色され、可視検出器14で検出された可視吸光度が制御部15に送信され、図示しないディスプレイに表示されたり、印刷されたりして、ユーザーに分析結果を知らせる。可視検出器14を通過した試料成分は、廃液容器16へ排出される。
【0020】
図2は、分析工程を表すフローチャートである。ユーザーがアミノ酸分析装置の電源を投入すると(ステップ201)、条件設定工程(1)が実行され、サンプルテーブルの作成と登録が行われる(ステップ202)。ユーザーは、制御部15の入出力装置を用いて、記憶部に予め設定された分析条件を選択し、検体数を設定し、連続分析を実行するための情報をテーブル化したサンプルテーブルを作成し、記憶部に記憶させる。
【0021】
次に、装置確認工程(2)が実行される。はじめに、試薬の残量が確認される。従来の装置では、ユーザーが試薬容器を目視して試薬の残量を確認していたが、本発明では、後述の方法で自動的に確認される。そして、制御部15の記憶部に登録されたサンプルテーブルの分析条件、及び検体数から、制御部15のプロセッサは、試薬の消費量を自動的に計算し、現在の試薬の残量から減算し、予測試薬残量を算出し、この予測試薬残量がゼロを下回るかどうかを判断する(ステップ203)。
【0022】
予測試薬残量がゼロを下回る場合、あるいはゼロの場合には、試薬の補充あるいは試薬容器の交換を促す「試薬残量警告」を表示させる(ステップ204)。「試薬残量警告」が表示された場合、ユーザーは試薬容器を新品に交換するか、或いは、試薬を補充する作業を行う。
【0023】
次に、廃液容器16の廃液量が確認される。従来の装置では、ユーザーが廃液容器を目視して廃液量を確認していたが、本発明では、後述の方法で自動的に確認される。制御部15のプロセッサは、計算した試薬の消費量から、予測廃液量を自動計算し、現在の廃液量にこれを加算して予測廃液量を算出し、廃液容器の容量と比較する(ステップ205)。この予測廃液量が廃液容器の容量と同じ場合、あるいは超える場合は、オーバーフローしてしまうので、廃液を捨てることを促す「廃液量警告」を表示させる(ステップ206)。「廃液量警告」が表示された場合、ユーザーは廃液容器内の廃液を捨てる作業を行う。
【0024】
次に、制御部15は、消耗部品のチェックを行う(ステップ207)。具体的には、ポンプ配管のシールなどの定期的交換が必要な部品を交換したときに、ユーザーが制御部15に登録し、制御部はその後、検体数を加算していくことで、部品の使用頻度を管理するようにする。分析開始時にステップ202で、ユーザーが検体数を登録するので、制御部15は、前回までの使用頻度に登録された検体数を加算して、予測使用回数を算出する。部品の使用限界が制御部15の記憶部に予め設定してあるので、使用限界と予測使用回数とを比較し、同じ場合または超える場合は、部品の交換を促す「交換部品警告」を表示させる。「交換部品警告」が表示された場合、ユーザーは指定部品を交換する。
【0025】
次に、アミノ酸分析装置は準備工程(3)を実行する。窒素ガス容器4の窒素ガスを用いてバブリング処理を行い(ステップ208)、溶離液ポンプ1に再生液を流してプランジャの洗浄を行うとともに、反応試薬ポンプ2に反応系洗浄液を流してプランジャの洗浄を行い(ステップ209)、再生液でオートサンプラ9を洗浄する(ステップ210)。また、溶離液ポンプ1と反応試薬ポンプ2の前処理としてポンプパージ処理を行い(ステップ211)、ポンプ流量を徐々に上げていくウォーミングアップを実施する(ステップ212)。そして、分離カラム11や反応カラム13の再生処理を行い(ステップ231)、分析工程(4)に移る。
【0026】
分析工程(4)では、はじめに、分析が完了した検体数とサンプルテーブルに登録された登録検体数とを比較し(ステップ214)、一致していなければ分析を行い(ステップ215)、一致したら分析を終了する。
【0027】
全ての検体の分析が終了すると、洗浄工程(5)を実行する。洗浄工程(5)では、分離カラム11,反応カラム13の洗浄を自動的に行い(ステップ216)、予め定められた時間後に溶離液ポンプ1と反応試薬ポンプ2を停止させる(ステップ217)。
【0028】
図3は、溶離液容器3の溶離液等の量を検知するシステムの概要を表す構成図である。図3に示すシステムを、アミノ酸分析装置や液体クロマトグラフ装置に新たに設けることにより、「試薬残量警告」及び「廃液量警告」を行うことができる。試薬としては、溶離液の他に反応試薬があるが、図3では、溶離液の場合を一例として説明している。
【0029】
容器31内の試薬量を監視するセンサとして、前述の特許文献2に記載された無線ICタグの一種であるRFID(Radio Frequency Identification)タグを利用する。本発明の実施例では、単に容器中の液の有無を検知するだけではなく、複数のRFIDを用いて容器中の液量を検知するようにしている。容器31の外表面の、液面が増減する方向に沿って、試薬量の検知の目的に応じた間隔で複数のRFIDタグ30a,30b,・・・,30jを取り付ける。最も下方のRFIDタグ30jには、残液量がゼロに近いという情報を予め格納しておく。
【0030】
容器31の試薬を介して反対側に、RFIDタグと無線通信をして情報を読み取るリードライト装置32を設置する。RFIDタグの電波は、液体中を通過できない2.45ギガヘルツの高周波帯を用いているため、液体がある部分は通過できず、液体がない部分は通過できる。従って、例えば、RFIDタグ30aからRFIDタグ30cまでは電波が通過するが、RFIDタグ30dからRFIDタグ30jまでは電波が通過できない場合、RFIDタグ30cとRFIDタグ30dの間に液面があることがわかる。
【0031】
リードライト装置32で検知したRFIDタグ30aからRFIDタグ30cまでの情報は、制御部15の通信制御部33へ送られ、情報解析部34で容器31内の試薬量が計算されて、試薬の残量の管理に使用される。また、この試薬量は演算部35へ送られ、記憶部39に保存される。
【0032】
RFIDタグは、リードライト装置32との通信時に電波を返すだけでなく、容器31のID,試薬名,通信した日時を格納する機能を有しているので、リードライト装置32と通信した日時が格納され、当該容器31を装置から取り外しても、次回に使用するときに、前回の使用日時をRFIDタグから読み取ることができる。この機能を利用して、当該容器を別のアミノ酸分析装置で使用しても、別のアミノ酸分析装置が残液量を正確に把握することができるので、容器単位での残液量の管理を容易に行うことができる。図3の例では、試薬を例にとって説明したが、反応試薬容器6や廃液容器16についても、同様のシステムにて残量管理を行うことができる。
【0033】
図3の例では、RFIDタグ30jが最も低い位置のRFIDタグであり、リードライト装置32がRFIDタグ30jを検知すると、RFIDタグ30jに格納された液の残量がゼロに近いという情報が読み取られる。液の残量がゼロに近いという情報を、リードライト装置32から通信制御部33を介して情報解析部34が受け取ると、情報解析部34は、液の残量がゼロに近いという情報を、通信日時、容器31のID、試薬名とともに、制御部15の演算部35へ送信する。演算部35は入出力部36を介してディスプレイ37へ、予めプログラミングされたフォーマットの画像で、容器31の試薬の液の残量がゼロに近いというメッセージを表示させる。液の残量がゼロに近いというメッセージを見たユーザーは、パーソナルコンピュータのマウスやキーボード等の入力装置38から確認したことを示す信号を入力する。
【0034】
図3に示した容器31の最も低い位置のRFIDタグ30jをリードライト装置32が検知したときには、残量がゼロに近いので、これ以上の分析は行えないということになる。分析時には、前述したように、どのくらいの試薬を使用するか、前もって計算できるので、図3に示した容器31に取り付けられた複数のRFIDタグ30a,30b,・・・30jのうちのどのRFIDタグと通信したかによってわかる試薬の残量から、試薬使用量の予測値を除算することによって、別の試薬容器の準備が必要かどうかがわかる。このように、容器31に取り付けられた複数のRFIDタグにより、容器31の残量を管理することにより、どのくらいの試薬を準備しなければならないかがわかるので、分析中の試薬不足による分析の中断を避けることができる。
【0035】
図1に示した廃液容器16は、通常、容量の大きな容器が1個しか準備されておらず、RFIDタグを廃液容器16に設けた場合は、廃液量が増えていくので、オーバーフローしないように監視する必要がある。詳細は後述する。
【0036】
図4は、情報解析部34で実行される試薬残量管理の処理を示すフローチャートである。図3に示したような容器31に取り付けられた全てのRFIDタグへ電波を送信し、それぞれのRFIDタグに格納された情報の読み取りを行う(ステップ401)。容器31が試薬容器の場合には、容器31の最上部のRFIDタグ30aから順に下方へ読み取る。そして、個々のRFIDタグについて、電波の送信に対して返信があったかどうかを確認し(ステップ402)、返信があったRFIDタグと返信がなかったRFIDタグとの間に試薬の液面があると判断し、試薬量を算出する(ステップ403)。
【0037】
全てのRFIDタグを読み取らずに、返信がなくなったときのRFIDタグで読み取りを中止すれば、試薬があるところのRFIDタグを読み取る時間を省略することができる。しかし、例えば、RFIDタグ30aからRFIDタグ30cまで返信があり、RFIDタグ30dで返信がなく、RFIDタグ30eでまた返信があった場合、RFIDタグ30dで読み取りをやめてしまうと、RFIDタグ30dが故障で返信できなかった場合には、残量を誤って認識してしまうことになる。したがって、全てのRFIDタグと通信を行うことで、RFIDタグの故障による誤認識を防止するようにしている。
【0038】
図5は、ディスプレイ37に表示される画面の一例を示す画面図であり、試薬や廃液管理のスタート画面になる。画面50には、試薬,廃液管理の画面が表示され、領域51には分析結果が表示され、領域52にはアミノ酸分析装置のシステムの状態が表示され、領域53には指示ボタンが表示されている。「試薬消費量計算」のボタン54をマウスやキーボード等の入力装置38で指示すると、液量管理の情報を表示する画面が表示される。「サンプル情報編集」のボタン55を指示すると、後述する図7のサンプル情報編集画面が表示される。
【0039】
図6は、ディスプレイ37に表示される画面の一例を示す画面図である。画面60は、液量管理の情報を表示する画面であり、溶離液容器6個の各残量がB1からB6の表示窓に、反応試薬容器3個の各残量がR1からR3の表示窓に、洗浄液容器の残量が洗浄液の表示窓に、廃液容器に溜まった量が廃液の表示窓に表示されている。この表示により、ユーザーは、現在の各容器内の液量を知ることができる。「閉じる」のボタン61を指示すると、図5に示す画面50に戻る。「サンプル情報編集」のボタン62を指示すると、サンプル情報編集画面が表示される。
【0040】
図7は、ディスプレイ37に表示される画面の一例を示す画面図であり、サンプル情報編集画面の例を示す。サンプル情報編集画面では、連続分析を実行するときの試料の情報がテーブル形式で表示されている。画面70には、7種類の試料に対して連続分析を実行するときに、ユーザーが分析内容を指定するときのサンプルテーブル71が表示されている。
【0041】
サンプルテーブル71には、分析の順番が縦に並べられ、各分析の内容がデフォールト表示、または、入力できるようになっている。図7の例では、試料を入れた容器すなわちバイアルが7個有り、予め準備された希釈液への1回の注入当りの量,希釈液への注入の回数,試料の種別,希釈液での希釈倍率,試料の名称,各試料ごとに定められた分析条件を定めたファイル名が表示されている。種別には、図7に「STD」と記載された標準試料と、「UNK」と記載された成分が未知の分析対象試料とがある。これらの項目の入力の他に、新たな行を挿入したり、行を削除したりすることが可能である。サンプルテーブル71の内容は、ユーザーが全てを入力する必要はなく、検体数や分析法など最小限の特定情報を入力すると、制御部15がサンプルテーブルを自動的に作成する。ユーザーは自動生成したサンプルテーブルの確認および編集が可能である。
【0042】
記憶部39には、試薬の使用量を予測するための流量プログラムが格納されており、サンプルテーブル71で設定された分析条件に基づいて、試薬の使用量が予測計算される。流量プログラムで用いられるデータを、ユーザーが確認または書き換える場合、図7の「流量プログラムの編集」のボタン72を指示すると、流量プログラムの編集の画面が表示される。
【0043】
図8は、流量プログラムの編集の画面を示す画面図であり、ひとつの分析における流量プログラムで使用されるデータの一例を表す画面である。データの内容は、図8(a)で示すように、左から経過時間を示す「TIME」、流量に対する溶離液の混合比率「%B」、経過時間における流量「FLOW1」等である。図8(b)に示す画面80に表示されたデータテーブル81の一例では、流量に対する反応試薬の比率「%R」と、これに対応する流量も表示されている。データテーブル81に格納されたデータにしたがって、制御部15は、流量,流量に対する溶離液の比率,流量に対する反応試薬の比率を制御する。
【0044】
図9は、溶離液または反応試薬などの試薬の消費量を予測する計算式と、その結果を表示した画面図である。「i」は1からnまでであり、t0が分析開始時刻、tnが分析終了時刻になる。「j」はバイアルの番号を示す。計算式は、試薬Bjについての消費量Vjを求めるもので、tiは経過時間、Bは試料の試薬に対する混合比率、Fはポンプで送液される流量である。
【0045】
この計算式に、図8で示したデータをあてはめて計算した一例を、図9(b)に示す。予想試薬消費量が画面90に表示されている。図7のサンプルテーブルで設定された分析工程のおける複数回の注入分析指定から分析工程終了までの予想試薬消費量は、一注入分析あたりの試薬消費量を合計した値になる。図の例では、溶離液B2と反応試薬R2が「20ml」であり、他よりも多いことがわかる。また、廃液量は「110ml」になることがわかる。画面90中の「計算」ボタン91を指示すると、現在の試薬量から計算して容器内の試薬量がどうなるかを示す画面が表示される。
【0046】
図10は、検知された現在の試薬残量から予想試薬消費量を減じた値を表示する画面の一例を示す画面図である。廃液については現在の量に予想量を加えた値になる。図10に示す画面100には、B1の溶離液が「−150ml」と表示され、150ミリリットル不足することを示している。また、R1の反応試薬についても「−150ml」と表示され、150ミリリットル不足することを示している。サンプラ洗浄液は「50ml」なので、50ミリリットル残ることがわかる。廃液は具体的な数字ではなく「9999ml」と表示され、オーバーフローすることを示している。ここでは、オーバーフローと表示させてもよいし、具体的にどのくらいの量がオーバーフローするのかを表示させてもよい。また、現在の試薬残量と比較して予想試薬消費量が現試薬量より多い場合には、マイナス表示だけでなく、ユーザーが一目で分かるように、その試薬の予想試薬消費量の表示を例えば赤文字としたり、画面に同時に表示されている試薬容器のイメージについても、該当する容器を例えば赤色で表示するなど、警告を表す表示をすることにより、容器の交換を促す効果を得ることができる。
【0047】
また、試薬が不足すると予想されたにもかかわらず分析を開始することを防止するために、画面100には、「液を追加・廃棄する」ボタン101と、「総サンプル数を減らす」ボタン102が表示され、次の工程がどちらかしか選択できないようにしている。
【0048】
図11は、図10で、「液を追加・廃棄する」ボタン101を指示すると表示されるメッセージ画面図である。画面110に表示されたメッセージにより、何をどれくらい追加するかがわかるので、ユーザーはこのメッセージに従って、試薬を追加したり、容器を交換したりする。図の例では、250ミリリットルのB1の容器と、500ミリリットルのR1の容器を交換するように指示されている。
【0049】
ユーザーが保守作業終了後に「作業終了」ボタン111を指定すると、交換した容器内の試薬量が検知されるとともに、予想試薬消費量が算出され、図10に示した画面が新たな値で再表示される。現在の試薬残量が予想試薬消費量よりも大きくなると、次工程の分析工程に移ることができる。
【0050】
図10に示した画面で、ユーザーが「総サンプル数を減らす」ボタン102を指定すると、図7に示したサンプルテーブルが表示されるので、ユーザーはサンプルテーブルを編集してサンプル数を減らし、サンプルテーブルを保存することにより、再び容器の試薬量の検知と予想試薬消費量の算出が行われ、図9や図10に示した画面が表示される。
【0051】
図12は、メッセージ画面の一例を示す画面図である。図10に示した画面で、ユーザーが「総サンプル数を減らす」ボタン102を指定し、図7に示したサンプルテーブルを編集してサンプル数を減らし、サンプルテーブルを保存することで、再び容器の試薬量の検知と予想試薬消費量の算出が行われる。その結果、図9や図10に示した画面が表示される。
【0052】
現在の試薬残量が予想試薬消費量より大きくなるまで次工程は実行されない。また、図2に示した分析工程(4)中に、図7のサンプルテーブルの再編集が行われると、試薬容器の計測と予想試薬消費量の算出が行われ、その結果、現在の試薬残量が今後の予想試薬消費量より小さいと判断した場合は、図12に示す操作案内画面が表示され、分析工程を停止後に試薬保守作業を行うことを促す案内が表示されている。「閉じる」のボタンを指示すると、図5に示した試薬や廃液管理のスタート画面が表示される。
【0053】
次に、廃液量の管理を説明する。本発明におけるアミノ酸分析装置は、現在の廃液量を知らせるための廃液量計量装置、検体数及び一検体あたりの廃液量を入力できる入力装置と計算機能、ユーザーに対して警告を通知する出力機能を有する。
【0054】
図13は、容器131の液量を検知するシステムの概要を表す構成図である。図13に示すシステムを、アミノ酸分析装置や液体クロマトグラフ装置に新たに設けることにより、「廃液量警告」を行うことができる。
【0055】
廃液量計量装置は、容器の側面に目盛り代わりにRFIDタグ130aから130jを備えた容器131と、RFIDタグ130aから130jと無線通信でデ−タの読み書きを制御するリードライト装置132から構成されている。RFIDタグの個数は、容器容量により異なる。各々のRFIDタグ130aから130jには、そのタグの目盛り位置、通信日時情報が格納されている。制御部15には、この情報の読み込み及び書き込みを制御する通信制御部33が設けられており、リードライト装置132を介して全てのRFIDタグに対して電波を送信する。
【0056】
容器131は、通常、容量の大きな容器が1個しか準備されておらず、RFIDタグを容器131に設けた場合は、廃液量が増えていくので、オーバーフローしないように監視する必要がある。容器131にどのくらい廃液がたまっているかを複数のRFIDタグにより検知し、分析の実行によりどのくらいの廃液が生じるかを予測計算し、容器131の残りの容量でオーバーフローするかどうかを分析前に算出し、ディスプレイ37へメッセージを表示させる。予測計算の結果、容量が不足する場合には、分析前に新しい容器を準備しておくようにユーザーにメッセージを表示し、容器131から廃液がこぼれてしまうことを防止する。
【0057】
図13の例では、RFIDタグ130aが最も高い位置のRFIDタグであり、リードライト装置132がRFIDタグ130aを検知できなくなると、情報解析部34は、容器131の空き容量がゼロに近いと判断し、通信日時、容器131のIDを、制御部15の演算部35へ送信する。演算部35は入出力部36を介してディスプレイ37へ、予めプログラミングされたフォーマットの画像で、容器131の廃液量がオーバーフローに近いというメッセージを表示させる。廃液量がオーバーフローに近いというメッセージを見たユーザーは、パーソナルコンピュータのマウスやキーボード等の入力装置38から確認したことを示す信号を入力する。
【0058】
図13に示した容器131の最も高い位置のRFIDタグ130aをリードライト装置32が検知しなくなったときには、空き容量がゼロに近いので、これ以上の分析は行えないということになる。分析時には、図8に示した流量プログラムから廃液量を計算できるので、図13に示した容器131に取り付けられた複数のRFIDタグ130a,130b,・・・130jのうちのどのRFIDタグと通信したかによってわかる廃液の量と廃液の発生量の予測値とを足すことによって、別の廃液容器の準備が必要かどうかがわかる。このように、容器131に取り付けられた複数のRFIDタグにより、容器131の廃液量を管理することにより、分析中の廃液のオーバーフローによる分析の中断を避けることができる。
【0059】
図14は、情報解析部における廃液量計測処理を示すフローチャートである。はじめに、全てのRFIDタグと通信を行い、情報を取得する(ステップ1401)。容器131の側面に付いている最上部のRFIDタグ130aから順に通信結果をチェックする(ステップ1402)。通信可能なRFIDタグの位置には廃液が存在せず、通信不可能なRFIDタグの位置には廃液が存在することになる。通信可能,通信不可能の境目を検知することで、現在の廃液容器内の廃液量を知ることができる(ステップ1403)。
【0060】
通常は、廃液は増加していくので、どのRFIDタグが通信可能かを監視し、記憶部39に廃液の量を格納することによって、廃液の量を管理することができる。もし、容器131の廃液の量が、前回の情報と比較して減少していた場合には、ユーザーによって廃液が処分されていたということを示すので、記憶部39に格納された廃液量を書き換える。
【0061】
図15は、図10で「液を追加・廃棄する」のボタンを指示すると表示されるメッセージ画面図であり、廃液がオーバーフローに近いときに画面150に示すメッセージが表示される。ユーザーは案内に従って容器中の廃液を処分し、空の容器を取り付ける保守作業を実行し、「作業終了」のボタン151を指示することにより、再び廃液容器の廃液量計測と予想総廃液量の算出が行われる。現在の廃液量と予想総廃液量の和が廃液容器の許容量より小さくなるまで、次の工程は実行されない。図11に示した溶離液や試薬の不足もある場合は、図11に示すメッセージと図15に示すメッセージが同時に表示される。
【0062】
図16は、メッセージ画面の一例を示す画面図である。図10に示した画面で、ユーザーが「総サンプル数を減らす」ボタン102を指定し、図7に示したサンプルテーブルを編集してサンプル数を減らし、サンプルテーブルを保存することで、再び廃液量の検知と廃液の予想量の算出が行われる。その結果、図15に示した画面が表示される。現在の廃液容器の空き容量が予想量より大きくならないと、次の工程は実行されない。また、図2に示した分析工程(4)中に、図7のサンプルテーブルの再編集が行われると、廃液量の計測と予想廃液量の算出が行われ、その結果、現在の廃液容器の空き容量が今後の予想廃液量より小さいと判断した場合は、図16に示す操作案内画面が表示され、分析工程を停止後に廃液処分の保守作業を促す案内が表示される。「閉じる」のボタンを指示すると、図5に示した試薬や廃液管理のスタート画面が表示される。
【0063】
上述の本発明の実施例の液体クロマトグラフ装置は、複数のRFIDタグを備えた容器のRFIDタグと通信をするRFIDタグのリードライト装置を備え、RFIDタグと通信することによって、液量を知り、試薬の種類を読み取るとともに、読み取った日時をRFIDタグへ書き込む機能を備える。
【0064】
また、分析条件として、検体数、一検体あたりの試薬使用量をユーザーが予め入力する入力装置と、分析の実行により必要な試薬量、発生する廃液量を予測計算する演算部を有する制御部と、分析前後の試薬量や廃液量またはオーバーフローの有無をユーザーに対して通知する出力装置を備える。
【0065】
以上述べたように、本発明の実施例によれば、試薬容器および廃液容器内の液量をユーザーが目視することなく正確に把握でき、管理することができる。そして、分析による試薬の使用量や発生する廃液量を予測して、試薬の補充や廃液の処分の必要性をユーザーに促すメッセージがディスプレイに表示される。その結果、試薬不足や廃液のオーバーフローによるアミノ酸分析装置や液体クロマトグラフ装置の分析の中断を防止することができ、適切なときに試薬の補充や廃液処理が可能になるので、効率のよいアミノ酸分析装置や液体クロマトグラフ装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 溶離液ポンプ
2 反応試薬ポンプ
3 溶離液容器
4 窒素ガス容器
5 再生液容器
6 反応試薬容器
7 反応系洗浄液容器
8 アンモニアフィルタカラム
9 オートサンプラ
10 分離カラム恒温装置
11 分離カラム
12 反応装置
13 反応カラム
14 可視検出器
15 制御部
16 廃液容器
31 容器
32,132 リードライト装置
33 通信制御部
34 情報解析部
35 演算部
36 入出力部
37 ディスプレイ
38 入力装置
39 記憶部
131 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を分離カラムで成分に分離し、分離した成分を検出する液体クロマトグラフ装置において、
前記検体を送液または反応させる試薬を収納する試薬容器や、成分検出後の廃液を収納する廃液容器に複数のRFIDタグを設けて容器内の液量を検知するリードライト装置と、
前記検体の数およびひとつの検体あたりの前記試薬の使用量から、前記試薬の総使用量と前記廃液の発生量を予測し、試薬容器の試薬が不足する場合は不足するメッセージを表示装置へ表示させ、廃液容器がオーバーフローする場合は、オーバーフローするメッセージを表示装置へ表示させる演算部とを備えることを特徴とする液体クロマトグラフ装置。
【請求項2】
複数のRFIDタグを備えた溶離液容器の該RFIDタグと通信するリードライト装置と、
前記RFIDタグとの通信により、前記溶離液容器内の溶離液の量と種類を読み取るとともに、読み取った日時をRFIDタグへ書き込む情報解析部と、
前記溶離液に注入された分析対象である試料を成分に分離する分離カラムと、
該分離カラムで分離された前記試料の成分を検出する検出部と、
前記試料の種類および前記溶離液の種類に基づいて該溶離液の使用量を予測し、前記溶離液容器内の溶離液の量と前記予測された使用量とから前記溶離液容器内の溶離液の残量を求め、該溶離液容器内の溶離液が不足する場合、不足することを表示装置へ表示させる演算部と
を備えたことを特徴とする液体クロマトグラフ装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記RFIDタグは、前記溶離液容器の外表面の前記溶離液の液面が増減する方向に沿って設けられていることを特徴とする液体クロマトグラフ装置。
【請求項4】
請求項2の記載において、複数のRFIDタグを備えた廃液容器の該RFIDタグと通信する第2のリードライト装置を備え、
前記情報解析部は、前記RFIDタグとの通信により、前記廃液容器内の廃液の量を読み取るとともに、読み取った日時をRFIDタグへ書き込み、
前記演算部は、前記試料の種類および前記溶離液の種類に基づいて前記廃液の発生量を予測し、前記廃液容器内の廃液の量と前記予測された発生量とから前記廃液容器内の廃液の量を求め、該廃液容器内の廃液がオーバーフローする場合、オーバーフローすることを表示装置へ表示させることを特徴とする液体クロマトグラフ装置。
【請求項5】
請求項4の記載において、前記RFIDタグは、前記廃液容器の外表面の前記廃液の液面が増減する方向に沿って設けられていることを特徴とする液体クロマトグラフ装置。
【請求項6】
請求項2の記載において、反応試薬が混入された前記溶離液中の試料を前記反応試薬と反応させる反応カラムと、
前記反応試薬が格納され、複数のRFIDタグを備えた容器の該RFIDタグと通信する第3のリードライト装置とを備え、
前記演算部は、前記試料の種類および前記反応試薬の種類に基づいて該反応試薬の使用量を予測し、前記容器内の反応試薬の量と前記演算部で予測された使用量とから前記容器内の反応試薬の残量を求め、該容器内の反応試薬が不足する場合、不足することを表示装置へ表示させることを特徴とする液体クロマトグラフ装置。
【請求項7】
請求項6の記載において、前記RFIDタグは、前記容器の外表面の前記反応試薬の液面が増減する方向に沿って設けられていることを特徴とする液体クロマトグラフ装置。
【請求項8】
請求項6の記載において、前記演算部は、前記試料の種類、前記溶離液の種類、および前記反応試薬の種類に基づいて前記廃液の発生量を予測し、前記廃液容器内の廃液の量と前記予測された発生量とから前記廃液容器内の廃液の量を求め、該廃液容器内の廃液がオーバーフローする場合、オーバーフローすることを表示装置へ表示させることを特徴とする液体クロマトグラフ装置。
【請求項9】
溶離液中に試料を注入して分離カラムで成分に分離し、検出部で該成分を検出する液体クロマトグラフ装置の管理方法であって、
前記溶離液を収納する溶離液容器の側面に設けられた複数のRFIDタグとの通信により前記溶離液の量を求め、
前記検出部での成分検出後の廃液を収納する廃液容器の側面に設けられた複数のRFIDタグとの通信により前記廃液の量を求め、
記憶部に予め設定された分析条件から選択された分析条件と、前記試料の種類と、検体数とから設定された連続分析を実行するための情報がテーブル化されたサンプルテーブルが作成され、記憶部に記憶され、
前記記憶部に記憶された前記サンプルテーブルに基づいて、前記溶離液の使用量および廃液の発生量を演算し、
前記溶離液容器に収納された溶離液の量と前記演算された溶離液の使用量とから前記溶離液容器に収納された溶離液の残量を求め、不足する場合は表示装置へ不足するメッセージを表示させ、
前記廃液容器に収納された廃液の量と前記演算された廃液の発生量とから前記廃液容器に収納された廃液の残量を求め、オーバーフローする場合は表示装置へオーバーフローするメッセージを表示させる
ことを特徴とする液体クロマトグラフ装置の管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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