説明

液体供給装置とそのシステム

【課題】貯留容器から液体を供給するに際し、実際に供給されている液体量を計測可能に、流量計を供え、その計測を貯留容器に接続される液体供給配管内に設けることで、貯留容器の交換を可能として、運用に十分な柔軟性を発揮し得る液体供給装置とそのシステムを提供する。
【解決手段】液体41を貯留する容器2に接続される液体供給配管と、この液体供給配管の内部に挿設され外部から送信される制御信号によって開閉する流量制御弁11と、前記液体供給配管内に挿設され前記液体供給配管内を流れる液体41の流量を測定する流量計12と、を備えるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲用水や清涼飲料水あるいは酒の量り売りに用いられる液体をはじめとして、液体を貯留した容器に接続してその液体を自動で供給するための液体供給装置とそのシステムに係り、特に、供給される液体の量を計測可能であってメンテナンスや盗難防止が容易な液体供給装置とそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲用水や清涼飲料水などの販売方法の最も一般的なものとして、自動販売機による販売がある。
現在では、缶やペットボトル入りのものを販売することが多いものの、紙製のカップを出して、その中に一定量のお茶や炭酸ガスを含む清涼飲料水、あるいはコーヒーなども販売することも多い。
この他、居酒屋やカウンターバーなどでは、酒類を樽や壜に貯留し、それをグラスに注いで客にもてなすところもある。
このように、飲料を容器に貯留して一定量を注いで供給するような装置などにおいては、手動でハンドルをひねることで弁を開いてグラスやカップに注いで一定量が溜まったことを確認し、再び手動でハンドルをひねって弁を閉止するタイプのものや、あるいは自動販売機では、コインの投入を確認してカップを落とし、一定時間経過するまで自動で弁を開き、飲料水などを注水してから、自動で弁を閉じるというタイプのものがある。
このほかにも、最近では電気ポットにおいても、スイッチの操作を行うことで、一定時間ポンプが駆動してお湯などを定量吐出させることができるものが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示される「電気ポット」は、押している状態で給湯を行う給湯スイッチの他に、給湯モード選択スイッチを備えており、この給湯モード選択スイッチを押すと、定量吐出させるか否か、定量吐出させる場合にその吐出量をいずれにするのかを選択可能となっている。この特許文献1に開示される発明について図7を参照しながら説明する。図7において、ポットは、容器本体61内に液体容器62を収容し、上方開口部を蓋体63で閉塞するようにしたもので、液体容器62の側方には、その外周面に沿って吐出管64が上下方向に配設されている。吐出管64にはポンプ65が接続されており、蓋体63の前方に配される操作パネル67に設けられた給湯スイッチ(図示せず)を押すと、ポンプ65が駆動し注水口66から液体容器62に貯留される温水が注入される。超音波センサ68は、超音波を液体容器62に貯留される液体の液面に向けて発信し、液面での反射波を受信して発信から受信までの時間差に基づいて水位を演算する。但し、吐出量の計測は、ポンプ65の駆動時間から演算されている。
このように構成される特許文献1に開示される発明においては、定量吐出と通常の手動による吐出という2つの給湯モードの選択が可能である。さらに、制御装置69を備えて、定量吐出の最中であっても強制的に吐出を停止させる機能を発揮させ、より安全性を高めている。
【0004】
特許文献2に開示される「電気ポット」においても、給水モータを、タイマーなどを併用して一定時間のみ駆動させる技術が開示されている。
このように特許文献1や特許文献2に開示される発明では、給水ポンプを一定時間駆動させることで供給する液体量を測定するものであるが、これは飲用水などは一度に供給する液体量が少なく、例えば、特許文献1においては、超音波センサによる液体容器62内の液体水位を測定可能としていても、液体の供給前後の水位差を用いて供給される液体量を得ることはその精度上望ましくないのである。従って、電気ポットなど少量の液体供給量を測定するのは、一定時間ポンプや給水モータを駆動させることが通常である。
ところが、このような技術では、給水時の温度の差による液体の粘性の差や容器内の液体残量の相違によるヘッド差、ポンプなどの経年劣化による供給精度に変化が生じることが考えられる。
【0005】
そこで、特許文献3においては、このような不具合を是正すべく、「電気ポット」を開示している。
特許文献3に開示される発明によれば、直流型電動給湯ポンプをパルス制御方式で駆動するパルス駆動手段を備えることによって、そのデューティー比の調整を可能とするものである。
このデューティー比を可変とする手段を備えて、パルス電圧のデューティー比を可変コントロールすることによって、電動給湯ポンプの単位時間当たりの吐出量を所定の吐出量に調節することが可能となっている。
【0006】
【特許文献1】特開平11−197018号公報
【特許文献2】特開平8−66311号公報
【特許文献3】特開2002−300968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1及び特許文献2に開示された発明においては、ポンプの駆動時間に応じて湯水などの液体の供給量を演算するが、例えば、ポンプのインペラなどが固着して物理的に回転できないような状況や回転数が減少してしまうような状況においても、通電状態となっている以上、液体の供給であると認識されてしまうため、液体の供給の精度が担保できない可能性があるという課題があった。
また、ポンプや給水モータが電気ポットに内蔵されているため、液体容器のみを交換することができず、液体容器の破損や、複数の液体容器を備えてそれぞれ異なる液体を貯留して保存しておき、そのうちいくつかを複数のポンプで供給するなど、複数の液体容器と複数のポンプを交換可能に共用するといった柔軟な運用を行うことができないという課題があった。
【0008】
また、特許文献3に開示される発明においては、給湯ポンプをパルス電圧により駆動するパルス駆動手段を備えて、パルス電圧のデューティー比を可変とすることで、単位時間の吐出量を所定の吐出量に調節可能であるものの、やはりインペラの物理的な固着や摩擦力増の場合には、電源側で調節したり信号を受信している限り、精度の低下は避けられないという課題があった。
さらに、特許文献1及び2と同様に、電気ポットに内蔵されていることから発生する運用上の課題もあった。
また、金銭を介して液体を自動供給しながら販売することができず、さらに、その際にシステム運用時に盗難を防止しながら安全に自動販売するという思想がなく、特許文献1乃至3に記載の発明をそのまま自動販売機のようなシステムに摘要することが困難であった。
【0009】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、貯留容器から液体を供給するに際し、実際に供給されている液体量を計測可能に、流量計を供え、その計測を貯留容器に接続される液体供給配管内に設けることで、貯留容器の交換を可能として、運用に十分な柔軟性を発揮し得る液体供給装置とこの液体供給装置の運用柔軟性から生ずる可能性の高い盗難を防止して安全に運用することが可能な液体供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に記載の液体供給装置は、上述の問題点を解決するために発明されたもので、液体を貯留する容器に接続される液体供給配管と、この液体供給配管の内部に挿設され外部から送信される制御信号によって開閉する流量制御弁と、前記液体供給配管内に挿設され前記液体供給配管内を流れる液体の流量を測定する流量計と、を備えるものである。
上記構成の液体供給装置において、流量制御弁は容器内に貯留された液体を供給可能に開動作する作用を有し、流量計は、その液体の流量を計測するという作用を有する。また、これらの流量制御弁及び流量計は、容器に接続される液体供給配管内に設けられるため、容器の容量や構造などに影響を受けず、独立にメンテナンスや修理を行うことができるという作用を有する。
【0011】
請求項2に記載された液体供給装置は、請求項1に記載された発明において、前記液体供給配管内にポンプを備えるものである。
このように構成される液体供給装置は、請求項1に記載の液体供給装置が容器内の液体による静圧に基づく吐出圧であったのに対し、ポンプによる吐出圧を加えることが可能であり、単位時間に供給可能な液体量を増加させる作用を有する。
【0012】
さらに請求項3に記載の液体供給装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記液体供給配管は着脱可能に前記容器に接続されるものである。
請求項3に記載される発明では、請求項1又は請求項2に記載の液体供給装置の作用に加えて、液体供給配管を他の同容器に接続することで、液体供給配管の交換も可能とし、液体供給装置の運用の柔軟性を発揮するという作用を有する。
【0013】
請求項4に記載の液体供給システムは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体供給装置と、金銭を受け入れる金銭収受部と、この金銭収受部に金銭が投入された場合に、前記流量制御弁に開動作の制御信号を送信する制御部とを備える制御盤と、を有するものである。
本液体供給システムは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体供給装置と、金銭収受部を備え、この金銭収受部に金銭が投入されたことを感知して、前記制御部が、開動作の制御信号を送信して流量制御弁が開動作するものである。
この請求項4に記載される発明は金銭収受部に金銭が投入された際に、流量制御弁を開くことで、容器に貯留された液体を自動で販売することを可能とするように作用する。
【0014】
請求項5に記載の液体供給システムは、請求項4に記載の液体供給システムにおいて、前記制御盤は、スタートスイッチを備え、前記金銭収受部が金銭の投入を感知し、かつ前記スタートスイッチがONとなった場合に、前記制御部が前記流量制御弁に開動作の制御信号を送信するものである。
この請求項5に記載される発明は、金銭収受部に金銭が投入された際に、すぐに流量制御弁を開くのではなく、別個のスタートスイッチのONとのand条件にて流量制御弁を開くように作用し、金銭投入と流量制御弁の開動作に時間を生じさせる作用を有する。
【0015】
請求項6に記載の液体供給システムは、液体を貯留する容器に接続される液体供給配管と、この液体供給配管の内部に挿設され外部から送信される制御信号によって開閉する流量制御弁と、前記液体供給配管内に挿設され前記液体供給配管内を流れる液体の流量を測定する流量計と、を備える液体供給装置であって、この液体供給装置を識別するための第1IDを格納する第1メモリ部を備えた液体供給装置と、
前記第1IDと一対に適合する第2IDを格納する第2メモリ部と、金銭を受け入れる金銭収受部と、前記第1IDを前記第1メモリから読み出して、前記第2メモリから読み出した前記第2IDと照合して適合した場合であって、前記金銭収受部に金銭が投入された場合に前記流量制御弁に開動作の制御信号を送信する制御部と、を備える制御盤と、を有するものである。
この請求項6に記載の発明では、液体供給装置側の第1IDと制御盤側の第2IDを照合して、適合した場合にのみ流量制御弁に開動作の制御信号を送信するので、いずれか一方のみが盗難被害にあった場合に、その後の使用ができないという作用を有する。また、今回の発明のような用途以外に転用できないという作用を有する。さらに、金銭収受部が、金銭を収受したことによって流量制御弁に開動作の制御信号を送信して、自動販売の作用を有する。
なお、第1IDと第2IDの適合とは、異なる2つのIDが関連性を備えて適合してもよいし、同一のIDが適合するようにしてもよい。
【0016】
請求項7に記載の液体供給システムは、請求項6に記載の液体供給システムにおいて、前記制御部は送信した前記流量制御弁開の制御信号の送信回数を計数して前記第2メモリに送信し、前記第2メモリは前記送信回数を格納するものである。
このように構成される請求項7に記載の発明においては、制御部が流量制御弁開の制御信号の送信回数を計数して第2メモリに格納することで、流量制御弁の開動作回数を記録する作用を有する。また、流量制御弁の作動頻度を検知する作用を有する。
【0017】
請求項8に記載の液体供給システムは、請求項7に記載の液体供給システムにおいて、前記第2メモリは予め許容送信回数を格納しておき、前記制御部は、前記送信回数が前記許容送信回数と同一となった場合に、流量制御弁の開動作の制御信号の送信を停止するものである。
このように構成される請求項8に記載の液体供給システムでは、許容送信回数を上限として制御信号の送信を停止することで、液体供給装置と制御盤が同時に盗難被害に遭った場合であっても、一定回数作動以上の作動をブロックする作用を有する。
【0018】
請求項9に記載の液体供給システムは 請求項8記載の液体供給システムにおいて、前記制御盤は、前記許容送信回数を設定し、前記設定された許容送信回数を前記第2メモリに格納可能な設定部を備えるものである。
このように構成される請求項9に記載の液体供給システムでは、設定部が許容送信回数を設定する作用を有する。
【0019】
請求項10に記載の液体供給システムは、請求項8又は請求項9に記載の液体供給システムにおいて、前記制御盤は、第2ID又は前記許容送信回数を格納した外部メモリを接続可能な外部メモリ接続部を備え、前記制御部は、前記外部メモリから前記第2ID又は前記許容送信回数を読み出し可能であることを特徴とするものである。
このように構成される請求項10に記載の液体供給システムでは、第2ID又は許容送信回数を格納した外部メモリを外部メモリ接続部に接続して、この外部メモリから読み出す作用を有する。
【0020】
請求項11に記載の液体供給システムは、請求項8又は請求項9に記載の液体供給システムにおいて、前記制御盤は、第2ID又は前記許容送信回数を受信可能な通信網に接続可能な送受信部を備え、前記制御部は、前記通信網から前記第2ID又は前記許容送信回数を読み出し可能であることを特徴とするものである。
このように構成される請求項11に記載の液体供給システムでは、送受信部が、通信網を通じて第2ID又は許容送信回数を読み出す作用を有する。
【0021】
請求項12に記載の液体供給システムは、請求項4乃至請求項11のいずれか1項に記載の液体供給システムにおいて、前記制御部は、前記容器に貯留される前記液体の温度が予め定められた温度よりも低下した場合又は外気温が予め定められた温度よりも低下した場合に、予め定められた時間間隔又は予め定められた流量で前記液体を供給可能に前記流量制御弁に開の制御信号を送信するものである。
このように構成される請求項12に記載の液体供給システムでは、液体温度の低下や外気温の低下による凍結を防止するために、液体を周期的に流出させるあるいは微量の液体を凍結しない程度に流出させる作用を有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の液体供給装置においては、液体を貯留する容器に接続される液体供給配内に挿設される流量計によって、注液される量を高い精度で測定することが可能である。また、流量計が液体供給配管内に設けられていることから、メンテナンスや故障に対する修理などを施す際に容器とは別個、独立に実施することが可能である。また、交換する場合においても、液体供給配管ごと交換すればよいし、容器が破損などした場合でも容器のみを交換することが可能であることから、廃棄物量を減らすことも可能で無駄がない。
さらに、計器を液体供給配管内に収納することによって容器内に突起物などが存在せず、接続される容器の洗浄が容易となる。また、液体供給装置全体をシンプルに構成することも可能である。
【0023】
特に、請求項2に記載された発明では、ポンプを備えることで吐出圧を増加させ、液体供給を付勢することが可能であり、注液時間を短縮することが可能である。
【0024】
また、特に請求項3に記載された発明では、液体供給配管を着脱可能に設けることで、他の同容器に接続することが可能となり、また、液体供給配管自体の交換も可能となる。これによって、複数の容器を備えてそれぞれ異なる液体を貯留して保存しておき、そのうちいくつかの液体を供給する際に、必要な容器に液体供給配管を装着するなどの利用が可能となる。また、容器の破損や液体供給配管及びその挿設物の故障などに対しても、別個に修理しながら、健全なものを適宜利用するといった柔軟な運用を行うことが可能である。特に、多数種の液体を取り扱うような場合には都合がよい。
【0025】
請求項4に記載された発明では、自動販売を実施することが可能である。
【0026】
請求項5に記載された発明では、自動販売を行う際に、液体供給配管から供給を受ける容器を利用者が用意する場合など金銭投入時に液体の供給を受ける準備が不完全の場合に、利用者が液体供給開始のタイミングを図ることが可能である。従って、不用意に液体がこぼれる心配もなく、液体供給システムの周囲が汚れる心配もない。
【0027】
請求項6に記載された発明では、自動販売を実施することが可能であり、また、液体供給装置か制御盤のいずれかが盗難にあったとしても動作することがないので、盗難防止効果を発揮させることができる。また、いずれか一方を独自に製作したもので代用しようとしてもできないので、正規の液体供給装置と制御盤の一対が必要となり、自動販売を管理する上で安全であるという効果を備えている。
【0028】
請求項7に記載の発明では、第2メモリをチェックすることで流量制御弁の作動回数を知ることができ、流量制御弁の寿命のチェックや故障頻度のチェックなどメンテナンス上必要な情報として管理することができるのと同時に、例えば自動販売機として使用した場合には、稼動状況や売上げなどの経営上必要な情報としても管理することができる。
【0029】
請求項8に記載の発明では、液体供給装置の作動回数をメンテナンスのために制限したい場合や、作動回数を条件にレンタルした場合などに、自動的に停止させることができる。また、液体供給装置と制御盤を同時に盗難された場合でも一定回数作動した後に停止することができるので、盗難防止にも利用できる。
【0030】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明の効果に加えて、許容送信回数を自在に設定することができる。
【0031】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は請求項9に記載の液体供給システムの効果に加えて、第2ID又は許容送信回数を格納した外部メモリを外部メモリ接続部に接続して、この外部メモリから読み出すことができる。
【0032】
請求項11に記載の発明では、請求項8又は請求項9に記載の液体供給システムの効果に加えて、送受信部から通信網を通じて第2ID又は許容送信回数を読み出すことができる。
【0033】
請求項12に記載の発明は、請求項4乃至請求項11のいずれか1項に記載の液体供給システムの効果に加えて、液体温度の低下による凍結を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に本発明の実施の形態に係る液体供給装置とそのシステムについて図1乃至図4を参照しながら説明する。本実施の形態に係る液体供給システム1は、特に、日本酒や洋酒など酒の量り売りを可能とする酒類自動販売機に利用されるものである。
図1(a)は本発明の実施の形態に係る液体供給システムの正面図であり、(b)は側面図である。
図1において、液体供給システム1には、貯留容器2に接続されている液体供給装置3と、その周囲にコインを投入することで作動させるための制御盤4が設けられている。
貯留容器2内には、液体として日本酒が貯留されている。
本実施の形態に係る液体供給システム1は、居酒屋や酒屋に設けられた角打ちカウンターなどに設置される酒の量り売りのための酒類自動販売機である。
貯留容器2には、例えば樽材に杉を用いた樽容器や陶磁器製のものが利用される。制御盤4は、コイン投入装置としても機能しており、上部にコイン挿入口5、下部にコイン返却口8が設けられている。利用者は、通電ランプ7が点灯していることを確認した後、コイン挿入口5から予め設置者によって定められた所定の額のコインを投入する。液体供給装置3の下方に升やグラスなどの容器を置いた後に、スタートボタン6を押して貯留容器2内の酒を容器に注ぐ。コイン挿入口5から投入されたコインが内部で適切に認知できなかった場合やコイン以外のものが投入された場合には、コイン返却口8から返却される。コインは、現実に流通する貨幣としてのコインでもよいし、例えば店舗が店内のみで流通させる専用のコインでもよい。
制御盤4には電源ケーブル10が接続されており、通電されている状態では通電ランプ7が点灯し、利用可能であることを利用者に知らしめる。
液体供給装置3の内部には、図2を参照しながら後述するが、電磁弁及び流量計が内蔵されており、これらと制御盤4との間で信号を授受するための信号ケーブル9a,9bが接続されている。
【0035】
次に、図2(a)乃至(c)をも参照しながら、液体供給装置3の内部についても説明を行う。図2(a)は、液体供給装置3の内部構造図、(b)は液体供給装置3の内部に挿設された電磁弁の構造図であり、(c)は同じく液体供給装置3の内部に挿設された流量計の構造図である。
液体供給装置3は利用者に違和感のないように、蛇口形状の液体供給装置3、すなわち、ハンドル21を備えて全体的に蛇口を模したデザインとなっており、貯留容器2に着脱可能に接続されるようにねじ込み部18及びフランジ22が設けられている。このねじ込み部18を貯留容器2内に挿通させ、フランジ22が貯留容器2の外面に当接するまでねじ込むことで、液体供給装置3が貯留容器2に設置される。ねじ込み部18には、ねじが切ってあり、これに螺合するように貯留容器2側にもねじが切ってある。貯留容器2との間で十分な摩擦力と密閉が担保されるのであれば、ねじを互いに螺設する必要はないが、液体供給装置3の抜け落ちなどの防止のためにはねじを切っておくことが望ましい。
液体供給装置3の貯留容器2側の端部には異物の混入を防止するためのストレーナ19が設けられている。このストレーナ19としては、例えばメッシュの細かな金網などが用いられる。
液体供給装置3の内部には上流側から流量計12と、これに接続されるように電磁弁11が設けられている。流量計12は、図2(c)に示されるように、ケーシング17の内部にインペラ16を備えた構成となっている。また、図示されないものの、このインペラ16は磁性体で構成されており、ケーシング17内に埋め込まれたセンサによって、インペラ16の回転に伴う電圧パルスを発生させ、この電圧パルスを計測することで、流量を計測するものである。
【0036】
電磁弁11は、弁体13をソレノイド14によってケーシング15内に挿脱することで機能するものである。電磁弁11の下流側の端部には供給配管20が接続されており、液体供給装置3内の流量計12、電磁弁11を介して、この供給配管20から酒が注がれる。
電磁弁11には信号ケーブル9aが接続されており、制御盤4から開信号を受けてソレノイド14を駆動させて、ケーシング15に存在している弁体13を引き上げて流路を形成させる。流量計12には前述の電圧パルスを制御盤4に送信するための信号ケーブル9bが接続されている。
利用者によるコイン挿入口5からのコインの投入は、制御盤4の内部に設けられたコイン投入感知部で検知され、その上でスタートボタン6が押されることで、制御盤4で開信号が生成され、電磁弁11に送信されて、液体供給装置3の内部に設けられた電磁弁11が開動作し、貯留容器2内の酒が容器に注入される。
電磁弁11が開くと、貯留容器2内の酒の水頭圧で酒が注がれる。
なお、電磁弁11は、仕切弁のように開状態と閉状態の2通りのみ備えるものであってもよいし、玉形弁のように開度を調整可能であるものであってもよい。開度の調整が可能な場合には、予めその開度も、貯留容器2の内部に貯留される液体の種類、粘度などによって調整しておくようにしておくとよい。さらに、電磁弁11に限定するものではなく、液体供給装置3内を流れる液体の流量を制御可能であれば、その駆動源は問題ではなく、エア駆動弁などであってもよい。
液体供給装置3の出口端部に設けられた供給配管20の外周にはヒータ23が巻回されており、酒が注がれていない間に供給配管20を加熱して外部から侵入する可能性のある雑菌を死滅させるように機能する。また、液体供給装置3の出口端部の外周には蛇口カバー24が設けられ、液体供給装置3あるいはその内部に設けられる供給配管20の端部に利用者などが簡単に触れることができないようにして、蛇口を衛生的に保つようにしている。従って、蛇口カバー24の下端は、液体供給装置3あるいは供給配管20の下端部よりも下方に形成されることが望ましい。
【0037】
次に、図3を参照しながら、本実施の形態に係る液体供給システム1の動作方法について説明を追加する。図3は、本実施の形態に係る液体供給システム1の動作方法を示すフローチャートである。
まず、利用者が制御盤4のコイン挿入口5からコインを投入すると、制御盤4の内部に設置されているコイン投入感知部がステップS1でコインの投入の有無を検知する。投入を検知した場合には、さらに、ステップS2で制御盤4に設けられたスタートボタン6がONかOFFかの検知がなされ、スタートボタン6がONとなっている場合には、ステップS3として流量制御弁である電磁弁11が開となる。ステップS4では、液体供給装置3内に供給される酒の量を流量計12によって計測し、ステップS5として予め定められた所定量の酒が供給されたことを流量計12が検知し、その検知信号を受けて、ステップS6では流量制御弁である電磁弁11が閉動作する。
ステップS1でコインの投入を検知できなかった場合には、コインの投入を待つようにステップS1の前段階へ戻る。また、ステップS2でも同様に、スタートボタンがONとなっていない場合には、ステップS2の前段階へ戻る。さらに、ステップS5の所定量の供給の検知がなされない場合には、ステップS5の前段階、すなわち引き続き流量計12による流量の計測を実施する。なお、流量計12による所定量の供給の検知は、流量計12で計測されている量を例えば100msで周期的に確認するようにして所定の供給量を超えるとステップS6へ進むとしてもよいし、流量計12が所定の量を検知した際に、流量計12から信号を送信させるようにしてもよい。
本実施の形態においては、ポンプを備えていないため、貯留容器2内の酒はその水頭圧で液体供給装置3内を流出する。従って、電磁弁11が開動作した場合には、自動的に液体供給装置3から流出するのである。
本実施の形態においては、コイン投入感知部によるコイン投入の有無とスタートボタン6のONをand条件として電磁弁11を開動作させたが、例えば自動販売機として液体供給システム1を設置した場合には、スタートボタン6を設けることなくコインの投入と同時に酒が供給されるようにしてもよいし、自動販売機として設置しないのであれば、コインの投入を条件とする必要はないので、スタートボタン6のみを設けておいて、そのONのみを条件として酒の供給を開始するようにしてもよい。
【実施例1】
【0038】
次に、本実施の形態に係る液体供給システムの変形例を実施例1として図4及び図5を参照しながら説明する。
実施例1は、先の実施の形態よりも多機能としたものである。本実施例に係る液体供給システムのシステム構成図を図4に示す。図4において、図1及び図2に示した液体供給システムと同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
液体供給システム1aの貯留容器2には液体補充部37から入れた液体41として酒あるいは飲料水が貯留されており、その内部には例えば酒の燗をする場合などのためにヒータ39が内蔵されている。もちろん、これは冷却するための冷却器であってもよいし、両方の機能を備えた装置であってもよい。
また、貯留容器2の内部には、液体41の水位を計測するための液位センサ38が設けられており、さらに、液体41の温度を計測するための液温センサ40も設けられている。
一方、制御盤4では、コイン挿入口5の他に、ここからコインが投入されたことを感知するためのコイン投入感知部26が設けられており、この検知信号が電磁弁11に送信可能に信号ケーブル9aが設けられている。すなわち、このコイン投入感知部26は、電磁弁11の開閉信号発生部となっているが、このコイン検知信号を供給量制御部28へ送信し、そのコイン検知信号を受信した供給量制御部28が、電磁弁11の開閉動作のための制御信号を送信するようにしてもよい。また、スタートボタン6からも同様に電磁弁11に対して信号ケーブル9aが設けられている。
【0039】
また、本実施例では、供給量設定部27によって液体供給装置3から供給する液体41の量を設定可能となっている。設定は、増ボタン31及び減ボタン32を用いて行い、その設定された供給量は、供給量表示部29の表示窓30に表示される。利用者あるいは管理者は、この表示窓30に表示される供給量を確認しながら、供給量を増やしたい場合には増ボタン31を押し、数値を上げていき、減らしたい場合には減ボタン32を押し、数値を下げていく。供給量の増減に関する信号は、信号ケーブル46a,46を介して供給量設定部27に送信され、供給量に関する情報は、信号ケーブル46を介して供給量表示部29の表示窓30に表示される。
液体供給装置3によって液体41が供給される場合には、流量計12によってその流量が計測され、流量信号としての電圧パルス信号が信号ケーブル9bを介して供給量制御部28に送信される。先に供給量設定部27によって設定された供給量に関する情報は、信号として信号ケーブル45を介して供給量制御部28に送信され、流量信号による供給量がその設定された供給量に到達した場合には、供給量制御部28は信号ケーブル9aを介して電磁弁11に対して閉動作させるための信号を送信する。
また、液体41の温度は、液温設定部51によって予め設定が可能である。液体供給装置3からの液体41の供給量設定と同様に、利用者あるいは管理者は液温表示部33の表示窓34に表示された温度を確認しながら、温度の増減を増ボタン52及び減ボタン53を押すことで実行する。増ボタン52及び減ボタン53からの温度の昇降に関する信号は、信号ケーブル54a,54を介して液温設定部51に送信され、液温に関する情報は、信号ケーブル54を介して液温表示部33の表示窓34に表示される。
【0040】
液温制御部35は、液温センサ40からの液温信号を信号ケーブル47を介して受信し、液温設定部51から信号ケーブル55を介して受信した、予め設定された液温と比較し、高い場合には、信号ケーブル49を介してヒータ39に停止信号を送信し、低い場合には、信号ケーブル49を介してヒータ39に起動信号を送信する。ヒータ39の代わりに、冷却器を設けた場合には、予め設定された液温と比較して高い場合には、信号ケーブル49を介して冷却器に起動信号を送信し、低い場合には、信号ケーブル49を介して冷却器に停止信号を送信する。
【0041】
冷却器を設けた場合において、液温が一定温度以上に低く設定されて液温が低下した場合や、外気温が一定温度まで下がった場合に、液体が供給配管20内で凍結するおそれがある。そこで、液温制御部35は、供給量制御部28に凍結防止のための制御信号を送信し、その凍結防止の制御信号を受信した供給量制御部28は、電磁弁11に対して、開動作のための制御信号を送信する。
具体的には、電磁弁11の開動作の制御信号とは別個独立に、微少量を流出可能な開度を維持するための制御信号を電磁弁11に送信する。あるいは、その微少量を流出可能な開度となるために一定間隔で開動作の制御信号を送信するようにしておく。
このような制御信号を電磁弁11に送信することで、一定量の液体が供給配管内を流れ、容器2内に貯留されている液体の凍結を防止することができる。
なお、凍結防止として、供給配管20の外周に巻回されたヒータ23を起動させてもよい。この場合には、液温制御部35は、供給量制御部28に制御信号を送信することなく、直接ヒータ23に作動信号を送信するようにしておくとよい。元々ヒータ23は、殺菌用に設置されているため、供給配管20の端部近傍に設置されているが、これを凍結防止にも利用する場合には、供給配管20全体に巻回するようにしておくとよい。また、図4には示されていないが、外気温を測定する温度計を備えておく必要があり、この温度計からの温度信号は、液温制御部35に送信するようにしておく。
【0042】
さらに、図6を参照して実施例2を説明するが、その図6には、液温制御部35と供給量制御部28の両方の機能を備えた制御マイクロプロセッサ70が設けられているので、前述の液温制御部35が供給量制御部28に送信する凍結防止のための制御信号は割愛され、制御マイクロプロセッサ70が電磁弁11に対して開動作のための制御信号を送信することになる。また、ヒータ23に対する起動信号も、外気温を測定する温度計からの温度信号によって、気温の低下を検知した場合に、起動信号を生成してヒータ23に送信するようにするとよい。
【0043】
また、制御盤4には液位表示部36が設けられており、貯留容器2内の液体41の水位に関する信号を、液位センサ38及び信号ケーブル48を介して受信して表示することが可能である。液位センサ38は、予め定められた最低水位となった場合に、液体補充部37から液体を補充するために液位表示部36において、注意を促すための情報を表示するかあるいは音を発生させるように信号を送信させるようにしてもよい。
さらに、本実施例では、液体供給装置3の内部にポンプ50を設けている。このポンプ50によって、水頭圧に頼っていた液体41の吐出圧を高めることが可能であり、水位が低下しても一定の吐出圧で液体41を供給することが可能である。
【0044】
ポンプ50の駆動も含めて本実施例に係る液体供給システム1aの動作方法について図5を参照しながら説明する。図5は、本実施例に係る液体供給システム1aの動作方法を示すフローチャートである。
図3に示すフローチャートと同様の部分については、その工程の要素に関する説明を省略する。本実施例では、ステップS4で、液体供給装置3内に供給される液体41の量を流量計12によって計測し始めた後に、ステップS5として、ポンプ50を起動する。ポンプ50の起動も、電磁弁11の開閉動作の条件と同様とし、コイン投入の有の信号及びスタートボタン6のON信号は、信号ケーブル9a,9a,9cを介して供給される。また、その起動は、ステップS3の電磁弁11の開動作に対して時間遅れを設けて、流路を確保する前の吐出圧による流量計12の破損を防止することが望ましい。但し、電磁弁11の開閉と同時であっても流量計12や電磁弁11に対して特に問題ない場合には、液体41の供給までの時間の短縮のために電磁弁11の開閉と同時にポンプ50の起動停止を行ってもよい。
ステップS6で予め定めた所定量の液体41の供給が完了したことを流量計12が検知し、その検知信号を、信号ケーブル9bを介して供給量制御部28が受信すると、まず、ステップS7でポンプ50が停止する。このように先にポンプ50を停止させるのは、先に述べたとおり、流量計12や電磁弁11をその吐出圧から保護するためである。
【0045】
ポンプ50への停止のための信号は、供給量制御部28から信号ケーブル9a,9a,9cを介して送信される。また、電磁弁11に対する閉動作のための信号は、供給量制御部28から信号ケーブル9a,9aを介して電磁弁11に送信される。
なお、電磁弁11の開閉条件及びポンプ50の起動停止条件は、先に説明した実施の形態において説明したとおり、コイン投入感知部26によるコイン投入の有無とスタートボタン6のONをand条件とする他、いずれか一方のみを条件としてもよい。
図4では、電源ケーブルを省略して記載しているが、電磁弁11、流量計12、ポンプ50、コイン投入感知部26、供給量設定部27、供給量制御部28、供給量表示部29、液温設定部51、液温制御部35、液温表示部33、液位センサ38、ヒータ39、液温センサ40、液位表示部36などその構成要素のほとんどは電力で駆動するものである。また、本実施例あるいは先の実施の形態においては、信号ケーブルを記載してそれぞれの構成要素を起動、停止させるための信号を送信しているように説明したが、これらのうち、例えば電磁弁11などは、その開閉のための信号を送受信することなく、電力ケーブルの通電の有無で開閉を行うことも可能であり、必ずしも開閉のための信号を必要としない場合がある。すなわち、この開閉のための信号に、電力の通電・遮断を含む場合がある。
また、液位センサ38やヒータ39は貯留容器2に内蔵されるが、その内蔵とは、貯留容器2内に露出するように設けられる場合もあれば、貯留容器2を構成する要素の内部に設けて、貯留容器2の容器内面に露出しないように設けられる場合もある。
【0046】
このように構成される本実施例の液体供給システム1aでは、液位や液温を管理しながら、適切に液体41を貯留容器2内に貯留することができ、コイン挿入口5からコインが投入されて、スタートボタン6が押されると、液体供給装置3より予め定められた供給量の液体41が流出する。ポンプ50の起動により、単位時間当たりの吐出量が増え、短時間で液体41を供給することができる。
ヒータ39に冷却器も併せて設けることで、液体41として例えばビールや燗酒をそろえることも可能であり、居酒屋、レストラン、バー、酒屋の角打ちカウンターなどに設置することが可能である。また、貯留容器2の内部を断熱板などで仕切り、冷たい酒と暖かい酒、あるいはソフトドリンクなどと併せて供給可能に、液体供給装置3を複数設けるような構成としてもよいことは言うまでもない。さらに、量り売りを行う場合には、多種の酒類を用意する必要もあり、液体供給システム1aあるいは先に説明した液体供給システム1を複数設置するというニーズがある。この他にも、例えばバイキング形式のレストランにおいて、ドリンクバーに設置して多種類のソフトドリンクを提供するような場合に高いニーズがあるが、フリードリンクサービスの場合には、コイン投入の有無の確認は不要となり、予め定められたグラスやカップに一定量の清涼飲料水やスープなどを注ぐという点にニーズがある。
なお、本実施例に係る液体供給システム1aの液体供給装置3は、既存の貯留容器に設けられている蛇口の部分を取り除いた後に、それを貯留容器2として利用すれば、既存の貯留容器をそのまま利用して同形状に設置可能であるので、違和感なく、単なるドリンクサーバーを量り売り用の液体供給システムに改造することが可能であるし、さらには、制御盤4を付加することで、自動販売機に改造することも可能である。
【0047】
さらに、多種多様な飲料水や酒類を貯留して供給する場合には、貯留容器2、液体供給装置3及び制御盤4の数も多数となるため、これらを別個にメンテナンスあるいは交換、修理することが可能であることが重要である。その点、本実施例に係る液体供給システム1aでは、液体供給装置3内に、電磁弁11、流量計12及びポンプ50がすべて収容されているため、これらのいずれかが故障などした場合には、液体供給装置3を貯留容器2から外し、修理や交換を行うことが可能である。本実施例においても図2(a)で示すようにねじ込み部を備えておくことで、着脱可能とし、より柔軟に運用可能とすることが望まれる。複数の液体供給システム1a間で、相互に液体供給装置3や貯留容器2あるいは制御盤4を交換可能とすることで、より柔軟に液体供給システム1aを構成することが可能となり、維持も容易である。
制御盤4と電磁弁11、流量計12、ポンプ50、液位センサ38、ヒータ39、あるいは液温センサ40を接続するそれぞれの信号ケーブルは、それぞれコネクタなどのインターフェースを備えて、制御盤4や液体供給装置3を交換する際に、信号ケーブルも着脱可能としておくとよい。これによって、液体供給装置3と貯留容器2のみならず、制御盤4を含めて相互に交換、運用することが可能となり、より柔軟な利用を実現することができる。
【実施例2】
【0048】
次に、本実施の形態に係る液体供給システムの別の変形例を実施例2として図6を参照しながら説明する。
実施例2も、先の実施の形態よりも多機能としたものである。本実施例に係る液体供給システムのシステム構成図を図6に示す。図6において、図1図2及び図4に示した液体供給システムと同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図6において、本実施例における液体供給装置3は、電磁弁11や流量計12の他、蛇口部メモリ84を備えており、この内部にこの液体供給装置3を識別可能な固有IDが格納されている。また、この蛇口部メモリ84には送受信部85を介して、固有IDを格納することができるし、送受信部85から蛇口部メモリ84内の固有IDを読み出すことも可能である。
本図6には示していないものの、他の構成要素としては図4に示されるようなポンプなども含まれる場合がある。また、図6では容器2を省略しているものの液体供給装置3は容器2に接続されている。同様に、図4には示されていないものの、図6に示されるものは、図4のシステムに付加される場合もある。
【0049】
本実施例においては、液体供給装置3と制御盤4は互いの送受信部78,85を介してデータや信号の授受が実行されるが、送受信部78,85間は、有線、無線を問わない。すなわち、図4に示されるように信号ケーブルで接続してもよい。
制御盤4は、その内部に制御マイクロプロセッサ70を格納しており、他の装置と相俟って様々な演算や制御を実行している。制御部メモリ75には、この制御盤4を識別可能な固有ID、制御マイクロプロセッサ70から送受信部78を介して液体供給装置3の電磁弁11に送信される開動作の制御信号の送信回数、さらにはその送信許容回数のいずれか1つあるいはその組合せが格納されている。制御盤4を識別可能な固有IDは、制御マイクロプロセッサ70によって、液体供給装置3の蛇口部メモリ84に格納されている液体供給装置3に固有のIDと照合され、2つの固有IDが適合した場合にのみ、制御マイクロプロセッサ70で電磁弁11に対する開動作の制御信号が生成され、電磁弁11に送信される。
この2つの固有IDは、同一のIDであってもよいし、関連性を備えた一対の異なるIDであってもよい。また、これら2つのIDは、制御マイクロプロセッサ70によって自動的に生成されるものであってもよく、そのような場合には、それぞれ制御マイクロプロセッサ70によって制御部メモリ75と、送受信部78,85を介して蛇口部メモリ84に格納される。さらに、制御マイクロプロセッサ70によって生成されるものでなく、外部の例えばサーバコンピュータ89によって生成され、インターネット86,送受信部80を介して制御盤4に送信され、さらに送受信部78,85を介して液体供給装置3に送信されるようなものであってもよいし、メモリカード82に格納されたものをカード接続端子81から読み出して、制御マイクロプロセッサ70を介して制御部メモリ75に格納しながら、さらに、送受信部78,85を介して蛇口部メモリ84に格納するようにしてもよい。
なお、このメモリカード82に制御マイクロプロセッサ70の作動許可信号を格納しておき、このメモリカード82をカード接続端子81に差し込んでいる場合にのみ、制御マイクロプロセッサ70が作動するようにしておいてもよい。さらには、この作動許可信号をサーバコンピュータ89からインターネット86などの通信網を介して送受信部80から制御マイクロプロセッサ70に対して送信して遠隔操作することができるようにしておいてもよい。
このようにメモリカード82を差し込んだ場合や作動許可信号をサーバコンピュータ89からインターネット86及び送受信部80を介して送信する場合にのみ、液体供給システム1bが作動するようにしておくことで、外部から液体供給システム1bを管理することが可能となる。特に、サーバコンピュータ89とインターネット86を用いる場合には、遠隔操作を可能とし、液体供給システム1bをレンタルなどしながら、課金していくシステムを構築するためには便利である。
【0050】
また、本実施例に係る液体供給システム1bは、制御盤4に金銭収受部71を備えており、ここで金銭の収受を検知した際に、制御マイクロプロセッサ70に金銭収受信号を送信して、制御マイクロプロセッサ70が開動作の制御信号を生成して送受信部78,85を介して電磁弁11に送信するものである。
金銭収受部71は、金銭を投入するための金銭投入装置72を備えており、投入された金銭を識別する金銭識別装置73を備え、さらに、予め設定された液体の購入のための代金を、その識別された金銭から差し引いてつり銭を演算し、つり銭を返却するつり銭返却装置74を備えている。
金銭の受領を金銭識別装置73で識別した場合には、この金銭識別装置73から先の金銭収受信号を制御マイクロプロセッサ70に対して送信する。
利用者が投入した金銭は、表示装置76に表示される。また、この表示装置76には、この液体供給システム1bが稼動状態にあるかの表示や、液体供給装置3が接続されている容器の中身や、その液温、中身の量あるいは購入可能な状態か否か、さらには、複数の液体供給装置3を備えて複数の液体を販売する際に、その販売対象となっている液体のラインナップのような表示がなされている。
【0051】
スイッチ77は、図4におけるスタートボタンのような機能を備えたものであり、金銭を投入してすぐ自動で液体が注がれる場合もよいが、タイミングが合わない利用者のことも考えて、このスイッチ77を押して、制御マイクロプロセッサ70から電磁弁11に対して開動作のための制御信号を送信させてもよい。その際には、予め液体供給装置3と制御盤4の固有IDの照合を行って適合を確認し、金銭収受部71からの金銭収受信号の受信があったことの確認が済んだ状態であることが必要である。
このようなスタートボタン機能を液体供給システム1bが持たない場合には、液体供給システム1bを起動するための電源スイッチとしてもよい。
なお、液体供給装置3によって液体が供給される場合には、図4を用いて説明した液体供給システム1aと同様に、流量計12によってその流量が計測され、流量信号としての電圧パルス信号が送受信部85及び送受信部78を介して制御マイクロプロセッサ70に送信される。液体供給システム1aと同様に、制御マイクロプロセッサ70によって設定された供給量に関する情報は、制御部メモリ75又は蛇口部メモリ84に格納されており、制御マイクロプロセッサ70が読み出して、流量信号による供給量がその設定された供給量に到達した場合には、制御マイクロプロセッサ70は送受信部78及び送受信部85を介して電磁弁11に対して閉動作させるための制御信号を送信する。
【0052】
制御マイクロプロセッサ70には、設定用スイッチ79が接続されており、設定用スイッチ79は、制御部メモリ75に格納するための制御盤4に固有なIDや、蛇口部メモリ84に格納するための液体供給装置3に固有なID、さらには、制御マイクロプロセッサ70から電磁弁11に対して送信される電磁弁11の開動作のための制御信号の送信回数、前述の流量信号による供給量を設定するためのものである。
設定用スイッチ79を用いて、これらのデータを設定する場合には、表示装置76にそれぞれのID、許容される送信回数などのデータを表示しながら、設定可能である。
この設定用スイッチ79は、図4において示した増ボタン31,52、減ボタン32,53のようなスイッチであってもよいし、ツマミ状のものでもよい。さらには、タッチセンサのようなものであってもよく、設定のための手段や形態は特に限定するものではない。本実施例においては説明していないものの、この設定用スイッチ79は、図4を用いて説明したような供給量を設定したり、液温を設定したりするものとしても機能させてもよい。その際には、図4に示される供給量制御部や液温制御部の機能は制御マイクロプロセッサ70に持たせることになる。
【0053】
制御盤4には、液体供給装置3との間で信号やデータを送受信する送受信部78の他に外部と信号やデータを送受信する送受信部80を備えている。この送受信部80には、インターネット86を介して他のサーバコンピュータ89やクライアントコンピュータ87が接続可能であるし、また、インターネット86を介さなくとも、クライアントコンピュータ87を直接送受信部80に接続可能としてもよい。インターネット86でなくとも広域に接続可能な通信網であれば、特に限定するものではない。
さらに、電話88の回線を通じて送受信部80に接続されてもよいし、メモリカード82などの外部記録媒体に格納されたデータあるいは信号をカード接続端子81を介して制御マイクロプロセッサ70で受信してもよい。逆に、制御マイクロプロセッサ70と送受信部80を介して例えば、制御部メモリ75に格納されるデータを外部のクライアントコンピュータ87、電話88あるいはサーバコンピュータ89に送信してもよい。
なお、制御マイクロプロセッサ70には、電源バックアップ装置83が設けられており、一定時間の停電に対応可能となっている。
【0054】
このように構成される液体供給システム1bは、特に、日本酒やウイスキー、あるいは焼酎、ビール等の酒類、コーヒーやジュースなどの飲料水の販売に利用、運用される。特に、自動販売機をリースやレンタルで貸す企業や、あるいは遠隔地で自動販売機を管理する場合に利用価値が高い。
このような場合、自動販売機を管理する遠隔地にあるサーバコンピュータ89で、制御部メモリ75に格納される制御盤4に固有のIDと液体供給装置3に固有のIDを生成し、また、電磁弁11の作動回数を制限するための許容送信回数、さらには電磁弁11が1回の開動作で供給する液体の供給量に関するデータを生成させる。
クライアントコンピュータ87は、液体供給システム1bをレンタルしているあるいはリースしている利用者や、例えば液体供給システム1bをフランチャイズ展開している店舗に設置しながら、本社がその売上げなどを管理している場合の店舗に設置されるものである。一方、サーバコンピュータ89は、液体供給システム1bをレンタルやリースしている利用者の場合にはそのレンタルやリースを管理している会社、また、フランチャイズ展開している店舗を備える本社が備えるコンピュータである。
サーバコンピュータ89で生成されたこれらのデータは、メモリカード82に格納されて利用者等へ郵送されたり、インターネット86などの広域通信網を介して制御盤4の送受信部80や、図示されていないがインターネット86などを介して送受信部85から読み出されるようにしてもよい。
もちろん、クライアントコンピュータ87を介して送受信部80や送受信部85から読み出されたり、電話88を介してこれらに読み出されるようにしてもよい。
【0055】
送受信部80で一括にデータを読み出して、液体供給装置3に関連するデータに関しては制御盤4の制御マイクロプロセッサ70及び送受信部78を介して送受信部85に送信してもよい。
制御盤4に固有のIDと電磁弁11の制御信号に関する許容送信回数については、送受信部80やカード接続端子81及び制御マイクロプロセッサ70を介して制御部メモリ75に格納される。
液体供給装置3に固有のIDは、蛇口部メモリ84に格納される。
【0056】
このような状態にある液体供給システム1bを居酒屋、レストラン、バー、酒屋の角打ちカウンターや、バイキング形式のレストランのドリンクバーに設置することができる。
この液体供給システム1bを用いて自動販売する前の準備として、制御盤4の制御部メモリ75に格納されている固有のIDと、液体供給装置3の蛇口部メモリ84に格納されている固有のIDを、制御マイクロプロセッサ70が照合し、適合していることを確認しておく。
利用者は、容器に貯留されているドリンクを飲むために、金銭を金銭収受部71の金銭投入装置72に投入する。そうすると、金銭識別装置73で、その金銭を識別してその額を検知し、それがそのドリンクの代金と同額あるいは上回る場合に金銭識別装置73は金銭収受信号を制御マイクロプロセッサ70に送信する。つり銭返却装置74は、投入された金銭がドリンクの代金を上回る場合にその差額をつり銭として演算して、つり銭を返却する。
表示装置76には、投入された金銭の額やつり銭の額が表示される。また、販売されるドリンクの種類なども表示される。
【0057】
利用者は、希望するドリンクを指定してスイッチ77を押す。このスイッチ77を押すと、制御盤4と液体供給装置3の固有IDが適合していることを条件として、制御マイクロプロセッサ70が金銭収受信号を受信すると、制御マイクロプロセッサ70は電磁弁11の開動作の制御信号を生成して、送受信部78を介して液体供給装置3の電磁弁11に送信し、電磁弁11は、開動作を行う。制御盤4の内部あるいは他の場所でもよいが、保持されているカップが、液体供給装置3の注ぎ口の下に配置され、そのカップに希望したドリンクが注がれる。カップは、保持されていてもよいが、利用者が各自持ってきて、配置するようにしておいてもよい。
制御マイクロプロセッサ70によって送信される制御信号は、送信される毎に制御部メモリ75にその回数を格納しておく。制御マイクロプロセッサ70は、電磁弁11へ制御信号を送信する際に、制御部メモリ75から送信回数を読み出して、制御部メモリ75に格納されている許容送信回数と比較し、既に送信回数と許容送信回数が同値となっている場合には、制御信号の送信を行わない。あるいは、毎回制御信号を送信した後に、送信回数を制御部メモリ75に格納し、許容送信回数と比較して、同値となった際に、制御マイクロプロセッサ70が表示装置76に許容送信回数に到達した旨の信号を送信して、その旨表示させるようにしてもよい。その場合には、許容送信回数に到達した途端に表示装置76に表示されるので、次回の利用者が誤って金銭を投入することがない。
【0058】
もちろん、制御信号の送信回数が許容送信回数に到達した場合に、制御マイクロプロセッサ70が送受信部80やインターネット86などの通信網を介して外部のクライアントコンピュータ87やサーバコンピュータ89に送信するようにしてもよい。外部のコンピュータに信号を送信することで、液体供給システム1bの管理が容易になるという効果がある。
許容送信回数に到達したことを受信したクライアントコンピュータ87やサーバコンピュータ89は、さらに許容送信回数を生成して再送信し、レンタルやリースあるいはフランチャイズの関係を維持して自動販売を継続したり、逆に、許容送信回数に到達したことから、それ以上のレンタルやリース、あるいはフランチャイズの関係を打ち切ることも可能である。
なお、電磁弁11に対する開動作の制御信号の送信回数と許容送信回数に関するデータを蛇口部メモリ84に格納しておき、送受信部85が制御マイクロプロセッサ70から送信された開動作の制御信号を受信した際に、蛇口部メモリ84からそれまでの送信回数と許容送信回数のデータを読み出して比較し、送信回数が許容送信回数を下回っていた場合にのみ、電磁弁11に制御信号を送信し、同値以上の場合には、送受信部85が制御信号を電磁弁11に送信することをブロックするようにしてもよい。
さらには、送信回数及び許容送信回数のデータをメモリカード82に格納しておき、メモリカード82で電磁弁11の動作回数を管理できるようにしておくことで、集中一括管理を行うことができる。許容送信回数の更新もこのメモリカード82に新たな許容送信回数データを格納するようにして行うことで、レンタルやリース時に、このメモリカード82を利用者に手渡すなどしさえすれば、外部から管理を容易に行うことができる。
【0059】
制御マイクロプロセッサ70から電磁弁11に対する開動作の制御信号が送信される度に、送受信部80を介してクライアントコンピュータ87やサーバコンピュータ89に信号を送信するようにしておいてもよいし、制御部メモリ75に格納される制御信号の送信回数を送受信部80を介してクライアントコンピュータ87やサーバコンピュータ89に送信してもよい。このような信号をクライアントコンピュータ87やサーバコンピュータ89に送信することで電磁弁11の稼動状況を外部で把握することができ、レンタルやリースを管理する会社やフランチャイズ店舗を管理する本社などが、売上げや液体供給装置3と制御盤4のメンテナンス要否を管理することができる。すなわち、経営及びメンテナンス上の管理を容易に行うことができる。
【0060】
このような液体供給システム1bにおいては、液体供給装置3と制御盤4を備えて、単に容器に接続することで、容易に自動販売機を構成することが可能であり、遠隔操作を行うことで、その自動販売機の売上げや管理を行うことが可能である。さらに、液体供給装置3のみあるいは制御盤4のみは盗難にあったとしても互いに備えた固有のIDの照合が稼動の条件となっているので動作せず、盗難防止の効果を発揮することができる。さらに、許容送信回数の制限によって、同時に液体供給装置3と制御盤4が盗難にあった場合にも被害を低減することが可能である。
本実施例では、電磁弁11の制御信号の送信回数に関する情報を制御部メモリ75に格納したり、制御マイクロプロセッサ70による送信回数を許容送信回数で制限したりしたが、もちろん、この「送信」は、例えば「生成」としてもよく、制御マイクロプロセッサ70によって生成された制御信号の生成回数を制御部メモリ75に格納したり、生成許容回数を制限してもよいことはいうまでもない。さらに言えば、本願では、「送信」に「生成」の概念を含むとして考えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る液体供給装置及びそのシステムは、複数種類の酒類や清涼飲料水などを取り扱うレストラン、居酒屋、バー、酒屋、角打ちコーナーなどに設置して、酒類や清涼飲料水の量り売りや量り売りでなくとも、一定量をこぼさずに自動で供給するような場合に、利用されることが可能である。
さらに、自動販売機として、無人で運営される店舗やコンビニエンスストア、さらには高速道路のサービスエリアなどで様々な飲料を定量販売することに利用可能である。
また、実施の形態や実施例の説明では、飲用に限定して説明したものの、原理的には、様々な液体の供給装置及びシステムとして利用が可能であり、液体の医薬品や農薬の調合にも利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】(a)は本発明の実施の形態に係る液体供給システムの正面図であり、(b)は側面図である。
【図2】(a)は、本実施の形態に係る液体供給システムの液体供給装置の内部構造図、(b)は液体供給装置の内部に挿設された電磁弁の構造図であり、(c)は同じく液体供給装置の内部に挿設された流量計の構造図である。
【図3】本実施の形態に係る液体供給システムの動作方法を示すフローチャートである。
【図4】実施例1に係る液体供給システムのシステム構成図である。
【図5】実施例1に係る液体供給システムの動作方法を示すフローチャートである。
【図6】実施例2に係る液体供給システムのシステム構成図である。
【図7】従来の液体供給装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0063】
1,1a,1b…液体供給システム 2…貯留容器 3…液体供給装置3 4…制御盤4 5…コイン挿入口 6…スタートボタン 7…通電ランプ 8…コイン返却口 9a,9a,9a,9b,9b,9c…信号ケーブル 10…電源ケーブル 11…電磁弁11 12…流量計12 13…弁体 14…ソレノイド 15…ケーシング 16…インペラ 17…ケーシング 18…ねじ込み部 19…ストレーナ 20…供給配管 21…ハンドル 22…フランジ 23…ヒータ 24…蛇口カバー 26…コイン投入感知部 27…供給量設定部 28…供給量制御部 29…供給量表示部 30…表示窓 31…増ボタン 32…減ボタン 33…液温表示部 34…表示窓 35…液温制御部 36…液位表示部 37…液体補充部 38…液位センサ 39…ヒータ 40…液温センサ 41…液体 45…信号ケーブル 46,46a…信号ケーブル 47…信号ケーブル 48…信号ケーブル 49…信号ケーブル 50…ポンプ 51…液温設定部 52…増ボタン 53…減ボタン 54,54a…信号ケーブル 55…信号ケーブル 61…容器本体 62…液体容器 63…蓋体 64…吐出管 65…ポンプ 66…注水口 67…操作パネル 68…超音波センサ 69…制御装置 70…制御マイクロプロセッサ 71…金銭収受部 72…金銭投入装置 73…金銭識別装置 74…つり銭返却装置 75…制御部メモリ 76…表示装置 77…スイッチ 78…送受信部 79…設定用スイッチ 80…送受信部 81…カード接続端子 82…メモリカード 83…電源バックアップ装置 84…蛇口部メモリ 85…送受信部 86…インターネット 87…クライアントコンピュータ 88…電話 89…サーバコンピュータ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する容器に接続される液体供給配管と、この液体供給配管の内部に挿設され外部から送信される制御信号によって開閉する流量制御弁と、前記液体供給配管内に挿設され前記液体供給配管内を流れる液体の流量を測定する流量計と、を備えることを特徴とする液体供給装置。
【請求項2】
前記液体供給配管内にポンプを備えることを特徴とする請求項1記載の液体供給装置。
【請求項3】
前記液体供給配管は着脱可能に前記容器に接続されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体供給装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体供給装置と、
金銭を受け入れる金銭収受部と、この金銭収受部に金銭が投入された場合に、前記流量制御弁に開動作の制御信号を送信する制御部とを備える制御盤と、
を有することを特徴とする液体供給システム。
【請求項5】
前記制御盤は、スタートスイッチを備え、前記金銭収受部が金銭の投入を感知し、かつ前記スタートスイッチがONとなった場合に、前記制御部が前記流量制御弁に開動作の制御信号を送信することを特徴とする請求項4に記載の液体供給システム。
【請求項6】
液体を貯留する容器に接続される液体供給配管と、この液体供給配管の内部に挿設され外部から送信される制御信号によって開閉する流量制御弁と、前記液体供給配管内に挿設され前記液体供給配管内を流れる液体の流量を測定する流量計と、を備える液体供給装置であって、この液体供給装置を識別するための第1IDを格納する第1メモリ部を備えた液体供給装置と、
前記第1IDと一対に適合する第2IDを格納する第2メモリ部と、金銭を受け入れる金銭収受部と、前記第1IDを前記第1メモリから読み出して、前記第2メモリから読み出した前記第2IDと照合して適合した場合であって、前記金銭収受部に金銭が投入された場合に前記流量制御弁に開動作の制御信号を送信する制御部と、を備える制御盤と、
を有することを特徴とする液体供給システム。
【請求項7】
前記制御部は送信した前記流量制御弁開の制御信号の送信回数を計数して前記第2メモリに送信し、前記第2メモリは前記送信回数を格納することを特徴とする請求項6記載の液体供給システム。
【請求項8】
前記第2メモリは予め許容送信回数を格納しておき、前記制御部は、前記送信回数が前記許容送信回数と同一となった場合に、流量制御弁の開動作の制御信号の送信を停止することを特徴とする請求項7記載の液体供給システム。
【請求項9】
前記制御盤は、前記許容送信回数を設定し、前記設定された許容送信回数を前記第2メモリに格納可能な設定部を備えることを特徴とする請求項8記載の液体供給システム。
【請求項10】
前記制御盤は、第2ID又は前記許容送信回数を格納した外部メモリを接続可能な外部メモリ接続部を備え、前記制御部は、前記外部メモリから前記第2ID又は前記許容送信回数を読み出し可能であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の液体供給システム。
【請求項11】
前記制御盤は、第2ID又は前記許容送信回数を受信可能な通信網に接続可能な送受信部を備え、前記制御部は、前記通信網から前記第2ID又は前記許容送信回数を読み出し可能であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の液体供給システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記容器に貯留される前記液体の温度が予め定められた温度よりも低下した場合又は外気温が予め定められた温度よりも低下した場合に、予め定められた時間間隔又は予め定められた流量で前記液体を供給可能に前記流量制御弁に開の制御信号を送信することを特徴とすることを特徴とする請求項4乃至請求項11のいずれか1項に記載の液体供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−114923(P2008−114923A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264885(P2007−264885)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(503201922)株式会社野村工電社 (2)
【Fターム(参考)】