説明

液体光学素子

【課題】界面を形成する2つの液体が容器内に収容された液体光学素子において、液体光学素子の光軸に対するチルト回転の外力などが素子に作用した際に、界面が過度に変形して容器の蓋部材などに接触するのを抑制する技術を提供する。
【解決手段】液体光学素子100において、互いに混和しない2つの液体121、122が容器101、111、112内に収容され、2つの液体121、122の界面の端部が容器の内壁面上を移動することにより界面の状態を変化させる。容器の内壁は、液体光学素子100の光軸171の周りにおいて、光軸171へ向かう方向に突出した部分102を有する。突出部102は、光軸171の方向における中心部において、面の法線が光軸171と交わる環状の面を有し、光軸171の方向における周辺部において、面の法線が光軸171と平行な方向へ向かって連続的に変化する環状の面を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブにパワー(屈折力)などの光学特性を変えることが可能な液体レンズなどの液体光学素子に関し、特に、外乱による液体間の界面の振動の際の振幅を小さく抑えることができる液体レンズなどの液体光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、屈折力を変化させることが可能なレンズの1つとして、液体レンズの開発が進められている。エレクトロウェッティング(以下ではEWと称する。)現象を利用した液体レンズでは、互いに混和しない2つの液体を接触させて界面を形成し、界面の端部における接触角を変化させることにより界面の屈折力を制御している。界面は光学面として機能するため、液体レンズの不使用時に液体レンズに外力が作用して界面が変形したとしても、使用時には界面は変形前の形状に戻っている必要がある。特許文献1には、界面の端部が移動する面にエッジ部を設け、界面の端部がエッジ部を越えて移動するのを防ぐ技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−178469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
EW現象を利用した液体レンズは、光軸に対するチルト回転の外力が作用して液体レンズが急に回転した際などには、界面が変形してしまう。特許文献1の技術は、エッジ部において外力による界面端部の変化を止めている。しかし、大きな外力に対しては、充分に対応することが容易ではない。界面の変形が大きい場合には、界面が他の部材、例えば液体を密閉している容器の蓋部材と接触し、ここに液体が付着してしまい、界面が変位前の形状に戻らない可能性があることが懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の液体光学素子は、互いに混和しない2つの液体が容器内に収容され、前記2つの液体の界面の端部が前記容器の内壁面を移動することにより前記界面の曲率などの状態を変化させる。前記容器の内壁は、当該液体光学素子の光軸の周りにおいて該光軸へ向かう方向に突出した部分を有する。そして、前記突出した部分は、前記光軸の方向における中心部において、面の法線が前記光軸と交わる環状の面を有し、前記光軸の方向における周辺部において、面の法線が前記光軸と平行な方向へ向かって連続的に変化する環状の面を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の液体光学素子によれば、容器内壁の突出部の周辺部を上記構造にすることで、外力による界面変形時に、容器内壁面と界面の接触点が突出部より容器内壁側に入り込み、例えば容器の上下の蓋部材などと接触するようなことを回避可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例1における液体レンズの光軸を含む断面での中心断面図。
【図2】本発明の効果を説明するための比較例の液体レンズの中心断面図。
【図3】本発明の実施例2における液体レンズの光軸を含む断面での中心断面図。
【図4】(a)は、本発明の実施例2における液体レンズの中心断面図、(b)は、(a)の部分拡大図である。
【図5】本発明の実施例の効果を説明するための液体レンズの中心断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特徴は、液体収容容器の内壁が、光軸の周りで、光軸へ向かう方向への突出部を有し、突出部が、光軸の方向における中心部及び周辺部で、夫々、面法線が光軸と交わる環状面及び面法線が光軸と平行な方向へ連続的に変化する環状面を有することである。この考え方に基づき、本発明の液体光学素子は、上記課題を解決するための手段のところで述べた様な基本的な構成を有する。典型的には、本発明の液体光学素子は、容器内に収容された互いに混和しない導電性液体及び非導電性液体と、容器の内壁に形成された電極と、電極上に形成され導電性液体と接触する絶縁体と、を備える。そして、導電性液体と電極との間に印加する電圧を制御して、界面の端部が絶縁体の表面を移動することにより界面の曲率などの形状を変化させる。しかし、2つの液体の界面の端部が容器の内壁面を移動することにより界面の状態を変化させる液体光学素子であれば、本発明は、液体レンズに限らず、どの様な形態の液体光学素子にも適用できる。また、突出部の環状面は、典型的には円環状であるが、楕円環状、丸みを持った角部を有する多角形環状などであってもよい。また、本発明の液体光学素子の対称性も、後述する実施例の様に、光軸の周りで対称であったり、突出部の光軸の方向における中心を通って光軸と垂直な断面に関して、対称であったりするが、何れか又は両方の対称性が多少崩れたりしていてもよい。
【0009】
本発明を実施するための形態を、以下の実施例により説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1の液体光学素子を説明する。この液体光学素子は、後述する導電性液体と非導電性液体との界面の端部が絶縁体の表面を移動することにより界面の曲率を変化させる焦点可変液体レンズである。図1(a)は実施例1の液体レンズ100を示し、ここでは、内壁の一部が内側に突出した構造102を有する円筒状部材101の両端部に、光透過性を有する蓋部材111、112が接合されて円筒容器が構成されている。この円筒容器に、導電性及び光透過性を有する第1の液体121と、絶縁性(非導電性)及び光透過性を有する第2の液体122が収容されている。円筒状部材101の内側に突出した構造102は、円筒状部材101とは別の部材であっても良く、該構造102が円筒状部材101に接合された構造でも良い。
【0010】
第1の液体121及び第2の液体122は互いに非混和な性質を有し、互いに屈折率が異なる液体である。また、第1の液体121と第2の液体122の密度が互いに異なる場合、重力の影響により液体同士の界面が球面状にならないことがあるため、第1の液体121と第2の液体122の密度は互いに近い値にすることが望ましい。第1の液体121には塩化ナトリウム水溶液などの導電性液体を用いることが可能であり、第2の液体122にはシリコンオイルなどの非導電性液体を用いることが可能である。
【0011】
円筒状部材101の突出部102には電極131が形成されており、第1の液体121及び第2の液体122の一部は、絶縁体141を介して電極131に接触している。電圧印加装置151で、導電性の第1の液体121と電極131との間に電圧を印加することで、EW現象により第1の液体121と第2の液体122との界面を、例えば、実線で示した界面161から点線で示した界面162へと変化させることが可能である。この時、界面の環状の端部は、液体レンズ100の光軸171と平行な絶縁体141の表面を光軸171と平行な方向へ移動する。
【0012】
ここでは、電圧を印加した際に、円筒状部材101及び突出部102を介して電圧がショートすることを防ぐため、円筒状部材101及び突出部102には絶縁性を有する部材が用いられる。ただし、円筒状部材101及び突出部102に導電性を有する部材を用い、円筒状部材101及び突出部102と導電性の第1の液体121が接触する面に絶縁性を有する部材を設けた構造にしても良い。また、電極131が円筒状部材101及び突出部102を兼ねた構造であっても良く、その際は導電性の第1の液体121と電極131との間で電圧がショートしない構造が用いられる。例えば、電極131の内壁のうち、第1の液体121と接触する部分にも絶縁体141が形成された構造にしても良い。
【0013】
本実施例の液体レンズ100は、蓋部材111、112を通して外部から光が入射する構造であるため、蓋部材111、112は光透過性を有する必要がある。よって、蓋部材111、112には、ガラスやアクリルなど光透過性を有する部材が用いられる。ただし、本実施例の液体レンズに要求される光透過性は該液体レンズの用途によって異なるため、広い範囲の透過波長幅や高い光透過率が必ずしも必要とは限らない。故に、上述した光透過性は、定性的又は定量的に表された特定の基準によって規定されるものではない。
【0014】
突出部102は、光軸171の方向における中心部において、面の法線が光軸171と常に一定の角度(ここでは90度)で交わる面を有し、上下両方の周辺部において、面の法線が光軸171と平行な方向へ向かって連続的に単調に変化する面を有している。ここで、「単調に」とは、面の法線と光軸171との成す角度が上記一定の角度から、増減することなく単純に減少するか増大することを意味する。また、本実施例の液体レンズ100は、光軸171の周りに対称、且つ、突出部102の光軸171の方向における中心を通って光軸171と垂直な断面に関して対称であり、突出部102の上記交わる面や周辺部の面は円環状の面である。このような面は、円筒状部材101の内壁における内側に突出した構造102を、上述したように面の方向が連続的に変化する形状になるよう金型で成形し、電極131及び絶縁体141を構造102の表面形状に倣うよう蒸着することで、形成可能である。勿論、電極131を、面の法線が周辺部で連続的に変化する形状に成形し、絶縁体141を電極131の形状に倣うように蒸着すれば、円筒状部材101の表面を上述した形状に成形する必要は無い。同様に、絶縁体141を、面の法線が周辺部で連続的に変化する形状に成形すれば、円筒状部材101や電極131の表面を上述した形状に成形する必要は無い。
【0015】
図1(b)は、液体レンズ100の光軸171に対するチルト回転の外力が作用して液体レンズ100が急に回転した際に、界面がS字形状を有した様子を概略的に示した図である。界面181、182、183は、変位過程の各段階における界面を表している。この時、界面の端部は、屈折力が電圧により変化する範囲での界面の端部の移動範囲を越えて、大きく移動する。しかし、絶縁体141の表面が連続的に変化していることにより、図1(b)のように界面の端部が大きく移動した場合でも、界面の端部が絶縁体141の表面上を滑らかに移動することが可能となる。また、絶縁体141の表面を、光軸171と平行な方向から光軸171と直交する方向へと連続的に変化させることで、界面の端部の移動方向を、矢印191で示したように、光軸171と平行な方向から光軸171と直交する方向へと連続的に変えることができる。その結果、界面のS字の膨らみを抑えることができ、界面が上下の蓋部材111、112と接触するのを回避することが可能となる。
【0016】
図2は、図1の液体レンズ100の構造の一部を変えた比較例を示す。この図は、実施例1の効果を説明するために例示した比較例の液体レンズ200の中心断面図である。液体レンズ200は、本実施例の液体レンズ100とは異なり、絶縁体241の表面の法線方向が光軸271と直交する方向から光軸271と平行な方向へと不連続に変化している。界面281、282、283は、液体レンズ200の光軸271に対するチルト回転方向の外力が作用して液体レンズ200が急に回転した際に、界面が膨らみの大きいS字形状になることを示している。液体レンズ200では、絶縁体241の表面の法線方向が不連続的に変化しているため、図2のように界面の端部が大きく移動した場合、絶縁体241の表面の不連続変化部分(ここでは直角の角部)で界面の端部の移動が止まってしまうことがある。その場合、界面の端部は絶縁体241の表面上を矢印291で示した方向へ移動することができないため、液体レンズ100のように界面のS字の膨らみを押さえることができない。
【0017】
(実施例2)
図3(a)は、実施例1とは異なる形態を有する実施例2の液体レンズ300の中心断面図である。本実施例の基本的構造は、実施例1のものと同様である。ここでも、内壁の一部が内側に突出した構造を有する円筒状部材301の両端部に、光透過性を有する蓋部材311、312が接合された円筒容器に、導電性及び光透過性の第1の液体321と、絶縁性及び光透過性の第2の液体322が収容されている。また、円筒状部材301の内壁の一部である内側に突出した構造302が、円筒状部材301とは別の部材であっても良く、該構造302が円筒状部材301に接合された構造でも良い。
【0018】
2つの液体321、322は互いに非混和性を有し、互いに屈折率が異なる液体である。また、2つの液体321、322の密度は互いに近い値にすることが望ましいことは、実施例1で説明した通りである。第1の液体には塩化ナトリウム水溶液などを用いることができ、第2の液体にはシリコンオイルなどを用いることができる。円筒状部材301及び突出部302の内壁には電極331が形成されており、2つの液体321、322の一部は、それぞれ、絶縁体341を介して電極331に接触している。
【0019】
電圧印加装置351により、第1の液体321と電極331との間に電圧を印加することで、EW現象により2つの液体321、322の界面を、例えば、実線で示した界面361から点線で示した界面362へと変化させることが可能である。この時、界面の端部は絶縁体341の表面を移動する。円筒状部材301に、絶縁性を有する部材が用いられることは、実施例1で説明した通りである。また、円筒状部材301に、導電性を有する部材を用い、円筒状部材301と第1の液体321が接触する面に絶縁性を有する部材を設けた構造にしても良い。また、電極331が円筒状部材301を兼ねた構造であっても良く、その際は、第1の液体321と電極331との間で電圧がショートしない構造が用いられる。例えば、電極331の内壁のうち、第1の液体321と接触する部分に絶縁体341が形成された構造にしても良い。液体レンズ300の蓋部材311、312についても、実施例1で説明した通りである。
【0020】
絶縁体341の表面は、表面の法線方向が光軸371と直交する方向から、光軸371との成す角度が角度θになる方向へと連続的に変化している。ここで、角度θの値は、後述する幾何学的条件を満たす値に設定される。このような面を形成する方法も、実施例1で説明した方法と同様である。
【0021】
図3(b)は、液体レンズ300の光軸371に対するチルト回転の外力が作用して液体レンズ300が急に回転した際に、界面が光軸371と平行な方向へ変位する様子を概略的に示した図である。界面381、382、383は、変位過程の界面を表している。この時、界面の端部は、屈折力が電圧により変化する範囲での界面の端部の移動範囲を越えて大きく移動する。本実施例でも、絶縁体341の表面が連続的に変化していることにより、図3(b)のように界面の端部が大きく移動した場合でも、界面の端部が絶縁体341の表面上を滑らかに移動することが可能となる。また、絶縁体341の表面の法線を光軸371と直交する方向から光軸371との成す角度が角度θになる方向へと変化させることで、次の様にできる。すなわち、界面の端部の移動方向を、矢印391で示したように、光軸371と平行な方向から光軸371との成す角度が90°−θになる方向へと連続的で且つ単調に変えることができる。その結果、S字の膨らみを抑えることができ、蓋部材311、312と接触するのを回避することができる。
【0022】
図4(a)は、角度θが満たす幾何学的条件を説明するための、液体レンズ300の中心断面図である。界面384は、上述したチルト回転の外力が作用して液体レンズ300が急に回転した際の界面を表している。図4(a)のような光軸371を含む断面上では、界面384の端部は、光軸371を挟んで、絶縁体341の表面の互いに斜め対角の位置にある点385及び点386で接触している。線分387は、2つの接触点である点385と点386とを結ぶ線分である。角度θは、界面が絶縁体の表面に接触後に液体が分離するのを回避できる様に、突出した部分である絶縁体341の表面が線分387に接するか又は交わらないように設定する。
【0023】
図4(b)は、図4(a)に示した液体レンズ300において、界面の端部が移動する絶縁体341の表面付近を拡大した部分拡大図である。図中において、φは、絶縁体341の表面のうち、面の法線方向が光軸371と直交する方向である部分の内径である。Hは、絶縁体341の表面のうち、面の法線方向が光軸371と直交する方向である部分の長さである。Rは、絶縁体341の表面の方向が連続的に変化している部分の曲率半径である。ここでは簡単のため、絶縁体341の表面のうち、面の法線方向が変化している部分は、単一の曲率半径である場合を考える。この時、絶縁体341の表面が線分387に接するか又は交わらないように設定するという角度θが満たす条件は、以下のように定式化される。
(φ+2R)sinθ−Hcosθ≧2R
例えば、φ=10mm、H=5mm、R=2mmの場合、θは約35°以上となる。角度θを上述した条件を満たす角度にすることで、界面384が絶縁体341の表面に接触するのを防ぐことが可能となる。これにより、界面が絶縁体の表面に接触後、液体が分離するのを防ぐことが可能となる。
【0024】
図5は、構造の一部を変えた液体レンズ500の中心断面図である。この構造自体は本発明の範囲に含まれるものであるが、この構造と比較することで、実施例2の効果を明瞭に説明することができる。液体レンズ500では、角度θを上述した条件を満たさない角度に設定している。図5において、界面584は、液体レンズ500の光軸571に対するチルト回転の外力が作用して液体レンズ500が急に回転した際に、界面がS字形状になるのを示している。線分587は、界面584の端部である点585と点586とを結ぶ線分である。角度θが上記条件を満たしていない場合、絶縁体541は線分587と交わっており、図5に示したように、界面584の一部が絶縁体541の一部と接触してしまうことがある。この時、界面584が複数に分割されてしまう恐れがある。このように界面584の一部が絶縁体541の一部と接触する現象は、光軸571に対するチルト回転の外力が液体レンズ500に大きく作用し、界面の端部585、586が光軸571から離れた位置まで移動した場合に生じる。よって、本発明の液体レンズを、上記チルト回転の外力が大きく作用する機会が多い場所で使用する場合は、界面端部が光軸から離れた位置まで移動する可能性が高い為、図4の液体レンズ300の様に角度θを上記条件を満たす角度に設定すると効果的である。
【0025】
本発明の液体レンズを、実施例1の形態にするか、実施例2の形態にするかは、光軸に対するチルト回転の外力などの外乱が液体レンズに作用した際に界面の端部が移動する量を考慮して、決めることができる。
【符号の説明】
【0026】
100、200、300、500:液体レンズ(液体光学素子)、101、301:円筒状部材(容器)、111、112、311、312:蓋部材(容器)、121、321:第1の液体(導電性液体)、122、322:第2の液体(非導電性液体)、131、331:電極、141、241、341、541:絶縁体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに混和しない2つの液体が容器内に収容され、前記2つの液体の界面の端部が前記容器の内壁面を移動することにより前記界面の状態を変化させる液体光学素子であって、
前記容器の内壁は、当該液体光学素子の光軸の周りにおいて該光軸へ向かう方向に突出した部分を有し、
前記突出した部分は、前記光軸の方向における中心部において、面の法線が前記光軸と交わる環状の面を有し、前記光軸の方向における周辺部において、面の法線が前記光軸と平行な方向へ向かって連続的に変化する環状の面を有することを特徴とする液体光学素子。
【請求項2】
前記容器内に収容された互いに混和しない導電性液体及び非導電性液体と、前記容器の内壁に形成された電極と、前記電極上に形成され前記導電性液体と接触する絶縁体と、を備え、
前記導電性液体と前記電極との間に印加する電圧を制御して、前記導電性液体と前記非導電性液体との界面の端部が前記絶縁体の表面を移動することにより前記界面の形状を変化させることを特徴とする請求項1に記載の液体光学素子。
【請求項3】
前記突出した部分は、前記光軸の方向における中心部において、面の法線が前記光軸と常に一定の角度で交わる環状の面を有し、前記光軸の方向における周辺部において、面の法線が前記光軸と平行な方向へ向かって単調に連続的に変化する環状の面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の液体光学素子。
【請求項4】
前記導電性液体と前記非導電性液体との界面の端部が前記絶縁体の表面を移動することにより前記界面の曲率を変化させる焦点可変液体レンズであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体光学素子。
【請求項5】
前記光軸の周りで対称であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液体光学素子。
【請求項6】
前記突出した部分の前記光軸の方向における中心を通って前記光軸と垂直な断面に関して、対称であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液体光学素子。
【請求項7】
前記突出した部分の周辺部は、前記光軸を含む断面において、前記界面の端部が前記光軸を挟んで互いに斜め対角の位置にある前記周辺部と接触している時、2つの接触点を結ぶ線分が前記突出した部分と接するか又は交わらないような形状を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の液体レンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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