説明

液体処理システム

【課題】浴槽に接続される給湯装置と微細気泡供給装置の設置スペースの縮小化及び設置手間の低減を図る。
【解決手段】液体を処理して浴槽(2)に供給する液体処理システム(1)を前提とする。液体処理システム(1)に、液体に加熱処理を行う給湯装置(10)と、微細気泡を発生させるために気体を液体中に加圧溶解させる気体加圧溶解処理を行う微細気泡供給装置(20)と、上記加熱処理及び気体加圧溶解処理が行われた液体が浴槽(2)に供給される同時運転が可能なように給湯装置(10)及び微細気泡供給装置(20)がそれぞれ接続されて浴槽(2)に処理液体を導く液体流路(30)とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体貯留槽に接続されて該液体貯留槽に微細気泡を供給する微細気泡供給装置を備えた液体処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、浴槽等の液体貯留槽に接続されて微細気泡を供給する微細気泡供給装置(所謂、マイクロバブル供給装置)が用いられている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
上記微細気泡供給装置は、浴槽に接続された循環流路を備え、該循環流路には空気導入手段と循環ポンプと減圧手段とが接続されている。上記微細気泡供給装置では、浴槽から循環流路に引き込んだ温水に空気を導入して気液混合液とし、該気液混合液を加圧して空気を温水中に溶解させて空気溶解水とし、該空気溶解水を減圧することによって微細気泡を発生させて該微細気泡を温水と共に浴槽内に供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3401811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記微細気泡供給装置が接続される浴槽等の液体貯留槽には、例えば、給湯装置や浄化装置のような液体に所定の処理を行う液体処理装置が設けられていることが多い。しかしながら、通常、このような液体貯留槽に微細気泡供給装置を付加する場合、微細気泡供給装置は液体処理装置とは別場所に設置され、液体処理装置とは別に液体貯留槽に接続されていた。そのため、微細気泡供給装置のために別途設置スペースを確保しなければならず、特に浴室等の狭小空間ではそのスペースの確保が困難となって微細気泡供給装置を容易に設置できない場合があった。また、液体処理装置と微細気泡供給装置とは共に液体貯留槽に接続されるにも拘わらず、微細気泡供給装置を液体処理装置から独立して設けることとしたために液体貯留槽への接続配管等についても液体処理装置のものとは別に設置しなければならず、微細気泡供給装置の設置手間を低減することができなかった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体貯留槽に接続される液体処理装置と微細気泡供給装置の設置スペースの縮小化及び設置手間の低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、液体を処理して液体貯留槽(2)に供給する液体処理システムであって、液体に所定の処理を行う液体処理装置(10)と、微細気泡を発生させるために気体を液体中に加圧溶解させる気体加圧溶解処理を行う微細気泡供給装置(20)と、上記所定の処理及び上記気体加圧溶解処理が行われた液体が上記液体貯留槽(2)に供給される同時運転が可能なように上記液体処理装置(10)及び上記微細気泡供給装置(20)がそれぞれ接続されて上記液体貯留槽(2)に処理液体を導く液体流路(30)とを備えている。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、上記液体流路(30)は、上記同時運転と上記所定の処理のみが行われた液体が上記液体貯留槽(2)に供給される第1単独運転との切換が可能となるように構成されている。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、上記液体流路(30)は、上記液体貯留槽(2)から上記液体処理装置(10)に液体を導く供給路(31)と、上記液体処理装置(10)から上記液体貯留槽(2)に液体を導く返送路(32)とを備え、上記液体処理装置(10)は、上記供給路(31)と上記返送路(32)とを接続する連絡路(11)と、該連絡路(11)に設けられて液体を搬送する搬送ポンプ(12)とを備え、上記微細気泡供給装置(20)は、上記返送路(32)の液体を装置内部に引き込んで加圧し、上記返送路(32)に圧送する加圧ポンプ(23)を備えている。
【0010】
第4の発明は、第3の発明において、上記液体流路(30)は、上記返送路(32)から上記微細気泡供給装置(20)に液体を導く導出路(33)と、上記微細気泡供給装置(20)からの液体を上記返送路(32)の上記導出路(33)よりも下流側に導入する導入路(34)とをさらに備え、上記返送路(32)の上記導出路(33)と上記導入路(34)との間には、上記返送路(32)における上記液体処理装置(10)から上記液体貯留槽(2)へ向かう流動のみを許容する逆流防止手段(45)が設けられている。
【0011】
第5の発明は、第4の発明において、上記液体流路(30)は、上記同時運転と上記気体加圧溶解処理のみが行われた液体が上記液体貯留槽(2)に供給される第2単独運転との切り換えが可能となるように構成されている。
【0012】
第6の発明は、第5の発明において、上記液体流路(30)は、上記第2単独運転の際に、上記供給路(31)の液体を上記液体処理装置(10)を介さずに上記導出路(33)に導くためのバイパス手段(35,46)を有している。
【0013】
第7の発明は、第6の発明において、上記液体貯留槽(2)に設けられ、上記返送路(32)の液体を減圧して放出する減圧ノズル(52)と、上記液体貯留槽(2)に設けられ、上記返送路(32)の液体を放出する吹出ノズル(51)と、上記同時運転及び上記第2単独運転の際には、上記返送路(32)の液体を上記減圧ノズル(52)に導く一方、上記第1単独運転の際には、上記返送路(32)の液体を上記吹出ノズル(51)に導くノズル切換手段(48)とを備えている。
【0014】
第8の発明は、第3乃至第6のいずれか1つの発明において、上記返送路(32)の下流側端部に設けられ、液体を減圧する減圧手段(80)が設けられた第1流路(71)と該第1流路(71)を迂回する第2流路(72)とが形成され、所定圧力以上の圧力の液体が供給されると該液体を上記第1流路(71)に導く一方、上記所定圧力未満の圧力の液体が供給されると該液体を上記第2流路(72)に導くように構成された調節ノズル(53)を備えている。
【0015】
第9の発明は、第8の発明において、上記調節ノズル(53)には、上記供給路(31)が接続されると共に、上記液体貯留槽(2)の液体を上記供給路(31)に導入するための吸込流路(75)が形成されている。
【0016】
第10の発明は、第6の発明において、上記導出路(33)と、上記導入路(34)と、上記逆流防止手段(45)と、上記バイパス手段(35,46)とは、上記供給路(31)及び上記返送路(32)の中途部に接続自在な接続ユニット(40)として構成されている。
【0017】
第11の発明は、第7の発明において、上記導出路(33)と、上記導入路(34)と、上記逆流防止手段(45)と、上記バイパス手段(35,46)と、上記ノズル切換手段(48)とは、上記供給路(31)及び上記返送路(32)の中途部に接続自在な接続ユニット(40)として構成されている。
【0018】
第12の発明は、第3の発明において、上記液体貯留槽(2)は、浴槽によって構成され、上記液体処理装置(10)は、水に加熱処理を行う給湯装置によって構成されている。
【0019】
第1の発明では、液体処理装置(10)と微細気泡供給装置(20)とは、該両装置(10,20)の同時運転が可能なように同じ液体流路(30)に接続されている。つまり、液体処理装置(10)によって処理された処理液体を液体貯留槽(2)に導く流路と、微細気泡供給装置(20)によって気体加圧溶解処理された処理液体を液体貯留槽(2)に導く流路とが共通化されている。
【0020】
第2の発明では、同時運転のみでなく、液体処理装置(10)において所定の処理のみが行われた液体が液体貯留槽(2)に供給される第1単独運転も実行可能となる。
【0021】
第3の発明では、供給路(31)と返送路(32)とは連絡路(11)によって接続され、液体貯留槽(2)と液体処理装置(10)との間に循環路が形成されている。そのため、連絡路(11)に設けられた搬送ポンプ(12)を稼働させると、循環路を介して液体貯留槽(2)と液体処理装置(10)との間において液体が循環する。一方、微細気泡供給装置(20)は、液体処理装置(10)通過後の返送路(32)の液体を内部に引き込んで加圧して返送路(32)に圧送する加圧ポンプ(23)を備えている。そのため、加圧ポンプ(23)を稼働させると、搬送ポンプ(12)によって返送路(32)に送り込まれた液体が加圧ポンプ(23)によって微細気泡供給装置(20)に引き込まれ、加圧された後、返送路(32)に圧送される。つまり、搬送ポンプ(12)と加圧ポンプ(23)の両方を駆動する場合、加圧ポンプ(23)は搬送ポンプ(12)よりも循環路の下流側に接続される。これにより、微細気泡供給装置(20)に引き込まれる液体は、搬送ポンプ(12)と加圧ポンプ(23)とによって二段階に加圧されることとなる。
【0022】
第4の発明では、微細気泡供給装置(20)の加圧ポンプ(23)が稼働されると、返送路(32)の液体が導出路(33)を介して微細気泡供給装置(20)に引き込まれ、加圧ポンプ(23)によって加圧される。そして、加圧後の液体は、導入路(34)を介して返送路(32)の導出路(33)よりも下流側に導入される。このとき、導入路(34)の液体の圧力は、導出路(33)の液体の圧力に比べて高くなっている。しかしながら、返送路(32)の導出路(33)と導入路(34)との間には、逆流防止手段(45)が設けられているため、導入路(34)から返送路(32)に導入された液体は、逆流することなく返送路(32)を下流側に流動することとなる。
【0023】
第5の発明では、同時運転のみでなく、微細気泡供給装置(20)において気体加圧溶解処理のみが行われた液体が液体貯留槽(2)に供給される第2単独運転も実行可能となる。
【0024】
第6の発明では、バイパス手段(35,46)を備えているため、第2単独運転の際に供給路(31)の液体が液体処理装置(10)を介さずに導出路(33)に導かれる。つまり、第2単独運転の際に、液体貯留槽(2)の液体が液体処理装置(10)を通過することなく微細気泡供給装置(20)に導かれることとなる。
【0025】
ところで、微細気泡を発生させるためには、加圧ポンプ(23)によって加圧して気体を溶解させた液体を減圧手段によって減圧する必要がある。
【0026】
そこで、第7の発明では、同時運転及び第2単独運転の際に、微細気泡供給装置(20)において気体加圧溶解処理が行われた液体は減圧ノズル(52)に導かれて減圧されることとしている。これにより、液体中に溶解していた気体が微細気泡となり、減圧ノズル(52)から液体と共に液体貯留槽(2)に供給される。一方、液体流路(30)の液体が微細気泡供給装置(20)において処理されず、液体処理装置(10)のみにおいて処理される第1単独運転の際には、液体処理装置(10)において処理された液体は、吹出ノズル(51)に導かれて減圧されることなくそのまま液体貯留槽(2)に放出される。
【0027】
また、第8の発明では、同時運転及び第2単独運転の際に、微細気泡供給装置(20)において気体加圧溶解処理された後の所定圧力以上の圧力の液体が調節ノズル(53)に供給されると、該液体は第1流路(71)に導かれて減圧手段(80)によって減圧されることとしている。これにより、液体中に溶解していた気体が微細気泡となり、液体と共に液体貯留槽(2)に供給される。一方、液体流路(30)の液体が微細気泡供給装置(20)において処理されず、液体処理装置(10)のみにおいて処理される第1単独運転の際に、液体処理装置(10)において処理された後の所定圧力未満の圧力の液体が調節ノズル(53)に供給されると、第2流路(72)に導かれて減圧されることなくそのまま液体貯留槽(2)に放出される。
【0028】
第9の発明では、液体貯留槽(2)の液体は、処理後の液体を吐出する又は吹き出すための調節ノズル(53)に形成された導入路(34)を介して供給路(31)に導入される。
【0029】
第10及び第11の発明では、液体貯留槽(2)に液体流路(30)を介して接続された既存の液体処理装置(10)の供給路(31)及び返送路(32)の中途部に、接続ユニット(40)を接続すると、該接続ユニット(40)の導出路(33)及び導入路(34)に微細気泡供給装置(20)の流入端及び流出端を接続するだけで容易に微細気泡供給装置(20)を追加設置することができる。
【0030】
第12の発明では、搬送ポンプ(12)と加圧ポンプ(23)の両方を駆動して、例えば、給湯装置(10)において追い焚きし、微細気泡供給装置(20)において気体加圧溶解処理が行われる同時運転が実行されると、加熱処理及び気体加圧溶解処理が行われた液体が浴槽(2)に供給される。これにより、浴槽(2)の温水が加熱されると共に浴槽(2)内に微細気泡が供給される。また、同時運転の際に、加圧ポンプ(23)は搬送ポンプ(12)よりも循環路の下流側に接続される。そのため、微細気泡供給装置(20)に引き込まれる液体が、搬送ポンプ(12)と加圧ポンプ(23)とによって二段階に加圧され、温水への気体の溶解量を増加させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、液体処理装置(10)と微細気泡供給装置(20)との処理液体を液体貯留槽(2)に導く流路を共通化することにより、両装置(10,20)の設置スペースの縮小化を図ることができると共に、両装置(10,20)の設置工程を低減することができる。そのため、両装置(10,20)の設置手間の低減を図ることができる。
【0032】
また、第2及び第5の発明によれば、液体処理装置(10)及び微細気泡供給装置(20)を同時運転するだけでなく、一方の単独運転に切り換えることができる。よって、液体処理装置(10)と微細気泡供給装置(20)との処理液体を液体貯留槽(2)に導く流路を共通化しても、該流路が共通化されずに個別に設けられている場合と同様の運転が可能となる。
【0033】
また、第3の発明によれば、搬送ポンプ(12)と加圧ポンプ(23)の両方が駆動される際に、微細気泡供給装置(20)が循環路の液体処理装置(10)よりも下流側に接続されるように構成することにより、微細気泡供給装置(20)に引き込まれる液体を搬送ポンプ(12)と加圧ポンプ(23)とによって二段階に加圧することができる。そのため、微細気泡供給装置(20)における気体の溶解量を増大させることができる。また、搬送ポンプ(12)を有さない従来の微細気泡装置において加圧ポンプのみによって同等に加圧した場合に比べて、加圧ポンプ(23)の加圧量を低減することができる。従って、微細気泡供給装置(20)の能力を向上させることができると共に、加圧ポンプ(23)を低容量化することができる。従って、液体処理システム(1)の小型化及びコストの削減を図ることができる。
【0034】
また、第4の発明によれば、返送路(32)における逆流を防止することができる。
【0035】
また、第6の発明によれば、微細気泡供給装置(20)のみにおいて液体が処理される第2単独運転の際に、液体が液体処理装置(10)を通過することなく微細気泡供給装置(20)に供給されるように構成することができる。従って、第2単独運転の際の微細気泡供給装置(20)への液体の供給経路を短尺化することができ、圧力損失を防止することができる。
【0036】
また、第7の発明によれば、減圧ノズル(52)と吹出ノズル(51)とノズル切換手段(48)とを設けることにより、液体処理装置(10)と微細気泡供給装置(20)との処理液体を液体貯留槽(2)に導く流路を共通化しても、気体加圧溶解処理が行われる際には、処理液体を減圧ノズル(52)において減圧して微細気泡を発生させることができる一方、気体加圧溶解処理が行われずに所定の処理のみが行われる際には、処理液体を吹出ノズル(51)から減圧することなく放出することによって円滑に処理液体を液体貯留槽(2)に供給することができる。
【0037】
また、第8の発明によれば、微細気泡供給装置(20)において気体加圧溶解処理された高圧の液体と液体処理装置(10)のみにおいて処理された加圧されていない液体の放出用のノズルを1つのノズルによって構成することができる。よって、コスト削減を図ることができると共に、放出用のノズルに接続される配管も共用することができるため、液体処理システム(1)全体の小型化を図ることができる。
【0038】
また、第9の発明によれば、供給路(31)に液体貯留槽(2)の液体を導くための吸い込み用のノズルを省略することができる。従って、液体処理システム(1)の設置スペースのさらなる縮小化及び設置工事の手間のさらなる軽減を図ることができる。
【0039】
また、第10及び第11の発明によれば、液体貯留槽(2)に液体流路(30)を介して接続された既存の液体処理装置(10)の供給路(31)及び返送路(32)の中途部に、接続ユニット(40)を接続するだけで、容易に微細気泡供給装置(20)を追加設置することが可能となる。従って、微細気泡供給装置(20)の設置工事の手間を大幅に低減することができる。
【0040】
また、第12の発明によれば、給湯又は追い焚きと共に微細気泡を浴槽(2)に供給する同時運転と、給湯又は追い焚きのみが行われる第1単独運転と、気体加圧溶解処理のみが行われた温水が浴槽(2)に供給されて微細気泡を発生させる第2単独運転とを行うことができる。また、搬送ポンプ(12)と加圧ポンプ(23)の両方が駆動される同時運転の際には、微細気泡供給装置(20)が循環路の給湯装置(10)よりも下流側に接続されるように構成されているため、微細気泡供給装置(20)に引き込まれる液体を搬送ポンプ(12)と加圧ポンプ(23)とによって二段階に加圧することができる。そのため、給湯装置(10)において温水中への空気の溶解量を増加させることができる。これにより、浴槽(2)内の温水がより白濁し、入浴者にリラクゼーション効果をより与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施形態1の液体処理システムの概略構成図である。
【図2】実施形態1の液体処理システムの同時運転(追い焚き、気体加圧溶解処理)における液体の流通経路を示す図である。
【図3】実施形態1の液体処理システムの同時運転(給湯、気体加圧溶解処理)における液体の流通経路を示す図である。
【図4】実施形態1の液体処理システムの第1単独運転(追い焚き)における液体の流通経路を示す図である。
【図5】実施形態1の液体処理システムの第1単独運転(給湯)における液体の流通経路を示す図である。
【図6】実施形態1の液体処理システムの第2単独運転(気体加圧溶解処理)における液体の流通経路を示す図である。
【図7】実施形態2の液体処理システムの概略構成図である。
【図8】実施形態2の調節ノズルの縦断面図である。
【図9】実施形態2の調節ノズルの衝突板の正面図である。
【図10】(A)、(B)は共に実施形態2の調節ノズルの動作図であり、(A)は第1単独運転における動作図であり、(B)は同時運転及び第2単独運転における動作図である。
【図11】実施形態3の液体処理システムの概略構成図である。
【図12】実施形態4の液体処理システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0043】
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
【0044】
−液体処理システムの構成−
図1に示すように、本発明に係る液体処理システム(1)は、本発明に係る液体貯留槽としての浴槽(2)に接続されている。
【0045】
上記液体処理システム(1)は、本発明に係る液体処理装置としての給湯装置(10)と、浴槽(2)において微細気泡を発生させるために気体加圧溶解処理(温水中に空気を加圧溶解させて空気溶解水とする処理)を行う微細気泡供給装置(20)とを備えている。なお、本発明に係る液体処理装置としての給湯装置(10)は、加熱処理を行った温水を浴槽(2)に供給する給湯又は追い焚きが可能に構成されている。
【0046】
また、上記液体処理システム(1)は、浴槽(2)に接続されると共に、給湯装置(10)と微細気泡供給装置(20)とが接続された液体流路(30)を備えている。液体流路(30)は、供給路(31)と返送路(32)とを備えている。供給路(31)及び返送路(32)は、共に浴槽(2)と給湯装置(10)とを接続し、供給路(31)は浴槽(2)から給湯装置(10)に温水を導く一方、返送路(32)は給湯装置(10)から浴槽(2)に温水を導くように構成されている。
【0047】
また、上記液体流路(30)は、返送路(32)から微細気泡供給装置(20)に温水を導く導出路(33)と、微細気泡供給装置(20)から排出された温水を返送路(32)に導入する導入路(34)とを備えている。さらに、上記液体流路(30)は、後述する第2単独運転の際に、供給路(31)の温水を給湯装置(10)を介さずに微細気泡供給装置(20)に導くためのバイパス路(35)を備えている。
【0048】
なお、本実施形態1では、返送路(32)は、給湯装置(10)に接続された主路(32a)と、主路(32a)の下流側端部から分岐して浴槽(2)に接続された第1分岐路(32b)及び第2分岐路(32c)とによって構成されている。なお、詳細については後述するが、第1分岐路(32b)には、同時運転及び第2単独運転の際に、微細気泡供給装置(20)において加圧されて空気が溶解した空気溶解水が導かれる一方、第2分岐路(32c)には、第1単独運転の際に、微細気泡供給装置(20)を通過せずに給湯装置(10)のみを通過した温水が導かれる。
【0049】
また、液体流路(30)は、該液体流路(30)に給湯装置(10)が接続されてなる既設の給湯システムに微細気泡供給装置(20)を追加設置して本発明に係る液体処理システム(1)を構築するための接続ユニット(40)を有している。該接続ユニット(40)に上記微細気泡供給装置(20)が接続されている。
【0050】
また、上記浴槽(2)には、吸込吹出ノズル(51)と、減圧ノズル(52)とが設けられている。吸込吹出ノズル(51)は、供給路(31)及び返送路(32)の第2分岐路(32c)が接続され、浴槽(2)の温水を供給路(31)に導入するための吸込口と、返送路(32)の第2分岐路(32c)の温水を浴槽(2)に吹き出す吹出口とが形成されている。一方、減圧ノズル(52)は、図示しない減圧機構を備え、返送路(32)の第1分岐路(32b)が接続されている。そして、減圧ノズル(52)は、第1分岐路(32b)から供給される温水を減圧して浴槽(2)に吐出する。
【0051】
(給湯装置の構成)
給湯装置(10)は、上記供給路(31)と返送路(32)とを接続して循環路を構成する連絡路(11)を有している。また、連絡路(11)には、浴槽(2)の温水を上記循環路において循環させる循環ポンプ(12)が設けられている。さらに、連絡路(11)の循環ポンプ(12)の上流側には、連絡路(11)を流れる温水を加熱する加熱器(13)が設けられている。加熱器(13)は、連絡路(11)を流れる温水を加熱可能なものであればいかなるものであってもよい。例えば、冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続された凝縮器によって構成されて高温の冷媒によって加熱されるものであってもよく、後述する貯湯タンク(14)の温水が循環する温水回路に接続されて浴槽(2)の温水よりも高温の温水によって加熱されるものであってもよい。
【0052】
また、給湯装置(10)は、貯湯タンク(14)と、給水源(15)とを備えている。貯湯タンク(14)は給湯基管(14a)を介して混合弁(16)に接続される一方、給水源(15)は給水基管(15a)及び第1給水分岐管(15b)を介して混合弁(16)に接続されている。また、給水源(15)は、給水基管(15a)及び第2給水分岐管(15c)を介して貯湯タンク(14)に接続されている。給水基管(15a)には、減圧弁(15d)が設けられている。さらに、混合弁(16)は、混合給水管(16a)を介して連絡路(11)の循環ポンプ(12)と加熱器(13)との間に接続されている。混合給水管(16a)には、開閉弁(16b)が設けられている。
【0053】
上記貯湯タンク(14)は、温水加熱回路(17)に接続されている。該温水加熱回路(17)には、熱交換器(17a)と、温水ポンプ(17b)とが接続されている。熱交換器(17a)は、冷媒回路(18)に接続され、該冷媒回路(18)の冷媒と温水加熱回路(17)の温水とを熱交換させる。一方、温水ポンプ(17b)は、熱交換器(17a)と貯湯タンク(14)との間において温水を循環させる。
【0054】
冷媒回路(18)には、上記熱交換器(17a)の他に、圧縮機(18a)、膨張弁(18b)及び熱交換器(18c)が接続され、熱交換器(17a)が凝縮器となる一方、熱交換器(18c)が蒸発器となる冷凍サイクルを行うように構成されている。
【0055】
このような構成により、給湯の際には、冷媒回路(18)の圧縮機(18a)が駆動されて熱交換器(17a)に高温の冷媒が供給され、該高温の冷媒は熱交換器(17a)において温水加熱回路(17)の温水に放熱して該温水加熱回路(17)の温水を加熱する。一方、温水加熱回路(17)では、温水ポンプ(17b)が駆動され、熱交換器(17a)において加熱された温水が貯湯タンク(14)に供給される。なお、貯湯タンク(14)及び給水源(15)は、連絡路(11)よりも内圧が高くなっている。そのため、開閉弁(16b)が開かれると、貯湯タンク(14)の温水と給水源(15)の冷水とが混合弁(16)において混合されて連絡路(11)に流入する。そして、連絡路(11)に流入した温水は、返送路(32)を介して浴槽(2)に供給される。
【0056】
一方、追い焚きの際には、開閉弁(16b)が閉じた状態で循環ポンプ(12)が駆動され、加熱器(13)が運転される。これにより、浴槽(2)の温水は、循環ポンプ(12)によって供給路(31)を介して連絡路(11)に流入し、加熱器(13)において加熱される。そして、加熱後の温水は、循環ポンプ(12)によって返送路(32)を介して浴槽(2)に返送される。
【0057】
(微細気泡供給装置の構成)
上記微細気泡供給装置(20)は、上記液体流路(30)によって浴槽(2)に接続されて、人体への温浴効果等を狙って浴槽(2)内に微細気泡を供給するためのものである。
【0058】
上記微細気泡供給装置(20)は、上記導出路(33)と導入路(34)とを連通させると共に、導出路(33)から供給された温水を導出路(33)へ導く連通路(21)を備えている。また、微細気泡供給装置(20)は、連通路(21)に順次接続された空気導入部(22)と、加圧ポンプ(23)と、気体溶解器(24)とを備えている。
【0059】
上記空気導入部(22)は、吸入管(22a)を備えると共に内部に連通路(21)の一部が形成され、内部を流通する温水に上記吸入管(22a)を介して吸い込んだ外部の空気を混入するように構成されている。なお、上記吸入管(22a)上には、空気導入部(22)へ導入される空気の流量を調整するための吸気量調整弁(22b)と、上記空気導入部(22)内の空気が上記吸入管(22a)の上流側へ逆流するのを防止するための逆止弁(22c)とが設けられている。
【0060】
上記加圧ポンプ(23)は、返送路(32)を流れる温水を導出路(33)を介して連通路(21)に引き込むと共に、該温水を加圧して上記空気導入部(22)において温水中に導入された空気を加圧溶解させるための加圧手段を構成している。加圧ポンプ(23)は、上記空気導入部(22)で空気が導入された気液混合流体を加圧して気体溶解器(24)へ圧送するように構成されている。
【0061】
上記気体溶解器(24)は、密閉されたタンク(24a)内で、上記加圧ポンプ(23)から圧送された気液混合流体中における空気の温水中への溶解を促進するとともに、その上部に設けられた排気弁(24b)から未溶解の余剰空気を排出するように構成されている。
【0062】
このような構成により、微細気泡供給装置(20)では、加圧ポンプ(23)が駆動されると、導出路(33)を介して返送路(32)の温水が連通路(21)に導入される。連通路(21)に導入された温水は、空気導入部(22)において空気が導入されて気液混合流体となり、加圧ポンプ(23)によって気体溶解器(24)へ圧送される。そして、気体溶解器(24)では、気液混合液体の空気が温水に溶解して空気溶解水となり、該空気溶解水は導入路(34)を介して返送路(32)に導入される。返送路(32)に導入された空気溶解水は、第1分岐路(32b)を介して減圧ノズル(52)に導かれ、該減圧ノズル(52)の内部に設けられた減圧機構を通過する際に減圧されて温水中に溶解していた空気が微細気泡となって現れる。そして、微細気泡は温水と共に減圧ノズル(52)から浴槽(2)に吐出される。
【0063】
(接続ユニットの構成)
上記接続ユニット(40)は、供給路(31)の一部を構成する供給側配管(41)と、返送路(32)の一部を構成する返送側配管(42)とを備えている。返送側配管(42)は、主路(32a)の一部を構成する主管(42a)と、主管(42a)から分岐して第1分岐路(32b)の一部を構成する第1分岐管(42b)と、主管(42a)から分岐して第2分岐路(32c)の一部を構成する第2分岐管(42c)とによって構成されている。また、接続ユニット(40)は、主管(42a)に接続されて導出路(33)を構成する導出管(43)と、主管(42a)の導出管(43)よりも下流側に接続されて導入路(34)を構成する導入管(44)とを備えている。
【0064】
また、接続ユニット(40)は、返送路(32)における給湯装置(10)から浴槽(2)へ向かう流動のみを許容する逆流防止手段としての逆止弁(45)を備えている。逆止弁(45)は、主管(42a)の導出管(43)の接続部分と導入管(44)の接続部分との間に設けられている。
【0065】
さらに、接続ユニット(40)は、供給側配管(41)と返送側配管(42)とに接続され、バイパス路(35)を構成するバイパス管を有している。バイパス管(35)は、第1ポート及び第3ポートが供給側配管(41)に接続された三方切換弁(46)の第2ポートに接続されている。三方切換弁(46)は、電磁式の三方切換弁によって構成され、第1ポートが第3ポートよりも供給側配管(41)の上流側に接続されている。三方切換弁(46)は、第1ポートと第3ポートとが連通する第1状態と、第1ポートと第2ポートとが連通する第2状態とに切換可能に構成されている。
【0066】
また、本実施形態1では、返送側配管(42)の主管(42a)の上記バイパス管(35)の接続部分よりも上流側に開閉弁(47)が設けられている。該開閉弁(47)は電磁弁によって構成されている。なお、開閉弁(47)は、給湯装置(10)に電磁弁が内蔵されている場合には省略することができる。
【0067】
さらに、接続ユニット(40)は、第1ポートに返送側配管(42)の主管(42a)が接続され、第2ポートに第1分岐管(42b)が接続され、第3ポートに第2分岐管(42c)が接続された三方切換弁(48)を備えている。三方切換弁(48)は、電磁式の三方切換弁によって構成され、第1ポートと第3ポートとが連通する第1状態と、第1ポートと第2ポートとが連通する第2状態とに切換可能に構成されている。
【0068】
−液体処理システムの運転動作−
上記液体処理システム(1)では、給湯装置(10)において所定の処理(給湯又は追い焚き)が行われると共に微細気泡供給装置(20)において気体加圧溶解処理が行われた温水が浴槽(2)に供給される同時運転と、給湯装置(10)において所定の処理(給湯又は追い焚き)のみが行われた温水が浴槽(2)に供給される第1単独運転と、微細気泡供給装置(20)において気体加圧溶解処理のみが行われた温水が浴槽(2)に供給される第2単独運転とが実行される。以下、それぞれについて具体的に説明する。
【0069】
(同時運転)
まず、給湯装置(10)において追い焚きが行われる場合の同時運転について説明する。
【0070】
図2に示すように、給湯装置(10)において追い焚きが行われる際には、開閉弁(16b)が閉状態に切り換えられて、循環ポンプ(12)が駆動されると共に加熱器(13)が運転される。一方、微細気泡供給装置(20)では、加圧ポンプ(23)が駆動される。また、三方切換弁(46)は第1状態に切り換えられ、三方切換弁(48)は第2状態に切り換えられ、開閉弁(47)は開状態に切り換えられる。
【0071】
これにより、浴槽(2)の温水が、循環ポンプ(12)によって吸込吹出ノズル(51)及び供給路(31)を介して連絡路(11)に流入する。そして、連絡路(11)の温水は、加熱器(13)において加熱され、循環ポンプ(12)によって返送路(32)に導かれる。返送路(32)に導かれた温水は、加圧ポンプ(23)によって導出路(33)を介して連通路(21)に引き込まれ、空気導入部(22)、加圧ポンプ(23)及び気体溶解器(24)を経て、温水中に空気が溶解した高圧の空気溶解水となる。そして、該空気溶解水は、導入路(34)を介して返送路(32)に導入され、第1分岐路(32b)を介して減圧ノズル(52)に導かれる。減圧ノズル(52)に導かれた高圧の空気溶解水は、該減圧ノズル(52)の内部に設けられた減圧機構を通過する際に減圧されて温水中に溶解していた空気が微細気泡となって温水中に現れる。そして、微細気泡は温水と共に減圧ノズル(52)から浴槽(2)に吐出される。
【0072】
このように、同時運転では、給湯装置(10)において温水が加熱されると共に、微細気泡供給装置(20)において気体加圧溶解処理がなされる。そして、減圧ノズル(52)を介して温水及び微細気泡が浴槽(2)に供給される。つまり、浴槽(2)の温水の追い焚きと微細気泡の供給とを同時に行うことができる。
【0073】
一方、図3に示すように、給湯装置(10)において給湯が行われる場合には、まず、圧縮機(18a)及び温水ポンプ(17b)が駆動されて貯湯タンク(14)に加熱した温水が貯留される。そして、開閉弁(16b)が開状態に切り換えられ、循環ポンプ(12)及び加熱器(13)の運転が停止される。一方、微細気泡供給装置(20)では、加圧ポンプ(23)が駆動される。また、三方切換弁(46)は第1状態に切り換えられ、三方切換弁(48)は第2状態に切り換えられ、開閉弁(47)は開状態に切り換えられる。
【0074】
これにより、貯湯タンク(14)の温水と給水源(15)の冷水とが混合弁(16)において混合されて連絡路(11)を介して返送路(32)に流入し、追い焚き時(図2参照)と同様に微細気泡供給装置(20)を経て三方切換弁(48)から第1分岐路(32b)に流入して減圧ノズル(52)から微細気泡と共に吐出される。
【0075】
(第1単独運転)
まず、給湯装置(10)において追い焚きが行われる場合の第1単独運転について説明する。
【0076】
図4に示すように、給湯装置(10)において追い焚きが行われる際には、開閉弁(16b)が閉状態に切り換えられて、循環ポンプ(12)が駆動されると共に加熱器(13)が運転される。一方、微細気泡供給装置(20)では、加圧ポンプ(23)の運転が停止される。また、三方切換弁(46)が第1状態に切り換えられ、三方切換弁(48)が第1状態に切り換えられ、開閉弁(47)が開状態に切り換えられる。
【0077】
これにより、浴槽(2)の温水が、循環ポンプ(12)によって吸込吹出ノズル(51)及び供給路(31)を介して連絡路(11)に流入する。そして、連絡路(11)の温水は、加熱器(13)において加熱され、循環ポンプ(12)によって返送路(32)に導かれる。返送路(32)に導かれた温水は、第2分岐路(32c)を介して吸込吹出ノズル(51)に導かれ、該吸込吹出ノズル(51)の吹出口から浴槽(2)に吹き出される。
【0078】
このように、第1単独運転では、給湯装置(10)において加熱された温水は、微細気泡供給装置(20)に引き込まれて気体加圧溶解処理されることなく浴槽(2)に供給される。つまり、第1単独運転では、浴槽(2)の温水の追い焚きのみが行われ、微細気泡の供給は行われない。
【0079】
一方、図5に示すように、給湯装置(10)において給湯が行われる場合には、まず、圧縮機(18a)及び温水ポンプ(17b)が駆動されて貯湯タンク(14)に加熱した温水が貯留される。そして、開閉弁(16b)が開状態に切り換えられる。この状態において、循環ポンプ(12)及び加熱器(13)の運転が停止される。一方、微細気泡供給装置(20)では、加圧ポンプ(23)の運転が停止される。また、三方切換弁(46)が第1状態に切り換えられ、三方切換弁(48)が第1状態に切り換えられ、開閉弁(47)が開状態に切り換えられる。
【0080】
これにより、貯湯タンク(14)の温水と給水源(15)の冷水とが混合弁(16)において混合されて連絡路(11)を介して返送路(32)に流入し、追い焚き時(図4参照)と同様に三方切換弁(48)から第2分岐路(32c)に流入して吸込吹出ノズル(51)の吹出口から浴槽(2)に吹き出される。
【0081】
(第2単独運転)
図6に示すように、第2単独運転では、三方切換弁(46)及び三方切換弁(48)が共に第2状態に切り換えられ、開閉弁(47)が閉状態に切り換えられる。この状態において、加圧ポンプ(23)が駆動される。このとき、循環ポンプ(12)の運転は停止される。
【0082】
これにより、浴槽(2)の温水が、加圧ポンプ(23)によって吸込吹出ノズル(51)を介して供給路(31)に引き込まれる。そして、三方切換弁(46)が第1ポートと第2ポートとが連通する第2状態であるため、供給路(31)に引き込まれた温水は、バイパス路(35)を介して返送路(32)に引き込まれ、さらに導出路(33)を介して連通路(21)に引き込まれる。連通路(21)に引き込まれた温水は、空気導入部(22)、加圧ポンプ(23)及び気体溶解器(24)を経て、温水中に空気が溶解した高圧の空気溶解水となる。そして、該空気溶解水は、導入路(34)を介して返送路(32)に導入され、第1分岐路(32b)を介して減圧ノズル(52)に導かれる。減圧ノズル(52)に導かれた高圧の空気溶解水は、該減圧ノズル(52)の内部に設けられた減圧機構を通過する際に減圧されて温水中に溶解していた空気が微細気泡となって温水中に現れる。そして、微細気泡は温水と共に減圧ノズル(52)から浴槽(2)に吐出される。
【0083】
このように、第2単独運転では、浴槽(2)の温水は、給湯装置(10)を通過することなく、微細気泡供給装置(20)に引き込まれて気体加圧溶解処理がなされる。そして、気体加圧溶解処理後の空気溶解水は、減圧ノズル(52)に供給され、減圧ノズル(52)において減圧されて微細気泡を発生させた後、浴槽(2)に吐出される。つまり、第2単独運転では、浴槽(2)の温水への微細気泡の供給のみが行われ、追い焚き(又は給湯)は行われない。
【0084】
−液体処理システムの運転切換動作−
上記同時運転から第1単独運転へは、加圧ポンプ(23)の運転を停止すると共に、三方切換弁(48)を第2状態から第1状態に切り換えることによって切り換えられる。逆に、上記第1単独運転から同時運転へは、加圧ポンプ(23)の運転を開始すると共に、三方切換弁(48)を第1状態から第2状態に切り換えることによって切り換えられる。
【0085】
また、上記同時運転から第2単独運転へは、同時運転の際に給湯装置(10)において追い焚きが行われる場合には、循環ポンプ(12)及び加熱器(13)の運転を停止すると共に、三方切換弁(46)を第1状態から第2状態へ切り換え、開閉弁(47)を開状態から閉状態に切り換えることにより切り換えられる。一方、同時運転の際に給湯装置(10)において給湯が行われる場合には、開閉弁(16b)を閉じると共に、三方切換弁(46)を第1状態から第2状態へ切り換え、開閉弁(47)を開状態から閉状態に切り換えることにより切り換えられる。逆に、上記第2単独運転から同時運転へは、同時運転の際に給湯装置(10)において追い焚きが行われる場合には、循環ポンプ(12)及び加熱器(13)の運転を開始すると共に、三方切換弁(48)を第2状態から第1状態へ切り換え、開閉弁(47)を閉状態から開状態に切り換えることによって切り換えられる。一方、同時運転の際に給湯装置(10)において給湯が行われる場合には、開閉弁(16b)を開くと共に、三方切換弁(48)を第2状態から第1状態へ切り換え、開閉弁(47)を閉状態から開状態に切り換えることによって切り換えられる。
【0086】
さらに、上記第1単独運転から第2単独運転へは、第1単独運転の際に給湯装置(10)において追い焚きが行われる場合には、循環ポンプ(12)及び加熱器(13)の運転を停止する一方、加圧ポンプ(23)の運転を開始し、三方切換弁(46)及び三方切換弁(48)を共に第1状態から第2状態へ切り換え、開閉弁(47)を開状態から閉状態に切り換えることによって切り換えられる。一方、第1単独運転の際に給湯装置(10)において給湯が行われる場合には、開閉弁(16b)を閉じると共に、加圧ポンプ(23)の運転を開始し、三方切換弁(46)及び三方切換弁(48)を共に第1状態から第2状態へ切り換え、開閉弁(47)を開状態から閉状態に切り換えることによって切り換えられる。逆に、上記第2単独運転から第1単独運転へは、第1単独運転の際に給湯装置(10)において追い焚きが行われる場合には、循環ポンプ(12)及び加熱器(13)の運転を開始する一方、加圧ポンプ(23)の運転を停止し、三方切換弁(46)及び三方切換弁(48)を共に第2状態から第1状態へ切り換え、開閉弁(47)を閉状態から開状態に切り換えることによって切り換えられる。一方、第1単独運転の際に給湯装置(10)において給湯が行われる場合には、開閉弁(16b)を開くと共に、加圧ポンプ(23)の運転を停止し、三方切換弁(46)及び三方切換弁(48)を共に第2状態から第1状態へ切り換え、開閉弁(47)を閉状態から開状態に切り換えることによって切り換えられる。
【0087】
−実施形態1の効果−
以上により、本液体処理システム(1)によれば、液体処理装置としての給湯装置(10)と微細気泡供給装置(20)との処理液体を、液体貯留槽としての浴槽(2)に導く流路を液体流路(30)によって共通化したことにより、両装置(10,20)を備えた液体処理システム(1)の設置スペースの縮小化を図ることができると共に、液体処理システム(1)の設置工程を低減することができる。従って、液体処理システム(1)の設置手間の低減を図ることができる。
【0088】
また、本液体処理システム(1)によれば、給湯装置(10)及び微細気泡供給装置(20)を同時運転するだけでなく、一方の単独運転(第1単独運転又は第2単独運転)に切り換えることができる。よって、給湯装置(10)と微細気泡供給装置(20)との処理液体を浴槽(2)に導く流路を液体流路(30)によって共通化しても、該流路が共通化されずに個別に設けられている場合と同様の運転が可能となる。
【0089】
また、本液体処理システム(1)では、循環ポンプ(12)と加圧ポンプ(23)の両方が駆動される同時運転の際に、微細気泡供給装置(20)が、供給路(31)と返送路(32)と連絡路(11)とによって形成される循環路の給湯装置(10)よりも下流側に接続されるように構成している。これにより、同時運転の際には、循環ポンプ(12)によって浴槽(2)から循環路に引き込んだ温水を加圧ポンプ(23)によって連通路(21)に引き込んで加圧することにより、温水の二段加圧が可能となる。そのため、通常の加圧ポンプ(23)のみによる単段加圧の場合に比べて空気の温水への溶解量を増加させることができる。よって、浴槽(2)の温水の微細気泡による白濁度が増し、見た目によるリラクゼーション効果を増大させることができる。
【0090】
さらに、このように循環ポンプ(12)を利用して二段加圧することとしたため、加圧ポンプ(23)のみによって等量だけ単段加圧する場合に比べて加圧ポンプ(23)による加圧量を低減することができる。そのため、比較的コストがかかる微細気泡供給装置(20)の加圧ポンプ(23)を低容量化することができ、コストダウンを図ることができる。
【0091】
また、微細気泡供給装置(20)の加圧ポンプ(23)を、一般によく用いられている非自吸式のポンプによって構成した場合、始動時には羽根車が収容されたポンプ室等を満たすための水(呼水)が必要となる。しかしながら、上述のように、循環ポンプ(12)によって温水が循環する循環路に微細気泡供給装置(20)を接続することにより、加圧ポンプ(23)の始動時に循環ポンプ(12)によって加圧ポンプ(23)への呼水が可能となる。
【0092】
さらに、本液体処理システム(1)では、返送路(32)の導出路(33)の接続部分と導入路(34)の接続部分との間には、給湯装置(10)から浴槽(2)へ向かう流動のみを許容する逆流防止手段としての逆止弁(45)が設けられている。そのため、微細気泡供給装置(20)において気体加圧溶解処理が行われた後の温水は、導出路(33)の温水に比べて高圧であるが、上記逆止弁(45)によって返送路(32)における逆流を防止することができる。
【0093】
また、本液体処理システム(1)によれば、微細気泡供給装置(20)のみにおいて温水が気体加圧溶解処理される第2単独運転の際に、供給路(31)の温水が給湯装置(10)を通過することなく微細気泡供給装置(20)に供給されるように導出路(33)に導くためのバイパス手段としてのバイパス路(35)と三方切換弁(46)とを備えている。そのため、第2単独運転の際の微細気泡供給装置(20)への温水の供給経路を短尺化することができ、圧力損失を防止し、微細気泡供給装置(20)において温水中に効率よく空気を溶解させることができる。
【0094】
ところで、微細気泡を発生させるためには、加圧ポンプ(23)によって加圧して空気を溶解させた温水を減圧手段によって減圧する必要がある。
【0095】
そこで、本液体処理システム(1)では、浴槽(2)に温水を減圧して放出する減圧ノズル(52)と減圧せずに温水を放出する吸込吹出ノズル(51)とを設けている。さらに、同時運転及び第2単独運転の際には、返送路(32)の温水を減圧ノズル(52)に導く一方、第1単独運転の際には、返送路(32)の温水を吸込吹出ノズル(51)に導くノズル切換手段としての三方切換弁(48)を設けている。これにより、給湯装置(10)と微細気泡供給装置(20)との処理液体を浴槽(2)に導く流路を共通化しても、気体加圧溶解処理が行われる際には、処理液体を減圧ノズル(52)において減圧して微細気泡を発生させることができる一方、微細気泡供給装置(20)において気体加圧溶解処理が行われずに給湯装置(10)において加熱処理のみが行われる際には、処理液体を吸込吹出ノズル(51)から減圧することなく放出することによって円滑に処理液体を浴槽(2)に供給することができる。
【0096】
また、本液体処理システム(1)では、浴槽(2)に接続された既存の給湯システム(本実施形態における給湯装置(10)と浴槽(2)に対する接続路を有する装置)に、微細気泡供給装置(20)を追加設置する際に、既存の給湯システムに付加する必要のある導出管(43)と導入管(44)と逆止弁(45)とバイパス管(35)と三方切換弁(46)とが接続ユニット(40)として一纏まりに構成され、供給路(31)及び返送路(32)の中途部に接続自在に構成されている。そのため、浴槽(2)に液体流路(30)を介して接続された既存の給湯システムの浴槽(2)との接続路(供給路(31)及び返送路(32))の中途部に、接続ユニット(40)を接続するだけで、容易に微細気泡供給装置(20)を追加設置することが可能となる。従って、微細気泡供給装置の設置工事の手間を大幅に低減することができる。
【0097】
《発明の実施形態2》
図7に示すように、実施形態2は、実施形態1に係る液体処理システム(1)の吸込吹出ノズル(51)及び減圧ノズル(52)の代わりに、後述する調節ノズル(53)を設け、三方切換弁(48)を除いたものである。
【0098】
また、上記変更に伴い、接続ユニット(40)は、実施形態1において備えていた三方切換弁(48)を備えていない。
【0099】
実施形態1において主路(32a)と第1分岐路(32b)と第2分岐路(32c)とによって構成されていた返送路(32)は、実施形態2では、主路(32a)のみによって構成されている。そして、主路(32a)は、調節ノズル(53)に接続されている。
【0100】
図8に示すように、上記調節ノズル(53)には、返送路(32)から温水を導入する導入空間(70)と、液体を減圧する減圧機構(80)が設けられた第1流路(71)と、該第1流路(71)を迂回する第2流路(72)とが形成されている。そして、調節ノズル(53)は、返送路(32)から導入空間(70)に所定圧力以上の圧力の温水が供給されると、温水を第1流路(71)に導く一方、返送路(32)から導入空間(70)に所定圧力未満の圧力の温水が供給されると、温水を第2流路(72)に導くように構成されている。
【0101】
具体的には、調節ノズル(53)は、底部に返送路(32)の下流側端部を構成する配管が接続される返送口(61a)が形成された有底円筒形状のケース部(61)と、該ケース部(61)の外周部に該ケース部(61)と一体にそれぞれ形成された吹出部(62)及び吸込部(63)とを備えている。
【0102】
上記ケース部(61)の内部には、上記導入空間(70)と上記第1流路(71)とが形成されると共に第1流路(71)には減圧機構(80)が設けられている。また、吹出部(62)は、ケース部(61)の外周面の一部を覆うように形成され、内部に上記第2流路(72)が形成されている。ケース部(61)の底部側(図8の右側)には、導入空間(70)と第2流路(72)とを連通するための連通孔(73)が形成されている。一方、吹出部(62)のケース部(61)の軸方向に関して底部と反対側の開口側(図8の左側)には、第2流路(72)と外部(浴槽(2)内)とを連通する吹出口(74)が形成されている。なお、本実施形態では、ケース部(61)内の減圧機構(80)よりも底部側に導入空間(70)が形成され、減圧機構(80)を含み減圧機構(80)から開口側に第1流路(71)が形成されている。
【0103】
一方、吸込部(63)は、上記吹出部(62)とは異なるケース部(61)の外周面の一部を覆うように形成され、内部に吸込流路(75)が形成されている。吸込部(63)の一端側には、吸込流路(75)と外部(浴槽(2)内)とを連通するための吸込口(76)が形成されている。一方、吸込部(63)の他端側には、供給路(31)の上流側端部を構成する配管が接続される供給口(63a)が形成されている。
【0104】
上記減圧機構(80)は、スライダー(81)と、オリフィス部材(82)と、バネ(83)と、係止部材(84)と、衝突板(85)とを備えている。
【0105】
上記スライダー(81)は、ケース部(61)の筒部の内壁に沿う円筒形状に形成され、ケース部(61)よりも軸方向の長さが短くなるように形成されている。スライダー(81)は、係止部材(84)によってケース部(61)の筒部の内壁に沿って軸方向にスライド自在に支持されている。また、スライダー(81)には、該スライダー(81)がケース部(61)内において該ケース部(61)の底部と当接する位置まで導入空間(70)側に移動した際に、ケース部(61)に形成された連通孔(73)と対峙して導入空間(70)と第2流路(72)とを連通する連通孔(77)が形成されている。
【0106】
上記オリフィス部材(82)は、円板状に形成され、上記スライダー(81)の中心軸がオリフィス部材(82)の中心を通るようにスライダー(81)の軸方向の中央部に固定されている。これにより、オリフィス部材(82)はスライダー(81)と共にスライド移動する。また、オリフィス部材(82)の中央部には、第1流路(71)の流路断面積を小さくするためのオリフィス孔(82a)が形成されている。該オリフィス孔(82a)は、オリフィス部材(82)の厚み方向中央部から軸方向に対向する表面及び裏面のそれぞれに向かって徐々に径が大きくなるように設けられている。すなわち、オリフィス孔(82a)は、その内部で第1流路(71)の流路断面積をさらに絞るように形成されている。なお、オリフィス孔(82a)は、吹出部(62)の吹出口(74)よりも各段に開口面積が小さくなるように形成されている。
【0107】
上記バネ(83)は、上記スライダー(81)よりも小径のコイルバネによって構成されている。また、バネ(83)は、一端側が係止部材(84)に形成されたバネ保持部(84a)に保持される一方、他端側は上記オリフィス部材(82)の片面に当接するように設けられている。そして、バネ(83)は、オリフィス部材(82)を導入空間(70)側に付勢している。
【0108】
上記係止部材(84)は、上記スライダー(81)よりも小径で且つ軸方向長さの短い略円筒形状に形成されている。係止部材(84)は、ケース部(61)の筒部と間隔を空けて設けられ、外端部がケース部(61)の筒部の開口側端部に接続されて該ケース部(61)と一体に形成されている。そして、係止部材(84)とケース部(61)の筒部との間に上記スライダー(81)が嵌め込まれ、係止部材(84)とケース部(61)の筒部とによってスライダー(81)がスライド自在に支持されている。また、係止部材(84)の内端部且つ外縁部には、上述したバネ保持部(84a)が形成されている。バネ保持部(84a)は、係止部材(84)の外縁部を環状に切り欠くことによって形成されている。
【0109】
上記衝突板(85)は、略円板状に形成されている。また、衝突板(85)は上記バネ(83)の内側において上記オリフィス部材(82)に対向するように設けられ、その外周縁部が上記係止部材(84)の内端に固定されている。また、図9に示すように、衝突板(85)は、中心の円板部(85a)と、該円板部(85a)の外周側を取り巻く外周部(85b)と、円板部(85a)と外周部(85b)とを接続する4つの接続部(85c)とを備えている。また、衝突板(85)には、これら円板部(85a)、外周部(85b)及び接続部(85c)とによって4つの吐出口(85d)が形成されている。
【0110】
−液体処理システムの運転動作−
実施形態2においても、液体処理システム(1)では、三方切換弁(48)の切り換え動作がなくなる以外は実施形態1とほぼ同様の同時運転と、第1単独運転と、第2単独運転とが実行される。
【0111】
そして、第1単独運転の際には、微細気泡供給装置(20)を経由しない温水が、返送路(32)を介して調節ノズル(53)に供給される。該温水は、調節ノズル(53)の導入空間(70)に供給される。このとき、オリフィス部材(82)は、バネ(83)によって導入空間(70)側に付勢され、オリフィス部材(82)が固定されたスライダー(81)はケース部(61)の底部に当接している(図10(A)参照)。そのため、スライダー(81)の連通孔(77)がケース部(61)の連通孔(73)に対峙しており、導入空間(70)と第2流路(72)とが連通している。これにより、導入空間(70)に供給された温水は、連通孔(77,73)を通って第2流路(72)を通過して吹出口(74)から浴槽(2)内に吹き出される。
【0112】
また、上述のように、調節ノズル(53)には、浴槽(2)と供給路(31)とを連通する吸込口(76)及び吸込流路(75)が形成されている。そのため、浴槽(2)の温水は、吸込口(76)及び吸込流路(75)を介して供給路(31)に導入される。
【0113】
一方、同時運転又は第2単独運転の際には、微細気泡供給装置(20)を経由して加圧ポンプ(23)によって所定の圧力以上の圧力に加圧されて空気が溶解した温水(空気溶解水)が、返送路(32)を介して調節ノズル(53)に供給される。該空気溶解水は、調節ノズル(53)の導入空間(70)に供給される。このとき、オリフィス部材(82)は、導入空間(70)に供給された空気溶解水の圧力により、バネ(83)の付勢力に抗して衝突板(85)側に移動する(図10(B)参照)。これに伴ってスライダー(81)も移動し、該スライダー(81)の連通孔(77)がケース部(61)の連通孔(73)と対峙しなくなる。つまり、導入空間(70)と第2流路(72)とが連通しなくなる。そのため、導入空間(70)に供給された空気溶解水は、第1流路(71)を通過して吐出口(85d)から吐出される。
【0114】
具体的には、空気溶解水は、まず、オリフィス部材(82)のオリフィス孔(82a)へ流入する。そして、空気溶解水は、該オリフィス孔(82a)を通過する際に減圧された後、衝突板(85)の中央部の円板部(85a)に衝突して、衝突水噴流と呼ばれる膜状の流れとなり、円板部(85a)とオリフィス部材(82)との間の隙間内を径方向外方へ放射状に流れる。その際に、発生する空気溶解水の流れの乱れによって、該空気溶解水内の微細気泡が小型化する。その後、微細気泡を含んだ空気溶解水は、衝突板(85)に形成された4つの吐出口(85d)から吐出される。
【0115】
また、上述のように、調節ノズル(53)には、浴槽(2)と供給路(31)とを連通する吸込口(76)及び吸込流路(75)が形成されている。そのため、浴槽(2)の温水は、吸込口(76)及び吸込流路(75)を介して供給路(31)に導入される。
【0116】
なお、液体処理システム(1)の運転切り換え動作については、三方切換弁(48)の切り換え動作がなくなる以外は実施形態1の液体処理システム(1)の運転切換動作とほぼ同様であるため、説明を省略する。
【0117】
以上のように、本液体処理システム(1)によっても実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0118】
また、本液体処理システム(1)によれば、調節ノズル(53)を設けたことにより、微細気泡供給装置(20)において気体加圧溶解処理がなされた所定圧力以上の圧力の空気溶解水と、微細気泡供給装置(20)を経由しなかった所定圧力未満の圧力の温水とを同じ調節ノズル(53)に供給して好適に浴槽(2)に放出することができる。つまり、同時運転又は第2単独運転において気体加圧溶解処理がなされた場合には、気体溶解水を第1流路(71)に導いて減圧機構(80)において減圧することによって微細気泡を発生させて浴槽(2)内に吐出することができる一方、第1単独運転において気体加圧溶解処理がなされない場合には、温水を第2流路(72)に導いて減圧機構(80)を迂回して浴槽(2)に吹き出すことができる。これにより、温水の放出用のノズルを共用可能に構成することにより、実施形態1で用いていた三方切換弁(48)を省略することができると共に、ノズル数を減じることができる。
【0119】
また、調節ノズル(53)は、浴槽(2)内の温水を供給路(31)に吸い込むための吸込用のノズルも兼ねるように構成されているため、吸込用のノズルも省略することができる。よって、本液体処理システム(1)によれば、本来3つのノズルが必要となるところ、1つの調節ノズル(53)によって構成することができ、ノズル数を大幅に削減することができる。
【0120】
《発明の実施形態3》
図11に示すように、実施形態3は、実施形態1において本発明のバイパス手段を構成するバイパス路(35)及び三方切換弁(46)を省略し、これに伴って開閉弁(47)を省略したものである。
【0121】
また、上記変更に伴い、接続ユニット(40)は、実施形態1において備えていた供給側配管(41)、バイパス管(35)、三方切換弁(46)及び開閉弁(47)を備えていない。
【0122】
本液体処理システム(1)では、三方切換弁(46)及び開閉弁(47)の切り換え動作がなくなる以外は実施形態1とほぼ同様の同時運転と、第1単独運転とが実行される。なお、具体的な動作については、上述のように三方切換弁(46)及び開閉弁(47)の切換動作がなくなる以外は実施形態1と同様であるため省略する。
【0123】
また、本液体処理システム(1)では、実施形態1とは異なる手法で第2単独運転が実行可能になっている。
【0124】
具体的には、第2単独運転では、開閉弁(16b)が閉状態に切り換えられて、循環ポンプ(12)及び加圧ポンプ(23)が駆動される一方、加熱器(13)の運転が停止される。そして、三方切換弁(48)が第2状態に切り換えられる。
【0125】
これにより、浴槽(2)の温水が、循環ポンプ(12)によって吸込吹出ノズル(51)及び供給路(31)を介して連絡路(11)に流入する。なお、加熱器(13)は運転停止中であるため、連絡路(11)の温水は加熱されないまま返送路(32)に流入する。返送路(32)に流入した温水は、加圧ポンプ(23)によって導出路(33)を介して連通路(21)に引き込まれ、空気導入部(22)、加圧ポンプ(23)及び気体溶解器(24)を経て、温水中に空気が溶解した高圧の空気溶解水となる。そして、該空気溶解水は、導入路(34)を介して返送路(32)に導入され、第1分岐路(32b)を介して減圧ノズル(52)に導かれる。減圧ノズル(52)に導かれた高圧の空気溶解水は、該減圧ノズル(52)の内部に設けられた減圧機構を通過する際に減圧されて温水中に溶解していた空気が微細気泡となって温水中に現れる。そして、微細気泡は温水と共に減圧ノズル(52)から浴槽(2)に吐出される。
【0126】
このように、本液体処理システム(1)の第2単独運転では、浴槽(2)の温水は、給湯装置(10)を通過するものの加熱処理されることなく、微細気泡供給装置(20)に引き込まれ、気体加圧溶解処理がなされる。気体加圧溶解処理後の空気溶解水は、減圧ノズル(52)に供給されて減圧されて微細気泡を発生させた後、浴槽(2)に吐出される。つまり、第2単独運転では、浴槽(2)の温水への微細気泡の供給のみが行われ、追い焚き(又は給湯)は行われない。
【0127】
以上により、実施形態3の液体処理システム(1)によっても実施形態1とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0128】
また、本液体処理システム(1)によれば、実施形態1のバイパス路(35)、三方切換弁(46)及び開閉弁(47)を省略して安価に液体処理システム(1)を提供することができる。
【0129】
《発明の実施形態4》
図12に示すように、実施形態4は、実施形態3に係る液体処理システム(1)の吸込吹出ノズル(51)及び減圧ノズル(52)の代わりに、実施形態2と同様の調節ノズル(53)を設け、三方切換弁(48)を除いたものである。
【0130】
また、上記変更に伴い、接続ユニット(40)は、実施形態3において備えていた三方切換弁(48)を備えていない。つまり、接続ユニット(40)は、実施形態1において備えていた供給側配管(41)、バイパス管(35)、三方切換弁(46)、開閉弁(47)及び三方切換弁(48)を備えておらず、返送側配管(42)、導出管(43)、導入管(44)及び逆止弁(45)のみを備えている。
【0131】
本液体処理システム(1)では、三方切換弁(46)及び開閉弁(47)の切り換え動作がなくなる以外は実施形態2とほぼ同様の同時運転と、第1単独運転とが実行される。なお、具体的な動作については、上述のように三方切換弁(46)及び開閉弁(47)の切換動作がなくなる以外は実施形態2と同様であるため省略する。
【0132】
また、本液体処理システム(1)では、実施形態2とは異なる手法で第2単独運転が実行可能になっている。
【0133】
具体的には、第2単独運転では、開閉弁(16b)が閉状態に切り換えられて、循環ポンプ(12)及び加圧ポンプ(23)が駆動される一方、加熱器(13)の運転が停止される。
【0134】
これにより、浴槽(2)の温水が、循環ポンプ(12)によって調節ノズル(53)及び供給路(31)を介して連絡路(11)に流入する。なお、加熱器(13)は運転停止中であるため、連絡路(11)の温水は加熱されないまま返送路(32)に流入する。返送路(32)に流入した温水は、加圧ポンプ(23)によって導出路(33)を介して連通路(21)に引き込まれ、空気導入部(22)、加圧ポンプ(23)及び気体溶解器(24)を経て、温水中に空気が溶解した高圧の空気溶解水となる。そして、該空気溶解水は、導入路(34)を介して返送路(32)に導入され、調節ノズル(53)の導入空間(70)に流入する。このとき、オリフィス部材(82)は、導入空間(70)に供給された空気溶解水の圧力により、バネ(83)の付勢力に抗して衝突板(85)側に移動する(図10(B)参照)。これに伴ってスライダー(81)も移動し、該スライダー(81)の連通孔(77)がケース部(61)の連通孔(73)と対峙しなくなる。つまり、導入空間(70)と第2流路(72)とが連通しなくなる。そのため、導入空間(70)に供給された空気溶解水は、第1流路(71)を通過して吐出口(85d)から吐出される。つまり、空気溶解水は、第1流路(71)に設けられた減圧機構(80)において減圧されて温水中に溶解していた空気が微細気泡となって温水中に現れる。そして、微細気泡は温水と共に調節ノズル(53)から浴槽(2)に吐出される。
【0135】
このように、本液体処理システム(1)の第2単独運転では、浴槽(2)の温水は、給湯装置(10)を通過するものの加熱処理されることなく、微細気泡供給装置(20)に引き込まれ、気体加圧溶解処理がなされる。気体加圧溶解処理後の空気溶解水は、調節ノズル(53)に供給されて減圧されて微細気泡を発生させた後、浴槽(2)に吐出される。つまり、第2単独運転では、浴槽(2)の温水への微細気泡の供給のみが行われ、追い焚き(又は給湯)は行われない。
【0136】
以上のように、本液体処理システム(1)によっても実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0137】
また、本液体処理システム(1)によっても、実施形態2と同様に、調節ノズル(53)を設けたことにより、実施形態1及び実施形態3で用いていた三方切換弁(48)を省略することができると共に、ノズル数を大幅に減じることができる。
【0138】
また、本液体処理システム(1)によっても、実施形態3と同様に、実施形態1のバイパス路(35)、三方切換弁(46)及び開閉弁(47)を省略して安価に液体処理システム(1)を提供することができる。
【0139】
(その他の実施形態)
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0140】
上記各実施形態では、本発明に係る液体処理装置の一例として、液体に加熱処理を行う給湯装置(10)について説明したが、液体処理装置は上記給湯装置(10)に限られず、例えば、加熱器(13)を冷却器等の冷却手段に変更した冷却装置であってもよく、加熱器(13)を例えばオゾン等の活性種によって浄化する浄化装置に変更した浄化装置であってもよい。このように液体処理装置を冷却装置や浄化装置によって構成することとしても給湯装置の場合と同様の効果を奏することができる。
【0141】
また、上記各実施形態において液体処理装置の一例として説明した給湯装置(10)の構成は、液体を加熱して浴槽(2)に供給するものであればいかなるものであってもよい。そのため、給湯装置(10)は、例えば、上記のような給湯と追い焚きとの両方が可能に構成されたものでなく、給湯専用の装置であってもよく、追い焚き専用の装置であってもよい。
【0142】
また、上記各実施形態では、浴槽(2)に接続された既存の給湯システム(本実施形態における給湯装置(10)と浴槽(2)に対する接続路を有する装置)に、微細気泡供給装置(20)を追加設置する際に、既存の給湯システムに付加する必要のある部品を接続ユニット(40)として一纏まりにして、供給路(31)及び返送路(32)の中途部に接続自在に構成していた。しかしながら、本発明に係る液体処理システムは、上述のような接続ユニット(40)に含まれる部品が一纏まりになって着脱自在に構成されていなくても勿論よい。つまり、既存の給湯システムに接続ユニット(40)と微細気泡供給装置(20)を追加設置して液体処理システムを構成するのではなく、給湯装置(10)と微細気泡供給装置(20)とを同じ液体流路(30)に接続して同時に設置して液体処理システムを構成したものであってもよい。
【0143】
また、上記実施形態2及び4において用いた調節ノズル(53)は、本発明に係る調節ノズルの一例であって、構成は上述のものに限られない。調節ノズル(53)は、微細気泡供給装置(20)において気体加圧溶解処理がなされた所定圧力以上の圧力の空気溶解水が供給されると、減圧手段によって減圧された後に浴槽(2)内に放出される一方、気体加圧溶解処理がなされていない所定圧力未満の圧力の温水が供給されると、減圧されずにそのまま浴槽(2)内へ放出されるように構成されていればいかなる構成であってもよい。また、本発明に係る調節ノズルは、上記実施形態2及び4の調節ノズル(53)のように内部に吸込流路(75)が形成されていなくてもよい。その場合、吸込ノズルを別途設けて該吸込供給路(31)を吸込ノズルに接続すればよい。
【0144】
また、上記実施形態1及び2においてバイパス路(35)は、返送路(32)の導出路(33)の接続部分に接続されていたが、バイパス路(35)の接続位置はこれに限られない。バイパス路(35)は、返送路(32)の導出路(33)の接続部分よりも上流側に接続されていてもよい。その場合、開閉弁(47)は、返送路(32)のバイパス路(35)よりも上流側に設けることとすればよい。
【0145】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0146】
以上説明したように、本発明は、液体貯留槽に接続されて該液体貯留槽に微細気泡を供給する微細気泡供給装置を備えた液体処理システムについて有用である。
【符号の説明】
【0147】
1 液体処理システム
2 浴槽(液体貯留槽)
10 給湯装置(液体処理装置)
11 連絡路
12 循環ポンプ(搬送ポンプ)
20 微細気泡供給装置
23 加圧ポンプ
30 液体流路
31 供給路
32 返送路
33 導出路
34 導入路
35 バイパス管(バイパス手段)
40 接続ユニット
45 逆止弁(逆流防止手段)
46 三方切換弁(バイパス手段)
48 三方切換弁(ノズル切換手段)
51 吸込吹出ノズル(吹出ノズル)
52 減圧ノズル
53 調節ノズル
71 第1流路
72 第2流路
80 減圧機構(減圧手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を処理して液体貯留槽(2)に供給する液体処理システムであって、
液体に所定の処理を行う液体処理装置(10)と、
微細気泡を発生させるために気体を液体中に加圧溶解させる気体加圧溶解処理を行う微細気泡供給装置(20)と、
上記所定の処理及び上記気体加圧溶解処理が行われた液体が上記液体貯留槽(2)に供給される同時運転が可能なように上記液体処理装置(10)及び上記微細気泡供給装置(20)がそれぞれ接続されて上記液体貯留槽(2)に処理液体を導く液体流路(30)とを備えている
ことを特徴とする液体処理システム。
【請求項2】
請求項1において、
上記液体流路(30)は、上記同時運転と上記所定の処理のみが行われた液体が上記液体貯留槽(2)に供給される第1単独運転との切換が可能となるように構成されている
ことを特徴とする液体処理システム。
【請求項3】
請求項2において、
上記液体流路(30)は、上記液体貯留槽(2)から上記液体処理装置(10)に液体を導く供給路(31)と、上記液体処理装置(10)から上記液体貯留槽(2)に液体を導く返送路(32)とを備え、
上記液体処理装置(10)は、上記供給路(31)と上記返送路(32)とを接続する連絡路(11)と、該連絡路(11)に設けられて液体を搬送する搬送ポンプ(12)とを備え、
上記微細気泡供給装置(20)は、上記返送路(32)の液体を装置内部に引き込んで加圧し、上記返送路(32)に圧送する加圧ポンプ(23)を備えている
ことを特徴とする液体処理システム。
【請求項4】
請求項3において、
上記液体流路(30)は、上記返送路(32)から上記微細気泡供給装置(20)に液体を導く導出路(33)と、上記微細気泡供給装置(20)からの液体を上記返送路(32)の上記導出路(33)よりも下流側に導入する導入路(34)とをさらに備え、
上記返送路(32)の上記導出路(33)と上記導入路(34)との間には、上記返送路(32)における上記液体処理装置(10)から上記液体貯留槽(2)へ向かう流動のみを許容する逆流防止手段(45)が設けられている
ことを特徴とする液体処理システム。
【請求項5】
請求項4において、
上記液体流路(30)は、上記同時運転と上記気体加圧溶解処理のみが行われた液体が上記液体貯留槽(2)に供給される第2単独運転との切り換えが可能となるように構成されている
ことを特徴とする液体処理システム。
【請求項6】
請求項5において、
上記液体流路(30)は、上記第2単独運転の際に、上記供給路(31)の液体を上記液体処理装置(10)を介さずに上記導出路(33)に導くためのバイパス手段(35,46)を有している
ことを特徴とする液体処理システム。
【請求項7】
請求項6において、
上記液体貯留槽(2)に設けられ、上記返送路(32)の液体を減圧して放出する減圧ノズル(52)と、
上記液体貯留槽(2)に設けられ、上記返送路(32)の液体を放出する吹出ノズル(51)と、
上記同時運転及び上記第2単独運転の際には、上記返送路(32)の液体を上記減圧ノズル(52)に導く一方、上記第1単独運転の際には、上記返送路(32)の液体を上記吹出ノズル(51)に導くノズル切換手段(48)とを備えている
ことを特徴とする液体処理システム。
【請求項8】
請求項3乃至6のいずれか1つにおいて、
上記返送路(32)の下流側端部に設けられ、液体を減圧する減圧手段(80)が設けられた第1流路(71)と該第1流路(71)を迂回する第2流路(72)とが形成され、所定圧力以上の圧力の液体が供給されると該液体を上記第1流路(71)に導く一方、上記所定圧力未満の圧力の液体が供給されると該液体を上記第2流路(72)に導くように構成された調節ノズル(53)を備えている
ことを特徴とする液体処理システム。
【請求項9】
請求項8において、
上記調節ノズル(53)には、上記供給路(31)が接続されると共に、上記液体貯留槽(2)の液体を上記供給路(31)に導入するための吸込流路(75)が形成されている
ことを特徴とする液体処理システム。
【請求項10】
請求項6において、
上記導出路(33)と、上記導入路(34)と、上記逆流防止手段(45)と、上記バイパス手段(35,46)とは、上記供給路(31)及び上記返送路(32)の中途部に接続自在な接続ユニット(40)として構成されている
ことを特徴とする液体処理システム。
【請求項11】
請求項7において、
上記導出路(33)と、上記導入路(34)と、上記逆流防止手段(45)と、上記バイパス手段(35,46)と、上記ノズル切換手段(48)とは、上記供給路(31)及び上記返送路(32)の中途部に接続自在な接続ユニット(40)として構成されている
ことを特徴とする液体処理システム。
【請求項12】
請求項3において、
上記液体貯留槽(2)は、浴槽によって構成され、
上記液体処理装置(10)は、水に加熱処理を行う給湯装置によって構成されている
ことを特徴とする液体処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−41930(P2011−41930A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193497(P2009−193497)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】