説明

液体収容容器

【課題】導通部の損傷を防止し、かつ、安定した自立保持が可能な液体収容容器を提供すること。
【解決手段】内部に液体を収容可能な液体収容部800を有する収容容器本体80と、前記収容容器本体80に設けられ、該収容容器本体80の外方に突出し、前記液体収容部800と外部とを導通可能な導通孔813を有する導通部811と、前記収容容器本体80に設けられ、該収容容器本体80の外方に突出する突出部815と、前記突出部に設けられる係合部817と、一端に被係合部840を有し、該被係合部840を係合部817に係合させることで前記収容容器本体80に連結されるキャップ体84とを備え、前記キャップ体84は、前記収容容器本体80に連結された状態で前記導通部811の外側を覆うと共に、一端が前記収容容器本体80と当接し、他端を底部として自立可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、薬液や血液等の液体を容器本体内に収容する液体収容容器が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1で開示された液体収容容器は、収容容器本体に設けられる開口部に導通部材を取り付けて開口部を塞ぎ、収容容器本体から突出する接続部(導通部)に設けられるチューブを介して、液体が収容容器本体内へ収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−43273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示される液体収容容器は、チューブを溶断することにより、収容容器本体内を密閉する。そして、液体収容容器は、収容容器本体内が密閉された状態で、保管される。
【0005】
ここで、保管に際して、液体収容容器は、導通部が収容容器本体から突出して露出しているために、接触等により導通部が損傷して、この損傷した導通部を通じて、収容容器本体内に収容されていた液体が流出してしまったり、損傷箇所から細菌等が侵入し、液体が汚染されてしまったりする場合があった。このため、露出する導通部が載置面等に接触しないように保護する必要がある。また、液体収容容器は、設置状態での不要な転がり等により、導通部の損傷を避けるために、液体収容容器には安定して自立姿勢を保持することが求められる。
【0006】
しかし、特許文献1に開示される液体収容容器は、収容容器本体に設けられる平面部を下にして載置した場合、導通部が上部に位置するために、安定性が悪い。また、導通部が、収容容器本体から突出し、外部に露出しているために、接触による損傷を防止することができない。したがって、導通部の損傷を防止し、かつ、安定した自立保持が可能な液体収容容器が求められる。
【0007】
本発明は、導通部の損傷を防止し、かつ、安定した自立保持が可能な液体収容容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、内部に液体を収容可能な液体収容部を有する収容容器本体と、前記収容容器本体に設けられ、該収容容器本体の外方に突出し、前記液体収容部と外部とを導通可能な導通孔を有する導通部と、前記収容容器本体に設けられ、該収容容器本体の外方に突出する突出部と、前記突出部に設けられる係合部と、一端に被係合部を有し、該被係合部を前記係合部に係合させることで前記収容容器本体に連結されるキャップ体とを備え、前記キャップ体は、前記収容容器本体に連結された状態で前記導通部の外側を覆うと共に、一端が前記収容容器本体と当接し、他端を底部として自立可能に構成される液体収容容器を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0009】
また、前記収容容器本体は、一端側に開口部を有する筒状の筒状部と、前記開口部に取り付けられる蓋部と、を備え、前記導通部及び前記突出部は、前記蓋部に設けられることが好ましい。
【0010】
また、前記突出部は、前記導通部の周囲において少なくとも対向位置に設けられると共に、前記係合部は、該突出部の先端側において側方に突出して形成され、前記キャップ体は、少なくとも一端が開放された円筒形状に形成され、前記被係合部は、前記キャップ体の一端側において、該キャップ体の内面が内周方向に突出して形成されることが好ましい。
【0011】
また、前記キャップ体は、他端側が開放されることが好ましい。
【0012】
また、前記キャップ体は、前記一端側の端面の径が前記他端側の端面の径よりも大径に形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、導通部の損傷を防止し、かつ、安定した自立保持が可能な液体収容容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】血液成分分離収容装置を示す概要図である。
【図2】連結チューブを溶断した成分収容容器を示す断面図である。
【図3】キャップ体を収容容器本体に取り付ける様子を示す図である。
【図4】本発明の液体収容容器を自立させた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の変形例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図6】第2実施形態を示す図で、(a)は斜視図、(b)はキャップ体を取り付けた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の液体収容容器を、その好ましい各実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。第1実施形態は、本発明を、対象者から採取した血液から液性成分(例えば、血清)を分離して収納する血液成分分離収容装置1の成分収容容器8に適用したものである。図1は、血液成分分離収容装置1を示す概要図である。図2は、連結チューブ4を溶断した成分収容容器8を示す断面図である。図3は、キャップ体84を収容容器本体80に取り付ける様子を示す図である。図4は、本発明の液体収容容器を自立させた状態を示す断面図である。図5は、本発明の変形例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【0016】
図1に示すように、血液成分分離収容装置1は、血液を貯留する血液貯留部2と、血液貯留部2に貯留された血液のうちの少なくとも一部の液性成分(液体)を収容する成分収容部3と、血液貯留部2と成分収容部3とを無菌的に連結する連結部4とを備える。
【0017】
血液貯留部2は、図1に示すように、採血針10により対象者から採取した血液を、採血チューブ11を介して、貯留する。血液貯留部2には、連結部4が無菌的に連結されており、連結部4を介して、血液貯留部2内に貯留されている血液のうち少なくとも一部の液性成分が成分収容部3に収容される。
【0018】
連結部4は、連結チューブにより構成される。この連結チューブ4は、一端が血液貯留部2に連結されて、他端が成分収容部3に連結される。
【0019】
成分収容部3は、図2に示すように、外部収容容器7と、外部収容容器7内に収容される成分収容容器8と、外部収容容器7に取り付けられるカバーキャップ9と、を備える。
【0020】
外部収容容器7は、縦長の円筒形状であり、その直径及び高さ共に後述する成分収容容器8の収容容器本体80よりも一回り大きく構成されている。外部収容容器7の一端には、開口が形成される。外部収容容器7の一端側の近傍における外側面には、ねじ山71が形成される。
【0021】
カバーキャップ9は、円筒形状に形成され、上面部90と側面部91とを有する。上面部90には、中心部にカバーキャップ9の外径と同心円の外径を有する第1開口部92が形成される。側面部91は、上面部90の外縁から略垂直に突出して形成される、側面部91の内面には、外部収容容器7に形成されるねじ山71に対応するねじ溝93が形成される。
【0022】
成分収容容器8は、図3に示すように、収容容器本体80と、収容容器本体80に取り付けられるキャップ体84とを備える。
【0023】
収容容器本体80は、筒状部806と、筒状部806に取り付けられる蓋部としての栓体81と、筒状部806の一部に形成される薄膜部804と、筒状部806から突出する円筒部801と、円筒部801に取り付けられるポートキャップ82とを有する。
【0024】
収容容器本体80は、側面及び底面が可撓性を有する材料から構成されている。可撓性を有する材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、シリコーン、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、合成ゴム、各種エラストマー等の軟質合成樹脂を用いることができる。また、成分収容容器8の側面は、成分収容容器8内に貯留される液体を視認可能とする観点から透明性を有する材料から構成することが好ましい。
【0025】
筒状部806は、縦長の円筒形状に形成される。この筒状部806は、内部に液体を収容可能に中空形状に形成される液体収容部としての第1中空部800と、筒状部806の一端に第1中空部800を開放する開口部としての第2開口部805とを備える。
【0026】
薄膜部804は、筒状部806の他端の一部に、薄膜状の厚みの薄い領域を設けることにより形成されている。この薄膜部804は、注射針等の穿刺具にて破断穿刺可能な薄さに形成される。
【0027】
円筒部801は、薄膜部804の周縁から、筒状部806の外方に向けて突出している。この円筒部801は、先端側が開放され、内方に第2中空部803を有する円筒形状に形成される。この円筒部801の内面には、円筒部801の内方で凹凸を形成する凹凸部802が形成される。
【0028】
ポートキャップ82は、円筒部801に嵌合可能な嵌合部820と、嵌合部820の側方から延出する開閉操作片821とを有する。嵌合部820の底部は、円筒部801の先端を覆うように円形に形成される。嵌合部820の周縁は、底部の外周全周から底部に対して略垂直に突出している。開閉操作片821は、底部が一方側に延出して形成されている。このポートキャップ82は、底部が円筒部801の先端を覆い、周縁が円筒部801の先端側の側面を覆うことで円筒部801の第2中空部803を密閉可能に構成される。
【0029】
栓体81は、平面形状が円形であり、その直径が外部収容容器7の外径及びカバーキャップ9の内径と略同一となっている(図2参照)。栓体81は、収容容器本体80に取り付けられた状態で第1中空部800側を向く内面に、収容容器本体80と嵌合可能な嵌合突部810を有している。この嵌合突部810は、栓体81の外径と同心円状に設けられており、内面に対して略垂直に突出している。
【0030】
栓体81は、図2〜図4に示すように、内面と反対側の面である外面に、収容容器本体80の外方に突出する第1導通部811、第2導通部(図示せず)、及び突出部815を有している。第1導通部811には、内部に先端から基端に貫通する導通孔としての第1貫通孔813が設けられる。この第1導通部811には、連結チューブ4が接続されており、血液貯留部2から導出された液性成分は、連結チューブ4を介して、成分収容部3内に収容される。この第1貫通孔813は、血液貯留容器21から導出された液性成分が導入される成分導入路として機能する。第1導通部811と連結チューブ4とは、第1導通部811に連結チューブ4の端部を係合させることにより接続されている。
【0031】
第2導通部には、第1導通部811と同様に、内部に先端から基端に貫通する導通孔としての第2貫通孔(図示せず)が設けられる。この第2貫通孔は、収容容器本体80内に空気を出し入れさせる通気路として機能する。第2導通部には、通気フィルタ6を備えた通気チューブ5がさらに連結されており(図1参照)、この通気フィルタ6及び通気チューブ5を介して収容容器本体80内に空気を出入り可能に構成される。第2導通部と通気チューブ5とは、第2導通部に通気チューブ5の端部を係合させることにより接続されている。
【0032】
通気フィルタ6とは、気体は通過させるが液体は通過させず、また、細菌等も通過させない性質を有するフィルタである。すなわち、通気フィルタ6が連結された第2貫通孔からは、収容容器本体80内に空気が出し入れされる。
【0033】
突出部815は、合成樹脂材により形成され、第1導通部811及び第2導通部の周囲に対向して一対設けられる(図2〜図4参照)。一対の突出部815は、それぞれ、脚部816と、この脚部816の先端側において側方に突出する係合部としての係合爪817を有する。
【0034】
脚部816は、栓体81の外面側に突出して形成される。脚部816は、カバーキャップ9を栓体81に取り付けた状態において、カバーキャップ9の第1開口部92の内方に配置され、また、カバーキャップ9を栓体81に取り付けた状態において、外部収容容器7とカバーキャップ9との螺合操作が可能な長さに構成される。つまり、脚部816の長さは、螺合から螺合解除までのカバーキャップ9の移動ストロークを考慮して設定される。
【0035】
係合爪817は、脚部816の先端で栓体81の側方に突出し、カバーキャップ9を栓体81に取り付けた状態において、先端が少なくともカバーキャップ9の第1開口部92の外径よりも外側に位置するように形成される。
【0036】
キャップ体84は、合成樹脂材により、両端が開放された円筒形状に形成される。キャップ体84は、栓体81と略同径に形成され、一端側には、内側面から内周側に向けて全周が突出する被係合部としての爪片840を有する。
【0037】
なお、キャップ体84は、図5(a)、(b)に示すように、一端側の外周の径よりも他端側の外周の径の方が大径になるように形成してもよい。
【0038】
以上の構成を有する成分収容部3は、例えば、以下の手順で組み立てられる。まず、筒状部806の第2開口部805に栓体81の嵌合突部810を嵌め込む。このことにより、栓体81が筒状部806に取り付けられ、第1中空部800が密閉される。また、円筒部801の先端に、ポートキャップ82の嵌合部820を嵌め込む。このことにより、第2中空部803が密閉され、円筒部801にポートキャップ82が取り付けられる。以上の手順で、収容容器本体80は組み立てられる。
【0039】
次いで、栓体81の係合爪817をカバーキャップ9の第1開口部92に押し込む。このことにより、栓体81の突出部815をカバーキャップ9に係合させる。この係合により、係合爪817は第1開口部92を通過し、カバーキャップ9の上面部90の表面側に移動する。
【0040】
次いで、カバーキャップ9が係合された収容容器本体80を外部収容容器7に収容する。そして、図2に示すように、外部収容容器7のねじ山71にカバーキャップ9のねじ溝93を螺合させる。この際、収容容器本体80は、栓体81がカバーキャップ9と外部収容容器7との間に位置しており、カバーキャップ9を外部収容容器7に螺合させることで、カバーキャップ9と外部収容容器7とに挟み込まれ、固定される。また、カバーキャップ9を外部収容容器7に螺合させることで外部収容容器7の内部は密閉される。また、カバーキャップ9は、突出部815に係合した状態では、係合爪817と栓体81の外縁により抜け止めされ、収容容器本体80に保持される。
【0041】
また、収容容器本体80は、外部収容容器7に収容された状態で、収容容器本体80の第1導通部811に連結チューブ4の端部が係合され、第2導通部に通気チューブ5の端部が係合されて、図1に示すように、血液貯留部2と接続される。
【0042】
次に、血液成分分離収容装置1の使用方法について、図1を参照しながら説明する。まず、図1に示すように、採血針10を対象者に刺して血液を採取する。この際、採血針10から採取された血液は、採血チューブ11を介して血液貯留部2内に貯留される。そして、血液貯留部2に貯留された血液は、血液貯留部2において少なくとも一部の液性成分が分離されて、この分離された液性成分は、連結チューブ4を介して成分収容部3に送られる。送られた液性成分は、成分収容部3に収容される(具体的には、収容容器本体80に収容される。)。
【0043】
次いで、液性成分が収容された収容容器本体80は、外部収容容器7から取り外される。次いで、外部収容容器7から取り外された収容容器本体80に、キャップ体84が取り付けられる。収容容器本体80へのキャップ体84の取り付けは、図3に示すように、キャップ体84の爪片840を突出部815の係合爪817に係合させることにより行う。係合爪817へ爪片840が係合することで、爪片840は、係合爪817とカバーキャップ9の上面部90とに挟まれて、収容容器本体80に取り付けられる。
【0044】
キャップ体84が取り付けられた収容容器本体80は、図4に示すように、円筒部801を上方(キャップ体84の端部を下方)に位置させて、キャップ体84の端部を底部にして載置面に自立が可能となる。
【0045】
収容容器本体80に保存された液性成分の利用は、例えば、以下の手順で行われる。キャップ体84が取り付けられた収容容器本体80は、自立姿勢を保持した状態で、まず、ポートキャップ82の開閉操作片821を指等で摘んで円筒部801から取り出す。次いで、円筒部801に穿刺具の先端を挿入する。すると、穿刺具の先端は、円筒部801の内壁にガイドされて薄膜部804に到達し、薄膜部804の破断穿刺が行われる。穿刺具をさらに挿入すると、凹凸部802に穿刺具が保持されて、収容容器本体80内の液性成分の採取が行われる。また、凹凸部802に穿刺具が保持されているため、過度の押し込みは防止される。
【0046】
上述した構成を有する第1実施形態の成分収容容器8によれば、以下のような効果を奏する。
キャップ体84により、突出する第1導通部811及び第2導通部の外側を覆った。これにより、第1導通部811及び第2導通部は外部に露出しないため、第1導通部811及び第2導通部の損傷を防止できる。また、第1導通部811に係合する連結チューブ4の端部及び第2導電部に係合する通気チューブ5の端部は、凍結等して割れやすくなった場合であっても、外部に露出しないため、第1導通部811及び第2導通部の損傷を防止できる。また、収容容器本体80にキャップ体84を取り付けた状態で、キャップ体84の端部を底部として自立可能に構成した。これにより、自立姿勢において、第1導通部811及び第2導通部が下部に位置する。このため、重心位置を低くすることができ、安定した自立が可能となる。
【0047】
また、円筒部801を、第1導通部811及び第2導通部の反対側の端部に設けた。これにより、自立姿勢において、液体採取口となる円筒部801が上方に位置するために、穿刺具による操作が容易になる。
【0048】
また、収容容器本体80を、筒状部806と、栓体81とにより構成し、この栓体81に第1導通部811、第2導通部及び突出部815を設けた。よって、収容容器本体80を一体的に構成する場合に比べて、製造が容易になる。
【0049】
また、キャップ体84を、円筒形状に形成したことにより、簡単に製造できる。このキャップ体84を、爪片840をキャップ体84の内周方向に突出させ、突出部815を爪片840と係合可能に構成したことにより、キャップ体84と突出部815との係合部分がキャップ体84の内方に位置するために、接触等により不用意にキャップ体84が栓体81から外れることがない。
【0050】
また、キャップ体84を、底部側が開放するように形成することにより、水中に成分収容容器8の下部を浸漬させる非働化処理のような処理を行う場合に、水がキャップ体84内に溜まったり、キャップ体84内の空気で浮力が与えられて水面に浮いてしまったりすることがない。このため、ウォーターバス等の恒温装置を用いた処理等にもそのまま用いることができる。
【0051】
また、収容容器本体80を、外部収容容器7に収容するようにすれば、収容容器本体80全体がキャップ体84及び外部収容容器7に覆われるために、凍結等して収容容器本体80が割れやすくなった場合であっても、収容容器本体80を保護することができる。
【0052】
また、キャップ体84を、図5(a)及び(b)に示すように、一端側の端面の径が他端側の底部を形成する端面の径よりも大径となるように構成してもよい。このように構成することにより、成分収容容器8を自立させた際の安定性をさらに高めることができる。
【0053】
次に、本発明の第2実施形態について図6を参照して説明する。第2実施形態については、上述した第1実施形態と異なる点を主に説明し、同様の点は、同一の符号を付して説明を省略する。特に、説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。図6は、第2実施形態を示す図で、(a)は斜視図、(b)はキャップ体84を取り付けた状態を示す断面図である。
【0054】
第2実施形態の成分収容容器8は、第1実施形態の栓体81に形成される突出部815に係合して、係合爪817とカバーキャップ9の上面に保持されるように構成されるキャップ体84に代えて、カバーキャップ9の上面部90と栓体81の外縁に保持されるように構成した点で、第1実施形態とは異なる。
【0055】
キャップ体84は、図6(a)に示すように、筒状の側面部845と、この側面部845の一端側に設けられた開口と、側面部845の他端側に設けられた天面部842と、側面部845の一端側に設けられた一対の鍔部841と、側面部845一端側の一部が切り欠かれて形成された一対の切り欠き部843と、を備える。
【0056】
天面部842は、キャップ体84の他端側を閉塞する。一対の鍔部841は、対向して設けられ、側面部845における一端側からそれぞれ外方に延出している。一対の鍔部841は、外縁がカバーキャップ9の内径と略同径となる大きさに形成される。一対の切り欠き部843は、側面部845における鍔部841が設けられていない位置に形成される。一対の切り欠き部843は、対向して配置される。
【0057】
以上のように形成されるキャップ体84は、カバーキャップ9が取り付けられた収容容器本体80に取り付けられる。キャップ体84は、側面を指等で摘むことにより、側面が撓む。この状態で、キャップ体84の鍔部841を、カバーキャップ9の第1開口部92からカバーキャップ9の上面部90の裏面側に位置させる。その後、側面の摘みを解除させることで、側面が元の形に戻るために、鍔部841が、カバーキャップ9と栓体81との間に挟まれる。これにより、キャップ体84は、図6(b)に示すように、カバーキャップ9が取り付けられた収容容器本体80に取り付けられる。
【0058】
上述した構成を有する第2実施形態の成分収容容器8によれば、キャップ体84を鍔部841と、切り欠き部843とを設けて形成した。これにより、鍔部841を、カバーキャップ9と栓体81との間に挟みこませることで、キャップ体84を収容容器本体80に取り付け可能となる。よって、キャップ体84により第1導通部811、第2導通部、第1導通部811に係合する連結チューブ4の端部及び第2導通部に係合する通気チューブ5の端部の損傷を防止し、かつ、安定した自立保持が可能なる。
【0059】
また、キャップ体84を、天面部842を設けて構成した。これにより、自立姿勢において、第1導通部811及び第2導通部の載置面側からの汚染等を防止できる。
【0060】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態には制限されることはなく、適宜変更可能である。例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、本発明の液体収容容器を血液成分分離収容装置1における成分収容容器8に適用したが、これに限られない。例えば、本発明を理化学実験機器における液体収容容器に適用してもよい。
【0061】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、突出部815に、キャップ体84及びカバーキャップ9を係合可能としたが、これに限らない。すなわち、キャップ体84を係合させる突出部と、カバーキャップ9を係合させる突出部と、を別個に設けてもよい。
【符号の説明】
【0062】
80 収容容器本体
81 蓋部(栓体)
84 キャップ体
800 液体収容部(第1中空部)
805 開口部(第2開口部)
806 筒状部
811 導通部(第1導通部)
813 導通孔(貫通孔)
815 突出部
817 係合部(係合爪)
840 被係合部(爪片)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液体を収容可能な液体収容部を有する収容容器本体と、
前記収容容器本体に設けられ、該収容容器本体の外方に突出し、前記液体収容部と外部とを導通可能な導通孔を有する導通部と、
前記収容容器本体に設けられ、該収容容器本体の外方に突出する突出部と、
前記突出部に設けられる係合部と、
一端に被係合部を有し、該被係合部を前記係合部に係合させることで前記収容容器本体に連結されるキャップ体とを備え、
前記キャップ体は、前記収容容器本体に連結された状態で前記導通部の外側を覆うと共に、一端が前記収容容器本体と当接し、他端を底部として自立可能に構成される液体収容容器。
【請求項2】
前記収容容器本体は、一端側に開口部を有する筒状の筒状部と、前記開口部に取り付けられる蓋部と、を備え、
前記導通部及び前記突出部は、前記蓋部に設けられる請求項1記載の液体収容容器。
【請求項3】
前記突出部は、前記導通部の周囲において少なくとも対向位置に設けられると共に、前記係合部は、該突出部の先端側において側方に突出して形成され、
前記キャップ体は、少なくとも一端が開放された円筒形状に形成され、
前記被係合部は、前記キャップ体の一端側において、該キャップ体の内面が内周方向に突出して形成される請求項2記載の液体収容容器。
【請求項4】
前記キャップ体は、他端側が開放される請求項3記載の液体収容容器。
【請求項5】
前記キャップ体は、前記一端側の端面の径が前記他端側の端面の径よりも大径に形成される請求項3および4記載の液体収容容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−227187(P2010−227187A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76066(P2009−76066)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000153030)株式会社ジェイ・エム・エス (452)
【Fターム(参考)】