説明

液体収容容器

【課題】収納ケース内に液体収容袋が収納された液体収容容器で、液体収容袋が収縮する過程で皺が寄ることを抑制する。
【解決手段】液体収容袋が収納ケースに収納された状態で、液体収容袋の一対のフィルム面に一対の対向面を向き合わせ、液体収容袋の幅方向の両側に一対の交差面を配する。また、収納ケース内に、液体収容袋の外周の一部の位置を規定する支持部を設ける。そして、一対のフィルム面同士が接した状態で液体収容袋の幅寸法を、支持部から一方の対向面までの距離の2倍の長さと一対の交差面の間隔とを足した長さよりも小さくする。さらに、液体収容袋の幅寸法を一対の交差面の間隔よりも大きくし、液体収容袋の幅方向の両端を一方の対向面側に曲げて収納ケースに収納する。こうすれば、液体収容袋は、収縮する過程で両端が交差面や一方の対向面に突き当たらないので、フィルム面の皺の発生を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を噴射する液体噴射装置などに装着され、該液体噴射装置に供給される液体を内部に収容する液体収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を通さないフィルムなどで形成されて、内部に液体を収容する液体収容袋(いわゆる液体パック)が知られている。液体収容袋は、大まかには一対のフィルムの周囲を気密に張り合わせることによって袋状に形成され、液体収容袋内の液体を外部に導出するための液体導出部材が一対のフィルムの間に挟まれた状態で取り付けられている。このような液体収容袋は、液体が注入されることで膨らみ(容積が増加し)、内部の液体の流出に伴って収縮する(容積が減少する)という特徴がある。
【0003】
また、液体収容袋は、耐衝撃性を高めるために、硬質の収納ケース内に液体収容袋を収納した液体収容容器の態様で取り扱われることが多い。こうした液体収容容器は、例えば、インクジェットプリンターなどの液体噴射装置に装着され、噴射するインクなどの液体を収容しておく容器(インクカートリッジ)として用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−260803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、液体収容袋が収納ケース内に収納された液体収容容器では、液体収容袋内に多くの液体が残ってしまうことがあるという問題があった。すなわち、液体収容袋は、液体の流出に伴って収縮していくと、一対のフィルム同士が接近して、最終的には密接する。この過程で、液体収容袋は端部が外側に移動する(伸びる)ことになるが、液体収容袋の端部が収納ケースの内壁に当たって止められると、液体収容袋は適切に収縮することができず、フィルムに皺が寄ってしまうことがある。そして、皺の寄ったフィルム同士が接すると、皺の間の液体が液体導出部材に供給されず残ってしまい、結果的に液体収容袋内に残る液体の量が多くなってしまう。もちろん、液体収容袋の端部が収納ケースの内壁に当たらないように液体収容袋を小さくしておけば、液体収容袋に皺が生じることを抑制できるものの、これでは、液体の収容量が減少してしまう。
【0006】
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、収納ケース内に液体収容袋が収納された液体収容容器で、液体の収容量を減らすことなく、液体収容袋が収縮する過程でフィルムに皺が寄ることを抑制可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の液体容器は次の構成を採用した。すなわち、
外周の少なくとも一部が接合されて袋状に形成され互いに対向する一対のフィルム面を有し、液体を収容可能な液体収容袋と、該液体収容袋の外周の一部に設けられ、該液体収容袋内の液体を外部に供給するための液体供給口および該液体収容袋から該液体供給口へ液体を導く導出流路を有する液体導出部材と、該液体収容袋を収納する収納ケースとを備える液体収容容器であって、
前記収納ケースは、
内部に収納された前記液体収容袋の前記一対のフィルム面の各々と向き合う一対の対向面と、
前記一対の対向面の間で前記収納ケースの内壁を構成し、該一対の対向面と平行な平面内で前記液体導出部材が外部に液体を供給する方向と直交する方向である前記液体収容袋の幅方向に対して交差する一対の交差面と、
前記液体収容袋の外周の一部の位置を規定する支持部と
を有しており、
前記液体収容袋は、
前記収納ケースに収納されていない状態において、前記一対のフィルム面同士が当接している状態の前記液体収容袋の幅寸法が、前記支持部から前記一対の対向面のうちの一方の対向面までの距離の2倍の長さと、前記一対の交差面の間隔とを足し合わせた長さよりも小さくなっており、
前記収納ケースに収納された状態において、前記液体収容袋の幅寸法が前記一対の交差面の間隔よりも大きく、該液体収容袋の幅方向の両端が前記一方の対向面に向けて曲げられていることを要旨とする。
【0008】
このような本発明の液体収容容器においては、袋状に形成された液体収容袋に液体が収容され、液体収容袋内の液体を液体導出部材の導出流路を通じて液体供給口から外部に供給可能となっている。この液体収容袋を収納ケース内に収納すると、液体収容袋の一対のフィルム面が収納ケースの一対の対向面とそれぞれ向き合い、且つ、一対の対向面と平行な平面内で液体導出部材が外部に液体を供給する方向と直交する方向である液体収容袋の幅方向に対して交差するように一対の交差面が配される。また、収納ケース内には、液体収容袋の外周の一部の位置を規定する支持部が設けられている。そして、液体収容袋が収納ケースに収納された状態において、一対のフィルム面同士が当接している状態の液体収容袋の幅寸法が、支持部から一方の対向面までの距離Aの2倍と、一対の交差面の間隔Bとを足し合わせた長さ(2A+B)よりも小さく設定されている。さらに、液体収容袋が収納ケースに収納された状態において、液体収容袋の幅寸法が一対の交差面の間隔Bよりも大きく設定されており、液体収容袋の幅方向の両端が一方の対向面に向けて曲げられている。
【0009】
液体収容袋内の液体は一対のフィルム面の間に収容されており、液体収容袋内の液体が液体供給口から外部に供給されると、液体収容袋は、一対のフィルム面が互いに接近しながら収縮していく。そして、一対のフィルム面同士の接近に伴って、液体収容袋は幅方向の両端が互いに離れるように移動する(伸びる)。このとき、液体収容袋の幅方向の両端が収納ケースの交差面に突き当たると、それ以上は液体収容袋が伸びることができないので、フィルム面にたるみが生じることとなって、一対のフィルム面が互いに接する際に皺が寄ってしまう。そこで、液体収容袋の幅寸法を一対の交差面の間隔よりも大きくし、液体収容袋の幅方向の両端を一方の対向面に向けて曲げて収納ケースに収納しておけば、液体収容袋は、収縮する過程で幅方向の両端が交差面に沿って一方の対向面側に向かって迫り上がるように伸びることができるので、フィルム面のたるみが生じ難く、フィルム面に皺が寄ることを抑制できる。結果として、液体収容袋内(フィルム面の皺の間)に残ってしまう液体の量を低減することができる。
【0010】
また、液体収容袋の幅寸法を、収納ケースの一対の交差面の間隔よりも大きくすることによって、液体収容袋の液体収容量を十分に確保することができる。
【0011】
さらに、一対のフィルム面同士が当接している状態で、液体収容袋の幅寸法を、支持部から一方の対向面までの距離Aの2倍の長さに、一対の交差面の間隔Bを加算した長さ(2A+B)よりも小さくしておけば、支持部によって一対の対向面の間での位置が規定される液体収容袋は、収縮する過程で収納ケースの交差面に沿って迫り上がった液体収容袋の幅方向の両端が一方の対向面に突き当たる可能性を低くすることができる。その結果、液体収容袋の一対のフィルム面は、たるむことなく互いに接することが可能となるので、フィルム面の皺の発生を抑制することができる。
【0012】
上述した本発明の液体収容容器では、収納ケースの一対の交差面を、一方の対向面に向かって一対の交差面の間隔が広がるように傾斜させておいてもよい。尚、一対の交差面の傾斜させる場合には、「一対の交差面の間隔」とは、一対の交差面の間隔が最も狭い部分における間隔であるものとする。
【0013】
このように収納ケースの一対の交差面を傾斜させておけば、一対の交差面が互いに平行である場合に比べて、液体収容袋の幅方向の両端を一方の対向面に向けて曲げる角度が緩やかになることから、液体収容袋の幅方向の両端が収納ケースの交差面に沿って一方の対向面側に迫り上がり易くなる。その結果、液体収容袋は収縮する過程でフィルム面にたるみが生じ難くなるので、液体収容袋のフィルム面に発生する皺を少なくすることができる。
【0014】
また、こうした本発明の液体収容容器では、一方の対向面に向けて曲がられた液体収容袋の両端部(曲げ部)と点接触あるいは線接触する複数の突起を、収納ケースの一対の交差面に設けておいてもよい。尚、交差面に突起を設ける場合には、「一対の交差面の間隔」とは、一方の交差面の突起の先端から他方の交差面の突起の先端までの間であるものとする。
【0015】
このように収納ケースの交差面に複数の突起を設けて、突起の先端と液体収容袋の曲げ部とを点接触あるいは線接触させるようにすれば、突起が設けられていない場合に比べて、交差面と曲げ部との接触面積が減るので、交差面と曲げ部との摩擦抵抗を小さくすることができる。これにより、液体収容袋の幅方向の両端が収納ケースの交差面に沿って一方の対向面側に迫り上がることが容易となるので、液体収容袋が収縮する過程でフィルム面がたるむことを抑制して、液体収容袋のフィルム面に生じる皺を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】液体噴射装置としてのインクジェットプリンターの大まかな構成を示した説明図である。
【図2】カートリッジホルダーにインクカートリッジを装着する様子を示した説明図である。
【図3】本実施例のインクカートリッジの構成を示した分解斜視図である。
【図4】インクパックの構成を示した斜視図である。
【図5】カートリッジケース内にインクパックが収納されている様子を示した断面図である。
【図6】従来のインクカートリッジにおいて、インクパックが収縮する過程でフィルムに皺が寄る様子を示した説明図である。
【図7】本実施例のインクカートリッジにおいて、インクパックが収縮する過程でフィルムに皺が寄ることが抑制される様子を示した説明図である。
【図8】第1変形例のインクカートリッジにおいて、第1ケースの内壁面に傾斜が付けられている様子を示した断面図である。
【図9】第2変形例のインクカートリッジにおいて、第1ケースの内壁面にリブが設けられている様子を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.インクジェットプリンターの構成:
B.インクカートリッジの構成:
C.カートリッジケース内でのインクパックの変形:
D.変形例:
D−1.第1変形例:
D−2.第2変形例:
【0018】
A.インクジェットプリンターの構成 :
先ず初めに、本実施例の液体収容容器としてのインクカートリッジが搭載されるインクジェットプリンター(液体噴射装置)について簡単に説明する。図1は、インクジェットプリンター10の大まかな構成を示した説明図である。図示したインクジェットプリンター10は、略箱形の外観形状をしており、前面のほぼ中央には前面カバー11が設けられ、その左隣には複数の操作ボタン15が設けられている。前面カバー11は下端側で軸支されており、上端側を手前に倒すと、印刷用紙2が排出される細長い排紙口12が現れる。また、インクジェットプリンター10の背面側には、図示しない給紙トレイが設けられており、給紙トレイに印刷用紙2をセットして操作ボタン15を操作すると、給紙トレイから印刷用紙2が送り込まれて、内部で印刷用紙2の表面に画像等が印刷された後、排紙口12から印刷用紙2が排出されるようになっている。
【0019】
インクジェットプリンター10の内部には、主走査方向に往復動しながら印刷用紙2上にインクドットを形成するキャリッジ20や、キャリッジ20を往復動させる駆動機構30などが設けられている。キャリッジ20の底面側(印刷用紙2に向いた側)には、複数の噴射ノズルが形成された噴射ヘッド22が搭載されており、噴射ノズルから印刷用紙2に向かってインクを噴射して画像等の印刷を行う。
【0020】
噴射ヘッド22に形成された噴射ノズルから噴射するインクは、インクカートリッジ40に収容されている。このインクカートリッジ40は、キャリッジ20とは別の位置に設けられたカートリッジホルダー42に対して着脱可能に構成されている。インクカートリッジ40をカートリッジホルダー42に装着すると、インクカートリッジ40内のインクがカートリッジホルダー42およびインクチューブ24を介してキャリッジ20の噴射ヘッド22に供給される。本実施例のインクジェットプリンター10では、前面カバー11の右隣に、前面カバー11と同様に下端側で軸支されたカートリッジ交換用カバー13が設けられており、カートリッジ交換用カバー13の上端側を手前に倒すと、カートリッジホルダー42が現れて、インクカートリッジ40を着脱することが可能となる。尚、カートリッジホルダー42にインクカートリッジ40を装着する様子や、インクカートリッジ40の詳細な構成については、後ほど別図を用いて説明する。
【0021】
加えて、図示したインクジェットプリンター10では、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4種類のインクを用いてカラー画像を印刷することが可能であり、このことと対応して、キャリッジ20に搭載された噴射ヘッド22には、インクの種類毎に噴射ノズルが設けられている。また、インクカートリッジ40もインクの種類毎に設けられており、ぞれぞれのインクカートリッジ40内のインクは、インクの種類毎に設けられたインクチューブ24を介して、噴射ヘッド22の対応する色の噴射ノズルに供給される。
【0022】
キャリッジ20を往復動させる駆動機構30は、内側に複数の歯形が形成されたタイミングベルト32と、タイミングベルト32を駆動するための駆動モーター34などから構成されている。タイミングベルト32の一部はキャリッジ20に固定されており、タイミングベルト32を駆動すると、主走査方向に延設された図示しないガイドレールによってガイドしながら、キャリッジ20を主走査方向に往復動させることができる。
【0023】
更に、インクジェットプリンター10の内部には、印刷用紙2を副走査方向(主走査方向に対して直交する方向)に紙送りするための図示しない紙送機構や、インクジェットプリンター10の全体の動作を制御する制御部60なども搭載されている。キャリッジ20を往復動させる動作や、印刷用紙2を紙送りする動作や、噴射ノズルからインクを噴射する動作などは、全て制御部60によって制御されている。
【0024】
図2は、カートリッジホルダー42にインクカートリッジ40を装着する様子を示した説明図である。図示されているように、カートリッジホルダー42には、手前側から奥側に向けてインクカートリッジ40を挿入する挿入孔44が、インクカートリッジ40毎に設けられている。この挿入孔44の奥側の面には、インクカートリッジ40からインクを取り入れるためのインク取入針46が手前側に向けて立設されている。また、インクカートリッジ40の背面(挿入孔44の奥側に向いた面)には、インク供給口74a(図3参照)が設けられている。カートリッジホルダー42の挿入孔44にインクカートリッジ40を奥側まで挿入して装着すると、インク取入針46がインク供給口74aに挿入されて、インクカートリッジ40内のインクをカートリッジホルダー42に取り入れることが可能となる。
【0025】
カートリッジホルダー42には、図示しないインク通路や供給ポンプが内蔵されており、インク取入針46から取り入れられたインクは、インク通路によって、カートリッジホルダー42の背面側に接続されたインクチューブ24(図1参照)に導かれる。また、インク通路の途中に設けられた供給ポンプ(例えば、ダイアフラムポンプ)は、インクカートリッジ40内のインクを吸入して、キャリッジ20に向けてインクを圧送するようになっている。尚、前述したように本実施例のインクジェットプリンター10は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色分のインクカートリッジ40を搭載しており、各インクカートリッジ40内のインクは、個別に噴射ヘッド22に供給される。このため、カートリッジホルダー42の内部には、インク通路や供給ポンプがインクカートリッジ40毎に設けられている。
【0026】
B.インクカートリッジの構成 :
図3は、本実施例のインクカートリッジ40の構成を示した分解斜視図である。図示されているように、インクカートリッジ40は、インクを収容するインクパック70と、インクパック70を収納するカートリッジケース72などから構成されている。詳しくは後述するが、インクパック70は、インクなどの液体を通さない2枚のフィルムを袋状に張り合わせて形成されており、前述したカートリッジホルダー42側のインク取入針46が挿入されるインク供給口74aが設けられたインク導出部材74を一端に有している。
【0027】
インクパック70を収納するカートリッジケース72は、第1ケース76および第2ケース78の2つの部材で構成されている。第1ケース76は、箱形状に形成されており、インクパック70を収納する凹部84を有している。一方、第2ケース78は、第1ケース76に対して凹部84の開口面を覆うように嵌合して蓋をする部材である。カートリッジケース72にインクパック70を収納する際には、インクパック70を構成する2枚のフィルムの一方のフィルムを第1ケース76の凹部84の底面と向き合わせ、他方のフィルムを第2ケース78の内面と向き合わせて収納する。尚、本実施例のカートリッジケース72は、本発明の「収納ケース」に相当している。また、本実施例の第1ケース76の凹部84の底面、および第2ケース78の内面は、本発明の「対向面」に相当している。
【0028】
また、第1ケース76には、凹部84に収納されたインクパック70のインク導出部材74だけを第1ケース76の外側に出すための切欠部80が設けられており、この切欠部80にインク導出部材74を嵌め込むようになっている。そして、第2ケース78には、切欠部80に嵌め込まれたインク導出部材74を押える押え部82が設けられていることから、第1ケース76に第2ケース78を嵌め合わせると、インク導出部材74が切欠部80と押え部82との間に挟まれて固定される。
【0029】
さらに、第1ケース76内には、インクパック70の一部を支持する支持部86が棚状に突設されている。詳しくは後述するが、この支持部86は、カートリッジケース72内におけるインクパック70の位置(姿勢)を規定する役割を果たしている。
【0030】
図4は、本実施例のインクパック70の構成を示した斜視図である。図4(a)には、インクパック70の分解斜視図が示されている。本実施例のインクパック70は、インクなどの液体を通さない一対のフィルム100と、インクの取り出し口となるインク供給口74aおよびインクパック70内のインクをインク供給口74aに導く導出流路74bが形成されたインク導出部材74とから構成されている。一対のフィルム100は、略長方形状に形成されており、長手方向の一端側にインク導出部材74の一部を間に挟んだ状態で一対のフィルム100の周囲を熱溶着などで気密に張り合わせることによってインクパック70が形成される。尚、本実施例のインクパック70は、本発明の「液体収容袋」に相当しており、本実施例のフィルム100は、本発明の「フィルム面」に相当している。
【0031】
液体を通さないフィルム100の素材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレンなどを挙げることができる。また、多層構造のフィルムとしてもよく、例えば、外層を耐衝撃性に優れたPETやナイロンとし、内層を耐インク性に優れたポリエチレンとしてもよい。さらには、アルミなどから成る中層を設けてもよく、これにより、ガスバリア性を高めることができる。
【0032】
図4(b)には、一対のフィルム100を張り合わせて形成されたインクパック70にインクが注入される前の状態(インクパック70内にインクを収容していない状態)が示されている。尚、図4(b)では、熱溶着などによって張り合わされたシール部がハッチングを付して表されている。また、以下では、フィルム100の長手方向の一端側でインク導出部材74を挟んで張り合わされたシール部を「前方シール部102」と呼び、長手方向の他端側で張り合わされたシール部を「後方シール部104」と呼び、フィルム100の短手方向の両端部でそれぞれ張り合わされたシール部を「側方シール部106」と呼ぶことがあるものとする。
【0033】
図4(b)に示すようにインクパック70は、内部にインクを収容していないときには、一対のフィルム100が互いに密接した状態となっている。そして、このようなインクパック70は、インクを注入すると、一対のフィルム100が互いに離れることによって膨らむ(容積が増加する)ので、一対のフィルム100の間にインクを収容することができる。尚、本実施例のインクパック70では、インク供給口74aからインクを注入するものとしているが、インク供給口74aとは別にインクの注入口を設けることとしてもよい。
【0034】
図4(c)には、インクパック70内にインクが充填された状態が示されている。この状態では、一対のフィルム100が互いに離れており、その間隔は、フィルム100の中央部分で最も広く、各シール部(前方シール部102、後方シール部104、側方シール部106)に近づくにつれて狭くなっている。また、インクパック70が膨らむ(一対のフィルム100の間隔が広がる)のに伴い、インクパック70の短手方向の両端(側方シール部106)は互いに近づくことになる。そのため、インクが充填されたインクパック70の短手方向(インク導出部材74の導出流路74bがインクパック70内のインクをインク供給口74aに導く方向と直交する方向)の幅は、インクを収容していないインクパック70に比べて縮んでいる。
【0035】
また、前述したように、インクカートリッジ40がカートリッジホルダー42に装着されると、インク取入針46がインク供給口74aに挿入されて、インクパック70内のインクがカートリッジホルダー42を介して噴射ヘッド22に供給される。そして、インク供給口74aからのインクの流出に伴ってインクパック70が収縮する(容積が減少する)際には、一対のフィルム100が互いに接近して、最終的にインクパック70内のインクを使い切ると、図4(b)のように一対のフィルム100同士が密接した状態となる。
【0036】
このように、インクパック70は、インクを注入することで膨らみ(容積が増加し)、インクの流出に伴って収縮する(容積が減少する)ことから、容積が一定の箱状の容器とは異なり、内部のインクが空気に触れないようにすることができる。そのため、空気との反応によるインクの劣化が少なく、インクを長期間に亘って安定に収容しておくことが可能である。また、前述したように、インクカートリッジ40は、このようなインクパック70をカートリッジケース72に収納して構成されていることから、耐衝撃性が高まり、且つ、カートリッジホルダー42への装着が容易となる。
【0037】
図5は、カートリッジケース72内にインクパック70が収納されている様子を示した説明図である。尚、図5には、インクパック70の短手方向に直交する面でインクカートリッジ40を切断した断面が示されている。図示されているように、カートリッジケース72の第1ケース76内には、棚状の支持部86が突設されており、この支持部86は、第1ケース76の凹部84に収納されたインクパック70の前方シール部102および後方シール部104を支持している。一方、第2ケース78側の内面(第1ケース76と向き合う面)には、支持部86に向かって突出部88が設けられている。第1ケース76の凹部84にインクパック70を収納して第1ケース76に第2ケース78を嵌め合わせると、インクパック70の前方シール部102および後方シール部104は、支持部86と突出部88との間で位置決めされるので、カートリッジケース72内(第1ケース76の凹部84の底面と第2ケース78の内面との間)におけるインクパック70の位置を規定することができる。
【0038】
本実施例のインクカートリッジ40では、第1ケース76の凹部84の底面からの支持部86の高さは、支持部86によって支持される前方シール部102および後方シール部104がインク導出部材74のインク供給口74aの開口中心と同一平面上に並ぶ高さに設定されている。また、第1ケース76の切欠部80に嵌め込まれたインク供給口74aの開口中心は、第1ケース76の凹部84の底面と第2ケース78の内面とのちょうど中間に位置している。そのため、カートリッジケース72内に収納されたインクパック70は、第1ケース76の凹部84の底面と第2ケース78の内面との中間の位置で支持される。
【0039】
このようにカートリッジケース72内に支持部86を設けてインクパック70の位置を適切に規定しておくことによって、インク供給口74aからのインクの流出に伴ってインクパック70が収縮し一対のフィルム100が互いに接する際には、一対のフィルム100をインク導出部材74と同一平面上に配置することができる。これにより、インク導出部材74と一対のフィルム100との間で段差が生じてインク導出部材74へのインクの供給が妨げられることはなく、インクパック70内に残ってしまうインクの量を低減することができる。
【0040】
ここで、前述したようにインクパック70は、インクを注入することで膨らみ(容積が増加し)、インクの流出に伴って収縮する(容積が減少する)ようになっている。そして、このように変形するインクパック70をカートリッジケース72に収納して構成されるインクカートリッジ40では、インクパック70が収縮する過程でフィルム100に皺が寄ることにより、結果的にインクパック70内に残るインク量が多くなってしまうことがあるという問題があった。以下では、こうしたフィルム100の皺を抑制するために本実施例のインクカートリッジ40が採用している構成について説明するが、その準備として、先ずインクパック70が収縮する過程でフィルム100に皺が寄ってしまう理由について説明する。
【0041】
C.カートリッジケース内でのインクパックの変形 :
図6は、従来のインクカートリッジ40において、インクパック70が収縮する過程でフィルム100に皺が寄る様子を示した説明図である。尚、図6には、インクパック70の長手方向(インク導出部材74の導出流路74bがインクパック70内のインクをインク供給口74aに導く方向)に直交する面でインクカートリッジ40を切断した断面が示されており、先ず、図6(a)には、インクパック70内にインクが充填された状態(インクパック70が膨らんだ状態)が示されている。従来のインクカートリッジ40では、インクが充填されたインクパック70を、一回り大きいカートリッジケース72に収納するのが一般的であり、インクが充填されたインクパック70の短手方向(インク導出部材74の導出流路74bがインクパック70内のインクをインク供給口74aに導く方向と直交する方向)の幅は、第1ケース76の凹部84の幅よりも小さくなっている。
【0042】
前述したように、インクパック70内のインクは一対のフィルム100の間に収容されており、インク供給口74aからインクが流出してインクパック70が収縮する際には、一対のフィルム100は互いに接近する。そして、一対のフィルム100同士の接近に伴い、インクパック70は、短手方向の両端(側方シール部106)が互いに離れるように外側に向けて移動する(伸びる)。そのため、カートリッジケース72内に収納されたインクパック70では、収縮していく過程で側方シール部106が第1ケース76の凹部84の内壁面84sに突き当たることがある。
【0043】
図6(b)には、インクパック70の短手方向の両端(側方シール部106)が第1ケース76の凹部84の内壁面84sに突き当たっている状態が示されている。インクパック70は、側方シール部106が凹部84の内壁面84sに突き当たると、それ以上は外側に伸びることができなくなる。それでも、インク供給口74aからのインクの流出に伴って一対のフィルム100は互いに接近しようとするので、フィルム100には、たるみが生じることになる。そして、さらにインク供給口74aからインクが流出して、一対のフィルム100が互いに接するようになると、こうしたフィルム100のたるみが皺となって残る。
【0044】
図6(c)には、皺の寄った一対のフィルム100が互いに接した状態が示されている。このように皺の寄った状態で一対のフィルム100が互いに接すると、皺の間のインクがインク導出部材74に供給されず残ってしまう。その結果、インクパック70内に残るインク量が多くなってしまうことになる。
【0045】
もちろん、インクパック70の側方シール部106が第1ケース76の内壁面84sに当たらないようにインクパック70を小さく設計しておけば、インクパック70が収縮する過程でフィルム100に皺が寄ることを抑制できるものの、これでは、インクパック70内に収容できるインク量が減ってしまう。こうした点に鑑み、本実施例のインクカートリッジ40では、以下の構成を採用することによって、インクパック70のインク収容量を減らすことなく、インクパック70のフィルム100に生じる皺を抑制している。
【0046】
図7は、本実施例のインクカートリッジ40において、インクパック70が収縮する過程でフィルム100に皺が寄ることが抑制される様子を示した説明図である。尚、図7では、図6と同様に、インクパック70の長手方向に直交する面でインクカートリッジ40を切断した断面が示されている。本実施例のインクカートリッジ40では、図7(a)に示すようにインクパック70にインクが充填された状態において、インクパック70の短手方向(インク導出部材74の導出流路74bがインクパック70内のインクをインク供給口74aに導く方向と直交する方向)の幅が、第1ケース76の凹部84の幅よりも大きく設定されている。そのため、インクが充填されたインクパック70は、短手方向の両端(側方シール部106)を第2ケース78側に向けて折り曲げて第1ケース76の凹部84に収納されている。
【0047】
このようにインクパック70の側方シール部106を第2ケース78側に向けて予め曲げておけば、図7(b)に示すように、インクパック70は、収縮していく(一対のフィルム100が互いに接近する)のに伴って側方シール部106が第1ケース76の内壁面84sに突き当たることはなく、内壁面84sに沿って第2ケース78側に向けて迫り上がるように伸びることができる。これにより、フィルム100がたるみ難くなるので、インクパック70が収縮する過程でフィルム100に皺が寄ることを抑制することができる。尚、本実施例の第1ケース76の内壁面84sは、本発明の「交差面」に相当している。
【0048】
もっとも、インクパック70は、側方シール部106が第1ケース76の内壁面84sに沿ってそのまま迫り上がり続けると、第2ケース78の内面に突き当たることとなって、それ以上は伸びることができなくなってしまう。そこで、本実施例のインクカートリッジ40では、インクを収容していない状態(一対のフィルム100同士が接した状態)のインクパック70の短手方向の幅が、第1ケース76内に突設された支持部86から第2ケース78の内面までの距離Aの2倍の長さと、第1ケース76の凹部84の幅(一方の内壁面84sから他方の内壁面84sまでの距離)Bとを足し合わせた長さ(2A+B)よりも小さく設定されている。
【0049】
前述したように、本実施例のインクカートリッジ40では、カートリッジケース72内に収納されたインクパック70は、前方シール部102および後方シール部104が支持部86によって支持されて、カートリッジケース72内(第1ケース76の凹部84の底面と第2ケース78の内面との間)における位置が規定されている。そして、インク供給口74aからのインクの流出に伴ってインクパック70が収縮し一対のフィルム100が互いに接した状態では、図7(c)に示すように、一対のフィルム100は、第2ケース78の内面から距離Aの位置に配置される。そのため、インクを収容していない状態のインクパック70の短手方向の幅を、第1ケース76の凹部84の幅Bの両側に距離Aの分を足した長さ(2A+B)よりも小さく設定しておけば、第1ケース76の内壁面84sに沿って迫り上がったインクパック70の両端(側方シール部106)が第2ケース78の内面に突き当たることを抑制できる。
【0050】
以上に説明したように、本実施例のインクカートリッジ40では、インクパック70にインクが充填された状態において、インクパック70の短手方向の幅が、第1ケース76の凹部84の幅よりも大きく設定されており、第1ケース76の凹部84に収納されたインクパック70の短手方向の両端(側方シール部106)は第2ケース78側に向けて折り曲げられている。そのため、インクパック70は、収縮していく(一対のフィルム100が互いに接近する)過程で側方シール部106が第1ケース76の内壁面84sに沿って迫り上がるように伸びることができ、フィルム100のたるみが生じ難いので、フィルム100に皺が寄ることを抑制できる。結果として、インクパック70内(フィルム100の皺の間)に残ってしまうインクの量を低減することができる。しかも、インクが充填されたインクパック70の短手方向の幅を、第1ケース76の凹部84の幅よりも大きくすることによって、インクパック70のインク収容量を十分に確保することができる。
【0051】
また、インクパック70にインクを充填していない状態(一対のフィルム100同士が接している状態)において、インクパック70の幅は、第1ケース76内の支持部86から第2ケース78の内面までの距離Aの2倍の長さに、第1ケース76の凹部84の幅Bを加算した長さ(2A+B)よりも小さく設定されている。これにより、第1ケース76の内壁面84sに沿って迫り上がったインクパック70の側方シール部106が第2ケース78の内面に突き当たる可能性を低くすることができる。その結果、インクパック70の一対のフィルム100はたるむことなく互いに接することが可能となって皺の発生を抑制することができる。
【0052】
D.変形例 :
以上に説明した本実施例のインクカートリッジ40には、幾つかの変形例が存在している。以下では、これら変形例について説明する。尚、変形例の説明にあたっては、前述した実施例と同様の構成部分については、先に説明した実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0053】
D−1.第1変形例 :
上述したように、インクパック70は、収縮していく過程で側方シール部106が第1ケース76の内壁面84sに沿って迫り上がるように伸びることによって、フィルム100の皺の発生が抑制される。そこで、第1変形例のインクカートリッジ40では、側方シール部106が内壁面84sに沿って迫り上がり易くするために、以下のように第1ケース76の内壁面84sに傾斜が付けられている。
【0054】
図8は、第1変形例のインクカートリッジ40の構成を示した断面図である。尚、図8には、インクパック70の長手方向に直交する面でインクカートリッジ40を切断した断面が示されている。図示されているように、第1変形例のインクカートリッジ40では、第1ケース76の互いに向き合う内壁面84sが、互いに平行ではなく、第2ケース78側に向かって互いの間隔が広がるように傾斜している。尚、前述したように、インクパック70にインクが充填された状態において、一対のフィルム100の間隔は、フィルム100の中央部分で最も広く、側方シール部106に近づくにつれて狭くなっているので、第1ケース76の内壁面84sがこのように傾斜していても、インクパック70を収納する妨げとなることはない。
【0055】
このように第1ケース76の互いに向き合う内壁面84sを、第2ケース78側に向かって互いの間隔が広がるように傾斜させておけば、向き合う内壁面84sが互いに平行である場合に比べて、フィルム100の曲げの角度が緩やかになるので、インクパック70は、収縮していく際に側方シール部106が内壁面84sに沿って第2ケース78側に迫り上がり易くなる。その結果、インクパック70が収縮する過程でフィルム100にたるみが生じ難くなり、フィルム100の皺を少なくすることができる。
【0056】
D−2.第2変形例 :
また、インクパック70の側方シール部106と第1ケース76の内壁面84sとの摩擦抵抗を小さくしておけば、側方シール部106は内壁面84sに沿って容易に迫り上がることが可能となる。そこで、第2変形例のインクカートリッジ40では、側方シール部106と内壁面84sとの摩擦抵抗を小さくするために、以下の構成を採用している。
【0057】
図9は、第2変形例のインクカートリッジ40の構成を示した断面図である。尚、図9には、第1ケース76の凹部84の底面に平行な面でインクカートリッジ40を切断した断面が示されている。図示されているように、第2変形例のインクカートリッジ40では、第1ケース76の内壁面84sに複数のリブ90が突設されている。それぞれのリブ90は、第1ケース76の凹部84の底面から第2ケース78の内面にかけて設けられている。そのため、内壁面84sに沿って第2ケース78側に迫り上がるインクパック70の側方シール部106は、リブ90の先端と線接触する。尚、第2変形例のリブ90は、本発明の「突起」に相当している。
【0058】
このように、第1ケース76の内壁面84sにリブ90を設けて、リブ90の先端とインクパック70の側方シール部106とを線接触させるようにすれば、リブ90が設けられていない場合に比べて、内壁面84sと側方シール部106との接触面積が減少するので、内壁面84sと側方シール部106との摩擦抵抗を少なくすることができる。これにより、インクパック70の側方シール部106が内壁面84sに沿って第2ケース78側に迫り上がり易くなる。その結果、インクパック70が収縮する過程でフィルム100がたるむことを抑制して、インクパック70のフィルム100に生じる皺を削減することができる。
【0059】
尚、上述した第2変形例では、第1ケース76の内壁面84sに複数のリブ90を設けて、インクパック70の側方シール部106と線接触させるようになっていたが、リブ90に代えて複数の小突起を設けて、側方シール部106と点接触させるようにしてもよい。このように点接触させる場合でも、面接触の場合に比べて、摩擦抵抗を少なくすることができる。
【0060】
以上、各種の実施形態を説明したが、本発明は上記すべての実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0061】
例えば、前述した実施例および変形例では、インクパック70が2枚のフィルム100の周囲を張り合わせる(接合する)ことで構成されていた。しかし、インクパック70の構成は、これに限られるわけではなく、1枚のフィルムを折り曲げて、折り曲げ部分以外の外周を接合することによってインクパック70を構成してもよい。
【符号の説明】
【0062】
10…インクジェットプリンター、 20…キャリッジ、 22…噴射ヘッド、
40…インクカートリッジ、 42…カートリッジホルダー、 44…挿入孔、
46…インク取入針、 70…インクパック、 72…カートリッジケース、
74…インク導出部材、 74a…インク供給口、 74b…導出流路、
76…第1ケース、 78…第2ケース、 84…凹部、
84s…内壁面、 86…支持部、 88…突出部、
90…リブ、 100…フィルム、 102…前方シール部、
104…後方シール部、 106…側方シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周の少なくとも一部が接合されて袋状に形成され互いに対向する一対のフィルム面を有し、液体を収容可能な液体収容袋と、該液体収容袋の外周の一部に設けられ、該液体収容袋内の液体を外部に供給するための液体供給口および該液体収容袋から該液体供給口へ液体を導く導出流路を有する液体導出部材と、該液体収容袋を収納する収納ケースとを備える液体収容容器であって、
前記収納ケースは、
内部に収納された前記液体収容袋の前記一対のフィルム面の各々と向き合う一対の対向面と、
前記一対の対向面の間で前記収納ケースの内壁を構成し、該一対の対向面と平行な平面内で前記液体導出部材が外部に液体を供給する方向と直交する方向である前記液体収容袋の幅方向に対して交差する一対の交差面と、
前記液体収容袋の外周の一部の位置を規定する支持部と
を有しており、
前記液体収容袋は、
前記収納ケースに収納されていない状態において、前記一対のフィルム面同士が当接している状態の前記液体収容袋の幅寸法が、前記支持部から前記一対の対向面のうちの一方の対向面までの距離の2倍の長さと、前記一対の交差面の間隔とを足し合わせた長さよりも小さくなっており、
前記収納ケースに収納された状態において、前記液体収容袋の幅寸法が前記一対の交差面の間隔よりも大きく、該液体収容袋の幅方向の両端が前記一方の対向面に向けて曲げられている液体収容容器。
【請求項2】
請求項1に記載の液体収容容器であって、
前記収納ケースの前記一対の交差面は、前記一方の対向面に向かって該一対の交差面の間隔が広がる態様で傾斜している液体収容容器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の液体収容容器であって、
前記収納ケースの前記一対の交差面には、前記一方の対向面に向けて曲げられた前記液体収容袋の両端部と点接触あるいは線接触する複数の突起が設けられている液体収容容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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