説明

液体吐出ヘッド

【課題】使い捨て式として用いるのに適した圧電素子を備えた液体吐出ヘッドを提案すること。
【解決手段】液体吐出ヘッド1において、流路ユニットの連結部が駆動ユニット3の連結穴11に流路ユニット5が挿入された連結状態では、弾性部材13の弾性復帰力によって連結部7の流路側振動板9が駆動ユニット3の駆動側振動板12に当接した状態に保持され、圧電素子2によって駆動側振動板12を振動させると、流路側振動板9も一緒に振動し、液体流路8の容積が変化して液滴吐出ノズル4から液滴が吐出する。弾性部材13による付勢力に逆らって連結部7を連結穴11から引き抜くことにより、流路ユニット5を駆動ユニット3から簡単に外すことができる。流路ユニット5のみを交換すればよく、圧電素子2を備えた高価な駆動ユニット3はそのまま継続して用いることができるので経済的である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療、バイオテクノロジーなどの分野において薬液、試液などの供給、分注などに用いるのに適した液体吐出ヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタのインクジェットヘッドとしては、圧電素子を用いてインク液滴を吐出させるように構成された圧電型のインクジェットヘッドが知られている。特許文献1、2には、圧電素子の変位によってインクノズルに連通しているインク流路の容積を一旦増加させた後に減少させた時点でインク液滴を吐出させる、所謂、引き打ちを行うように構成された圧電型のインクジェットヘッドが開示されている。一方、このようなインクジェットヘッドは、医療などの分野において、薬液、試液などを微小量ずつ検体などに供給するための液体吐出ヘッドとしての利用が試みられている。
【特許文献1】特開2006−35791号公報
【特許文献2】特開2005−104163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
インクジェットヘッドでは、インクノズルの目詰まりの発生を防止するために、定期的に印字に関係無くインク液滴を吐出させ、あるいは、インクノズルからインクを吸引するヘッドメンテナンス動作が行われる。無駄に消費されるインク量を減らすためにヘッドメンテナンス動作の回数を減らすと、インクノズルの目詰まりが発生しやすくなってしまう。目詰まりが発生すると、インクジェットヘッドの全体を交換しなければならない。
【0004】
また、薬液や試液を供給するための液体吐出ヘッドは使い捨ての場合が多く、インクジェットヘッドと同様な構造の液体吐出ヘッドを使い捨て式のヘッドとして用いると費用効率が極めて悪い。
【0005】
さらに、圧電素子を用いたインクジェットヘッドでは、圧電素子として一般にピエゾ素子が用いられており、ピエゾ素子は鉛を含んでいるので、使い捨て式のヘッドとして用いる場合に環境汚染の観点からそのまま廃棄することができない。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、ノズルが目詰まりした場合の対応を廉価に行うことができ、また、使い捨て式として用いるのに適した圧電素子を備えた液体吐出ヘッドを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の液体吐出ヘッドは、
圧電素子を備えた駆動ユニットと、
液滴吐出ノズルを備え、駆動ユニットに着脱可能に取り付けられている流路ユニットとを有しており、
前記流路ユニットは、液滴吐出ノズルに連通した液体流路と、この液体流路の一部を規定している面外方向に振動可能な流路側振動板と、これら液体流路および流路側振動板が形成されている連結部とを備えており、
前記駆動ユニットは、前記連結部を着脱可能な状態で挿入可能な連結穴と、この連結穴内に配置された面外方向に振動可能な駆動側振動板と、前記連結穴内において前記駆動側振動板に対向した位置に配置された弾性部材とを備えており、
前記駆動側振動板は、前記連結穴に挿入された前記連結部の前記流路側振動板に当接可能な位置に配置され、前記圧電素子によって振動するようになっており、
前記弾性部材は、前記連結穴に挿入された前記連結部によって弾性変形し、当該連結部を弾性復帰力により前記駆動側振動板に向けて付勢可能な位置に配置されていることを特徴としている。
【0008】
流路ユニットの連結部が駆動ユニットの連結穴に挿入された状態においては、連結部によって弾性部材が弾性変形させられており、当該弾性部材の弾性復帰力によって連結部の流路側振動板が駆動ユニットの側の駆動側振動板に当接した状態に保持される。したがって、圧電素子によって駆動側振動板を振動させると、この駆動側振動板に当接状態に保持されている流路側振動板も一緒に振動し、液体流路の容積が変化し、これによって液体流路内の液体圧力が変動し、当該圧力変動によって液滴吐出ノズルから液滴を吐出させることができる。
【0009】
また、流路ユニットの連結部は弾性部材の弾性復帰力によって駆動ユニットの連結穴に保持されており、弾性復帰力による付勢力に逆らって連結部を連結穴から引き抜くことにより、簡単に流路ユニットを駆動ユニットから外すことができる。したがって、液滴吐出ノズルに目詰まりが発生した場合には、流路ユニットのみを交換すればよく、圧電素子を備えた高価な駆動ユニットはそのまま継続して用いることができるので経済的である。
【0010】
ヘッドメンテナンス動作の回数を低減して目詰まりの発生割合が高くなっても、流路ユニットのみを交換すればよいので、ヘッドメンテナンスにより無駄に消費される液体量と、ヘッドユニットの交換費用とを考慮してヘッドメンテナンスの回数を決めればよく、従来のように液体吐出ヘッドの全体の交換費用を考慮しなければならない場合に比べて、ヘッドメンテナンス回数を減らして無駄に消費される液体量を少なくすることが可能である。
【0011】
また、圧電素子を備えた高価な駆動ユニットを捨てる必要がないので、使い捨て式の液体吐出ヘッドとして用いた場合には、駆動ユニットを繰り返し使用できるので極めて経済的である。
【0012】
ここで、液体流路の容積が一旦増加した後に減少した時点で液滴吐出ノズルから液滴が吐出させる、引き打ちを行うことができれば、液体流路の容積を単に減少させて液滴を吐出させる押し打ちに比べて、小さな容積の液体流路を用いて大きな液滴を吐出させることができ、液滴の吐出速度を上げることができ、また、小さな液滴を吐出できるなどの利点がある。
【0013】
本発明の液体吐出ヘッドでは、連結状態において、駆動側振動板と流路側振動板が、弾性部材の弾性復帰力によって、相互に当接した状態に保持される。したがって、いずれの振動方向においても駆動側振動板に追従させて流路側振動板を変位させることができる。よって、引き打ちにより液滴を吐出させることができる。
【0014】
ここで、駆動側振動板によって振動する流路側振動板によって液体流路の容積変化を確実に発生させるためには、前記流路側振動板に、外周縁部分に比べて剛性の高い中央部分と、当該中央部分に形成された前記駆動側振動板に当接可能な平坦な当接面とを形成し、前記駆動側振動板における当該当接面に対峙する対峙面に、当該当接面に当接可能な複数の突起を形成しておくことが望ましい。このようにすれば、駆動側振動板の振動に追従して、流路側振動板の中央部分を全体的に、液体流路の容積を増減させる方向に振動させることができる。よって液滴を確実に吐出させることができる。
【0015】
この場合、前記駆動側振動板の前記対峙面の裏面側部分を前記圧電素子の変位面に当接状態に保持しておけばよい。
【0016】
次に、流路ユニットの液体流路に液体を供給するための液体容器を、流路ユニットとは別に配置して液体供給管などによって液体流路に供給してもよいが、液体容器を流路ユニットに一体に形成しておくこともできる。また、前記圧電素子としては十分な変位量を確保できる積層型のピエゾ素子を用いることが望ましい。
【0017】
次に、上記構成の流路ユニットおよび駆動ユニットを複数組備えた構成の多連式の液体吐出ヘッドとすることもできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の液体吐出ヘッドは、液滴吐出ノズルが形成されている流路ユニットを圧電素子を備えた駆動ユニットから取り外し可能である。したがって、流路ユニットの液滴吐出ノズルが詰まった場合、使い捨て式として用いる場合などにおいては、流路ユニットの側のみを交換し、圧電素子を備えた高価な駆動ユニットを繰り返し用いることができる。
【0019】
よって、目詰まりが発生した場合に液体吐出ヘッド全体を交換する場合に比べて部品交換費用が安くなるので、従来に比べて目詰まり防止のためのヘッドメンテナンス回数を減らして、無駄に消費される液体量を低減できる。また、薬液、試液などを供給するための使い捨ての液体吐出ヘッドとして用いるのに適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した液体吐出ヘッドの実施の形態を説明する。
【0021】
図1(a)および(b)は本実施の形態に係る液体吐出ヘッドを後側および前側から見た場合の斜視図である。図2は液体吐出ヘッドを分離した状態の斜視図である。図3(a)および(b)は液体吐出ヘッドの正面図および縦断面図である。まず、これらの図を参照して液体吐出ヘッドの主要構成を説明する。
【0022】
液体吐出ヘッド1は、圧電素子2が内蔵されている駆動ユニット3と、先端に液滴吐出ノズル4が形成されている流路ユニット5とを有している。図2に示すように、流路ユニット5は駆動ユニット3に対して取り外し可能な状態で連結されている。
【0023】
流路ユニット5は、円筒状の液体容器6と、この液体容器6の先端面から同軸状に突出している連結部7とを備えている。連結部7の先端面の中心に液滴吐出ノズル4が形成されており、連結部7の内部には液滴吐出ノズル4に連通した液体流路8が形成されている。この液体流路8の一方の側面は面外方向に振動可能な流路側振動板9によって規定されている。
【0024】
駆動ユニット3は、連結部7が着脱可能な状態で挿入されている連結穴11を備えている。この連結穴11の内周面の一部は面外方向に振動可能な駆動側振動板12によって規定されている。この駆動側振動板12の背面側に積層型のピエゾ素子からなる圧電素子2が配置されており、圧電素子2が変位すると駆動側振動板12が振動する。また、駆動側振動板12に対向している連結穴11の内周面部分は弾性部材13によって規定されている。
【0025】
駆動側振動板12は、連結穴11に挿入された流路ユニット5の連結部7の流路側振動板9に当接可能な位置に配置されている。また、弾性部材13は、挿入された連結部7によって連結穴11の外方に弾性変形させられ、その弾性復帰力によって連結部7を駆動側振動板12に向けて付勢した状態となっている。したがって、連結部7を弾性部材13による付勢力に逆らって連結穴11から引き抜くことができ、連結部7を引き抜くことにより、図2に示すように、駆動ユニット3から流路ユニット5を分離させることができる。
【0026】
次に、図4は駆動ユニット3と流路ユニット5が分離した状態を縦断面と共に示す斜視図であり、図5は流路ユニット5の分解斜視図であり、図6は駆動ユニット3の分解斜視図である。これらの図も参照して、流路ユニット5および駆動ユニット3の構造を詳細に説明する。
【0027】
まず、流路ユニット5の液体容器6は、その後端が開口部21となっており、当該液体容器6の中空部22と、開口部21から挿入された扁平なカップ状のピストン23によって液密状態の液体貯留部24が形成されており、ここに液体25が充填されている。開口部21はキャップ26で封鎖されているが、当該キャップ26とピストン23の間は、キャップ26に形成した不図示の大気連通孔を介して大気開放されており、ピストン23は液体25の消費に伴って、液密状態を保持したまま、液体容器6の先端面27の側に移動するようになっている。
【0028】
液体容器6の先端面27から同軸状に突出している連結部7は、液体容器6と一体形成されている一定厚さ、および一定幅の突出板28と、この突出板28の表面に装着した流路基板29と、この流路基板29の表面に貼り付けられている流路側振動板9とを備えている。突出板28には、裏面中央から垂直に突出している突条部31が一体形成されている。図5に示すように、当該突出板28の表面には流路基板29を装着するための凹部32が形成されている。流路基板29の表面には液体流路8を形成するための流路溝33が形成されており、この流路溝33の先端は液滴吐出ノズル4を形成するためのノズル溝34に連通している。流路溝33の後端には細い連通溝35が形成されており、この連通溝35は、液体容器6の先端面27を貫通して液体貯留部24に繋がっている液体供給穴36に連通している。
【0029】
この流路基板29の表面に貼り付けられている流路側振動板9は、流路基板29に対応する輪郭形状をした薄い外周縁部分37と、この外周縁部分37によって取り囲まれている厚い中央部分38とを備えている。中央部分38は流路溝33の開口形状よりも一回り小さな領域に形成されている。この構成の流路基板29の裏面側はほぼ平坦面とされ、その中央部分38の上面部分は細長い長方形の平坦面とされ、この平坦面が駆動側振動板12に当接する当接面39となっている。
【0030】
流路基板29の表面に流路側振動板9を貼り合わせることにより、これらの間に、液滴吐出ノズル4、液体流路6、液体供給穴36に連通した連通路40が形成される。
【0031】
この構成の流路ユニット5の液体容器6および突出板28からなる部品、流路基板29、流路側振動板8は、ステンレススチール、ガラス、シリコン、プラスチックなどの各種の素材から形成することができる。使い捨ての場合には、少なくとも液体容器6および突出板28からなる部品を廉価なプラスチック素材から形成することが望ましい。
【0032】
次に、駆動ユニット3の構造を説明する。駆動ユニット3は、連結穴11が形成されている駆動ユニットケース41を備えている。この駆動ユニットケース41における連結穴11の挿入側の開口部42の形状は、流路ユニット5の連結部7の輪郭形状と相補的な形状をしており、これらの輪郭形状によって連結部7を連結穴11に挿入する際の向きが規定されている。
【0033】
連結穴11に挿入された連結部7における流路側振動板9に対峙する連結穴内周面部分は、駆動ユニットケース41に取り付けた駆動側振動板12によって規定されている。この駆動側振動板12は、流路側振動板9の平坦な当接面39に対峙する平坦な対峙面43を備えている。この対峙面43における当接面39に対峙する領域内の部位には、その上端部分に1個の突起44、その下端部分に2個の突起45、46が形成されており、これらの3個の突起44ないし46が流路側振動板8の当接面39に当接するようになっている。
【0034】
この駆動側振動板12の対峙面43の裏面側には圧電素子2が配置されている。圧電素子2はセラミック製などの固定板47に取り付けられており、固定板47は駆動ユニットケース41に取り付けられている。圧電素子2の変位面2aが駆動側振動板12の対峙面43の裏面に当接状態に保持されている。したがって、駆動側振動板12は圧電素子2の変位に伴って振動する。
【0035】
一方、連結穴11における駆動側振動板12とは反対側の内周面部分、すなわち、連結部7における突条部31に対峙する部位には細長い直方体形状の弾性部材13が配置されている。この弾性部材13の表面は僅かに連結穴11の内方に突出しており、挿入された突条部31によって外方に押し潰され、これによって発生する弾性復帰力によって連結部7を反対側の駆動側振動板12に向けて付勢している。
【0036】
したがって、連結部7の流路側振動板9の当接面39は所定の付勢力で駆動側振動板12の対峙面43に形成されている3個の突起44ないし46に押し付けられている。この結果、圧電素子2によって駆動側振動板12が振動すると、これに追従して、流路側振動板8における剛性の高い中央部分38が撓むことなく全体として振動し、液体流路8の容積が増減してその内圧が変動する。
【0037】
なお、駆動ユニットケース41における挿入側の開口部42が形成されている端面部分48からはほぼ180度の弧を張る円弧状支持板49が突出している。連結穴11に連結部7が挿入された状態の流路ユニット5における液体容器6の先端側の外周面部分が当該円弧状支持板49によって保持され、流路ユニット5のガタツキが防止される。また、駆動ユニットケース41の側面にはフレキシブルケーブル50が取り付けられており、ここを介して圧電素子2の電極に駆動電圧が供給される。
【0038】
なお、駆動ユニットケース41もステンレススチール、ガラス、シリコン、プラスチックなどの各種の素材から形成することができる。製造コストを低減するためには、プラスチック製の射出成形品とすることが望ましい。
【0039】
このように構成した液体吐出ヘッド1では、流路ユニット5の連結部7が駆動ユニット3の連結穴11に挿入された状態においては、連結部7によって弾性部材13が弾性変形させられており、当該弾性部材13の弾性復帰力によって連結部7の流路側振動板8が駆動ユニット3の側の駆動側振動板12の3個の突起44ないし46に当接した状態に保持される。
【0040】
圧電素子2によって駆動側振動板12を振動させると、この駆動側振動板12に当接状態に保持されている流路側振動板9も一緒に振動する。すなわち、その剛性の高い中央部分38が平板状態のまま全体として面外方向に振動し、液体流路8の容積が変動する。本例では引き打ちにより液滴を吐出させるようにしている。そのために、まず、圧電素子2を収縮させる。これにより駆動側振動板12が流路側振動板9から後退する方向に変位する。流路側振動板9は駆動側振動板12に押し付けられているので、駆動側振動板12に追従して駆動側振動板12の側に変位する。この結果、液体流路8の容積が一時的に増加する。しかる後は圧電素子2が伸長し、流路側振動板9が押し戻され、液体流路8の容積が減少し内圧が一時的に増加し、これによって、液滴吐出ノズル4から液滴が吐出する。
【0041】
ここで、流路ユニット5の連結部7は弾性部材13の弾性復帰力によって駆動ユニット3の連結穴11に保持されており、その弾性復帰力による付勢力に逆らって連結部7を連結穴11から引き抜くという簡単な操作により、流路ユニット5を駆動ユニット3から取り外すことができる。したがって、液滴吐出ノズル4に目詰まりが発生した場合には、流路ユニット5のみを交換すればよく、圧電素子2を備えた高価な駆動ユニット3はそのまま継続して用いることができるので経済的である。
【0042】
特に、医療などの分野において薬液などを供給するために用いる場合には、薬液などを交換する際には流路ユニット5のみを交換すればよい。したがって、液体吐出ヘッド1の全体を使い捨てとする必要がないので、この場合においても極めて経済的である。
【0043】
(多連式液体吐出ヘッド)
次に、図7は本発明を適用した多連式液体吐出ヘッドを示す斜視図である。この図に示す多連式液体吐出ヘッド100は、同一構造の4組の液体吐出ヘッド101〜104が連なった構造となっており、各液体吐出ヘド101〜104の構造は前述の図1〜図6に示す液体吐出ヘッド1と同様であるので、対応する部位には同一の符号を付してある。各液体吐出ヘッド101〜104の駆動ユニットケース41の側面部分が相互に連結されている。図示の例は4連であるが、連結する液体吐出ヘッドの個数は2個、3個あるいは5個以上であってもよい。また、連結状態は列状でなくてもよい。
【0044】
多連式の場合には、そのうちの一つの液体吐出ヘッドに目詰まりが発生した場合には目詰まりが発生した液体吐出ヘッドの流路ユニットのみを交換すればよい。また、各液体吐出ヘッドにより異なる種類の薬液、試液などの液体を同時に供給できるなどの利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明を適用した液体吐出ヘッドを異なる方向から見た場合の斜視図である。
【図2】液体吐出ヘッドの分離状態を示す斜視図である。
【図3】液体吐出ヘッドの正面図および縦断面図である。
【図4】液体吐出ヘッドの分離状態を縦断面と共に示す斜視図である。
【図5】流路ユニットの分解斜視図である。
【図6】駆動ユニットの分解斜視図である。
【図7】多連式液体吐出ヘッドの斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 液体吐出ヘッド、2 圧電素子、3 駆動ユニット、4 液滴吐出ノズル、5 流路ユニット、6 液体容器、7 連結部、8 液体流路、9 流路側振動板、11 連結穴、12 駆動側振動板、13 弾性部材、21 開口部、22 中空部、23 ピストン、24 液体貯留部、25 液体、26 キャップ、27 先端面、28 突出板、29 流路基板、31 突条部、32 凹部、33 流路溝、34 ノズル溝、35 連通溝、36 液体供給穴、37 外周縁部分、38 中央部分、39 当接面、40連通路、41 駆動ユニットケース、42 開口部、43 対峙面、44,45,46 突起、47 固定板、48 端面部分、49 円弧状支持板、50 フレキシブルケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電素子を備えた駆動ユニットと、
液滴吐出ノズルを備え、前記駆動ユニットに着脱可能に取り付けられている流路ユニットとを有しており、
前記流路ユニットは、前記液滴吐出ノズルに連通した液体流路と、この液体流路の一部を規定している面外方向に振動可能な流路側振動板と、これら液体流路および流路側振動板が形成されている連結部とを備えており、
前記駆動ユニットは、前記連結部を着脱可能な状態で挿入可能な連結穴と、この連結穴内に配置された面外方向に振動可能な駆動側振動板と、前記連結穴内において前記駆動側振動板に対向した位置に配置された弾性部材とを備えており、
前記駆動側振動板は、前記連結穴に挿入された前記連結部の前記流路側振動板に当接可能な位置に配置され、前記圧電素子によって振動するようになっており、
前記弾性部材は、前記連結穴に挿入された前記連結部によって弾性変形して、当該連結部を弾性復帰力により前記駆動側振動板に向けて付勢可能な位置に配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
請求項1において、
前記流路側振動板は、外周縁部分に比べて剛性の高い中央部分と、当該中央部分に形成された前記駆動側振動板に当接可能な平坦な当接面とを備えており、
前記駆動側振動板は、この当接面に対峙する対峙面に、当該当接面に当接可能な複数の突起を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項3】
請求項2において、
前記駆動側振動板の前記対峙面の裏面側部分が前記圧電素子の変位面に当接状態に保持されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記流路ユニットは、前記液体流路に供給する液体を貯留している液体容器を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記圧電素子は積層型のピエゾ素子であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項6】
複数組の液体吐出ヘッドが連結されており、
各液体吐出ヘッドは請求項1ないし5のうちのいずれかの項に記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする多連式液体吐出ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−114569(P2008−114569A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302480(P2006−302480)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】