説明

液体吐出ヘッド

【課題】ノズル列の長さが長くなった場合でも、吸引回復動作時の共通液室内の気泡の滞留を軽減する。
【解決手段】エネルギー発生素子を備える記録素子基板1206と、液室と、一面に形成され、該液室と連通し記録素子基板1206と流体的に接続されている第一の供給口1210と、該一面の裏面に形成され、前記液室と連通する第二の供給口1209と、を備える支持部材と、第二の供給口1209に対して液体を供給する流路形成部材と、を有する液体吐出ヘッドであって、第二の供給口1209は第一の供給口1210の長手方向における一端部側に対応する位置に形成されており、前記液室の第二の供給口1209から第一の供給口1210に向かう方向に直交する断面は、該向かう方向に関して徐々に増加している部分を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録液(例えばインク)を吐出して記録動作をおこなう記録装置に適用される液体吐出ヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置に用いられる液体吐出ヘッドにおいて、インクを吐出する記録素子基板へインクを供給するための共通液室内に気泡が残留すると印字不良の原因となる場合がある。そのため、共通液室の形状をインク供給口から記録素子基板に向かって末広がり状に形成し滞留を防止するもの(特許文献1の図1)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−91874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1の構成により、例えば吸引回復時におけるノズル列における、端部のノズルと中央部のノズルとのインク流速差が低減され良好な回復性が得られていた。しかし、印字速度の向上を狙いノズル列の長さがさらに長くなった結果、図9に示すように共通液室内の一部のインクの流れが乱流となって、共通液室から十分な気泡の排出ができなくなるといった事象が起こってきた。 本発明の目的は、ノズル列の長さが長くなった場合でも、吸引回復時等に共通液室内での気泡の滞留を軽減する構成を備える液体吐出ヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明は、吐出口から液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子を備える記録素子基板と、該記録素子基板に液体を供給するための液室と、一面に形成され、該液室と連通し前記記録素子基板と流体的に接続されている第一の供給口と、該一面の裏面に形成され、前記液室と連通する第二の供給口と、を備え、前記記録素子基板を支持する支持部材と、前記第二の供給口に対して液体を供給する流路形成部材と、を有する液体吐出ヘッドであって、前記第一の供給口よりも小さい前記第二の供給口は前記第一の供給口の長手方向における一端部側に対応する位置に形成されており、前記液室の、前記裏面から前記一面に向かう方向に直交する断面は、該向かう方向に関して徐々に増加している部分を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
以上の構成によれば、吸引回復時等の液室内におけるインクの乱流を減少させることが可能となる。それにより、気泡の滞留を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施に好適なインク供給システムの全体構成。
【図2】本発明の液体吐出ヘッドを搭載する記録装置における回復系機構の説明図。
【図3】本発明の液体吐出ヘッドの分解斜視図。
【図4】(a)、(b)は本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドにおける支持部材を示す図。
【図5】図4(a)における矢視A方向からの断面およびインクの流れの模式図。
【図6】支持部材内の共通液室形状別のインクの流れを示す模式図であり、(a)、(b)は比較例、(c)は第1の実施形態、(d)は第2の実施形態を示す。
【図7】(a)、(b)は第3の実施形態の液体吐出ヘッドにおける支持部材を示す図。
【図8】図7(a)における矢視A方向からの断面図。
【図9】従来構成における共通液室内のインクの流れを示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1に本発明の液体吐出ヘッドの実施に好適なインクジェット記録装置の全体構成を示す。本発明の一実施形態のインクジェット記録装置は、12色のインクにより印刷を行うインクジェット記録装置であって、記録媒体の幅方向に往復移動を行うキャリッジ4000に搭載される、液体吐出ヘッド1000を備える。また、キャリッジ4000上から隔離し、記録装置本体側に配置され、ヘッドユニットに供給する12色のインクがそれぞれ充填された12個のインクカートリッジ2000を備える。さらには、可撓性のチューブにより構成され、インクカートリッジ2000と液体吐出ヘッド1000との間をインクが流通可能に接続するインク供給路3000を備える。
【0009】
インクジェット記録装置においては、液体吐出ヘッドの正常なインク吐出状態を維持するため、あるいは吐出口に目詰まりが生じた場合にこれを解消して正常なインク吐出状態に回復させるために回復用のポンプを配設している。このポンプの負圧によって吐出口からインクを吸い出すことで液体吐出ヘッドの回復を行っている。この回復用のポンプとして、可撓性チューブ内の体積変化を利用して負圧を発生させるチューブポンプを使用ことがある。このチューブポンプは、構造が簡単であり、低コストで小型軽量のポンプを構成し得るという利点がある。
【0010】
図2はインクジェット記録装置に搭載されるチューブポンプの概略構成を示す断面図である。液体吐出ヘッド1000の吐出口が形成される面51にキャップ2の開口部を接触させて吐出口52を密閉する。キャップ2の背面の通孔にはチューブ3が接続され、チューブ3はチューブポンプ4へ延びている。チューブポンプ4は、ポンプベース5にガイドローラ6を回転可能に支持するとともに、ガイドローラ6に加圧コロ7を回転可能に支持した構造を有する。すなわち、チューブ3を加圧するための加圧コロ7の軸8がガイドローラ6に回転可能に支持されており、ガイドローラ6の軸9がポンプベース5に回転可能に支持されている。ポンプベース5には、ガイドローラ6の軸9と同心円弧状の溝10が形成されており、この溝10内にチューブ3が装着されている。また、チューブ3の他端(下流側端部)は、吐出口52から吸引したインクを貯留するための廃インク処理部材11に接続されている。
【0011】
次に、本実施形態の液体吐出ヘッドについて説明する。図3は、本発明が適用される好適な液体吐出ヘッドの構成を示す分解斜視図である。本実施形態の液体吐出ヘッド1000は、インク供給ユニット1100と、インク供給ユニット1100から記録液のインクの供給を受けてインクを記録媒体に吐出するための記録素子ユニット1200により構成されている。
【0012】
この液体吐出ヘッド1000は、インクジェット記録装置本体に載置されているキャリッジ4000の位置決め手段および電気的接点によってキャリッジに固定支持されるとともに、キャリッジに対して着脱可能となっている。
【0013】
記録素子ユニット1200は、3つの記録素子基板1206a、1206b、1206c、第一の支持部材1201、第二の支持部材1202、電気配線テープ1203、電気コンタクト基板1204、で構成されている。また、インク供給ユニット1100は流路形成部材1101、サブタンクを保持する筺体1102、から構成されている。
【0014】
記録素子ユニット1200の記録素子基板1206(1206a〜1206c)には、厚さ0.5〜1mmのSi基板の片面に液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子を備えている。本実施形態においてはエネルギー発生素子として複数の電気熱変換素子を用い、各電気熱変換素子に電力を供給する電気配線とが成膜技術により形成されている。そして、この電気熱変換素子に対応する複数のインク流路と複数の吐出口とがフォトリソグラフィ技術により形成されているとともに、複数のインク流路にインクを供給するためにインク供給口が裏面に開口するように形成されている。
【0015】
また、記録素子基板1206は、インク供給口を備える第一の支持部材1201に接着固定されている。さらに、第一の支持部材1201には、開口を有する第二の支持部材1202が接着固定されており、この第二の支持部材を介して、電気配線テープ1203が記録素子基板1206に対して電気的に接続されるように保持されている。この電気配線テープ1203は、記録素子基板1206にインクを吐出するための電気信号を印加するためのものである。電気配線テープは、記録素子基板1206に対応する電気配線と、電気配線部に位置しプリンタ本体からの電気信号を受けとる外部信号入力端子とを有し、この外部信号入力端子は、筺体の背面に位置決め固定されている。
【0016】
第一の支持部材1201は、たとえば、厚さ0.5〜10mmのアルミナ等のセラミック材料で形成されている。ここで第一の支持部材1201の材料は、アルミナに限られるものではなく、記録素子基板1206の材料の線膨張率と同等の線膨張率を有し、かつ記録素子基板1206の材料と同等もしくはそれ以上の熱伝導率を有する材料で作られてもよい。たとえば、シリコン、窒化アルミニウム、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、モリブデン、タングステンなどのいずれであってもよい。
【0017】
第一の支持部材1201の一面である記録素子基板1206が設けられる側には、図4(a)で示すように記録素子基板1206にインクを供給するためのインク供給口1210(第一の供給口)が設けられている。インク供給口1210は、記録素子基板1206に設けられているノズル列それぞれに対応するように、ここでは、12本設置されている。また、図4(b)に示すように第一の支持部材1201の一面の裏面には、樹脂材料から形成される流路形成部材1101からのインクを供給するためのインク供給口1209(第二の供給口)が形成されている。図に示すようにインク供給口1209は複数の共通液室が配列される方向に関して千鳥配置されている。このインク供給口1209と共通液室1208とインク供給口1210とは互いに流体的に連通している。このインク供給口1209の開口面積はインク供給口1210の開口面積より小さく形成されている。またインク供給口1209は各共通液室1208(図5参照)の長手方向における端部側に設けられており、さらに隣り合う共通液室とは異なる側の端部に設けられている。これにより流路形成部材1101に、ジョイント口1103を配置する際にスペースに余裕ができる。また、これらが略等ピッチで配置されているため、弾性部材からなる連結部材1205を別々に用意する必要がなく、同一形状の連結部材1205を2か所に適用できるのでコストとの面でも好ましい。
【0018】
記録素子基板1206と電気配線テープ1203との電気接続部分は、第一の封止材(不図示)および第二の封止材により封止され、インクによる腐食や外的衝撃から保護されている。第一の封止材は、主に電気配線テープ1203の電極端子と記録素子基板1206のバンプとの接続部の裏面側と記録素子基板の外周部分を封止し、第二の封止材は、この接続部の表側を封止している。
【0019】
さらに、電気配線テープ1203の端部には、プリンタ本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子を有する電気コンタクト基板1204が、異方性導電フィルム等を用いて熱圧着され電気的に接続されている。
【0020】
インク供給ユニット1100は、プリンタ本体側から供給されるインクを保持するために設けられているサブタンク(不図示)を保持する筺体1102とそのサブタンクから記録素子ユニット1200へインクを導くための流路形成部材1101とからなる。
【0021】
ここで、筺体1102と流路形成部材1101は、超音波溶着にて溶着され記録素子ユニット1200にそれぞれ対応するインクを供給する流路を形成している。
【0022】
本実施形態の液体吐出ヘッド1000は、インク供給ユニット1100と記録素子ユニット1200を結合することで完成する。共通液室における流路形成部材側のインク供給口1209とインク供給ユニットのジョイント口1103との間には、インクがリークしないように連結部材1205を設け、連結部材1205を圧着するようにビス1207で固定する。この際同時に、記録素子ユニット1200はインク供給ユニットのX、Y、Zの各方向の基準位置に対して正確に位置決め固定される。
【0023】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図5は本発明における第一の支持部材1201に記録素子基板1206が固定されている状態で、図4の矢視A方向からみた側断面図である。
【0024】
第一の支持部材1201にはインクを安定供給するために、記録素子基板1206側のインク供給口1210から流路形成部材のジョイント口1103に対して断面積が減少するテーバー形状の共通液室1208が形成されている。つまり共通液室1208は、流路形成部材のジョイント口1103と接続されるインク供給口1209からインク供給口1210へ向かう方向に、この方向に直交する断面積が徐々に増加する部分を備えている。ここで、流路形成部材1101からインクの供給を受けるインク供給口1209は、インク供給口1210の長手方向に関する記録素子基板1206の端部の直上近傍に設けられている。また、第一の支持部材1201に形成されている共通液室1208の稜線の成す角は90°以下となっている。また図5に示すようにインク供給口1209はインク供給口1210の長手方向に関して、インク供給口1210の一端部側に対応する位置に形成されている。
【0025】
本実施形態では、第一の支持部材1201の厚さを8mm、記録素子基板1206を支持する面における第一の支持部材1201のインク供給口1210の長さを23.2mmとした。また、第一の支持部材1201と流路形成部材1101が結合される側のインク供給口1209の長さを2mmし、共通液室1208の幅は全域にわたり1mmとした。
【0026】
従来の構成では、第一の支持部材1201の厚さは約4mm程度であり、これは、回復時に必要最小限の吸引量とするためと、印字中の記録素子基板1206からの発熱による昇温を抑えるために必要な発熱量を受容するために必要な厚さとして用いられてきた。しかしながら図3および図4に示すように、本構成の液体吐出ヘッド1000は第一の支持部材1201上に、一つの基板に4列の吐出口列をもつ記録素子基板1206が3枚並列に配置されている。さらにそれぞれの吐出口列が従来と比較して長くなっているため、印字中の発熱量が従来の液体吐出ヘッドと比較して著しく多くなる。このような発熱量を多い液体吐出ヘッドにおいても従来と同等の昇温値とするために、第一の支持部材1201を厚くして対応した。このような厚みの第一の支持部材内に共通液室を形成する場合、従来のようにインク供給口1209を中央寄りに設置する構成では、インク供給口1210からインク供給口1209方向の流れである逆方向流とその逆向きの流れである順方向流の分岐点が共通液室1208のかなり下のほうにあり、その部分に気泡が滞留しやすいことが確認された(図6a)。これを受けて、図6(b)に示すように共通液室1208の高さを3mmと低くした形状でも検討したが、やはり気泡が滞留しやすいことが確認された。
【0027】
そこで図5に示すようにインク供給口を共通液室の端部側に形成し液体を供給したところ、逆方向流と順方向流の分岐点は若干量形成されたが、液室の天井部近傍(共通液室の稜線付近)であるため逆流がかなり弱く気泡が滞留しにくいことが見いだされた(図6c)。このようにインク供給口1209を共通液室の端部側に形成することで、第一の支持部材1201に形成された共通液室1208内に残留する気泡が少なく良好な回復性を得ることができた。
【0028】
(第2の実施形態)
次に図6(d)に示す本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、図6(d)に示すように、インク供給口1209が共通液室1208の端部よりも1mm程度中央側に寄っている。この程度であれば、回復時のインクの流れを流路形成部材1101側からのインク供給口1209からのインク流を反対側の端部へと一方向に導くことができるため気泡の排出性が確保されている。
【0029】
本実形態施に係る液体吐出ヘッドの気泡除去性能を評価する上で、同一の吸引条件で第1の実施形態および第2の実施形態と、比較例1として図6(b)の構成、比較例2の構成として図6(a)の構成で対比したところ、表1の結果が得られた。表1においての◎は気泡が実質的に完全に除去できたことを示し、○は若干の気泡は残るが印字には影響が出ないものを示す。また、△は初期の印字は可能であるが、連続印字では気泡の影響で次第に不吐となってしまうもの、×は気泡の排出がうまくいかず、すぐに不吐となってしまうものであることを示している。
【0030】
表1より、第一の支持部材1201におけるインク供給口1209の位置は、共通液室の端部に配置することで、よりよい効果が得られることがわかる。また、共通液室の高さh(図5参照)は、流路形成部材1101からのインク供給口より供給されるインクが共通液室1208の反対側の端部へと流れる際の流速がより速くなるため、低い方が好ましい。しかしながら、あまりに低すぎてしまうと、印字中や保存期間中に発生した気泡が徐々に成長または、記録素子基板1206の方へ到達し連続印字中などにインクの供給不良を起こしやすくする可能性がある。
【0031】
さらに、図5に示すように流路形成部材からのインク供給口1209の断面積S1は、共通液室においてL1とL2の交点から記録素子基板側へ引いた垂線に対応する断面積S2に対して、大きい方が好ましく、本実施形態によれば、S2/S1≦1.5となっていることが望ましい。ここでS2はインク供給口1209からインク供給口1210へ向かう方向(図5における左から右方向)に関する、共通液室の最大の断面積である。
【0032】
【表1】

【0033】
(第3の実施形態)
図7に本発明の第3の実施形態の液体吐出ヘッドの構成、図8に図7(a)のA―A断面図を示す。第1の実施形で説明した図4の構成と同様に第一の支持部材1201は厚さ0.5〜10mmのアルミナ(Al)材料で形成されている。本実施形態では第一の支持部材1201の厚さを8mm、インク供給口1210の、長さが23mm、開口幅が1mm、但し、両端部の4mmの領域は、開口幅が0.65mmとなるような形状となっている。このようにインク供給口1210の端部の開口幅を中央部の幅に比べて細くすることで、その部位における流速を相対的に速めることができるので、端部に溜まりやすい残留気泡の排出性を高めることができる。
【0034】
本実施形態で示した液体吐出ヘッドを用いて回復性の検討を行ったところ、第一の支持部材1201の共通液室1208内に残留する泡が少なく、かつ回復機構に過大な負荷をかけることなく良好な回復性が得られた。
【符号の説明】
【0035】
1000 液体吐出ヘッド
1100 インク供給ユニット
1101 流路形成部材
1103 ジョイント口
1200 記録素子ユニット
1201 第一の支持部材
1202 第二の支持部材
1203 電気配線テープ
1204 電気コンタクト基板
1206 記録素子基板
1208 共通液室
1209 共通液室における流路形成部材側のインク供給口
1210 共通液室における記録素子基板側のインク供給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出口から液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子を備える記録素子基板と、
該記録素子基板に液体を供給するための液室と、一面に形成され、該液室と連通し前記記録素子基板と流体的に接続されている第一の供給口と、該一面の裏面に形成され、前記液室と連通する第二の供給口と、を備え、前記記録素子基板を支持する支持部材と、
前記第二の供給口に対して液体を供給する流路形成部材と、
を有する液体吐出ヘッドであって、
前記第一の供給口よりも小さい前記第二の供給口は前記第一の供給口の長手方向における一端部側に対応する位置に形成されており、前記液室の、前記裏面から前記一面に向かう方向に直交する断面は、該向かう方向に関して徐々に増加している部分を備えることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記直交する方向の前記第二の供給口の断面積をS1、前記向かう方向に関する前記液室の最大の断面積をS2としたとき、S2/S1≦1.5となることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記液室は複数並置して形成されており、複数の前記液室が配列される方向に関して前記第二の供給口は千鳥配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記流路形成部材と前記支持部材とは連結部材を介して接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記支持部材はセラミック材料で、前記流路形成部材は樹脂材料で、前記連結部材は弾性を有する材料で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−66568(P2012−66568A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133446(P2011−133446)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】