説明

液体吐出装置、及び、液体吐出方法

【課題】印刷モードに応じた印刷を確実に行う。
【解決手段】光の照射を受けることによって硬化する液体を吐出するノズル列と、ノズル列によって媒体に形成されたドットに光を照射する照射部と、第1印刷モード、又は、第1印刷モードよりも低画質の第2印刷モードの印刷を実行するコントローラーであって、第1印刷モードのときには、ノズル列の第1ノズル領域であって、当該第1ノズル領域のノズルにより形成されたドットに照射される光の光量ばらつきが所定範囲内にある第1ノズル領域を使用してドットを形成し、第2印刷モードのときには、ノズル列の第2ノズル領域であって、ノズル数が第1ノズル領域のノズル数よりも多く、且つ、当該第2ノズル領域のノズルで形成されたドットに照射される光の光量ばらつきが所定範囲よりも大きい範囲内にある第2ノズル領域を使用してドットを形成するコントローラーと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置、及び、液体吐出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光(例えば紫外線(UV))の照射を受けることによって硬化する液体(例えばUVインク)を用いて印刷を行なう液体吐出装置が知られている(例えば特許文献1参照)。このような液体吐出装置では、光を照射する照射部を備えており、ノズルから媒体に液体を吐出した後、媒体に形成されたドットに照射部から光を照射する。こうすることにより、ドットが硬化して媒体に定着するので、液体を吸収しにくい媒体に対しても良好な印刷を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-212366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した液体吐出装置において照射部による光の照度分布が場所によって一定でないことがある。この場合、ノズルから吐出される液体の量が同じであっても、媒体に形成されるドットの大きさにばらつきが生じてしまう。このため、例えば、高画質で印刷する印刷モードのときにドット径がばらついて画質が低下してしまうなど、印刷モードに応じた印刷を行えないおそれがあった。
そこで本発明は、印刷モードに応じた印刷を確実に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための主たる発明は、
光の照射を受けることによって硬化する液体を吐出するノズルが所定方向に複数並んだノズル列と、前記ノズル列と対応して前記所定方向に沿って設けられ、前記ノズル列によって媒体に形成されたドットに光を照射する照射部と、前記ノズル列からの前記液体の吐出を制御することで第1印刷モード、又は、前記第1印刷モードよりも低画質の第2印刷モードの印刷を実行するコントローラーであって、前記第1印刷モードのときには、前記ノズル列の第1ノズル領域であって、当該第1ノズル領域のノズルにより形成されるドットに前記照射部から照射される光の光量ばらつきが所定範囲内にある第1ノズル領域を使用してドットを形成し、前記第2印刷モードのときには、前記ノズル列の第2ノズル領域であって、ノズル数が前記第1ノズル領域のノズル数よりも多く、且つ、当該第2ノズル領域のノズルで形成されたドットに前記照射部から照射される光の光量ばらつきが前記所定範囲よりも大きい範囲内にある第2ノズル領域を使用してドットを形成するコントローラーと、を備えたことを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】プリンターの構成を示すブロック図である。
【図2】プリンターのヘッド周辺の概略図である。
【図3】図3A及び図3Bは、プリンターの横断面図である。
【図4】ヘッドの構成の説明図である。
【図5】図5A〜図5Cは、ドットの形状と、UVの照射強度の説明図である。
【図6】第1実施形態における照度分布とノズル列との関係を説明するための概念図である。
【図7】第1照射部42aの照度分布を説明するための概念図である。
【図8】本実施形態における、印刷モードと使用ノズル領域との関係の説明図である。
【図9】第2実施形態における照度分布と使用ノズル領域の説明図である。
【図10】は第2実施形態の変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
光の照射を受けることによって硬化する液体を吐出するノズルが所定方向に複数並んだノズル列と、前記ノズル列と対応して前記所定方向に沿って設けられ、前記ノズル列によって媒体に形成されたドットに光を照射する照射部と、前記ノズル列からの前記液体の吐出を制御することで第1印刷モード、又は、前記第1印刷モードよりも低画質の第2印刷モードの印刷を実行するコントローラーであって、前記第1印刷モードのときには、前記ノズル列の第1ノズル領域であって、当該第1ノズル領域のノズルにより形成されるドットに前記照射部から照射される光の光量ばらつきが所定範囲内にある第1ノズル領域を使用してドットを形成し、前記第2印刷モードのときには、前記ノズル列の第2ノズル領域であって、ノズル数が前記第1ノズル領域のノズル数よりも多く、且つ、当該第2ノズル領域のノズルで形成されたドットに前記照射部から照射される光の光量ばらつきが前記所定範囲よりも大きい範囲内にある第2ノズル領域を使用してドットを形成するコントローラーと、を備えたことを特徴とする液体吐出装置が明らかとなる。
このような液体吐出装置によれは、第1印刷モードではドットの大きさのばらつきが小さい高画質の印刷を行うことができ、第2印刷モードでは、使用するノズル数が多いので印刷をより速く行うことができる。このように印刷モードに応じた印刷を確実に行うことができる。
【0008】
かかる液体吐出装置であって、前記照射部は、光の光源として、前記所定方向に並ぶ複数のLEDを有し、前記コントローラーは、前記複数のLEDへの入力電流を、前記所定方向の位置に応じて変えることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、ノズル領域の範囲を広げることができる。
【0009】
かかる液体吐出装置であって、前記コントローラーは、前記複数のLEDのうちの第1LEDと、前記第1LEDよりも前記所定方向における端部側に位置する第2LEDに対して、前記第1LEDへの入力電流よりも前記第2LEDへの入力電流の方を大きくすることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、所定方向の各位置での光量の差を小さくすることができる。
【0010】
かかる液体吐出装置であって、前記所定方向に隣接するLED間の間隔が、前記所定方向の位置に応じて異なることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、ノズル領域の範囲を広げることができる。
【0011】
かかる液体吐出装置であって、前記照射部の前記所定方向の長さが、前記ノズル列の前記所定方向の長さよりも長いことが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、ノズル領域の範囲を広げることができる。
【0012】
また、光の照射を受けることによって硬化する液体を吐出するノズルが所定方向に複数並んだノズル列と、前記ノズル列と対応して前記所定方向に沿って設けられ、前記ノズル列によって媒体に形成されたドットに光を照射する照射部と、前記ノズル列からの前記液体の吐出を制御するコントローラーであって、予め定められた前記照射部の前記所定方向における光の照度分布と、ユーザーにより指定された印刷品位に応じて前記ノズル列のうちの使用するノズル領域を変更するコントローラーと、を備えたことを特徴とする液体吐出装置が明らかとなる。
【0013】
また、光の照射を受けることによって硬化する液体を吐出するノズルが所定方向に複数並んだノズル列と、前記ノズル列と対応して前記所定方向に沿って設けられ、前記ノズル列によって媒体に形成されたドットに光を照射する照射部とを備えた液体吐出装置の液体吐出方法であって、前記ノズル列の第1ノズル領域から前記液体を吐出することよって複数のドットを形成し、形成された各ドットに前記照射部から光量ばらつきが所定範囲内にある光を照射する第1印刷モードと、前記第1印刷モードよりも低画質の第2印刷モードであって、前記第1ノズル領域のノズル数よりもノズル数が多い第2ノズル領域から前記液体を吐出することよって複数のドットを形成し、形成された各ドットに前記照射部から光量ばらつきが前記所定範囲よりも大きい範囲内にある光を照射する第2印刷モードと、
を有することを特徴とする液体吐出方法が明らかとなる。
【0014】
以下の実施形態では、液体吐出装置としてインクジェットプリンター(以下、プリンター1ともいう)を例に挙げて説明する。
【0015】
===第1実施形態===
<プリンターの構成について>
以下、図1、図2、図3A、及び図3Bを参照しながら本実施形態のプリンター1について説明する。図1は、プリンター1の構成を示すブロック図である。図2は、プリンター1のヘッド周辺の概略図である。図3A及び図3Bは、プリンター1の横断面図である。図3Aは図2のA−A断面に相当し、図3Bは図2のB−B断面に相当する。
【0016】
本実施形態のプリンター1は、紙、布、フィルムシート等の媒体に向けて、液体を吐出することにより、媒体に画像を印刷する装置である。本実施形態では、液体として、光の一種である紫外線(以下、UVともいう)の照射を受けることによって硬化する紫外線硬化型インク(以下、UVインクともいう)が用いられる。UVインクは、紫外線硬化樹脂を含むインクであり、UVの照射を受けると紫外線硬化樹脂において光重合反応が起こることにより硬化する。なお、本実施形態のプリンター1は、CMYKの4色のUVインクを用いて画像を印刷する。
【0017】
プリンター1は、搬送ユニット10、キャリッジユニット20、ヘッドユニット30、照射ユニット40、検出器群50、及びコントローラー60を有する。外部装置であるコンピューター110から印刷データを受信したプリンター1は、コントローラー60によって各ユニット(搬送ユニット10、キャリッジユニット20、ヘッドユニット30、照射ユニット40)を制御する。コントローラー60は、コンピューター110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、媒体に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
【0018】
搬送ユニット10は、媒体(例えば、紙)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。搬送ユニット10は、給紙ローラー11と、搬送モータ(不図示)と、搬送ローラー13と、プラテン14と、排紙ローラー15とを有する。給紙ローラー11は、紙挿入口に挿入された媒体をプリンター内に給紙するためのローラーである。搬送ローラー13は、給紙ローラー11によって給紙された媒体を印刷可能な領域まで搬送するローラーであり、搬送モーターによって駆動される。プラテン14は、印刷中の媒体を支持する。排紙ローラー15は、媒体をプリンターの外部に排出するローラーであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。
【0019】
キャリッジユニット20は、ヘッドを移動方向に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。なお、移動方向は、搬送方向と交差する方向である。キャリッジユニット20は、キャリッジ21と、キャリッジモーター(不図示)とを有する。また、キャリッジ21は、UVインクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。そして、キャリッジ21は、後述する搬送方向と交差したガイド軸24に支持された状態で、キャリッジモーターによりガイド軸24に沿って往復移動する。
【0020】
ヘッドユニット30は、媒体に液体(本実施形態ではUVインク)を吐出するためのものである。ヘッドユニット30は、複数のノズルを有するヘッド31を備える。このヘッド31はキャリッジ21に設けられているため、キャリッジ21が移動方向に移動すると、ヘッド31も移動方向に移動する。そして、ヘッド31が移動方向に移動中にUVインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドット列(ラスタライン)が媒体に形成される。なお、本実施形態において、図2の移動方向の一端側から他端側に向かって移動する経路のことを往路とし、他端側から一端側に移動する経路のことを復路とする。本実施形態では、往路と復路の双方において共にヘッド31からUVインクを吐出する。すなわち、本実施形態のプリンター1は、双方向印刷を行なう。
なお、ヘッド31の構成については、後述する。
【0021】
照射ユニット40は、媒体に着弾したUVインクに向けてUVを照射するものである。媒体上に形成されたドットは、照射ユニット40からのUVの照射を受けることにより、硬化する。本実施形態の照射ユニット40は、第1照射部42a、42b及び第2照射部44を備えている。このうち第1照射部42a、42bは、キャリッジ21に設けられている。このため、キャリッジ21が移動方向に移動すると、第1照射部42a、42bも移動方向に移動する。
【0022】
第1照射部42a、42bは、ヘッド31を挟むようにして、キャリッジ21上のヘッド31の移動方向の一端側と他端側に、それぞれ搬送方向に沿って設けられている。本実施形態において第1照射部42a、42bの搬送方向の長さは、ヘッド31のノズル列の長さとほぼ同じになっている。そして、第1照射部42a、42bは、ヘッド31とともに移動して、ヘッド31のノズル列がドットを形成する範囲にUVを照射する(後述する仮硬化)。本実施形態の第1照射部42a、42bは、UVの光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を備えている。LEDは入力電流の大きさを制御することにより、UVの照射エネルギーを容易に変更することが可能である。
【0023】
なお、本実施形態では、キャリッジ21における移動方向の両端に第1照射部42a、42bを設けているので、往路と復路に応じてUVを照射する照射部を切り替えることで、ヘッド31によって媒体に形成された直後のドットにUVを照射することができる。
【0024】
第2照射部44は、キャリッジ21よりも搬送方向下流側に設けられている。つまり、第2照射部44は、ヘッド31のノズル列、及び、第1照射部42a、42bよりも搬送方向下流側に設けられている。また、第2照射部44の移動方向の長さは、印刷対象となる媒体の幅よりも長くなっている。そして、第2照射部44は、搬送動作によって第2照射部44の下に搬送された媒体に向けてUVを照射する(後述する本硬化)。本実施形態の第2照射部44は、UVを照射する光源として、ランプ(メタルハライドランプ、水銀ランプなど)を備えている。
【0025】
検出器群50には、リニア式エンコーダー(不図示)、ロータリー式エンコーダー(不図示)、紙検出センサー53、および光学センサー54等が含まれる。リニア式エンコーダーは、キャリッジ21の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダーは、搬送ローラー13の回転量を検出する。紙検出センサー53は、給紙中の媒体の先端の位置を検出する。光学センサー54は、キャリッジ21に取付けられている発光部と受光部により、媒体の有無を検出する。そして、光学センサー54は、キャリッジ21によって移動しながら媒体の端部の位置を検出し、媒体の幅を検出することができる。また、光学センサー54は、状況に応じて、媒体の先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
【0026】
コントローラー60は、プリンター1の制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
【0027】
印刷を行うとき、コントローラー60は、後述するように往路方向及び復路方向に移動中のヘッド31からUVインクを吐出させるドット形成動作と、搬送方向に媒体を搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、複数のドットから構成される画像を媒体に印刷する。以下の説明において、ドット形成動作のことを「パス」と呼ぶ。また、n回目のパスのことをパスnと呼ぶ。なお、パスの際には、後述するように仮硬化も行なわれる。
【0028】
<印刷手順について>
コントローラー60は、コンピューター110から受信した印刷データを印刷する際、プリンター1の各ユニットに以下の処理を行わせる。なお、本実施形態では、前述したように、往路のパスと復路のパスの双方において媒体にドットを形成する印刷方式(いわゆる双方向印刷)を行う。
【0029】
まず、コントローラー60は、給紙ローラー11を回転させ、印刷すべき媒体(ここでは用紙S)を搬送ローラー13の所まで送る。次に、コントローラー60は、搬送モーター(不図示)を駆動させることによって搬送ローラー13を回転させる。搬送ローラー13が所定の回転量にて回転すると、用紙Sは所定の搬送量にて搬送される。
【0030】
用紙Sがヘッド31の下部まで搬送されると、コントローラー60は、キャリッジモーター(不図示)を所定方向(正転方向とする)に回転させる。このキャリッジモーターの回転に応じて、キャリッジ21が移動方向(往路方向)に移動する。また、キャリッジ21が移動することによって、キャリッジ21に設けられたヘッド31及び第1照射部42a、42bも同時に移動方向(往路方向)に移動する。そして、コントローラー60は、この間にヘッド31から断続的にインク滴を吐出させる。このインク滴が、用紙Sにインク滴が着弾することによって、移動方向に複数のドットが並ぶドット列(ラスタライン)が形成される。また、コントローラー60は、ヘッド31が移動している間に、移動方向(往路方向)の下流側に位置する第1照射部42aからUV照射を行なわせる。このUV照射により、往路のパスで形成されたドットの広がりやドット間の滲みが抑制される。
【0031】
次に、コントローラー60は、パスの合間に搬送モーターを駆動させる。搬送モーターは、コントローラー60からの指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。この駆動力を用いて搬送モーターは、搬送ローラー13を回転させる。搬送ローラー13が所定の回転量にて回転すると、用紙Sは所定の搬送量にて搬送される。
【0032】
その後、コントローラー60は、キャリッジモーター(不図示)を逆転方向(正転方向の逆方向)に回転させる。これにより、キャリッジ21が移動方向(復路方向)に移動する。また、キャリッジ21が移動することによって、キャリッジ21に設けられたヘッド31及び第1照射部42a、42bも同時に移動方向(復路方向)に移動する。そして、コントローラー60は、この間にヘッド31から断続的にインク滴を吐出させる。このインク滴が、用紙Sにインク滴が着弾することによって、移動方向に複数のドットが並ぶドット列が形成される。また、コントローラー60は、ヘッド31が移動している間に、移動方向(復路方向)の下流側に位置する第1照射部42bからUV照射を行なわせる。このUV照射により、復路のパスで形成されたドットの広がりやドット間の滲みが抑制される。
【0033】
さらに、コントローラー60は、パスの合間に搬送ローラー13を回転させる。搬送ローラー13が所定の回転量にて回転すると、用紙Sは所定の搬送量にて搬送される。
以下、同様に、コントローラー60は、パスと用紙Sの搬送を交互に繰り返して行い、用紙Sの各画素にドットを形成していく。
そして、コントローラー60は、搬送動作によって用紙Sが第2照射部44の下を通る際に、用紙Sに向けて第2照射部44からUVの照射を行なわせる。このUV照射により、用紙S上のドットを完全に硬化させて用紙Sに定着させる。
印刷の終わった用紙Sは、搬送ローラー13と同期して回転する排紙ローラー15によって、排紙される。
こうして用紙Sに画像が印刷される。
【0034】
<ヘッド31の構成について>
図4は、ヘッド31の構成の一例の説明図である。なお、図4はヘッド31のノズルを上から透過して見た図である。ヘッド31の下面には、図4に示すように、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル列Cと、マゼンダインクノズル列Mと、イエローインクノズル列Yとが形成されている。各ノズル列は、各色のUVインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態では180個)備えている。
【0035】
各ノズル列の複数のノズルは、搬送方向に沿って一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、媒体に形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=4である。
【0036】
各ノズル列のノズルには、搬送方向下流側のノズルほど若い番号が付されている。各ノズルには、各ノズルからUVインクを吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。このピエゾ素子を駆動信号によって駆動させることにより、前記各ノズルから滴状のUVインクが吐出される。吐出されたUVインクは、媒体に着弾してドットを形成する。そして、媒体に形成されたドットは照射ユニット40によるUVの照射を受けることによって硬化する。本実施形態では、UVインクを硬化させるのに、仮硬化と本硬化の2段階の硬化を行っている。
【0037】
<仮硬化及び本硬化について>
仮硬化は、媒体に形成されたドットの流動(広がり)や、ドット間の滲みを抑えるためのUV照射である。このため、仮硬化後のドットは完全に硬化していないが、最終的なドット形状はこの仮硬化によって決まる。
【0038】
図5A〜図5Cは、媒体上に着弾したUVインク(ドット)の形状と、仮硬化のUVの照射エネルギーの説明図である。図5A、図5B、図5Cの順で仮硬化におけるUVの照射エネルギーが低くなっている。なお、各図においてUV照射のタイミング(ドットの形成からUV照射までの時間)は同じであることとする。
【0039】
仮硬化の際のUVの照射エネルギーが高い場合、例えば図5Aに示すようにドットの流動(広がり)が小さくなる。すなわちドット径が小さくなる。この場合、表面の光沢を抑えた低光沢の画質になる。また、この場合、他のインク間との間で滲みが生じに難くなる。
【0040】
一方、仮硬化の際のUVの照射エネルギーが低い場合、例えば例えば図5Cに示すようにドットの流動(広がり)が大きくなる。すなわちドット径が大きくなる。この場合、表面の光沢を高めた高光沢の画質になる。また、この場合、他のインクとの間で滲みが生じやすくなる。
【0041】
本硬化は、インクを完全に硬化させるためのUV照射である。このため第2照射部44の光源には、第1照射部42a、42bよりも強いエネルギーのUVを照射する光源(例えばランプ等)が用いられる。
【0042】
<照度分布とノズル列との関係について>
次に、第1照射部42a、42bの照度分布とヘッド31のノズル列との関係について説明する。なお、第1照射部42aと第1照射部42bは同一構成である。よって、そのうちの一方のみ(本実施形態では第1照射部42a)を用いて説明する。また、ヘッド31には4つのノズル列があるが、ここではそのうちの一つ(例えばブラックノズル列)のみを用いて説明する。
【0043】
図6は、第1実施形態における照度分布とノズル列との関係を説明するための概念図である。同図には、第1照射部42aと、ヘッド31のノズル列(例えばブラックノズル列)と、ノズル列によって形成されるドットのイメージが示されている。
【0044】
なお、説明の簡略化のため、ヘッド31のノズル列のノズル数を9個(#1〜#9)としている。このため、第1照射部42aはヘッド31の9個のノズル列と対応する長さで示されている。
【0045】
第1照射部42aは、キャリッジ21においてヘッド31のノズル列と対応する位置(移動方向に並ぶ位置)に設けられている。そして、第1照射部42aは、キャリッジ21が往路方向(移動方向の一端側から他端側)に移動する際にヘッド31のノズル列によって形成されたドットに仮硬化のためのUVを照射する。ここでは、図のノズル列の各ノズルから同一条件(インクの吐出量など)でUVインクが吐出されることとする。つまり媒体に形成された直後のドット(UV照射を受ける前のドット)の大きさは同じである。これらのドットは、第1照射部42aからのUV照射を受けて仮硬化される。
【0046】
ここで、図において第1照射部42aの下側に示す曲線は、第1照射部42aの照度分布を示している。この照度分布は、第1照射部42aからのUVの照射量(光量)を概念的に示したものであり、図において上側ほど低く、下側ほど高くなっている。図のように第1照射部42aの中央付近では照度が高くて且つ安定しているが、第1照射部42aの端部に近づくにつれて、照度が低くなっている。このため、ノズル列において中央部のみの領域(ノズル領域N2)で形成した各ドットに対してUVを照射する場合と比べて、端部を含めた領域(ノズル領域N1)で形成した各ドットに対してUVを照射する場合の方が、光量のばらつきが大きくなる。この理由について図7を参照しつつ説明する。
【0047】
図7は、第1照射部42aの照度分布を説明するための概念図である。第1照射部42aには、UVを照射する光源としてLED421が図7の左側の図に示すように複数設けられている。なお、図では、縦方向(搬送方向)と横方向(移動方向)にそれぞれLED421が複数設けられているが、LED421は、少なくとも縦方向(搬送方向)に沿って複数設けられていればよい。こうすることでヘッド31のノズル列によって形成された各ドットに対してUVを照射することができる。
【0048】
図7の右側の図は、第1照射部42aの照度分布を示している。図において実線は搬送方向に並ぶLED421のそれぞれの照度分布を示し、破線は第1照射部42aの照度分布を示している。
【0049】
図の実線に示すように、個々のLED421の照度は、中心で最大(ピーク)となり、中心から離れるにつれて曲線的に照度が低下している。これらの各LED421によるUVの照度分布を重ね合わせると、照度分布は図の破線のようになる。つまり、搬送方向の中央付近では照度が高く、且つ、ばらつきが小さいが、搬送方向の端部に近づくにつれて、照度が低下し、これにより、ばらつきが大きくなる。よって、第1照射部42aのUVの照射分布は、図6に示したような分布形状になる。
【0050】
第1照射部の照度分布がこのような分布形状であるため、ヘッド31のノズル列の各ノズルにより同一条件でドットの形成を行うと、ドット形成直後は同一サイズであったとしても、UV照射後のドットは、図6のように大きさにばらつきが生じてしまう。具体的には、照度のばらつきが小さい搬送方向の中央付近(ノズル#4〜#6付近)では、ほぼ同一のドットサイズになるが、搬送方向の端部に近づくにつれてドットサイズが大きくなる。このため、高画質の画像を印刷したい場合、ドットの大きさを均一に制御することが困難になり、所望の画質が得られないことになる。そこで、本実施形態では、印刷モードと照度分布とに応じてノズル列の使用する領域を変えるようにしている。
【0051】
<印刷モードと使用ノズルの関係について>
図8は、本実施形態における、印刷モードと使用ノズル領域との関係の説明図である。
図のように本実施形態では、印刷モードとして、第1印刷モードと第2印刷モードの2つの印刷モードを実行できる。なお、この印刷モードは、例えば印刷時にコンピューター110の画面(不図示)に表示されるユーザーインターフェース等によりユーザーによって選択(指定)される。
【0052】
第1印刷モードは高画質の印刷を行うモード(きれいモード)である。この場合、ドット径を確実に制御したいので、使用ノズル領域としてノズル領域N1(図6の#4ノズル〜#6ノズル)を選択するようにする。これにより、ドット径を確実に制御することが可になり、高画質の印刷を行うことができる。ただし、使用するノズル領域が狭いので、印刷領域に対して行うパス数が増加するため、印刷速度は遅くなる。
【0053】
一方、第2印刷モードは、印刷を高速に行うモード(速いモード)である。この場合、使用するノズル領域として、ノズル領域N2(図6の#1ノズル〜#9ノズル)を選択する。使用するノズル数が多いので、1回のパスで形成できるラスタラインの数が多くなる。よって印刷領域に対して行うパス数が減り、高速で印刷することが可能である。ただし、前述したように、このノズル領域N1ではドット径のばらつきが大きいので、第1印刷モードと比べると低画質になる。
【0054】
コントローラー60は、ユーザーによって指定された印刷モードと、図6に示す第1照射部42aの照度分布とに応じて、印刷する際に使用するノズル列のノズル領域をノズル領域N1、又は、ノズル領域N2に切り替える。こうすることにより、印刷モードに応じた印刷を確実に行うことができる。例えば、第1印刷モードでは、使用するノズル数が減るため印刷速度は遅くなるが、ドットのばらつきが小さく、より高画質な画像を印刷することができる。一方、第2印刷モードでは、ドットの大きさがばらつくため画質が低下するが、多くのノズルを使用できるため印刷をより高速に行うことができる。
【0055】
なお、本実施形態では印刷モードが2つであったが、これには限られず複数であればよい。例えば印刷モードが3つでもよい。この場合も、印刷モード(画質など)と照度分布とに応じて、ノズル列のうちの使用するノズル領域を変更するようにすればよい。
【0056】
以上、説明したように、本実施形態のプリンター1では、第1印刷モードのときには、ヘッド31のノズル列のうち、ノズル数が少なく、且つ、形成されるドットに照射される光の光量のばらつきが小さいノズル領域N1を使用してドットを形成している。また、第2印刷モードのときには、ノズル領域N1のノズル数よりもノズル数が多く、且つ、形成されるドットに照射される光の光量ばらつきが大きいノズル領域N2を使用してドットを形成している。こうすることにより、第1印刷モードでは高速の印刷を行うことができ、第2印刷モードでは高画質の印刷を行うことができる。このように印刷モードに応じた印刷を確実に行うことができる。
【0057】
===第2実施形態===
第1実施形態では、第1印刷モードで使用されるノズル領域N1の範囲が狭かった(3ノズル分)。このため、印刷時間がかなり遅くなるおそれがあった。そこで第2実施形態では、このノズル領域N1の範囲の拡大を図っている。なお、第2実施形態において、プリンター1の構成及び動作は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0058】
図9は、第2実施形態における照度分布と使用ノズル領域の説明図である。なお、図の見方は第1実施形態(図6)とほぼ同様である。ただし、図9では、第1照射部42aの各LED421への入力電流が示されている。なお、図に示す入力電流は、図の上側ほど大きい値であり、図の下側ほど小さい値である。例えば、ノズル列の端部では、ノズル列の中央部よりも入力電流が大きくなっている。
【0059】
第1実施形態では搬送方向の位置にかかわらずに、LED421への入力電流が同じであった(各LED421のUVの照射エネルギーが同じであった)のに対し、第2実施形態のプリンター1では、第1照射部42aの各LED421への入力電流を搬送方向の位置に応じて変えている。すなわち、図に示すように搬送方向の端(上流側端及び下流側端)部に近づくにつれて入力電流が次第に大きくなるようにしている。こうすることにより、UVの照度分布が第1実施形態の場合と異なっている。具体的には、第1実施形態では、ノズル領域N1がノズル#4〜#6の範囲であったのに対し、同じ照度分布のばらつき範囲でノズル領域N1を設定すると、ノズル#2〜#8の範囲を設定できる。このように、LEDの入力電流を搬送方向の位置に応じてかえることで、ノズル領域を広げることができる。
【0060】
このように、第2実施形態では、第1照射部42aの各LEDの入力電流を搬送方向の位置に応じて変えるようにしている。これにより、ノズル列のうちの使用する範囲((ノズル領域N1)を広げることが出来る。なお、ここではノズル領域N1のみ範囲を広げているが、同様にLED421への入力電流を制御することによってノズル領域N2も広げることが可能である。
【0061】
<第2実施形態の変形例>
前述の実施形態では、搬送方向に並ぶLED421への入力電流を搬送方向の位置に応じて変えることによってノズル領域N1の範囲を広げていたが、この変形例では、LED421の入力電流を変えずに、ノズル領域N1の範囲を広げている。
図10は第2実施形態の変形例の説明図である。図に示すように、ノズル列の長さに対して、第1照射部42aの長さが長くなるようにしている。こうすることにより、同じ照度分布のばらつき範囲内で、第1実施形態よりも広いノズル領域N1を設定することができる。
また、搬送方向の位置に応じて隣接するLED421間の間隔を変えて配置するようにしてもよい。具体的には、搬送方向の中央部における間隔が、端部における間隔よりも大きくなるようにしてもよい。こうすることで、中央部と端部との照度の差を低減でき、ノズル領域N1を広くできる。
【0062】
===その他の実施の形態===
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0063】
<プリンターについて>
前述の実施形態では、装置の一例としてプリンターが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
また、本実施形態では、シリアル式のプリンターであったがこれには限られず、例えばラテラル式のプリンターにも適用することができる。
【0064】
<ヘッドについて>
前述の実施形態では、キャリッジ21に一つのヘッド31が設けられていたがこれには限られず、キャリッジ21に複数のヘッド31が設けられていてもよい。この場合、複数のヘッド31の各ノズル列によるドット形成範囲に、UVを照射できるように第1照射部42a、42bを設けるようにすればよい。
【0065】
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子(ピエゾ素子)を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
【0066】
<インクについて>
前述の実施形態は、紫外線(UV)の照射を受けることによって硬化するインク(UVインク)をノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではなく、UV以外の他の光(例えば可視光線など)の照射を受けることによって硬化する液体をノズルから吐出しても良い。この場合、各照射部から、その液体を硬化させるための光(可視光線など)を照射するようにすればよい。
【0067】
<照射部について>
前述の実施形態では、キャリッジ21における移動方向の両端にそれぞれ第1照射部42aと第1照射部42bが設けられているが、何れか一方であってもよい。なお、例えば単方向印刷を行う場合、ドットを形成するパスにおけるヘッド31の移動方向の下流側に第1照射部を設けていると、ドット形成直後に、仮硬化のUV照射を行うことができる。
【0068】
また、前述した実施形態では、第2照射部44を設けて仮硬化後のドットに本硬化のUV照射を行っていたが、第1照射部42a、42bで本硬化を行ってもよい。例えば単方向印刷をするようにして、キャリッジ21が往復する際に第1照射部42a、42bからUVを照射する(すなわち、仮硬化のUV照射を2回行う)ことでドットを完全に硬化させるようにしても良い。あるいは、各第1照射部42a、42bのUV照射エネルギーを強めて1回のUV照射で完全にドットを硬化させるようにしてもよい。なお、このように第1照射部42a、42bでドットを完全に硬化させるようにした場合、第2照射部44を設けなくても良い。
【符号の説明】
【0069】
1 プリンター、10 搬送ユニット、11 給紙ローラー、
13 搬送ローラー、14 プラテン、15 排紙ローラー、
20 キャリッジユニット、21 キャリッジ、
30 ヘッドユニット、31 ヘッド、
40 照射ユニット、42a,42b 第1照射部、44 第2照射部、
50 検出器群、53 紙検出センサー、54 光学センサー、
60 コントローラー、61 インターフェイス部、62 CPU、
63 メモリー、64 ユニット制御回路、
110 コンピューター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の照射を受けることによって硬化する液体を吐出するノズルが所定方向に複数並んだノズル列と、
前記ノズル列と対応して前記所定方向に沿って設けられ、前記ノズル列によって媒体に形成されたドットに光を照射する照射部と、
前記ノズル列からの前記液体の吐出を制御することで第1印刷モード、又は、前記第1印刷モードよりも低画質の第2印刷モードの印刷を実行するコントローラーであって、
前記第1印刷モードのときには、前記ノズル列の第1ノズル領域であって、当該第1ノズル領域のノズルにより形成されたドットに前記照射部から照射される光の光量ばらつきが所定範囲内にある第1ノズル領域を使用してドットを形成し、
前記第2印刷モードのときには、前記ノズル列の第2ノズル領域であって、ノズル数が前記第1ノズル領域のノズル数よりも多く、且つ、当該第2ノズル領域のノズルで形成されたドットに前記照射部から照射される光の光量ばらつきが前記所定範囲よりも大きい範囲内にある第2ノズル領域を使用してドットを形成するコントローラーと、
を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記照射部は、光の光源として、前記所定方向に並ぶ複数のLEDを有し、
前記コントローラーは、前記複数のLEDへの入力電流を、前記所定方向の位置に応じて変える
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液体吐出装置であって、
前記コントローラーは、前記複数のLEDのうちの第1LEDと、前記第1LEDよりも前記所定方向における端部側に位置する第2LEDに対して、前記第1LEDへの入力電流よりも前記第2LEDへの入力電流の方を大きくする。
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の液体吐出装置であって、
前記所定方向に隣接するLED間の間隔が、前記所定方向の位置に応じて異なる、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の液体吐出装置であって、
前記照射部の前記所定方向の長さが、前記ノズル列の前記所定方向の長さよりも長い
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項6】
光の照射を受けることによって硬化する液体を吐出するノズルが所定方向に複数並んだノズル列と、
前記ノズル列と対応して前記所定方向に沿って設けられ、前記ノズル列によって媒体に形成されたドットに光を照射する照射部と、
前記ノズル列からの前記液体の吐出を制御するコントローラーであって、予め定められた前記照射部の前記所定方向における光の照度分布と、ユーザーにより指定された印刷品位に応じて前記ノズル列のうちの使用するノズル領域を変更するコントローラーと、
を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項7】
光の照射を受けることによって硬化する液体を吐出するノズルが所定方向に複数並んだノズル列と、前記ノズル列と対応して前記所定方向に沿って設けられ、前記ノズル列によって媒体に形成されたドットに光を照射する照射部とを備えた液体吐出装置の液体吐出方法であって、
前記ノズル列の第1ノズル領域から前記液体を吐出することよって複数のドットを形成し、形成された各ドットに前記照射部から光量ばらつきが所定範囲内にある光を照射する第1印刷モードと、
前記第1印刷モードよりも低画質の第2印刷モードであって、前記第1ノズル領域のノズル数よりもノズル数が多い第2ノズル領域から前記液体を吐出することよって複数のドットを形成し、形成された各ドットに前記照射部から光量ばらつきが前記所定範囲よりも大きい範囲内にある光を照射する第2印刷モードと、
を有することを特徴とする液体吐出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−218220(P2012−218220A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83842(P2011−83842)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】