説明

液体吐出装置

【課題】単純な構造により、μLオーダーの液体を再現性良く吐出でき、かつ液切れ性と生体試料の低吸着性を両立させることが可能な液体吐出装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、上下流端2a,2bを有し、下流端2bに液体吐出口3が形成された液体流路2と、液体流路2の上流端2aおよび液体吐出口3の間で、液体流路2に接続される気体流路5とを備え、液体流路2のうち、気体流路5との接続部4から液体吐出口3までの容積を液体吐出量とし、加圧した気体を気体流路5を介して液体流路2内に注入することにより、液体流路2内に供給された液体を液体吐出口3から吐出するように構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生化学、臨床検査、創薬検査等の研究開発および製品において使用される血液、血清、血漿あるいは核酸、蛋白質、ペプチド、試薬等を含む液体を分注する際に用いられるものであって、メータリング機能を有する液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生化学研究や臨床検査、創薬検査等の研究開発用装置あるいは製品では、スループット向上やランニングコストの削減などを目的として、測定装置や測定デバイスの小型集積化が望まれている。従来、上記の要求性能を達成するための分注装置として、シリンジポンプやプランジャー方式のポンプ、インクジェット方式の分注装置、圧電変換機を適用したマイクロディスペンサ等が存在している(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−077490号公報
【特許文献2】特開2003−149093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の分注装置としての液体吐出装置は、臨床現場で必要とされる0.5〜20μL前後の量の液体を吐出する目的には適していない。例えば、プリンタなどのインクジェット機構では、ピコリットル容量の液体しか吐出できず、インク液滴の飛翔中に液体成分が蒸発してしまうという問題を有している。
具体的には、従来の液体吐出装置の第一の問題点として、1μL以下の液体を再現性良く吐出するための機構が複雑であるために、装置の小型化や低コスト化が難しく、かつ部品点数が多くなる等の不具合がある。また、吐出した液滴の極微小化に起因する蒸発による溶液濃度の変化は、測定上無視することができないレベルに達する場合があるので、蒸発を抑えるための機構を設ける必要性が生じ、測定装置全体の小型化や低コスト化の阻害要因となっている。他方、測定装置の検出限界を考慮した場合、必ずしも0.5μL以下の吐出量を必要としないことがある。
【0004】
また、従来の液体吐出装置の第二の問題点として、装置自体が高価かつ大型であるため、複数種類の液体を分注する場合、液体毎に異なる分注装置を導入することが難しく、分注する液体が交換される度に装置の洗浄を行うか、あるいはディスポーザブルチップを交換する必要がある等の不具合がある。これらの問題点も同様に、測定装置全体の小型化や低コスト化の阻害要因となるだけでなく、洗浄液の排出という観点からも環境負荷が大きく、また廃液処理のための人的な負担が大きくなる。
【0005】
一方、微量物質の取り扱いにおいては、溶質の吸着による溶液濃度の変化が問題として取り上げられる。特に従来の分注装置において多用されるディスポーザブルチップは、耐溶剤性や液切れ性の面では優れた特性を示すものの、核酸・蛋白質・ペプチド等の生体試料を取り扱う場合には疎水性相互作用に起因するチップ表面への吸着が問題となっている。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、単純な構造により、μLオーダーの液体を再現性良く吐出でき、かつ液切れ性と生体試料の低吸着性を両立させることが可能な液体吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、上下流端を有し、下流端に液体吐出口が形成された液体流路と、該液体流路の上流端および前記液体吐出口の間で、前記液体流路に接続される気体流路とを備え、前記液体流路のうち、前記気体流路との接続部から前記液体吐出口までの容積を液体吐出量とし、加圧した気体を前記気体流路を介して前記液体流路内に注入することにより、前記液体流路内に供給された液体を前記液体吐出口から吐出するように構成している。
【0008】
また、本発明の液体吐出装置においては、次のように構成することが好ましい。
(1)前記液体流路の上流端には液体受け部または液体溜め部が設けられ、該液体受け部または液体溜め部の底部には多孔質薄膜が設けられている。
(2)前記液体受け部の上部は、液体容器の口部と嵌合可能な形状に形成されている。
(3)前記多孔質薄膜は、前記液体受け部または前記液体溜め部の底部に取り外し可能に設置され、リングもしくは爪によって前記液体受け部または前記液体溜め部の底部に固定されている。
(4)前記液体吐出口の内面および前記気体流路の内面の一部または全部は、水との接触角が60度以上の疎水性材料で製造あるいは被覆されており、前記液体流路の内面の一部または全部は、水との接触角が30度以下の親水性材料で製造あるいは被覆されている。
(5)前記液体流路のうち、前記気体流路との接続部から前記液体吐出口までの容積は、0.5〜20μLの液体吐出量である。
【発明の効果】
【0009】
上述の如く、本発明に係る液体吐出装置は、上下流端を有し、下流端に液体吐出口が形成された液体流路と、該液体流路の上流端および前記液体吐出口の間で、前記液体流路に接続される気体流路とを備え、前記液体流路のうち、前記気体流路との接続部から前記液体吐出口までの容積を液体吐出量とし、加圧した気体を前記気体流路を介して前記液体流路内に注入することにより、前記液体流路内に供給された液体を前記液体吐出口から吐出するように構成しているので、常時充填型の構造として、吐出する液体の微小化に起因する蒸発による液体濃度の変化を抑制することができ、装置の小型化も容易となる。しかも、本発明の液体吐出装置自体にメータリング機能を持たせることができ、例えば、0.5〜20μLの液体吐出量を確実に吐出させることができる。それに加えて、本発明の液体吐出装置によれば、液体流路内の液体を添加対象に接触させることなく液滴として吐出可能であるため、添加対象が汚染されることはない。
【0010】
また、本発明において、前記液体流路の上流端には液体受け部または液体溜め部が設けられ、該液体受け部または液体溜め部の底部には多孔質薄膜が設けられ、しかも、前記液体受け部または前記液体溜め部の底部に取り外し可能に設置され、リングもしくは爪によって前記液体受け部または前記液体溜め部の底部に固定されていれば、液体の吐出時に、液体流路から液体受け部または液体溜め部への液体の逆流を阻止することができる。
さらに、本発明において、前記液体吐出口の内面および前記気体流路の内面の一部または全部は、水との接触角が60度以上の疎水性材料で製造あるいは被覆され、前記液体流路の内面の一部または全部は、水との接触角が30度以下の親水性材料で製造あるいは被覆されていれば、液切れ性と低吸着性を両立させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の液体吐出装置について、図面を参照しながら、その実施形態に基づき詳細に説明する。ここで、図1は本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置の斜視図、図2は図1のX−X線断面図、図3は図1のY−Y線断面図、図4は上記第1実施形態に係る液体吐出装置の平面図である。
【0012】
なお、本発明の液体吐出装置で用いられる液体は、特に限定されず、後述の気体の注入により移動できるものであればよく、液状の試料自体や試料溶液であってもよい。具体的には、血液、血清、血漿あるいは核酸、蛋白質、ペプチド、試薬等を含む溶液が挙げられる。加圧した気体を注入して液体を添加対象に吐出する態様では、粘度の高い試料や試料溶液でも吐出可能である。
また、本発明の液体吐出装置で液体を吐出するために用いられる気体は、液体と反応しない気体であればよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスが挙げられる。さらに、酸化のおそれのない液体に対しては、空気を用いてもよい。
【0013】
図1〜図4に示すように、本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置1は、上下流端2a,2bを有し、下流端2bに液体吐出口3が形成された液体流路2と、この液体流路2の上流端2aおよび液体吐出口3の間に位置する接続部4で液体流路2に接続される気体流路5とを備えている。
液体流路2は、上流端2aから下流端2bへ向かって上下方向に沿って延在し、気体流路5は水平方向に沿って延在しており、液体流路2と気体流路5とは、接続部4で交差して互いに連通している。しかも、液体流路2と気体流路5との接続部4において、当該液体流路2からの液体が気体流路5へ流れ込むのを防止するため、気体流路5の内壁面には疎水処理が施されている。なお、気体流路5の上流側開口端5aは、嵌め込み、接着等の通常の方法により、気体シリンジ等の気体供給源に接続されている。
【0014】
また、本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置1では、液体流路2のうち、気体流路5との接続部4から液体吐出口3までの容積を、所望の液体吐出量と同一となるように設定されている。
このような所望の液体吐出量としては、特に限定されないが、従来有効な手段が存在しなかった0.5〜20μL、好ましくは1〜10μLに効果的である。したがって、例えば、液体流路2の大きさは、直径が100〜300μmであり、長さが500〜60000μmとなるように形成されている。このとき、気体流路5の大きさは、直径が100〜500μm、長さが10000μmとなるように形成されていることが好ましい。
【0015】
一方、液体流路2の上流端2aには、当該液体流路2の直径よりも大径である凹形状の液体受け部10が連通して設けられており、この液体受け部10の底部には、フィルターとしての多孔質薄膜11が設けられている。また、液体受け部10の上部は、図示しない液体容器(例えば、試薬瓶)の口部と嵌合可能な大きさおよび形状に形成されており、液体吐出装置1への液体供給時において、図示しない液体容器が液体受け部10の上部に接続できるようになっている。
【0016】
この多孔質薄膜11は、その存在によって、気体流路5の内部が急激に加圧された際に、液体の上流端2aの方向への逆流は抑制されるが、液体の液体流路2への充填は、阻害されないように構成されている。多孔質薄膜11の目は、液体の種類や目的などにより任意に選択することが可能である。また、多孔質薄膜11は、液体受け部10と一体化されたものでも、あるいは液体受け部10の底部に取り外し可能に設置されるものでもよい。取り外し可能な多孔質薄膜11を液体受け部10に設置した場合、気体流路5の上流側開口端5aに接続した気体供給源から導入された気体の圧力によって多孔質薄膜11が浮き上がることがある。これを防止するため、多孔質薄膜11は、リング12によって液体受け部10の底部に固定されている。多孔質薄膜11を配置する液体受け部10の底部の断面が円形であれば、多孔質薄膜11と液体受け部10とが接する周囲にはリング12を設けることが好ましい。
このようなリング12としては、Oリングがある。また、リング12に代えて、図5に示すような円筒状のチューブ13を用いて多孔質薄膜11を液体受け部10の底部に固定してもよい。さらに、リング12および円筒状のチューブ13に代えて、図6に示すような3つの爪14を液体受け部10の内壁面に突設し、これら爪14を多孔質薄膜11の上面に係合させることにより、多孔質薄膜11を液体受け部10の底部に固定してもよい。
【0017】
一方、液体が親水性物質または親水性溶液である場合は、液体吐出口3の内面および気体流路5の内面の一部または全部は、水との接触角が60度以上の疎水性材料で製造あるいは被覆されており、液体流路2の内面の一部または全部は、水との接触角が30度以下の親水性材料で製造あるいは被覆されていることが好ましい。これによって、液体は内面が親水処理された液体流路2に引き込まれ、気体を間欠的(パルス的に)に導入することにより、疎水性の液体吐出口3から液切れよく容易に吐出することが可能となっている。また、気体流路5のうち、液体流路2との接続する部分4を疎水性としておくと、液体が液体流路2から気体流路5に進入するのを防止し、液体の供給量の精度を高めることが可能となる。
ここで、水との接触角が60度以上の疎水性表面の官能基としては、例えば、メチル基が挙げられる。また、水との接触角が30度以下の親水性表面の官能基としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホン基、リン酸基が挙げられる。ただし、本発明の実施形態は、これら官能基に限定されるものではない。
【0018】
なお、液体流路2と気体流路5との接続部4付近の構造として、図7に示すような形態を採用してもよい。図7(A)では、接続領域の上流側と下流側において液体流路2の内径を変えている。すなわち、上流側の液体流路2の内径を下流側のそれよりも細く形成することによって、気体流路5に注入された気体による加圧時に、液体が逆流するのを抑制することが可能となっている。
また、図7(B)では、気体流路5の接続部4と対向する液体流路2の内壁面に突起部2cが設けられており、この突起部2cによって液体流路2の接続領域を他の部分よりも細くすることによって、液体が上昇するのを抑制し、計量精度の向上を図っている。
さらに、図7(C)では、液体流路2の上流端2aから下流端2bへ向かって3本の気体流路3a〜3cが所定の間隔を置いて設けられ、各気体流路3a〜3c内には、内部を先細りのテーパー状に形成したゴム製逆止弁15がそれぞれ挿入配置されている。この構造においては、気体を注入する気体流路3a〜3cを選択することにより、液体の吐出量が変えられるようになっている。
【0019】
また、液体吐出口3の形状としては、図1に示すような円筒状や角柱等が挙げられるが、これに代えて、図8(A)および(B)に示すような形状の液体吐出口3a,3bを採用してもよい。すなわち、吐出液のいきおいや液滴の形状を考慮して、次第に直径を減少させるテーパー状または円錐状の液体吐出口3a、角柱状の液体吐出口3bであってもよい。
【0020】
次に、本発明の第1実施形態の液体吐出装置1を使用して、試薬などの液体を添加対象に吐出する方法について説明する。
まず、液体が収容されている液体容器の口部(図示せず)を液体吐出装置1の液体受け部10に嵌入させて接続する。次いで、液体吐出装置1を添加対象の位置に配置し、図示しない気体供給源からシリンジポンプなどで加圧された気体を上流側開口端5aより気体流路5を介して液体流路2内に注入すると、液体容器から液体受け部10を介して液体流路2内に液体が供給され、気体流路5との接続部4から液体吐出口3までの容積である所望の液体吐出量(0.5〜20μL)が充填される。そして、液体流路2内の液体は、注入された気体によって液体吐出口3から添加対象に吐出されることになる。
したがって、本発明の第1実施形態の液体吐出装置1によれば、添加対象に接触させることなく、0.5〜20μLの微小な液体吐出量の液体を確実に吐出させることができる。
【0021】
図9〜図12は、本発明の第2実施形態に係る液体吐出装置を示すものであり、図9は第2実施形態に係る液体吐出装置の斜視図、図10は図9のX−X線断面図、図11は図9のY−Y線断面図、図12は上記第2実施形態に係る液体吐出装置の平面図である。
図9〜図12に示すように、本発明の第2実施形態に係る液体吐出装置20は、カートリッジタイプである。すなわち、液体吐出装置20は、液体カートリッジ21とホルダー22とを備えており、液体カートリッジ21内の上部には、所定量の液体を貯留する液体溜め部23が形成されていると共に、液体カートリッジ21内の下部には、上記第1実施形態の液体流路2および気体流路5と同様の液体流路24と気体流路25とが形成されている。そのため、液体流路24のうち、気体流路25との接続部26から液体吐出口27までの容積は、所望の液体吐出量(0.5〜20μL)と同一となるように設定されている。しかも、液体カートリッジ21の上下中間位置の外周部には、位置決め用の一対のフィン28が張り出して形成されている。なお、液体溜め部23と液体流路24とは、互いに連通している。そして、液体カートリッジ21の頂面部には、外部と液体溜め部23とを連通する通気孔21aが設けられている。
また、液体カートリッジ21を装着するホルダー22内には、液体カートリッジ21を挿入配置する円筒状の嵌合孔29が上下方向へ沿って形成され、この嵌合孔29と交差する横方向には、加圧ポート30aを有する貫通孔30が形成されている。この貫通孔30は、液体カートリッジ21における気体流路25の設置箇所と合致する位置に設けられており、ホルダー22の上部であって、嵌合孔29の左右両側には、気体流路25と貫通孔30とを位置決めすべく、液体カートリッジ21のフィン28を挿入する溝31が一対のフィン28と対応する大きさに形成されている。しかも、フィン28を溝31内に挿入した状態では、液体カートリッジ21の液体吐出口27とホルダー22の嵌合孔29の下面との高さ位置がほぼ一致するようになっている。
【0022】
次に、本発明の第2実施形態の液体吐出装置20を使用して、試薬などの液体を添加対象に吐出する方法について説明する。
まず、フィン28を溝31内に挿入しながら、液体溜め部23に液体が貯留されている液体カートリッジ21をホルダー22の嵌合孔29に嵌合させて配置する。この状態では、液体カートリッジ21の気体流路25とホルダー22の貫通孔30との位置が合致している。次いで、液体吐出装置20およびホルダー22を添加対象の位置に配置し、図示しない気体供給源からシリンジポンプなどで加圧された気体をホルダー22の加圧ポート30aより貫通孔30および気体流路25を介して液体流路24内に注入すると、液体カートリッジ21の液体溜め部23から液体流路24内に液体が供給され、気体流路25との接続部26から液体吐出口27までの容積である所望の液体吐出量(0.5〜20μL)を充填される。そして、液体流路24内の液体は、注入された気体によって液体吐出口27から添加対象に吐出されることになる。
したがって、本発明の第2実施形態の液体吐出装置20によれば、吐出する液体を液体溜め部23に予め貯留した液体カートリッジ21をホルダー22に挿入するだけで、0.5〜20μLの液体吐出量の液体を迅速かつ容易に吐出させることが可能となり、作業性の向上を図ることができる。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
【0023】
図13〜図15は、本発明の第3実施形態に係る液体吐出装置を示すものであり、図13は第3実施形態に係る液体吐出装置および液体吐出機構の平面図、図14は液体吐出装置の断面図、図15(A)は液体吐出装置の正面図、図15(B)は液体吐出装置の側面図である。
図13〜図15に示すように、本発明の第3実施形態に係る液体吐出装置40は、複数(本実施形態では4つ)の異なる種類の試薬たる液体を吐出する装置である。このため、本実施形態の液体吐出装置40は、4つの液体カートリッジ41と、これら液体カートリッジ41を装着する共通ホルダー42とを備えている。液体カートリッジ41内の上部には、所定量の液体を貯留する液体溜め部43が形成されていると共に、液体カートリッジ41内の下部には、上記第1実施形態の液体流路2および気体流路5と同様の液体流路44と気体流路45とが形成されている。そのため、液体流路44のうち、気体流路45との接続部(図示せず)から液体吐出口の吐出ノズル46までの容積は、所望の液体吐出量(0.5〜20μL)と同一となるように設定されている。しかも、液体カートリッジ41の外周部には、後述する嵌合孔の内周部との間の気密性を担保するためのOリング47が上下2箇所に取付けられている。なお、液体溜め部43と液体流路44とは、互いに連通しており、液体溜め部43の底部には、上記第1実施形態と同様の多孔質薄膜11がリング12によって固定されている。そして、液体カートリッジ41の頂面部には、外部と液体溜め部43とを連通する通気孔41aが設けられている。
【0024】
また、4つの液体カートリッジ41を装着する共通ホルダー42には、液体カートリッジ41を挿入配置する4つの円筒状の嵌合孔48が長手方向へ沿って一定の間隔を開けて形成され、これら嵌合孔48と交差する横方向には、加圧ポート49aを有する貫通孔49がそれぞれ形成されている。各貫通孔49は、液体カートリッジ41を嵌合孔48に挿入した状態で、気体流路45の設置箇所と合致する位置に設けられている。しかも、液体カートリッジ41を嵌合孔48内に挿入した状態では、液体カートリッジ41の吐出ノズル46が共通ホルダー42の下面から突出する高さ位置に設定されている。
【0025】
さらに、本実施形態の液体吐出装置40と関連して、液体吐出機構50が設けられている。この液体吐出機構50は、図13に示すように、加圧用シリンダ51と、該加圧用シリンダ51からの加圧気体を液体カートリッジ41に送る給送ホース52とを備えている。この給送ホース52は、途中で4つに分岐されており、一端が加圧用シリンダ51に連結され、他端が共通ホルダー42の各加圧ポート49aにそれぞれ連結されている。しかも、分岐された給送ホース52aの途中であって、加圧用シリンダ51と各液体カートリッジ41との間には、4種類の液体を独立して吐出させるために、電磁バルブ53がそれぞれに組み込まれている。さらに、三方電磁バルブ59が給送ホース52に結合されており、ピストン54を引く際に外部に開放することにより、外部の空気を加圧用シリンダ51に導入することが可能となっている。
加圧用シリンダ51の内部には、気体(空気)を加圧するピストン54が摺動可能に設けられており、該ピストン54は、モータ55でウォームギア56を回転させ、該ウォームギア56と噛合ったブロック57を直線方向へ移動させることにより、作動ロッド58を介して駆動するように構成されている。
【0026】
次に、本発明の第3実施形態の液体吐出装置40および液体吐出機構50を使用して、4種類の試薬などの液体を添加対象に吐出する方法について説明する。
まず、液体溜め部43に異なる種類の液体が貯留されている4本の液体カートリッジ41を共通ホルダー42の各嵌合孔48に嵌入させて配置する。この状態では、液体カートリッジ41の気体流路45と共通ホルダー42の貫通孔49との位置が合致している。次いで、液体吐出装置40および共通ホルダー42を添加対象の位置に配置し、液体吐出機構50の加圧用シリンダ51からピストン54で加圧された気体を、給送ホース52および選択的に開けた所望の電磁バルブ53を経て、共通ホルダー42の加圧ポート49aより貫通孔49および気体流路45を介して液体流路44内に注入する。すると、液体カートリッジ41の液体溜め部43から液体流路44内に液体が供給され、所望の液体吐出量(0.5〜20μL)が充填される。そして、液体流路44内の液体は、注入された気体によって吐出ノズル46から添加対象に吐出されることになる。
したがって、液体吐出機構50を設けた本発明の第3実施形態の液体吐出装置40によれば、種類の異なる液体を液体溜め部43に予め貯留した4本の液体カートリッジ41を共通ホルダー42にそれぞれ挿入するだけで、0.5〜20μLの液体吐出量で、4種類の液体のうち、所望の液体だけを選択的にあるいはすべての液体を同時に、迅速かつ容易に吐出させることが可能となり、より一層作業性の向上を図ることができる。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
【0027】
図16〜図18は、本発明の第4実施形態に係る液体吐出装置を示すものであり、図16は第4実施形態に係る液体吐出装置および液体吐出機構の平面図、図17は液体吐出装置の断面図、図18は液体吐出装置の正面図である。
図16〜図18に示すように、本発明の第4実施形態に係る液体吐出装置60は、複数(本実施形態では4つ)の異なる種類の試薬たる液体を吐出する装置である。このため、本実施形態の液体吐出装置60は、1つの共通液体カートリッジ61と、この共通液体カートリッジ61を装着するホルダー62とを備えている。共通液体カートリッジ61内の上部には、種類の異なる所定量の液体を貯留する4つの液体溜め部63が仕切られて形成されていると共に、液体カートリッジ61内における各液体溜め部63の下部には、上記第1実施形態の液体流路2および気体流路5と同様の液体流路64と気体流路65とがそれぞれ形成されている。そのため、液体流路64のうち、気体流路65との接続部(図示せず)から液体吐出口の吐出ノズル66までの容積は、所望の液体吐出量(0.5〜20μL)と同一となるように設定されている。しかも、各液体溜め部63と液体流路64とは、互いに連通しており、各液体溜め部63の底部には、上記第1実施形態と同様の多孔質薄膜11がリング12によって固定されている。そして、液体カートリッジ61の頂面部には、外部と液体溜め部63とを連通する通気孔61aがそれぞれ設けられている。
【0028】
また、共通液体カートリッジ61を装着するホルダー62には、共通液体カートリッジ61を挿入配置する円筒状の嵌合孔67が上下方向に沿って形成され、これら嵌合孔67と交差する横方向には、加圧ポート68aを有する4つの貫通孔68がそれぞれ形成されている。各貫通孔68は、共通液体カートリッジ61を嵌合孔67に挿入した状態で、各液体溜め部63に対応する気体流路65の設置箇所と合致する位置に設けられている。しかも、共通液体カートリッジ61を嵌合孔67内に挿入した状態では、共通液体カートリッジ61の各吐出ノズル66がホルダー62の下面から突出する高さ位置に設定されている。
【0029】
本実施形態の液体吐出装置60と関連して、液体吐出機構70が設けられている。この液体吐出機構70は、図16に示すように、加圧気体発生用シリンジ71と、該シリンジ71からの加圧気体を液体カートリッジ61に送る給送ホース72とを備えている。この給送ホース72は、途中で4つに分岐されており、一端がシリンジ71に連結され、他端がホルダー62の各加圧ポート68aにそれぞれ連結されている。しかも、分岐された給送ホース62aの途中であって、シリンジ71と液体カートリッジ61との間には、4種類の液体を独立して吐出させるために、電磁バルブ73がそれぞれに組み込まれている。さらに、三方電磁バルブ70aが給送ホース72に結合されており、ピストン74を引く際に外部に開放することにより、外部の空気を加圧気体発生用シリンダ71に導入することが可能となっている。
加圧気体発生用シリンジ71の内部には、気体(空気)を加圧する摺動可能なピストン74と、ピストン駆動機構が設けられており、ピストン74は、ピストン駆動機構の内臓モータ75が断面横向きU字状の継ぎ手76を介して回転軸77を回転させると、シリンジ内壁の螺旋状溝78と噛合ったウォームギア79および回転軸77がシリンジ71の軸心に沿って直線的に移動することにより、回転軸77なお、を介して駆動するように構成されている。このため、液体吐出機構70は、4種類の液体のうち、吐出する液体の種類の数に応じて加圧気体の供給量を変更することが可能となっている。
なお、回転軸77は、継ぎ手76内で長さ方向に移動可能となっている。また、ピストン74と回転軸77との間は、相対的な回転を許容する機構で連結されており、これによってピストン74は回転しないようになっている。
【0030】
次に、本発明の第4実施形態の液体吐出装置60および液体吐出機構70を使用して、4種類の試薬などの液体を添加対象に吐出する方法について説明する。
まず、異なる種類の液体が貯留されている4つの液体溜め部63を備えた共通液体カートリッジ61をホルダー62の嵌合孔67に嵌入させて配置する。この状態では、共通液体カートリッジ61の各気体流路65とホルダー62の貫通孔68との位置が合致している。次いで、液体吐出装置60およびホルダー62を添加対象の位置に配置し、液体吐出機構70の加圧気体発生用シリンジ71からピストン74で加圧された気体を、給送ホース72および選択的に開けた所望の電磁バルブ73を経て、ホルダー62の加圧ポート68aより貫通孔68および気体流路65を介して液体流路64内に注入する。すると、共通液体カートリッジ61の液体溜め部63から液体流路64内に液体が供給され、所望の液体吐出量(0.5〜20μL)が充填される。そして、液体流路64内の液体は、注入された気体によって吐出ノズル66から添加対象に吐出されることになる。
したがって、液体吐出機構70を設けた本発明の第3実施形態の液体吐出装置60によれば、種類の異なる液体を4つの液体溜め部63に予め貯留した共通液体カートリッジ61をホルダー62に挿入するだけで、0.5〜20μLの液体吐出量で、4種類の液体のうち、所望の液体だけを選択的にあるいはすべての液体を同時に、迅速かつ容易に吐出させることが可能となり、より一層作業性の向上を図ることができる。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
【0031】
図19は、本発明の第5実施形態に係る液体吐出装置を示すものであり、第5実施形態に係る液体吐出装置および液体吐出機構の概略図である。
図19に示すように、本発明の第5実施形態に係る液体吐出装置81は、液体受け部や液体溜め部を備えておらず、液体を吸引すると共に、吸引した液体を吐出する装置である。このため、本実施形態の液体吐出装置81は、上下流端82a,82bを有し、下流端82bに液体吐出口83が形成された液体流路82と、この液体流路82の上流端82aおよび液体吐出口83の間に位置する接続部84で液体流路82に接続される気体流路85とを備えている。
液体流路82は、上流端82aから下流端82bへ向かって上下方向に沿って延在し、気体流路85は水平方向に沿って延在しており、液体流路82と気体流路85とは、接続部84で交差して互いに連通している。これら液体流路82および気体流路85は、上記第1実施形態の液体流路2および気体流路5と同様に構成されており、液体流路82のうち、気体流路85との接続部84から液体吐出口83までの容積は、所望の液体吐出量(0.5〜20μL)と同一となるように設定されている。
【0032】
また、本実施形態の液体吐出装置81と関連して、液体吐出機構90が設けられている。この液体吐出機構90は、プランジャー91を有するシリンジポンプ92、電磁バルブ93および二方向弁94を備えており、液体流路82の上流端82aは、ホース95および二方向弁94を介してシリンジポンプ92に接続され、気体流路85の上流側開口端85aは、分岐ホース95aおよび電磁バルブ93を介して二方向弁94に接続されている。さらに、三方電磁バルブ96がシリンジポンプ92と二方向弁94との間のホース95に結合されており、プランジャー91を引く際に外部に開放することにより、外部の空気をシリンジポンプ92に導入することが可能となっている。
二方向弁94は、シリンジポンプ92から液体流路82の上流端82aの流通路を確保できるように設定されており、シリンジポンプ92のプランジャー91を引くと、試薬などの液体中に配置された液体吐出口83から所望量を吸引することが可能となっている。この所望量は、吸引された液体の先端が、液体流路82と気体流路85の接続部84を超えるようにすることが好ましい。
【0033】
次に、本発明の第5実施形態に係る液体吐出装置81および液体吐出機構90を使用して、試薬などの液体を添加対象に吐出する方法について説明する。
まず、液体吐出装置81の液体吐出口83を試薬などの液体中に配置し、シリンジポンプ92のプランジャー91を引いて、液体吐出口83から所望量の液体を吸引する。次いで、二方向弁94を切り替えることによりシリンジポンプ92を分岐ホース95aに結合し、三方電磁バルブ96を開放した状態で、プランジャー91をさらに引く。次に、液体吐出装置81を添加対象の位置に配置し、三方電磁バルブ96および電磁バルブ93を閉じた状態でシリンジポンプ92のプランジャー91を押し、シリンジポンプ92内を加圧する。加圧後に電磁バルブ93を開くと、加圧された気体が気体流路85を経て液体流路82内に注入され、液体吐出口83から所望量の液体が添加対象に吐出されることになる。
したがって、液体吐出機構90を設けた本発明の第5実施形態に係る液体吐出装置81によれば、計量が液体流路82内で行われ、かつ液体流路82中における液体の液残りを防ぐことができると共に、シリンジポンプ92の寸法精度、プランジャー91の移動距離の精度、電磁バルブ93の開閉タイミングに依存しなくて済み、かつ安価な部品で構成することができ、コスト的に有利である。また、この第5実施形態の液体吐出装置81においても、第1実施形態に係る液体吐出装置1と同様、場所によって親水性と疎水性の材料を使い分け、液体吐出口83にフィルターを取付け、液体を吸引した後、フィルターを取外して液体を対象物に添加することにより、液体中から簡易に固形分を除いて添加することもできる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置を示す斜視図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1のY−Y線断面図である。
【図4】上記第1実施形態に係る液体吐出装置を示す平面図である。
【図5】上記第1実施形態の第1変形例に係る液体吐出装置を示す断面図である。
【図6】上記第1実施形態の第2変形例に係る液体吐出装置を示すものであって、(A)はその断面図、(B)はその平面図である。
【図7】上記第1実施形態の第3変形例に係る液体吐出装置であって、(A)〜(C)は3つの態様の液体流路の例を示す断面図である。
【図8】上記第1実施形態の第4変形例に係る液体吐出装置であって、(A)および(B)は2つの態様の液体吐出口の例を示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る液体吐出装置を示す斜視図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】図9のY−Y線断面図である。
【図12】上記第2実施形態に係る液体吐出装置を示す平面図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る液体吐出装置であって、液体吐出装置および液体吐出機構を示す平面図である。
【図14】上記第3実施形態に係る液体吐出装置を示す断面図である。
【図15】上記第3実施形態に係る液体吐出装置を示すものであって、(A)はその正面断面図、(B)はその側面断面図である。
【図16】本発明の第4実施形態に係る液体吐出装置であって、液体吐出装置および液体吐出機構を示す平面図である。
【図17】上記第4実施形態に係る液体吐出装置を示す断面図である。
【図18】上記第4実施形態に係る液体吐出装置を示す正面図である。
【図19】本発明の第5実施形態に係る液体吐出装置であって、液体吐出装置および液体吐出機構を示す概略図である。
【符号の説明】
【0036】
1,20,40,60,81 液体吐出装置
2,24,44,64,82 液体流路
2a,82a 上流端
2b,82b 下流端
3,27,83 液体吐出口
4,26,84 接続部
5,25,45,65,85 気体流路
10 液体受け部
11 多孔質薄膜
12 リング
14 爪
21,41 液体カートリッジ
22,62 ホルダー
23,43,63 液体溜め部
28 フィン
29,67 嵌合孔
30,68 貫通孔
31 溝
42 共通ホルダー
46,66 吐出ノズル
48 嵌合孔
49,68 貫通孔
50,70,90 液体吐出機構
51 加圧用シリンダ
52,72 給送ホース
53,73,93 電磁バルブ
59,70a,96 三方電磁バルブ
61 共通液体カートリッジ
71 加圧気体発生用シリンジ
91 プランジャー
92 シリンジポンプ
94 二方向弁
95 ホース
95a 分岐ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下流端を有し、下流端に液体吐出口が形成された液体流路と、該液体流路の上流端および前記液体吐出口の間で、前記液体流路に接続される気体流路とを備え、前記液体流路のうち、前記気体流路との接続部から前記液体吐出口までの容積を液体吐出量とし、加圧した気体を前記気体流路を介して前記液体流路内に注入することにより、前記液体流路内に供給された液体を前記液体吐出口から吐出するように構成したことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記液体流路の上流端には液体受け部が設けられ、該液体受け部の底部には多孔質薄膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記液体受け部の上部は、液体容器の口部と嵌合可能な形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記多孔質薄膜は、前記液体受け部の底部に取り外し可能に設置され、リングもしくは爪によって前記液体受け部の底部に固定されていることを特徴とする請求項2または3に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記液体流路の上流端には液体溜め部が設けられ、該液体溜め部の底部には多孔質薄膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記多孔質薄膜は、前記液体溜め部の底部に取り外し可能に設置され、リングもしくは爪によって前記液体溜め部の底部に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記液体吐出口の内面および前記気体流路の内面の一部または全部は、水との接触角が60度以上の疎水性材料で製造あるいは被覆されており、前記液体流路の内面の一部または全部は、水との接触角が30度以下の親水性材料で製造あるいは被覆されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記液体流路のうち、前記気体流路との接続部から前記液体吐出口までの容積は、0.5〜20μLの液体吐出量であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−304287(P2008−304287A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151134(P2007−151134)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(306008724)富士レビオ株式会社 (55)
【Fターム(参考)】