説明

液体吐出装置

【課題】吐出ヘッドをキャッピングした際の保湿をより適切に行なう。
【解決手段】印刷ヘッド24の走査を伴って印刷している最中にキャップ42の開口部42aを閉成する蓋49を設ける。蓋49は、昇降装置48によりキャップ42を上昇させると、キャップ42により蓋49を押し上げて開口部42aを開成し、昇降装置40によりキャップ42を下降させると、自重により蓋49が下がって開口部42aを閉成するよう形成する。これにより、印刷が終了して印刷ヘッド24のノズル形成面をキャップ42により封止する際にノズル23から改めて保湿のためのインクを吐出する必要なしに良好な保湿状態を維持することができ、ノズル23内のインクの増粘(乾燥)をより確実に抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターゲットに液体を吐出してドットを形成する液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の液体吐出装置としては、印字中でないときに、保湿キャップによりヘッドの吐出口を覆うようにキャッピングするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、ヘッドの吐出口を保湿キャップによりキャッピングすることにより、吐出口のインクが増粘するのを抑制し、印字不良の発生を低減することができるとしている。
【特許文献1】特開2006−7455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したタイプの液体吐出装置では、キャップによりヘッドの吐出口を保湿するためにはキャップ内を湿潤状態とすることが望ましい。この場合、吐出口のインクを吸引ポンプにより吸引して吐出口の目詰まりを防ぐクリーニングを実行したときに得られる廃液をタンクに貯留しておき、このタンク内の廃液を用いてキャップ内を湿潤状態とすることを考えることができるが、タンクを配置するスペースを確保する必要があり、装置が大型化してしまう。また、ヘッドをキャップでキャッピングする際にインク滴をキャップ内に吐出して湿潤状態とすることも考えられるが、インクの無駄な消費が多くなる。
【0004】
本発明の液体吐出装置は、吐出ヘッドをキャッピングした際の保湿をより適切に行なえるようにすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の液体吐出装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の液体吐出装置は、
ターゲットに液体を吐出してドットを形成する液体吐出装置であって、
液体を吐出する吐出面が形成された走査可能な吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドが所定の基準位置に位置しているときに該吐出ヘッドに対して略鉛直下方に配置され開口部が前記吐出ヘッドに当接して前記吐出面を封止可能な保湿用のキャッピング手段と、
前記キャッピング手段を昇降させることにより前記吐出ヘッドと前記キャッピング手段との当接と該当接の解除とを行なう昇降手段と、
回転軸を有し、前記昇降手段による前記キャッピング手段の昇降を利用して前記回転軸を中心として回転することにより前記キャッピング手段の開口部を開閉する蓋部材と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
この本発明の液体吐出装置では、吐出ヘッドと当接して吐出面を封止可能なキャッピング手段の昇降を利用して回転軸を中心として回転することによりキャッピング手段の開口部を開閉する蓋部材を設けるから、吐出ヘッドが吐出を行なっている最中にもキャッピング手段の内部の湿潤状態を保持することができる。この結果、キャッピング手段の内部に湿潤用の吐出を行なう必要をより少なくすることができ、吐出ヘッドをキャッピング手段でキャッピングした際の保湿をより適切に行なうことができる。また、吐出ヘッドとキャッピング手段との当接と当接の解除を行なうための昇降手段によるキャッピング手段の昇降を利用するから、蓋部材を開閉するための動力源を別途配置するものに比して装置が大型化するのを抑制することができる。
【0008】
こうした本発明の液体吐出装置において、前記蓋部材は、前記吐出ヘッドの下面よりも低い所定の開成位置に前記キャッピング手段を上昇させることにより該キャッピング手段により押し上げられて前記開口部を開成し、所定の閉成位置に前記キャッピング手段を下降させることにより自重により前記開口部を閉成する部材であるものとすることもできるし、前記蓋部材は、前記キャッピング手段の開口部を閉成する方向に付勢された付勢手段が取り付けられ、前記吐出ヘッドの下面よりも低い所定の開成位置に前記キャッピング手段を上昇させることにより該キャッピング手段により押し上げられて前記開口部を開成し、所定の閉成位置に前記キャッピング手段を下降させることにより前記付勢手段の付勢力により前記開口部を閉成する部材であるものとすることもできる。こうすれば、簡易な構成によりキャッピング手段の昇降を利用して開口部を開閉することができる。また、後者の場合、付勢手段を用いてより確実に開口部を閉成することができる。ここで、「所定の開成位置」は、吐出ヘッドの走査を妨げることなく蓋部材を押し上げて開口部を開くために必要なキャッピング手段の昇降位置を意味し、所定の開成位置へのキャッピング手段の昇降は、例えば、吐出ヘッドを所定の基準位置に走査して吐出面を開口部で封止する前に行なうことができる。また、「所定の閉成位置」は、蓋部材の押し上げを解除して蓋部材により開口部を閉じるための必要なキャッピング手段の昇降位置を意味し、所定の閉成位置へのキャッピング手段の昇降は、例えば、吐出ヘッドの吐出面の封止を解除する際に行なうことができる。また、「付勢手段」には、バネが含まれる。これらの態様の本発明の液体吐出装置において、ターゲットへのドットの形成が指示されたときには前記所定の閉成位置に前記キャッピング手段を下降させ該キャッピング手段を下降させた後に走査を伴って前記吐出ヘッドの吐出を開始し、前記ターゲットへのドットの形成が終了したときには前記吐出ヘッドを前記所定の基準位置とは異なる所定の待機位置で待機させると共に前記所定の開成位置に前記キャッピング手段を上昇させ該上昇させた後に前記吐出ヘッドを前記所定の基準位置に移動させると共に前記キャッピング手段が前記吐出ヘッドに当接するよう該キャッピング手段を上昇させるものとすることもできる。こうすれば、キャッピング手段の開口部の開閉をスムーズに行なうことができる。この場合、前記ターゲットへのドットの形成が終了したときには、前記吐出ヘッドを前記所定の待機位置で待機させると共に前記所定の開成位置に前記キャッピング手段を上昇させることにより前記開口部を中間状態まで開成し、前記吐出ヘッドを前記所定の基準位置に移動させることにより前記開口部を完全に開成するものとすることもできる。こうすれば、吐出ヘッドも利用して開口部を開成することができる。さらにこの場合、前記蓋部材は、前記開口部を開成している状態で前記吐出ヘッドが前記所定の基準位置に位置しているときには、前記吐出ヘッドに寄り掛かった状態で支持されるものとすることもできる。こうすれば、開口部の開成を維持するための機構を別途設ける必要がない。
【0009】
また、本発明の液体吐出装置において、前記キャッピング手段は、前記吐出ヘッドの吐出面を封止している状態で該吐出ヘッド内の液体を吸引除去する吸引手段を備えるものとすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の液体吐出装置の一実施形態であるインクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、キャッピング装置40の構成の概略を示す構成図であり、図3は、キャップ42の外観斜視図である。
【0011】
本実施形態のインクジェットプリンタ20は、図1に示すように、駆動モータ33により駆動されて用紙Pをプラテン50上に図中奥から手前に搬送する紙送りローラ35と、キャリッジベルト32に取り付けられキャリッジモータ34により駆動されてガイド28に沿って左右方向(主走査方向)に往復動するキャリッジ22と、このキャリッジ22に搭載されイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ26と、各インクカートリッジ26から供給された各インクに加圧してインク滴を吐出するノズル23が形成された印刷ヘッド24と、プラテン50の右端付近に配置され印刷ヘッド24のノズル23が形成された面(以下、ノズル形成面という)を封止すると共に必要に応じてノズル23内のインクを吸引してクリーニングを行なうキャッピング装置40と、装置全体をコントロールするコントローラ70と、ユーザからの各種の指示を入力すると共にユーザに各種の情報を報知するための操作パネル80とを備える。キャリッジ22の背面には、キャリッジ22の位置を検出するリニア式エンコーダ25が配置されており、このリニア式エンコーダ25を用いてキャリッジ22の位置を管理している。なお、印刷ヘッド24は、圧電素子に電圧を印加することによりこの圧電素子を変形させてインクを加圧する方式を採用することができる他、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧を印加することによりインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用することもできる。
【0012】
キャッピング装置40は、図2または図3に示すように、上部に開口部42aが形成され内部にインクを吸収するためのインク吸収体としてのスポンジ41が配置された略直方体のキャップ42と、キャップ42の底部に接続された伸縮性のチューブ43に取り付けられた吸引ポンプ44と、キャップ42の底部に接続された伸縮性のチューブ45に取り付けられた大気開放バルブ46と、キャップ42と印刷ヘッド24との当接とその解除とを行なうためにキャップ42を昇降する昇降装置48と、キャップ42の開口部42aを開閉するための蓋49とを備える。このキャッピング装置40は、ノズル23内のインクの増粘(乾燥)を抑制するために、印刷休止中に印刷ヘッド24をキャッピング装置40上の位置(以下、この位置をホームポジションという)に移動させた状態でノズル形成面を封止したり、所定のタイミングでノズル形成面を封止した状態で大気開放バルブ46を閉成すると共に吸引ポンプ44を駆動することにより印刷ヘッド24とキャップ42とにより形成される内部空間を負圧にしてノズル23内のインクを強制的に吸引するクリーニングを行なったり、所定のタイミングで印刷データとは無関係にインクを吐出するフラッシングを行なったりするのに用いられる。このクリーニングにより吸引されたインクの一部やフラッシングにより吐出されたインクは、キャップ42内のスポンジ41に吸収されて湿潤される。
【0013】
蓋49は、昇降装置48によるキャップ42の昇降に連動して回転軸49aを中心として回転してキャップ42の開口部42aが開閉されるよう構成されている。図4に、蓋49により開口部42aを開閉する様子を示す。図示するように、キャップ42が最下位置にあるときにはキャップ42の開口部42aが閉じている(図4(a)参照)。この状態から、昇降装置48によりキャップ42を上昇させると、キャップ42の開口部42aの図中右端が蓋49の下面に当接して蓋49を押し上げ、開口部42aが開成する(図4(b),(c)参照)。開口部42aが開いている状態から昇降装置40によりキャップ42を下降させると、自重により蓋49が下がり、開口部42aが閉成する。
【0014】
コントローラ70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM73と、一時的にデータを記憶するRAM74と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ75と、外部機器との情報のやり取りを行うインタフェース(I/F)76と、図示しない入出力ポートとを備えている。このコントローラ70には、リニア式エンコーダ25からの位置検出信号や操作パネル80からの操作信号、電源スイッチ82からのオンオフ信号などが図示しない入力ポートを介して入力されるほか、ユーザPC90から印刷ジョブなどがI/F76を介して入力される。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド24への制御信号や駆動モータ33への制御信号、キャリッジモータ34への制御信号、昇降装置48への制御信号、操作パネル80への表示指令信号などが図示しない出力ポートを介して出力されるほか、印刷ステータス情報などがI/F76を介してユーザPC90へ出力される。
【0015】
こうして構成された実施例のインクジェットプリンタ20の動作について説明する。図5は、コントローラ70のCPU72により実行される印刷処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、ユーザPC90から印刷ジョブが入力されたときに実行される。この印刷処理ルーチンの実行に伴うキャップ42と蓋49の動作の様子を図6および図7に示す。図6は、印刷を開始する前の動作を示し、図7は、印刷を終了した後の動作を示す。以下、図5の印刷処理ルーチンを図6および図7を参照しながら説明する。なお、初期状態では、キャップ42が印刷ヘッド24に嵌合してノズル形成面を封止した状態となっている(図6(a)参照)。この状態では、蓋49は、印刷ヘッド24に寄り掛かるようにして印刷ヘッド24により支持されている。
【0016】
印刷処理ルーチンが実行されると、コントローラ70のCPU72は、まず、キャップ42が最下位置まで下降するよう昇降装置48を制御する(ステップS100)。これにより、キャップ42による印刷ヘッド24のノズル形成面の封止は解除されるが、蓋49はホームポジションに位置する印刷ヘッド24に寄り掛かったままの状態となる(図6(b)参照)。そして、印刷ジョブに基づいて印刷データを作成して印刷処理を開始する(ステップS110)。印刷処理は、具体的には、搬送ローラ35により用紙Pが副走査方向に搬送されるよう駆動モータ33を制御すると共に主走査方向の走査を伴って印刷ヘッド24のノズル23からインクが吐出されるようキャリッジモータ34と印刷ヘッド24とを制御することにより行なわれる。印刷ヘッド24が走査を開始してホームポジションから離れると、蓋49はその自重により回転軸49aを中心して回転しキャップ42の開口部42aを閉塞する(図6(c)参照)。したがって、キャップ42の内部空間の水分は蒸発することなく保湿された状態が維持されることになる。
【0017】
印刷が終了すると、印刷ヘッド24がホームポジションよりも左寄りの待機ポジション(図7(a)参照)で待機するようキャリッジモータ34を制御し(ステップS130)、所定位置Xまでキャップ42が上昇するよう昇降装置48を制御する(ステップS140)。ここで、所定位置Xは、キャップ42の上面が印刷ヘッド24のノズル形成面よりも低く且つキャップ42により所定開度まで蓋49の押し上げが可能な位置として設定されている。上述したように、印刷ヘッド24は待機ポジションで待機しているから、蓋49の開成を印刷ヘッド24が妨げることはない(図7(b)参照)。そして、印刷ヘッド24がホームポジションに移動するようキャリッジモータ34を制御する(ステップS150)。印刷ヘッド24がホームポジションに移動すると、所定開度まで押し上げられた蓋49は開口部42aを完全に開成する方向に回転する(図7(c)参照)。開口部42aが完全に開成されると、キャップ42が印刷ヘッド24に嵌合してノズル形成面を封止する位置までキャップ42が上昇するよう昇降装置48を制御して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。これにより、キャップ42により印刷ヘッド24のノズル形成面は封止される(図7(d)参照)。上述したように、印刷中は蓋49によりキャップ42の開口部42aを閉塞してキャップ42の内部空間の保湿状態を維持するから、印刷ヘッド24のノズル形成面をキャップ42により封止したときにノズル23内のインクの増粘(乾燥)をより確実に抑制することができる。
【0018】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の印刷ヘッド24が本発明の吐出ヘッドに相当し、キャッピング装置40がキャッピング手段に相当し、昇降装置48が昇降手段に相当し、蓋49が蓋部材に相当する。
【0019】
以上説明した本実施形態のインクジェットプリンタ20によれば、印刷ヘッド24の走査を伴って印刷している最中にキャップ42の開口部42aを閉成する蓋49を設けるから、印刷中にキャップ42内の水分が蒸発するのを抑制することができる。この結果、印刷が終了して印刷ヘッド24のノズル形成面をキャップ42により封止する際にノズル23から改めて保湿のためのインクを吐出する必要なしに良好な保湿状態を維持することができ、ノズル23内のインクの増粘(乾燥)をより確実に抑制することができる。しかも、蓋49は昇降装置48によるキャップ42の昇降を伴って開口部42aを開閉するよう回転軸49aを配置し、この回転軸49aを中心として回転して動作するから、簡易な構成によりキャップ42の開口部42aを開閉することができると共に蓋49の開閉にモータなどの動力源を用いるものに比して装置全体をコンパクトなものとすることができる。
【0020】
本実施形態では、蓋49の開成をキャップ42の上昇と印刷ヘッド24のホームポジションへの移動とにより行なうものとしたが、キャップ42の上昇のみで行なうものとしてもよい。
【0021】
本実施形態では、昇降装置48によりキャップ42を下降させたときに自重により蓋49を下げてキャップ42の開口部42aを閉成するものとしたが、図8に例示するように、キャップ42の開口部42aを閉成する方向に蓋49が付勢されるようスプリング49bを配置してキャップ42を下降させたときにスプリング49bにより蓋49を下げてキャップ42の開口部42aを閉成するなど、蓋49に付勢部材を配置するものとしてもよい。
【0022】
本実施形態では、印刷が終了したときに、印刷ヘッド24を待機ポジションで待機させると共に昇降装置48により所定位置Xまでキャップ42を上昇させて開口部42aを開成するものとしたが、印刷が終了するよりも若干早いタイミングで所定位置Xまでキャップ42を上昇させて開口部42aを開成するものとしてもよい。この場合、そのタイミングによっては印刷ヘッド24を待機ポジションで待機させる必要がない。
【0023】
本実施形態では、所定のタイミングで印刷データとは無関係にインクを吐出するフラッシングをキャッピング装置40で行なうものとしたが、キャッピング装置40とは別にフラッシングを行なうための領域を形成するものとしてもよい。
【0024】
本実施形態では、本発明の液体吐出装置をプリンタに具体化した例を示したが、ターゲットに液体を吐出するものであれば適用可能であり、例えば、インク以外の他の液体や機能材料の粒子が分散されている液状体(分散液)、ジェルのような流状体などを吐出する流体吐出装置に具体化してもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ及びカラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を溶解した液体を吐出する液体吐出装置、同材料を分散した液状体を吐出する液状体吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液体吐出装置としてもよい。また、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液体吐出装置、ジェルを吐出する流状体吐出装置としてもよい。
【0025】
上述した実施形態では、印刷機能のみを備えるプリンタとして構成するものとしたが、スキャナ機能を備えたマルチファンクションプリンタとしてもよいし、FAX装置などとしてもよい。
【0026】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】インクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図。
【図2】キャッピング装置40の構成の概略を示す構成図。
【図3】キャップ42の外観斜視図。
【図4】蓋49により開口部42aを開閉する様子を示す説明図。
【図5】印刷処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図6】印刷を開始する前のキャップ42と蓋49の動作を説明する説明図。
【図7】印刷を終了した後のキャップ42と蓋49の動作を説明する説明図。
【図8】蓋49により開口部42aを開閉する様子を示す説明図。
【符号の説明】
【0028】
20 インクジェットプリンタ、22 キャリッジ、23 ノズル、24 印刷ヘッド、26 インクカートリッジ、28 ガイド、32 キャリッジモータ、33 駆動モータ、35 搬送ローラ、40 キャッピング装置、41 スポンジ、42 キャップ、42a 開口部、43,45 チューブ、44 吸引ポンプ、46 大気開放バルブ、48 昇降装置、49 蓋、49a 回転軸、49b スプリング、50 プラテン、70 コントローラ、72 CPU、73 ROM、74 RAM、76 I/F、80 操作パネル、82 電源スイッチ、90 ユーザPC。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットに液体を吐出してドットを形成する液体吐出装置であって、
液体を吐出する吐出面が形成された走査可能な吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドが所定の基準位置に位置しているときに該吐出ヘッドに対して略鉛直下方に配置され開口部が前記吐出ヘッドに当接して前記吐出面を封止可能な保湿用のキャッピング手段と、
前記キャッピング手段を昇降させることにより前記吐出ヘッドと前記キャッピング手段との当接と該当接の解除とを行なう昇降手段と、
回転軸を有し、前記昇降手段による前記キャッピング手段の昇降を利用して前記回転軸を中心として回転することにより前記キャッピング手段の開口部を開閉する蓋部材と、
を備える液体吐出装置。
【請求項2】
前記蓋部材は、前記吐出ヘッドの下面よりも低い所定の開成位置に前記キャッピング手段を上昇させることにより該キャッピング手段により押し上げられて前記開口部を開成し、所定の閉成位置に前記キャッピング手段を下降させることにより自重により前記開口部を閉成する部材である請求項1記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記蓋部材は、前記キャッピング手段の開口部を閉成する方向に付勢された付勢手段が取り付けられ、前記吐出ヘッドの下面よりも低い所定の開成位置に前記キャッピング手段を上昇させることにより該キャッピング手段により押し上げられて前記開口部を開成し、所定の閉成位置に前記キャッピング手段を下降させることにより前記付勢手段の付勢力により前記開口部を閉成する部材である請求項1記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記付勢手段は、バネである請求項3記載の液体吐出装置。
【請求項5】
ターゲットへのドットの形成が指示されたときには前記所定の閉成位置に前記キャッピング手段を下降させ該キャッピング手段を下降させた後に走査を伴って前記吐出ヘッドの吐出を開始し、前記ターゲットへのドットの形成が終了したときには前記吐出ヘッドを前記所定の基準位置とは異なる所定の待機位置で待機させると共に前記所定の開成位置に前記キャッピング手段を上昇させ該上昇させた後に前記吐出ヘッドを前記所定の基準位置に移動させると共に前記キャッピング手段が前記吐出ヘッドに当接するよう該キャッピング手段を上昇させることを特徴とする請求項2ないし4いずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記ターゲットへのドットの形成が終了したときには、前記吐出ヘッドを前記所定の待機位置で待機させると共に前記所定の開成位置に前記キャッピング手段を上昇させることにより前記開口部を中間状態まで開成し、前記吐出ヘッドを前記所定の基準位置に移動させることにより前記開口部を完全に開成することを特徴とする請求項5記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記蓋部材は、前記開口部を開成している状態で前記吐出ヘッドが前記所定の基準位置に位置しているときには、前記吐出ヘッドに寄り掛かった状態で支持されることを特徴とする請求項6記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記キャッピング手段は、前記吐出ヘッドの吐出面を封止している状態で該吐出ヘッド内の液体を吸引除去する吸引手段を備える請求項1ないし7いずれか1項に記載の液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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