説明

液体吐出装置

【課題】回路の発熱を抑えて耐久性を向上させることが可能な液体吐出装置を提供する。
【解決手段】圧電素子20を駆動してインクを吐出させるための吐出パルスを含む第1駆動信号COM1を規定発生周期で発生する第1駆動信号生成部9Aと、吐出パルスを含む第2駆動信号を規定発生周期で発生する第2駆動信号生成部9Bと、インクの吐出を制御する画素データSIに基づいて、第1駆動信号COM1又は第2駆動信号COM2に含まれる吐出パルスを選択的に圧電素子に供給してインクの吐出を制御する制御部6と、を備え、制御部は、画素データに基づいて、第1駆動信号又は第2駆動信号のうちの何れか一方をノズル列毎に選択して当該ノズル列の圧電素子に対して供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット式プリンタ等の液体吐出装置に関するものであり、特に、複数の駆動信号を利用して液体の吐出を制御可能な液体吐出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、液体吐出装置は、ノズルから液体を吐出可能な液体吐出ヘッドを備え、この液体吐出ヘッドから各種の液体を吐出する装置である。この液体吐出装置の代表的なものとして、例えば、液体吐出ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクを記録紙等の記録媒体(着弾対象物)に対して吐出・着弾させることで画像等の記録を行うインクジェット式プリンタ(以下、単にプリンタという。)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造装置等、各種の製造装置にも液体吐出装置が応用されている。
【0003】
上記プリンタでは、圧力発生素子としての圧電素子を駆動してインクを吐出させるための吐出パルスを含む駆動信号を一定周期(規定発生周期)で繰り返し発生する駆動信号生成回路(駆動信号供給部)を備えており、印刷データに基づいて展開した画素データに応じて駆動信号中に含まれる吐出パルスを選択的に圧電素子に供給することで、ノズルからインクを吐出するように構成されている。駆動信号生成回路によって生成される駆動信号は、複数のノズル列を備えた記録ヘッドでは各ノズル列のノズルを駆動するための圧電素子に対して共通に用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−245475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記構成のプリンタにおいて、各ノズル列のノズルから同時にインクを吐出する際に、駆動信号生成回路から圧電素子に至る駆動信号供給部の回路負荷が大きくなるという問題がある。特に、ノズル列が多くなるほど負荷が大きくなり、その結果、回路の発熱が大きくなる。この発熱により、回路の寿命が低下する虞があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路の発熱を抑えて耐久性を向上させることが可能な液体吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、複数のノズルから成るノズル群を複数有し、圧力発生素子の作動によってノズルから液体を吐出可能な液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置であって、
前記圧力発生素子を駆動して液体を吐出させるための所定の吐出パルスを含む第1駆動信号を規定発生周期で発生する第1駆動信号生成部と、
前記吐出パルスを含む第2駆動信号を規定発生周期で発生する第2駆動信号生成部と、
液体の吐出を制御する吐出制御情報に基づいて、前記第1駆動信号又は前記第2駆動信号に含まれる吐出パルスを選択し、選択した吐出パルスを圧力発生素子に供給して液体の吐出を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、ノズル群毎に吐出パルスの選択を行うことを特徴とする。
【0008】
上記構成において、前記制御部は、前記第1駆動信号生成部から圧力発生素子に至るまでの第1駆動信号供給部の負荷と、前記第2駆動信号生成部から圧力発生素子に至るまでの第2駆動信号供給部の負荷とが同等になるように、各ノズル群の圧力発生素子に対する駆動信号の割り当てを決定する構成を採用することが望ましい。
なお、「同等」とは、第1駆動信号供給部の負荷と第2駆動信号供給部の負荷とが全く等しい状態の他、等級・程度が同じであり多少の不均等状態(均等に近い状態)を許容する意味である。
【0009】
また、上記構成において、前記制御部は、前記吐出制御情報に基づいてノズル群毎に予想負荷を算出し、算出した予想負荷に応じて、各ノズル群の圧力発生素子に対して何れの駆動信号を割り当てるかを示す駆動信号選択情報を生成し、生成した駆動信号選択情報を前記吐出制御情報に付加し、前記駆動信号選択情報に基づいて、ノズル群の圧力発生素子に供給される駆動信号を選択する構成を採用することが望ましい。
【0010】
本発明によれば、制御部が、第1駆動信号供給部の負荷と第2駆動信号供給部の負荷とが同等になるように、各ノズル群の圧力発生素子に対して第1駆動信号の吐出パルス又は第2駆動信号の吐出パルスのうちのどちらを供給するかを決定するので、どちらか一方の駆動信号供給部に負荷が偏ることを防止して、駆動信号供給部における回路の発熱を抑制することができる。これにより、装置の耐久性を向上させることができる。また、放熱するためのヒートシンクを小型化することができる。
【0011】
また、上記構成において、前記第1駆動信号と前記第2駆動信号とは、互いに同一波形の吐出パルスを少なくとも1つ含む構成を採用することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】インクジェット式プリンタの電気的構成を説明するブロック図である。
【図2】駆動信号の構成を説明する波形図である。
【図3】駆動信号生成回路の構成を説明するブロック図である。
【図4】記録ヘッドの要部断面図である。
【図5】ノズルプレートの構成を説明する平面図である。
【図6】階調発生数に基づく駆動信号の割り当ての一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体吐出装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンタ)を例に挙げて説明する。
【0014】
図1は、プリンタの電気的な構成を説明するブロック図である。例示したプリンタは、プリンタコントローラ1とプリントエンジン2とから構成されている。プリンタコントローラ1は、図示しないホストコンピュータ等の外部装置との間でデータの送受信を行う外部インタフェース(外部I/F)3と、各種データの記憶等を行うRAM4と、各種データ処理のための制御プログラム等を記憶したROM5と、CPU等からなる制御部6と、クロック信号を発生する発振回路7と、記録ヘッド8へ供給する駆動信号(COM1,COM2)を発生する駆動信号生成回路9と、画素データSI及び駆動信号等をプリントエンジン2に送信するための内部インタフェース10(内部I/F10)とを備えている。
【0015】
外部I/F3は、例えばイメージデータ等の印刷データをホストコンピュータ等から受信する。また、外部I/F3からは、外部装置に対してビジー信号やアクノレッジ信号等の状態信号が出力される。RAM4は、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ及びワークメモリ等として利用されるものである。また、ROM5は、制御部6によって実行される各種制御プログラム、フォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等を記憶している。印刷データには、印刷する画像データの他に各種のコマンドデータを含む。コマンドデータとは、プリンタに特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、給紙を指示するコマンドデータ、搬送量を示すコマンドデータ、排紙を指示するコマンドデータがある。
【0016】
制御部6は、記録ヘッド8の動作を制御するためのヘッド制御信号を記録ヘッド8に出力したり、駆動信号COMを生成させるための制御信号を駆動信号生成回路9に出力したりする。ヘッド制御信号は、例えば、転送クロックCLK、画素データSI、ラッチ信号LAT、第1チェンジ信号(第1チャンネル信号)CH1、第2チェンジ信号(第2チャンネル信号)CH2である。これらのラッチ信号やチェンジ信号は、駆動信号COM1,COM2を構成する各パルスの供給タイミングを規定する。また、駆動信号COMを生成させるための制御信号は、例えばDAC(Digital to Analog Converter)値である。このDAC値は、第1駆動信号生成部9Aや第2駆動信号生成部9Bから出力させる電圧を指示するための情報であり、極めて短い更新周期毎に更新される。そして、第1のDAC値は、第1駆動信号COM1を生成するための第1生成情報であり、第2のDAC値は、第2駆動信号COM2を生成するための第2生成情報である。制御部6は、後述する駆動信号選択情報としてのSPデータに応じて、第1のDAC値又は第2のDAC値の何れか一方を駆動信号生成回路9に出力する。したがって、DAC値は、駆動信号選択情報の一種であると言える。
【0017】
また、制御部6は、上記印刷データに基づき、RGB表色系からCMY表色系への色変換処理、多階調のデータを所定階調まで減少させるハーフトーン処理、ハーフトーニングされたデータを、インク種類毎(ノズル列毎)に所定の配列で並べてドットパターンデータに展開するドットパターン展開処理等を経て、記録ヘッド8の吐出制御に用いる画素データ(ドットパターンデータ)SIを生成する。この画素データSIは、印刷される画像の画素に関するデータであり、吐出制御情報の一種である。ここで、画素とは、着弾対象物である記録紙等の記録媒体上に仮想的に定められたドット形成領域を示す。そして、印刷データにおける画素データSIは、用紙上に形成されるドットの有無(又はインクの吐出の有無)及びドットの大きさ(又は吐出されるインクの量)に関するデータ(階調値)から成る。本実施形態において、画素データSIは2ビットの階調値によって構成されている。すなわち、この画素データSIには、ドット無し(微振動)に対応するデータ[00]と、小ドットに対応するデータ[01]と、中ドットの形成に対応するデータ[10]と、大ドットに対応するデータ[11]とがある。従って、本実施形態におけるこのプリンタでは4階調でドットの形成ができる。
【0018】
上記画素データSIは、階調値の上位ビットに対応する上位ビットデータ群と、階調値の下位ビットに対応する下位ビットデータ群との2つのデータ群から構成される。そして、制御部6は、上記画素データSIをノズル列31毎(インク種類毎)に展開し、これを記録ヘッド8の1回の主走査(1パス)毎に区切り、区切られた各画素データSIの後段にそれぞれSP(Select Pattern)データを付加して、駆動信号COMと共に記録ヘッド8へ出力する。ここで、SPデータとは、上記の画素データSIと、駆動信号COM中のどのパルスを選択するかの選択パターンと、の対応付けを規定するデータであり、記録ヘッド8のデコーダ37は、このSPデータに基づいて画素データSIからパルス選択データを生成する。また、このSPデータは、第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2の何れのパルスを使用するかを規定する駆動信号選択情報としての機能も有する。ここで、制御部6は、画素データSIに基づき1パス毎の階調発生数に応じて、予想される消費電力又は発熱量(予想負荷量の一種)を算出し、算出した消費電力又は発熱量に基づいて、各ノズル列31の圧電素子20に対して何れの駆動信号を割り当てるかを決定する。そしてSPデータには、制御部6により決定された駆動信号選択情報が含まれる。この点の詳細については後述する。
【0019】
駆動信号生成回路9は、第1駆動信号COM1を発生可能な第1駆動信号生成部9Aと、第2駆動信号COM2を発生可能な第2駆動信号生成部9Bとを備えている。ここで、第1駆動信号生成部9Aから圧電素子20に至るまでの経路は第1駆動信号供給部であり、第2駆動信号生成部9Bから圧電素子20に至るまでの経路は第2駆動信号供給部である。そして、図3に示すように、第1駆動信号生成部9Aは、生成情報に対応する電圧の信号を出力する第1波形生成回路11Aと、第1波形生成回路11Aで生成された信号の電流を増幅する第1電流増幅回路12Aを有する。また、第2駆動信号生成部9Bは、第2波形生成回路11Bと第2電流増幅回路12Bを有する。なお、第1波形生成回路11Aと第2波形生成回路11Bは同じ構成であり、第1電流増幅回路12Aと第2電流増幅回路12Bは同じ構成である。そして、駆動信号生成回路9は、制御部6からのタイミング信号及びDAC値に応じて、第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2のうち、当該駆動信号選択指示に対応する駆動信号を生成する。生成された駆動信号は、画素データSIやSPデータと共に記録ヘッド8へ送られる。
【0020】
図2は、駆動信号生成回路9が発生する駆動信号COMの構成を説明する図である。駆動信号生成回路9は、同図に示す第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2を生成する。すなわち、第1駆動信号生成部11Aは、第1のDAC値(第1生成情報又は第1駆動信号選択情報)に基づいて第1駆動信号COM1を生成する。また、第2駆動信号生成部11Bは、第2のDAC値(第2生成情報又は第2駆動信号選択情報)に基づいて第2駆動信号COM2を生成する。これらの駆動信号COMは、1つの微振動パルス、及び4つの吐出パルスを規定発生周期(記録周期)T内に有する一連の信号であり、記録周期Tで繰り返し発生される。
【0021】
本実施形態において、第1駆動信号COM1の一記録周期Tは、5つの期間(パルス発生期間)T11〜T15に区分されている。そして、期間T11で微振動パルスVP1が発生し、期間T12で第1吐出パルスP11が発生し、期間T13で第2吐出パルスP12が発生し、期間T14で第3吐出パルスP13が発生し、期間T15で第4吐出パルスP14が発生する。また、第2駆動信号COM2は、第1駆動信号COM1と同様に、1つの微振動パルス、及び4つの吐出パルスを記録周期T内に有する一連の信号であり、記録周期Tで繰り返し発生される。この第2駆動信号COM2の一記録周期Tは、T21〜T25に区分されており、期間T21で微振動パルスVP2が発生し、期間T22で第1吐出パルスP21が発生し、期間T23で第2吐出パルスP22が発生し、期間T24で第3吐出パルスP23が発生し、期間T25で第4吐出パルスP24が発生する。
【0022】
次に、プリントエンジン2について説明する。このプリントエンジン2は、図1に示すように、記録ヘッド8、キャリッジ移動機構44、紙送り機構45、及び、リニアエンコーダ46等を備えている。キャリッジ移動機構44は、液体吐出ヘッドの一種である記録ヘッド8が取り付けられたキャリッジと、このキャリッジをタイミングベルト等を介して走行させる駆動モータ(例えば、DCモータ)等からなり(何れも図示せず)、キャリッジに搭載された記録ヘッド8を主走査方向に移動させる。紙送り機構45は、紙送りモータ及び紙送りローラ等からなり、記録紙(記録媒体の一種。また、着弾対象物の一種)をプラテン上に順次送り出して副走査を行う。また、リニアエンコーダ46は、キャリッジに搭載された記録ヘッド8の走査位置に応じたエンコーダパルスを、主走査方向における位置情報として内部I/F10を通じて制御部6に出力する。制御部6は、リニアエンコーダ46側から受信したエンコーダパルスに基づいて記録ヘッド8の走査位置(現在位置)を把握することができる。
【0023】
図4に示すように、記録ヘッド8は、圧力発生ユニット15と流路ユニット16とから構成されており、これらを重ね合わせた状態で一体化してある。圧力発生ユニット15は、圧力発生室17を区画するための圧力発生室プレート18、供給側連通口22及び第1連通口24aを開設した連通口プレート19、及び、圧電素子20を実装した振動板21とを積層し、焼成等により一体化することで構成されている。また、流路ユニット16は、供給口23や第2連通口24bを形成した供給口プレート25、リザーバ26や第3連通口24cを形成したリザーバプレート27、及び、ノズル28が形成されたノズルプレート29からなるプレート部材を積層状態で接着することで構成されている。
【0024】
圧力発生室17とは反対側となる振動板21の外側表面には、各圧力発生室17に対応した状態で複数の圧電素子20が配設される。例示した圧電素子20は撓み振動モードの振動子であり、駆動電極20aと共通電極20bとによって圧電体20cを挟んで構成されている。そして、圧電素子20の駆動電極に駆動信号が印加されると、駆動電極20aと共通電極20bとの間には電位差に応じた電場が発生する。この電場は圧電体20cに付与され、圧電体20cが付与された電場の強さに応じて変形する。即ち、駆動電極20aの電位を高くする程、圧電体層20cは電場と直交する方向に収縮し、圧力発生室17の容積を少なくするように振動板21を変形させる。
【0025】
図5は、ノズルプレート29の構成を説明する平面図である。このノズルプレート29は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル28を列状に開設したステンレス鋼製の薄いプレートである。本実施形態では、360dpiのピッチで360個のノズル28を列設し、これらのノズル28によって1つのノズル列31を構成している。そして、図5に示すように、ノズルプレート29には、左端に位置する第1ノズル列31Cから右端に位置する第10ノズル列31LCまでの合計10列のノズル列を横並びに形成しており、各ノズル列31は異なる種類(色)のインクを吐出可能に構成されている。
【0026】
例えば、第1ノズル列31Cからはシアンインクを、第2ノズル列31Mからはマゼンタインクを、第3ノズル列31Bkからはブラックインクを、第4ノズル列31Lkからはライトブラック(薄いブラック)インクを、第5ノズル列31Orからはオレンジインクをそれぞれ吐出する。また、第6ノズル列31Grからはグリーンインクを、第7ノズル列31LLkからはライトライトブラックインク(さらに薄いブラック)を、第8ノズル列31Yからはイエローインクを、第9ノズル列31LMからはライトマゼンタ(薄いマゼンタ)インクを、第10ノズル列31LCからはライトシアンインク(薄いシアン)を、それぞれ吐出可能となっている。
【0027】
上記構成の記録ヘッド8では、圧電素子20を変形させることで対応する圧力発生室17が収縮或いは膨張し、圧力発生室17内のインクに圧力変動が生じる。このインク圧力を制御することで、ノズル28からインク(インク滴)を吐出させることができる。インクを吐出するのに先だって定常容積の圧力発生室17を予備的に膨張させるとリザーバ26側からインク供給口(供給口23および供給側連通口22)を通じて圧力発生室17内にインクが供給される。また、予備膨張の後に圧力発生室17を急激に収縮させるとノズル28からインクが吐出されると共に、圧力発生室17内のインクの一部がインク供給口を通じてリザーバ26側に移動する。
【0028】
次に、この記録ヘッド8の電気的構成について説明する。この記録ヘッド8は、図1に示すように、第1シフトレジスタ33及び第2シフトレジスタ34からなるシフトレジスタ回路と、第1ラッチ回路35及び第2ラッチ回路36からなるラッチ回路と、デコーダ37と、制御ロジック38と、第1レベルシフタ39及び第2レベルシフタ40からなるレベルシフタ回路と、第1スイッチ41及び第2スイッチ42からなるスイッチ回路と、圧電素子20とを備えている。そして、各シフトレジスタ33,34、各ラッチ回路35,36、各レベルシフタ39,40、各スイッチ41,42、及び、圧電素子20は、それぞれノズル28毎に対応した数だけ設けられる。なお、図2では、1ノズル分の構成のみを図示し、他のノズル分の構成の図示は省略している。
【0029】
この記録ヘッド8は、プリンタコントローラ1から送られてくる画素データSIに基づいてインクの吐出制御を行う。本実施形態では、2ビットで構成された画素データSIの上位ビット群、画素データSIの下位ビット群の順に記録ヘッド8へクロック信号CLKに同期して送られてくるので、まず、画素データSIの上位ビット群が第2シフトレジスタ34にセットされる。全てのノズル28について画素データSIの上位ビット群が第2シフトレジスタ34にセットされると、次にこの上位ビット群が第1シフトレジスタ33にシフトする。これと同時に、画素データSIの下位ビット群が第2シフトレジスタ34にセットされる。
【0030】
第1シフトレジスタ33の後段には、第1ラッチ回路35が接続され、第2シフトレジスタ34の後段には、第2ラッチ回路36が接続されている。そして、プリンタコントローラ1側からのラッチパルスが各ラッチ回路35,36に入力されると、第1ラッチ回路35は画素データSIの上位ビット群をラッチし、第2ラッチ回路36は画素データSIの下位ビット群をラッチする。各ラッチ回路35,36でラッチされた画素データSI(上位ビット群,下位ビット群)はそれぞれ、デコーダ37へ出力される。このデコーダ37は、画素データSIの上位ビット群及び下位ビット群と、SPデータに含まれる駆動信号選択情報とに基づいて、駆動信号COM1,COM2を構成する各パルスを選択するためのパルス選択データ(q0〜q7)を生成する。
【0031】
本実施形態におけるパルス選択データは、各駆動信号COM1,COM2毎に生成される。即ち、第1駆動信号COM1に対応する第1パルス選択データ(q0〜q3)は、微振動パルスVP1(期間T11)、第1吐出パルスP11(期間T12)、第2吐出パルスP12(期間T13)、第3吐出パルスP13(期間T14)、第4吐出パルスP14(期間T15)に対応する合計5ビットのデータによって構成されている。また、第2駆動信号COM2に対応する第2パルス選択データ(q4〜q7)は、微振動パルスVP2(期間T21)、第1吐出パルスP21(期間T22)、第2吐出パルスP22(期間T23)、第3吐出パルスP23(期間T24)、第4吐出パルスP24(期間T25)に対応する合計5ビットのデータによって構成されている。
【0032】
上記デコーダ37には、制御ロジック38からのタイミング信号も入力されている。この制御ロジック38は、ラッチ信号やチャンネル信号の入力に同期してタイミング信号を発生する。このタイミング信号も駆動信号COM1,COM2毎に生成される。デコーダ37によって生成された各パルス選択データは、タイミング信号によって規定されるタイミングで上位ビット側から順次各レベルシフタ39,40に入力される。これらのレベルシフタ39,40は、電圧増幅器として機能し、パルス選択データが[1]の場合には、対応するスイッチ41,42を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。即ち、第1パルス選択データが[1]の場合には第1スイッチ41に電気信号が出力され、第2パルス選択データが[1]の場合には第2スイッチ42に電気信号が出力される。
【0033】
第1スイッチ41の入力側には第1駆動信号生成部9Aからの第1駆動信号COM1が供給されるようになっており、第2スイッチ42の入力側には第2駆動信号生成部9Bからの第2駆動信号COM2が供給される。また、各スイッチ41,42の出力側には、圧電素子20が接続されている。即ち、第1スイッチ41は、圧電素子20への第1駆動信号COM1の供給・非供給の切り替えを行い、第2スイッチ42は、圧電素子20への第2駆動信号COM2の供給・非供給の切り替えを行うように構成されている。そして、このような動作をする第1スイッチ41及び第2スイッチ42は、選択供給手段として機能する。
【0034】
上記のパルス選択データは、各スイッチ41,42の作動を制御する。即ち、第1スイッチ41に入力されたパルス選択データが[1]である期間中は、この第1スイッチ41が導通状態になり、第1駆動信号COM1が圧電素子20に供給される。同様に、第2スイッチ42に入力されたパルス選択データが[1]である期間中は、第2駆動信号COM2が圧電素子20に供給される。一方、各スイッチ41,42に入力されたパルス選択データが共に[0]の期間中は、各スイッチ41,42が切断状態となり、圧電素子20へは駆動信号が供給されない。要するに、パルス選択データとして[1]が設定された期間のパルスが選択的に圧電素子20に供給される。
【0035】
このようなスイッチ制御により、第1駆動信号COM1又は第2駆動信号COM2に含まれる駆動パルスを圧電素子20へ印加させることができる。すなわち、第1駆動信号COM1や第2駆動信号COM2の一部分を、選択的に圧電素子20へ印加させることができる。この例では、繰り返し周期(記録周期)Tの開始タイミング(ラッチ信号LATのラッチパルスのタイミング)で、圧電素子20に印加させる駆動信号COMを、第1駆動信号COM1から第2駆動信号COM2へ又はその逆へと切り替えることができる。同様に、第1駆動信号COM1におけるT11〜T15間の境界のタイミング、又は、第2駆動信号COM2におけるT11〜T15間の境界のタイミング(第1チェンジ信号CH1のチェンジパルスのタイミング,第2チェンジ信号CH2のチェンジパルスのタイミング)で、圧電素子20に印加させるパルスを切り替えることができる。
【0036】
次に、上記構成において画素データSIがデータ[11]の場合について説明する。この場合、デコーダ37は、第1駆動信号COM1に対応する第1パルス選択データq3又は第2駆動信号COM2に対応する第2パルス選択データq7を出力する。この際、デコーダ37は、画素データSIの後段に付加されたSPデータの駆動信号選択情報に応じて第1パルス選択データq3又は第2パルス選択データq7の何れかを選択する。そして、第1選択データq3が第1スイッチ制御信号として出力され、第2選択データq7が第2スイッチ制御信号として出力される。本実施形態では、第1スイッチ制御信号がT11〜T15の時系列に従って、データ[01111]とされ、第2スイッチ制御信号がT21〜T25の時系列に従って、データ[01111]とされる。これにより、図2に示すように、第1パルス選択データq3の場合、第1駆動信号COM1の期間T11では微振動パルスVP1は圧電素子20に印加されず、期間T12〜期間T15で吐出パルスP11〜P14がそれぞれ圧電素子20に印加される。また、第2パルス選択データq7の場合、第2駆動信号COM2の期間T11では微振動パルスVP2は圧電素子20に印加されず、期間T22〜期間T25で吐出パルスP21〜P24がそれぞれ圧電素子20に印加される。これにより、記録周期Tにおいてノズル28からは4回連続してインクが吐出され、着弾対象物上の画素領域に対して大ドットに対応する量のインクが着弾する。
【0037】
また、画素データSIがデータ[10]の場合、デコーダ37は、第1駆動信号COM1に対応する第1パルス選択データq2又は第2駆動信号COM2に対応する第2パルス選択データq6を出力する。上記と同様に、デコーダ37は、SPデータの駆動信号選択情報に応じて第1パルス選択データq2又は第2パルス選択データq6の何れかを選択する。そして、第1選択データq2が第1スイッチ制御信号として出力され、第2選択データq6が第2スイッチ制御信号として出力される。本実施形態では、第1スイッチ制御信号がT11〜T15の時系列に従って、データ[01010]とされ、第2スイッチ制御信号はT21〜T25の時系列に従って、データ[01010]とされる。これにより、図2に示すように、第1パルス選択データq2の場合、第1駆動信号COM1の期間T11では微振動パルスVP1は非印加、期間T12で第1吐出パルスP11は印加、期間T13で第2吐出パルスP12は非印加、期間T14で第3吐出パルスP13は印加、期間T15で第4吐出パルスP14が非印加となる。また、第2パルス選択データq6の場合、第2駆動信号COM2の期間T21では微振動パルスVP2は非印加、期間T22で第1吐出パルスP21は印加、期間T23で第2吐出パルスP22は非印加、期間T24で第3吐出パルスP23は印加、期間T25で第4吐出パルスP24が非印加となる。これにより、記録周期Tにおいてノズル28からは2回インクが吐出され、着弾対象物上の画素領域に対して中ドットに対応する量のインクが着弾する。
【0038】
さらに、画素データSIがデータ[01]の場合、デコーダ37は、SPデータの駆動信号選択情報に応じて、第1駆動信号COM1に対応する第1パルス選択データq1又は第2駆動信号COM2に対応する第2パルス選択データq5の何れかを出力する。そして、第1選択データq1が第1スイッチ制御信号として出力され、第2選択データq5が第2スイッチ制御信号として出力される。本実施形態では、第1スイッチ制御信号がT11〜T15の時系列に従って、データ[00100]とされ、第2スイッチ制御信号はT21〜T25の時系列に従って、データ[00100]とされる。これにより、図2に示すように、第1パルス選択データq1の場合、第1駆動信号COM1の期間T11では微振動パルスVP1は非印加、期間T12で第1吐出パルスP11は非印加、期間T13で第2吐出パルスP12は印加、期間T14で第3吐出パルスP13は非印加、期間T15で第4吐出パルスP14が非印加となる。また、第2パルス選択データq6の場合、第2駆動信号COM2の期間T21では微振動パルスVP2は非印加、期間T22で第1吐出パルスP21は非印加、期間T23で第2吐出パルスP22は印加、期間T24で第3吐出パルスP23は非印加、期間T25で第4吐出パルスP24が非印加となる。これにより、記録周期Tにおいてノズル28からは1回だけインクが吐出され、着弾対象物上の画素領域に対して小ドットに対応する量のインクが着弾する。
【0039】
なお、ノズル28からインクを吐出しない非記録の場合、即ち、画素データSIがデータ[00]の場合、デコーダ37は、SPデータの駆動信号選択情報に応じて、第1駆動信号COM1に対応する第1パルス選択データq0又は第2駆動信号COM2に対応する第2パルス選択データq4の何れかを出力する。そして、第1選択データq0が第1スイッチ制御信号として出力され、第2選択データq4が第2スイッチ制御信号として出力される。本実施形態では、第1スイッチ制御信号がT11〜T15の時系列に従って、データ[10000]とされ、第2スイッチ制御信号はT21〜T25の時系列に従って、データ[10000]とされる。これにより、図2に示すように、第1パルス選択データq0の場合、第1駆動信号COM1の期間T11で微振動パルスVP1が圧電素子20に印加され、期間T12〜期間15では第1吐出パルスP11〜P24は圧電素子20に印加されない。同様に、第2パルス選択データq5の場合、第2駆動信号COM2の期間T21で微振動パルスVP2が圧電素子20に印加され、期間T21〜期間25では第1吐出パルスP21〜P24は圧電素子20に印加されない。これにより、記録周期Tにおいてノズル28ではインクが吐出されない程度の圧力振動が付与されてノズル28近傍のインクが攪拌され、インクの増粘が防止される。
【0040】
ここで、上記構成のプリンタにおいて、各ノズル列31のノズル28から同時にインクを吐出する際に、駆動信号供給部における回路負荷が大きくなるという問題がある。特に、本実施形態のプリンタのように、ノズル列31の数が多くなるほど、負荷が大きくなり、その結果、回路における発熱が大きくなる。この発熱により、駆動回路の寿命が低下する虞があった。このため、本発明に係るプリンタにおける制御部6は、画素データSIに基づき1パス毎の階調発生数(階調出現数)に応じて、駆動回路において予想される消費電力又は発熱量(予想負荷の一種)を算出し、算出した消費電力又は発熱量に基づいて、各ノズル列31の圧電素子20に対して何れの駆動信号を割り当てるかを決定する。換言すると、制御部6は、画素データSIに基づいて、各ノズル列31に対して第1駆動信号COM1又は第2駆動信号COM2の何れか一方を割り当てる。
【0041】
図6は、1パス毎の階調発生数(階調出現数)に基づく駆動信号の割り当ての一例を示す図である。なお、電力・発熱の値は、便宜的なものであり、この例では、図6の下段に示すように、階調値が大ドット(L)であるときの駆動信号供給部における電力又は発熱量を100とし、階調値が中ドット(M)であるときの電力又は発熱量を50、階調値が小ドット(S)であるときの電力又は発熱量を25、非記録・微振動(0)であるときの電力又は発熱量を5としている。そして、ノズル列毎の発熱量の合計は、上記の階調毎の発熱量に発生数を乗じたものである。
【0042】
負荷算出手段としての制御部6は、1パス分の画素データSIから各ノズル列31毎に各階調の発生数を取得し、これに基づいて1パスにおける各ノズル列31の発熱量(又は消費電力)を算出する(列毎発熱)。そして、第1駆動信号供給部における負荷と第2駆動信号供給部における負荷とが同等、即ち、より均等に近い状態となるように、各ノズル列31の圧電素子20に対する駆動信号の割り当てを決定する。割り当ての決定方法としては、例えば、まず、第1ノズル列31Cの発熱量6125と、全ノズル列31の合計発熱量(39300)の1/2の値である19650とを比較すると、6125<19650であるので、第1ノズル列31Cを第1駆動信号COM1に割り当てる。次に、第1ノズル列31Cの発熱量6125に第2ノズル列31Mの発熱量500を加算すると6625となり、6625<19650であるので、第2ノズル列31Mを第1駆動信号COM1に割り当てる。同様にしてノズル列31の割り当てを行っていくと、第1ノズル列31Cから第5ノズル列31Orまでの発熱量を合計した時点で合計発熱量が19650を上回る(21300>19650)。このため、第1ノズル列31Cから第5ノズル列31Orまでを第1駆動信号COM1に割り当て、残りの第6ノズル列31Grから第10ノズル列31LCまでを第2駆動信号COM2に割り当てる。
【0043】
このようにして、各ノズル列31の圧電素子20に対する駆動信号の割り当てを決定することにより、この例では、第1駆動信号供給部における負荷が第2駆動信号供給部における負荷よりも少し大きくなるが、両者の負荷を均等に近づけることができる。これにより、どちらか一方の駆動信号供給部に負荷が偏ることを抑制して、駆動信号供給部における回路の発熱を防止することができる。これにより、装置の耐久性を向上させることができる。また、放熱するためのヒートシンクを小型化することができる。
【0044】
なお、駆動信号の割り当て方法は、これには限られない。例えば、まず、発熱量が最も大きいノズル列31と発熱量が最も小さいノズル列31を第1駆動信号COM1(又は第2駆動信号COM2)に割り当て、発熱量が2番目に大きいノズル列31と発熱量が2番目に小さいノズル列31とを第2駆動信号COM2(又は第1駆動信号COM1)に割り当て、発熱量が3番目に大きいノズル列31と発熱量が3番目に小さいノズル列31とを第1駆動信号COM1(又は第2駆動信号COM2)に割り当てていき、同様にして、発熱量の大小の4番目、5番目の順で、対となったノズル列31に対して第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2を交互に割り当てるようにしても良い。
また、各ノズル列31と各駆動信号の全ての組み合わで発熱量を計算し、第1駆動信号供給部における負荷と第2駆動信号供給部における負荷とが最も均等に近くなるノズル列31と駆動信号の組み合わせを採用することもできる。
【0045】
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
【0046】
各駆動信号COM1,COM2の波形構成に関し、上記実施形態で例示したものには限られず、本発明は、種々の構成の駆動信号に対して適用することができる。
例えば、上記実施形態では、第1駆動信号COM1に含まれる吐出パルスと第2駆動信号COM2に含まれる吐出パルスが全く同じ構成である例を示したが、これには限られない。例えば、第1駆動信号COM1に含まれる吐出パルスと第2駆動信号COM2に含まれる吐出パルスが異なる構成を採用することも可能である。この場合、第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2に、同一波形の吐出パルスが少なくとも1つ含まれていれば良い。すなわち、第1駆動信号COM1の中の同一波形の吐出パルスと第2駆動信号COM2の中の同一波形の吐出パルスとのどちらを用いるかを、ノズル群毎に選択すれば、第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2との一方のみに含まれる形状のパルスが存在していても良い。
また、駆動信号は2つに限らず3つ以上存在していても、ノズル群毎にいずれの駆動信号を用いるかを選択すればよい。
【0047】
また、上記実施形態では、画素データSIを記録ヘッド8の1回の主走査(1パス)毎に区切り、区切られた各画素データSIの後段にそれぞれSPデータを付加した構成を例示したが、これには限られない。例えば、1つの画像の画素データSIに対して最後に1画像分のSPデータを付加する構成を採用することもできる。即ち、この構成では、上記の発熱量の計算等も1つの画像単位で行われる。
【0048】
なお、本発明は、複数の駆動信号を用いて吐出制御が可能な液体吐出装置であれば、プリンタに限らず、プロッタ、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体吐出装置、例えば、ディスプレー製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1…プリンタコントローラ,2…プリントエンジン,6…制御部,8…記録ヘッド,9…駆動信号生成回路,9A…第1駆動信号生成部,9B…第2駆動信号生成部,20…圧電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルから成るノズル群を複数有し、圧力発生素子の作動によってノズルから液体を吐出可能な液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置であって、
前記圧力発生素子を駆動して液体を吐出させるための所定の吐出パルスを含む第1駆動信号を規定発生周期で発生する第1駆動信号生成部と、
前記吐出パルスを含む第2駆動信号を規定発生周期で発生する第2駆動信号生成部と、
液体の吐出を制御する吐出制御情報に基づいて、前記第1駆動信号又は前記第2駆動信号に含まれる吐出パルスを選択し、選択した吐出パルスを圧力発生素子に供給して液体の吐出を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、ノズル群毎に吐出パルスの選択を行うことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1駆動信号生成部から圧力発生素子に至るまでの第1駆動信号供給部の負荷と、前記第2駆動信号生成部から圧力発生素子に至るまでの第2駆動信号供給部の負荷とが同等になるように、各ノズル群の圧力発生素子に対する駆動信号の割り当てを決定することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記吐出制御情報に基づいてノズル群毎に予想負荷を算出し、算出した予想負荷に応じて、各ノズル群の圧力発生素子に対して何れの駆動信号を割り当てるかを示す駆動信号選択情報を生成し、生成した駆動信号選択情報を前記吐出制御情報に付加し、前記駆動信号選択情報に基づいて、ノズル群の圧力発生素子に供給される駆動信号を選択することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記第1駆動信号と前記第2駆動信号とは、互いに同一波形の吐出パルスを少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−75528(P2013−75528A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−274180(P2012−274180)
【出願日】平成24年12月17日(2012.12.17)
【分割の表示】特願2008−273472(P2008−273472)の分割
【原出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】