説明

液体噴射ヘッドユニット、及び、液体噴射装置

【課題】液体噴射ヘッドの位置精度の向上とヘッド固定部材の軽量化とを両立させることが可能な液体噴射ヘッドユニット、及び、液体噴射装置を提供する。
【解決手段】サブキャリッジ26は、複数の記録ヘッド18が位置決めされた状態で固定されるヘッド保持部42と、当該ヘッド保持部が固定される本体部41と、を有し、本体部の剛性が、ヘッド保持部の剛性よりも低く、尚かつ、本体部の比重が、ヘッド保持部の比重よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置に用いられる液体噴射ヘッドユニット、及び、これを備えた液体噴射装置に関し、特に、複数の液体噴射ヘッドを位置精度良く取り付けることが可能な液体噴射ヘッドユニット、及び、液体噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置は、液体を液滴として噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクをインク滴として噴射させて記録を行うインクジェット式記録装置(プリンター)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、ディスプレイ製造装置などの各種の製造装置にも応用されている。
【0003】
近年、上記プリンターには、ノズルを複数列設してなるノズル群を有する記録ヘッドをサブキャリッジなどのヘッド固定部材に複数並べて固定したものを1つのヘッドユニットとする構成を採用するものがある(例えば、特許文献1参照)。このサブキャリッジは、複数の記録ヘッドが取り付けられる部分が開口した枠体状の平板状の部材であり、軽量化を図るべく合成樹脂で作製されたものである。このサブキャリッジに対して各記録ヘッドが位置決めされた状態でネジ留めによって固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−273109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、サブキャリッジに対して記録ヘッドをネジ留めする際に、締め付け時の回転モーメントがサブキャリッジに加わり、これにより、枠体状のサブキャリッジが変形してしまう可能性があった。特に複数の記録ヘッドをサブキャリッジに順次取り付ける際、各記録ヘッドを固定する度に回転モーメントが加わるので、その分、サブキャリッジの変形がより大きくなってしまう。また、位置調整を行って記録ヘッドを取り付け・固定しても、その後に取り付けられる記録ヘッドを固定する際の回転モーメントによってサブキャリッジが変形して位置が狂ってしまう。そして、このようなサブキャリッジの変形の累積により、各記録ヘッドの相対位置、ひいては、各記録ヘッドのノズル同士の相対位置にずれが生じる。その結果、記録媒体に対するインクの着弾位置にばらつきが生じ、記録画像等の画質の低下を招く虞があった。
【0006】
このような問題を防止するべく、サブキャリッジ全体を剛性が高い材料、例えば、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属により作製することも考えられる。しかしながら、この場合、ヘッドユニット全体の重量が増加する。この重量の増加に応じて、このヘッドユニットを搭載したプリンターにおいては、当該ヘッドユニットを円滑に移動させるために、ヘッド移動用のモーターをより大型化する必要が生じる。その結果、プリンター全体が大型化し、また、その分、コストも増加するという問題がある。
【0007】
なお、このような問題は、インクを噴射する記録ヘッドを搭載したインクジェット式記録装置だけではなく、上記サブキャリッジのような枠体状のヘッド固定部材に対して複数の液体噴射ヘッドを固定する構成を採用する、他の液体噴射ヘッドユニット、及びこれを備える液体噴射装置においても同様に存在する。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体噴射ヘッドの位置精度の向上とヘッド固定部材の軽量化とを両立させることが可能な液体噴射ヘッドユニット、及び、液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の液体噴射ヘッドユニットは、液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドが位置決めされた状態で複数固定されるヘッド固定部材と、
を備え、
前記ヘッド固定部材は、液体噴射ヘッドが固定されるヘッド保持部と、当該ヘッド保持部が固定される本体部と、を有し、
前記本体部の剛性が、前記ヘッド保持部の剛性よりも低く、尚かつ、前記本体部の比重が、前記ヘッド保持部の比重よりも小さいことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、ヘッド固定部材が、ヘッド保持部と本体部とを有し、液体噴射ヘッドが取り付けられるヘッド保持部の剛性を比較的高くする一方、本体部の剛性をヘッド固定部材の剛性よりも低くすることで、ヘッド保持部に固定される各液体噴射ヘッドの位置精度の向上とヘッド固定部材の軽量化とを両立させることが可能となる。即ち、ヘッド保持部の剛性が、本体部の剛性よりも高いので、当該ヘッド保持部に液体噴射ヘッドを固定(具体的には、ネジ留め)する際に、ヘッド保持部が変形することが抑制され、ヘッド保持部に固定された液体噴射ヘッド同士の相対位置が狂うことが抑制される。その結果、液体噴射ヘッドユニットにおける各ノズルの位置精度が向上する。また、本体部の比重がヘッド保持部の比重よりも小さいので、ヘッド固定部材の軽量化が図れる。これにより、液体噴射ヘッドユニットを移動させるための駆動源としてのモーターの小型化が可能となり、装置の小型化が可能となり、以てコストダウンに寄与する。
【0011】
上記構成において、前記ヘッド保持部と前記本体部とは、何れか一方に設けられた位置決め穴に、他方に設けられた位置決めピンを嵌合させることで互いに位置決めされる構成を採用することが望ましい。
【0012】
また、上記構成において、前記液体噴射ヘッドに供給する液体の流路が内部に形成された流路部材が、前記本体部に固定される構成を採用することができる。
【0013】
この構成によれば、流路部材が本体部に固定されるので、流路部材を本体部にネジ留めする際の回転モーメントがヘッド保持部に及びにくい。その結果、ヘッド保持部に固定されている各液体噴射ヘッド同士の相対位置が狂いにくい。
【0014】
この構成において、前記流路部材は、前記位置決めピンに対応して流路位置決め穴を有し、当該流路位置決め穴に前記位置決めピンを嵌合させることで前記本体部に対して位置決めされる構成を採用することが望ましい。
【0015】
上記構成によれば、本体部に対し、流路部材およびヘッド保持部を共通の位置決めピンを利用して位置決めを行うので、本体部に取り付けられたヘッド保持部と流路部材との相対位置を精度良く規定することができる。これにより、両者の相対位置がずれることが抑制され、位置ずれによって流路部材とヘッド保持部との間に応力が生じることが防止される。その結果、ヘッド保持部の各液体噴射ヘッドの位置精度が低下することが抑制される。
【0016】
上記構成において、前記ヘッド保持部を前記本体部に固定する固定部を有し、
前記固定部は、前記本体部との間に前記ヘッド保持部を狭持した状態で前記本体部にネジ留めされる構成を採用することが望ましい。
【0017】
上記構成によれば、固定部が、本体部との間にヘッド保持部を狭持した状態で本体部にネジ留めされることにより、ネジを締め付ける際の回転モーメントがヘッド保持部に及びにくい。その結果、ヘッド保持部に固定されている各液体噴射ヘッド同士の相対位置が狂うことがより効果的に抑制される。
【0018】
また、本発明の液体噴射装置は、液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドが位置決めされた状態で複数固定されるヘッド固定部材と、を備える液体噴射ヘッドユニットを有する液体噴射装置であって、
前記ヘッド固定部材は、液体噴射ヘッドが固定されるヘッド保持部と、当該ヘッド保持部が固定される本体部と、を有し、
前記本体部の剛性が、前記ヘッド保持部の剛性よりも低く、尚かつ、前記本体部の比重が、前記ヘッド保持部の比重よりも小さいことを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、ヘッド固定部材が、ヘッド保持部と本体部とを有し、液体噴射ヘッドが取り付けられるヘッド保持部の剛性を比較的高くする一方、本体部の剛性をヘッド固定部材の剛性よりも低くすることで、液体噴射ヘッドの位置精度の向上とヘッド固定部材の軽量化とを両立させることが可能となる。即ち、ヘッド保持部の剛性が本体部の剛性よりも高いので、当該ヘッド保持部に液体噴射ヘッドを固定(具体的には、ネジ留め)する際に、ヘッド保持部が変形することが抑制され、液体噴射ヘッド同士の相対位置が狂うことが抑制される。また、本体部の比重がヘッド保持部の比重よりも小さいので、ヘッド固定部材の軽量化が図れる。これにより、液体噴射ヘッドユニットを移動させるための駆動源としてのモーターの小型化が可能となり、装置全体の小型化が図れる。また、コストダウンにも寄与する。
【0020】
上記構成において、前記液体噴射ヘッドユニットを保持するユニット保持部を有し、
前記ユニット保持部には、当該ユニット保持部に対する前記液体噴射ヘッドユニットの配置位置を調整可能な位置調整機構を介在させた状態で、前記液体噴射ヘッドユニットにおける前記ヘッド固定部材の前記本体部が固定され、
前記ヘッド固定部材の前記ヘッド保持部は、前記本体部が前記ユニット保持部に固定された状態で着脱可能に前記本体部に固定される構成を採用することが望ましい。
【0021】
上記構成によれば、ユニット保持部には、当該ユニット保持部に対する液体噴射ヘッドユニットの配置位置を調整可能な位置調整機構を介在させた状態で、ヘッド固定部材の本体部がユニット保持部に固定され、ヘッド固定部材のヘッド保持部は、本体部がユニット保持部に固定された状態で着脱可能に本体部に固定されるので、ヘッド保持部に固定されている各液体噴射ヘッドの交換やメンテナンスが容易となる。また、ヘッド保持部ごと全ての液体噴射ヘッドを交換することもできる。そして、交換或いはメンテナンス後は、位置調整機構により、ユニット保持部に対する液体噴射ヘッドユニットの位置や傾きなどの姿勢を容易に再調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】プリンターの内部構成の一部を示す斜視図である。
【図2】プリンターの正面図である。
【図3】プリンターの平面図である。
【図4】プリンターの右側面図である。
【図5】キャリッジアセンブリーの平面図である。
【図6】キャリッジアセンブリーの正面図である。
【図7】キャリッジアセンブリーの右側面図である。
【図8】キャリッジアセンブリーの底面図である。
【図9】図5におけるA−A線断面図である。
【図10】ヘッドユニットの斜視図である。
【図11】ヘッドユニットの平面図である。
【図12】ヘッドユニットの正面図である。
【図13】ヘッドユニットの下面図である。
【図14】ヘッドユニットの右側面図である。
【図15】キャリッジアセンブリーの構成をより簡略化して示した断面図である。
【図16】ヘッド保持部の平面図である。
【図17】記録ヘッドの構成を説明する斜視図である。
【図18】サブキャリッジに対し記録ヘッドを取り付けるための装置構成を説明する模式図である。
【図19】第2の実施形態におけるキャリッジアセンブリーの構成を示す断面図である。
【図20】支持枠が取り付けられた状態のヘッド保持部の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
【0024】
図1はプリンター1の内部構成の一部を示す斜視図、図2はプリンター1の正面図、図3はプリンター1の平面図、図4はプリンター1の右側面図である。例示したプリンター1は、記録用紙、布、フィルム等の記録媒体(着弾対象)に向けて、液体の一種であるインクを噴射する。このプリンター1は、フレーム2の内部にキャリッジアセンブリー3(ユニット保持部材の一種)を、記録媒体の送り方向に交差する方向である主走査方向に往復移動可能に搭載している。プリンター1の背面側のフレーム2の内壁には、当該フレーム2の長手方向に沿って長尺な上下一対のガイドロッド4a,4bが互いに間隔を空けて平行に取り付けられている。キャリッジアセンブリー3は、その背面側に設けられた軸受け部7(図7参照。)等にガイドロッド4a,4bが嵌合することで、これらのガイドロッド4a,4bに対して摺動可能に支持されている。
【0025】
フレーム2の背面側であって主走査方向の一端側(図3における右端部)には、キャリッジアセンブリー3を移動させるための駆動源としてのキャリッジモーター8が配設されている。このキャリッジモーター8の駆動軸は、フレーム2の背面側から内面側に突出しており、その先端部分には、駆動プーリー(図示せず)が接続されている。この駆動プーリーは、キャリッジモーター8の駆動により回転される。また、この駆動プーリーに対して主走査方向における反対側(図3における左端部)の位置には、遊転プーリー(図示せず)が設けられている。これらのプーリーには、タイミングベルト9が架け渡されている。このタイミングベルト9には、キャリッジアセンブリー3が接続されている。そして、キャリッジモーター8が駆動されると、駆動プーリーの回転に伴ってタイミングベルト9が回動し、キャリッジアセンブリー3がガイドロッド4a,4bに沿って主走査方向に移動する。
【0026】
フレーム2の背面の内壁には、リニアスケール10(エンコーダーフィルム)が、主走査方向に沿ってガイドロッド4a,4bと平行に張設されている。リニアスケール10は、帯状(バンド状)の部材であり、本実施形態においては、ステンレス鋼からなる薄手の基材に、長手方向に沿って一定間隔で複数の縦スリット(帯幅方向に長尺なスリット)を形成して作製されている。また、キャリッジアセンブリー3の背面側には、このリニアスケール10のスリットの有無を光学的に読み取るためのリニアエンコーダー11が設けられている(図15参照。)。リニアエンコーダー11は、例えば、互いに対向配置された一対の発光素子と受光素子とによって構成され、リニアスケール10のスリットでの受光状態とスリット以外の部分での受光状態の差異に応じてエンコーダーパルスを出力するようになっている。即ち、リニアエンコーダー11は位置情報出力手段の一種であり、キャリッジアセンブリー3の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報として出力する。これにより、プリンターの制御部(図示せず)はこのリニアエンコーダー11からのエンコーダーパルスに基づいてキャリッジアセンブリー3の走査位置を認識しながら、ヘッドユニット17による記録媒体に対する記録動作を制御することができる。そして、プリンター1は、主走査方向の一端側のホームポジションから反対側の端部(フルポジション)へ向けてキャリッジアセンブリー3が移動する往動時と、フルポジションからホームポジション側にキャリッジアセンブリー3が戻る復動時との双方向で記録紙上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録処理が可能に構成されている。
【0027】
図3に示すように、キャリッジアセンブリー3には、ヘッドユニット17の各記録ヘッド18に各色のインクを供給するためのインク供給チューブ14と、駆動信号等の信号を供給するための信号ケーブル15が接続されている。その他、プリンター1には、図示しないが、インクを貯留したインクカートリッジ(液体供給源)が着脱可能に取り付けられるカートリッジ装着部、記録紙を搬送する搬送部、待機状態の記録ヘッド18のノズル形成面53(図17参照)をキャッピングするキャッピング部等が設けられている。
【0028】
図5はキャリッジアセンブリー3の平面(上面)図、図6はキャリッジアセンブリー3の正面図、図7はキャリッジアセンブリー3の右側面図、図8はキャリッジアセンブリー3の底面図である。また、図9は図5におけるA−A線断面図である。なお、図5は、キャリッジカバー13が外された状態を図示している。キャリッジアセンブリー3は、後述するヘッドユニット17(本発明における液体噴射ヘッドユニットの一種。)を内部に搭載するキャリッジ本体12と、このキャリッジ本体12の上部開口を塞ぐキャリッジカバー13とから成り、上下に分割可能な中空箱体状の部材である。キャリッジ本体12は、略矩形状の底板部12aと、当該底板部12aの四方の外周縁からそれぞれ上方に起立した側壁部12bとから成り、これらの底板部12a及び側壁部12bに囲まれた空間内にヘッドユニット17を収容する。底板部12aには、収容されたヘッドユニット17の各記録ヘッド18のノズル形成面53を露出させるための底部開口19が開設されている。そして、ヘッドユニット17をキャリッジ本体12内に収容した状態では、底板部12aの底部開口19から各記録ヘッド18のノズル形成面53が、キャリッジ本体12の底部よりも下方(記録動作時における記録媒体側)に突出する。
【0029】
キャリッジ本体12とヘッドユニット17との間には、当該キャリッジ本体12に収容されたヘッドユニット17の姿勢を調整するための偏心カム21(本発明における位置調整機構の一種。図15参照)が複数設けられている。そして、キャリッジ本体12には、これらの偏心カム21を回転させるための調整レバー20が複数設けられている。これらの調整レバー20の操作により、偏心カム21が回転してその回転中心から外周面までのカム径が増減し、このカム径の増減によって、キャリッジ本体12に収容されたヘッドユニット17のキャリッジ本体12に対する位置や傾きなどの姿勢を調整することができるように構成されている。即ち、この偏心カム21によって、各記録ヘッド18のノズル形成面53(図17参照)から、プリンター1本体側のプラテンまでの距離(プラテンギャップ)や平行度を微調整することができる。なお、位置調整機構としては、例示した偏心カム21には限られず、例えば、芋ネジ等を利用するものであってよい。
【0030】
図10はヘッドユニット17の斜視図であり、(a)は流路部材24が取り付けられた状態、(b)は流路部材24が外された状態をそれぞれ示している。また、図11はヘッドユニット17の平面図(上面図)、図12はヘッドユニット17の正面図、図13はヘッドユニット17の下面図、図14はヘッドユニット17の右側面図である。そして、図15は、説明を容易にするためキャリッジアセンブリー3の構成をより簡略化して示した断面図である。
【0031】
ヘッドユニット17は、複数の記録ヘッド18等をユニット化したものであり、これらの記録ヘッド18が取り付けられるサブキャリッジ26(本発明におけるヘッド固定部材の一種)と、流路部材24と、を備えている。サブキャリッジ26は、記録ヘッド18が固定される記録ヘッド18が固定されるヘッド保持部42(図15参照)と、このヘッド保持部42が固定される本体部41と、を有し、これらのヘッド保持部42と本体部41とを組み合わせて構成される。
【0032】
図10(b)に示すように、本体部41は、板状のベース部41aと、このベース部41aの四方の外周縁からそれぞれ上方に起立した起立壁部41bと、から上面が開口した中空箱体状の本体部に形成されている。これらのベース部41aと四方の起立壁部41bとから囲まれた空間が、記録ヘッド18が固定されたヘッド保持部42を収容する収容部として機能する。本実施形態における本体部41は、ヘッド保持部42と比較して剛性が低い材料、例えば、合成樹脂、より具体的には変性ポリフェニレンエーテル樹脂から作製されている。本体部41のベース部41aの略中央部分には、複数の記録ヘッド18を挿通可能な(即ち、各記録ヘッド18に共通な1つの)ヘッド挿通開口28が開設されている(図15参照)。このためベース部41aは、額縁状の枠体となっている。ベース部41aの四隅には、後述するヘッド保持部42の4つの保持部挿通穴48(図16参照)に対応して、固定穴(雌ネジ部)47が合計4つ開設されている。また、ヘッド挿通開口28のヘッド列設方向の両側には、位置決めピン25が、上方(取り付けられた状態の流路部材24側)に向けて合計2本立設されている(図15参照)。この位置決めピン25のベース部41aからの突出長さは、起立壁部41bの高さよりも少し長くなっている。そして、この位置決めピン25は、後述する保持部位置決め穴42a,42bと、流路部材24の流路位置決め穴24a,24bに挿入されることにより、本体部41、ヘッド保持部42、および流路部材24の相対位置を規定するようになっている。なお、位置決めピンをヘッド保持部42側に設け、これに対応する位置決め穴を本体部41側に設ける構成を採用することも可能である。
【0033】
図11等に示すように、本体部41の四方の起立壁部41bのうちの3つには、側方に向けてフランジ部30が突設されている。フランジ部30には、キャリッジ本体12の底板部12aのヘッドユニット17の取り付け位置に開設された図示しない3箇所の取り付けネジ穴に対応して、挿通穴31がそれぞれ開設されている。そして、キャリッジ本体12の底板部12aの各取り付けネジ穴に、それぞれ対応する挿通穴31の位置を合わせた状態で、ヘッドユニット固定ネジ22を、挿通穴31を通じて取り付けネジ穴に止着する(螺着する)ことで、キャリッジ本体12内部にヘッドユニット17が収容・固定される。なお、上述したように、ヘッドユニット17をキャリッジ本体12に対して本固定する前の段階で、上記の調整レバー20の操作により、キャリッジ本体12に対するヘッドユニット17の位置や傾きなどの姿勢が調整される。また、本体部41の四方の起立壁部41bの上端面には、流路部材24を固定するための固定ネジ穴33が合計4箇所設けられている。
【0034】
図16は、ヘッド保持部42の平面図(記録ヘッド18のノズル形成面53側から見た下面図)である。このヘッド保持部42は枠体状の部材であり、例えばステンレス鋼又はアルミニウム等の金属により作製され、合成樹脂製の本体部41よりも剛性が高められている。本実施形態において、ヘッド保持部42は、縦方向(取り付けられた状態の記録ヘッド18のノズル列方向に対応する方向。図16の上下方向)および横方向(縦方向に直交する方向。図16の左右方向)の各寸法は、本体部41のベース部41aのそれぞれ対応する方向の寸法よりも小さく、且つ、ヘッド挿通開口28のそれぞれ対応する方向の寸法よりも大きく設計されている。また、このヘッド保持部42の略中央には、複数の記録ヘッド18を挿通可能なヘッド用開口44が開設されている。このヘッド用開口44の開口寸法(縦横の各寸法)は、ヘッド挿通開口28の開口寸法に揃えられている。ヘッド保持部42の下面(記録時の記録媒体に対向する側の面)には、各記録ヘッド18の取り付け位置に対応して、ヘッド止着穴29(雌ネジ部)が開設されている(図18参照)。本実施形態において、ヘッド止着穴29は、1つの記録ヘッド18の取り付け位置に対し、ヘッド用開口44を間に挟んでノズル列方向に対応する方向の両側に、後述するスペーサー32のサブキャリッジ用挿通穴32″に対応して2つずつ、合計4箇所設けられている。ヘッド保持部42には、本実施形態においては第1の記録ヘッド18a、第2の記録ヘッド18b、第3の記録ヘッド18c、第4の記録ヘッド18d、及び第5の記録ヘッド18eの合計5つの記録ヘッド18が、後述するサブタンク37をヘッド用開口44の下方から挿通させて、記録ヘッド18のフランジ部52aとの間にそれぞれスペーサー32(図18参照)を介在させた状態で、図16に示すようにノズル列に直交する方向に横並びでそれぞれ固定される。
【0035】
ヘッド保持部42の四隅には、本体部41のベース部41aの4つの固定穴47にそれぞれ対応する保持部挿通穴48が開設されている。ヘッド用開口44のヘッド列設方向の両側には、平面視矩形の保持部位置決め穴42a,42bがそれぞれ板厚方向を貫通した状態で開設されている。保持部位置決め穴42a,42bのうち、一方の一側保持部位置決め穴42aに関し、これらの位置決め穴42a,42bの並び方向(ヘッド列設方向)である横方向の寸法が、位置決めピン25の直径よりも十分に大きく設定されている一方、位置決め穴42a,42bの並び方向に直交する方向である縦方向の寸法が、位置決めピン25の直径と同程度又はごく僅かに大きく設定されている。即ち、一側保持部位置決め穴42aは横方向に長尺な長穴となっており、位置決めピン25がこの一側保持部位置決め穴42aに挿通された状態では、縦方向の移動が規制される一方で、横方向の移動は許容されるように構成されている。これに対し、他方の他側保持部位置決め穴42bの縦横の各寸法は、位置決めピン25の直径と同程度或いはごく僅かに大きく設定されている。即ち、位置決めピン25が他側保持部位置決め穴42bに挿通された状態では位置決めピン25の移動が規制されて、がたつきが生じないように構成されている。なお、位置決め穴の平面形状(開口形状)に関し、例示した矩形には限られず、例えば、円形或いは楕円形であっても良い。
【0036】
そして、本体部41側の各位置決めピン25を、ヘッド保持部42側の保持部位置決め穴42a,42bにそれぞれ挿通(嵌合)して、ベース部41aにヘッド保持部42を配置すると、ベース部41aに対するヘッド保持部42の位置が規定される。なお、上述したように、保持部位置決め穴42a,42bのうちの一方が長穴となっているので、位置決めピン25と保持部位置決め穴42a,42bの寸法誤差が許容される。このようにベース部41aにヘッド保持部42を配置した状態では、ヘッド保持部42の各保持部挿通穴48の位置と、ベース部41aの対応する各固定穴47の位置がほぼ合致するようになっている。この状態で、保持部止着ネジ49を、保持部挿通穴48を通じて固定穴47に止着する(螺着する)ことで、本体部41にヘッド保持部42が固定される。このヘッド保持部42は、ヘッドユニット17がキャリッジアセンブリー3に組み付けられた状態で、キャリッジカバー13をキャリッジ本体12から取り外し、本体部41から流路部材42を取り外し、保持部止着ネジ49の締結を解除することで、本体部41がキャリッジ本体12に固定された状態で取り外すことができる。これにより、ヘッド保持部42に固定されている各記録ヘッド18の交換やメンテナンスが容易となる。また、ヘッド保持部42ごと全ての記録ヘッド18を交換することもできる。そして、交換或いはメンテナンス後は、上記の調整レバー20の操作により、キャリッジ本体12に対するヘッドユニット17の位置や傾きなどの姿勢を容易に再調整することができる。
【0037】
ここで、本体部41とヘッド保持部42の剛性(ヤング率)に関し、本体部41の剛性が例えば9.27GPaであるのに対し、ヘッド保持部42の剛性は、アルミニウムから作製される場合、例えば61.8GPa、ステンレス鋼から作製される場合、例えば197GPaである。ヘッド保持部42の剛性は、本体部41の剛性の少なくとも5倍以上であることが望ましい。また、比重に関し、本体部41の比重が例えば1.43×10−6kg/mmであるのに対し、ヘッド保持部42の剛性は、アルミニウムから作製される場合、例えば2.70×10−6kg/mm、ステンレス鋼から作製される場合、例えば7.93×10−6kg/mmである。つまり、複数の記録ヘッド18が固定されるヘッド保持部42は、各記録ヘッド18の位置精度を確保するべく剛性が高められている一方、本体部41に関しては、ヘッド保持部42と比べて剛性および比重が低い材料が採用されて、軽量化が図られている。また、このように剛性が低く抑えられた本体部41は、ネジ留めの際の回転モーメントを受けて変形することで積極的に吸収して、ヘッド保持部42が変形することを防止する機能も発揮するようになっている。なお、剛性および比重の具体的数値については、本実施形態において例示したものには限定されない。
【0038】
また、本実施形態においては、ヘッド保持部42とリニアスケール10が同一の材料によって作製されることで、両者の線膨張係数が揃えられている。例えば、ヘッド保持部42とリニアスケール10とがそれぞれステンレス鋼によって作製される場合、両者の線膨張係数は、17.3×10−6/℃に揃えられる。また、例えば、ヘッド保持部42とリニアスケール10とがそれぞれアルミニウムから作製される場合、両者の線膨張係数は、23×10−6/℃に揃えられる。このように、ヘッド保持部42とリニアスケール10の線膨張係数を揃えることにより、環境温度が上昇した場合における記録媒体上におけるインクの着弾位置ずれを抑制することが可能となる。即ち、ヘッド保持部42とリニアスケール10の線膨張係数が異なると、温度が上昇した場合にリニアエンコーダー11から出力されるエンコーダーパルスに基づき制御上において把握される記録ヘッド18の主走査方向の位置と、実際の記録ヘッド18の位置との間に誤差が生じる。そして、この誤差に応じて記録媒体上のインクの着弾位置がずれてしまう。特に、例えば、第1の記録ヘッド18aのノズル51からインクを噴射させて記録媒体の所定位置に着弾させた後、この第1の記録ヘッド18aに対して最も遠い位置にある第5の記録ヘッド18eのノズル51からインク噴射させて、前記の所定の位置に重ねて着弾させるような記録を行う場合等では、着弾位置ずれが顕著になる。即ち、記録ヘッド18の数がより多く長尺なヘッドユニットほど、線膨張係数の違いに基づく着弾位置ずれの影響が大きくなる傾向となる。これに対し、ヘッド保持部42とリニアスケール10の線膨張係数を揃えることにより、環境温度が上昇した場合においても制御上で把握される記録ヘッド18の主走査方向の位置と実際の位置との間の誤差が低減されるので、着弾位置ずれを抑制することが可能となる。なお、線膨張係数の具体的数値については、本実施形態で例示したものには限定されない。
【0039】
流路部材24は、上下方向が薄い箱体状の部材であり、例えば、合成樹脂により作製される。この流路部材24の内部には、各記録ヘッド18のサブタンク37(後述)の流路接続部38にそれぞれ対応した各色のインク分配流路(図示せず)が区画形成されている。この流路部材24の上面(サブキャリッジ26に固定される側の面とは反対側の面)には、チューブ接続部34が設けられている。図11に示すように、このチューブ接続部34の内部には、各色のインクに対応した導入口39が複数設けられている。各導入口39は、それぞれ対応する色のインク分配流路に連通している。そして、チューブ接続部34に上記のインク供給チューブ14が接続されると、インク供給チューブ14内の各色のインク供給路と、それぞれ対応する導入口39とが液密状態で連通する。これにより、インクカートリッジ側からインク供給チューブ14を通じて送られてきた各色のインクが、導入口39を通じて流路部材24内のインク分配流路にそれぞれ導入される。この流路部材24の四隅には、本体部41の固定ネジ穴33に対応する流路挿通穴(図示せず)が、それぞれ板厚方向を貫通した状態で形成されている。流路部材24がサブキャリッジ26に固定される際に、流路止着ネジ45が流路挿通穴を通じて固定ネジ穴33に止着される。
【0040】
図12及び図15に示すように、流路部材24の下面において、各記録ヘッド18のサブタンク37の流路接続部38に対応する位置には、下方に向けて延出した接続流路40が設けられている。この接続流路40は、それぞれ対応する色のインク分配流路に連通する導出路(図示せず)が内部に形成された中空筒状の部材である。この接続流路40は、各記録ヘッド18のサブタンク37の流路接続部38にそれぞれ挿入されて液密状態で連結されるように構成されている。そして、流路部材24内部のインク分配流路を通ったインクは、接続流路40と流路接続部38を介して各記録ヘッド18のサブタンク37に供給される。つまり、インク供給チューブ17とサブタンク37とは、流路部材24を介在させて相互に接続されている。
【0041】
また、流路部材24の下面において、上記サブキャリッジ26の本体部41から突設された各位置決めピン25に対応する位置には、流路位置決め穴24a,24bがそれぞれ設けられている。この流路位置決め穴24a,24bも、上記保持部位置決め穴42a,42bと同様に平面視矩形の穴である。これらの流路位置決め穴24a,24bの開口寸法は、それぞれ対応する保持部位置決め穴42a,42bの開口寸法に揃えられている。このため、一方の一側流路位置決め穴24aは、位置決め穴24a,24bの並び方向である横方向に長尺な長穴となっている。そして、流路部材24が、サブキャリッジ26の本体部41に取り付けられる際に、本体部41から突設された各位置決めピン25がそれぞれ対応する流路位置決め穴24a,24bに挿入されて、本体部41に対する流路部材24の配置位置が規定される。
【0042】
図17は、記録ヘッド18(液体噴射ヘッドの一種)の構成を説明する斜視図である。なお、基本的な構造等は各記録ヘッド18で共通であるため、サブキャリッジ26に取り付けられる5つの記録ヘッド18のうちの1つを代表として示している。
記録ヘッド18は、ノズル51に連通する圧力室を含むインク流路を形成する流路ユニットや、圧力室内のインクに圧力変動を生じさせる圧電振動子或いは発熱素子などの圧力発生手段(何れも図示せず)をヘッドケース52に備えている。この記録ヘッド18は、プリンター1の制御部側からの駆動信号を圧力発生手段に印加して圧力発生手段を駆動することにより、ノズル51からインクを噴射して記録紙等の記録媒体に着弾させる記録動作を行うように構成されている。各記録ヘッド18のノズル形成面53には、インクを噴射するノズル51が複数列設されてノズル列56(ノズル群の一種)が構成され、このノズル列56がノズル列に直交する方向に2列並べて形成されている。1つのノズル列56は、例えば360dpiのピッチで開設された360個のノズル開口から成る。各ノズル列56に対応するインク流路や圧力発生手段等はそれぞれ個別に設けられており、同一記録ヘッド18の2つのノズル列56にそれぞれ異なるインクが割り当てられる場合もある。
【0043】
ヘッドケース52は、中空箱体状部材であり、その先端側には、ノズル形成面53を露出させた状態で流路ユニットを固定している。また、ヘッドケース52の内部に形成された収容空部内には圧力発生手段などを収容し、先端面とは反対側の基端面側(上面側)には、流路ユニット側にインクを供給するためのサブタンク37が装着されている。また、ヘッドケース52の上面側におけるノズル列方向の両側には、側方に向けて突出したフランジ部52aがそれぞれ形成されている。このフランジ部52aには、スペーサー32のヘッド用挿通穴32′(図18参照)に対応して、スペーサー取り付け穴54がそれぞれ開設されている。フランジ部52aにスペーサー32を取り付ける際に、このスペーサー取り付け穴54にスペーサー固定ネジ27が挿通される。
【0044】
スペーサー32は、合成樹脂から成る部材であり、1つの記録ヘッド18に対して両側のフランジ部52aの上面(サブタンク37側の面)にそれぞれ1つずつ、合計2つ取り付けられる。このスペーサー32の幅方向(記録ヘッド18に取り付けられた状態におけるノズル列に直交する方向)の中央部分には、記録ヘッド18のスペーサー取り付け穴54に対応してヘッド用挿通穴32′が開設されている。また、スペーサー32の幅方向の両端部には、サブキャリッジ26のヘッド保持部42に設けられたヘッド止着穴29に対応して、サブキャリッジ用挿通穴32″がそれぞれ開設されている。即ち、スペーサー32には、1つのヘッド用挿通穴32′と2つのサブキャリッジ用挿通穴32″が各々設けられている。このスペーサー32は、記録ヘッド18がヘッド保持部42に取り付けられる前の段階で、それぞれの記録ヘッド18の両側のフランジ部52aに、スペーサー止着ネジ43によってそれぞれ締結される。後述するように、スペーサー32は、ヘッド保持部42に対して接着剤によって仮固定された後、スペーサー固定ネジ27によって本固定される。ヘッド保持部42に一旦固定された記録ヘッド18は、スペーサー32との間のスペーサー止着ネジ43の締結を解除することにより、スペーサー32及びヘッド保持部42から取り外すことができるようになっている。これにより、記録ヘッド18の交換や修理等による記録ヘッド18の着脱が容易になる。
【0045】
上記サブタンク37は、流路部材24からのインクを記録ヘッド18の圧力室側に導入する部材である。サブタンク37は、内部の圧力変動に応じてバルブを開閉し、圧力室側へのインクの導入を制御する自己封止機能を有している。このサブタンク37の後端面(上面)におけるノズル列方向の両端部に、上記流路部材24の接続流路40が接続される流路接続部38が設けられている。この流路接続部38には図示しないリング状のパッキンが嵌め込まれており、このパッキンにより接続流路40との液密性が確保される。また、サブタンク37の内部には、圧力発生手段に駆動信号を供給するための駆動基板が2枚設けられており(図示せず)、各駆動基板に電気的に接続された2枚のフレキシブルケーブル55(配線部材の一種)がサブタンク37の後端面側にそれぞれ引き出されている。このフレキシブルケーブル55は、上記の信号ケーブル15と接続されて、当該信号ケーブル15を通じてプリンター1の制御部から送られてくる駆動信号等を、駆動基板を介して圧力発生手段側に供給する。
【0046】
次に、上記のヘッドユニット17の製造工程(組み立て工程)について説明する。
図18は、ヘッド保持部42に対し記録ヘッド18を取り付けるための装置構成を説明する模式図である。この装置は、CCDカメラ等の撮像手段60と、記録ヘッド18を保持した状態で移動させるためのヘッド移動機構61と、アライメント基板63と、を備えている。なお、同図において、左右方向がノズル列方向、奥行き方向(図に垂直な方向)がノズル列に直交する方向となっている。アライメント基板63は、線膨張係数が可及的に小さいガラスなどの透光性を有する板材から構成されている。このアライメント基板63には、後述するように位置決めの基準となる記録ヘッド18(以下、適宜、基準ヘッドという。)の複数(少なくとも2箇所)の特定のノズル51(例えば、図16において白丸で示す、一方のノズル列の両端のノズル51。以下、適宜、基準ノズルという。)の配置位置を規定する一組の基準ノズルマークと、位置決め対象の記録ヘッド18の少なくとも2箇所の特定のノズル51(以下、適宜、対象ノズルという。)の基準ノズルに対する相対位置を規定する対象ノズルマークと、が設けられている。対象ノズルマークは、基準ノズルマークに対する相対位置が設計値(規定位置)となるように形成位置が定められている。本実施形態において、上記基準ヘッドは、第1の記録ヘッド18aとされる。
【0047】
ヘッド移動機構61は、ヘッド保持部42に向けて延びるアーム62(ヘッド保持治具の一種)を有している。ヘッド移動機構61は、アーム62によって取り付け対象の記録ヘッド18をクランプ(保持)する。本実施形態におけるヘッド取り付け工程は、記録ヘッド18をアーム62によって保持した状態で、当該記録ヘッド18をノズル列方向又はノズル列方向に直交する方向に移動させることにより、或いは、ノズル形成面方向に回転させることにより、アライメント基板63に対する記録ヘッド18の相対位置が、ヘッド保持部42上で調整されるようになっている。
【0048】
取り付け対象の記録ヘッド18は、サブタンク37をヘッド用開口44から挿通させて、且つ、フランジ部52aの上面側とヘッド保持部42との間に、フランジ部52aに予め締結されたスペーサー32を介在させた状態で、ノズル形成面53を撮像手段60に対向させた姿勢でセットされる。この状態で、記録ヘッド18はヘッド移動機構61のアーム62によって保持される。
【0049】
各記録ヘッド18をヘッド保持部42に取り付けるヘッド取り付け工程は、ヘッド保持部42の所定の位置に記録ヘッド18を位置決めする位置調整工程と、記録ヘッド18をヘッド保持部42に対して接着剤によって仮固定する仮固定工程と、仮固定された状態で記録ヘッド18をスペーサー固定ネジ27によってヘッド保持部42に固定する本固定工程と、を含む。位置調整工程では、上述したように、アライメント基板63を用いて位置調整が行われる。
【0050】
撮像手段60によって撮像された画像は、図示しないモニターに映し出される。このモニターには、取り付け対象の記録ヘッド18のノズル形成面53に、透明なアライメント基板63が重畳して映し出される。そして、このモニターに映し出された画像に基づいて、ヘッド保持部42上で取り付け対象の記録ヘッド18の位置調整が行われる。具体的には、まず、モニターに画像として映し出される基準ヘッド(この場合、第1の記録ヘッド18a)の各基準ノズルに、それぞれ対応する基準ノズルマークが重なるように、アライメント基板63の位置が調整される(アライメント基板キャリブレーション工程)。アライメント基板63の位置が調整されたならば、次に、取り付け対象の記録ヘッド18の各対象ノズルが、アライメント基板63上の対応する対象ノズルマークにそれぞれ重なるように、当該記録ヘッド18の位置がヘッド移動機構61によって調整される。これにより、基準ヘッドに対する取り付け対象の記録ヘッド18の相対位置が規定される。そして、ヘッド移動機構61による取り付け対象の記録ヘッド18に対するクランプが維持された状態で、スペーサー32とヘッド保持部42との間に接着剤が毛細管力によって流し込まれ、この接着剤が固化することで仮固定される(仮固定工程)。そして、仮固定された状態で、スペーサー固定ネジ27を用いてスペーサー32とヘッド保持部42とがネジ留めされて、記録ヘッド18dがヘッド保持部42の規定位置に本固定される(本固定工程)。このような手順でヘッド保持部42に対して各記録ヘッド18のヘッド取り付け工程を順次行うことにより、各記録ヘッド18が高精度に位置決めされた状態で固定される。なお、各記録ヘッド18をヘッド保持部42に取り付ける工程では、ネジ留めの際の回転モーメントが、ヘッド保持部42に作用するが、当該ヘッド保持部42が金属により作製されて剛性が高められているので、ヘッド保持部42の変形が抑制される。このため、各記録ヘッド18をヘッド保持部42に対して位置精度良く固定することができる。
【0051】
なお、位置調整工程に関し、例示したアライメント基板63を用いずに行うことも可能である。例えば、モニターに映し出される画像に、記録ヘッド18の基準ノズルや対象ノズルに対応したアライメント用マークを表示して、このアライメント用マークに基づいて位置調整を行うようにしても良い。この方法では、記録ヘッド18の取り付け作業が行われる各ステージの移動位置に対するアライメント基板の基準マークの位置が制御装置の記憶部に記憶され、この記憶された位置に対して取り付け対象の記録ヘッド18の対象ノズル位置を合わせることで位置調整が行われる。そして、基準ノズルマークを基準ノズルに対し撮像手段60の視野内に入る程度に調整することで、基準ノズルと基準ノズルマークとの位置ズレ量を算出し、取り付け対象の記録ヘッド18を位置合わせするときの位置合わせの指示値に対して、基準ノズルの位置ズレ量を補正するようにしてもよい。
また、記録ヘッド18とベース部26aとの間にスペーサー32を介在させることなく、記録ヘッド18とベース部26aとの間で直接的に位置決めする構成を採用することもできる。
【0052】
ヘッド保持部42に対して各記録ヘッド18が固定されたならば、当該ヘッド保持部42が、本体部41のベース部41aに取り付けられる(サブキャリッジ組み立て工程)。この際、上述したように、本体部41側の各位置決めピン25が、ヘッド保持部42側の保持部位置決め穴42a,42bにそれぞれ挿通(嵌合)されて、ベース部41aに対するヘッド保持部42の位置が規定される。そして、保持部止着ネジ49が、保持部挿通穴48を通じて固定穴47に止着されて、本体部41にヘッド保持部42が固定される。このとき、保持部止着ネジ49を締め付ける際の回転モーメントが、ヘッド保持部42と本体部41に作用するが、本体部41の剛性がヘッド保持部42の剛性よりも低いので、ヘッド保持部42よりも本体部41側に応力が集中する。このため、本体部41にヘッド保持部42を固定する際のヘッド保持部42の変形が抑制される。その結果、ヘッド保持部42に固定されている各記録ヘッド18同士の相対位置が狂いにくい。このように、サブキャリッジ26を、剛性の高いヘッド保持部42と、このヘッド保持部42よりも剛性が低く比重が小さい本体部41と、の組み合わせとすることで、ヘッド保持部42に固定されている各記録ヘッド18の位置精度の向上とサブキャリッジ26の軽量化とを両立させることが可能となる。即ち、ヘッド保持部42の剛性が、本体部41の剛性よりも高いので、当該ヘッド保持部42に各記録ヘッド18を固定(具体的には、ネジ留め)する際に、枠体状のヘッド保持部42が変形することが防止され、ヘッド保持部42に固定された各記録ヘッド18同士の相対位置が狂うことが抑制される。これにより、ヘッドユニット17における各ノズル51の位置精度が向上する。また、本体部41の比重がヘッド保持部42の比重よりも小さいので、サブキャリッジ26全体の軽量化が図れる。これにより、キャリッジアセンブリー3に搭載されたヘッドユニット17を移動させるための駆動源としてのキャリッジモーター8の小型化が可能となり、プリンター1全体の小型化およびコストダウンに寄与する。
【0053】
次に、流路部材24がサブキャリッジ26の本体部41に固定される(流路取り付け工程)。上述したように、流路部材24は、流路止着ネジ45によって本体部41にネジ留めされる。この際、本体部41から突設された各位置決めピン25がそれぞれ対応する流路位置決め穴24a,24bに挿入されて、本体部41に対する流路部材24の配置位置が規定される。流路部材24を本体部41に固定する場合、流路止着ネジ45を締め付ける際の回転モーメントが生じるが、当該回転モーメントは本体部41で吸収されてヘッド保持部42には及びにくい。これにより、ヘッド保持部42に固定されている各記録ヘッド18同士の相対位置が狂いにくい。流路部材24が本体部41に取り付けられると、接続流路40が各記録ヘッド18のサブタンク37の流路接続部38にそれぞれ挿入されて液密状態で連結される。このように、本体部41に対し、流路部材24およびヘッド保持部42を共通の位置決めピン25を利用して位置決めを行う構成を採用することにより、本体部41に取り付けられたヘッド保持部42と流路部材24との相対位置を精度良く規定することができる。これにより、両者の相対位置がずれることが抑制され、位置ずれによって流路部材24とヘッド保持部42との間に応力が生じることが防止される。その結果、ヘッド保持部42の各記録ヘッド18の位置精度が確保される。また、ヘッド保持部42と流路部材24との位置ずれが抑制されることで、接続流路40と流路接続部38との液密性を向上させることができる。
【0054】
以上の工程を経てヘッドユニット17が完成する。このヘッドユニット17は、上述したように、キャリッジ本体12の底板部12aの底部開口19から各記録ヘッド18のノズル形成面53を露出させた状態で、キャリッジ本体12の内部に収容され、キャリッジ本体12に対するヘッドユニット17の位置や傾きなどの姿勢が調整された後、ヘッドユニット固定ネジ22によりネジ留めされて固定される。このヘッドユニット固定ネジ22を締め付ける際にも回転モーメントが生じるが、当該回転モーメントは本体部41によって吸収されるので、ヘッド保持部42には及びにくい。その結果、ヘッド保持部42に固定されている各記録ヘッド18同士の相対位置が狂いにくい。
【0055】
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
【0056】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図19は、第2の実施形態におけるキャリッジアセンブリー3の構成を簡略化して示した断面図である。また、図20は、支持枠65が取り付けられた状態のヘッド保持部42の下面図である。本実施形態においては、本体部41に対するヘッド保持部42の固定方法が上記第1の実施形態と異なっている。その他の構成については、上記第1の実施形態の構成と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
上記第1の実施形態では、ヘッド保持部42は本体部41のベース部41aの上面側に配置されて、保持部止着ネジ49によって本体部41に直接ネジ留めされるのに対し、本実施形態におけるヘッド保持部42は、本体部41のベース部41aの下面側に配置されて、支持枠65(本発明における固定部に相当)によって本体部41に間接的に固定されるように構成されている。支持枠65は、枠体部65aと、当該枠体部65aの四方の外周縁からそれぞれ上方(取り付け状態における本体部41側)に向けて立設された支持壁部65bとから成り、例えば、金属又は合成樹脂から作製されている。なお、支持枠65の形状等については、例示したものには限られない。
【0057】
枠体部65aの縦方向および横方向の各寸法は、ヘッド保持部42のそれぞれ対応する方向の寸法よりも大きく設計されている。また、この枠体部65aの略中央には、ヘッド保持部42に固定された複数の記録ヘッド18を挿通可能な矩形の枠開口66が開設されている。この枠開口66の縦方向および横方向の各寸法は、ヘッド保持部42のそれぞれ対応する各方向の寸法よりも少し小さく設計されている。さらに、枠体部65aの四隅には、本体部41のベース部41aの4つの固定穴47にそれぞれ対応する支持枠挿通穴67が開設されている。
【0058】
枠体部65aの上面(ヘッド保持部42が配置される側の面)からの支持壁部65bの突出長さは、ヘッド保持部42の厚さと同程度或いはごく僅かに小さく設定されている。そして、枠体部65aの上面と各起立壁部41bとから囲まれた空間に、記録ヘッド18が固定されたヘッド保持部42が収容されて、これらの枠体部65aと各起立壁部41bとによって支持される。この状態では、平面視において、枠体部65aの一部がヘッド保持部42の外周縁と重なり合う。そして、本体部41の下面から突出した各位置決めピン25を、ヘッド保持部42側の保持部位置決め穴42a,42bにそれぞれ挿通して、ベース部41aに対するヘッド保持部42の位置が規定された状態で、なお且つ、本体部41との間にヘッド保持部42を狭持する状態で、保持部止着ネジ49が支持枠挿通穴67を通じて本体部41の固定穴47に止着されることで支持枠65が本体部41に固定される。この保持部止着ネジ49を締め込むことで、ヘッド保持部42が本体部41に密着する。これにより、ヘッド保持部42が、支持枠65を介して本体部41に固定される。このように、ヘッド保持部42が支持枠65を介して本体部41に固定される構成を採用することにより、保持部止着ネジ49を締め付ける際の回転モーメントがヘッド保持部42に及びにくい。その結果、ヘッド保持部42に固定されている各記録ヘッド18同士の相対位置が狂うことがより確実に防止される。
【0059】
なお、上記各実施形態では、記録媒体に対して記録ヘッド18を往復移動させながらインクの噴射を行う構成を例示したが、これには限られない。例えば、記録ヘッド18の位置を固定した状態で、当該記録ヘッド18に対して記録媒体を移動させながらインクの噴射を行う構成を採用することもできる。
【0060】
そして、以上では、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は、複数の噴射駆動パルスを用いて液体の噴射を行う液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro
Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,ごく少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
1…プリンター,3…キャリッジアセンブリー,12…キャリッジ本体,13…キャリッジカバー,17…ヘッドユニット,18…記録ヘッド,20…調整レバー,21…偏心カム,22…ヘッドユニット固定ネジ,24…流路部材,25…位置決めピン,26…サブキャリッジ,27…スペーサー固定ネジ,28…ヘッド挿通開口,29…ヘッド止着穴,30…フランジ部,31…挿通穴,32…スペーサー,33…固定ネジ穴,34…チューブ接続部,37…サブタンク,38…流路接続部,39…導入穴,40…接続流路,41…本体部,42…ヘッド保持部,42a,42b…保持部位置決め穴,43…スペーサー止着ネジ,44…ヘッド用開口,45…流路止着ネジ,46…固定ネジ穴,47…固定穴,48…保持部挿通穴,49…保持部止着ネジ,51…ノズル,52…ヘッドケース,53…ノズル形成面,54…スペーサー取り付け穴,56…ノズル列,60…撮像手段,61…ヘッド移動機構,62…アーム,63…アライメント基板,65…支持枠,66…枠開口,67…支持枠挿通穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドが位置決めされた状態で複数固定されるヘッド固定部材と、
を備え、
前記ヘッド固定部材は、液体噴射ヘッドが固定されるヘッド保持部と、当該ヘッド保持部が固定される本体部と、を有し、
前記本体部の剛性が、前記ヘッド保持部の剛性よりも低く、尚かつ、前記本体部の比重が、前記ヘッド保持部の比重よりも小さいことを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
【請求項2】
前記ヘッド保持部と前記本体部とは、何れか一方に設けられた位置決め穴に、他方に設けられた位置決めピンを嵌合させることで互いに位置決めされることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドユニット。
【請求項3】
前記液体噴射ヘッドに供給する液体の流路が内部に形成された流路部材を有し、
前記流路部材は、前記本体部に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッドユニット。
【請求項4】
前記流路部材は、前記位置決めピンに対応して流路位置決め穴を有し、当該流路位置決め穴に前記位置決めピンを嵌合させることで前記本体部に対して位置決めされることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッドユニット。
【請求項5】
前記ヘッド保持部を前記本体部に固定する固定部を有し、
前記固定部は、前記本体部との間に前記ヘッド保持部を狭持した状態で前記本体部に固定されたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドユニット。
【請求項6】
液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドが位置決めされた状態で複数固定されるヘッド固定部材と、を備える液体噴射ヘッドユニットを有する液体噴射装置であって、
前記ヘッド固定部材は、液体噴射ヘッドが固定されるヘッド保持部と、当該ヘッド保持部が固定される本体部と、を有し、
前記本体部の剛性が、前記ヘッド保持部の剛性よりも低く、尚かつ、前記本体部の比重が、前記ヘッド保持部の比重よりも小さいことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項7】
前記液体噴射ヘッドユニットを保持するユニット保持部を有し、
前記ユニット保持部には、当該ユニット保持部に対する前記液体噴射ヘッドユニットの配置位置を調整可能な位置調整機構を介在させた状態で、前記液体噴射ヘッドユニットにおける前記ヘッド固定部材の前記本体部が固定され、
前記ヘッド固定部材の前記ヘッド保持部は、前記本体部が前記ユニット保持部に固定された状態で着脱可能に前記本体部に固定されたことを特徴とする請求項6に記載の液体噴射装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−16915(P2012−16915A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156409(P2010−156409)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】