説明

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

【課題】供給部材の小型化を図ると共に、フィルタの面積を広くでき、より好適にフィルタで濾過を行える液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を貯留する液体貯留手段からの液体を噴射する複数のノズル開口を有するヘッド本体40に、複数のノズル開口群毎に供給する複数の液体供給路32が設けられた供給部材30を具備し、前記供給部材30が、前記貯留手段側から前記ヘッド本体40側に向かって分割された少なくとも第1の分割部材33と第2の分割部材34とが接合されて構成されていると共に、前記液体供給路32が、少なくとも前記第1の分割部材33及び前記第2の分割部材34に亘って設けられており、前記液体供給路32が、前記第1の分割部材33の表面に当該液体供給路32を横断する前記フィルタ35が設けられた第1の液体供給路32Aと、第2の分割部材34の表面に当該液体供給路32を横断する前記フィルタ35が設けられた第2の液体供給路32Bとを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯留手段に貯留された液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドの代表例であるインクジェット式記録ヘッドでは、一般的に、インクが充填されたインクカートリッジ等のインク貯留手段からヘッド本体にインクが供給され、ヘッド本体に供給されたインクは圧電素子や発熱素子等の圧力発生手段を駆動させることによりノズルから吐出される。
【0003】
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、インクカートリッジのインク内に存在する気泡、あるいはインクカートリッジを着脱する際にインク内に混入した気泡がヘッド本体に供給されてしまうと、この気泡によるドット抜け等の吐出不良が発生するという問題がある。このような問題を解決するために、インクカートリッジに挿入されるインク供給針とカートリッジケースとの間に、インク内の気泡等を除去するためのフィルタを装着するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−10904号公報(第2〜3頁、第1図)
【特許文献2】特開2004−106214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような構成では、カートリッジケースのインク供給針が固定される領域にフィルタが設けられているため、フィルタの面積に応じた領域が必要であると共に、インク供給針をフィルタと共にカートリッジケースに溶着するための領域が必要であるため、隣り合うインク供給針の間隔を短くすることができないという問題がある。
【0006】
また、特許文献1のような構成で、ヘッドの小型化を図るためにフィルタの面積を小さくすると、動圧が上がるため、圧電素子や発熱素子等の圧力発生手段を駆動する駆動電圧を上げなくてはならないという問題がある。
【0007】
さらに、特許文献2には、供給部材の両面のそれぞれにフィルタを設けたものが開示されているが、例えば、一方面にフィルタを取り付けた後、他方面にフィルタを取り付けると、他方面にフィルタを取り付ける際の圧力によって、一方面に取り付け済みのフィルタに応力が印加されて、フィルタの変形や破れなどの破損が生じてしまったり、フィルタの近傍で液体供給路が広がったフィルタ室の形状がフィルタを取り付ける位置に応じて異なることで、複数のフィルタ室間で圧力損失や排気性などにばらつきが生じてしまうという問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑み、供給部材の小型化を図りつつも、フィルタの面積を広くでき、より好適にフィルタで濾過を行える液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を貯留する液体貯留手段からの液体を噴射する複数のノズル開口を有するヘッド本体に、複数のノズル開口群毎に前記液体を供給する複数の液体供給路が設けられた供給部材を具備し、前記供給部材が、前記貯留手段側から前記ヘッド本体側に向かって分割された少なくとも第1の分割部材と第2の分割部材とが接合されて構成されていると共に、前記液体供給路が、少なくとも前記第1の分割部材及び前記第2の分割部材に亘って設けられており、前記液体供給路が、前記第1の分割部材の表面に当該液体供給路を横断する前記フィルタが設けられた第1の液体供給路と、第2の分割部材の表面に当該液体供給路を横断する前記フィルタが設けられた第2の液体供給路とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、供給部材の表面にフィルタを配設したものに比べて、供給部材の小型化を図ることができる。また、フィルタの面積を広げることができる。したがって、動圧を低下させて圧力発生手段の駆動電圧を低減することができる。さらに、各液体供給路の経路長を均一化して、供給特性にばらつきが生じるのを防止することができ、液体吐出特性を均一化することができる。また、供給部材を分割した第1の分割部材及び第2の分割部材等の分割部材のそれぞれの表面にフィルタを設けることで、フィルタを分割部材に取り付ける際に圧力を印加しても、フィルタの変形や破れ等の破損が生じるのを防止することができる。
【0010】
ここで、前記第1の分割部材の流路上流側の面に前記第1のフィルタが設けられており、前記第2の分割部材の流路上流側の面に前記第2のフィルタが設けられていることが好ましい。また、前記第1の分割部材の流路下流側の面に前記第1のフィルタが設けられており、前記第2の分割部材の流路下流側の面に前記第2のフィルタが設けられているが好ましい。これによれば、分割部材同士を強い力で結合する場合でも、フィルタに余計な力がかからない。
【0011】
また、前記液体供給路には、前記フィルタの前後に流路が広くなったフィルタ室が設けられており、前記第1の液体供給路のフィルタ室と前記第2の液体供給路のフィルタ室とは、略同一形状であることが好ましい。これによれば、フィルタ室での圧力損失や排気性などが、流路によらずほぼ一定になる。
【0012】
さらに、本発明の他の態様は、液体を貯留する液体貯留手段からの液体を噴射するノズル開口を有するヘッド本体に、前記液体を供給する複数の液体供給路が設けられた供給部材を具備し、前記液体供給路は、当該液体供給路を横断する第1フィルタが設けられた第1の液体供給路と、当該液体供給路を横断する第2フィルタが設けられた第2の液体供給路とを具備し、前記第1の液体供給路の前記第1フィルタと、前記第2の液体供給路の前記第2フィルタとは、フィルタ面と交差する方向への射影は互いに少なくとも一部が重なるように設けられており、前記第1の液体供給路には、前記第1フィルタの前後で当該第1の液体供給路が広がった第1フィルタ室が設けられており、前記第2の液体供給路には、前記第2フィルタの前後で当該第2の液体供給路が広がり且つ前記第1フィルタ室と略同一形状である第2フィルタ室が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、供給部材の表面にフィルタを配設したものに比べて、供給部材の小型化を図ることができる。特に、第1の液体供給路の第1フィルタと第2の液体供給路の第2フィルタとを、フィルタ面と交差する方向への射影は互いに少なくとも一部が重なるように設けることで、さらに小型化を図ることができる。また、フィルタの面積を広げることができる。したがって、動圧を低下させて圧力発生手段の駆動電圧を低減することができる。さらに、各液体供給路の経路長を均一化して、供給特性にばらつきが生じるのを防止することができ、液体吐出特性を均一化することができる。また、供給部材を分割した第1の分割部材及び第2の分割部材等の分割部材のそれぞれの表面にフィルタを設けることで、フィルタを分割部材に取り付ける際に圧力を印加しても、フィルタの変形や破れ等の破損が生じるのを防止することができる。さらに、フィルタ室での圧力損失や排気性などが、流路によらずほぼ一定になる。
【0013】
また、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、小型化及び省電力化した液体噴射装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略斜視図である。本発明のインクジェット式記録装置10は、図1に示すように、インク滴を吐出する液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドと呼ぶ)11がキャリッジ12に固定され、この記録ヘッド11には、ブラック(B)、ライトブラック(LB)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)等の複数の異なる色のインクが貯留された液体貯留手段であるインクカートリッジ13がそれぞれ着脱可能に固定されている。
【0015】
記録ヘッド11が搭載されたキャリッジ12は、装置本体14に取り付けられたキャリッジ軸15に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動モータ16の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト17を介してキャリッジ12に伝達されることで、キャリッジ12はキャリッジ軸15に沿って移動される。一方、装置本体14にはキャリッジ軸15に沿ってプラテン18が設けられており、図示しない給紙装置等により給紙された紙等の被記録媒体Sがプラテン18上を搬送されるようになっている。
【0016】
また、キャリッジ12のホームポジションに対応する位置、すなわち、キャリッジ軸15の一方の端部近傍には、記録ヘッド11のノズル形成面を封止するキャップ部材19を有するキャッピング装置20が設けられている。このキャップ部材19によってノズル開口が形成されたノズル形成面を封止することにより、インクの乾燥を防止している。また、このキャップ部材19は、フラッシング動作時のインク受けとしても機能する。
【0017】
ここで、本実施形態に係る記録ヘッド11について説明する。なお、図2は、本実施形態に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略斜視図であり、図3(a)はその要部断面図であり、図3(b)は供給部材の要部上面図である。
【0018】
図2及び図3(a)に示すように、記録ヘッド11は、液体貯留手段であるインクカートリッジ13が固定されるカートリッジケース等の供給部材30と、供給部材30のインクカートリッジ13とは反対側の面に固定されたヘッド本体40とを具備する。
【0019】
供給部材30は、一方面に上述したインクカートリッジ13(請求項に記載の「液体貯留手段」に相当)がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部31を有する。また、供給部材30には、一端が各カートリッジ装着部31に開口し、他端がヘッド本体40側に開口して、インクカートリッジ13からのインクをヘッド本体40に供給するための液体供給路32が設けられている。なお、液体供給路32は、供給部材30の長手方向に並列されて複数設けられており、液体供給路32は、色毎に設けられたインクカートリッジ13に対してそれぞれ独立して設けられている。
【0020】
このような供給部材30は、液体貯留手段であるインクカートリッジ13からヘッド本体40側に向かって分割された分割部材33、34が接合されて構成されている。本実施形態では、供給部材30として、カートリッジ装着部31が設けられた第1の分割部材33と、ヘッド本体40が固定された第2の分割部材34とを設けるようにした。そして、供給部材30に設けられた各液体供給路32は、第1及び第2の分割部材33、34に亘って、第1及び第2の分割部材33、34を貫通して設けられている。
【0021】
また、供給部材30の各液体供給路32には、インク(液体)内の気泡や異物を除去するためのフィルタ35が、液体供給路32を横断するように設けられている。すなわち、フィルタ35は、液体供給路32のインクが流れる方向に直交する方向が面方向となるように設けられている。ただし、液体供給路32を流れる液体がフィルタ35を通過すればよいので、インクの逃れる方向とフィルタ35の面方向とは直交しなくてもよい。
【0022】
このようなフィルタ35は、供給部材30の表面(カートリッジ装着部31)と、第1及び第2の分割部材33、34が互いに接合された接合面36との何れかの面31、36に設けられている。また、フィルタ35は、少なくとも1つのフィルタ35がカートリッジ装着部(表面)31又は接合面36の異なる面に設けられている。すなわち、フィルタ35は、第1の分割部材33及び第2の分割部材34のそれぞれの表面の液体供給路32の上流側に設けられている。本実施形態では、供給部材30が第1の分割部材33と第2の分割部材34と詳しくは後述する液体供給針50の3つで構成されており、フィルタ35は、第1の分割部材33と液体供給針50との接合面となる第1の分割部材33の表面であるカートリッジ装着部31と、第1の分割部材33と第2の分割部材34との接合面36、すなわち、第2の分割部材34の表面とに複数個ずつ設けられている。なお、図3における液体供給針50を第1の分割部材と見て、第1の分割部材たる液体供給針50の液体供給路32下流側の表面であるカートリッジ装着部31にフィルタ35を設け、図3における第1の分割部材33を第2の分割部材と見て、第2の分割部材たる部材33の液体供給路32下流側の表面である接合面36にフィルタ35を設けてもよい。もちろん、第1の分割部材たる液体供給針50の液体供給路下流側の表面であるカートリッジ装着部31にフィルタ35を設け、第2の分割部材34の液体供給路32上流側の表面である接合面36にフィルタ35を設けてもよい。
【0023】
ここで、本実施形態では、供給部材30の表面と接合面36との何れか一方の面にフィルタ35が設けられた液体供給路32を第1の液体供給路32Aとし、第1の液体供給路32Aのフィルタ35が設けられた面とは異なる面にフィルタ35が設けられた液体供給路32を第2の液体供給路32Bとしている。すなわち、液体供給路32は、複数の第1の液体供給路32Aと、複数の第2の液体供給路32Bとで構成されていることになる。
【0024】
具体的にフィルタ35は、供給部材30のカートリッジ装着部31に、各液体供給路32に対して1つ置きとなるように配置されている。また、フィルタ35は、カートリッジ装着部31にフィルタ35が設けられていない各液体供給路32の接合面36に設けられている。すなわち、フィルタ35は、複数の液体供給路32に対して1つ置きにカートリッジ装着部31と接合面36とに互い違いとなるように配置されている。したがって、供給部材30の表面にフィルタ35が設けられた液体供給路32を第1の液体供給路32Aとすると、接合面36にフィルタ35が設けられた液体供給路32が第2の液体供給路32Bとなり、これら第1の液体供給路32Aと第2の液体供給路32Bとが供給部材30の長手方向(基準方向X)に交互に配置されている。
【0025】
言い換えると、図3(b)に示すように、フィルタ35は、供給部材30のカートリッジ装着部31に、供給部材30の長手方向を基準方向Xとして並設されたフィルタ列35Aと、接合面36に供給部材30の長手方向(基準方向X)に並設されたフィルタ列35Bとを具備する。
【0026】
各面31、36のそれぞれには、フィルタ列35A、35Bがそれぞれ1列ずつ設けられており、各面31、36に設けられたフィルタ列35A、35B同士は、基準方向X(供給部材30の長手方向)に直交する方向Y、すなわち、供給部材30の幅方向で同一位置となるように設けられている。
【0027】
また、フィルタ35は、フィルタ35の面方向で最も近接するフィルタ35同士が、異なる面31、36となるように設けられている。すなわち、カートリッジ装着部31に設けられたフィルタ列35Aと、接合面36に設けられたフィルタ列35Bとは、供給部材30の長手方向(基準方向X)にフィルタ35の間隔の半ピッチ分だけずらして設けられていることになる。
【0028】
さらに、カートリッジ装着部31に設けられたフィルタ35と、接合面36に設けられたフィルタ35とでは、フィルタ35の面方向で最も近接するフィルタ35同士が一部重なり合うように配置されている。すなわち、第1の液体供給路32Aのフィルタ35(第1フィルタ)と、第2の液体供給路32Bのフィルタ35(第2フィルタ)とは、フィルタ35の面と交差する方向への射影は互いに少なくとも一部が重なるように設けられている。この異なる面31、36に設けられたフィルタ35同士の距離は、詳しくは後述する液体供給針50を供給部材30に溶着する領域を確保しつつ、最小距離となるように設けられている。
【0029】
なお、フィルタ35としては、例えば、金属を細かく編みこむことで複数の微細孔が設けられたものを用いることができる。
【0030】
また、供給部材30のカートリッジ装着部31の各液体供給路32の開口部分には、複数の液体供給針50が設けられている。ここで、液体供給針50について、図4を参照して詳細に説明する。なお、図4は、液体供給針の断面図である。
【0031】
液体供給針50は、図3(a)に示すように、表面(カートリッジ装着部31)にフィルタ35が設けられた液体供給路32(第1の液体供給路32A)に対応して設けられた第1の液体供給針50Aと、フィルタ35が設けられていない液体供給路32、すなわち、直接表面に開口する液体供給路32(第2の液体供給路32B)に対応して設けられた第2の液体供給針50Bとで構成されている。
【0032】
第1の液体供給針50Aは、図4(a)に示すように、供給部材30の第1の液体供給路32Aに連通する第1の貫通路51Aをそれぞれ有すると共に供給部材30側の端部近傍にフランジ部52を有する。なお、これら第1の液体供給針50Aの第1の貫通路51A及び第1の液体供給路32Aはインクカートリッジ13とヘッド本体40とを繋ぐ液体供給路を構成するものである。
【0033】
また、第1の液体供給針50Aのフランジ部52には、供給部材30との接合面となる位置に融着突起53が設けられている。そして、各第1の液体供給針50Aは、フランジ部52に設けられた融着突起53を溶融させることにより、すなわち超音波融着により、供給部材30に固着されて、第1の液体供給針50Aと供給部材30との間でフィルタ35を挟持している。
【0034】
また、第1の液体供給針50Aの第1の貫通路51Aの第1の液体供給路32Aとの接続領域には、他の領域よりも内径の大きい空間、すなわち、幅広部である第1のフィルタ室54が設けられている。この第1のフィルタ室54は、例えば、本実施形態では、フィルタ35側ほど内径が大きくなるように形成されている。なお、この第1のフィルタ室54は、フィルタ35の面積を大きくしてインクが通過する際の抵抗をできるだけ小さくするために、第1の貫通路51Aの他の領域よりも大きい内径で形成されている。
【0035】
一方、図4(b)に示すように、第2の液体供給針50Bは、供給部材30の各液体供給路32(第2の液体供給路32B)に連通する第2の貫通路51Bと、供給部材30側の端部近傍に設けられたフランジ部52とを有する。
【0036】
第2の貫通路51Bは、供給部材30に設けられた第2の液体供給路32Bとほぼ同一の内径を有し、第1のフィルタ室54が設けられていない。
【0037】
また、第2の液体供給針50Bのフランジ部52には、第1の液体供給針50Aと同様に融着突起53が設けられており、第2の液体供給針50Bは供給部材30に融着突起53を溶融させることにより、すなわち、溶着により固着されている。
【0038】
さらに、第1の分割部材33と第2の分割部材34との接合面である接合面36にフィルタ35が設けられた第2の液体供給路32Bには、図3(a)に示すように他の領域よりも内径の大きい空間、すなわち、幅広部である第2のフィルタ室37が設けられている。この第2のフィルタ室37は、例えば、本実施形態では、フィルタ35側ほど内径が大きくなるように形成されている。なお、本実施形態では、全ての液体供給路32は、フィルタ35よりも下流側が、フィルタ35側ほど内径が広くなるように設けられたフィルタ室が設けられている。これは、液体供給路32のフィルタ35よりも下流側が、フィルタ35よりも小さな内径で形成されていると、フィルタ35によるインク(液体)内の気泡や異物を除去するための面積が有効に使用できず、実質的にフィルタ35を液体供給路32の開口面積でしか使用できないからである。そして、第1の液体供給路32Aの上流側の第1のフィルタ室54と、第2の液体供給路32Bの上流側の第2のフィルタ室37とは略同一形状で形成されている。また、第1の液体供給路32Aの下流側のフィルタ室と、第2の液体供給路32Bの下流側のフィルタ室とは、略同一形状で形成されている。すなわち、各液体供給路32の上流側及び下流側のフィルタ室は、それぞれ略同一形状で形成されており、フィルタ室は上流側と下流側とで形状が逆になっていることはない。
【0039】
このように、第1の液体供給針50Aには、第1のフィルタ室54が設けられており、第2の液体供給針50Bには、フィルタ室が設けられていないため、第2の液体供給針50Bの外径を第1の液体供給針50Aに比べて小さくすることができる。したがって、第1の液体供給針50Aと第2の液体供給針50Bとを近接して設けることができる。
【0040】
このような供給部材30では、フィルタ35をカートリッジ装着部31と接合面36とは異なる面に設けることで、記録ヘッド11の小型化を図ることができる。すなわち、図5に示すように、供給部材130の表面のみにフィルタ35を並設させた構成では、その長さLが長くなってしまうが、図3に示すように、フィルタ35をカートリッジ装着部31と接合面36とは異なる面に配置することで、異なる面に設けられたフィルタ35同士の間隔を狭くすることができ、供給部材30の長さLを短くすることができる。なお、供給部材30に設ける複数の液体供給路32を、第1の液体供給針50Aと第2の液体供給針50Bとが、カートリッジ装着部31に溶着できる領域を確保しつつ、最短距離となるように配置することで、供給部材30の長さLを最も短くすることができる。ちなみに、第1の液体供給針50A及び第2の液体供給針50Bの外径は、液体供給路32の内径及びフィルタ35の面積に応じて適宜決定されるものである。
【0041】
また、異なる面にフィルタ35を設けることで、異なる面に設けられたフィルタ35同士の間隔を狭くすることができるため、フィルタ35の面積を広げることができる。これにより、動圧を低下させてヘッド本体40に設けられた圧力発生手段の駆動電圧を低減することができる。もちろん、フィルタ35の面積を広げずに、供給部材30の小型化を図ることもできる。
【0042】
このように、供給部材30の小型化を図ることができるため、図5に示すように液体供給路32を屈曲して設ける必要がなくなり、液体貯留手段であるインクカートリッジ13からヘッド本体40に至る各液体供給路32の経路長をほぼ同一とすることができる。したがって、各液体供給路32で流路抵抗などの供給特性にばらつきが生じるのを防止して、ヘッド本体40のノズル開口から吐出されるインク(液体)のインク吐出特性(液体噴射特性)を均一化することができる。
【0043】
また、供給部材30の小型化を図ることができるため、結果として供給部材30に固定されるヘッド本体40の小型化を図ることができる。したがって、記録ヘッド11の小型化を図ることができる。
【0044】
また、供給部材30を構成する分割部材である第1の分割部材33と、第2の分割部材34とを結合する際の力は、フィルタ35を各分割部材の表面に取り付ける際の力に比べて弱い。したがって、供給部材30を構成する分割した第1の分割部材33及び第2の分割部材34等の分割部材のそれぞれの表面にフィルタ35を設けることで、フィルタ35を分割部材33、34に取り付ける際に圧力を印加しても、フィルタ35の変形や破れ等の破損が生じるのを防止することができる。すなわち、供給部材の両面のそれぞれにフィルタ35を設ける場合、例えば、一方面にフィルタ35を取り付けた後、他方面にフィルタ35を取り付けると、他方面にフィルタ35を取り付ける際の圧力によって、一方面に取り付け済みのフィルタ35に応力が印加されて、フィルタ35の変形や破れなどの破損が生じてしまう。本実施形態では、各分割部材33、34にフィルタ35を取り付けた後、フィルタ35を分割部材33、34に取り付ける力よりも弱い力で分割部材33、34同士を結合することで、フィルタ35に無理な応力が印加されるのを防止することができる。
【0045】
また、第1の液体供給路32Aの上流側の第1のフィルタ室54と、第2の液体供給路32Bの上流側の第2のフィルタ室37とを略同一形状で形成すると共に、第1の液体供給路32Aの下流側のフィルタ室と、第2の液体供給路32Bの下流側のフィルタ室とを略同一形状で形成することで、液体供給路32のフィルタ35の位置によらず、フィルタ室での圧力損失や排気性などをほぼ一定にすることができ、インク供給性を均一化してインク吐出特性を均一化することができる。
【0046】
なお、ヘッド本体40は、図示しないノズル開口が複数並設されたノズル列が並列されたものであり、各ノズル列から各色のインクが吐出されるものである。すなわち、供給部材30の液体供給路32は、ヘッド本体40のノズル列毎に設けられている。
【0047】
このようなヘッド本体40は、液体貯留手段であるインクカートリッジ13から供給部材30を介して供給された液体をノズル開口から吐出するものであれば、従来公知のものを用いることができる。例えば、ヘッド本体40としては、供給部材30の液体供給路32に連通すると共にノズル開口に連通する液体流路の途中に設けられた圧力発生室と、圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段とを有するものが挙げられる。このような、圧力発生手段としては、例えば、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型のアクチュエータ装置や、電極及び圧電材料を成膜及びリソグラフィ法により積層形成した薄膜型、グリーンシートを添付する等の方法により形成される圧膜型などの撓み振動型のアクチュエータ装置などを用いたものが挙げられる。また、圧力発生手段としては、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエータなどを用いたものが挙げられる。
【0048】
以上、本発明の実施形態1を説明したが、フィルタ35の配置は特にこれに限定されるものではない。ここで、フィルタ35を異なる配置とした供給部材の他の例を図6〜図9に基づいて説明する。なお、図6〜図9は、供給部材の上面図である。
【0049】
図6に示すように、供給部材30Aには、液体供給路32が長手方向(基準方向X)に並設された列が、その幅方向Yに2列設けられている。そして、液体供給路32が長手方向に並設された列毎に上述した実施形態1と同様のカートリッジ装着部31に設けられたフィルタ列35Aと、接合面36に設けられたフィルタ列35Bとが設けられている。
【0050】
すなわち、カートリッジ装着部31には、2列のフィルタ列35A、35Cが設けられ、接合面36には、2列のフィルタ列35B、35Dが設けられている。
【0051】
そして、カートリッジ装着部31に設けられたフィルタ列35Aの各フィルタ35と、接合面36に設けられたフィルタ列35Bの各フィルタ35とは、互い違いとなるように液体供給路32の各列に設けられている。また、同様に、カートリッジ装着部31に設けられたフィルタ列35Cの各フィルタ35と、接合面36に設けられたフィルタ列35Dの各フィルタ35とは、互い違いとなるように液体供給路32の列に設けられている。これにより、カートリッジ装着部31には、液体供給路32の1つ置きにフィルタ35が設けられた2列のフィルタ列35A、35Cが設けられ、接合面36には、液体供給路32の1つ置きにフィルタ35が設けられた2列のフィルタ列35B、35Dが設けられている。したがって、供給部材30Aの表面にフィルタ35が設けられた液体供給路32を第1の液体供給路32Aとすると、接合面36にフィルタ35が設けられた液体供給路32が第2の液体供給路32Bとなり、これら第1の液体供給路32Aと第2の液体供給路32Bとが供給部材30の長手方向(基準方向X)に交互に配置されている。そして、これら第1の液体供給路32Aと第2の液体供給路32Bとが交互に配置された列が、基準方向Xと直交する方向Yに2列設けられている。
【0052】
言い換えると、供給部材30Aのカートリッジ装着部31に設けられたフィルタ列35A、35Cは、供給部材30Aの長手方向(基準方向)が同一位置となるように、幅方向に並列されている。また、供給部材30Aの接合面36に設けられたフィルタ列35B、35Dは、供給部材30Aの長手方向(基準方向)が同一位置となるように、幅方向に並列されている。
【0053】
このような構成では、例えば、供給部材の表面にフィルタ35を2列並設するのに比べて、供給部材30Aの長さLを短くすることができ、記録ヘッド11の小型化を図ることができる。ちなみに、供給部材30Aの幅Wは、例えば、供給部材の表面にフィルタ35を2列並設するのと同様の幅となる。
【0054】
また、図7に示すように、供給部材30Bの表面であるカートリッジ装着部31にフィルタ35が長手方向(基準方向X)に一列となるように並設されてフィルタ列35Eが設けられている。そして、供給部材30Bの接合面36に、カートリッジ装着部31に設けられたフィルタ列35Eと基準方向Xと直交する方向Y(供給部材の幅方向)にずらした位置にフィルタ35を長手方向に一列となるように並設されたフィルタ列35Fが設けられている。すなわち、カートリッジ装着部31のフィルタ列35Eと接合面36のフィルタ列35Fとは、供給部材30Bの幅方向にずらした位置に設けられている。
【0055】
したがって、供給部材30Bの表面にフィルタ35が設けられた液体供給路32を第1の液体供給路32Aとすると、接合面36にフィルタ35が設けられた液体供給路32が第2の液体供給路32Bとなり、第1の液体供給路32A及び第2の液体供給路32Bのそれぞれが基準方向Xに一列に設けられると共に、第1の液体供給路32Aの列と第2の液体供給路32Bの列とが基準方向Xに直交する方向Yに並列されていることになる。
【0056】
このようにフィルタ35を配置することで、供給部材の表面にフィルタ35を2列設けるのに比べて、供給部材の幅Wを短くすることができ、インクジェット式記録ヘッドの小型化を図ることができる。ちなみに、供給部材30Bの長さLは、例えば、供給部材の表面にフィルタ35を2列並設するのと同様の長さとなる。
【0057】
さらに、図8に示すように、供給部材30Cの表面であるカートリッジ装着部31にフィルタ列35Eを設け、フィルタ列35Eに対して基準方向Xにフィルタ35の間隔の半ピッチ分ずらした位置に接合面36にフィルタ列35Gを設けるようにしてもよい。すなわち、異なる面に設けられたフィルタ35が、千鳥状の配置となるようにしてもよい。
【0058】
言い換えると、供給部材30Cには、第1の液体供給路32Aと第2の液体供給路32Bとが基準方向Xと直交する方向Yに並列され、第1の液体供給路32Aと第2の液体供給路32Bとが、基準方向Xに向かってフィルタ35の間隔の半ピッチ分ずらして設けられている。
【0059】
このようにフィルタ35を配置することで、カートリッジ装着部31に設けられたフィルタ列35Eと、接合面36に設けられたフィルタ列35Gとの幅方向Yの間隔をさらに短くすることができる。したがって、供給部材30Cの幅Wは、上述した図7の供給部材30Bの幅Wに比べて短くすることができる。
【0060】
また、図9に示すように、供給部材30Dに、上述した実施形態1と同様の配置となるフィルタ35と、これとは逆となるようにカートリッジ装着部31と接合面36とに互い違いとなるように配置されたフィルタ35とを設けるようにしてもよい。
【0061】
すなわち、カートリッジ装着部31には、2列のフィルタ列35A、35Hが、供給部材30の長手方向(基準方向X)に互いに隣接するフィルタ35の間隔の半ピッチ分ずらした位置に配置されている。また、接合面36には、2列のフィルタ列35B、35Iが、供給部材30の長手方向(基準方向X)にカートリッジ装着部31とは逆に半ピッチ分ずらした位置に配置されている。これにより、図6〜図8に示す供給部材30A、30B、30Cに比べて、その長さL及び幅Wをさらに短くすることができる。ちなみに、供給部材30Dの長さLは、図3に示す供給部材30の長さLと同じ長さとなる。
【0062】
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、液体貯留手段であるインクカートリッジ13を供給部材30に着脱自在となるように設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、液体貯留手段として、インクタンク等を記録ヘッド11とは異なる位置に設け、液体貯留手段と記録ヘッド11とをチューブなどの供給管を介して接続するようにしてもよい。
【0063】
また、上述した実施形態1では、フィルタ35を第1の分割部材33及び第2の分割部材34のそれぞれの上流側の表面に設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、フィルタ35を第1の分割部材33及び第2の分割部材34のそれぞれの下流側の表面に設けるようにしてもよい。
【0064】
また、上述した実施形態1では、供給部材30〜30Dを第1の分割部材33と第2の分割部材34の2つの部材で構成し、供給部材30の表面のカートリッジ装着部31と、分割部材33、34の接合面36とにフィルタ35を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、供給部材30〜30Dのヘッド本体40側の表面にフィルタ35を設けるようにしてもよく、また、供給部材を3つ以上の分割部材で構成し、分割部材の表面と2つの接合面とのそれぞれにフィルタ35を設けるようにしてもよい。すなわち、フィルタ35は、3つ以上の複数面に設けるようにしてもよい。もちろん、供給部材を3つ以上の分割部材で構成し、分割部材の2つの接合面のみにフィルタ35を設けるようにしてもよい。
【0065】
さらに、上述した実施形態1では、供給部材30〜30Dに第1の液体供給針50Aと第2の液体供給針50Bとを個別に設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、第2の液体供給針50Aと第2の液体供給針50Bとが複数個一体的に設けられた液体供給針を設けるようにしてもよい。このように一体的に設けられた液体供給針を用いることで、液体供給針を供給部材30〜30Dに溶着するための溶着面積を減少させることができ、フィルタ35をさらに近接して設けたり、供給部材30〜30Dをさらに小型化することができる。
【0066】
また、上述した実施形態1の図3、図6〜図9では、最も近接するフィルタ35同士が、一部が重なり合うように配置されるようにしたが、カートリッジ装着部31と接合面36のフィルタ35の一部が重なり合っていなくてもよい。これは、表面(カートリッジ装着部31)には、液体供給針50を溶着する領域が必要であるため、この液体供給針50を溶着する領域が、接合面36のフィルタ35と重なり合っていてもよいからである。
【0067】
また、上述した実施形態1では、表面(カートリッジ装着部31)に設けられたフィルタ35と接合面36に設けられたフィルタ35とが一部重なるように配置したが、特にこれに限定されず、例えば、表面と接合面36とのフィルタ35が面方向で同一位置となるように配置してもよい。このようにフィルタ35を配置する場合には、例えば、各液体供給路32が他の液体供給路32のフィルタ35を避けるように、各液体供給路を屈曲や傾斜させて設けるようにすればよい。
【0068】
また、上述した実施形態1では、液体供給路32として、液体貯留手段側からヘッド本体40側に向かって最短距離となる直線状のものを例示したが、液体供給路32を傾斜させてもよく、また、屈曲や湾曲させてもよい。すなわち、最短距離とならない液体供給路32であっても、本発明は有効である。
【0069】
さらに、上述した実施形態1では、複数の液体供給路32に対して1つのヘッド本体40が設けられた構成を例示したが、インクの色毎に複数のヘッド本体を設けるようにしてもよい。このような場合には、各液体供給路32が、各ヘッド本体に連通する、すなわち、各液体供給路32が、各ヘッド本体に設けられたノズル開口が並設されたノズル列毎に連通するように設けられていてもよい。もちろん、液体供給路32は、ノズル列毎に連通しなくてもよく、1つの液体供給路32が複数のノズル列に連通していてもよく、また、1列のノズル列を2つに分け、それぞれに液体供給路32が連通していてもよい。すなわち、液体供給路32は、複数のノズル開口からなるノズル開口群に連通していればよい。
【0070】
また、上述の実施形態では、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド11を例示して本発明を説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態1に係る記録装置の概略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの概略斜視図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部断面図及び要部上面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る液体供給針の断面図である。
【図5】本発明に関連する記録ヘッドの断面図及び供給部材の上面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る供給部材の他の例を示す上面図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る供給部材の他の例を示す上面図である。
【図8】本発明の実施形態1に係る供給部材の他の例を示す上面図である。
【図9】本発明の実施形態1に係る供給部材の他の例を示す上面図である。
【符号の説明】
【0072】
10 インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 11 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 30、30A、30B、30C、30D、130 供給部材、 31 カートリッジ装着部(表面)、 32、32A、32B 液体供給路、 33 第1の分割部材、 34 第2の分割部材、 35 フィルタ、 36 接合面、 40 ヘッド本体、 50、50A、50B 液体供給針


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する液体貯留手段からの液体を噴射する複数のノズル開口を有するヘッド本体に、複数のノズル開口群毎に前記液体を供給する複数の液体供給路が設けられた供給部材を具備し、
前記供給部材が、前記貯留手段側から前記ヘッド本体側に向かって分割された少なくとも第1の分割部材と第2の分割部材とが接合されて構成されていると共に、前記液体供給路が、少なくとも前記第1の分割部材及び前記第2の分割部材に亘って設けられており、
前記液体供給路が、前記第1の分割部材の表面に当該液体供給路を横断する前記フィルタが設けられた第1の液体供給路と、第2の分割部材の表面に当該液体供給路を横断する前記フィルタが設けられた第2の液体供給路とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項2】
前記第1の分割部材の流路上流側の面に前記第1のフィルタが設けられており、前記第2の分割部材の流路上流側の面に前記第2のフィルタが設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
【請求項3】
前記第1の分割部材の流路下流側の面に前記第1のフィルタが設けられており、
前記第2の分割部材の流路下流側の面に前記第2のフィルタが設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
【請求項4】
前記液体供給路には、前記フィルタの前後に流路が広くなったフィルタ室が設けられており、前記第1の液体供給路のフィルタ室と前記第2の液体供給路のフィルタ室とは、略同一形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項5】
液体を貯留する液体貯留手段からの液体を噴射するノズル開口を有するヘッド本体に、前記液体を供給する複数の液体供給路が設けられた供給部材を具備し、
前記液体供給路は、当該液体供給路を横断する第1フィルタが設けられた第1の液体供給路と、当該液体供給路を横断する第2フィルタが設けられた第2の液体供給路とを具備し、前記第1の液体供給路の前記第1フィルタと、前記第2の液体供給路の前記第2フィルタとは、フィルタ面と交差する方向への射影は互いに少なくとも一部が重なるように設けられており、
前記第1の液体供給路には、前記第1フィルタの前後で当該第1の液体供給路が広がった第1フィルタ室が設けられており、
前記第2の液体供給路には、前記第2フィルタの前後で当該第2の液体供給路が広がり且つ前記第1フィルタ室と略同一形状である第2フィルタ室が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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