説明

液体噴射装置およびその制御方法

【課題】待機期間での液体の増粘を抑制する。
【解決手段】圧電素子422は、圧力室50内のインクの圧力を変化させてノズル56からインクを噴射させる。第1中間電位Vm1からの電位変動によりノズル56からインクを噴射させる噴射波形PDが噴射期間にて圧電素子422に供給され、第2中間電位Vm2からの電位変動によりノズル56内のインクの液面を微振動させる微振動波形QVが待機期間にて圧電素子422に供給される。第2中間電位Vm2は、圧電素子422に第1中間電位Vm1を供給した場合よりも圧力室50を膨張させる電位に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク等の液体を噴射する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電素子や発熱素子等の圧力発生素子により圧力室内の液体の圧力を変動させて液体をノズルから噴射する液体噴射装置が従来から提案されている(例えば特許文献1および特許文献2)。例えば図11に示すように、所定の中間電位VmAを基準として設定された噴射波形92を圧力発生素子に供給することで圧力室が膨張および収縮して液体がノズルから噴射される。圧力発生素子は、例えば供給電位が高いほど圧力室を膨張させるように動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−118107号公報
【特許文献2】特開2007−083737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液体噴射装置では、ノズル内の液体の増粘を防止するために、液体が噴射しない程度にノズル内の液面(メニスカス)を微振動させる微振動駆動が実行される。圧力室内の液体を記録紙等の着弾対象に噴射させる期間(以下「噴射期間」という)のほか、噴射期間以外の期間(以下「待機期間」という。例えば記録紙等の着弾対象にノズルが対向しない位置に液体噴射ヘッドを待機させる期間)においても微振動駆動は実行される。待機期間内での微振動駆動は、図11に示すように、中間電位VmBを基準として設定された微振動波形94を圧力発生素子に供給することで実現される。
【0005】
待機期間内の中間電位VmBは、例えば消費電力の低減の観点から、噴射期間内の中間電位VmAを下回る接地電位に維持される。この待機期間内では、圧力発生素子に中間電位VmBが供給されることで圧力室が収縮し、噴射期間にて中間電位VmAが供給された場合と比較してノズル内の液面がノズルの先端側(圧力室とは反対側)の位置に維持される。しかし、ノズル内の液面がノズルの先端側に位置するほど液体からの水分の蒸発量は増加するため、待機期間内でノズル内の液体が増粘し易いという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明は、待機期間での液体の増粘を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の液体噴射装置は、液体が充填された圧力室と、前記圧力室に連通するノズルと、前記圧力室内の液体の圧力を変動させて前記ノズルから前記液体を噴射させる圧力発生素子とを含む液体噴射ヘッドと、第1中間電位を基準とする電位変動により前記ノズルから前記液体を噴射させる噴射波形を前記圧力発生素子に供給する駆動手段とを具備し、前記駆動手段は、前記第1中間電位と同電位または前記圧力発生素子に前記第1中間電位を供給した場合よりも前記圧力室を膨張させる電位である第2中間電位を基準とする電位変動により前記ノズル内の液面を微振動させる待機間微振動波形を、前記液体を噴射することなく前記液体噴射ヘッドを待機させる待機期間において前記圧力発生素子に供給する。以上の構成では、待機期間内の第2中間電位が第1中間電位の供給時よりも圧力室を膨張させる電位に設定されるから、待機期間でのノズル内の液面の位置が引込側(圧力室側)に維持される。したがって、第1中間電位の供給時よりも圧力室を収縮させる電位を第2中間電位とした構成と比較して、待機期間での液体の増粘を抑制することが可能である。
【0007】
第1中間電位と第2中間電位との高低は、圧力発生素子に供給される電位の高低と圧力室の圧力の高低(膨張/収縮)との関係に依存する。すなわち、例えば供給電位が高いほど圧力発生素子が圧力室を膨張させる構成では第2中間電位が第1中間電位以上の電位(好適には第1中間電位よりも高い電位)に設定され、供給電位が高いほど圧力発生素子が圧力室を収縮させる構成では第2中間電位が第1中間電位以下の電位(好適には第1中間電位よりも低い電位)に設定される。また、着弾対象に対して前記液体噴射ヘッドを相対的に移動させる移動手段を具備する構成では、前記着弾対象に対して前記液体を噴射可能な領域の外側に前記液体噴射ヘッドが位置する期間が前記待機期間に相当する。
【0008】
本発明の好適な態様において、前記待機間微振動波形は、前記第2中間電位から第1電位まで変化して前記圧力室を収縮させる第1変動要素と、前記第1変動要素の後に設定されて前記第1電位を維持する第1維持要素と、前記第1維持要素の後に設定され、前記第1電位から前記第2中間電位まで変化して前記圧力室を膨張させる第2変動要素とを含む。以上の態様では、圧力室内の液体の圧力を加圧→減圧の順番で変化させる待機間微振動波形が利用されるから、圧力室内の液体の圧力を減圧→加圧の順番で変化させる待機間微振動波形を採用した場合と比較して待機期間でのノズル内の液面を引込側に維持することが可能である。
【0009】
本発明の好適な態様において、前記第1変動要素の始端から前記第2変動要素の始端までの時間長は、前記圧力室のヘルムホルツ共振周期TCに対してTC/4以上かつ3TC/4以下に設定される。以上の態様では、第1変動要素に起因した液面振動のうち液面が引込側に変位している期間内に第2変動要素の供給による液面の引込が開始される。したがって、液面がノズルの先端側に変位している期間内に第2変動要素を圧電素子に供給する構成と比較して、待機期間でのノズル内の液面を引込側に維持することが可能である。以上の効果は、第1変動要素の始端から前記第2変動要素の始端までの時間長をTC/4以上かつTC/2以下に設定した構成で格別に顕著となる。
【0010】
本発明の好適な態様において、前記駆動手段は、前記第1中間電位からの電位変動により前記ノズル内の液面を微振動させる噴射間微振動波形と前記噴射波形とを前記噴射期間にて選択的に前記圧力発生素子に供給し、前記噴射間微振動波形は、前記第1中間電位から第2電位まで変化して前記圧力室を膨張させる第3変動要素と、前記第3変動要素の後に設定されて前記第2電位を維持する第2維持要素と、前記第2維持要素の後に設定され、前記第2電位から前記第1中間電位まで変化して前記圧力室を収縮させる第4変動要素とを含む。以上の態様では、圧力室内の液体の圧力を減圧→加圧の順番で変化させる噴射間微振動波形が噴射期間にて利用されるから、液体の圧力を加圧→減圧の順番で変化させる噴射間微振動波形を採用した場合と比較して噴射波形の供給による液体の噴射特性(噴射量や噴射速度や噴射方向)の誤差を抑制できるという利点がある。
【0011】
本発明は、以上の各形態に係る液体噴射装置を制御する方法としても特定される。本発明に係る液体噴射装置の制御方法は、液体が充填された圧力室と、前記圧力室に連通するノズルと、前記圧力室内の液体の圧力を変動させて前記ノズルから前記液体を噴射させる圧力発生素子とを具備する液体噴射装置の制御方法であって、第1中間電位からの電位変動により前記ノズルから前記液体を噴射させる噴射波形を噴射期間にて前記圧力発生素子に供給する一方、第2中間電位からの電位変動により前記ノズル内の液面を微振動させる待機間微振動波形を待機期間にて前記圧力発生素子に供給し、前記第2中間電位は、前記第1中間電位と同電位、または、前記圧力発生素子に前記第1中間電位を供給した場合よりも前記圧力室を膨張させる電位に設定される。以上の制御方法でも、本発明の液体噴射装置と同様の作用および効果が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る印刷装置の部分的な構成図である。
【図2】記録ヘッドのブロック図である。
【図3】記録ヘッドの噴射部の断面図である。
【図4】印刷装置の電気的な構成のブロック図である。
【図5】駆動信号の波形図である。
【図6】ノズル内のインクの液面の説明図である。
【図7】吐出面からインクの液面までの距離とインクの水分蒸発量との関係を示すグラフである。
【図8】構成Aにおける待機期間内の微振動波形の波形図である。
【図9】ノズル内の液面位置の時間変化を示すグラフである。
【図10】第2実施形態における待機期間内の微振動波形の説明図である。
【図11】比較例における噴射波形および微振動波形の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット方式の印刷装置100の部分的な模式図である。印刷装置100は、記録紙200にインクの液滴を噴射する液体噴射装置であり、キャリッジ12と移動機構14と用紙搬送機構16とを具備する。
【0014】
キャリッジ12には、インクカートリッジ22と記録ヘッド24とが搭載される。インクカートリッジ22は、記録紙200に噴射されるインク(液体)を貯留する容器である。記録ヘッド24は、インクカートリッジ22から供給されるインクを記録紙200に噴射する液体噴射ヘッドとして機能する。なお、印刷装置100の筐体(図示略)にインクカートリッジ22を固定して記録ヘッド24にインクを供給する構成(オフキャリッジ方式)も採用され得る。
【0015】
移動機構14は、X方向(主走査方向)にキャリッジ12を往復させる。キャリッジ12の位置は、リニアエンコーダー等の検出器(図示略)で検出されて移動機構14の制御に利用される。用紙搬送機構16は、キャリッジ12の往復に並行して記録紙200をY方向(副走査方向)に搬送する。キャリッジ12の往復時に記録ヘッド24が記録紙200にインクを噴射することで所望の画像が記録紙200に記録される。
【0016】
図2は、記録ヘッド24の電気的な構成のブロック図である。図2に示すように、記録ヘッド24は、噴射部32と駆動部34とを具備する。噴射部32は、記録紙200にインクを噴射する部分であり、図3に示すように振動ユニット42と収容体44と流路ユニット46とを含む。駆動部34は、噴射部32の圧電素子422を駆動する回路であり、例えばICチップの形態で記録ヘッド24に実装される。
【0017】
図3は、噴射部32の断面図である。図3に示すように、噴射部32の振動ユニット42は、圧電素子422とケーブル424と固定板426と含む。圧電素子422は、圧電材料と電極とが交互に積層された縦振動型の圧電振動子であり、ケーブル424を介して供給される駆動信号に応じて振動する。図2に示すように噴射部32は複数の圧電素子422を含む。圧電素子422を固定した固定板426が収容体44の内壁面に接合された状態で振動ユニット42は収容体44に収容される。
【0018】
図3の流路ユニット46は、流路形成板466の一方の面に基板462を接合し、他方の面に基板464を接合した構造体である。基板462は、例えばステンレスやシリコンで作製されたプレートにノズルを形成したノズル形成基板であり、基板464とは反対側の表面(以下「吐出面」という)26が記録紙200に対向する。流路形成板466は、圧力室50と供給路52と共通液体室(リザーバー)54とを含む空間を基板462と基板464との間に形成する。圧力室50は、振動ユニット42毎に隔壁で個別に区画されるとともに供給路52を介して共通液体室54に連通する。インクカートリッジ22から供給されるインクは共通液体室54に貯留される。
【0019】
基板462には、圧力室50毎にノズル(吐出口)56が形成される。各ノズル56は、圧力室50に連通する貫通孔である。以上の説明から理解されるように、共通液体室54から供給路52と圧力室50とノズル56とを経由して外部に至るインクの流路が形成される。図3に拡大して示すように、各ノズル56は、圧力室50に近い位置ほど大径となるテーパー状の第1部分561と、第1部分561のノズル先端側(噴射側)の開口に連通する直管状の第2部分562とを含む。
【0020】
基板464は、弾性材料で形成された平板材である。基板464のうち圧力室50の反対側の領域には圧力室50毎に島部48が形成され、島部48には圧電素子422の先端面(自由端)が接合される。基板464のうち平面視で圧力室50に重なる部分と島部48とが、圧電素子422の駆動により変形して振動する振動板58として機能する。したがって、駆動信号の供給により圧電素子422が振動すると、振動板58が変位することで圧力室50が膨張または収縮して圧力室50内のインクの圧力が変動する。第1実施形態では、圧電素子422に対する供給電位が高いほど圧電素子422が圧力室50を膨張させる(圧力室50内のインクを減圧する)場合を例示する。
【0021】
以上の構成では、圧力室50内のインクをノズル56から噴射させる動作(以下「噴射駆動」という)または圧力室50内のインクが噴射されない程度にノズル56内のインクの液面(メニスカス)を揺動させる動作(以下「微振動駆動」という)を圧電素子422に実行させることが可能である。
【0022】
図4は、印刷装置100の電気的な構成のブロック図である。図4に示すように、印刷装置100は、制御装置102と印刷処理部(プリントエンジン)104とを具備する。制御装置102は、印刷処理部104を制御する要素であり、制御部60と記憶部62と駆動信号生成部64と外部I/F(interface)66と内部I/F68とを含む。記録紙200に印刷される画像を示す印刷データDPが外部装置300(例えばホストコンピューター)から外部I/F66に供給され、内部I/F68には印刷処理部104が接続される。印刷処理部104は、制御装置102による制御のもとで記録紙200に画像を記録する要素であり、前述の記録ヘッド24と移動機構14と用紙搬送機構16とを含む。
【0023】
印刷装置100の動作期間は、噴射期間(印字期間)と待機期間とに区分される。噴射期間は、記録紙200に対して各ノズル56からインクを噴射する期間、すなわち、記録紙200に対して実際に印刷が実行される期間である。他方、待機期間は、印刷データDPに応じた噴射駆動が停止(待機)される期間であり、相前後する噴射期間の合間に設定される。例えば、記録ヘッド24が往復の両端の位置(記録ヘッド24の各ノズル56が記録紙200に対向しない待避位置)にある期間や、各ノズル56からのインクの噴射を停止させて記録紙200を搬送する期間が待機期間に相当する。なお、印刷データDPとは無関係に圧力室50内のインクを噴射させるフラッシング動作を待機期間にて実行することも可能である。
【0024】
駆動信号生成部64は、図5に例示する駆動信号COMを生成する。駆動信号COMは、噴射期間内では所定の第1中間電位Vm1を基準として電位が変動し、待機期間内では所定の第2中間電位Vm2を基準として電位が変動する電圧信号である。図5に示すように、噴射期間では駆動信号COMの1周期の期間(以下「印字周期」という)TP毎に噴射波形PDと微振動波形PVとが配置され、待機期間では印字周期TP毎に微振動波形QVが配置される。噴射波形PDは、圧電素子422に対する供給で噴射駆動を実行させる波形であり、微振動波形PVおよび微振動波形QVの各々は、圧電素子422に対する供給で微振動駆動を実行させる波形である。微振動駆動ではノズル56内の液体を揺動させることによってノズル56内の液面のインクの増粘を低減する。なお、印字周期TPの時間長を噴射期間と待機期間とで相違させてもよい。
【0025】
図5に示すように、噴射波形PDは、始端および終端にて第1中間電位Vm1に設定され、変動要素ED1と維持要素ED2と変動要素ED3と維持要素ED4と変動要素ED5とをこの順番で連結した波形である。変動要素ED1は、第1中間電位Vm1から高位側の電位VHまで電位が変化して圧力室50を膨張させる区間であり、維持要素ED2は、変動要素ED1の終端の電位VHを維持する。変動要素ED3は、維持要素ED2の終端の電位VHから第1中間電位Vm1を跨いで低位側の電位VL(例えば接地電位)まで電位が変化して圧力室50を収縮させる区間であり、維持要素ED4は、変動要素ED3の終端の電位VLを維持する。変動要素ED5は、維持要素ED4の終端の電位VLから第1中間電位Vm1まで電位が変化する区間である。したがって、圧電素子422に噴射波形PDを供給した場合、圧力室50内のインクの圧力は減圧→加圧→減圧の順番で変化する。
【0026】
噴射期間内の微振動波形(噴射間微振動波形)PVは、噴射波形PDと同様に始端および終端にて第1中間電位Vm1に設定され、変動要素EV1と維持要素EV2と変動要素EV3とをこの順番で連結した波形である。変動要素EV1は、第1中間電位Vm1から高位側の電位VAまで電位が変化して圧力室50を膨張させる区間であり、維持要素EV2は、変動要素EV1の終端の電位VAを維持する。電位VAは、第1中間電位Vm1と電位VHとの間の電位に設定される。変動要素EV3は、維持要素EV2の終端の電位VAから第1中間電位Vm1まで電位が変化する区間である。したがって、圧電素子422に微振動波形PVを供給した場合、圧力室50内のインクの圧力は減圧→加圧の順番で変化する
【0027】
待機期間内の微振動波形(待機間微振動波形)QVは、始端および終端にて第2中間電位Vm2に設定され、変動要素GV1と維持要素GV2と変動要素GV3とをこの順番で連結した波形である。ここで、微振動波形PVと微振動波形QVとは中間電位に対して反転した形状の波形となる。すなわち、微振動波形QVの変動要素GV1は、第2中間電位Vm2から低位側の電位VBまで電位が変化して圧力室50を収縮させる区間であり、維持要素GV2は、変動要素GV1の終端の電位VBを維持する。電位VBは、第2中間電位Vm2と噴射波形PDの電位VLとの間の電位に設定される。変動要素GV3は、維持要素GV2の終端の電位VBから第2中間電位Vm2まで電位が変化する区間である。したがって、圧電素子422に微振動波形QVを供給した場合、圧力室50内のインクの圧力は加圧→減圧の順番で変化する。
【0028】
図4の記憶部62は、制御プログラム等を記憶するROMと、画像の印刷に必要な各種のデータを一時的に記憶するRAMとを含む。制御部60は、記憶部62に記憶された制御プログラムの実行で印刷処理部104を統括的に制御する。例えば、制御部60は、各圧電素子422の制御内容(噴射駆動/微振動駆動)を印字周期TP毎に指示する制御データDCを生成する。具体的には、制御部60は、噴射期間では印刷データDPに応じて噴射駆動または微振動駆動(非噴射)を選択的に指示する制御データDCを生成し、待機期間では微振動駆動を指示する制御データDCを所定の回数にわたって反復的に生成する。
【0029】
図2に示すように、記録ヘッド24の駆動部34は、相異なる圧電素子422に対応する複数(典型的には圧電素子422と同数)の駆動回路36を具備する。駆動信号生成部64が生成した駆動信号COMと制御部60が生成した制御データDCとは、内部I/F68を介して各駆動回路36に供給される。各駆動回路36は、圧電素子422に対する駆動信号COMの供給/遮断を制御データDCに応じて制御する。すなわち、駆動信号COMのうち制御データDCに応じた区間が圧電素子422に供給される。
【0030】
噴射期間において、駆動回路36は、制御データDCが噴射駆動を示す場合に駆動信号COMの噴射波形PDを圧電素子422に供給し、制御データDCが微振動駆動を示す場合に駆動信号COMの微振動波形PVを圧電素子422に供給する。したがって、噴射期間では、微振動駆動によりインクの増粘を随時に低減しながら印刷データDPに応じた画像が記録紙200に形成される。他方、待機期間では、微振動駆動を示す制御データDCの供給により、駆動回路36は駆動信号COMの微振動波形QVを圧電素子422に対して順次に供給する。したがって、待機期間でもノズル56内のインクの増粘が低減される。
【0031】
図6は、ノズル56内のインクの液面を示す模式図である。圧電素子422に第1中間電位Vm1を供給した場合の液面の位置が基準位置Hrefとして図6には図示されている。噴射期間のうち噴射波形PDまたは微振動波形PVが供給される期間以外では、圧電素子422に対する供給電位が第1中間電位Vm1に保持されるから、ノズル56内の液面は基準位置Hrefに維持される。
【0032】
図5に示すように、待機期間での第2中間電位Vm2は噴射期間内の第1中間電位Vm1を上回る。すなわち、第2中間電位Vm2は、圧電素子422に第1中間電位Vm1を供給した場合と比較して圧力室50を膨張させる高位側の電位に設定される。待機期間のうち微振動波形QVが供給される期間以外では、圧電素子422に対する供給電位が第2中間電位Vm2に保持されるから、ノズル56内の液面は、図6に示すように、基準位置Hrefよりも引込側(圧力室50側)の位置Hxに維持される。
【0033】
図6には、第2中間電位Vm2を第1中間電位Vm1よりも低い電位に設定した構成において第2中間電位Vm2を圧電素子422に供給した場合のノズル56内の液面の位置Hyが比較例として図示されている。圧電素子422に対する供給電位が低いほど圧力室50は収縮するから、比較例における液面の位置Hyは、基準位置Hrefよりもノズル56の先端側(圧力室50とは反対側)に位置する。
【0034】
図7は、記録ヘッド24の吐出面26からノズル56内のインクの液面までの距離yとノズル56内のインクの水分蒸発量との関係を示すグラフである。図7に示すように、吐出面26から液面までの距離yとインクの水分蒸発量(増粘の度合)とは相互に反比例する。すなわち、距離yが小さい(液面がノズル56の先端側に位置する)ほどノズル56内のインクの増粘が進行する。第1実施形態では、図6を参照して前述した通り、待機期間におけるノズル56内の液面の位置Hxが基準位置Hrefよりも引込側に位置する(吐出面26からの距離yが大きい)から、液面の位置Hyが基準位置Hrefよりもノズル56の先端側に位置する比較例と比較して、待機期間でのインクの増粘を抑制することが可能である。
【0035】
ところで、待機期間内で第2中間電位Vm2からの電位変動により圧電素子422に微振動駆動を実行させる構成としては、図5の微振動波形QVの代わりに図8の微振動波形QVを待機期間にて圧電素子422に供給する構成(以下「構成A」という)も採用され得る。図8の微振動波形QVは、第2中間電位Vm2から高位側(圧力室50を膨張させる方向)に電位が変化する変動要素GV1と、変動要素GV1の終端の電位を維持する維持要素GV2と、維持要素GV2の終端の電位から第2中間電位Vm2まで電位が変化する変動要素GV3とを連結した波形である。すなわち、圧電素子422に図8の微振動波形QVを供給した場合、圧力室50内のインクの圧力は減圧→加圧の順番で変化する。
【0036】
図9は、ノズル56内の液面の位置の時間変化を、図5の微振動波形QVを供給した場合(実線)と図8の微振動波形QVを供給した場合(破線)との各々について併記したグラフである。図9では、第2中間電位Vm2を圧電素子422に供給した場合の液面の位置を基準(ゼロ)として正数の範囲がノズル56の先端側を意味し、負数の範囲が引込側を意味する。時間軸上の原点は、微振動波形QVの始端(第2中間電位Vm2から電位が変化し始める時点)に相当する。
【0037】
構成Aの微振動波形QVを圧電素子422に供給した場合、変動要素GV1による減圧の反動で圧力室50内のインクの圧力が増加している途中(すなわち液面がノズル56の先端側に変位している途中)で変動要素GV3によりインクが更に加圧される。したがって、図9から把握される通り、微振動波形QVの供給後における液面の平均的な位置は、圧電素子422に第2中間電位Vm2を供給した場合の液面(基準)と比較してノズル56の先端側の位置となる。
【0038】
他方、図5の微振動波形QVを圧電素子422に供給した場合、変動要素GV1による加圧の反動で圧力室50内のインクの圧力が減少している途中(すなわち液面が引込側に変位している途中)で変動要素GV3によりインクが更に減圧される。したがって、図9から把握される通り、微振動波形QVの供給後における液面の平均的な位置は、圧電素子422に第2中間電位Vm2を供給した場合の液面(基準)と比較して引込側の位置となる。前述のようにノズル56内の液面が引込側に位置するほどインクの増粘は抑制されるから、待機期間でのインクの増粘を有効に抑制するという観点からは、図5に例示した第1実施形態の微振動波形QVのほうが構成Aの微振動波形QVよりも有利である。
【0039】
なお、以上の例示では、噴射期間の微振動波形PVを減圧→加圧の波形としたが、微振動波形PVを加圧→減圧の波形とすることも可能である。ただし、加圧→減圧の微振動波形PVを噴射期間にて圧電素子422に供給した場合、圧力室50内のインクの微振動が長期間にわたって残留し、噴射波形PDの供給によるインクの噴射特性(噴射量,噴射速度,噴射方向)に誤差が発生する可能性がある。したがって、インクの噴射特性の誤差を抑制するという観点からは、待機期間内の微振動波形QV(加圧→減圧)とは反対に減圧→加圧の順番でインクの圧力を変化させる微振動波形PVを噴射期間にて圧電素子422に供給する構成が好適である。
【0040】
<B:第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0041】
図10は、微振動波形QVの変動要素GV1を圧電素子422に供給した場合のノズル56内の液面の位置の時間変化を示すグラフである。図10では図9と同様に、第2中間電位Vm2を圧電素子422に供給した状態での液面の位置が基準(ゼロ)に相当し、時間軸上の原点t0は、変動要素GV1の始端を意味する。
【0042】
図10に示すように、圧電素子422に変動要素GV1を供給して圧力室50を収縮させるとノズル56内の液面はノズル56の先端側に変位し、変動要素GV1の終端の経過後には周期的な液面振動Zが残留する。他方、微振動波形QVの変動要素GV3は、ノズル56内の液面を引込側に変位させる(圧力室50を膨張させる)ように作用する。第2実施形態では、変動要素GV1に起因した液面振動Zのうち液面が引込側に変位している期間内にて変動要素GV3の供給による液面の引込が発生するように、微振動波形QVにおける変動要素GV1の始端から変動要素GV3の始端までの時間長Tが選定される。時間長Tの条件を以下に詳述する。
【0043】
変動要素GV1に起因した液面振動Zは周期TCの減衰振動で近似される。周期TCは、圧力室50内でのヘルムホルツ共振による固有振動周期(記録ヘッド24やインク等を含んだ振動系全体の固有周期)に相当する。図10から理解されるように、液面振動Zにて液面が引込側に変位するのは、変動要素GV1の始端t0から時間長TC/4が経過した時点t1と、変動要素GV1の始端から時間長3TC/4が経過した時点t3との間の期間R1である。したがって、変動要素GV3の始端が期間R1の内側に位置するように、微振動波形QVにおける変動要素GV1の始端から変動要素GV3の始端までの時間長Tは、ヘルムホルツ共振周期TCに対してTC/4以上かつ3TC/4以下に設定される。
【0044】
液面を引込側に有効に変位させるという観点からは、期間R1のうちノズル56内の液面が引込側に変位する速度が増加している図10の期間R2内にて変動要素GV3の供給による液面の引込を開始することが望ましい。期間R2は、変動要素GV1の始端t0から時間長TC/4が経過した時点t1と、変動要素GV1の始端から時間長TC/2が経過した時点t2との間の期間である。したがって、微振動波形QVにおける変動要素GV1の始端から変動要素GV3の始端までの時間長TをTC/4以上かつTC/2以下に設定した構成が格別に好適である。
【0045】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、変動要素GV1に起因した液面振動Zにおいて液面が引込側に変位している期間(R1,R2)内に変動要素GV3の供給による液面の引込が開始されるから、変動要素GV1に起因した液面の引込と変動要素GV3による液面の引込とが複合される。したがって、例えば液面振動Zにおいて液面がノズル56の先端側に変位している途中で変動要素GV3による液面の引込を開始する構成と比較して、待機期間におけるノズル56内のインクの液面を引込側に維持することが可能である。以上の構成によれば、ノズル56内のインクの水分蒸発(ひいてはインクの増粘)を有効に低減できるという利点がある。
【0046】
<C:変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
【0047】
(1)駆動信号COMの波形は任意であり、印字周期TP内の各波形の総数や形状は適宜に変更される。例えば、噴射期間の各印字周期TP内に複数の噴射波形PDまたは複数の微振動波形PVを配置した構成や、待機期間の各印字周期TP内に複数の微振動波形QVを配置した構成が採用される。また、微振動波形PVや微振動波形QVは台形状の波形に限定されず、例えば前述の各形態で例示した噴射波形PDと同様の波形(ただしノズル56からインクが噴射されないように電位範囲や勾配が選定される)としてもよい。
【0048】
(2)前述の各形態では、第2中間電位Vm2が第1中間電位Vm1を上回る構成を例示したが、第2中間電位Vm2を第1中間電位Vm1と同電位に設定することも可能である。第2中間電位Vm2と第1中間電位Vm1とが相等しい構成でも、待機期間での第2中間電位Vm2が第1中間電位Vm1を下回る比較例の構成(すなわち待機期間にてノズル56内の液面が図6の位置Hyに維持される構成)と比較すれば液面は引込側の位置Hrefに維持されるから、比較例と比較して待機期間でのインクの増粘を低減するという所期の効果は確かに実現される。
【0049】
(3)前述の各形態では、圧電素子422に供給される電位が高いほど圧力室50が膨張する構成を例示したが、圧電素子422に供給される電位が高いほど圧力室50が収縮する構成(以下「構成B」という)も採用され得る。構成Bでは、待機期間内の第2中間電位Vm2を第1中間電位Vm1よりも低い電位(すなわち第1中間電位Vm1と比較して圧力室50を膨張させる電位)に設定することで、第1実施形態と同様に、待機期間でのノズル56内の液面が基準位置Hrefよりも引込側の位置Hxに維持される。
【0050】
以上の説明から理解されるように、第2中間電位Vm2は、第1中間電位Vm1と同電位、または、圧電素子422に第1中間電位Vm1が供給された場合よりも圧力室50を膨張させる電位として包括される。すなわち、供給電位が高いほど圧電素子422が圧力室50を膨張させる構成(例えば第1実施形態や第2実施形態)では第2中間電位Vm2が第1中間電位Vm1以上の電位(更に好適には第1中間電位Vm1を上回る電位)に設定され、供給電位が高いほど圧電素子422が圧力室50を収縮させる構成(例えば構成B)では第2中間電位Vm2が第1中間電位Vm1以下の電位(更に好適には第1中間電位Vm1を下回る電位)に設定される。
【0051】
(4)前述の各形態では、噴射波形PDと微振動波形PVと微振動波形QVとを1系統の駆動信号COMに配置したが、各波形を複数系統の駆動信号に配置することも可能である。例えば、噴射波形PDおよび微振動波形PVを含む駆動信号と微振動波形QVを含む駆動信号とを駆動信号生成部64が別個に生成する構成が採用される。
【0052】
(5)以上の各形態では、記録ヘッド24を搭載したキャリッジ12を移動させるシリアル型の印刷装置100を例示したが、記録紙200の幅方向の全域に対向するように複数のノズル56が配列されたライン型の印刷装置100にも本発明を適用することが可能である。ライン型の印刷装置100では記録ヘッド24が固定され、記録紙200を搬送させながら各ノズル56からインクの液滴を噴射することで記録紙200に画像が記録される。以上の説明から理解されるように、記録ヘッド24自体の可動/固定は本発明において不問である。
【0053】
(6)圧力室50内のインクの圧力を変化させる要素(圧力発生素子)の構成は以上の例示に限定されない。例えば、静電アクチュエーター等の振動体を利用することも可能である。また、本発明の圧力発生素子は、圧力室50に機械的な振動を付与する要素に限定されない。例えば、圧力室50の加熱で気泡を発生させて圧力室50内のインクの圧力を変化させる発熱素子(ヒーター)を圧力発生素子として利用することも可能である。すなわち、本発明の圧力発生素子は、圧力室50内のインクの圧力を変化させる要素として包括され、圧力を変化させる方法(ピエゾ方式/サーマル方式)や構成の如何は不問である。
【0054】
(7)以上の各形態の印刷装置100は、プロッターやファクシミリ装置,コピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体噴射装置の用途は画像の印刷に限定されない。例えば、各色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、液体状の導電材料を噴射する液体噴射装置は、例えば有機EL(Electroluminescence)表示装置や電界放出表示装置(FED:Field Emission Display)等の表示装置の電極を形成する電極製造装置として利用される。また、生体有機物の溶液を噴射する液体噴射装置は、生物化学素子(バイオチップ)を製造するチップ製造装置として利用される。そして、液体の噴射の目標となる物体(着弾対象)は液体噴射装置の用途に応じて相違する。例えば、前述の印刷装置100の着弾対象は記録紙200であるが、液体噴射装置を表示装置の製造に使用する場合には、例えば表示装置を構成する基板が着弾対象に相当する。
【符号の説明】
【0055】
100……印刷装置、12……キャリッジ、14……移動機構、16……用紙搬送機構、22……インクカートリッジ、24……記録ヘッド、26……吐出面、32……噴射部、34……駆動部、36……駆動回路、422……圧電素子、50……圧力室、56……ノズル、102……制御装置、104……印刷処理部、60……制御部、62……記憶部、64……駆動信号生成部、66……外部I/F、68……内部I/F、200……記録紙、300……外部装置、COM……駆動信号、PD……噴射波形、PV,QV……微振動波形。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が充填された圧力室と、前記圧力室に連通するノズルと、前記圧力室内の液体の圧力を変動させて前記ノズルから前記液体を噴射させる圧力発生素子とを含む液体噴射ヘッドと、
第1中間電位を基準とする電位変動により前記ノズルから前記液体を噴射させる噴射波形を前記圧力発生素子に供給する駆動手段とを具備し、
前記駆動手段は、前記第1中間電位と同電位または前記圧力発生素子に前記第1中間電位を供給した場合よりも前記圧力室を膨張させる電位である第2中間電位を基準とする電位変動により前記ノズル内の液面を微振動させる待機間微振動波形を、前記液体を噴射することなく前記液体噴射ヘッドを待機させる待機期間において前記圧力発生素子に供給する
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
着弾対象に対して前記液体噴射ヘッドを相対的に移動させる移動手段を具備し、
前記待機期間は、前記着弾対象に対して前記液体を噴射可能な領域の外側に前記液体噴射ヘッドが位置する期間である
ことを特徴とする請求項1の液体噴射装置。
【請求項3】
前記待機間微振動波形は、
前記第2中間電位から第1電位まで変化して前記圧力室を収縮させる第1変動要素と、
前記第1変動要素の後に設定されて前記第1電位を維持する第1維持要素と、
前記第1維持要素の後に設定され、前記第1電位から前記第2中間電位まで変化して前記圧力室を膨張させる第2変動要素とを含む
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記第1変動要素の始端から前記第2変動要素の始端までの時間長は、前記圧力室のヘルムホルツ共振周期TCに対してTC/4以上かつ3TC/4以下に設定される
ことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記第1変動要素の始端から前記第2変動要素の始端までの時間長は、前記圧力室のヘルムホルツ共振周期TCに対してTC/4以上かつTC/2以下に設定される
ことを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記駆動手段は、前記第1中間電位からの電位変動により前記ノズル内の液面を微振動させる噴射間微振動波形と前記噴射波形とを前記噴射期間にて選択的に前記圧力発生素子に供給し、
前記噴射間微振動波形は、
前記第1中間電位から第2電位まで変化して前記圧力室を膨張させる第3変動要素と、
前記第3変動要素の後に設定されて前記第2電位を維持する第2維持要素と、
前記第2維持要素の後に設定され、前記第2電位から前記第1中間電位まで変化して前記圧力室を収縮させる第4変動要素とを含む
ことを特徴とする請求項3から請求項5の何れかに記載の液体噴射装置。
【請求項7】
液体が充填された圧力室と、前記圧力室に連通するノズルと、前記圧力室内の液体の圧力を変動させて前記ノズルから前記液体を噴射させる圧力発生素子とを具備する液体噴射装置の制御方法であって、
第1中間電位からの電位変動により前記ノズルから前記液体を噴射させる噴射波形を噴射期間にて前記圧力発生素子に供給する一方、第2中間電位からの電位変動により前記ノズル内の液面を微振動させる待機間微振動波形を待機期間にて前記圧力発生素子に供給し、
前記第2中間電位は、前記第1中間電位と同電位、または、前記圧力発生素子に前記第1中間電位を供給した場合よりも前記圧力室を膨張させる電位に設定される
ことを特徴とする液体噴射装置の制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−218382(P2012−218382A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88916(P2011−88916)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】