説明

液体噴射装置

【課題】インクの溶剤成分が捕集され、不快感の原因となる臭気を取り除くことが可能な液体噴射装置を提供する。
【解決手段】本発明の液体噴射装置は、記録媒体Sを搬送する記録媒体搬送手段と、前記記録媒体搬送手段によって搬送される前記記録媒体Sを載置すると共に、活性炭と吸収材を含む消臭領域21を有するプラテン19と、前記プラテン19と対向配置されると共に、前記記録媒体S及び前記プラテン19にソルベントインクを噴射するノズルを有するヘッドユニット150と、前記記録媒体に対して前記ヘッドユニット150を相対的に走査させるキャリッジ14と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成のためにソルベントインクが用いられる液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体をターゲットに噴射する液体噴射装置には、インクを記録媒体に噴射して印刷を施すインクジェット式記録装置が知られている。インクジェット式記録装置に用いられるインクの色材は、インクの溶媒に溶解する染料と、溶媒に分散する顔料に大別される。従来インクジェット記録には、発色性がよく、長期の保存安定性に優れる染料を用いた染料インクを用いることが多かったが、近年顔料の分散安定性を高める技術が向上したため、顔料を用いた顔料インクによるインクジェット記録も広く行われるようになっている。
【0003】
記録媒体上に記録された色材の耐候性は、分子として存在するためその大きさの小さい染料では光、温度、湿度等の周辺環境による影響を受け易く、顔料は受け難い。これは、周囲環境により染料分子の一部が変化すると、退色、変色、剥がれ等となって表れるためである。染料に対し、粒子として存在するため大きさが大きな顔料では、周囲環境により一部が変化しても、特性の変化が表れ難い。そのため、サイン・広告ポスター等の周囲環境の厳しい屋外への掲示物には、耐候性に優れた顔料インクを用いた記録を用いることが多い。
【0004】
屋外への掲示用記録には記録の耐候性のみならず、記録媒体の耐候性も要求されるため、記録媒体として、耐候性に優れるプラスチック製フィルム等のメディアが用いられる。プラスチック製のメディアは、インクを吸収しないため、インクジェット記録で記録を行うことが難しく、特殊なインクを用いて記録を行うことが多い。すなわち、インクを吸収しない記録媒体へ記録するために、有機溶剤に顔料を分散させたソルベントインクを用いての記録が行われる。ソルベントインクは用いた液体噴射装置としては、例えば、特許文献1(特開2010−167724号公報)に開示されている。
【特許文献1】特開2010−167724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ソルベントインクを用いた液体噴射装置は、プラスチック製フィルム等の記録媒体に対する定着性がよく、優れた画像を得られるが、臭気が強く、装置のオペレーターが不快に感じることがあった。
【0006】
液体噴射装置で縁無し印刷を行う場合には、プラテン部にインクを打ち捨てるようにしてこれを行うが、ソルベントインクを用いて縁無し印刷を行うと、プラテン部に打ち捨てられたソルベントインクが、装置内に残ってしまい、印刷終了後にも臭気が残ってしまい、いっそうの不快感の原因になる、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためのもので、本発明に係る液体噴射装置は、記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、前記記録媒体搬送手段によって搬送される前記記録媒体を載置すると共に、活性炭と吸収材を含む消臭領域を有するプラテンと、前記プラテンと対向配置されると共に、前記記録媒体及び前記プラテンにソルベントインクを噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、前記記録媒体に対して前記液体噴射ヘッドを相対的に走査させる走査手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る液体噴射装置は、前記消臭領域では前記活性炭と前記吸収材とが交互に積層されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る液体噴射装置は、前記消臭領域では前記吸収材中に前記活性炭が分散されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る液体噴射装置は、前記液体噴射ヘッドによってソルベントインクが噴射される領域に、前記消臭領域が設けられることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る液体噴射装置は、前記記録媒体搬送手段が、前記記録媒体が搬送される方向と垂直な方向で長さが異なる前記記録媒体を搬送すると共に、異なる長さの前記記録媒体に対応した前記消臭領域が設けられることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る液体噴射装置は、前記液体噴射ヘッドには前記消臭領域を洗浄する洗浄液を噴射するノズルが設けられることを特徴とする。
【0013】
本発明の液体噴射装置は、活性炭と吸収材を含む消臭領域を有するプラテンが設けられているので、本発明の液体噴射装置によれば、プラテンにソルベントインクが打ち捨てられる縁無し印刷が実行されても、前記消臭領域に含まれる活性炭にソルベントインクの溶剤成分が捕集されるので、不快感の原因となる臭気を取り除くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る液体噴射装置の一例であるプリンター10の概要を示す図である。
【図2】プリンター10の全体構成のブロック図である。
【図3】記録媒体Sにソルベントインクが噴射されるプラテン19周辺の構成を模式的に示す図である。
【図4】本実施形態に係る液体噴射装置であるプリンター10に設けられる消臭領域21の構成を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る液体噴射装置のプラテン19周辺の構成を模式的に示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るプリンター10のキャリッジ14に搭載されるヘッドユニット150及び洗浄液噴射ノズル列160を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る液体噴射装置が用いられたプリンター10の概要を示す図であり、シリアルヘッド方式のインクジェット記録装置である。また、図3はプリンター10の全体構成のブロック図である。また、図3は記録媒体Sにソルベントインクが噴射されるプラテン19周辺の構成を模式的に示す図である。図3は、キャリッジ14の移動方向である主走査方向に対して、垂直な方向である副走査方向からプラテン19周辺をみた図である。
【0016】
プリンター10は、図1に示すように、棒状のガイドレール12を有しており、このガイドレール12には、キャリッジ14が移動可能に支持されている。キャリッジ14は、キャリッジ駆動ユニット140(図3参照)によって主走査方向(第1の方向)をガイドレール12に沿って往復移動するようになっている。
【0017】
キャリッジ14の中央部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の色インク(液体)を記録媒体Sに噴射するノズルを形成してなるヘッドユニット150が搭載されている。これらイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(
C)、ブラック(K)の各色インクは、主として画像記録用インクとして、上位装置であるコンピューター1等から受信した画像データに基づいた所定画像の描画のために用いられる。なお、以下において、イエローやイエローインクのこと「Y」などと略記することがある。また、本実施形態においては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクを用いる例について説明しているが、ヘッドユニット150で扱い得る色種、色数はこれに限定されるものではない。
【0018】
ここで、プリンター10ではインクとして、有機溶剤に顔料を分散させたソルベントインクが用いられ、記録が行われる。本明細書におけるソルベントインクには、高溶剤系顔料インクと、シクロヘキサン非含有の低溶剤タイプのエコソルベント系顔料インクの双方が含まれているが、以下、本実施形態では、後者のエコソルベント系顔料インクが用いられる構成を前提としている。
【0019】
なお、プリンター10で用いられるソルベントインクの有機溶剤としては、好ましくは極性有機溶媒、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、またはフッ化アルコールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、またはシクロヘキサノンなど)、カルボン酸エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、またはプロピオン酸エチルなど)、またはエーテル類(ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、またはジオキサンなど)を用いることができる。これらのうち、常温常圧下で液体であるアルキレングリコールエーテルを1種以上含む有機溶剤が好ましい。
【0020】
コンピューター1は、印刷を行う画像に応じた画像データを、プリンタドライバを介してプリンター10に送る。画像データには、媒体の各画素についてインク色毎にインクを噴射するか否かを示す画素データが含まれている。
【0021】
また、本発明によるプリンター10に用いられる記録媒体Sしては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の材質からなる記録媒体Sが適用可能である。
【0022】
上記のようなヘッドユニット150は、コントローラー110に接続されており、ヘッドユニット150に対しては、インクの噴射を制御するための信号などが送られる。このような信号の中には、コンピューター1から受信した画像データに基づいたものの他、画像データ信号に基づかないフラッシングを実行するためのものがある。
【0023】
キャリッジ14の移動可能範囲の中央部分は、記録媒体Sに記録を行う記録領域とされており、この記録領域には、記録媒体Sを非記録面側から水平に支持・載置するプラテン19が設けられている。
【0024】
また、プリンター10には、複数の搬送ローラー(不図示)により構成され、副走査方向(第2の方向)に記録媒体Sを送るための記録媒体搬送ユニット130が設けられている。記録媒体搬送ユニット130は、画像記録時において、キャリッジ14の動作に合わせて、記録媒体Sの搬送と停止とを繰り返して記録媒体Sを間欠的に搬送する。
【0025】
また、プリンター10の筐体上面(不図示)には、例えばタッチパネルにより構成され、ユーザーが選択可能な記録モードを表示するとともに、表示された記録モードをユーザーが選択して入力する入力操作ユニット120が設けられている。この入力操作ユニット120は、後述のコントローラー110に接続されており、所定操作に基づいて選択された記録モードに係る信号をコントローラー110に対して出力するようになっている。
【0026】
ここで、本実施形態においては、入力操作ユニット120などから記録モードとして、特に、縁無し印刷モードを選択可能な構成となっている。この縁無し印刷モードでは、プラテン19にインクを打ち捨てることによって、記録媒体Sの端部をカバーする範囲にまで印刷が可能となる。
【0027】
インクとしてソルベントインクが用いられたプリンターでは、縁無し印刷が実行されると、プラテン19に打ち捨てられたソルベントインクが装置筐体内に残り、印刷終了後にも臭気が残ってしまい、不快感の原因になるという問題があるが、本実施形態においては、後述するように消臭領域21がプラテン19に上に設けられ、脱臭が図られているので、このような問題が発生しない。
【0028】
図3は、本実施形態におけるプリンター10を制御するための制御ブロックを示したものであり、この制御ブロックにおけるコントローラー110は、たとえば、CPU111、ROM112、RAM113からなり、ROM112に記録された処理プログラムをRAM113に展開してCPU111によりこの処理プログラムを実行するようになっている。また、インターフェイス105は、プリンター10のコントローラー110とコンピューター1を接続するために設けられたインターフェイスである。
【0029】
次に、プラテン19に設けられる消臭領域21についてプラテン19周辺の構成の模式図である図3に基づいて説明する。
【0030】
プラテン19には、記録媒体Sが搬送される方向に対して平行に複数のリブ20が設けられており、このリブ20上で記録媒体Sが支えられつつ、記録媒体搬送ユニット130により記録媒体Sが送られるようになっている。
【0031】
プラテン19上においては、複数のリブ20が設けられている以外の箇所に消臭領域21が設けられている。この消臭領域21には活性炭が含まれており、ソルベントインク中の有機溶剤を捕捉することで、臭気を除去することができるようになっている。
【0032】
消臭領域21はヘッドユニット150がインクを噴射する最大範囲をカバーするように設けられている。特に、消臭領域21は、プリンター10で用い得る最大幅の記録媒体Sの両端部より、それぞれ所定距離d分長い幅を有している。これにより、縁無し印刷モードが実行され、プラテン19上にソルベントインクが打ち捨てられた場合でも、この消臭領域21にインクが打ち捨てられることにより、脱臭が図れる。
【0033】
次に、消臭領域21の詳細な構成について説明する。図4は本実施形態に係る液体噴射装置であるプリンター10に設けられる消臭領域21の構成を示す図である。図4において(A)乃至(D)は消臭領域21のバリエーションを示している。本発明に係る液体噴射装置では、これらのうちのいずれのものを用いることができるし、また、いずれかを組み合わせたものも用いることができる。
【0034】
図4(A)は、スポンジなどから構成され液体を吸収する吸収材層22と、インクから揮発する有機溶剤成分を捕捉する活性炭よりなる活性炭層23とが交互に積層された消臭領域21を示すものである。本発明に係るプリンター10は、上記のように活性炭層23と吸収材層22を含む消臭領域21を有するプラテン19が設けられているので、本発明のプリンター10によれば、プラテン19上にソルベントインクが打ち捨てられる縁無し印刷が実行されても、消臭領域21に含まれる活性炭層23にソルベントインクの有機溶剤成分が捕集されるので、不快感の原因となる臭気を取り除くことが可能となるのである。
【0035】
図4(A)に示す消臭領域21は、吸収材層22の厚さと、活性炭層23の厚さとが等しく構成された例である。一方、図4(B)に示す消臭領域21は、吸収材層22と、この吸収材層22の厚さより厚い活性炭層23とが交互に積層された例である。図4(B)に示すように、吸収材層22の厚さと、活性炭層23の厚さとを任意に変更することで、液体吸収効果、及び、揮発成分である有機溶剤の脱臭効果の双方の最適化を図ることが可能である。
【0036】
図4(C)は、スポンジなどから構成され液体を吸収する吸収材層22と、インクから揮発する有機溶剤成分を捕捉する活性炭よりなる活性炭層23とが、インク噴射方向に平行に重ねられるように設けられた消臭領域21を示すものである。また、図4(D)は、スポンジなどから構成される吸収材層22中に、活性炭粒24が分散されるようにして構成される消臭領域21を示すものである。図4(C)や図4(D)のように構成された消臭領域21によっても、先に説明した効果と同様の効果を享受することができる。
【0037】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。先の実施形態では、プラテン19上において、消臭領域21はヘッドユニット150がインクを噴射する範囲の全てをカバーするように設けられていたが、他の実施形態では、プラテン19上において、消臭領域21は縁無し印刷モード時にインクが打ち捨てられる領域に限定して設けられている。
【0038】
図5は本発明の他の実施形態に係るプリンター10のプラテン19周辺の構成を模式的に示す図である。
【0039】
図5に示す例では、幅がA1である記録媒体S1と、幅がA2である記録媒体S2と、幅がA3である記録媒体S3の3種の幅の記録媒体を装置で扱い得るプリンター10について説明する。なお、幅の間には、A1>A2>A3の関係がある。
【0040】
図5(A)は幅がA1である記録媒体S1に対し印刷する状態を示している。この記録媒体S1に対応する消臭領域として、消臭領域21−1は、記録媒体S1の両端部より、それぞれ所定距離d分長い幅を有している。消臭領域21−1としては、図4に関連して説明したものを用いる。
【0041】
また、図5(B)は幅がA2である記録媒体S2に対し印刷する状態を示している。この記録媒体S2に対応する消臭領域として、消臭領域21−2は、記録媒体S2の両端部より、それぞれ所定距離d分長い幅を有している。消臭領域21−2としては、図4に関連して説明したものを用いる。
【0042】
また、図5(C)は幅がA3である記録媒体S3に対し印刷する状態を示している。この記録媒体S3に対応する消臭領域として、消臭領域21−3は、記録媒体S3の両端部より、それぞれ所定距離d分長い幅を有している。消臭領域21−3としては、図4に関連して説明したものを用いる。
【0043】
以上のように本実施形態においては、消臭領域21−1と、消臭領域21−2と、消臭領域21−3とは、記録媒体の幅別にプラテン19上にそれぞれ独立して設けられており、それぞれの幅の記録媒体を用いた際の縁無し印刷モード時にインクが打ち捨てられる領域に対応する用になっている。
【0044】
以上のような他の実施形態に係るプリンター10は、活性炭層23と吸収材層22を含む消臭領域21―1乃至−3が記録媒体幅に対応するようにプラテン19上に設けられているので、他の実施形態に係るプリンター10によれば、いずれの幅の記録媒体で縁無し印刷が実行され、プラテン19上にソルベントインクが打ち捨てられても、消臭領域に含
まれる活性炭層23にソルベントインクの有機溶剤成分が捕集されるので、不快感の原因となる臭気を取り除くことが可能となるのである。
【0045】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、ヘッドユニット150において、消臭領域21に洗浄液を噴射する洗浄液噴射ノズル列160が設けられている点で、これまでに説明した実施形態と異なり、その他の点は異なることがない。以下、この相違点について説明する。
【0046】
図6は他の実施形態に係るプリンター10のキャリッジ14に搭載されるヘッドユニット150及び洗浄液噴射ノズル列160を説明する図である。キャリッジ14に搭載されるヘッドユニット150及び洗浄液噴射ノズル列160について図6を参照して説明する。図6はキャリッジ14の底面(記録媒体Sやプラテン19と対向する面)を概略的に示している。キャリッジ14の中央部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の色インク(液体)を記録媒体Sに噴射するノズルを形成してなるヘッドユニット150が搭載されている。図示するように、ヘッドユニット150は、副走査方向に複数のノズルが並んで形成されたノズル列151〜154を備えている。
【0047】
また、キャリッジ14におけるヘッドユニット150の両側部には、消臭領域21に対して洗浄液を噴射する洗浄液噴射ノズル列160が、ヘッドにおける主走査方向(第1の方向)と直交し記録媒体Sを搬送する副走査方向(第2の方向)の上流側端部から下流側端部にわたってそれぞれ設けられている。本実施形態においては、このような洗浄液噴射ノズル列160が、消臭領域21を通過する際に、消臭領域21に対して洗浄液を噴射することで、消臭領域21中の活性炭層23や活性炭粒24を洗浄するようになっている。これにより、本実施形態においては、活性炭層23や活性炭粒24の長寿命化を図ることができ、ソルベントインクの有機溶剤成分の捕集効果を長期にわたって持続させることができるようになる。
【0048】
以上、本発明の液体噴射装置は、活性炭と吸収材とからなる消臭領域を有するプラテンが設けられているので、本発明の液体噴射装置によれば、プラテンにソルベントインクが打ち捨てられる縁無し印刷が実行されても、前記消臭領域に含まれる活性炭にソルベントインクの溶剤成分が捕集されるので、不快感の原因となる臭気を取り除くことが可能となる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・コンピューター、10・・・プリンター、12・・・ガイドレール、14・・・キャリッジ、19・・・プラテン、20・・・リブ、21、21−1、21−2、21−3・・・消臭領域、22・・・吸収材層、23・・・活性炭層、24・・・活性炭粒、105・・・インターフェイス、110・・・コントローラー、111・・・CPU、112・・・ROM、113・・・RAM、120・・・入力操作ユニット、130・・・記録媒体搬送ユニット、140・・・キャリッジ駆動ユニット、150・・・ヘッドユニット、151・・・(シアンインク)ノズル列、152・・・(マゼンタインク)ノズル列、153・・・(イエローインク)ノズル列、154・・・(ブラックインク)ノズル列、160・・・洗浄液噴射ノズル列、S・・・記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、
前記記録媒体搬送手段によって搬送される前記記録媒体を載置すると共に、活性炭と吸収材を含む消臭領域を有するプラテンと、
前記プラテンと対向配置されると共に、前記記録媒体及び前記プラテンにソルベントインクを噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、
前記記録媒体に対して前記液体噴射ヘッドを相対的に走査させる走査手段と、を有することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記消臭領域では前記活性炭と前記吸収材とが交互に積層されることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記消臭領域では前記吸収材中に前記活性炭が分散されることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記液体噴射ヘッドによってソルベントインクが噴射される領域に、前記消臭領域が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記記録媒体搬送手段が、前記記録媒体が搬送される方向と垂直な方向で長さが異なる前記記録媒体を搬送すると共に、異なる長さの前記記録媒体に対応した前記消臭領域が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記液体噴射ヘッドには前記消臭領域を洗浄する洗浄液を噴射するノズルが設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−183790(P2012−183790A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49936(P2011−49936)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】