説明

液体塗布具のバルブ装置

【課題】コイルばねの強度不足や、弁部、弁座部の成型誤差等が生じていたとしても、初使用前に、塗布体が部分的に染まるような不具合が生じることのない液体塗布具用のバルブを提供すること。
【解決手段】初回の塗布体押圧時に、前記弁棒2の後端による圧接で開栓する栓体5を、前記筒状主体1内の気密が保持されるように、前記筒状主体1の底部に被嵌する。従って、初回の塗布体押圧時に、前記弁棒2の後端による圧接で栓体5が開栓するまでは、前記筒状主体1内に塗布液が流入することがない。また、前記筒状主体1の底部に、前記塗布液流入孔とは別に補助塗布液流入孔を配設することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マーキングペンに用いる液体塗布具のバルブ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、本願出願人が開示したペン芯ノック式筆記具用バルブであるが、当該バルブは、使用する前から筒状主体内にインキが流入しているため、初使用後だけでなく、製品製造時から初使用時までの間も、前記筒状主体内とインキ流出孔との間を、コイルばねの弾発力を利用して気密保持した設計となっている。
特許文献2には、初使用時までは、塗布液が副室内に流入しない弁付塗布具が開示されている。当該弁付塗布具は、未使用時には副室に塗布液が流入しておらず、初使用時に塗布体後端の押圧力により、中栓が開口部より脱離し、塗布液が副室に流入できる設計となっている。
【特許文献1】実公平06−50231号公報
【特許文献2】実公平01−16540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のバルブは、前記筒状主体内とインキ流出孔との間の気密を弁部と弁座部の1箇所のみでとる設計となっているため、コイルばねの強度不足や、弁部、弁座部の成型誤差等により、初使用前にインキ流出孔へインキが漏れ出し、ペン芯が部分的に染まる不具合が生じていた。また、設計仕様通りの製品であっても、落下による衝撃や、空輸等による気圧差によって、初使用前にインキ流出孔へインキが漏れ出し、ペン芯が部分的に染まる不具合が生じていた。
特許文献2の弁付塗布具は、初使用時まで塗布液が副室内に流入しない塗布具であるが、中栓が圧入配置されている部分と、塗布液が流入する開口部(塗布液流入孔)が同一のため、前記開口部(塗布液流入孔)とは別に補助開口部(補助塗布液流入孔)を設けることができない。そのため、塗布液の種類によって、開口部の大きさを変えると、それに合わせて中栓の大きさを随時変更しなければならないし、そもそも開口部が一つしかないため、塗布液の流量はもちろんのこと、副室へ流入する塗布液の流路を細かく調整することは極めて困難だった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために完成された第1の発明の液体塗布具のバルブ装置は、底部中央に塗布液流入孔を設けるとともに蓋部に塗布液流出孔を設けた筒状主体と、該塗布液流出孔の基部に形成された弁座部に対応する弁部を中間に備えた弁棒と、該弁棒に囲装されて前記弁部を弁座部に向け弾発するコイルばねとよりなり、管軸の先端に嵌着されて、常時は該管軸の先端に続く塗布体ホルダーに挿着された塗布体に対する塗布液の供給を前記弁部と弁座部との当接により阻止しているが、塗布時には塗布圧により弁棒が押されて弁部が弁座部より離れて塗布体に対し塗布液を供給できるようにした液体塗布具のバルブ装置であって、初回の塗布体押圧時に、前記弁棒後端による圧接で開栓する栓体を、前記筒状主体内の気密が保持されるように、前記筒状主体の底部に被嵌することを特徴とする。
また、第2の発明の液体塗布具のバルブ装置は、前記筒状主体の底部に、前記塗布液流入孔とは別に補助塗布液流入孔を配設したことを特徴とする第1の発明の液体塗布具のバルブ装置である。
また、第3の発明の液体塗布具のバルブ装置は、前記栓体が、前記筒状主体の中間部胴壁に配設した補助塗布液流入孔を覆うようにしたことを特徴とする第1の発明または第2の発明の液体塗布具のバルブ装置である。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、初回の塗布体押圧時に、前記弁棒後端による圧接で栓体が開栓するまでは、前記筒状主体内に塗布液は流入できない。そのため、仮に、コイルばねの強度不足や、弁部、弁座部の成型誤差等が生じていたとしても、初使用前に、塗布体が部分的に染まるような不具合は生じない。また、設計仕様通りの製品であっても、落下による衝撃や、空輸等による気圧差によって、初使用前に塗布液流出孔へ塗布液が漏れ出し、塗布体が部分的に染まる不具合は生じない。そして、初回の塗布体押圧で栓体を開栓した後は、従来の塗布体押圧式塗布具と同様に使用することができる。
また、前記栓体が、前記筒状主体の底部を覆うように被嵌しているため、底部に設けた塗布液流入孔とは別に、底部に補助塗布液流入孔を設けることができ、前記筒状主体内へ流入する塗布液量を細かく調整することができる。ここで被嵌とは被せるように嵌めることを意味している。
また、前記筒状主体内へ流入する塗布液量をさらに細かく調整するために、前記補助塗布液流入孔を、前記筒状主体の底部だけでなく、前記筒状主体の中間部胴壁に設けた場合であっても、前記栓体で被嵌できるため、初回の塗布体押圧時に、前記弁棒後端による圧接で栓体が開栓するまでは、前記筒状主体内に塗布液は流入できない。そのため、仮に、コイルばねの強度不足や、弁部、弁座部の成型誤差等が生じていたとしても、初使用前に、塗布体が部分的に染まるような不具合は生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の第1の実施例を図1〜図6に基づいて詳細に説明する。ここで、本発明において「前」とは塗布体8側を差し、「後」、「底」は管軸6側を差す。
筒状主体1は、概ね円筒形の形状を有し、底部中央に塗布液流入孔12を設けた筒体の前端開口に、栓状の蓋部3を嵌着して構成される。蓋部3の中央には基部を弁座部31に形成した塗布液流出孔32を設けてある。前記筒状主体1には弁棒2が組み込まれている。筒状主体1の筒の中心軸は、弁棒2の中心軸である弁軸と共通している。
【0007】
前記弁棒2は前記弁座部31に対応する弁部21を中間に備えており、該弁棒2はその前端である弁棒前部22が前記塗布液流出孔32より外側に突出し、また、その後端である弁棒後端23が、少なくとも塗布液流入孔12内に位置するように筒状主体1に組み込まれている。弁棒2は筒状主体1の塗布液流入孔12に摺動可能に挿通されており、塗布液流入孔12によって案内されて前後方向に移動可能になっている。
【0008】
コイルばね4は、一方の端部を、弁棒2に配設された前記弁部21に囲装され、他端部を前記筒状主体1の底部内壁面に当接されているため、コイルばね4の弾発力は弁部21に伝播し常時は前記弁部21を弁座部31に圧接させている。なお、筒状主体1の底部内壁面と、これに対向する前記弁部21の後端面には、コイルばね4の両端を係止させる凹部などの係止部を設けておくと、使用時にコイルばね4のガタツキを防止できる上、組立作業の効率も上げることができ好ましい。
【0009】
栓体5は、前記筒状主体1の底部を覆い被せるように、筒状主体1に被嵌する。栓体5は有底筒体で、前記筒状主体内11に塗布液が流入しないように、栓体5と筒状主体1は気密嵌合される。嵌合される箇所と、気密をとる箇所は、同じでも別々の箇所でもよい。例えば、栓体5の内周面52と、前記筒状主体1胴壁の略後端外周面13とで気密嵌合したり、栓体5の内底面と前記筒状主体底部とで気密嵌合したり、あるいは、栓体5の内底面と前記筒状主体底部とで気密をとった上で、栓体5の内周面52と、前記筒状主体1胴壁の略後端外周面13とで嵌合だけさせたりすること等を適宜採用可能である。ここで、嵌合の方法は、圧入嵌合、あるいは凹凸嵌合等を適宜採用可能である。
【0010】
前記気密嵌合をより確実にするために、Oリング(オーリング)等の気密用シール材10も使用可能である。Oリングとは、断面がO形(円形)の環状シール部材で、材質には、ニトリルゴム(NBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム、ウレタンゴム等を使用可能である。前記筒状主体1後端外周面13と、栓体内周面52との気密を確保するために、前記筒状主体1後端外周面13に溝部を設け、その溝にOリングを装着し、栓体内周面52で適度に圧縮することによって、塗布液の流入を防ぐことができる。Oリングは、栓体内周面52に装着してももちろんよいものである。
また、栓体5内底面か筒状主体1底部のどちらか一方に、前記Oリングを装着して、塗布液の流入を防いでもよいものである。
【0011】
ここで、筒状主体1、弁棒2、蓋部3、栓体5の材質には合成樹脂製のプラスチックを使用することができる。前記栓体5の形状は、筒状主体1を被嵌できる形状であれば、特に制限はなく、前記のような筒体だけでなく、底面が多角形状を有するものでもよい。
また、本発明の塗布液としては、例えばインキを採用でき、当該インキは、水性、油性、染料系、顔料系、を適宜採用することができる。また、防錆剤、潤滑剤等も採用可能である。防錆剤や潤滑剤等は、主溶剤として表面張力の低い石油系溶剤を採用することが多いため、本発明を採用するにあたって好ましい。
【0012】
本発明の第1の実施例は以上のような構成であり、次にその作用について詳細に説明する。
まず、塗布液と、必要に応じて撹拌球9を内蔵した管軸6の先端に筒状主体1を嵌着したうえで、前記管軸6の先端に塗布体ホルダー7を螺着し、塗布体8の後端を前記塗布液流出孔32に続かせておく。そうすると、常時は、コイルばね4の弾発力により前記弁部21が弁座部31に圧接されているので、塗布体8に対する塗布液の供給は阻止されているが、塗布体8を塗布対象面に押し付ける動作によって、塗布体8が揺動して弁棒2が押されて中間の弁部21が弁座部31より離れて塗布液流出孔32が開かれ、塗布体8に対する塗布液の供給ができる。この構成は、従来のこの種の液体塗布具のバルブと同様である。また、塗布体8を覆うように、適宜キャップを設けてもよいものである。
【0013】
ところで、本発明の第1の実施例は、前記筒状主体1に栓体5を被嵌させておく。この栓体5は、塗布体8を塗布面等へ初めて押圧する時に、前記筒状主体1から脱離するように設計されている。つまり、初回時の塗布体8の押圧によって、塗布体8の後端が前記弁棒前部22を押圧し、それにより後退した弁棒2の後端23が、前記栓体5の内底面を圧接することで、前記筒状主体1と栓体5の嵌合が解かれ開栓し、栓体5は、筒状主体1から脱離して管軸6内に収容される。そして、塗布液は、塗布液流入孔12から筒状主体内11に流入し、塗布液流出孔32を経て、塗布体8に供給される。栓体5の開栓後は、従来の液体塗布具と同様の構成となる。
このように、栓体5は、塗布体8を押圧する力により開栓するため、栓体5と筒状主体1との気密嵌合の強度は、塗布体8の硬度をよく勘案して設定する必要がある。気密嵌合の強度が強すぎると、栓体5を開栓する際に塗布体8が潰れてしまう可能性がある。塗布体8の材質は、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の合成繊維素材、フェルト素材、プラスチック素材等が適宜使用可能であるため、それらの素材や塗布体8の先端形状に合わせて、前記気密嵌合の強度を設定すればよい。前記気密嵌合強度は、100gf〜2kgf程度が採用可能である。
【0014】
栓体5を開栓するために必要な弁棒2の後退距離は、前記栓体5と前記筒状主体1との気密嵌合を解除するのに必要な、最低限の距離でよい。塗布体8の押圧により、弁棒後端23と栓体内底面が当接し、栓体5が開栓するのであれば、弁棒後端23と栓体内底面が初めから当接している必要はない。
また、栓体5の内底部中心に、前記塗布液流入孔12に挿通される突起51を設けてもよい。この場合、前記塗布液流入孔12には、前方から弁棒後端23が挿通され、後方から突起51が挿通されることになる。このような構成をとると、栓体5の開栓に必要な弁棒2の後退距離を、前記突起51が補うため、弁棒後端23を極端に長く設計する必要がなくなる。弁棒後端23と突起51の先端は、初めから当接していてもよいし、弁棒2の後退によって当接するように設計しておいてもよい。
【0015】
また、気密嵌合されているときの栓体5先端から筒状主体1後端までの距離aと、弁棒2の後退する距離bとの関係が、同一または、弁棒2の後退する距離の方が長い場合、つまりa≦bの場合、栓体5は確実に筒状主体1から脱離するため、さらに好ましい。
【0016】
本発明のバルブ装置はこのような構成であるため、初回の塗布体8押圧時に、前記弁棒後端23による圧接で栓体5が開栓するまでは、前記筒状主体内11に塗布液は流入できないものであり、従来までは塗布液流入孔12の機密を1箇所(弁部21と弁座部31)でとっていたものを、栓体5によりさらにもう一箇所で気密をとるようにしたため、予想外の衝撃、圧力変化や、成型誤差等によって、塗布液が塗布体8に漏れ出すような不具合は生じなくなった。
【0017】
次に、本発明の第2の実施例を図7に基づいて詳細に説明する。前記第1の実施例と重複する箇所は省略する。
第2の実施例は、前記筒状主体1の底部に、前記塗布液流入孔12とは別に補助塗布液流入孔14を配設する。補助塗布液流入孔14は、前記塗布液流入孔12を囲むように配設し、その数に制限はない。また、形状についても円形、楕円形、多角形等、適宜採用可能である。
そして、塗布液流入孔12と補助塗布液流入孔14を配設した筒状主体1の底部に、栓体5を被嵌させる。栓体5と筒状主体1とを気密嵌合する方法は、実施例1の通りである。これにより、筒状主体1の底部にどれだけ補助塗布液流入孔14を設けても、筒状主体内11に、塗布液が流入することはない。
そして前記の通り、初回時の塗布体8の押圧によって、塗布体8の後端が前記弁棒前部22を押圧し、それにより後退した弁棒2の後端23が、前記栓体5の内底面を圧接することで、前記筒状主体1と栓体5の嵌合が解かれ開栓し、塗布液は、塗布液流入孔12と補助塗布液流入孔14から筒状主体内11に流入し、塗布液流出孔32を経て、塗布体8に供給される。
このように、補助塗布液流入孔14を配設することにより、塗布液流入孔12からの塗布液だけでは不足する分を補助するとともに、前記筒状主体内11へ流入する塗布液量を細かく調整することも可能となる。
【0018】
次に、本発明の第3の実施例を図8に基づいて詳細に説明する。前記第1および第2の実施例と重複する箇所は省略する。
第3の実施例は、前記筒状主体1の中間部胴壁に補助塗布液流入孔15を配設し、その補助塗布液流入孔15も、前記栓体5で被嵌するものである。中間部胴壁に配設する補助塗布液流入孔15の数に制限はなく、形状についても円形、楕円形、多角形等、適宜採用可能である。
そして、前記塗布液流入孔12と、筒状主体1の中間部胴壁に配設した補助塗布液流入孔15とを覆うように、筒状主体1に栓体5を被嵌させる。栓体5と筒状主体1とを気密嵌合する方法は、実施例1の構成を適宜採用可能であるが、その嵌合部分は、補助塗布液流入孔15の前端より前方に位置することとなる。
そして前記の通り、初回時の塗布体8の押圧によって、塗布体8の後端が前記弁棒前部22を押圧し、それにより後退した弁棒2の後端23が、前記栓体5の内底面を圧接することで、前記筒状主体1と栓体5の嵌合が解かれ開栓し、塗布液は、塗布液流入孔12と補助塗布液流入孔15から筒状主体内11に流入し、塗布液流出孔32を経て、塗布体8に供給される。
補助塗布液流入孔15に加えて、筒状主体底部に配設した前記補助塗布液流入孔14を併用しても、もちろんよいものである。
【0019】
ここで、実施例3では、気密嵌合部が、補助塗布液流入孔15の前端より前方に位置することにより、栓体5と筒状主体1との被覆部分が大きくなるが、塗布液が筒状主体内11へ流入することの妨げにはならない。つまり、初回時の塗布体8の押圧によって、前記気密嵌合部が解除されて開栓すれば、栓体5は筒状主体1から脱離してフリーとなり、自然に筒状主体1から離れ、管軸6内に収容されるからである。例えば、筒状主体1を後端に向かって先細りの形状にすると、開栓後の栓体5が、筒状主体1から脱離し易くなり、より都合がよい。
【0020】
このように、筒状主体1の中間部胴壁に補助塗布液流入孔15を配設することにより、塗布液流入孔12からの塗布液だけでは不足する分を補助するとともに、前記筒状主体内11へ流入する塗布液量を細かく調整することも可能となる。実施例2のように、底部中央の塗布液流入孔12とは別に補助塗布液流入孔14を底部に配設してあるときも、塗布液流入孔12からの塗布液では不足する分を、この補助塗布液流入孔15から補給できることとなる。また、前記補助塗布液流入孔15の一端が、前記弁座部31の近くまで達している場合は、管軸6の中の塗布液の殆ど全量を残らず塗布体8側に送り出すことができて経済的である。
【0021】
尚、本発明を前記実施例により説明したが、本発明は前記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施例の液体塗布具の半断面図
【図2】同液体塗布具の、栓体が脱離した状態の半断面図
【図3】同液体塗布具のバルブ装置の断面図
【図4】同バルブ装置の開栓前と開栓後の断面図
【図5】同バルブ装置の開栓後の斜視図
【図6】同液体塗布具の栓体の斜視図
【図7】第2の実施例の液体塗布具のバルブ装置の断面図
【図8】第3の実施例の液体塗布具のバルブ装置の断面図
【符号の説明】
【0023】
1 筒状主体
11 筒状主体内
12 塗布液流入孔
13 後端外周面
14 15 補助塗布液流入孔
2 弁棒
21 弁部
22 弁棒前部
23 弁棒後端
3 蓋部
31 弁座部
32 塗布液流出孔
4 コイルばね
5 栓体
51 突起
52 内周面
6 管軸
7 塗布体ホルダー
8 塗布体
9 撹拌球
10 気密用シール材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部中央に塗布液流入孔を設けるとともに蓋部に塗布液流出孔を設けた筒状主体と、該塗布液流出孔の基部に形成された弁座部に対応する弁部を中間に備えた弁棒と、該弁棒に囲装されて前記弁部を弁座部に向け弾発するコイルばねとよりなり、管軸の先端に嵌着されて、常時は該管軸の先端に続く塗布体ホルダーに挿着された塗布体に対する塗布液の供給を前記弁部と弁座部との当接により阻止しているが、塗布時には塗布圧により弁棒が押されて弁部が弁座部より離れて塗布体に対し塗布液を供給できるようにした液体塗布具のバルブ装置であって、
初回の塗布体押圧時に、前記弁棒後端による圧接で開栓する栓体を、前記筒状主体内の気密が保持されるように、前記筒状主体の底部に被嵌することを特徴とする液体塗布具のバルブ装置。
【請求項2】
前記筒状主体の底部に、前記塗布液流入孔とは別に補助塗布液流入孔を配設したことを特徴とする請求項1に記載の液体塗布具のバルブ装置。
【請求項3】
前記栓体が、前記筒状主体の中間部胴壁に配設した補助塗布液流入孔を覆うようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体塗布具のバルブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−220330(P2009−220330A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65571(P2008−65571)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(390017891)シヤチハタ株式会社 (162)
【Fターム(参考)】