説明

液体塗布装置

浴室の壁などの表面に液体を撒布し壁面に対して作動させる液体塗布装置が開示されている。塗布装置は、洗浄液を入れるための圧縮可能な容器を有し得る。容器を圧縮すると、液体は、調整されながら、スポンジパッドへ駆動される。逆止弁は、パッドから容器へ液体が逆流することを防止する。ふくれパックは、パッドが容器に取り付けられている時でもスポンジパッドを収容することができる。他の形状において、非使用時は、塗布装置が傾倒されて側面を下にして載置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体と、液体が塗布される表面に対して液体を作動させる能力と、の両方を提供する小型片手持ち装置に係り、より詳細には、この装置に有用に使用される表示及び/又は収容包装に関する。
【0002】
塗布される流体を貯蔵する容器と、塗布装置のヘッド及び/又はパッドを有する様々な液体塗布装置が開発されている。例えば、米国特許第2,820,234号、第2,932,840号、第3,135,990号、第3,148,401号、第3,565,294号、第3,653,779号、第4,183,684号、第4,201,491号、第4,553,871号、第4,652,163号、第4,961,661号、第4,983,061号、第5,114,255号、第5,397,194号、第5,454,659号、第5,908,256号、第6,036,391号、第6,210,064号、第6,425,701号、第6,817,801号、及び第6,945,722号を参照されたい。これら特許及び全ての他の特許の開示は、本明細書中に説明されているように、参照することによってその全体が組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
従来の装置のいくつかは、液体を撒布するために起動装置や他のポンプ(汲上げ)方式を利用する。他の装置は、容器の側面を強く押して(絞って)液体を噴出させる。パッドへ液体を供給する塗布装置もあれば、液体を別に送出する装置もある。
【0004】
多くのこのような装置の欠点は、液体を過剰に供給すること(例えば、液垂れ又は過剰供給の問題が生じる)、又は、(例えば、パッドが詰まりやすい場合は特に)液体が過少供給されることである。また、これらの塗布装置のいくつかは、構成が複雑であり、経費が極めて高くなる。これらの装置は、陳列販売時に破損される可能性がある。いくつかの装置は、キット(組立て前)の状態で販売されており、その場合は、消費者が、装置の組立てている間に処理面と直接触れる必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、塗布装置が所望される表示包装に適用される場合は特に、処理面(例えば、洗浄される表面)に液体を確実に塗布することができる改良された液体塗布装置に対する要求が高まってきている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、液体塗布装置が提供されている。この装置は、表面に塗布される液体を保持するように構成された容器を有す。この容器の一端にはアダプタ(仲介部)が設けられている。仲介部は、軸方向に延出し容器と連通している開口と、仲介部の外側端部に隣接している接続構造と、を含む。また、仲介部に着脱可能に係合されたパッド(好ましくは、スポンジたわし)も提供されている。
【0007】
パッドは、取付板に取り付けられた層を有しており、取付板は、仲介部の接続構造と好適に係合する接続構造を有している。好ましくは、接続構造は、仲介部上の一つ以上の脚部が取付板上の一つ以上の溝に回転可能に接続されるように、バヨネット(差込み)式接続によって互いに係合される。これを容易にするために、溝はそれぞれ幅広部と幅細部を有している。
【0008】
仲介部開口内には、一方向逆止弁が配置されており、この一方向逆止弁は、液体が仲介部を介して容器から放出するのを許容するが、一方向逆止弁を介して容器へ逆流するのを抑制する。使用前には、一方向逆止弁の下流の開口内に栓を配置するようにしてもよい。
【0009】
本発明の他の態様において、他の液体塗布装置は、表面に塗布される液体を保持するように構成され一端に仲介部を有する容器を有していてよい。仲介部は、軸方向に延出しており、容器と連通している開口と、仲介部の外側端部に隣接している接続構造と、を有している。また、仲介部に着脱可能に係合されるパッドと、好適にパッドを受け取り、非使用時はパッドを収容するための井戸状パックと、が提供されている。
【0010】
パッドは、取付板に取り付けられた研磨層を有し、取付板は、仲介部の接続構造を好適に係合する接続構造を有している。パッドは、パック内に収容されている間、(パック後方壁内の穴を介して、)仲介部に係合されてよいし、或いは、パック内に収容されていない時は、仲介部に係合され得る。
【0011】
(パッドとパックを容器に取り付ける時にパッドを実質的に取り囲むために、)井戸状パックに着脱可能に取り付けられる剥離蓋が提供されている。また、パッドは、後部スポンジ層と前部研磨層を有するような多層であってよい。この装置は、洗浄液を使った洗浄用途に最も適している。
【0012】
更に他の形態において、本発明は、更に他の液体塗布装置を提供する。これらの液体塗布装置は、表面に塗布される液体を保持するように構成された容器を有している。この容器は、細長い上部ハンドル(取っ手)と側面を有している。スポンジパッドは、容器の底面と連結し、容器から液体を受け取るように構成されている。液体を容器からスポンジパッドへ駆動するために、容器と協働する手段(例えば、絞り形態の側面、またはポンプなど)が提供されている。塗布装置は、側面が下向きになるように好適に傾倒され、この後、平らな受け台に配置された時に安定的に載置され得る。
【0013】
本発明は、処理される面に対して所望される液体の分量を確実に測定でき、液体をその面に対して作動させることができるにもかかわらず、低コストで製造できるという利点を有する。また、いくつかの実施の形態において、製品の陳列販売時に、製品の特徴が消費者に表示されるようにすると共に、パッドを破壊から防止して漏洩しないようにする。他の実施の形態において、本発明は、パッドが部分的に汚れていても、次に使用するまでに、塗布装置を保管するための簡便な方法を提供する。
【0014】
本発明の以上の利点は、以下の説明によってより明確に理解されよう。本発明の好ましい実施の形態は、添付図面を参照することによって説明されているが、これらはあくまでも例示的に用いられており、本発明を限定するものではないことが理解されよう。また、これらの実施の形態は、必ずしも、本発明の全ての範囲を網羅しているわけではなく、従って、添付の請求の範囲を参照することによって本発明の範囲が理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】店頭陳列形態の本発明の液体塗布装置を示している後部斜視図である。
【図2】別の角度に沿った分解斜視図である。
【図3】図1の線3−3に沿った断面図である。
【図4】回転係合動作が一点鎖線によって示されている平面図である。
【図5】図3と同様の拡大図であり、包装を開いた時の組立て状態を示す部分的分解図である。
【図6】図3と同様の図であり、包装を除いた時の組立てを示す図である。
【図7】図6の組立ての使用時を示す断面図である。
【図8】ボトル側面が絞り出されている時に一方向逆止弁を通過する洗浄液を示す図7の線8−8に沿った断面図である。
【図9】図8と同様の図であり、閉止位置における(例えば、ボトルが絞られない時の)一方向逆止弁を示す図である。
【図10】流体容器が人間工学に基づく取っ手の形態である本発明の第2の実施の形態による液体塗布装置を示す右手側正面斜視図である。
【図11】傾倒されて保持台座に載置された時の図10の装置を示す図である。
【図12】図10の線12−12に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜図3を参照すると、本発明の好ましい実施の形態による液体塗布装置10が示されている。この塗布装置10は、スクイーズボトル(絞り形態の容器)の形態の流体容器12、ネック(首)型のアダプタ(仲介部)14、及びブリスタ(ふくれ)型パック16内に収容されたスポンジパッド18を有している。
【0017】
図1に示されているように、塗布装置10は、店舗で製品棚に陳列される時も家庭で仕舞う時も直立状態で置かれる。装置を使用する前、パック(筐体)16はパッド18から外されなければならず、次に、パッド18は、仲介部14に再接続される。次に、図7に示すように、塗布装置10が転倒され、パッド18を洗浄面48に押し付けることができる。
【0018】
容器12は、容器形態のほんの一例である。図10〜図12に示されているように、例えば、成形された取っ手(ハンドル)の形態の容器12Aであってもよい。
【0019】
図5に示されているように、仲介部14は、容器12内の液体と連通し、中央に配置されて軸方向に延出している開口24を有している。開口24は、二つの側部から突出しているL字形の脚部26及び28によって画定されている。
【0020】
好ましくは、パッド18は、多層であり、研磨層34に接着されたスポンジ層32を含む。スポンジ層の反対側には取付板36が配置されている。
【0021】
好ましくは、研磨層34は、カーディングされたエアレイド樹脂接着不織プラスチックであるポリエステル繊維などの合成材料から作製され、(他の従来のスポンジ材料も使用できるが、)例えば、「半連続」気泡ポリウレタンから作られる従来の合成スポンジに加熱接着や他の方法で接着される。
【0022】
好ましくは、取付板36は、接着剤又は他の手段によってスポンジ層32に取り付けられる硬いプラスチックである。例えば、接着剤は熱圧接着剤であってもよいし、硬いプラスチックはポリエチレンであってもよい。
【0023】
取付板36は、円弧溝40及び42(図2参照)によって二つの側部上で画定された中央配置後方突出シリンダ38を有している。円弧溝40及び42は、仲介部14のL字形の脚部26及び28を回転可能に受容するように構成されている。バヨネット(差込み)接続において、これらの脚部は、溝の幅広部内へ差し込まれてもよい。次に、パッド18周りでのパック19の有無にかかわらず、相対的な回転によって、取付板36とスポンジ層32の間で脚部の足が捕捉される。
【0024】
図5に示されるように、パック16は、パッド18を好適に保持することができるコップ形井戸20の形態であってよい。剥離蓋22は、井戸20を着脱可能に被覆する。好ましくは、蓋22は、ポリエチレンなどの離形接着剤が裏面に塗布された印刷されたカード用紙などの合成材料である。好ましくは、井戸20は、熱成形された再生ポリエチレン・テレフタル酸塩(RPET)などの透明なプラスチック製であり、消費者は、包装された状態でも製品の特徴を見ることができる。
【0025】
図3〜図5から明らかなように、パッド18が入っているパック16は、仲介部14のL字形の脚部26及び28が、溝40及び42の大きい部分と位置合わせされるまで、取付板36を回転させて、仲介部14から取り外し可能となる。次に、図5に示されるように、パック16は、仲介部14から軸方向に離間移動され得る。図5に示されるように、剥離蓋22が開けられる。
【0026】
ここで、パック16からパッド18から取り去られ、廃棄される。次に、図6に示されるように、上述した軸方向及び回転方向の動作を逆戻りすることによって、パッド18は、仲介部14に再係合され得る。しかしながら、この動作を行う前に、栓27が存在しているか否かによって更なる工程が必要とされる場合もある。この場合、装置を使用する前に、開口24内の逆止弁46の下流に仮栓を差し込むことが好ましい。これによって、装置の使用前に液体が漏洩することを回避することができ、店内で破壊者がボトルを強く押したり絞ったりして破壊することを最小限に抑えることができる。
【0027】
このように、図5の位置に至った後、栓27(使用されている場合)は、図6の再組立てを行う前に取り外す必要がある。塗布装置10は、パック16が除かれた状態で差込み接続を再設定した後、すぐに使用することができる。図6の構成において、取付板36の中心突出シリンダ38は、仲介部14の開口24に位置合わせされる。
【0028】
図5〜図9は、一方向逆止弁46の作用及び配置を示している。一方向逆止弁46は、開口24内の図9の位置にある略円板である。好ましくは、十字形の切込みは、(図8に示すように)無圧状態の時に完全に閉成する円板の中心を介して形成される。この切込みによって、(処理される面に対してパッドが押し下げられる場合に、)パッドから容器へ液体が逆流する傾向が防止され、容器からの予期せぬ漏洩が最小となる。
【0029】
使用中、図7に示されるように、パッド18(特に、研磨層34)は、洗浄及び/又は処理される面48(例えば、浴室の壁、浴槽、窓、又は他の硬面)に対して押圧される。次に、ユーザは、容器12の側面を絞り、逆止弁46及び開口24を介して洗浄液をスポンジ層32へ押し込む。次に、液体は、パッドが作動面48に対して圧縮された時は特に、研磨層34内へ移動される。従って、スポンジは、測定装置の形態として動作する。
【0030】
通常、パッド18の圧縮によって液体がかなりの逆流圧をもたらすことに注目されたい。しかしながら、液体は、逆止弁46の設計のおかげで、容器12内へ戻ることはない。
【0031】
図10〜図12は、本発明の第2の実施の形態を示し、この実施の形態によれば、容器12Aが細長い人間工学に基づく取っ手の形態を有している。取っ手全体が絞れる代わりに、正面部分50が圧縮されてポンプを起動させ、次に、洗浄剤52が、ネック14Aを通過して、次に、研磨層34Aとスポンジ層32Aから作製されたスポンジパッド18Aへ送られる。或いは、液体の噴出を付勢するために取っ手の側面を絞ることもできる。
【0032】
重要なことは、この実施の形態は、相対的に平坦な後方側面71を設けている。非使用時は、図11に示されるように、塗布装置12Aは、側面71を下にして傾倒され、略水平の受け台70上に載置される。
【0033】
このような塗布装置によって使用される液体は、特定の用途に向けて最適化されるように選択され得る。例えば、装置がガラス磨きとして使用される場合は、洗浄液は、Windex(ウィンデックス(登録商標))であってよい。装置が浴槽のタイル洗浄装置として使用される場合は、従来の浴槽タイル洗浄剤(好ましくは、漂白剤の入ったもの)が用いられてよい。装置が硬面洗浄装置として使用される場合は、従来の硬面洗浄剤が用いられてよい。装置が家具や靴磨きとして使用される場合、適当な液体磨き剤が選択され得る。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明してきたが、本発明が様々な他の実施の形態に適用可能であることを理解されたい。例えば、パッドが多層構造であることは重要ではない。また、仲介部(アダプタ)は容器と一体形成することもできる。
【0035】
従って、本発明の原理は、本発明に具体的に記載または図面に描かれている事項以外の様々な方法に適用できる。更に本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、他の変更も可能である。このように、本発明の全範囲を理解するために、(好ましい実施の形態よりも)請求の範囲を検討されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
包装方法の表示に特に好適であり、及び/又は、非使用時の保管が簡便な液体塗布装置が開示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体塗布装置であって、
表面に塗布される液体を保持するように構成され、一端に仲介部を有する容器と、
軸方向に延出し前記容器と連通している開口と、前記仲介部の外側端部に隣接している接続構造と、を含む前記仲介部と、
前記仲介部に着脱可能に係合されるパッドと、
を含み、
前記パッドが、取付板に取り付けられる層を含み、
前記取付板が、前記仲介部の前記接続構造と好適に係合する接続構造を有し、
前記接続構造が、差込み接続によって互いに係合される、
液体塗布装置。
【請求項2】
前記仲介部接続構造が脚部であり、前記取付板接続構造が溝である、請求項1に記載の液体塗布装置。
【請求項3】
前記仲介部接続構造が、前記仲介部の外側端部における前記仲介部の開口の対向側に配置される二つの脚部を含み、前記取付板接続構造が、各々が幅広部と幅細部を有する二つの円弧状の溝を含む、請求項1に記載の液体塗布装置。
【請求項4】
仲介部開口内に配置されている一方向逆止弁であって、前記仲介部を介して前記容器から液体が放出するのを許容するが、液体が前記一方向逆止弁を介して前記容器へ逆流するのを抑制する、前記一方向逆止弁を備えた請求項1に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記仲介部開口内の前記一方向逆止弁の下流に配置することができる着脱可能な栓を更に含む、請求項4に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記液体が洗浄液である、請求項1に記載の液体塗布装置。
【請求項7】
表面に塗布される液体を保持するように構成され一端に仲介部を有する容器と、
軸方向に延出し前記容器と連通している開口と、前記仲介部の外側端部に隣接している接続構造と、を含む前記仲介部と、
前記仲介部に着脱可能に係合されるパッドと、
前記パッドを好適に受容し、使用前はそれを収容する井戸状パックと、
を含む液体塗布装置であって、
前記パッドが、取付板に取り付けられる層を含み、
前記取付板が、前記仲介部の前記接続構造と好適に係合される接続構造を有し、
前記パッドが前記パックに収容されている時は、前記パックの後方壁内の穴を介して前記パック内に好適に連結されるか、或いは、前記パッドが前記パック内に収容されていない時は、前記仲介部に連結されるように構成されている、
液体塗布装置。
【請求項8】
前記井戸状パックに取付けられた剥離蓋を更に含む、請求項7に記載の液体塗布装置。
【請求項9】
前記パッドが、後部スポンジ層と前部研磨層を含む、請求項8に記載の液体塗布装置。
【請求項10】
前記液体が洗浄液であり、前記パッドがスポンジパッドである、請求項8に記載の液体塗布装置。
【請求項11】
液体塗布装置であって、
表面に塗布される液体を保持するように構成され、細長い上部取っ手と側面を有する容器と、
前記容器の底面に連結され前記容器から液体を受け取るように構成されているスポンジパッドと、
前記容器から前記スポンジパッドまで液体を駆動させるために前記容器と協働する手段と、
を含み、
前記装置は、側面が下に向くように好適に傾倒され、次に、水平の受け台に安定的に載置することが可能である、
液体塗布装置。
【請求項12】
前記液体が洗浄液である、請求項11に記載の液体塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−524682(P2010−524682A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506215(P2010−506215)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/004954
【国際公開番号】WO2008/133829
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】